JP3705567B2 - 薄膜の製造方法及び製造装置並びに薄膜及び薄膜積層体及び薄膜部品 - Google Patents

薄膜の製造方法及び製造装置並びに薄膜及び薄膜積層体及び薄膜部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜の製造方法及び薄膜の製造装置、並びに薄膜及び薄膜積層体、及び薄膜部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
現代社会に於て薄膜の果たす役割は非常に広範囲であり、包装紙、磁気テ−プ、コンデンサ、半導体等日常生活の様々な部分において薄膜が利用されている。これらの薄膜無しには、近年に於ける高性能化や小型化といった技術の基本トレンドを語ることは出来ない。
【0003】
同時に、工業的需要を満足する形で薄膜を形成する方法についても種々の開発がなされており、例えば包装紙、磁気テ−プ、コンデンサ等の用途においては、高速大量生産に有利な連続巻取り真空蒸着が行われている。その際、蒸発材料と基板材料を形成する薄膜の目的に合わせて選ぶと同時に、必要に応じて真空槽内に反応ガスを導入することや、基板に電位を設けた状態で薄膜を形成することによって所望の特性を持った薄膜を形成することが出来る。例えば、磁気記録媒体の製造においてはCo、Ni、Fe等の磁性元素を含む蒸発材料を用い、真空槽中に酸素ガスを導入しながら反応蒸着を行うことによって長尺の磁気記録媒体を得ることが出来る。
【0004】
また、半導体に於いては主にスパッタ法によって薄膜が形成されている。スパッタ法はセラミック系の材料を用いた薄膜形成にも特に有効であり、セラミック薄膜は膜厚数μm以上では塗布焼成法で形成され、1μm以下ではスパッタ法で形成される場合が多い。
【0005】
一方、樹脂材料を用いた薄膜の形成は塗装による方法が用いられ、リバースコートや、ダイコートが工業的に用いられており、溶剤で希釈した材料を塗工後乾燥硬化させることが一般的である。また、これらの工法で形成される樹脂薄膜の膜厚の下限は使用する材料によるが、1μm前後であることが多く、それ以下の膜厚は得られにくい場合が多い。一般的な塗工手段では塗工直後の塗布厚が数μm以上となるために、極薄樹脂膜の形成には溶剤希釈が必要であり、しかも1μm以下の樹脂薄膜が得られない場合も多い。更に、溶剤希釈を行うと乾燥後の塗膜に欠陥が生じ易い他、環境保護の観点からも好ましくない。そこで溶剤希釈を行わなくとも樹脂薄膜が形成できる方法及び、極薄の樹脂薄膜が安定に得られる方法が望まれている。これを解決する方法として、真空中で樹脂薄膜を形成する方法が提案されている。これは、真空中で樹脂材料を気化した後に支持体に付着させる方法であり、この方々によれば空隙欠陥のない樹脂薄膜を形成する事が出来ると共に、溶剤希釈の必要もない。
【0006】
セラミック薄膜や樹脂薄膜の上に更に異種の薄膜を積層することによって従来得られなかった様々な複合薄膜が得られる様になり、その工業的利用分野は非常に多岐にわたる。その中でもチップ形状の電子部品は非常に有望であり、コンデンサ等が薄膜積層によって極めて小型かつ高性能に形成できつつあり、既に商品化・市場拡大が始まっている。
【0007】
電子部品を得るには電極が不可欠であることは言うまでもないが、金属薄膜を用いた電子部品においては、金属薄膜にパターニングを行うことで電位の異なる金属薄膜を電子部品の中に形成することが出来る。即ち、パターニング部分を絶縁領域として金属薄膜を複数に分割したものを用い、これを絶縁性薄膜と積層することで複雑な電子部品を形成することも出来る。
【0008】
図10は薄膜を積層することにより電子部品を製造するための製造装置の一例を示した概略断面図である。図10において、5は真空槽、6は真空槽5内部を所定の真空度に維持するための真空ポンプ、7は所定温度に冷却され、矢印17の方向に回転する円筒状のキャン、8はキャン7の外周表面に金属薄膜を形成するための金属薄膜形成源(例えば金属蒸着装置)、9はキャン7の外周表面に樹脂薄膜を形成するための樹脂薄膜形成源(例えば樹脂材料を気化させる気化装置)、10は樹脂薄膜形成源9によって形成された樹脂薄膜を所定硬度に硬化させる硬化装置(例えば樹脂薄膜を紫外線硬化させる紫外線硬化装置)、11は金属薄膜を所定形状にパターニングするためのパターニング材料付与装置、12は余剰のパターニング材料を蒸発又は分解等により除去するためのパターニング材料除去装置、20a,20bは金属薄膜形成源8を含む金属薄膜形成領域を他の領域から分離するための遮蔽板である。
【0009】
このような図10の薄膜の製造装置によれば、円筒状冷却キャン7の外周面上に、金属薄膜形成源8による金属薄膜と、樹脂薄膜形成源9による樹脂薄膜とが交互に積層された薄膜積層体が形成できる。形成された薄膜積層体を冷却キャン7から分離して、各々の電子部品の必要に応じた大きさに切断したり、外部電極を付与したりすることにより多数の電子部品を得ることができる。
【0010】
なお、パターニングされた金属薄膜を得る手段としては、オイルマージンと呼ばれる手法等を用いることが出来る。これは、パターニング材料付与装置11を用いて、樹脂薄膜面上に予めパターニング材料を薄く形成した後に、金属薄膜を蒸着などによって形成すると、パターニング材料上には金属薄膜が形成されないことを利用したものである。このようにして形成された金属薄膜はパターニング部分が抜けた状態で形成されており、所望のパターンを持つ金属薄膜を形成することが出来る。例えば図10の装置で金属薄膜と樹脂薄膜の交互積層を繰り返す際に、パターニング位置を切り替えて積層し、後に積層体を切断することで図11の様な断面構造を有するコンデンサを多数得ることが出来る。図11において、1は金属薄膜、4はパターン位置、19は樹脂薄膜、14は金属薄膜1と電気的に接続された外部電極である。また、図11の紙面垂直方向はキャン7の外周面の走行方向に一致する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
薄膜積層体で電子部品を形成する際には電極面積が重要である。即ち部品の性能は有効に作用する電極の面積に依存しており、限られた部品形状の中で如何に大きな作用面積を有する電極を形成するかが課題である。例えば、図11のようなコンデンサにおいては、電極面積の大小はコンデンサ容量と密接に関係する。
【0012】
従来、電極面積を大きくする手段として、部品形状の中での無効部分を小さくし積層数を増やすことで電極面積をかせぐことが行われてきた。しかしながらこのような手段は技術的にもコスト的にも問題があり、新たな技術が求められている。
【0013】
本発明は、電極の有効作用面積を大きくすることが可能な薄膜の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。また、本発明は、電極の有効作用面積を大きくすることができる薄膜、薄膜積層体、及び薄膜部品を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために以下の構成とする。
【0015】
即ち、本発明の薄膜の製造方法は、真空中で微粒子化又は気化させた樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料を支持体上に付着させて樹脂薄膜又は絶縁性薄膜を形成する薄膜の製造方法において、前記微粒子化又は気化させた樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料を支持体上に付着させる際に、同時に導電性材料を真空プロセスで支持体上に付着させることにより、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に前記導電性材料を混入させることを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に導電性材料が混入された薄膜が得られるから、これに金属薄膜等の電極を積層すれば、該電極と導電性材料とが電気的に接続することにより電極の有効作用面積を大きくすることができる。この結果、例えば小型でありながら高性能な電子部品を製造することが可能になる。
【0017】
上記の構成において、前記導電性材料が、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中で樹枝状のつながりを有することが好ましい。かかる好ましい構成によれば、樹枝状につながった導電性材料が電極として機能できるので、電極の有効作用面積を大きくすることができる。
【0018】
また、上記の構成において、前記導電性材料を、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に分布密度に傾斜を有して混入させることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、分布密度が大である側に電極を形成すれば、該電極の有効作用面積を大きくすることができる。
【0019】
また、上記の構成において、前記真空プロセスが、蒸着、イオンプレーティング、及びスパッタのいずれかであることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、樹脂薄膜又は絶縁性薄膜の形成の際に導電性材料を、効率的に、電気的に接続させながら混入させることができる。
【0020】
また、上記の構成において、前記導電性材料が炭素を主成分として含むことが好ましい。かかる好ましい構成によれば、電極の有効作用面積の拡大効果がより顕著に発現する。なお、「主成分として含む」とは、該成分を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に90重量%以上含有することをいう。
【0021】
また、上記の構成において、前記樹脂薄膜材料を絶縁性樹脂材料とすることができる。また、前記樹脂薄膜材料に固体電解質を主成分として含有させても良い。更に、前記樹脂薄膜材料をイオン伝導性を示す材料とすることもできる。これらによって、各用途に応じた薄膜を効率よく製造することができる。なお、「主成分として含む」とは、該成分を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に90重量%以上含有することをいう。
【0022】
また、本発明の薄膜の製造装置は、真空槽と、前記真空槽内を所定の真空度に維持する真空ポンプと、前記真空槽内に設置された支持体と、微粒子化又は気化させた樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料を前記支持体上に直接的若しくは間接的に付着させて樹脂薄膜又は絶縁性薄膜を形成する装置と、前記樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料の付着領域で導電性材料を真空プロセスにより同時に付着させる装置とを有することを特徴とする。
【0023】
かかる構成によれば、樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に導電性材料が混入された薄膜が得られるから、これに金属薄膜等の電極を積層すれば、該電極と導電性材料とが電気的に接続することにより電極の有効作用面積を大きくすることができる。この結果、例えば小型でありながら高性能な電子部品を製造することが可能になる。なお、上記において、「直接的に」とは支持体表面に接して薄膜材料を付着させることを意味し、「間接的に」とは支持体上に薄膜等を介して薄膜材料を付着させることを意味する。
【0024】
上記の構成において、更に、前記支持体上に金属薄膜を直接的若しくは間接的に形成する装置を有することが好ましい。かかる好ましい構成によれば、電極として機能する金属薄膜を同一の真空槽内で樹脂薄膜又は絶縁性薄膜の形成と一緒に形成できるので、電極を具備した薄膜を効率よく製造することができる。
【0025】
また、上記の構成において、前記樹脂薄膜材料が絶縁性樹脂材料であってもよい。また、前記樹脂薄膜材料がイオン伝導性を示す材料であっても良い。
【0026】
また、本発明にかかる薄膜は、樹脂薄膜又は絶縁性薄膜と、その少なくとも片面に形成された導電性薄膜とを有する薄膜であって、前記導電性薄膜を形成する材料と同一又は異なる導電性材料が前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に混入しており、前記混入している導電性材料の少なくとも一部は片面の前記導電性薄膜と電気的に接続していることを特徴とする。
【0027】
かかる構成によれば、樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に、表面の導電性薄膜と電気的に接続した導電性材料が混入しているから、該導電性薄膜を電極とすることにより、又は該導電性薄膜と電気的に接続された電極を形成することにより、電極の有効作用面積を大きくすることができる。この結果、例えば小型でありながら高性能な電子部品を製造することが可能になる。
【0028】
上記の構成において、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に混入している導電性材料の分布密度が電気的に接続している前記導電性薄膜の近傍で密になっていることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、導電性材料と導電性薄膜との電気的接続の信頼性が向上する。
【0029】
また、上記の構成において、前記導電性薄膜を金属薄膜とすることができる。
【0030】
また、上記の構成において、前記導電性薄膜を炭素を主成分とする薄膜としても良い。この場合、該導電性薄膜をそのまま電極としても良く、又は更に電極としての金属薄膜等を積層しても良い。
【0031】
また、上記の構成において、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に混入している導電性材料が炭素を主成分とすることが好ましい。かかる好ましい構成によれば、電極の有効作用面積の拡大効果がより顕著に発現する。なお、「主成分とする」とは、該成分を50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に90重量%以上含有することをいう。
【0032】
また、上記の構成において、前記樹脂薄膜を絶縁性樹脂で構成しても良い。また、前記樹脂薄膜をイオン伝導性を示す材料で構成しても良い。
【0033】
また、本発明にかかる薄膜積層体は、前記導電性薄膜が、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜の片面にのみ形成された上記の薄膜を複数積層してなることを特徴とする。
【0034】
また、本発明にかかる薄膜部品は、上記の薄膜積層体と、複数の外部電極とを有し、前記薄膜積層体の前記導電性薄膜の全て又は一部は、いずれか一つの前記外部電極と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0035】
かかる構成によれば、例えば導電性薄膜を電極として機能させた場合に、電極の有効作用面積を導電性薄膜の実際の面積以上に大きくすることができる。この結果、例えば小型でありながら高性能な電子部品を製造することが可能になる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0037】
図1は、本発明の、金属薄膜と樹脂薄膜との薄膜積層体を製造するための装置の概略断面図である。
【0038】
図1において、5は真空槽、6は真空槽5内部を所定の真空度に維持するための真空ポンプ、7は所定温度に冷却され、矢印17の方向に回転する円筒状のキャン、8はキャン7の外周表面に金属薄膜を形成するための金属薄膜形成源、9はキャン7の外周表面に樹脂薄膜を形成するための樹脂薄膜形成源、10は樹脂薄膜形成源9によって形成された樹脂薄膜を所定硬度に硬化させる硬化装置、11は金属薄膜を所定形状にパターニングするためのパターニング材料付与装置、12は余剰のパターニング材料を蒸発又は分解等により除去するためのパターニング材料除去装置、13はキャン7の外周表面に導電性材料を付与するための導電性材料付与装置、20a,20bは金属薄膜形成源8を含む金属薄膜形成領域を他の領域から分離するための遮蔽板、20cは導電性材料付与装置13からの導電性材料がキャン7へ付着する領域を制限するための遮蔽板である。
【0039】
金属薄膜形成源8としては、抵抗加熱蒸発源、誘導加熱蒸発源、電子ビーム蒸発源、スパッタ蒸発源、クラスター蒸発源その他薄膜形成に用いる装置やそれらの組み合わせを、形成する金属薄膜に応じて用いることが出来る。金属薄膜材料は特に限定されないが、例えばアルミニウム、銅、銀、亜鉛、ニッケル、鉄、コバルト、シリコン、ゲルマニウム、又はこれらの化合物若しくは酸化物、又はこれらの化合物の酸化物等を、金属薄膜の用途などに応じて選択することができる。
【0040】
樹脂薄膜形成源9としては、樹脂薄膜材料をヒーター加熱により気化し、あるいは、超音波又はスプレーにより気化又は霧化する装置等を用いることができ、形成する樹脂薄膜に応じた気化又は微粒子化手段を選択することが出来る。ここで、樹脂薄膜材料としては、例えば、アクリレート樹脂モノマー等の絶縁性樹脂材料を用いることができる。あるいは、固体電界質を主成分とし、イオン性物質を若干量含有することによりイオン伝導性を示す樹脂材料を用いることもできる。ここで、固体電解質としては例えばポリエチレンオキシド(PEO)系材料を、また、イオン性物質としては例えばリチウムイオンを、それぞれ使用することができる。
【0041】
樹脂薄膜形成後、樹脂薄膜材料の種類によっては、硬化装置10により薄膜を所定硬度に硬化しても良い。硬化手段としては、紫外線硬化、電子線硬化、熱硬化あるいはそれらの組み合わせによる手段を用いることが出来る。
【0042】
金属薄膜のパターニングのためのパターニング材料付与装置11は、キャン7の外周面に向けて所定位置に形成された細孔から、気化したオイルなどのパターニング材料を放出する。これによりパターニング材料が金属薄膜を形成する面に予め薄くパターン塗布される。パターニング材料が塗布された部分には金属薄膜は形成されない。金属薄膜のパターニング手段としては、このようなオイルマージン方式の他にも、レーザーによる金属薄膜除去方式を用いることも出来る。
【0043】
パターニング材料付与装置11によってオイルなどのパターニング材料を付与した場合、金属薄膜の形成後、余剰のパターニング材料をパターニング材料除去装置12により除去しておくのが好ましい。パターニング材料の除去方法としては、光照射や電熱ヒータによる加熱除去、又はプラズマ、電子、若しくはイオンの照射による分解除去など、使用するパターニング材料の種類に応じて選択することができる。
【0044】
導電性材料付与装置13は、導電性材料が樹脂薄膜中に混入するように導電性材料を真空プロセスにてキャン7の外周面上に付与するためのものである。導電性材料としては炭素等を用いることが出来る。また、導電性材料の付与手段としては、蒸着、スパッター、イオンビームスパッター、超音波噴霧など導電性材料に応じた様々な方法を用いることが出来る。導電性材料を樹脂薄膜中に混入させるためには、樹脂薄膜形成装置9からの樹脂薄膜材料の分子流又は粒子流の中に導電性材料の分子又は粒子を混入させて、その後これらがキャン7の外周面上に付着するようにすればよい。図1の装置では、樹脂薄膜形成装置9の導電性材料付与装置13側の隔壁の一部9aを切り欠いて、該切り欠き部9aから導電性材料の分子又は粒子を樹脂薄膜材料の分子流又は粒子流の中に混入させている。このように、導電性材料付与装置13からの導電性材料の分子流又は粒子流を樹脂薄膜の形成領域に差し向けることにより、導電性材料が樹脂薄膜の中に混入した状態の樹脂薄膜が形成される。導電性材料の分子又は粒子の、樹脂薄膜材料の分子流又は粒子流への混入のさせ方によって、形成される樹脂薄膜中の導電性材料の混入割合や分散・偏在の仕方が変化する。導電性材料の密度の高い部分では導電性が発現し(樹脂薄膜材料としてイオン伝導性を示す樹脂材料を用いた場合には、該樹脂材料のみからなる部分より更に高い導電性が発現する)、金属薄膜と電気的なつながりを持つことによって金属薄膜の幾何学的な面積に比べて遥かに大きな電気的な作用面積が得られる。
【0045】
以上の装置により、キャン7を回転させるに従い、キャン7の外周面上に、金属薄膜と、導電性材料が混入された樹脂薄膜とが交互に積層された薄膜積層体が、キャン7の回転数に応じた積層数で、形成される。
【0046】
パターニングされた金属薄膜と樹脂薄膜とを交互積層した薄膜積層体をキャン7から取り外し、所定の大きさに切断後、必要に応じて溶射等によって外部電極を形成すれば薄膜部品(電子部品)が作製できる。
【0047】
尚、図1は金属薄膜と樹脂薄膜の多層積層体を形成する際の一方法を示したものであり、図1の方法によって本発明の範囲が規制されるものではない。
【0048】
上記の説明において、樹脂薄膜形成源9を用いて樹脂薄膜を形成する代わりに、絶縁性薄膜形成源を用いてセラミック系材料等の無機材料からなる絶縁性薄膜を形成しても良い。このとき、薄膜を形成する装置としては、セラミック系材料等のスパッタ装置、又はその酸化物のスパッタ装置又は蒸着装置等、形成する薄膜材料に応じた装置を用いることが出来る。また、この場合も、上記と同様に、絶縁性薄膜材料の分子流又は粒子流の中に、導電性材料付与装置13を用いて導電性材料の分子又は粒子を混入させて、導電性材料が混入した絶縁性薄膜を形成することができる。導電性材料の分子又は粒子の、絶縁性材料の分子流又は粒子流への混入のさせ方によって、形成される絶縁性薄膜中の導電性材料の混入割合や分散・偏在の仕方が変化する。導電性材料の密度の高い部分では導電性が発現し、金属薄膜と電気的なつながりを持つことによって金属薄膜の幾何学的な面積に比べて遥かに大きな電気的な作用面積が得られる。かくして、キャン7の外周面上に金属薄膜と、導電性材料が混入された絶縁性薄膜とが交互に積層された薄膜積層体が形成される。
【0049】
(実施例1)
図1に示す装置を用いて、キャン7の外周面上に、金属薄膜形成源8によりアルミニウムの蒸着薄膜を形成し、樹脂薄膜形成源9により絶縁性樹脂薄膜又はイオン伝導性樹脂薄膜を形成した。また、導電性材料付与装置13により、炭素を電子ビーム蒸着した。このとき、炭素の分子流又は粒子流の一部を、樹脂薄膜形成装置9の切り欠き部9aから樹脂薄膜材料の分子流又は粒子流に混入させた。
【0050】
得られた薄膜積層体の膜厚方向のアルミニウム及び炭素の分布をオージェ電子分光法で測定した結果の一例を図2に示す。図2から分かるように、炭素の分布密度は金属薄膜側で大きく、深さが深くなるに従って緩やかに減少する傾斜状の分布を有している。そして、炭素の密度は深さが深くなると、樹脂薄膜材料中の炭素の分布密度に収束していく。
【0051】
(比較例1)
図3は、本比較例1に係る積層薄膜形成装置の概略構成を示した断面図である。図3において、図1の装置と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0052】
図3の装置が図1の装置と相違するのは、図3の樹脂薄膜形成装置9には、図1のそれが有していたような導電性材料付与装置13側の切り欠き部9aを有していない点のみである。
【0053】
このような図3に示す装置を用いて、実施例1と同様に、キャン7の外周面上に、金属薄膜形成源8によりアルミニウムの蒸着薄膜を形成し、樹脂薄膜形成源9により絶縁性樹脂薄膜又はイオン伝導性樹脂薄膜を形成した。また、導電性材料付与装置13により、炭素を電子ビーム蒸着した。本比較例では、樹脂薄膜形成装置9が切り欠き部9aを有していないために、樹脂薄膜形成領域内に、炭素の分子流又は粒子流が混入することがない。
【0054】
得られた薄膜積層体の膜厚方向のアルミニウム及び炭素の分布をオージェ電子分光法で測定した結果の一例を図4に示す。図4から分かるように、炭素の深さ方向の分布密度は急峻に樹脂薄膜材料中の炭素の分布密度まで減少している。
【0055】
(実施例2)
図1の装置において、樹脂薄膜形成装置9の切り欠き部9aの開口幅を変化させて薄膜積層体を形成した。図5に、樹脂薄膜形成装置9の切り欠き部9aの部分拡大断面図を示す。図5において、21は切り欠き部9aの開口幅を調整するための調整板であり、紙面左右方向に移動可能に樹脂薄膜形成装置9に設置されている。また、16は樹脂薄膜形成装置9によって樹脂薄膜材料がキャン7上に付着する領域(樹脂薄膜材料付着領域)を示し、18は、調整板21の位置に関わらず、導電性材料付与装置13よって導電性材料が常にキャン7に付着する領域(導電性材料付着領域)を示す。
【0056】
図5において、調整板21が実線で示した位置にあるとき、切り欠き部9aは全開された状態となり、このとき導電性材料付与装置13からの導電性材料は領域18のみならず領域16の全域に到達する。一方、調整板21が2点鎖線で示した位置にあるとき(上記の比較例1の状態)、切り欠き部9aは完全に閉じられた状態となり、このとき導電性材料付与装置13からの導電性材料は領域18のみでキャン7上に付着する。
【0057】
ここで、調整板21が完全に閉じられた状態の開口幅を0とし、全開した状態の開口幅を10として、開口幅をこの間で変化させたときの電極の作用面積を評価した。評価は、0.1μm厚のアルミニウムの蒸着膜の上に、ポリエチレンオキシド(PEO)系材料にリチウムイオンを混合した2μm厚のイオン伝導性膜を形成し、さらにその上に0.1μm厚のアルミニウムの蒸着膜を形成した後、上下のアルミニウム膜に直流電圧5Vを印加して電流の比較を行なうことにより実施した。開口幅0(全閉)のときの電流値を1とし、開口幅を0から10に変化させたときの相対電流値を測定した結果を図6に示す。
【0058】
その結果、開口幅が広くなるに従い両電極間の電流値は大きくなることが分かる。
【0059】
また、開口幅が9以上では電流が急激に増加しており、上下のアルミニウム電極が短絡状態になっているものと思われる。開口幅9以上で上下のアルミニウム電極が短絡していることは、オージェ電子分光法の測定と断面の走査電子顕微鏡(SEM)観察を行なった結果からもほぼ確実と思われる。
【0060】
上記実施例1の図2で示したオージェ電子分光法の測定結果は開口幅3の場合に相当し、オージェ電子分光法の測定結果やSEM観察からも、上下のアルミニウム電極の短絡は無いものと思われるが、電流値は全閉時に対して8倍程度大きくなっている。このことから、導電性材料として混入した炭素がイオン伝導性樹脂薄膜の内部で適度に分散して存在することでアルミニウム薄膜電極の実効的な面積を大きくする作用があるものと思われる。
【0061】
電流値の増加は成膜要素の配置や成膜条件、開口幅等によって変わる。図7に開口幅3のときの薄膜積層体の厚み方向断面を拡大した概念図の一例を示す。図7において、1は金属薄膜層、2はイオン伝導性樹脂薄膜層、3は導電性材料(炭素)を示す。図7に示すように、導電性材料3が樹枝状につながって広がりをもって分散する場合には電極の電気的な実効作用面積が非常に大きくなる。樹枝状の導電性材料の形成条件については十分には明らかでないが、静電引力が作用しているものと思われる。また、図2や図7のように、炭素の分布密度が均一でなく金属薄膜側で緩やかに大きくなっていることは、樹脂薄膜の特性に影響をあまり与えずに電流密度に応じて次第に金属薄膜側で電気的コンダクタンスが大きくなる構造となっている点においても好ましい。
【0062】
なお、図7では、金属薄膜1上に炭素の面内連続膜3aが形成された後に内部に炭素が分布したイオン伝導性樹脂薄膜2が形成されているが、金属薄膜上に炭素の面内連続膜3aが形成される必要は必ずしも無く、樹脂薄膜中に分布した炭素の一部が金属薄膜に電気的に接続されていれば本発明の構成と効果を有する。炭素の面内連続膜3aの厚みは、図5において領域18のキャン7の外周面の走行方向幅を変更することにより調整できる。
【0063】
本実施例では樹脂薄膜材料としてイオン伝導性樹脂材料を用いたが、絶縁性樹脂材料であっても良く、また、セラミック系等の無機系の絶縁性材料であっても良い。このような材料を用いた場合も、上記実施例3と同様に、電極の有効作用面積を大きくすることが可能である。
【0064】
(実施例3)
図1に示す装置を用いて、キャン7の外周面上に、金属薄膜形成源8によりアルミニウムの蒸着薄膜を形成し、樹脂薄膜形成源9によりポリエチレンオキシド(PEO)系材料にリチウムイオンを混合した樹脂材料を用いてイオン伝導性樹脂薄膜を形成した。また、導電性材料付与装置13により、炭素を電子ビーム蒸着した。このとき、炭素の分子流又は粒子流の一部を、樹脂薄膜形成装置9の切り欠き部9aから樹脂薄膜材料の分子流又は粒子流に混入させた。キャン7の周回を重ねることにより、金属薄膜と樹脂薄膜とが交互に積層された多層構造の薄膜積層体を形成した。
【0065】
このとき、積層の開始に先立って、大気中で市販のフッ素系離型剤(商品名:“ダイフリー”ダイキン工業(株)製)のスプレーを円筒状キャンの周面に施し、アルコールを含浸させた不織布を用いて更に薄く展開した。また、パターニング材料付与装置11を用いてオイルマージン方式による金属薄膜のパターニングを行なった。パターニングはパターンに対応する微小開口部を有する密閉ノズル内にパターニング材料を閉じこめて加熱し、オイル蒸気を開口部から噴出させ、被付着面で凝集させ液化させて、ストライプ状にオイルを付着させた上に、金属薄膜層を形成することによって行った。オイルマージンを形成するパターニング材料には含フッ素オイルを用いた。パターニングで形成される絶縁部分の幅は約1mmとした。隣接するパターニング絶縁部分の膜面方向の中心間隔は6mmである。オイルマージンの形成位置は、キャン7の回転に同期させて一周毎にパターニング材料付与装置11を幅方向に往復運動させることで切り替えた。また、アルミ蒸着膜の形成後に残ったオイルを除去するために、パターニング材料除去装置12として遠赤外線ヒーターを用いた。アルミニウム薄膜層とイオン伝導性樹脂薄膜層をそれぞれ約100〜3000層形成した後に、積層体を円筒状キャンから分離し、120℃で平板プレスした後に、切断及び外部電極の溶射等を行った。
【0066】
得られた積層体の概略断面図を図8に示す。図8において、1は金属薄膜層、2は樹脂薄膜層、3は導電性材料層、4はパターン位置(マージン部分)、14は金属薄膜層1に電気的に接続された外部電極である。
【0067】
イオン伝導性樹脂薄膜内に導電性材料を分散混入させたときの繰り返し積層数と電気的作用面積の関係を調べるために、形成された積層体の外部電極14間に直流電圧25Vを印加し電流値を調べた。結果を図9に示す。図9において、実線は上記の条件により得られた本実施例の積層体であり、破線は、比較例として、樹脂薄膜形成装置9の切り欠き部9aを全閉した以外は上記の条件と同様にして得られた積層体である。
【0068】
図9から明らかなように、いずれの積層体においても、外部電極14間の電流値と繰り返し積層数との間には略比例関係があることが分かる。
【0069】
また、本実施例の積層体(実線)のように、イオン伝導性樹脂薄膜内に導電性材料が混入された薄膜積層体を形成することで、電極の電気的な作用面積が大きくなり、また積層数にほぼ比例して電流値が増加している。
【0070】
従って、イオン伝導性樹脂薄膜内に導電性材料を分散混入させることと、多積層構造とすることを組み合わせることによって、実装平面上の面積が小さくて、大きな電気的な作用を有する電子部品を得ることが出来る。
【0071】
なお、図8の様な積層体においては導電性材料3を付けすぎないことが重要であることは言うまでもない。即ち、導電性材料3が多すぎるとマージン部分4で金属薄膜1の絶縁を行っても導電性材料3で外部電極14間がつながってしまう。従って、図5で示した導電性材料付着領域18の幅を狭くして導電性材料膜の膜面内方向の連続性を低くしておく必要がある。必要に応じて、導電性材料を領域16のみで付着させることも有効である。これは、遮蔽板20cを切り欠き部9aの側に延長して、導電性材料付着領域18をなくしてしまうことで容易に実現できる。
【0072】
また、導電性材料3によって金属薄膜層1の電気的な有効作用面積が拡大できれば十分であるから、導電性材料3が両側の外部電極14と電気的に接続するように形成されている必要は必ずしもない。例えば、外部電極14の近傍には導電性材料3が形成されないように、キャン7の幅方向の所定位置に遮蔽板を設置しても良い。
【0073】
また、図8のような積層体において、金属薄膜層1はいずれかの外部電極14と電気的に直接接続されていなくても良い場合がある。例えば、導電性材料3を介して金属薄膜層1がいずれかの外部電極14に間接的に電気的接続されていてもかまわない。
【0074】
上記の実施例では金属薄膜層をアルミニウムとした場合についてのみ述べたが、銅、銀、ニッケル、亜鉛等の他の金属やそれらを含む合金を用いることもできる。また、金属薄膜層を一種とせず、例えばAl層とCu層の混入とすることによって特性の補完がなされ、使用条件によっては高性能化が図れる場合もありうる。
【0075】
また、上記の実施例では、導電性材料として炭素を用いる場合についてのみ述べたが、炭素に限らず、Cu、Agをはじめ他の材料を用いることもできる。ただし、炭素は電気的な作用面積を大きくする効果が顕著という点で好ましい材料である。
【0076】
さらに、上記の実施例では導電性材料を混入させることによる電気的な作用面積の増加を分かり易く確認するために、イオン伝導性樹脂薄膜との組合せを中心に述べたが、樹脂系材料又は無機系材料からなる絶縁性薄膜との組合せにおいても電気的作用面積が増大するのは同様である。
【0077】
また、パターニング材料としては炭化水素系のオイルや鉱物オイル、フッ素系オイルを初めとする各種オイルや、形成する金属薄膜に適したその他の材料を用いることが出来る。また、パターニング材料を付与する方法としては塗布あるいはこれに準ずる方法の他、インクジェット方式なども用いることが出来る。
【0078】
パターニング材料除去の手段として、上記の実施例では遠赤外線ヒーターを用いた場合についてのみ述べたが、電子線、紫外線ランプ照射、プラズマ照射を用いた場合など他の除去手段を用いても同様の効果が得られた。
【0079】
また、上記の実施例では離型剤として“ダイフリー”を用いた場合についてのみ述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、離型効果のある他の材料を用いることができるのは言うまでもない。また、離型剤の付与方法としては、実施例に述べたようなスプレー噴霧法の他、スパッタ法や蒸着法などとすることも出来、付与方法は使用する材料をはじめとするプロセスの条件に適合するものを適宜選択すると良い。
【0080】
また、上記の実施例において支持体として円筒形状のキャンを用いた場合についてのみ述べたが、本発明はこれらの支持体によって制限されるものではなく、円筒形状以外の、ベルト状、平板状、あるいは曲面形状の支持体も用いることが出来る。また、その材質も金属をはじめとして、絶縁体、ガラス、半導体を用いることもでき、これらの上に本発明によって電子部品を形成することもできる。
【0081】
さらに、上記の実施例では金属薄膜と、イオン伝導性樹脂薄膜を同じ真空槽で形成する場合について述べたが、必ずしもその必要はなく、例えば予め別の真空槽内で金属薄膜をフィルム等の支持体上に形成しておき、これを異なる真空槽内に導入して樹脂薄膜や絶縁性薄膜を形成しても良い。
【0082】
上記の実施例では樹脂薄膜あるいは絶縁性薄膜の両側に金属薄膜が形成され、片側の金属薄膜側に導電性材料が分布している場合についてのみ述べたが、両側に導電性材料が分布している場合であっても本発明の効果が得られるのは言うまでもない。
【0083】
また、上記の実施例では2電極の場合を例にとって説明したが、3電極以上の場合でも本発明が適用できることは容易に類推出来、本発明は広く薄膜、薄膜積層体及び薄膜部品に適用できるものである。
【0084】
【発明の効果】
以上の様に本発明によれば、電極の有効作用面積が大きくでき、小型な高性能電子部品等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜または薄膜積層体の製造装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施例2に係る薄膜積層体の膜厚方向のアルミニウム及び炭素の分布の一例を示す図である。
【図3】比較例1に係る薄膜または薄膜積層体の製造装置を示す概略断面図である。
【図4】比較例1に係る薄膜積層体の膜厚方向のアルミニウム及び炭素の分布の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施例3に係る樹脂薄膜形成装置の切り欠き部の部分拡大断面図である。
【図6】図5の切り欠き部の開口幅を変化させたときの電極間の相対電流値の測定結果を示した図である。
【図7】導電性材料が樹枝状に広がった状態を概念的に示した薄膜積層体の厚み方向拡大断面図である。
【図8】本発明の実施例3によって得られた積層体の概略断面図である。
【図9】図8の積層体の繰り返し積層数と外部電極間の電流値との関係を示す図である。
【図10】薄膜を積層して電子部品を製造するための従来の製造装置の一例の概略断面図である。
【図11】従来のコンデンサの一例の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 金属薄膜
2 樹脂薄膜
3 導電性材料
4 パターン位置
5 真空槽
6 真空ポンプ(排気系)
7 キャン
8 金属薄膜形成源
9 樹脂薄膜形成源
10 硬化装置
11 パターニング材料付与装置
12 パターニング材料除去装置
13 導電性材料付与装置
14 外部電極
16 樹脂薄膜材料付着領域
17 回転方向
18 導電性材料付着領域
19 樹脂薄膜
20a,20b,20c 遮蔽板
21 調整板

Claims (18)

  1. 真空中で微粒子化又は気化させた樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料を支持体上に付着させて樹脂薄膜又は絶縁性薄膜を形成する薄膜の製造方法において、
    前記微粒子化又は気化させた樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料を支持体上に付着させる際に、同時に導電性材料を電子ビーム蒸着法で支持体上に付着させることにより、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に前記導電性材料を、前記導電性材料が前記樹脂薄膜又は前記絶縁性薄膜中で厚さ方向において樹枝状のつながりを有するように混入させることを特徴とする薄膜の製造方法。
  2. 前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に前記導電性材料を、前記導電性材料が前記樹脂薄膜又は前記絶縁性薄膜中で厚さ方向において分布密度に傾斜を有するように混入させることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  3. 前記導電性材料が炭素を主成分として含む請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  4. 前記樹脂薄膜材料が絶縁性樹脂材料である請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  5. 前記樹脂薄膜材料が固体電解質を主成分として含む請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  6. 前記樹脂薄膜材料がイオン伝導性を示す請求項1に記載の薄膜の製造方法。
  7. 真空槽と、前記真空槽内を所定の真空度に維持する真空ポンプと、前記真空槽内に設置された支持体と、微粒子化又は気化させた樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料を前記支持体上に直接的若しくは間接的に付着させて樹脂薄膜又は絶縁性薄膜を形成する装置と、前記樹脂薄膜材料又は絶縁性薄膜材料の付着領域で導電性材料を電子ビーム蒸着法により同時に付着させる装置とを有し、
    前記支持体の前記樹脂薄膜材料又は前記絶縁性薄膜材料が付着する被付着面を移動させながら前記樹脂薄膜材料又は前記絶縁性薄膜材料と前記導電性材料とを同時に付着させることにより、前記樹脂薄膜又は前記絶縁性薄膜を形成する装置と、前記導電性材料を付着させる装置とによって形成される薄膜の組成をその厚さ方向で変化させるとともに、前記導電性材料が前記樹脂薄膜又は前記絶縁性薄膜中で厚さ方向において樹枝状のつながりを有するように混入させることを特徴とする薄膜の製造装置。
  8. 更に、前記支持体上に金属薄膜を直接的若しくは間接的に形成する装置を有する請求項に記載の薄膜の製造装置。
  9. 前記樹脂薄膜材料が絶縁性樹脂材料である請求項に記載の薄膜の製造装置。
  10. 前記樹脂薄膜材料がイオン伝導性を示す請求項に記載の薄膜の製造装置。
  11. 樹脂薄膜又は絶縁性薄膜と、その少なくとも片面に形成された導電性薄膜とを有する薄膜であって、前記導電性薄膜を形成する材料と同一又は異なる導電性材料が前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に混入しており、前記混入している導電性材料の少なくとも一部は片面の前記導電性薄膜と電気的に接続しており、前記樹脂薄膜又は前記絶縁性薄膜中において、前記導電性材料は、前記導電性材料が電気的に接続している前記導電性薄膜の近傍で密になるような厚さ方向の密度分布を有するとともに、前記導電性材料が前記樹脂薄膜又は前記絶縁性薄膜中で厚さ方向において樹枝状のつながりを有していることを特徴とする薄膜。
  12. 前記導電性薄膜が金属薄膜である請求項11に記載の薄膜。
  13. 前記導電性薄膜が炭素を主成分とする薄膜である請求項11に記載の薄膜。
  14. 前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜中に混入している導電性材料が炭素を主成分とする請求項11に記載の薄膜。
  15. 前記樹脂薄膜が絶縁性樹脂からなる請求項11に記載の薄膜。
  16. 前記樹脂薄膜がイオン伝導性を示す材料からなる請求項11に記載の薄膜。
  17. 前記導電性薄膜が、前記樹脂薄膜又は絶縁性薄膜の片面にのみ形成された請求項11に記載の薄膜を複数積層してなる薄膜積層体。
  18. 請求項17に記載の薄膜積層体と、複数の外部電極とを有し、前記薄膜積層体の前記導電性薄膜の全て又は一部は、いずれか一つの前記外部電極と電気的に接続されている薄膜部品。
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