JP3398563B2 - 複合薄膜の製造方法及び製造装置 - Google Patents

複合薄膜の製造方法及び製造装置

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JP3398563B2
JP3398563B2 JP08176897A JP8176897A JP3398563B2 JP 3398563 B2 JP3398563 B2 JP 3398563B2 JP 08176897 A JP08176897 A JP 08176897A JP 8176897 A JP8176897 A JP 8176897A JP 3398563 B2 JP3398563 B2 JP 3398563B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂薄膜と金属薄膜
とが積層された複合薄膜製造方法及び製造装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】現代社会に於て薄膜の果たす役割は非常
に広範囲であり、包装紙、磁気テ−プ、コンデンサ、半
導体などの日常生活の様々な部分において薄膜が利用さ
れている。これらの薄膜無しには、近年に於ける高性能
化や小型化といった技術の基本トレンドを語ることは出
来ない。
【0003】同時に、工業的需要を満足する形で薄膜を
形成する方法についても種々の開発がなされており、例
えば包装紙、磁気テープ、コンデンサなどの用途におい
ては、高速で大量生産に有利な連続巻取り真空蒸着が行
われている。
【0004】連続巻取り真空蒸着を行う際には、蒸発材
料と基板材料とを形成する薄膜の目的に合わせて選ぶと
同時に、必要に応じて真空槽内に反応ガスを導入するこ
とや、基板に電位を設けた状態で薄膜を形成することに
よって所望の特性を持った薄膜を形成することが出来
る。
【0005】例えば、磁気記録媒体の製造においてはC
o、Ni、Feなどの磁性元素を含む蒸発材料を用い、
真空槽中に酸素ガスを導入しながら反応蒸着を行うこと
によって長尺の磁気記録媒体を得ることが出来る。ま
た、半導体に於いては主にスパッタ法によって薄膜が形
成されている。
【0006】また、樹脂材料を用いた薄膜の形成には塗
装による方法が用いられ、リバースコートやダイコート
が工業的に用いられており、溶剤で希釈した材料を塗工
後に乾燥硬化させることが一般的である。
【0007】しかしながら、このような工法で形成され
る樹脂薄膜の膜厚の下限は、使用する材料によるが1μ
m前後であることが多く、それ以下の膜厚は得られにく
い場合が多い。
【0008】一般的な塗工手段では、塗工直後の塗布厚
が数μm以上となるために極薄の樹脂膜の形成には溶剤
希釈が必要であるが、溶剤希釈しても1μm以下の樹脂
薄膜が得られない場合も多く、また、溶剤希釈を行うと
乾燥後の塗膜に欠陥が生じ易く、そのうえ環境保護の観
点からも好ましくない。
【0009】そこで、溶剤希釈を行わなくとも樹脂薄膜
が形成できる方法や極薄の樹脂薄膜が安定に得られる方
法が望まれている。これを解決する方法として、真空中
で樹脂薄膜を形成する方法が提案されている。これは、
真空中で樹脂材料を霧化した後に支持体に付着させる方
法であり、この方法によれば空隙欠陥のない樹脂薄膜を
形成する事が出来ると共に、溶剤希釈の必要もなくな
る。
【0010】この方法で得られた樹脂薄膜の上に更に異
種の薄膜を積層することによって従来得られなかった様
々な複合薄膜が得られ、その工業的利用分野は非常に多
岐にわたる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】樹脂薄膜と金属薄膜を
積層した複合薄膜の例としては、樹脂薄膜と金属薄膜と
を順次積層し、樹脂薄膜の間にアルミや銅あるいは銀、
または金の薄膜を配置したものが挙げられる。このよう
な複合薄膜は、高周波での損失の少ない導体であり、高
周波化の技術の流れの上で非常に期待が大きいものであ
る。
【0012】また、長尺の基板上に樹脂薄膜をあらかじ
め形成し、更にその上に金属薄膜を形成して積層薄膜付
きの基板を作製し、前記積層薄膜付きの基板を積み重ね
ることで小型で大容量のフィルムコンデンサが形成でき
る。
【0013】さらに、樹脂薄膜と金属薄膜とを繰り返し
積層し、樹脂薄膜の間にアルミや、錫、亜鉛などの金属
薄膜を配置し、金属薄膜を交互に電極として引き出すと
超小型のコンデンサが形成できる。
【0014】ところが、これらの樹脂薄膜と金属薄膜と
の積層薄膜においては、樹脂薄膜及び金属薄膜のそれぞ
れの性能もさることながら、樹脂薄膜と金属薄膜との層
間の付着力が重要になる。
【0015】すなわち各層間に十分な付着力がない状態
では、積層後の複合薄膜が後加工工程や実使用条件下に
おいて層間に微小な剥がれを発生し、微小な剥がれはや
がて層間全体の剥離につながるためである。特に樹脂薄
膜上の金属薄膜の付着力には不足が生じやすいという問
題があった。
【0016】本発明は前記問題点を解決し、樹脂薄膜と
金属薄膜との層間の付着力を十分なものにし、相関剥離
のない複合薄膜とその製造方法を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の複合薄膜の製造
方法は、真空中で樹脂薄膜と金属薄膜とが積層された複
合薄膜を製造するに際し、樹脂薄膜を形成した後に前記
樹脂薄膜の表面を酸素を主成分として含む放電雰囲気下
に晒した後に、前記樹脂薄膜上に金属薄膜を形成するこ
とを特徴とする。
【0018】
【0019】この本発明によると、樹脂薄膜と金属薄膜
との層間の付着力が強く、層間剥離のない積層薄膜とそ
の製造方法が提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の複合薄膜の製造方法は、
基板上に樹脂薄膜と金属薄膜とを積層して複合薄膜を製
造するに際し、前記基板を巻出しローラと巻取りローラ
とによって真空中を搬送しつつ、樹脂薄膜を蒸着形成す
る樹脂薄膜形成工程と、樹脂薄膜の表面を酸素を主成分
として含む放電雰囲気下に晒す放電工程と、樹脂薄膜上
に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成工程とをこの順
に行なうことを特徴とする。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】本発明の別の複合薄膜の製造方法は、樹脂
薄膜と金属薄膜とを積層して複合薄膜を製造するに際
し、真空中で回転される円筒状の支持体に対して、樹脂
薄膜を蒸着形成する樹脂薄膜形成工程と、樹脂薄膜の表
面を酸素を主成分として含む放電雰囲気下に晒す放電工
程と、樹脂薄膜上にマスク剤をパターン塗布する塗布工
程と、前記放電工程から遮蔽板によって遮蔽された領域
で樹脂薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成工
程とをこの順に行なうことを特徴とする。
【0026】これらの製造方法によると、樹脂薄膜を形
成した後に樹脂薄膜の表面を酸素を主成分として含む放
電雰囲気下に晒すことで、樹脂薄膜と金属薄膜との境界
近傍に酸素の多い状態を形成できる。複合薄膜では、樹
脂薄膜と金属薄膜との境界近傍の酸素濃度が樹脂薄膜の
厚み中心の酸素濃度よりも小さいと樹脂薄膜の硬化度が
小さくなり、薄膜形成後の内部あるいは外部応力に対し
て積層界面への力の集中が小さくなるため各層が剥離し
やすくなるので、上記した状態が望ましいのである。し
かも複合薄膜の形成を真空中で行うことで、樹脂薄膜と
金属薄膜との接着強度が一層向上する。
【0027】
【0028】本発明のさらに別の複合薄膜の製造方法
は、樹脂薄膜と金属薄膜とを積層して複合薄膜を製造す
るに際し、前記樹脂薄膜を蒸着形成して酸素を含む雰囲
気下で紫外線硬化させ、その硬化工程で酸素濃度を調節
して所望の硬化度に調節し、硬化した樹脂薄膜上に金属
薄膜を蒸着形成することを特徴とする。
【0029】この製造方法によっても、同様に樹脂薄膜
と金属薄膜との境界近傍に酸素の多い状態を形成でき
る。しかし、酸素の導入量が多すぎると硬化そのものが
阻害されて、樹脂薄膜の硬化が不十分なまま金属薄膜の
積層が行われるので、接着強度の向上に適した酸素量は
使用する材料系によって適宜設定する必要がある。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】樹脂薄膜の材料としてはアクリレートを主
成分として含む樹脂組成物が好適に使用できる。
【0034】特に円筒状の支持体を使用する製造方法に
おいては、樹脂薄膜と金属薄膜とを順次に積層する工程
少なくとも2回繰り返すことで、多層構造の複合薄膜
を容易に得ることができる。
【0035】本発明の複合薄膜の製造装置は、基板上に
樹脂薄膜と金属薄膜とを積層する複合薄膜の製造装置で
あって、前記基板を巻出しローラと巻取りローラとによ
って真空中を搬送する搬送路に沿って、樹脂薄膜を蒸着
形成する樹脂薄膜形成手段と、樹脂薄膜の表面を酸素を
主成分として含む放電雰囲気下に晒す放電手段と、樹脂
薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成手段とを
この順に設けたことを特徴とする。 本発明の別の複合薄
膜の製造装置は、樹脂薄膜と金属薄膜とを積層する複合
薄膜の製造装置であって、真空中で回転される円筒状の
支持体の回転方向に沿って、樹脂薄膜を蒸着形成する樹
脂薄膜形成手段と、樹脂薄膜の表面を酸素を主成分とし
て含む放電雰囲気下に晒す放電手段と、樹脂薄膜上にマ
スク剤をパターン塗布する塗布手段と、樹脂薄膜上に金
属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成手段とをこの順に設
け、前記塗布手段と金属薄膜形成手段との間を仕切る遮
蔽板を設けたことを特徴とする。
【0036】このような製造装置であると、真空中で樹
脂薄膜および金属薄膜の形成が行えるため、樹脂薄膜と
金属薄膜との接着強力が向上する。
【0037】本発明のさらに別の製造装置は、樹脂薄膜
を蒸着形成する樹脂薄膜形成手段と、樹脂薄膜を酸素を
含む雰囲気下で紫外線硬化させる硬化手段と、硬化した
樹脂薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成手段
とをこの順に設け、前記硬化手段は、所望の硬化度に応
じて酸素濃度を調節するように構成したことを特徴とす
る。
【0038】このような製造装置であると、紫外線硬化
時に酸素を微量導入することによって接着強度はさらに
向上する。ただし、酸素の導入量が多すぎると硬化その
ものが阻害されて、樹脂薄膜の硬化が不充分なまま金属
薄膜の積層が行われるので、接着強度の向上に適した酸
素量は使用する材料系によって適宜設定する必要があ
る。
【0039】以下、本発明の樹脂薄膜と金属薄膜とから
なる複合薄膜の製造方法を具体的な実施の形態に基づい
て説明する。本発明の複合薄膜の製造方法を実現する製
造装置は、例えば図1、図2あるいは図4に示されるも
のである。
【0040】(実施の形態1)図1は本発明の(実施の
形態1)に用いる複合薄膜の製造装置を示す。複合薄膜
は排気系19を備えた真空槽17の内部で形成される。
真空槽17の内部は、基板2の上に樹脂薄膜を形成する
樹脂薄膜形成部20と、樹脂表面を硬化させる硬化部2
2と、硬化させた樹脂の表面の酸素濃度を上げる放電部
23と、樹脂薄膜の上に金属薄膜を形成する金属薄膜形
成部21で構成されている。
【0041】巻き出しローラ1と巻き取りローラ5との
間に掛け渡された基板2は、ガイドローラ6aを介して
樹脂薄膜形成用キャン3の外周部の樹脂薄膜形成部20
を通過し、ガイドローラ6bを経て放電部23を通過す
る。放電部23を通過した基板2は、ガイドローラ6c
を経て金属薄膜形成用キャン4の外周部の金属薄膜形成
部21を通過し、ガイドローラ6dを介して巻き取りロ
ール5に巻き取られる。
【0042】詳しくは、巻き出しローラ1より基板2が
引き出され、基板2はガイドローラ6aを介して樹脂薄
膜形成用キャン3が矢印B方向に回転することにより樹
脂薄膜形成部20へと搬送される。
【0043】樹脂薄膜形成部20は、樹脂薄膜形成用キ
ャン3と遮蔽板7a〜7cにより囲まれた部分とによっ
て形成される。遮蔽板7aの一部には、樹脂薄膜形成用
の溶融された樹脂を供給されるための液供給管9が配設
され、真空槽17の外部に設けられたバルブ8が開けら
れると、溶融された樹脂が一次霧化装置である超音波振
動子10の表面に供給される。
【0044】超音波振動によって微小粒子化された樹脂
材料は、樹脂形成用キャン3と超音波振動子10との間
に設けられた加熱ローラ11の周側面に到着した後、加
熱ローラ11の表面から再び微粒子となって離脱し、基
板2の表面に付着する。
【0045】樹脂微粒子の付着した基板2は、樹脂形成
用キャン3により硬化部22へと搬送され、紫外線硬化
装置13によってその表面が硬化される。このようにし
て樹脂薄膜の形成された基板2は、ガイドローラ6bを
介してさらに搬送され、放電部23を通過する。放電部
23は、基板の表面にグロー放電を行うグロー放電装置
14と、グロー放電を酸素を主成分とする雰囲気下で行
うために酸素ガスを導入するためのガス導入管15と、
ガスの流量を調整するための流量制御装置16からな
る。
【0046】放電部23を通過した基板2は、ガイドロ
ーラ6cを介して金属薄膜形成用キャン4から金属薄膜
形成部21へと搬送され、樹脂薄膜形成部20で形成さ
れた樹脂薄膜の上に金属薄膜が形成される。
【0047】金属薄膜形成部21は、基板2を搬送する
ために矢印C方向に回転する金属薄膜形成用キャン4
と、金属薄膜形成用キャン4の周側面を両端から挾む遮
蔽板7d、7eと、金属薄膜を形成する電子ビーム蒸着
源12からなる。
【0048】遮蔽板7d、7eによって挟まれた部分の
金属薄膜形成用キャン4を通過する基板2は、電子ビー
ム蒸発源12から電子ビーム18が照射されて樹脂薄膜
表面上に金属薄膜を形成する。
【0049】このようにして形成された樹脂薄膜と金属
薄膜との複合薄膜は、金属薄膜形成部21を通過した後
にガイドローラ6dを介して巻き取りロール5に巻き取
られる。
【0050】上記のようにして得られた複合薄膜は、基
板2が放電部23を通過することで、樹脂薄膜と金属薄
膜との界面の酸素濃度を上げることができ、樹脂薄膜と
金属薄膜との接着強力の強い複合薄膜を得ることができ
る。
【0051】(実施例1)上記(実施の形態1)のよう
に構成される複合薄膜の製造装置において、放電部23
での放電条件および酸素濃度を変化させて以下に示す2
種の複合薄膜を作製した。
【0052】薄膜を形成する基板2としては、厚さ2μ
mのポリエチレンテレフタレート基板上に厚さ200n
mの銅を形成した銅蒸着基板3を用いた。樹脂薄膜形成
用キャン3の走行速度は50m/分とし、液供給菅9よ
り供給される樹脂材料としては1.9ノナンジオールジ
アクリレートに光重合開始剤を10wt%混ぜたものを
用いた。加熱ローラ11の表面温度は130℃として、
基板2の上に厚さ0.8μmの樹脂薄膜を形成した。
【0053】そして、硬化部22では300Wの紫外線
を照射して樹脂薄膜の表面を硬化し、放電部23ではグ
ロー放電の条件を次の2通りとした。条件(A)では、
酸素ガスの流量を10sccmとし、放電は交流600
Vの電圧で100mAの電流で行い、条件(B)では、
酸素ガスの流量を20sccmとし、放電は直流100
0Vの電圧で100mAの電流で行った。
【0054】金属薄膜材料には純度99.95%の銅を
用い、加速電圧15kVの電子ビーム蒸着を行って膜厚
200nmの銅薄膜を形成した。上記の条件によって得
られた複合薄膜の樹脂薄膜と金属薄膜との境界近傍の酸
素濃度と樹脂薄膜の厚み中心の酸素濃度との相対比(以
下この比を「酸素強度の相対比」と称す。)を求めた。
【0055】また、樹脂薄膜と金属薄膜との接着強力を
調べるために、テープ剥離試験とアルミブロック荷重剥
離試験とを行った。テープ剥離試験は、剃刀で碁盤目状
に傷つけた試料のセロハンテープを接着し、剥離した部
分の試料面積に対する割合を%にて表示する。また、ア
ルミブロック荷重剥離試験は、薄膜の両面に5mm立方
のアルミのブロックを接着剤で接着し、両ブロックを引
き離す時の剥離荷重と、剥離が起きた場所を調べること
によって行った。
【0056】得られた複合薄膜の酸素強度の相対比と、
テープ剥離試験とアルミブロック荷重剥離試験との結果
を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】上記(実施例1)で得られた複合薄膜は、
例えば高周波用導体として用いられ、基板の上に樹脂薄
膜と金属薄膜とがそれぞれ1層ずつ積層したものや、樹
脂薄膜と金属薄膜とを順次積層し、それを少なくとも2
回以上繰り返し積層したものが使用できる。さらに、基
板の上に樹脂薄膜と金属薄膜とがそれぞれ1層ずつ積層
したものを幾つか重ねたもの、すなわち、基板、樹脂薄
膜、金属薄膜、基板、樹脂薄膜、金属薄膜…の順に積層
されたものも使用できる。
【0059】(比較例1)(実施例1)において樹脂薄
膜の形成及び硬化を行った後、グロー放電処理及び金属
薄膜の形成を行わずに、樹脂薄膜の形成された基板2の
巻き取りを行なった。
【0060】そして、真空槽を大気に解放した後に再び
排気系19を用いて真空排気し、真空槽17内を真空状
態にした後で樹脂薄膜の形成された基板2にグロー放電
処理を行い、さらに金属薄膜を形成した。
【0061】得られた複合薄膜の酸素強度の相対比と、
テープ剥離試験とアルミブロック荷重剥離試験との結果
を表1に示す。
【0062】(比較例2)(実施例1)においてグロー
放電処理を取りやめた他は(実施例1)と同様の構成で
樹脂薄膜の形成を行った。
【0063】得られた複合薄膜の酸素強度の相対比と、
テープ剥離試験とアルミブロック荷重剥離試験との結果
を表1に示す。
【0064】(実施の形態2)図2は本発明の(実施の
形態2)に用いられた複合薄膜の製造装置を示す。上記
(実施の形態1)においては、樹脂薄膜形成用のキャン
3と金属形成用のキャン4を用いて樹脂薄膜と金属薄膜
とを形成したが、(実施の形態2)においては、1つの
キャン27を用いて複合薄膜を形成する。
【0065】真空層17および樹脂薄膜形成部20、放
電部23の構成は(実施の形態1)とほぼ同様の構成で
あるが、(実施の形態2)においては矢印D方向に回転
するキャン27の上に直接樹脂薄膜及び金属薄膜が形成
される。
【0066】すなわち、樹脂薄膜形成部20において樹
脂薄膜が形成されるとキャン27は矢印D方向に回転し
て放電部23に設けられた紫外線照射装置26によって
紫外線照射によって樹脂薄膜の表面が硬化される。さら
に、キャン27は遮蔽板7fによって区切られた金属薄
膜形成部21へと回転して樹脂薄膜上に金属薄膜が形成
され、再び樹脂薄膜形成部20へと回転する。そして、
金属薄膜の上に樹脂薄膜が形成され、上記の動作を繰り
返すことによって樹脂薄膜と金属薄膜とが何層にも積層
された複合薄膜を形成する。
【0067】樹脂薄膜形成部20では、(実施の形態
1)と異なり、樹脂の一次気化装置として超音波振動子
10の代わりに液蒸発源24が用いられている。また、
金属薄膜形成部21では誘導加熱蒸発源25によって金
属薄膜が形成される。
【0068】なお、このような製造装置を用いてなる複
合薄膜を用いて、図3に示すような断面模式図のコンデ
ンサ29を形成することができる。具体的には、コンデ
ンサ29は、樹脂薄膜30と金属薄膜31とが順次積層
された複合薄膜が電極32aと32bの間に挟まれ、金
属薄膜31a、31c、31e、31gは電極32aに
接触し、金属薄膜31b、31d、31fは電極32b
に接触して形成されている。そしてその間を樹脂薄膜3
0a〜30hが順次積層されている。
【0069】このような積層構造とするためには、キャ
ン27上に形成された樹脂薄膜が金属薄膜形成部21を
通過する前に、矢印28の部分でパターニング装置によ
って樹脂薄膜上にオイル等をパターン塗布しておき、パ
ターン上には金属薄膜が形成されない様にする。
【0070】(実施例2)上記(実施の形態2)のよう
に構成される複合薄膜の製造装置を用いて、放電部23
における酸素濃度を3種類に変化させて以下のような複
合薄膜を作製した。
【0071】支持体として用いる円筒状のキャン27に
は、周面にクロムめっきが施され、研磨によって0.3
sの表面性に仕上げられたものを用いた。このキャン2
7を周速60m/分で回転させ樹脂薄膜と金属薄膜とを
交互に積層させた。
【0072】樹脂材料としては、ジメチノールトリシク
ロデカンジアクリレートに光重合開始剤を0.5wt%
混ぜたものを用い、液供給管9から蒸発源に供給された
樹脂材料は、液蒸発源24に供給される。液蒸発源24
から蒸発した樹脂材料は、表面温度110℃の加熱ロー
ラ11の周面に到着した後、加熱ローラ表面から再び微
粒子となって離脱し、基板上に厚さ0.1μmの樹脂薄
膜を形成する。
【0073】硬化部22では300Wの紫外線を照射し
て樹脂薄膜の表面を硬化した。なお、紫外線照射装置2
6には酸素ガスを導入しながら樹脂薄膜を形成し、酸素
ガスの導入量は2sccm、10sccm、100sc
cmと変化させた。
【0074】金属薄膜材料としては純度99.95%の
アルミを用いて、誘導加熱蒸発源22によって厚さ30
nmの金属薄膜を形成した。上記の製造方法によって、
樹脂薄膜とアルミ薄膜を500層程度交互に繰り返し積
層した。そして、複合薄膜に切り込みをいれてキャン2
7から取りはずし、シート状の複合薄膜を得た。
【0075】得られた複合薄膜の酸素強度の相対比と、
テープ剥離試験とアルミブロック荷重剥離試験との結果
を表1に示す。
【0076】(比較例3)(実施例2)において紫外線
照射装置26への酸素ガスの導入を行わなかった。そし
て、それ以外は(実施例2)と同様の構成で樹脂薄膜の
形成を行った。
【0077】得られた複合薄膜の酸素強度の相対比と、
テープ剥離試験とアルミブロック荷重剥離試験との結果
を表1に示す。
【0078】(実施の形態3)図4は本発明の(実施の
形態3)に用いられた複合薄膜の製造装置を示す。図4
は(実施の形態1)で用いた図1とほぼ同様の構成であ
るが、硬化部22は樹脂形成用キャン3の周側部ではな
く、樹脂形成用キャン3と金属薄膜形成用キャン4との
間に設けられた硬化用キャン34の周側部に設けられて
いる。
【0079】硬化部22に設けられた紫外線照射装置1
3では、樹脂薄膜に紫外線を照射し、紫外線照射装置の
照射面を水冷銅板35で一部遮蔽して遮蔽度を変えて樹
脂薄膜の表面への紫外線の照射量を変化させる。
【0080】また、硬化させた樹脂の表面の酸素濃度を
上げる放電部23は設けられておらず、(実施の形態
3)においては樹脂薄膜の表面を酸素雰囲気下にさらす
ことはしない。
【0081】なお、金属薄膜形成部21においては、金
属薄膜を形成する電子ビーム蒸着源12の代わりに抵抗
加熱蒸発源33が設けられている。 (実施例3)上記(実施の形態2)のように構成される
複合薄膜の製造装置を用いて、硬化部22での紫外線の
遮蔽率を20%〜100%まで変化させて以下に示す5
種類の複合薄膜を作製した。
【0082】薄膜を形成する基板2としては、厚さ4μ
mのポリエチレンナフタレート基板上に厚さ70nmの
アルミニウムを形成したアルミニウム蒸着基板2を用い
た。樹脂薄膜形成用キャン3の走行速度は80m/分と
した。
【0083】樹脂材料としては、1.9ノナンジオール
ジアクリレートとジメチノールトリシクロデカンジアク
リレートの1:1混合液からなるものを用いた。加熱ロ
ーラ11の表面温度は120℃とし、金属薄膜材料には
純度99.95%のアルミを用いた。
【0084】紫外線照射装置13では樹脂薄膜に300
Wの紫外線を照射し、紫外線照射装置の照射面を水冷銅
板35で一部遮蔽して遮蔽度を変化させた。上記の条件
によって得られた複合薄膜の酸素強度の相対比と、テー
プ剥離試験とアルミブロック荷重剥離試験との結果を表
2に示す。
【0085】
【表2】
【0086】上記(実施例3)で得られた複合薄膜は
(実施例1)と同様に、例えば高周波用導体として用い
られる。
【0087】(比較例4)(実施例3)において紫外線
照射装置13に設けられた水冷銅板35を無くして照射
面の一部遮蔽を取りやめた。そしてそれ以外は、(実施
例3)と同様の構成で複合薄膜の形成を行った。
【0088】上記の条件によって得られた複合薄膜の酸
素強度の相対比と、テープ剥離試験とアルミブロック荷
重剥離試験との結果を表2に示す。
【0089】(実施例1)は、放電部23においてグロ
ー放電を酸素を主成分とする雰囲気下で行ったため、表
1に示すように酸素強度の相対比が1.3以上と高くな
った。そのため、2つの剥離試験において樹脂薄膜と金
属薄膜との剥離面積が小さく、しかも剥離荷重が100
0g以上と十分な接着強力を有する複合薄膜が得られ
た。
【0090】また、グロー放電時における印加電圧の交
流、直流による優位差は特に認められないことが確認さ
れた。また、(比較例1)においては、グロー放電を行
う前に樹脂薄膜の表面を一旦大気に晒したため、酸素強
度の相対比がやや小さくグロー放電処理による接着強度
の向上度合いも小さいものとなった。
【0091】(比較例2)は、グロー放電処理を行わな
かったため、テープ剥離試験およびアルミブロック荷重
剥離試験の結果はやや劣るものであった。(実施例2)
は、放電部23における酸素濃度を変化させたものであ
るが、表1からわかるように、紫外線硬化時には酸素を
微量に導入することによって樹脂薄膜と金属薄膜との接
着強力が向上することがわかる。酸素の導入量が多すぎ
るときには硬化そのものが阻害されて、樹脂薄膜の硬化
が不充分なまま金属薄膜の積層が行われるので、接着強
度に劣るものとなった。
【0092】また(比較例3)からもわかるように、紫
外線硬化時に酸素が全く導入されない場合には、剥離面
積がやや大きくなり、アルミブロック荷重剥離試験の結
果はやや劣るものであった。
【0093】なお、表には示していないが(実施例2)
においては積層数を500としたが、この積層数を10
00とした場合には、酸素を2sccm導入した場合に
は(実施例2)と同じ800gの接着強度が得られたの
に対し、酸素を導入しない場合には(比較例3)よりも
更に小さな120gの接着強度となった。これは、積層
数の増加による内部応力の増加に対し、本発明では更に
有効に作用していることを示すものと思われる。
【0094】(実施例1)および(実施例2)において
接着強度が向上する理由は十分には明らかではないが、
樹脂薄膜とその上に積層される金属薄膜の界面に酸素の
多い状態が形成されることで、付着強度が向上している
と思われる。また、酸素を微量導入した場合には樹脂薄
膜の硬化度がやや小さく、薄膜形成後の内部あるいは外
部応力に対して、積層界面への力の集中が小さいこと
と、界面に酸素が多いこととの複合効果が考えられる。
【0095】(実施例3)、紫外線照射時の遮蔽率によ
る樹脂薄膜と金属薄膜との接着強度を調べたものであ
る。表2からわかるように、紫外線照射を一部遮蔽して
樹脂薄膜の硬化度を多少下げた状態で金属薄膜を積層す
ることによっても接着強度は幾分向上する。
【0096】しかしながら、(実施例3)では樹脂薄膜
の表面を酸素雰囲気下に晒していないため、界面の酸素
増加は(実施例1)や(実施例2)ほど顕著ではない。
また(比較例4)によると、紫外線の遮蔽を行わずに樹
脂薄膜の表面を完全に硬化すると、接着強度はやや低く
なることがわかる。
【0097】従って(実施例3)での接着強度の向上
は、紫外線を一部遮蔽することによって完全には硬化し
ていない樹脂薄膜の表面が金属薄膜の凝縮熱によって硬
化の終盤が行われ、その際に樹脂薄膜表面の清浄度向上
などの酸素濃度の増加とは別の要因によって起こるもの
と推察される。
【0098】なお、(実施例3)で紫外線照射を完全に
遮蔽した場合には、蒸着金属の凝縮熱だけでは樹脂薄膜
表面の硬化が完了しないので樹脂薄膜は未硬化となって
満足な積層状態を得ることができない。紫外線の適当な
遮蔽度は金属の種類による凝縮熱の違いや、金属薄膜の
形成手段、特に電子ビーム使用の有無によって大きく異
なるので、紫外線の遮蔽度合いは形成する薄膜に応じて
最適化する必要がある。
【0099】未硬化樹脂を支障のない程度に硬化する方
法としては、電子ビーム蒸着による反射電子すること
や、樹脂薄膜表面に電子線を照射して金属薄膜を形成す
る事もできる。
【0100】以上の(実施例1)〜(実施例3)におい
て、支持体としてロール状の高分子基板上に金属薄膜を
形成したもの及びキャンを用いた場合についてのみ述べ
たが、本発明はこれらの支持体によって制限されるもの
ではなく、ロール状以外の、平板状や曲面形状の基板も
用いることが出来る他、支持体としては金属、絶縁体、
ガラス、半導体等を用いることもできる。
【0101】なお、各実施例において硬化装置として紫
外線硬化について述べたが、ヒータ等を熱源とする熱硬
化や電子線硬化を用いたり各種の硬化装置の組み合わせ
を用いてもよい。
【0102】また、気化または霧化の方法として実施例
に述べた方法の他、タービン翼形状などの高速可動翼を
用いて機械的に霧化する事も出来る。図5は、条件
(A)で測定した(実施例1)と、(比較例2)とで金
属薄膜の表面側から薄膜をエッチングしながら酸素信号
強度を調べたオージェデプスプロファイルの測定結果で
ある。酸素信号強度は酸素濃度を表す指標となるもので
あり、酸素濃度が高いほど酸素信号強度が高くなる。
【0103】図5に示されるように、樹脂薄膜と金属薄
膜との界面では、接着強度の高い(実施例1)のほうが
(比較例1)よりも酸素信号強度が強くなっている。従
って界面の酸素濃度が高いほど、接着強度が強くなるこ
とがわかる。
【0104】図6は(実施例1)〜(実施例3)、(比
較例1)〜(比較例4)についての、酸素強度の相対比
とアルミブロック荷重剥離試験における剥離荷重との関
係をプロットしたものである。
【0105】図6から分かるように酸素強度の相対比と
剥離荷重すなわち、界面の酸素濃度と接着強度には相関
が認められる。また、酸素強度の相対値が1.3以上に
なると接着強度の向上が顕著となり、酸素強度の相対値
が1.6以上になると剥離荷重が1000g以上と極め
て強い接着強度が得られる。
【0106】また、(実施例3)と(比較例4)の比較
から分かるように、紫外線照射を一部遮蔽して樹脂薄膜
の硬化度を多少下げた状態で金属薄膜を積層することに
よっても接着強度は幾分向上する。
【0107】しかしながら、(実施例3)では界面の酸
素増加は(実施例1)や(実施例2)ほど顕著ではな
く、(実施例3)での接着強度向上は金属薄膜の凝縮熱
で硬化の終盤が行われることによる樹脂薄膜表面の清浄
度向上など酸素増加とは別の要因によるところも大きい
事が図6からも推察される。
【0108】また、樹脂薄膜の厚さについては、(実施
例1)、(実施例3)では0.8μmの膜厚とし、(実
施例2)では0.8μmの膜厚としたが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、例えば0.05μm程度の
膜厚も作製することができ、少なくとも膜厚が0.05
〜3μmの範囲であれば、本実施例の結果と同様の効果
が得られることを確認した。
【0109】さらに、本発明の実施例では3種のアクリ
レート樹脂を用いた場合についてのみ述べたが、他のア
クリレート樹脂は言うまでもなく、アクリレート以外の
樹脂を用いた場合にも本発明は広く適用できるものであ
る。
【0110】また、加熱ローラの温度については、使用
材料や作成条件等によって適宜変えればよく、実施例に
示した温度によって制限されるものではない。また、
(実施例1)〜(実施例3)において、加熱ローラの回
転方向は基本的に正逆どちらの方向でもよい。
【0111】また、これまでの実施例では加熱支持体と
して加熱ローラを用いたものについて述べたが、加熱支
持体はローラ形状に限らず、例えばベルト状の加熱支持
体を用いることもできる。ベルトの材質はステンレス薄
板、高分子帯等様々なものを用いることが出来る。
【0112】なお、気化または霧化された粒子の基板上
への入射角についても、本発明の効果が実施例の図面に
示した角度に限定されるものではなく、特に配向性の利
用等の目的用途に応じては、適宜入射角を最適化する事
も可能である事は言うまでもない。
【0113】本発明で得られる樹脂薄膜の利用分野は極
めて広いものであり、実施例で示した、高周波用導体・
コンデンサ等にとどまらず、薄膜コイル等の電子部品、
回路基板、保護膜、機能性フィルム等が挙げられる。
【0114】また、金属薄膜層を一種類とせず、例えば
アルミニウム層と銅層の混在とすることによって特性の
補完がなされ、使用条件によっては高性能化が図れる場
合もありうる。
【0115】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空中で
樹脂薄膜と金属薄膜を積層する複合薄膜を製造するに際
し、前記樹脂薄膜を形成後その表面を少なくとも酸素を
主成分として含む放電雰囲気下に晒した後に前記金属薄
膜を形成することにより、樹脂薄膜と金属薄膜の界面付
近の酸素濃度を高くすることができる。
【0116】
【0117】また、樹脂薄膜を酸素を含む雰囲気で紫外
線硬化させた後に金属薄膜を形成する複合薄膜の製造方
法においても、紫外線硬化時に酸素を微量に導入するこ
とによって酸素濃度を高くすることができる。
【0118】従って、樹脂薄膜と金属薄膜との接着強度
に優れた、電子部品等に好適に使用できる複合薄膜を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(実施の形態1)における複合薄膜の製造装置
の構成図
【図2】(実施の形態2)における複合薄膜の製造装置
の構成図
【図3】(実施の形態2)で形成された複合薄膜からな
るコンデンサの断面図
【図4】(実施の形態3)における複合薄膜の製造装置
の構成図
【図5】薄膜中の酸素のオージェデプスプロファイルの
測定結果の説明図
【図6】酸素強度の相対比と剥離荷重の関係図
【符号の説明】
2 基板 3 樹脂薄膜形成用キャン 4 金属薄膜形成用キャン 12 電子ビーム蒸発源 13 紫外線照射装置 14 グロー放電装置 20 樹脂薄膜形成部 21 金属薄膜形成部 22 硬化部 23 放電部 25 誘導加熱蒸発源 27 キャン 29 コンデンサ 30 樹脂薄膜 31 金属薄膜 32 電極 33 抵抗加熱蒸発源 34 硬化用キャン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 14/58 C23C 14/58 C (56)参考文献 特開 平4−152553(JP,A) 特開 平6−248419(JP,A) 特開 平8−146208(JP,A) 特開 平7−252657(JP,A) 特開 平5−209262(JP,A) 特開 平4−36460(JP,A) 特開 平7−34220(JP,A) 特開 昭63−72108(JP,A) 特開 昭61−60878(JP,A) 実開 昭62−196531(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 C23C 14/00 - 14/58

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に樹脂薄膜と金属薄膜とを積層して
    複合薄膜を製造するに際し、 前記基板を巻出しローラと巻取りローラとによって真空
    中を搬送しつつ、 樹脂薄膜を蒸着形成する樹脂薄膜形成工程と、 樹脂薄膜の表面を酸素を主成分として含む放電雰囲気下
    に晒す放電工程と、 樹脂薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成工程
    とを この順に行なうことを特徴とする複合薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂薄膜と金属薄膜とを積層して複合薄膜
    を製造するに際し、 真空中で回転される円筒状の支持体に対して、 樹脂薄膜を蒸着形成する樹脂薄膜形成工程と、 樹脂薄膜の表面を酸素を主成分として含む放電雰囲気下
    に晒す放電工程と、 樹脂薄膜上にマスク剤をパターン塗布する塗布工程と、 前記放電工程から遮蔽板によって遮蔽された領域で樹脂
    薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成工程とを この順に行なうことを特徴とする複合薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】樹脂薄膜と金属薄膜とを積層して複合薄膜
    を製造するに際し、前記樹脂薄膜を蒸着形成して酸素を
    含む雰囲気下で紫外線硬化させ、その硬化工程で酸素濃
    度を調節して所望の硬化度に調節し、硬化した樹脂薄膜
    上に金属薄膜を蒸着形成することを特徴とする複合薄膜
    の製造方法。
  4. 【請求項4】樹脂薄膜がアクリレートを主成分として含
    むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の複合薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】樹脂薄膜と金属薄膜とを順次に積層する工
    程を少なくとも2回繰り返すことを特徴とする請求項2
    記載の複合薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】基板上に樹脂薄膜と金属薄膜とを積層する
    複合薄膜の製造装置であって、 前記基板を巻出しローラと巻取りローラとによって真空
    中を搬送する搬送路に沿って、 樹脂薄膜を蒸着形成する樹脂薄膜形成手段と、 樹脂薄膜の表面を酸素を主成分として含む放電雰囲気下
    に晒す放電手段と、 樹脂薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成手段
    とを この順に設けたことを特徴とする複合薄膜の製造装置。
  7. 【請求項7】樹脂薄膜と金属薄膜とを積層する複合薄膜
    の製造装置であって、 真空中で回転される円筒状の支持体の回転方向に沿っ
    て、 樹脂薄膜を蒸着形成する樹脂薄膜形成手段と、 樹脂薄膜の表面を酸素を主成分として含む放電雰囲気下
    に晒す放電手段と、 樹脂薄膜上にマスク剤をパターン塗布する塗布手段と、 樹脂薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜形成手段
    とを この順に設け、 前記塗布手段と金属薄膜形成手段との間を仕切る遮蔽板
    を設けた ことを特徴とする複合薄膜の製造装置。
  8. 【請求項8】樹脂薄膜と金属薄膜とを積層する複合薄膜
    の製造装置であって、 樹脂薄膜を蒸着形成する樹脂薄膜形成手段と、 樹脂薄膜を酸素を含む雰囲気下で紫外線硬化させる硬化
    手段と、 硬化した樹脂薄膜上に金属薄膜を蒸着形成する金属薄膜
    形成手段とをこの順に設け、 前記硬化手段は、所望の硬化度に応じて酸素濃度を調節
    するように構成したことを特徴とする複合薄膜の製造装
    置。
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