JP2004071822A - 積層コンデンサの製造方法及び製造装置 - Google Patents

積層コンデンサの製造方法及び製造装置 Download PDF

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新井 康司
Junichi Hikino
引野 純一
Tsuyoshi Kasebe
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Abstract

【課題】電気絶縁性が十分に保持でき、小形化・高容量化を高次元で実現できる積層コンデンサを製造する。
【解決手段】真空容器5内で、金属電極上に誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に電子線を照射して誘電体を硬化させる工程と、誘電体上に金属電極を形成する工程とを繰り返して積層体を形成する際に、誘電体の硬化度に対応する物理量(誘電体近傍の電子線量や誘電体の表面帯電量など)を監視しながら、硬化工程で誘電体に照射する電子線量をその物理量に応じてリアルタイムで制御する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層コンデンサの製造方法及び製造装置に関し、特に、より小型・高容量の積層コンデンサの製造に好適に利用できる積層コンデンサの製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日の電子部品に対する小型化・高性能化に対する要求はますます厳しさを増す一方であり、コンデンサに対しても例外ではない。コンデンサの容量は、誘電体の誘電率が同一であれば、誘電体の面積に比例し、誘電体層の厚みに反比例する。したがって、コンデンサを小型化しつつその容量を維持もしくは増大させるためには、誘電体層の厚みを薄くし、また容量発生部分の有効面積を増大させることが有効である。
【0003】
コンデンサ等の電子部品に使用される誘電体層と金属薄膜とからなる積層体としては、フイルムコンデンサ用の積層体が知られている。これは、ポリエステル(PEN、PET等)、ポリオレフィン(PP等)、PPS等の樹脂フイルムにアルミニウム等の金属薄膜を真空蒸着法やスパッタ等で積層した金属化フイルムを、積層または巻回してなるものである。
【0004】
しかしながら、樹脂フイルムの厚みは、その製造工程上もしくはその後のフイルムの取り扱い性・加工性等の制約から、その薄膜化には限界がある。現在使用されているフイルムコンデンサ用のフイルム厚みはせいぜい1.2μm程度までである。したがって、コンデンサの容量をさらに増大させるためには、容量発生部分の有効面積を増大させること、すなわち積層又は巻回数を増大させる必要がある。しかしながら、これはコンデンサの小型化の要求に反する。つまりフイルムコンデンサでは、小形化と高容量化を高次元で両立することは限界に達しているのが現状である。
【0005】
一方、従来のフイルムコンデンサとは全く別の製造方法により、誘電体層の厚みを0.3μm程度にしたコンデンサ用積層体が提案されている(特開平11−147273号公報)。この誘電体は、従来の積層型フイルムコンデンサ用積層体と同様に、誘電体樹脂層と金属薄膜層とを順次積層した積層構成を取りながら、これを3000層程度以上積層し、厚さ数mm程度にしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
積層体の製造では誘電体をすばやく硬化させるために電子線を誘電体に照射することが有効であるが、本発明者らの検討によれば、誘電体を硬化させるときに被処理体表面近傍の電子線量が制御されていないと、積層体形成時に誘電体層の硬化の度合いが一定でなくなり、その結果電気絶縁部が十分には形成されず、この積層体からなるコンデンサの電気絶縁性が不十分となってしまうという問題がある。この原因の一例としては、例えば誘電体材料の気化によって積層体製造装置の真空度が低下し、誘電体に照射される電子線量が徐々に減少してしまうことが挙げられる。
【0007】
上記の問題は、誘電体層の厚みを従来のフイルムコンデンサでは実現できなかったような厚みにまで薄くすれば、よりいっそう顕著に発生することが判明した。この問題は、積層体コンデンサの小形化・高容量化を達成するためには避けて通ることができない。
【0008】
それゆえに本発明の目的は、電気絶縁性が十分に保持でき、かつ小形化・高容量化を高次元で実現できる積層体コンデンサの製造方法及び製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
本発明の積層コンデンサの製造方法は、真空槽内で、金属電極上に誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に電子線を照射して誘電体を硬化させる工程と、誘電体上に金属電極を形成する工程とを繰り返して積層体を形成する際に、誘電体の硬化度に対応する物理量を監視しながら(電子線量検出部10または被処理体状態検出部21による処理)、硬化工程で誘電体に照射する電子線量をその物理量に応じてリアルタイムで制御する(電子線量制御装置11または被処理体状態制御装置22による処理)ことを特徴とする。
【0010】
また本発明の積層コンデンサの製造装置は、真空槽(5)と、キャンローラ(1)と、誘電体形成部(2)と、硬化部(8、12)と、金属電極形成部(4)と、検出部(10、21)と、電子線制御部(11、22)とを備える。キャンローラは真空槽内に回転可能に設置される。誘電体形成部は、金属電極上に誘電体を形成し、硬化部は、誘電体形成部によって形成された誘電体に電子線を照射して該誘電体を硬化させ、金属電極形成部は、硬化部によって硬化された誘電体上に金属電極を形成する。検出部は、誘電体の硬化度に対応する物理量を検出し、電子線制御部は、この検出部の検出結果に応じて、硬化部が照射する電子線量をリアルタイムで制御する。
【0011】
なお「硬化度」とは誘電体の硬化の度合いを示し、例えば誘電体材料が樹脂である場合には、その重合および/または架橋の程度によって表すことができる。また「誘電体の硬化度に対応する物理量」とは、誘電体の硬化度に直接的または間接的に影響を及ぼすような物理量や、誘電体の硬化度に直接的または間接的に左右されるような物理量を指し、大別すると、硬化工程時における誘電体近傍の状態に係る物理量と、硬化工程後の誘電体の状態に係る物理量とがある。このうち、硬化工程時における誘電体近傍の状態に係る物理量としては、例えば電子線量や真空度や散乱電子量が挙げられる。一方、硬化工程後の誘電体の状態に係る物理量としては、例えば誘電体の帯電量や光沢に係るもの(輝度等)や色彩に係るもの(彩度等)や表面温度が挙げられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の種々の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造装置の構成を模式的に示す概略図である。
キャンローラ1は一定の角速度又は周速度で図中の矢印方向に回転する。このキャンローラ1の下部には金属蒸着源4が配されており、この金属蒸着源4に対してキャンローラの回転方向下流側には、樹脂蒸発源2および樹脂硬化装置8がそれぞれ配されている。一方、金属蒸着源4に対してキャンローラの回転方向上流側には、パターンニング材料付与装置3および樹脂表面処理装置9がそれぞれ配されている。
【0013】
さらに樹脂硬化装置8の近傍には、樹脂硬化装置8からキャンローラ1の外周面に向けて照射される電子線量を検出するための電子線量検出部10が配されており、この電子線量検出部10で検出した電子線量を電子線量制御装置11にフィードバックし、被処理体近傍の電子線量を一定にするように電子線発生用電源12の出力をコントロールする構成となっている。
【0014】
これらの装置は真空容器5と勘合され、その内部は真空ポンプ6により真空に保たれている。
【0015】
キャンローラ1の外周面は平滑に、好ましくは鏡面状に仕上げられており、好ましくは−20〜40℃、特に好ましくは−10〜10℃に冷却されている。回転速度は自由に設定できるが、15〜70min−1程度である。
【0016】
金属蒸着源4は、キャンローラ1表面に向けて金属蒸着を可能とするものであり、金属電極を形成する。蒸着金属としては例えばAl、Cu、Zn、Sn、Au、Ag、Ptから選ばれた少なくとも一種が使用される。なお、蒸着に代えてスパッタリング法等の手段で金属電極を形成しても良い。
【0017】
樹脂蒸発源2は、キャンローラ1表面に向けて反応性モノマー樹脂を蒸発気化させるものであり、この樹脂が堆積して誘電体層を形成する。
堆積した反応性モノマー樹脂は、樹脂硬化装置8により重合又は架橋され、所望の硬化度に硬化されて薄膜を形成する。ここでは樹脂硬化装置8として電子線照射装置を用いる。電子線量検出部10は、被処理体(誘電体)近傍に設置され、被処理体近傍の電子線量を検出する。この電子線量検出部10としては、例えば直径1mm程度の金属線(例えばタングステン等)が使用できる。積層体に電子線が照射されることで金属線に電流が流れるが、照射される電子線量に応じてその電流値が変化する。したがって、その電流値が一定となる様に電子線量制御装置11により電子線発生用電源12の出力をコントロールすることで、被処理体に照射される電子線量の変動が抑えられ、その結果、樹脂の硬化度を一定にすることが可能となる。
【0018】
電子線量を検出する位置を被処理体近傍としたのは、樹脂硬化装置8から発せられる電子線量と、実際に被処理体に到達する電子線量とが異なるためである。たとえ樹脂硬化装置8から発せられる電子線量が一定であったとしても、後述する真空度の変化等の影響を受けて、実際に被処理体に到達する電子線量は変化してしまう。誘電体の硬化度を決定するのは実際に被処理体に到達する電子線量であるので、この電子線量(つまり被処理体近傍の電子線量)が一定となるように制御することにより誘電体の硬化度を一定にすることができる。
【0019】
ところで、本発明の発明者らによる検討の結果、積層体製造中の被処理体近傍の真空度の変化に対応して電子線量が変化することが見出された。そこで本実施形態の電子線量検出部10に換えて真空計を被処理体近傍に配置し、この真空計によって被処理体近傍の真空度を検出し、その真空度が一定となる様に電子線量制御装置11により電子線発生用電源12の出力をコントロールすることで、樹脂の硬化度を一定にすることもできる。真空度は公知の真空計を用いて比較的簡単に検出することができるため、より簡単に樹脂の硬化度を一定にすることができる。
【0020】
また、被処理体に実際に照射される電子線量と被処理体表面からの散乱電子量とは相関関係にある。そこで本実施形態の電子線量検出部10に換えて、被処理体表面からの散乱電子量を検出する手段を被処理体近傍に配置し、散乱電子量が一定となるように電子線量制御装置11により電子線発生用電源12の出力をコントロールすることで、樹脂の硬化度を一定にすることもできる。
【0021】
樹脂硬化装置8による硬化処理を経て形成された樹脂薄膜は、樹脂表面処理装置9により表面処理される。例えば、酸素プラズマ処理等により樹脂表面を活性化させて金属薄膜との接着性を向上させることができる。
【0022】
パターンニング材料付与装置3は、パターンニング材料を樹脂薄膜表面に帯状に堆積させるためのものである。パターンニング材料が堆積した箇所には金属薄膜は形成されず、つまりその箇所が積層体の電気的絶縁部分となる。パターンニング材料としては例えばオイルが使用できる。パターンニング材料の付与方法としては、蒸発気化させたパターンニング材料をノズルから噴射して樹脂薄膜表面で液化させる方法が好ましい。
【0023】
以上の各部の処理により、樹脂層と帯状の電気絶縁体を除く部分に積層された金属層とからなる積層単位を、キャンローラ1を回転させながらその外周面に所定回数積層すると、円筒状連続体が形成される。これを半径方向に分割(例えば45°ごとに8分割)してキャンローラ1から取り外し、それぞれ加熱・加圧プレスすることにより、平板状の積層体母素子を得る。その後、切断することにより、積層コンデンサの元となる積層体が得られる。
【0024】
(実施例1)
図1に示す第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造装置を用いて積層コンデンサを作成した。
真空容器5内は2×10−2Paとし、キャンローラ1の外周面は5℃に維持する。
誘電体材料としてジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを用い、これを気化して樹脂蒸発源2よりキャンローラ1の外周面に堆積させる。ついで樹脂硬化装置8として電子線照射装置を用い、上記のように堆積させた誘電体材料を重合し、硬化させる。その際、電子線量制御装置11を使用して、電子線量検出部10が検出する電子線量が0.1mAで一定になる様に電子線発生用電源12をコントロールする。こうして形成された誘電体層の厚みは0.4μmであった。
【0025】
その後、樹脂表面処理装置9により、誘電体層表面を酸素プラズマ処理する。次にパターンニング材料付与装置3によって、電気絶縁体に相当する部分にパターンニング材料を付与する。パターンニング材料としてはフッ素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μmのノズルより噴出させて幅150μmの帯状に付着させた。
次に金属蒸着源4からアルミニウムを金属蒸着させる。蒸着厚みは25nm、膜抵抗は6Ω/□とする。
【0026】
以上の工程を、キャンローラ1を回転させて3000回繰り返すことにより、約1.6mmの積層体を形成した。
【0027】
なお、電子線量検出部10に換えて真空計を被処理体近傍に設置して被処理体近傍の真空度を検出し、その真空度の変化に応じて被処理体近傍の電子線量が0.1mAと一定になるように、電子線量制御装置11で電子線発生用電源12をコントロールしながら誘電体材料を重合し、硬化させた場合にも同様の結果が得られた。
また、電子線量検出部10に換えて被処理体近傍の散乱電子量を計測し、その散乱電子量の変化に応じて被処理体近傍の電子線量が0.1mAと一定になるように、電子線量制御装置11で電子線発生用電源12の出力をコントロールしながら誘電体材料を重合し、硬化させた場合にも同様の結果が得られた。
【0028】
次いで、上記のようにして得られた円筒状の積層体を半径方向に20分割して取り外し、加熱化でプレスして平板状の積層体母素子を得る。これを切断し、従来のフイルムコンデンサで行なわれている工程を経てチップコンデンサを得る。
【0029】
こうして得られたチップコンデンサは、積層方向厚み1.3mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方向)3.2mmであり、小形ながらも容量は0.47μF、耐電圧は50Vであった。さらに積層体を分解して蒸着膜の電気抵抗を4端子法で測定したところ、6±2Ω/□になっており、また絶縁抵抗を測定すると、1×1011Ω以上でありコンデンサとして十分な電気絶縁性が得られた。なお比較例として、電子線量の制御を行わないで製造した積層コンデンサの電気絶縁性は1×10Ω程度となる。
【0030】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造装置の構成を模式的に示す概略図である。なお図2において、図1と同様の構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0031】
樹脂硬化装置8に対してキャンローラの回転方向下流側には、被処理体状態検出部21が配されており、この被処理体状態検出部21で検出した表面帯電量を被処理体状態制御装置22にフィードバックし、表面帯電量を一定にするように電子線発生用電源12の出力をコントロールする構成となっている。
【0032】
発明者らによる検討の結果、積層体製造中に樹脂硬化状態が変化すると、それに対応して表面帯電量が変化することが見出された。そこで、被処理体状態検出部21によって硬化処理後の被処理表面の帯電量を検出し、その帯電量が一定となる様に被処理体状態制御装置22により電子線発生用電源12の出力をコントロールすることで樹脂の硬化度を一定にすることが可能となる。
【0033】
なお、検討の結果、樹脂硬化状態の変化に対応して樹脂の光沢、色彩または表面温度が変化することも見出された。そこで、被処理体状態検出部21として光沢計、色彩計または表面温度計を配置して被処理表面の光沢、色彩または表面温度を検出し、その光沢、色彩または表面温度が一定となる様に被処理体状態制御装置22により電子線発生用電源12の出力をコントロールすることでも樹脂の硬化度を一定にすることが可能となる。
【0034】
(実施例2)
図2に示す第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造装置を用いて積層コンデンサを作成した。
真空容器5内は2×10−2Paとし、キャンローラ1の外周面は5℃に維持する。
誘電体材料としてジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレートを用い、これを気化して樹脂蒸発源2よりキャンローラ1の外周面に堆積させる。ついで樹脂硬化装置8として電子線照射装置を用い、上記のように堆積させた誘電体材料を重合し、硬化させる。その際、被処理体状態制御装置22を使用して、被処理体状態検出部21が検出する帯電量が10Vで一定になる様に電子線発生用電源12をコントロールする。こうして形成された誘電体層の厚みは0.4μmであった。
【0035】
その後、樹脂表面処理装置9により、誘電体層表面を酸素プラズマ処理する。次にパターンニング材料付与装置3によって、電気絶縁体に相当する部分にパターンニング材料を付与する。パターンニング材料としてはフッ素系オイルを使用し、これを気化させて直径50μmのノズルより噴出させて幅150μmの帯状に付着させる。
次に金属蒸着源4からアルミニウムを金属蒸着させる。蒸着厚みは25nm、膜抵抗は6Ω/□とする。
【0036】
以上の工程を、キャンローラ1を回転させて3000回繰り返すことにより、約1.6mmの積層体を形成した。
【0037】
なお、被処理体状態検出部21として光沢計、色彩計または表面温度計を配置して被処理表面の光沢、色彩または表面温度を検出し、その光沢、色彩または表面温度が一定となるように、被処理体状態制御装置22で電子線発生用電源12の出力をコントロールしながら誘電体材料を重合し、硬化させた場合にも同様の結果が得られた。
【0038】
次いで、上記のようにして得られた円筒状の積層体を半径方向に20分割して取り外し、加熱化でプレスして平板状の積層体母素子を得る。これを切断し、従来のフイルムコンデンサで行なわれている工程を経てチップコンデンサを得る。
【0039】
こうして得られたチップコンデンサは、積層方向厚み1.3mm、奥行1.6mm、幅(両外部電極間方向)3.2mmであり、小形ながらも容量は0.47μF、耐電圧は50Vであった。さらに積層体を分解して蒸着膜の電気抵抗を4端子法で測定したところ、6±2Ω/□になっており、また絶縁抵抗を測定すると、1×1011Ω以上でありコンデンサとして十分な電気絶縁性が得られた。なお比較例として、電子線量の制御を行わないで製造した積層コンデンサの電気絶縁性は1×10Ω程度となる。
【0040】
なお、上記第1および第2の実施形態では、誘電体の硬化度が一定となるように電子線量を制御しながら積層コンデンサを製造するとしたが、本発明はこれに限らず、例えば誘電体の硬化度が所望の範囲内となるように電子線量を制御しながら積層コンデンサを製造しても構わない。
【0041】
また、上記第1および第2の実施形態では、電子線発生用電源の出力を制御することによって誘電体に照射される電子線量を制御するとしたが、本発明はこれに限らず、結果的に誘電体に照射される電子線量を制御することができさえすれば、他の方法を用いても良い。
【0042】
なお、上記第1および第2の実施形態では、電子線照射装置を用いて樹脂を電子線により硬化させるとしたが、紫外線硬化や熱硬化により硬化させる場合にも本発明を適用することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、電気絶縁性が十分に保持でき、小形化・高容量化を高次元で実現した積層コンデンサを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る積層コンデンサの製造装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る積層コンデンサの製造装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 キャンローラ
2 樹脂蒸発源
3 パターンニング材料付与装置
4 金属蒸着源
5 真空容器
6 真空ポンプ
7 金属電極表面処理装置
8 樹脂硬化装置
9 樹脂表面処理装置
10 電子線量検出部
11 電子線量制御装置
12 電子線発生用電源
21 被処理体状態検出部
22 被処理体状態制御装置

Claims (9)

  1. 真空槽内で、少なくとも金属電極上に誘電体を形成する工程と、形成した誘電体に電子線を照射して該誘電体を硬化させる工程と、硬化させた誘電体上に金属電極を形成する工程とを繰り返し、
    かつ誘電体の硬化度に対応する物理量を監視し、前記硬化工程で誘電体に照射する電子線量を該物理量に応じてリアルタイムで制御することを特徴とする積層コンデンサの製造方法。
  2. 前記物理量が、前記硬化工程時における誘電体近傍の電子線量であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  3. 前記物理量が、前記硬化工程時における誘電体近傍の真空度であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  4. 前記物理量が、前記硬化工程時における誘電体近傍の散乱電子量であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  5. 前記物理量が、前記硬化工程後の誘電体の帯電量であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  6. 前記物理量が、前記硬化工程後の誘電体の光沢に係る物理量であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  7. 前記物理量が、前記硬化工程後の誘電体の色彩に係る物理量であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  8. 前記物理量が、前記硬化工程後の誘電体の表面温度であることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサの製造方法。
  9. 真空槽と、
    前記真空槽内に回転可能に設置されたキャンローラと、
    金属電極上に誘電体を形成する誘電体形成部と、
    前記誘電体形成部によって形成された誘電体に電子線を照射して該誘電体を硬化させる硬化部と、
    前記硬化部によって硬化された誘電体上に前記金属電極を形成する金属電極形成部と、
    誘電体の硬化度に対応する物理量を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に応じて、前記硬化部が照射する電子線量をリアルタイムで制御する電子線制御部とを備える積層コンデンサの製造装置。
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