JP2000216049A - 有機薄膜コンデンサの製造方法 - Google Patents

有機薄膜コンデンサの製造方法

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JP2000216049A
JP2000216049A JP11015599A JP1559999A JP2000216049A JP 2000216049 A JP2000216049 A JP 2000216049A JP 11015599 A JP11015599 A JP 11015599A JP 1559999 A JP1559999 A JP 1559999A JP 2000216049 A JP2000216049 A JP 2000216049A
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organic thin
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electrode
organic
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JP11015599A
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Hisaaki Tachihara
久明 立原
Hisayoshi Watanabe
久芳 渡辺
Shigeki Hatanaka
茂樹 畠中
Takashi Imanaka
崇 今中
Kazuo Iwaoka
和男 岩岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機薄膜コンデンサにおいて、有機薄膜から
なる誘電体層の膜厚が有する耐電圧を確保し、かつ低イ
ンピーダンスを実現し、かつはんだ付け性を向上させ、
小型で大容量のコンデンサを製造することを目的とす
る。 【解決手段】 放射線硬化可能な有機材料を真空中で蒸
発し、支持体上もしくはすでに硬化し、放射線により活
性化している有機材料上に蒸着すると同時に、有機材料
の蒸気を金属薄膜の蒸着時の散乱電子により活性化して
硬化した有機薄膜層を誘電体層とする。かつ非金属化部
を形成するために用いるパーフルオロアルキルエーテル
膜を金属薄膜の蒸着後に除去する。以上により誘電体層
の膜厚を均一化して層中の絶縁欠陥を無くし、かつ金属
薄膜が薄くなることが無いので蒸着膜抵抗が低くでき、
かつ非金属化部が盛り上がること無くはんだ付け性を阻
害することが無い、小型で大容量かつ低インピーダンス
で信頼性の高いコンデンサが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大容量で高信頼性
が要求される電子機器および電気機器に使用される小形
・軽量で低価格・低インピーダンスの有機薄膜コンデン
サに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、屋外で使用される携帯型の電子機
器あるいはコンピュータ関連の電子機器が急速な伸びを
示し、これらの電子機器に使われる小型で、高信頼性を
有する表面実装用の電子部品に対する需要は極めて大き
い。コンデンサについても、従来以上に大幅な小形化・
大容量・軽量化・低価格化そして低インピーダンスなど
の高性能化に対して、厳しい要求が増えている。例えば
寸法が3.2mm×2.5mmで従来のフィルムコンデンサ
の良好な特性を有し、かつ静電容量が従来のフィルムコ
ンデンサの10倍程度のものが要求されている。
【0003】従来は低インピーダンスなどの高性能な特
性を求める要求に対して、いわゆるフィルムコンデンサ
が使われていた。フィルムコンデンサは、溶融樹脂をキ
ャスティングし、さらに延伸して得たプラスティックフ
ィルムに金属蒸着して、これを巻回もしくは積層して製
造する方法が一般的である。しかしながら、前記のよう
な近年の大幅な小型化要求に応えるためには、少なくと
も1μm以下のプラスティックフィルムを製造する技
術、及びこれを蒸着して金属化フィルムコンデンサを製
造する技術が必要であるが、実験室的に作製、蒸着する
ことはできても、絶縁欠陥が多く、コストが高いという
問題があり、低価格で大量に製造することはほとんど不
可能であった。
【0004】近年、上記の用途として薄い有機薄膜を成
膜してなる有機薄膜コンデンサがいくつか提案されてき
た。
【0005】以下に、従来の公知技術である特公昭44
−25014号公報および特公昭46−1945号公報
に示された有機薄膜コンデンサの構造について説明す
る。
【0006】図6は特公昭44−25014号公報に記
載された従来の有機薄膜コンデンサの断面図である。図
6において、有機薄膜コンデンサは、保護層を兼ねたポ
リスチレンフィルム等の基板26と、その上にコンデン
サの素子層として、アルミニウムの金属蒸着電極膜27
a,27bと、外部電極28a,28b間で短絡しない
ように、金属蒸着電極膜27a,27bを真空蒸着する
際に固定マスク方式で形成される金属蒸着電極膜の存在
しない領域(以下「マージン」と略す)29a,29b
を、外部電極28a,28bの手前にそれぞれ交互に配
置し、金属蒸着電極膜27a,27bの間が、誘電体で
ある有機重合膜30a,30bで絶縁され、かつ対向し
ており、金属蒸着電極膜27aと外部電極28a、およ
び金属蒸着電極膜27bと外部電極28bがそれぞれ電
気的に接続され、さらに金属蒸着電極膜27a、有機重
合膜30a、金属蒸着電極膜27b、有機重合膜30b
がこの順番で複数層積層された構成になっている。特公
昭44−25014号公報では、有機重合膜の具体的な
材料は開示されていないが、その製造方法としてグロー
放電法、あるいは電子衝撃法が開示されている。
【0007】しかしながらグロー放電法、あるいは電子
衝撃法による有機重合膜の成膜は1〜100オングスト
ローム毎分と極めて成膜速度が遅く、多層数の積層を必
要とする大容量のコンデンサのためには、前記従来の方
法はコスト、時間がかかりすぎてほとんど実用化されて
いなかった。
【0008】図7は特公昭46−1945号公報に記載
された従来の有機薄膜コンデンサの断面図である。図7
において、有機薄膜コンデンサは、ベースフィルムとす
る樹脂フィルム31の両面に、マージン部34a,34
b,34c,34dを設けたアルミニウムの金属蒸着電
極膜32a,32b,33a,33bと、これらの間に
介挿され、重合可能なエポキシ樹脂と、架橋剤とを別な
蒸発源から同時に真空蒸着して形成し、誘電体層となる
樹脂薄膜35a,35bが形成されている複層構造のフ
ィルムを巻回して、コンデンサとする構成となってい
る。
【0009】この特公昭46−1945号公報では重合
可能なエポキシ樹脂を、架橋剤と別な蒸発源から同時に
真空蒸着して形成することで、前記グロー放電法、ある
いは電子衝撃法による有機重合膜より早い成膜速度が得
られるものである。
【0010】しかしながら、特公昭46−1945号公
報に記す技術では、重合可能なエポキシ樹脂を架橋剤と
別な蒸発源から同時に真空蒸着するため、両方の蒸発速
度を目的の重合樹脂膜が得られるように正確に制御しな
ければ、重合樹脂膜の重合度が変化して、絶縁性、誘電
率、誘電損失などコンデンサの基本的な特性が変化して
しまう。このため、成膜速度を市場に供するに足る量産
性が得られるほど向上することができないという問題点
があった。また、ベースフィルムに従来の樹脂フィルム
を用いるため、ベースフィルムを薄膜化しなければ小型
化ができないが、前述のようにフィルムの厚さには限界
があり、小型化の効果が半減するという問題点があっ
た。
【0011】技術の進歩と共に、小型化の要求に応える
ため、図8に示す有機薄膜コンデンサの製造方法も提案
された。支持体39の上に、まず保護層として、紫外線
などの放射線で硬化可能な液体の樹脂材料を、超音波噴
霧器37により塗布し、この樹脂を紫外線照射36によ
り重合して硬化した有機薄膜を複数回積層する。次に素
子層として、前記保護層と同じ方法で形成した有機薄膜
の上にマージンを形成するためのパラフィンオイルから
なる帯状のオイル膜をオイル付与器40から供給して形
成し、この上にアルミニウムを金属蒸着源43より蒸発
して、マージンを有する金属薄膜を形成する。金属薄膜
の上に同様にして超音波噴霧器37と紫外線照射36に
より有機薄膜を形成し、有機薄膜の上にコンデンサの静
電容量が発生するように、所定の幅だけ位置をずらして
同様にしてマージンを有する金属薄膜を形成する。以
下、このようにしてマージンの位置を交互にずらして、
1500層以上の所定の回数だけ有機薄膜と金属薄膜を
積層して、積層体38を得る。次に積層体の電極引出し
端面、すなわちマージンをずらした方向の端面を、酸素
プラズマにより処理して、選択的に端面近傍の有機薄膜
を除去して、積層体の前記電極引出し端面から有機薄膜
が突き出た構造とする。次に、前記電極引出し端面に、
金属溶射により厚さ0.4mmの黄銅からなる外部電極
中間層を形成し、外部電極中間層の上に錫が60%で残
りが鉛である合金からなる外部電極最外層を、厚さ0.
1mmで溶融めっきにより形成する。その後必要に応じ
て外装を施して有機薄膜コンデンサとするものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】有機薄膜コンデンサを
小型化、大容量化する手段は、有機薄膜の厚さを薄くす
るか、有機薄膜の比誘電率を高くするかのいずれかがあ
るが、比誘電率を高くする手段は一般的に誘電正接の増
大が避けられず、低インピーダンス化などの高性能化の
用途には用い難い。また、前記従来例に用いることがで
きる、蒸発可能で、放射線硬化可能で、比誘電率が小型
化に実効があるほど高い材料はまだ見つかっていない。
これに比べて、有機薄膜の厚さを薄くする方法は、現実
的に小型化に有効である。
【0013】しかしながら、前記従来例の有機薄膜コン
デンサの製造方法では、有機薄膜の薄膜化に限界があっ
た。すなわち、従来例の製造方法で有機薄膜が1.0μ
mのとき、耐電圧が130Vであったものが、0.3μ
mに薄膜化すると、30Vまで低下し、理論上の耐電圧
が得られないという課題があった。この原因は、超音波
噴霧によるコーティングでは、霧化された有機薄膜材料
の粒子の直径が数μmであるため、1μm以下の薄膜を
得ようとすると、霧化した粒子を離散的に付着させるこ
とになるが、付着した粒子が均一に薄く広がり難く、平
均して0.3μmであっても、部分的には0.2μm以
下しかない不均一な部分があるためである。
【0014】また、図9(a)に示すように、金属薄膜
44aの厚さよりも、マージン部の残留オイル膜45の
膜厚が厚いために、有機薄膜を薄膜化した場合、マージ
ン部上に形成される有機薄膜46aの厚さが他の部分よ
り薄くなってしまい、積層数が多い場合、耐電圧が得ら
れないという課題があった。
【0015】同じ原因で、前記厚い残留オイル膜が残る
マージン部上の有機薄膜上に形成される金属薄膜は、厚
みが薄くなるため、金属薄膜の電気抵抗値が高くなり、
コンデンサのインピーダンスが増大するという課題があ
った。
【0016】また同じ原因で、図9(b)に示すよう
に、コンデンサのマージン部が他の部分より盛り上がっ
た形状になるため、リード線をもたないチップ型のコン
デンサでは、外部電極がプリント基板から離れてしまう
場合があるので、はんだ付け性が阻害されるという課題
も生じていた。
【0017】また一方、有機薄膜を薄くすることで、金
属薄膜と有機薄膜が交互に積層されている素子層と、有
機薄膜のみが積層されている保護層の間で、熱収縮差が
生じ、保護層が剥離してしまうという課題があった。特
にコンデンサ特性の安定化のために、有機薄膜材料中の
二重結合の硬化度を90%以上、さらに安定化するため
に95%以上とした場合に著しいことが判った。
【0018】さらに、有機薄膜を薄膜化した場合、全体
の積層数中に占める素子層の比率を50%以下にする
と、保護層と外部電極の中間層である溶射した黄銅から
なる層とは機械的付着力が弱いため、外部電極と金属薄
膜との電気的接続が不安定になり、インピーダンス特性
が劣化するという課題があった。
【0019】さらに有機薄膜を薄くした時に、金属薄膜
と外部電極層との電気的接続抵抗が高くなり、インピー
ダンス特性が高くなることが分かった。原因は前記有機
薄膜の厚みが薄くなった場合、前記突き出し部の間隙が
狭くなるために、前記外部電極を構成する溶射金属の粒
子が大きいために、前記間隙に侵入し難くなるため、機
械的付着力が低下し、同時にそのため、前記金属薄膜と
前記外部電極との電気的接続が破壊される部分が生じて
電気的接続抵抗値が高くなるためである。
【0020】本発明は上記の課題を解決するもので、小
型、大容量で、低インピーダンスの有機薄膜コンデンサ
を得る製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ために本発明の有機薄膜コンデンサの製造方法は、少な
くとも2個以上のビニル基を有し、放射線硬化可能で、
常温大気圧においては液体である有機材料を、液体のま
ま真空容器中に設けた蒸発器に導く工程と、(a)前記
真空容器中で、前記材料を前記蒸発器で前記材料の沸点
以下の温度で加熱して蒸発し、回転する冷却された支持
体の表面上、あるいは、前記支持体上にすでに形成さ
れ、かつ金属薄膜の蒸着時に用いられる電子線の散乱電
子により放射線硬化しており、さらに前記放射線の照射
により活性化している前記有機材料上に、前記有機材料
を蒸着すると同時に、前記有機材料の蒸気が前記金属薄
膜の蒸着時の散乱電子により活性化し硬化した有機薄膜
からなる誘電体層を形成する工程と、(b)前記真空容
器中で、前記支持体上に形成された前記誘電体層の上
に、前記支持体の回転方向に沿って平行に並ぶ、複数条
の細幅のパーフルオロアルキルエーテルからなるオイル
薄膜を、前記支持体の任意の周回毎に、前記オイル薄膜
の幅方向の位置を切り替えて形成する工程と、前記オイ
ル薄膜形成工程の後に、アルミニウムを蒸着して、前記
オイル薄膜が形成されない位置と幅に相当する複数条の
非金属化部を有する金属薄膜からなる蒸着電極層を形成
する工程と、前記蒸着電極層形成工程の後に、前記パー
フルオロアルキルエーテルからなるオイル薄膜を除去す
る工程とを含む工程と、(c)前記支持体の一周回中に
前記(a)、(b)の工程を各々少なくとも1回以上行
う工程と、(d)前記支持体の一周回中に前記(a)の
工程を少なくとも1回以上行う工程、前記支持体を複数
回周回して、前記(c)の工程および前記(d)の工程
を各々任意に複数回、繰り返して、前記誘電体層と、複
数条の非金属化部を有する前記蒸着電極層とが複数層交
互に積層され、かつ複数条の前記非金属化部の位置が切
り替わることにより、前記誘電体層とこれを介して対向
する前記蒸着電極層により構成される静電容量に寄与す
る部分を有する積層体を形成する工程と、前記支持体上
から前記積層体を分離する工程と、前記積層体を、概ね
平板状に加工する工程と、前記積層体を、前記静電容量
に寄与する部分から前記蒸着電極層によって引き出され
ている外部電極取出し位置で各コンデンサ要素に分割す
る工程と、前記分割工程により形成されたコンデンサ要
素の両側の外部電極取出し端面に、少なくとも前記誘電
体材料と反応性を有する成分を含むガスもしくはプラズ
マを接触させて、前記電極引き出し端面側部分の誘電体
の少なくとも一部分を化学的に選択的除去して、各々の
前記誘電体層の静電容量に寄与しない電極引き出し端面
先端近傍を前記誘電体層の静電容量に寄与する部分より
概ね薄くし、かつ前記電極引き出し端面先端近傍の前記
蒸着電極層が積層時に前記誘電体と接触していた少なく
とも片面の表面を前記誘電体層が薄くされた幅より狭い
幅で露出させる工程と、(e)前記コンデンサ要素の両
側の露出した電極引き出し端面に、各々金属溶射を施し
て各々の露出している前記蒸着電極層を接続する工程
と、(f)両側の前記金属溶射層の上に各々導電性樹脂
層を形成して前記金属溶射層と各々接続する工程と、
(g)両側の前記導電性樹脂層の上に少なくともすずを
含む金属層を形成して前記導電性樹脂層と接続する工程
と、前記(e)〜(g)の工程により形成される両側の
外部電極を有する前記コンデンサ要素を切断して、個別
のコンデンサとする工程と、前記コンデンサに、前記外
部電極のはんだ付け実装性を阻害しない極めて薄い外装
膜を、前記個別のコンデンサの外部電極を含む全ての表
面に施す工程と、からなることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の有機薄
膜コンデンサの製造方法は、少なくとも2個以上のビニ
ル基を有し、放射線硬化可能で、常温大気圧においては
液体である有機材料を、液体のまま真空容器中に設けた
蒸発器に導く工程と、(a)前記真空容器中で、前記材
料を前記蒸発器で前記材料の沸点以下の温度で加熱して
蒸発し、回転する冷却された支持体の表面上、あるい
は、前記支持体上にすでに形成され、かつ金属薄膜の蒸
着時に用いられる電子線の散乱電子により放射線硬化し
ており、さらに前記放射線の照射により活性化している
前記有機材料上に、前記有機材料を蒸着すると同時に、
前記有機材料の蒸気が前記金属薄膜の蒸着時の散乱電子
により活性化し硬化した有機薄膜からなる誘電体層を形
成する工程と、(b)前記真空容器中で、前記支持体上
に形成された前記誘電体層の上に、前記支持体の回転方
向に沿って平行に並ぶ、複数条の細幅のパーフルオロア
ルキルエーテルからなるオイル薄膜を、前記支持体の任
意の周回毎に、前記オイル薄膜の幅方向の位置を切り替
えて形成する工程と、前記オイル薄膜形成工程の後に、
アルミニウムを蒸着して、前記オイル薄膜が形成されな
い位置と幅に相当する複数条の非金属化部を有する金属
薄膜からなる蒸着電極層を形成する工程と、前記蒸着電
極層形成工程の後に、前記パーフルオロアルキルエーテ
ルからなるオイル薄膜を除去する工程とを含む工程と、
(c)前記支持体の一周回中に前記(a)、(b)の工
程を各々少なくとも1回以上行う工程と、(d)前記支
持体の一周回中に前記(a)の工程を少なくとも1回以
上行う工程、前記支持体を複数回周回して、前記(c)
の工程および前記(d)の工程を各々任意に複数回、繰
り返して、前記誘電体層と、複数条の非金属化部を有す
る前記蒸着電極層とが複数層交互に積層され、かつ複数
条の前記非金属化部の位置が切り替わることにより、前
記誘電体層とこれを介して対向する前記蒸着電極層によ
り構成される静電容量に寄与する部分を有する積層体を
形成する工程と、前記支持体上から前記積層体を分離す
る工程と、前記積層体を、概ね平板状に加工する工程
と、前記積層体を、前記静電容量に寄与する部分から前
記蒸着電極層によって引き出されている外部電極取出し
位置で各コンデンサ要素に分割する工程と、前記分割工
程により形成されたコンデンサ要素の両側の外部電極取
出し端面に、少なくとも前記誘電体材料と反応性を有す
る成分を含むガスもしくはプラズマを接触させて、前記
電極引き出し端面側部分の誘電体の少なくとも一部分を
化学的に選択的除去して、各々の前記誘電体層の静電容
量に寄与しない電極引き出し端面先端近傍を前記誘電体
層の静電容量に寄与する部分より概ね薄くし、かつ前記
電極引き出し端面先端近傍の前記蒸着電極層が積層時に
前記誘電体と接触していた少なくとも片面の表面を前記
誘電体層が薄くされた幅より狭い幅で露出させる工程
と、(e)前記コンデンサ要素の両側の露出した電極引
き出し端面に、各々金属溶射を施して各々の露出してい
る前記蒸着電極層を接続する工程と、(f)両側の前記
金属溶射層の上に各々導電性樹脂層を形成して前記金属
溶射層と各々接続する工程と、(g)両側の前記導電性
樹脂層の上に少なくともすずを含む金属層を形成して前
記導電性樹脂層と接続する工程と、前記(e)〜(g)
の工程により形成される両側の外部電極を有する前記コ
ンデンサ要素を切断して、個別のコンデンサとする工程
と、前記コンデンサに、前記外部電極のはんだ付け実装
性を阻害しない極めて薄い外装膜を、前記個別のコンデ
ンサの外部電極を含む全ての表面に施す工程とからなる
ことを特徴とする。
【0023】従来の製造方法では、有機材料を超音波噴
霧などで微細な霧状粒子として支持体等に付着し、有機
材料の表面張力により流動させ、均一な液体状の有機材
料の膜としていた。しかしながら超音波噴霧によるコー
ティングでは、粘度等を考慮すると、霧化された有機薄
膜材料の粒子の直径は数μmであるため、1μm以下の
有機薄膜を得ようとすると、霧化した粒子を離散的に付
着させることになり、付着した粒子が均一に薄く広がり
難く、平均して0.3μmであっても、部分的には0.
2μm以下しかない不均一な部分が存在するため、欠陥
の無い有機薄膜を形成することが極めて難しかった。こ
れに対して本発明の製造方法では、有機材料を加熱して
蒸発し、支持体など上に有機材料の気体分子として輸送
し、形成されるべき例えばクーリングキャンのような周
回移動する冷却された支持体の表面上、もしくはすでに
以前に前記支持体上に形成され放射線硬化した前記有機
薄膜上に、前記有機材料を蒸着すると同時に例えば電子
線などの放射線の照射により活性化して、架橋、硬化し
た有機薄膜からなる誘電体層を形成する。
【0024】前記構成により、本発明の有機薄膜コンデ
ンサの製造方法は、有機材料を液体のまま真空容器中に
設けた蒸発器に導き、前記蒸発器内で前記有機材料の沸
点以下の温度で蒸発するため、有機薄膜材料を分子状態
に近い極めて微細な粒子にして支持体上等に蒸着でき
る。さらに前記有機材料の微細な粒子は、支持体上等に
蒸着すると同時に電子線等の放射線の照射により活性化
しているため、支持体等上で極めて均一な薄膜状に広が
りやすい。従って平均表面粗さが極めて小さい、均一で
薄い有機薄膜からなる誘電体層を形成することができ
る。
【0025】また前記構成により、本発明の有機薄膜コ
ンデンサの製造方法は、金属薄膜すなわち電極を蒸着し
た後、マージンを形成するためにアルミニウム蒸着の前
に塗布するオイルすなわちパーフルオロアルキルエーテ
ルの残留するオイルを除去するため、前記残留オイルに
よってマージン上に形成する有機薄膜の厚さがマージン
上でない部分より薄くなることがない。従って、局部的
に薄い部分が無い、膜厚公差が極めて小さい、均一で薄
い有機薄膜からなる誘電体層を形成することができる。
【0026】以上の構成によって、本発明によるは、有
機薄膜からなる誘電体層が極めて均一な厚さで、かつ局
部的に薄い部分が無い。従って前記誘電体層の平均膜厚
通りのコンデンサ耐電圧が確保できるようになるもので
ある。
【0027】また、前記の構成によって、マージン部上
の残留オイルが除去されるので、有機薄膜の一定層毎に
交互に位置が切り替わるマージン上の有機薄膜のさらに
その上に形成される金属薄膜からなる蒸着電極の厚みが
が薄くなることが無い。従って金属薄膜からなる蒸着電
極の電気抵抗が高くなることが無く、コンデンサのイン
ピーダンスが増大することを抑える作用を有する。
【0028】また、前記の構成によって、コンデンサの
保護層にも金属薄膜を形成することで、保護層の熱収縮
が抑制され、従ってコンデンサの外部電極とコンデンサ
要素との機械的付着力の低下を防止できるという作用を
有する。
【0029】請求項2に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記(a)の工程を少なくとも1回以上繰
り返し、前記(b)の工程を複数回繰り返し、さらに前
記(a)の工程を、少なくとも1回以上繰り返して積層
体を形成することを特徴とする、請求項1記載の有機薄
膜コンデンサの製造方法である。前記構成により、本発
明の製造方法による有機薄膜コンデンサは、パーフルオ
ロアルキルエーテルからなる残留オイルが電極を蒸着し
た後除去されるので、マージン部が積層された部分の周
辺が、他の部分より盛り上がった形状になることがな
い。従って、コンデンサのプリント基板からの浮き上が
りが抑制され、はんだ付け性が阻害されることが無くな
る作用を有する。
【0030】請求項3に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記(c)の工程を、少なくとも1500
回以上繰り返して積層体を形成することを特徴とする請
求項1、2記載の有機薄膜コンデンサの製造方法であ
る。前記構成により、本発明の製造方法は、平均表面粗
さが極めて小さく、かつ局部的に薄い部分が無い、膜厚
公差が極めて小さい、均一で薄い有機薄膜からなる誘電
体層と、金属薄膜からなる蒸着電極を、各々1500層
以上の多層積層することができるので、従来の積層数を
大幅に越える各々1500層以上の多層積層した場合
に、特に顕著になってくるコンデンサ耐電圧の低下が減
少し、前記誘電体層の平均膜厚通りのコンデンサ耐電圧
が確保できる作用を有する。
【0031】請求項4に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記パーフルオロアルキルエーテル膜を除
去する工程を、少なくとも酸素を含むガスのグロー放電
による手段で行うことを特徴とする請求項1〜3記載の
有機薄膜コンデンサの製造方法である。前記構成により
本発明の製造方法は、前記残留オイルすなわちパーフル
オロアルキルエーテル膜を除去する工程を、少なくとも
酸素を含むガスのグロー放電による手段、あるいは赤外
線加熱による手段で行うことにより、非接触で均一に除
去されるため、前記誘電体層や前記金属薄膜からなる蒸
着電極にダメージを与えることが無く、コンデンサ耐電
圧の低下に対してさらに効果的である。
【0032】請求項5に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記導電性樹脂層を、フェノール樹脂中に
銅とニッケルと銀の粒子が100対30〜55対1.5
〜4の重量比率で、かつ少なくとも前記銅とニッケルと
銀の粒子の粒径が1〜50μmの範囲の分布をもつ粒子
が分散されてなる液状の樹脂を塗布、硬化して形成し、
かつ前記導電性樹脂層中の前記粒子の一部を連続して接
触させて前記導電性樹脂層の抵抗値が20mΩ以下と
し、かつ前記導電性樹脂層が前記コンデンサ要素の電極
引き出し端面近傍の上下両面にはみ出した形状に形成す
ることを特徴とする請求項1〜4記載の有機薄膜コンデ
ンサの製造方法である。前記構成により本発明の製造方
法は、導電性層の形成方法が容易なり、かつ導電性層の
抵抗値を低くすることができる。またコンデンサ要素の
上下面にはみ出した形状の外部電極形状となるため、コ
ンデンサのプリント基板からの浮き上がりが抑制され、
はんだ付け性が阻害されることが無くなり、外部電極と
プリント基板のランドが、確実にかつ低抵抗で接続され
る。従って、低インピーダンスのコンデンサを容易に製
造でき、かつ低抵抗で確実にプリント基板のランドと接
続できる作用を有する。
【0033】請求項6に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記錫を含む金属層が、重量比率で85〜
97%の錫を含む金属を、前記コンデンサ要素の導電性
樹脂層上に溶融めっきして形成することを特徴とする請
求項1〜5記載の有機薄膜コンデンサの製造方法であ
る。前記構成により本発明の製造方法は、前記錫を含む
金属層により、外部電極とプリント基板のランドが確実
にかつ低抵抗で接続される。また、溶融めっきにより容
易にコンデンサを製造できるようになる。従って、低イ
ンピーダンスのコンデンサを容易に製造でき、かつ低抵
抗で確実にプリント基板のランドと接続できる作用を有
する。
【0034】請求項7に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記電極引き出し端面側部分の誘電体の少
なくとも一部分を、少なくとも酸素を含むガスを励起し
たプラズマで化学的に選択的除去する請求項1〜6記載
の有機薄膜コンデンサの製造方法である。前記構成によ
り本発明の製造方法は、少なくとも酸素を含むガスを励
起したプラズマにより、高速で誘電体の一部分の除去が
でき、かつ誘電体だけ選択性良く除去され蒸着電極にダ
メージを与えることが少なくなる。また、上記選択的除
去で除去された誘電体の間隙に、酸素を含むガスを励起
したプラズマが侵入する量が拡散律速になるため、除去
された誘電体の厚さが電極引出し端面よりコンデンサ本
体中心寄りの方が厚くなる形状に形成することができ、
従って金属溶射層と蒸着電極層との接続が確実で強固に
なるという作用を有する。
【0035】請求項8に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記電極引き出し端面側部分を、酸素を含
むガスにCF4,SF6,およびN2Oのうち少なくとも
1種を添加したガスを励起したプラズマで化学的に選択
的除去する請求項1〜6記載の有機薄膜コンデンサの製
造方法である。前記構成により本発明の製造方法は、少
なくとも酸素を含むガスを励起したプラズマに含まれる
CF4,SF6,およびN2Oのうち少なくとも1種を添
加したガスにより、誘電体の一部分の除去が高速になる
という作用を有する。
【0036】請求項9に記載の本発明による有機薄膜コ
ンデンサは、前記電極引き出し端面側部分を、少なくと
も酸素を含むガスを励起したプラズマから引き出したラ
ジカルで化学的に選択的除去する請求項1〜6記載の有
機薄膜コンデンサの製造方法である。前記構成により本
発明の製造方法は、少なくとも酸素を含むガスを励起し
たプラズマ中から引き出した酸素ラジカルにより、高速
で誘電体の一部分の除去ができ、かつ誘電体だけ選択性
良く除去され蒸着電極にダメージを与えることが少なく
なる。また、上記選択的除去で除去された誘電体の間隙
に酸素を含むガスを励起したプラズマ中から引き出した
酸素ラジカルが侵入する量が拡散律速になるため、除去
された誘電体の厚さが電極引出し端面よりコンデンサ本
体中心寄りの方が厚くなる形状に形成することができ、
従って金属溶射層と蒸着電極層との接続が確実で強固に
なるという作用を有する。
【0037】請求項10に記載の本発明による有機薄膜
コンデンサは、前記電極引き出し端面側部分を、少なく
ともオゾンを含むガスで化学的に選択的除去する請求項
1〜6記載の有機薄膜コンデンサの製造方法である。前
記構成により本発明の製造方法は、オゾンにより高速で
誘電体の一部分の除去ができ、かつ誘電体だけ選択性良
く除去され蒸着電極にダメージを与えることが少なくな
る。また上記選択的除去で除去された誘電体の間隙にオ
ゾンが侵入する量が拡散律速になるため、除去された誘
電体の厚さが電極引出し端面よりコンデンサ本体中心寄
りの方が厚くなる形状に形成することができ、従って、
金属溶射層と蒸着電極層との接続が確実で強固になると
いう作用を有する。また、オゾンは酸素プラズマより安
価な設備で発生することができるので、コンデンサを安
価に製造できると言う作用を有する。
【0038】請求項11に記載の本発明による有機薄膜
コンデンサは、前記電極引き出し端面側部分を、少なく
ともオゾンを含むガスにN2Oを添加したガスで化学的
に選択的除去する請求項1〜5記載の有機薄膜コンデン
サの製造方法。前記構成により本発明の製造方法は、少
なくともオゾンにN2Oを添加したガスにより、誘電体
の一部分の除去がオゾンだけの場合より高速になるとい
う作用を有し、さらにコンデンサを安価に製造できると
いう作用を有する。
【0039】請求項12に記載の本発明による有機薄膜
コンデンサは、少なくとも2個以上のビニル基を有する
有機材料が、シクロペンタジエンを2量体化し、続いて
2個の炭素−炭素二重結合に一酸化炭素と水素を付加し
てホルミル化し、さらに水素を添加してジヒドロキシ化
合物とし、続いてアクリル酸を反応させてエステル化し
た後に、未反応成分を水洗除去し、その後水分を100
ppm以下まで乾燥して合成した複数の異性体が混在す
るモノマーであり、前記モノマーを真空度100Pa以
下で、沸点以下の温度で蒸発し、回転する冷却された支
持体の表面上、あるいは前記支持体上にすでに形成さ
れ、かつ金属薄膜の蒸着時に用いられる電子線の散乱電
子により放射線硬化しており、さらに前記放射線の照射
により活性化している前記有機材料上に、前記有機材料
を蒸着すると同時に、前記金属薄膜の蒸着時の散乱電子
により活性化し硬化した有機薄膜からなる誘電体層を形
成することを特徴とする請求項1〜11記載の有機薄膜
コンデンサの製造方法である。前記構成により、本発明
による有機薄膜コンデンサは、前記モノマーを用いるこ
とにより、均一で薄い有機薄膜の誘電体層を得ることが
できるようになる。また前記モノマーによる有機薄膜の
誘電体層は誘電正接が低い良好な特性のコンデンサをえ
ることができる。さらに水分を100ppm以下まで除
去するため、前記有機材料が蒸発時に加水分解すること
をを抑制することができ、さらにコンデンサ誘電体層と
蒸着電極の加水分解抑えることができ、従ってコンデン
サ特性の変化の少ない信頼性の高いコンデンサを得るこ
とができるという作用を有する。
【0040】請求項13に記載の本発明による有機薄膜
コンデンサは、前記放射線が電子線であることを特徴と
する請求項1〜12記載の有機薄膜コンデンサの製造方
法である。前記構成により本発明の製造方法は、放射線
硬化可能な有機材料を高速で硬化できるので、コンデン
サを高速で製造することができるという作用を有する。
【0041】請求項14に記載の本発明による有機薄膜
コンデンサは、前記誘電体層の厚みを0.4μm以下
に、前記アルミニウム蒸着電極層を100〜600オン
グストロームの範囲とすることを特徴とする請求項1〜
13記載の有機薄膜コンデンサの製造方法である。前記
構成により本発明の製造方法は、多層積層しても、従来
にない小型で大容量の有機薄膜コンデンサを得ることが
できるという作用を有する。
【0042】以上の構成により、本発明の有機薄膜コン
デンサの製造方法は、小形・大容量で低インピーダン
ス、かつはんだ付け性の良好な信頼性の高い有機薄膜コ
ンデンサが、低コストで歩留良く得られるものである。
【0043】本発明の請求項1に記載の有機薄膜コンデ
ンサの、実施の形態の例を以下に述べる。
【0044】本発明に用いる有機材料として、少なくと
も2個以上のビニル基を有し、放射線硬化可能で、常温
大気圧においては液体である有機材料を用いる。このよ
うな材料として、例えば官能基としてアクリロイル基を
末端にもつアクリル酸エステル(アクリル酸エステルは
「アクリレート」と呼ばれる。以下「アクリレート」と
称す。)、あるいは官能基としてメタクリロイル基を末
端にもつメタクリル酸エステル(メタクリル酸エステル
は「メタクリレート」と呼ばれる。以下「メタクリレー
ト」と称す。)、などのうち官能基を2個以上有する多
官能アクリレート類、多官能メタクリレート類が代表的
である。官能基数は一般的に2〜6程度であるが、一般
的に官能基数が多いほど粘度が高く、沸点が高く、蒸気
圧が低い傾向があり、粘度、沸点、蒸気圧を考慮して選
択することができる。またアクリレート類、メタクリレ
ート類はその分子構造中に、ポリエステル構造を有する
ポリエステルアクリレート類、あるいはエポキシ構造を
有するエポキシアクリレート類、ウレタン構造を有する
ウレタンアクリレート類、ポリエーテル構造を有するポ
リエーテルアクリレート類、メラミン構造を有するメラ
ミンアクリレート類、アルキド構造を有するアルキドア
クリレート類、シリコーン構造を有するシリコーンアク
リレート類、あるいはビスフェノールAをアクリル酸エ
ステル化したアクリレートなどがあり、これらを選択す
ることもできる。前記、ポリエステルアクリレート類、
エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポ
リエーテルアクリレート類、メラミンアクリレート類、
アルキドアクリレート類、シリコーンアクリレート類、
ビスフェノールAをアクリル酸エステル化したアクリレ
ート、などの粘度が高い場合は、低粘度のアクリレート
類、メタクリレート類、あるいは低粘度の単官能のモノ
アクリレート類、モノメタクリレート類と混合して用い
ることができる。
【0045】本発明に用いる有機材料として、アクリレ
ート類、メタクリレート類以外では、官能基としてビニ
ル基を2個有するジビニルエーテル類、あるいはプロペ
ニル基を2個有するジプロペニルエーテル類なども用い
ることができる。その他官能基として、アクリルアミド
基を有するもの、マレイン酸ジエステルを有するもの、
アリル基を有するもの、ビニルエーテル基を有するも
の、ビニルチオエーテル基を有するもの、ビニルアミノ
基を有するもの、グリシジル基を有するもの、アセチレ
ン性不飽和基を有するもの、なども本発明の有機材料と
して用いることができる。
【0046】なお前記有機材料の選択により、有機薄膜
からなる誘電体層の比誘電率を選択できる。
【0047】本発明の実施例として、例えば、少なくと
も2個以上のビニル基を有する有機材料が、シクロペン
タジエンを2量体化し、続いて2個の炭素−炭素二重結
合に一酸化炭素と水素を付加してホルミル化し、さらに
水素を添加してジヒドロキシ化合物とし、続いてアクリ
ル酸を反応させてエステル化した後に、未反応成分を水
洗除去し、その後水分を100ppm以下まで乾燥して
合成した複数の異性体が混在するモノマーを用いる。
【0048】
【化1】
【0049】に前記モノマーの一異性体の構造を示す。
【0050】有機材料を液体のまま真空容器中に導く工
程は、前記有機材料が液体であるので、例えば加圧空気
などの加圧気体による圧送や、ポンプによる搬送などが
適当であるが、有機材料の粘度に応じて適宜選択するこ
とができる。前記真空容器は、以下に述べる周回する支
持体、有機材料の蒸発器、蒸着電極とする金属を蒸発す
るための蒸発器、オイルマージンを形成するための装
置、放射線を照射するための装置などの他、必要な装置
を容器内に配置した真空容器であって、かつ前記蒸着電
極とする金属の蒸着のために必要な真空度を達成するの
に適した排気装置、例えば油回転真空ポンプ、油拡散真
空ポンプ、メカニカルブースターポンプなどの他、通常
の真空装置に使われる真空排気装置が、単独もしくは組
み合わせて用いられ、かつ前記真空排気装置に必要な付
加器が備えられている。
【0051】本発明の製造方法は、図1に示すように、
有機材料を液体のまま真空容器1中に搬送し、有機材料
の蒸着器5に導入する。前記蒸発器5中で前記有機材料
を前記有機材料の沸点以下の温度で加熱して蒸発する。
このときの加熱温度が前記有機材料の沸点以下の適切な
温度範囲で調節できるように前記有機材料の蒸発器には
温度調節器が付属している(図示せず。)。
【0052】前記蒸発器5中で蒸発した前記有機材料の
蒸気9は、回転する冷却された支持体2の表面上、ある
いは前記支持体上2にすでに形成され硬化、活性化して
いる有機材料上に蒸着し、極めて均一な厚さの有機薄膜
を形成する。
【0053】前記回転する冷却された支持体2は、一般
的には円筒形で、かつ円筒の対称軸を中心に一定速度で
回転するようモーター等で駆動され、かつ円筒内で冷媒
を循環させて一定温度に保つ構造で、例えばクーリング
キャンのようなものがあげられる。本発明の製造方法の
工程は、主に前記回転する円筒支持体の曲側面上に有機
材料および金属等を蒸着して形成し、積層して有機薄膜
コンデンサ形成することによって行われる。
【0054】前記有機材料は、冷却された支持体2の表
面上もしくはすでに以前に前記支持体2上に形成され放
射線硬化した前記有機薄膜上に蒸着されると同時に、放
射線の照射により活性化して、架橋、硬化する。前記放
射線は、例えば電子線、あるいは紫外線等を用いる。前
記電子線は金属薄膜の蒸着に用いられる電子線源11か
ら放射される散乱電子7を用いることができるが、別途
専用の放射線源を設置しても良い。
【0055】続いて、前記支持体2が回転して、前記有
機薄膜上に、前記支持体の移動方向に沿って平行に並
び、前記支持体の任意の周回毎に幅方向の位置が切り替
わる、複数条の細帯状のパーフルオロアルキルエーテル
膜を形成する。前記パーフルオロアルキルエーテルとし
ては、例えばイタリア国アウジモント社製、商品名「フ
ォンブリン」などがある。前記パーフルオロアルキルエ
ーテルは、例えば加熱され、加熱器の細い穴から蒸気と
して蒸着する方法のオイル付与器4などで前記有機薄膜
上に形成する方法が適当である。前記パーフルオロアル
キルエーテル膜は金属薄膜の非金属化部の位置および形
状に相当する位置および形状に形成され、前記支持体2
の任意の周回毎に幅方向の位置が切り替わることで、前
記金属薄膜からなる蒸着電極が前記有機薄膜からなる誘
電体層を挟んで対向するように形成される。これによっ
て前記誘電体層とこれを介して対向する前記蒸着電極層
により構成される静電容量に寄与する部分を形成する。
【0056】続いて、前記支持体2が回転して、前記複
数条の細帯状のパーフルオロアルキルエーテル膜を形成
した前記有機薄膜上に、蒸着電極とする金属薄膜を電子
線蒸着により形成し、複数条の細帯状の非金属化部を有
する金属薄膜とする。前記非金属化部が絶縁性良く形成
できるように、前記金属薄膜の膜厚に応じて、例えば前
記金属薄膜の膜厚が薄い場合は前記パーフルオロアルキ
ルエーテル膜の膜厚を薄くする必要がある。
【0057】続いて前記複数条の細帯状の非金属化部上
に残留するパーフルオロアルキルエーテル膜を、少なく
とも酸素を含むガスのグロー放電10により除去する。
【0058】続いて前記支持体2が回転して、前述の有
機薄膜からなる誘電体層を形成する工程以降を繰り返し
て、円筒支持体の曲側面上に有機材料および金属等を蒸
着して形成し、積層して有機薄膜コンデンサとする積層
体3aを形成する。
【0059】なお必要に応じて、前記積層体3aを形成
する工程の前半の一部および後半の一部で、前記金属薄
膜を形成しないで、前記積層体の静電容量に寄与する部
分の上下に保護層を形成することができる。
【0060】前記積層体3aを形成する工程が終了した
後、真空容器1中の前記支持体2から前記積層体3aを
分離し、取り出す。
【0061】続いて図3に示すように、前記積層体3a
を、例えばプレス、あるいは加熱プレスなどにより、概
ね平板状に加工する。
【0062】続いて概ね平板状に加工された前記積層体
3bを、各コンデンサ要素の外部電極取出し位置に相当
する位置で分割し、各コンデンサ要素の条20とする。
分割は例えばカミソリ刃、フライス刃、あるいは回転砥
石刃などによる方法が適当である。
【0063】前記分割工程により形成されたコンデンサ
要素の条20を、図4に示す金属枠21にスペーサ22
を条20の間に挟みながら組み入れ、前記枠21ごと図
5に示す減圧容器23の中に入れ、前記減圧容器23中
に酸素を一定分圧に保持するよう注入、排気し、かつ高
周波電力25でグロー放電させることで酸素プラズマを
発生させ、前記酸素プラズマを前記条のコンデンサ要素
の両側の外部電極取出し端面に接触させて、前記誘電体
の電極引き出し端面側部分の少なくとも一部分を化学的
に選択的除去して、各々の前記誘電体層の電極引き出し
端面先端近傍を前記静電容量に寄与する部分より概ね薄
くする。なお例えばSF6を酸素に対して5%程度添加
すれば、前記選択的除去が高速で、かつ安定した放電状
態で行える効果がある。
【0064】続いて前記条20を前記枠21ごと減圧容
器23中から取り出し、前記条20のコンデンサ要素の
両側の電極引き出し端面に、例えば黄銅、すずなどの金
属溶射層16a,16bを施して各々の前記蒸着電極層
を接続する。
【0065】続いて前記条の前記金属溶射層16a,1
6b上に、フェノール樹脂中に銅とニッケルと銀の粒子
が100対30〜55対1.5〜4の重量比率で、かつ
少なくとも前記銅とニッケルと銀の粒子の粒径が1〜5
0μmの範囲の分布をもつ粒子が分散されてなる液状の
樹脂を塗布、硬化して導電性樹脂層17a,17bを形
成し、かつ前記導電性樹脂層17a,17b中の前記粒
子の一部を連続して接触させて前記導電性樹脂層17
a,17bの抵抗値が20mΩ以下とし、かつ前記導電
性樹脂層17a,17bが前記コンデンサ要素の電極引
き出し端面近傍の上下両面にはみ出した形状に形成す
る。前記はみ出した形状を図2にAで示す。
【0066】続いて前記導電性樹脂層17a,17bを
形成した条20を溶融はんだめっきして、前記導電性樹
脂層の表面をはんだ18a,18bで被覆する。
【0067】続いて溶融はんだめっきした条20を切断
して、個別のコンデンサとする。切断は例えばフライス
刃、あるいは回転砥石刃などによる方法が適当である。
【0068】続いて前記コンデンサに、前記外部電極の
はんだ付け実装性を阻害しない極めて薄い外装膜を、前
記個別のコンデンサの外部電極を含む全ての表面に施
す。前記外装膜は例えば前記コンデンサをトリメチルメ
トキシシラン等の低粘度のシランカップリング剤に浸漬
して硬化した膜などがはんだ付け実装性を阻害せず、か
つコンデンサの耐湿信頼性を向上させ、適当である。
【0069】以上のようにして本発明の一実施例を示し
たが、本発明の材料は前記実施例に限るものではなく、
本発明の請求の範囲の範疇であれば本発明の目的に適う
ものである。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、本発明の
有機薄膜コンデンサの製造方法は、小形・大容量で低イ
ンピーダンス、かつはんだ付け性の良好な信頼性の高い
有機薄膜コンデンサが、低コストで歩留良く得られるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による積層体の製造装置
を示す図
【図2】本発明の一実施の形態による有機薄膜コンデン
サの断面図
【図3】本発明の一実施の形態による積層体をプレスす
る工程を示す図
【図4】本発明の一実施の形態による条を金属枠に組み
入れる工程を示す図
【図5】本発明の一実施の形態による外部電極取出し端
面の誘電体を化学的に選択的除去する工程を示す図
【図6】特公昭44−25014号公報に記載された従
来の有機薄膜コンデンサの断面図
【図7】特公昭46−1945号公報に記載された従来
の有機薄膜コンデンサの断面図
【図8】従来の有機薄膜コンデンサの製造工程の一例を
示す図
【図9】従来のコンデンサの外観図と、そのマージン部
の拡大断面図
【符号の説明】
1 真空容器 2 回転する支持体 3a,3b 積層体 4 オイル付与器 5 有機材料蒸発器 6 金属蒸発源 7 散乱電子 8 金属蒸気 9 有機材料蒸気 10 酸素グロー 11 電子線 12 有機材料薄膜 13 蒸着電極 14a,14b マージン 15a,15b 誘電体層 16a,16b 金属溶射層 17a,17b 導電性樹脂層 18a,18b はんだめっき層 19a,19b プレス板 20 コンデンサ条 21 金属枠 22 スペーサー 23 減圧容器 24a,24b 高周波放電電極 25 高周波電源 26 基板 27a,27b 金属蒸着電極膜 28a,28b 外部電極 29a,29b マージン 30a,30b 有機重合膜 31 ベースフィルム 32a,32b,33a,33b 金属薄膜 34a,34b,34c,34d マージン 35a,35b 誘電体薄膜 36 紫外線源 37 超音波噴霧器 38 積層体 39 支持体 40 オイル付与器 41 真空容器 42 金属蒸気 43 金属蒸発源 44a,44b 金属薄膜 45 残留オイル 46a,46b 有機薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠中 茂樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 今中 崇 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩岡 和男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AB03 BC14 BC39 BC40 EE05 EE23 EE37 FG03 FG34 FG42 GG10 GG26 GG27 GG28 JJ03 JJ12 JJ15 JJ22 JJ23 JJ26 LL01 LL02 LL03 MM22 MM23 MM24 PP02 PP03 PP06 PP07 PP08 PP09

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個以上のビニル基を有し、
    放射線硬化可能で、常温大気圧においては液体である有
    機材料を、液体のまま真空容器中に設けた蒸発器に導く
    工程と、(a)前記真空容器中で、前記材料を前記蒸発
    器で前記材料の沸点以下の温度で加熱して蒸発し、回転
    する冷却された支持体の表面上、あるいは、前記支持体
    上にすでに形成され、かつ金属薄膜の蒸着時に用いられ
    る電子線の散乱電子により放射線硬化しており、さらに
    前記放射線の照射により活性化している前記有機材料上
    に、前記有機材料を蒸着すると同時に、前記有機材料の
    蒸気が前記金属薄膜の蒸着時の散乱電子により活性化し
    硬化した有機薄膜からなる誘電体層を形成する工程と、
    (b)前記真空容器中で、前記支持体上に形成された前
    記誘電体層の上に、前記支持体の回転方向に沿って平行
    に並ぶ、複数条の細幅のパーフルオロアルキルエーテル
    からなるオイル薄膜を、前記支持体の任意の周回毎に、
    前記オイル薄膜の幅方向の位置を切り替えて形成する工
    程と、前記オイル薄膜形成工程の後に、アルミニウムを
    蒸着して、前記オイル薄膜が形成されない位置と幅に相
    当する複数条の非金属化部を有する金属薄膜からなる蒸
    着電極層を形成する工程と、前記蒸着電極層形成工程の
    後に、前記パーフルオロアルキルエーテルからなるオイ
    ル薄膜を除去する工程とを含む工程と、(c)前記支持
    体の一周回中に前記(a)、(b)の工程を各々少なく
    とも1回以上行う工程と、(d)前記支持体の一周回中
    に前記(a)の工程を少なくとも1回以上行う工程、前
    記支持体を複数回周回して、前記(c)の工程および前
    記(d)の工程を各々任意に複数回繰り返して、前記誘
    電体層と、複数条の非金属化部を有する前記蒸着電極層
    とが複数層交互に積層され、かつ複数条の前記非金属化
    部の位置が切り替わることにより、前記誘電体層とこれ
    を介して対向する前記蒸着電極層により構成される静電
    容量に寄与する部分を有する積層体を形成する工程と、
    前記支持体上から前記積層体を分離する工程と、前記積
    層体を、概ね平板状に加工する工程と、前記積層体を、
    前記静電容量に寄与する部分から前記蒸着電極層によっ
    て引き出されている外部電極取出し位置で各コンデンサ
    要素に分割する工程と、前記分割工程により形成された
    コンデンサ要素の両側の外部電極取出し端面に、少なく
    とも前記誘電体材料と反応性を有する成分を含むガスも
    しくはプラズマを接触させて、前記電極引き出し端面側
    部分の誘電体の少なくとも一部分を化学的に選択的除去
    して、各々の前記誘電体層の静電容量に寄与しない電極
    引き出し端面先端近傍を、前記誘電体層の静電容量に寄
    与する部分より概ね薄くし、かつ前記電極引き出し端面
    先端近傍の前記蒸着電極層が、積層時に前記誘電体と接
    触していた、少なくとも片面の表面を前記誘電体層が薄
    くされた幅より狭い幅で露出させる工程と、(e)前記
    コンデンサ要素の両側の露出した電極引き出し端面に、
    各々金属溶射を施して各々の露出している前記蒸着電極
    層を接続する工程と、(f)両側の前記金属溶射層の上
    に各々導電性樹脂層を形成して前記金属溶射層と各々接
    続する工程と、(g)両側の前記導電性樹脂層の上に少
    なくともすずを含む金属層を形成して前記導電性樹脂層
    と接続する工程と、前記(e)〜(g)の工程により形
    成される両側の外部電極を有する前記コンデンサ要素を
    切断して、個別のコンデンサとする工程と、前記コンデ
    ンサに、前記外部電極のはんだ付け実装性を阻害しない
    極めて薄い外装膜を、前記個別のコンデンサの外部電極
    を含む全ての表面に施す工程とからなることを特徴とす
    る有機薄膜コンデンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記(a)の工程を少なくとも1回以上
    繰り返し、前記(b)の工程を複数回繰り返し、さらに
    前記(a)の工程を少なくとも1回以上繰り返して積層
    体を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機薄
    膜コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(c)の工程を少なくとも1500
    回以上繰り返して積層体を形成することを特徴とする請
    求項1、2記載の有機薄膜コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記パーフルオロアルキルエーテル膜を
    除去する工程を、少なくとも酸素を含むガスのグロー放
    電による手段で行うことを特徴とする請求項1〜3記載
    の有機薄膜コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記導電性樹脂層を、フェノール樹脂中
    に銅とニッケルと銀の粒子が100対30〜55対1.
    5〜4の重量比率で、かつ少なくとも前記銅とニッケル
    と銀の粒子の粒径が1〜50μmの範囲の分布をもつ粒
    子が分散されてなる液状の樹脂を塗布、硬化して形成
    し、かつ前記導電性樹脂層中の前記粒子の一部を連続し
    て接触させて前記導電性樹脂層の抵抗値が20mΩ以下
    とし、かつ前記導電性樹脂層が前記コンデンサ要素の電
    極引き出し端面近傍の上下両面にはみ出した形状に形成
    することを特徴とする請求項1〜4記載の有機薄膜コン
    デンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記錫を含む金属層が、重量比率で85
    〜97%の錫を含む金属を、前記コンデンサ要素の導電
    性樹脂層上に溶融めっきして形成することを特徴とする
    請求項1〜5記載の有機薄膜コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電極引き出し端面側部分の誘電体の
    少なくとも一部分を、少なくとも酸素を含むガスを励起
    したプラズマで、化学的に選択的除去する請求項1〜6
    記載の有機薄膜コンデンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電極引き出し端面側部分を、酸素を
    含むガスにCF4,SF6,およびN2Oのうち少なくと
    も1種を添加したガスを励起したプラズマで化学的に選
    択的除去する請求項1〜6記載の有機薄膜コンデンサの
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電極引き出し端面側部分を、少なく
    とも酸素を含むガスを励起したプラズマから引き出した
    ラジカルで化学的に選択的除去する請求項1〜6記載の
    有機薄膜コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電極引き出し端面側部分を、少な
    くともオゾンを含むガスで、化学的に選択的除去する請
    求項1〜6記載の有機薄膜コンデンサの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記電極引き出し端面側部分を、少な
    くともオゾンを含むガスにN2Oを添加したガスで、化
    学的に選択的除去する請求項1〜5記載の有機薄膜コン
    デンサの製造方法。
  12. 【請求項12】 少なくとも2個以上のビニル基を有す
    る有機材料が、シクロペンタジエンを2量体化し、続い
    て2個の炭素−炭素二重結合に一酸化炭素と水素を付加
    してホルミル化し、さらに水素を添加してジヒドロキシ
    化合物とし、続いてアクリル酸を反応させてエステル化
    した後に、未反応成分を水洗除去し、その後水分を10
    0ppm以下まで乾燥して合成した複数の異性体が混在
    するモノマーであり、前記モノマーを真空度100Pa
    以下で、沸点以下の温度で蒸発し、回転する冷却された
    支持体の表面上、あるいは前記支持体上にすでに形成さ
    れ、かつ金属薄膜の蒸着時に用いられる電子線の散乱電
    子により放射線硬化しており、さらに前記放射線の照射
    により活性化している前記有機材料上に、前記有機材料
    を蒸着すると同時に、前記金属薄膜の蒸着時の散乱電子
    により活性化し硬化した有機薄膜からなる誘電体層を形
    成することを特徴とする請求項1〜11記載の有機薄膜
    コンデンサの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記放射線が電子線であることを特徴
    とする請求項1〜12記載の有機薄膜コンデンサの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 前記誘電体層の厚みを0.4μm以下
    に、前記アルミニウム蒸着電極層を100〜600オン
    グストロームの範囲とすることを特徴とする請求項1〜
    13記載の有機薄膜コンデンサの製造方法。
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