JP3852540B2 - ホスホニウムボレート化合物、その製造方法、エポキシ樹脂組成物用硬化触媒及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

ホスホニウムボレート化合物、その製造方法、エポキシ樹脂組成物用硬化触媒及びエポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂組成物などの硬化触媒として有用なホスホニウムボレート化合物及びその製造方法並びに硬化触媒及びエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、半導体産業の中で樹脂封止型のダイオード、トランジスタ、IC、LSI、超LSIが主流となっており、なかでもエポキシ樹脂、硬化剤及びこれに各種添加剤を配合したエポキシ樹脂組成物は、一般に他の熱硬化性樹脂に比べ成形性、接着性、電気特性、機械的特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ樹脂組成物で半導体装置を封止することが多く行われている。しかし、最近においてはこれらの半導体装置は集積度が益々大きくなり、それに応じてチップ寸法も大きくなりつつある。一方、これに対してパッケージ外形寸法は電子機器の小型化、軽量化の要求に伴い、小型化、薄型化が進んでいる。更に、半導体部品を回路基板へ取り付ける方法も、基板上部品が高密度化になり、半導体部品の表面実装がよく行われるようになってきた。
【0003】
しかしながら、半導体装置を表面実装する場合、半導体装置全体を半田槽に浸漬するか又は半田が溶融する高温ゾーンを通過させる方法が一般的であるが、その際の熱衝撃により封止樹脂層にクラックが発生したり、リードフレームやチップと封止樹脂との界面に剥離が生じたりする。このようなクラックや剥離は、表面実装時の熱衝撃以前に半導体装置の封止樹脂層が吸湿していると更に顕著なものものとなるが、実際の作業工程においては、封止樹脂層の吸湿は避けられず、このため実装後のエポキシ樹脂で封止した半導体装置の信頼性が大きく損なわれる場合がある。そのため、このようなポップコーン対策としてこれまでフィラー高充填による低吸湿化が行われてきた。また、薄型パッケージの成形性向上を図るためエポキシ樹脂組成物の低粘度化が行われ、更に、生産性を向上させるため、成形サイクル向上のため速硬化性触媒が検討されてきた。
【0004】
更に、従来の硬化触媒、例えばイミダゾール誘導体、三級アミン化合物、三級ホスフィン化合物やこれらの誘導体を用いた場合には、保存安定性が悪く、また混練時に粘度が高くなり、成形時の流動性が悪いという問題点があった。
【0005】
一方、特公昭56−45491号公報には、ノボラック型フェノール樹脂とテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(以下、TPP−Kと略す)とをノボラック型フェノール樹脂の軟化点以上の温度で加熱処理し、樹脂系がわずかに黄色を帯びた褐色ないし茶褐色の呈色状態になるまで加熱処理することにより得られた化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いることにより、保存安定性が良好で、耐湿性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物が得られることが記載されている。
【0006】
しかしながら、この硬化触媒は活性が低く、速硬化性に劣るため多量に使用しなければならず、かえってエポキシ樹脂組成物の保存安定性を損なう結果となっていた。
【0007】
また、上記TPP−Kも硬化触媒として有用であり、ある一定温度から反応が進行するという潜在性に優れてはいるものの、速硬化性に劣るという問題があった。また、特開平9−328535号公報には、TPP−Kのボロン原子だけを置換した化合物を触媒として使用する熱硬化性樹脂組成物が記載されている。しかし、このTPP−Kのボロン原子だけが置換された化合物の触媒活性は、近年の速硬化要求に対して、十分対応できるものではなく、より一層高活性のリン系触媒が望まれている。更に従来より汎用されているトリフェニルホスフィンは、速硬化性には優れているものの、保存安定性が劣るという問題があった。
【0008】
このように従来の硬化触媒は、保存安定性、流動性が良好で、かつ速硬化性、潜在性、耐湿性等の特性に優れたエポキシ樹脂組成物を与えることが困難であった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、エポキシ樹脂組成物などに配合した場合に流動性、速硬化性、潜在性に優れ、かつ耐湿性等に優れた硬化物を与えることができるホスホニウムボレート化合物及びその製造方法並びに硬化触媒及びエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤とを含有するエポキシ樹脂組成物において、前記したような課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(2)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(3)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることにより、下記一般式(1)の塩が得られること、また、下記式(14)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(16)〜(23)から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることにより、下記一般式(4)の塩が得られること、そして、この一般式(1)又は(4)のホスホニウムボレート塩は、エポキシ樹脂と硬化剤であるフェノール樹脂との硬化触媒として優れた効果を示し、従来の触媒であるトリフェニルホスフィンと比較して、ある一定温度から反応が進行するという潜在性に優れ、一方上記TPP−Kよりも高活性で反応性に優れるという長所を備え、しかも樹脂に対する相溶性に優れ、かかる一般式(1)又は(4)で示されるホスホニウムボレート塩を硬化触媒として配合したエポキシ樹脂組成物は、潜在性、保存安定性、流動性が良好であり、かつ速硬化性に優れると共に、耐湿性に優れた硬化物を与えることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0011】
即ち、本発明は、
[I−1]下記一般式(1)で示されるホスホニウムボレート化合物
【化7】
Figure 0003852540
(但し、式中R1、R2、R3及びR4は、芳香環もしくは複素環を有する一価の有機基又は一価の脂肪族基であって、リン原子に結合したR1〜R4の少なくとも一つ及びホウ素原子に結合したR1〜R4の少なくとも一つは、1分子内に1個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物、及び1分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する脂肪族カルボン酸の群から選ばれるプロトン供与体のプロトンを放出した有機基であって、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)、
[I−2]下記一般式(4)で示されるホスホニウムボレート化合物
【化7−1】
Figure 0003852540
[但し、式中n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、R7は下記式(6)〜(13)から選ばれる基である。
【化7−2】
Figure 0003852540
【化7−3】
Figure 0003852540
(R8はハロゲン原子、アルコキシ基又は置換の一価炭化水素基を示し、R9は水素原子、メチル基又はCF3基を示し、R10は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R16は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R17は水素原子又はヒドロキシ基を示し、pは10〜40の整数、qは1〜3の整数である。)]、
[II−1]下記一般式(2)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(3)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることを特徴とする上記[I−1]記載の一般式(1)で示されるホスホニウムボレート化合物の製造方法
[(R54P]+[(R54B]- (2)
HO−(R6) (3)
(但し、上記式中、R5は芳香環を有する一価の有機基、R6は芳香環もしくは複素環を有する一価の有機基又は一価の脂肪族基であって、式(3)で示される化合物は、1分子内に1個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物、及び1分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する脂肪族カルボン酸の群から選ばれるプロトン供与体である。)、
[II−2]下記式(14)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(16)〜(23)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることを特徴とする上記[I−2]記載の一般式(4)で示されるホスホニウムボレート化合物の製造方法
【化7−4】
Figure 0003852540
【化7−5】
Figure 0003852540
(但し、上記式中R8、R9、R10、R16、R17、p、qは上記と同様の意味を示す。)、
[III]上記ホスホニウムボレート化合物からなるエポキシ樹脂組成物用硬化触媒、
[IV]上記硬化触媒を含有するエポキシ樹脂組成物
を提供する。
【0012】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の新規ホスホニウムボレート化合物は、下記一般式(1)で示されるものである。
【0013】
【化8】
Figure 0003852540
【0014】
ここで、R1、R2、R3及びR4は、芳香環もしくは複素環を有する一価の有機基又は一価の脂肪族基であって、リン原子に結合したR1〜R4の少なくとも一つ及びホウ素原子に結合したR1〜R4の少なくとも一つは、1分子内に1個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内に1個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物、1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物、及び1分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する脂肪族カルボン酸の群から選ばれるプロトン供与体のプロトンを放出した有機基である。なお、R1、R2、R3、R4は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0015】
この場合、上記プロトン供与体のプロトンを放出した有機基としては、特に下記式(5)〜(13)で示される基を例示することができる。
【0016】
【化9】
Figure 0003852540
【0017】
【化10】
Figure 0003852540
(R8はハロゲン原子、アルコキシ基又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R9は水素原子、メチル基又はCF3基を示し、R10は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R16は水素原子、メチル基又はエチル基であり、好ましくは水素原子を示し、R17は水素原子又はヒドロキシ基を示し、pは10〜40の整数、特に11〜31の整数、qは1〜3の整数、好ましくは1又は2の整数である。)
【0018】
なお、R8のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の炭素数1〜4程度のものが挙げられる。また、R8、R10の非置換又は置換の一価炭化水素基としては、炭素数1〜10、特に炭素数1〜8のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などの置換一価炭化水素基が挙げられるが、これらのうちでは、特に脂肪族不飽和結合を除く一価炭化水素基が好ましい。
上記式(6)の基の例としては下記の基を挙げることができる。
【0019】
【化11】
Figure 0003852540
また、上記式(13)の例としては、下記のものを挙げることができる。
【0020】
【化12】
Figure 0003852540
【0021】
上記R1、R2、R3、R4において、上記プロトン供与体のプロトンを放出した有機基以外の基としては、置換又は非置換の芳香族炭化水素基、具体的には、フェニル基や、フェニル基の1〜5個、特に1〜2個の水素原子を、炭素数1〜4、特に1〜2のアルキル基、炭素数1〜4、特に1〜2のアルコキシ基、或いはハロゲン原子によって置換した基などを挙げることができる。
【0022】
上記式(1)のホスホニウムボレート化合物としては、特に下記一般式(4)で示されるものを例示することができる。
【0023】
【化13】
Figure 0003852540
(但し、式中n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、R7は上記式(5)〜(13)から選ばれる基である。)
【0024】
上記式(1)の化合物は、下記一般式(2)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(3)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることにより得ることができる。
[(R54P]+[(R54B]- (2)
HO−(R6) (3)
【0025】
ここで、R5は芳香環を有する一価の有機基、R6は芳香環もしくは複素環を有する一価の有機基又は一価の脂肪族基であって、式(3)で示される化合物は、1分子内に1個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内に1個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール化合物、1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物、及び1分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する脂肪族カルボン酸の群から選ばれるプロトン供与体である。
【0026】
この場合、R5としては、非置換又は置換の芳香族炭化水素基、具体的には、フェニル基や、フェニル基の1〜5個、特に1〜2個の水素原子を、炭素数1〜4、特に1〜2のアルキル基、炭素数1〜4、特に1〜2のアルコキシ基、或いはハロゲン原子によって置換した基などを挙げることができる。
【0027】
一方、R6或いは式(3)の化合物としては、下記式(15)〜(23)の化合物を例示することができる。
【0028】
【化14】
Figure 0003852540
【0029】
【化15】
Figure 0003852540
(但し、上記式中R8、R9、R10、R16、R17、p、qは上記と同様の意味を示す。)
【0030】
この場合、上記式(4)のホスホニウムボレート化合物は、下記式(14)で示されるホスホニウムボレート化合物と上記式(15)〜(23)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることにより得ることができる。
【0031】
【化16】
Figure 0003852540
【0032】
これらのプロトン供与体化合物による置換反応は、リン原子及びボロン原子共に置換反応されるものであり、置換反応速度は、通常、ボロン原子の置換反応がリン原子の置換反応より速く進行する。しかし、この置換反応は、リン原子及びボロン原子に最初から存在する置換基とプロトン供与体化合物に存在する置換基の種類によって影響を受けるため、必ずしもボロン原子が優先的に置換反応されるものではない。
【0033】
置換されたホスホニウムボレート化合物のエポキシ樹脂組成物での触媒活性は、置換された割合により触媒活性が変化し、置換された割合が大きい程、高活性、高潜在性の触媒となり、逆に置換基が少ないと比較的低活性、低潜在性の触媒となる。置換反応の割合が多くなるにつれて、反応したホスホニウムボレート化合物の融点は低下する傾向にあり、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤への溶解性が良好になる。そして、これら多数置換されたホスホニウムボレート化合物は、エポキシ樹脂組成物中への溶解性が良好になり、優れた触媒活性が得られる。
【0034】
ここで、本発明の製造方法において、反応溶剤としては、反応温度を120〜250℃に制御する必要性から高沸点溶剤であるジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等が使用され、或いは、無溶剤系で行われる。
【0035】
反応温度は120〜250℃であり、好ましくは180〜220℃である。120℃未満では十分な反応が進行せず、250℃を超えると反応生成物が分解し易くなる問題点がある。また、反応系中に酸素が存在すると、ホスホニウムボレート化合物の酸化分解反応が起こり得るので、反応系から酸素は十分に除去することが望ましく、反応は窒素等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。置換反応の反応時間は、通常30分〜8時間であり、溶媒を使用した場合、溶媒を除去した後、クロロホルム、アセトン等の溶媒で抽出、乾燥することにより、目的とする置換されたホスホニウムボレート化合物を得ることができる。なお、生成物の置換体数が異なる混合物として得られた場合、これらの単離は、例えばカラムによる分割も可能であるが、置換体数が異なる混合物としても使用可能である。
【0036】
本発明のホスホニウムボレート化合物は、エポキシ樹脂組成物等の硬化触媒として使用することができる。このホスホニウムボレート化合物をエポキシ樹脂組成物の硬化触媒として使用する場合、反応生成物を微粉にして使用する方法、或いは、フェノール樹脂に分散させて使用する方法がある。硬化触媒量としては、樹脂成分の合計量(即ち、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤との合計量)100部に対して0.1〜15部、好ましくは0.3〜7部である。0.1部未満では短時間で硬化させることができず、15部を超えると、硬化速度が速すぎて良好な成形品が得られないばかりか、保存安定性も低下する。更に硬化物の抽出水塩素が多くなり、電気特性が低下する。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記ホスホニウムボレート化合物を硬化触媒として含有するが、これに加え、エポキシ樹脂及び硬化剤を必須成分として含有する。
【0038】
このエポキシ樹脂組成物について更に詳しく説明すると、本発明を構成するエポキシ樹脂としては、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン含有エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂等の多官能型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、これらエポキシ樹脂を適宜組み合わせてもよい。なかでも、無機質充填剤を高充填するためビフェニル型エポキシ樹脂やナフタレン環含有エポキシ樹脂が望ましい。これらエポキシ樹脂は軟化点が50〜100℃でエポキシ当量が100〜400を有するものが望ましい。更に、難燃化のためブロム化エポキシ樹脂を使用することができる。
【0039】
硬化剤としてはフェノール樹脂が好適である。フェノール樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、トリフェノールメタン樹脂、トリフェノールプロパン樹脂等のトリフェノールアルカン型樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、シクロペンタジエン含有フェノール樹脂、テルペン環含有フェノール樹脂などのフェノール性水酸基を2個以上有するものが挙げられる。前記フェノール樹脂の中でも軟化点が60〜120℃を有するものが好ましい。フェノール性水酸基当量としては90〜150のものが望ましい。このフェノール樹脂の使用量はエポキシ樹脂中のエポキシ基に対するフェノール樹脂中のフェノール性水酸基の当量比(モル/モル)が0.5〜2.0の範囲であれば如何なる量でもよいが、通常エポキシ樹脂100重量部(重量部、以下同じ)に対して30〜100部、好ましくは40〜70部である。30部未満では、十分な強度が得られず、一方、100部を超えると未反応のフェノール樹脂が残って耐湿性を低下させる。
【0040】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機質充填剤を配合することが好ましい。無機質充填剤は封止材の膨張係数を小さくし、半導体素子に加わる応力を低下させるためのものである。具体例としては、破砕状、球状の形状をもった溶融シリカ、結晶性シリカが主に用いられる。この他にアルミナ、チッ化ケイ素、チッ化アルミなども使用可能である。無機質充填剤の平均粒径としては5〜40ミクロンのものが好ましい。特に好ましくは10〜30ミクロンのものである。なお、この平均粒径は、例えばレーザー光回折法による重量平均値(又はメジアン径)として求めることができる。この種の無機質充填剤は、予めシランカップリング剤で表面処理して使用することが望ましい。無機質充填剤の充填量は、樹脂成分の合計量(即ち、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤との合計量)100部に対して200〜1000部、特に250〜900部が好ましく、200部に満たないと膨張係数が大きくなって半導体素子に加わる応力が増大し、素子特性の劣化を招く場合があり、1000部を超えると成形時の粘度が高くなって成形性が悪くなる場合がある。
【0041】
更に、本発明では、上述した必須成分に加え、低応力化のためにシリコーン系の可撓性付与剤を添加することが好ましい。可撓性付与剤としては、例えばシリコーンゴムパウダー、シリコーンゲル、有機樹脂とシリコーンポリマーとのブロックポリマーなどが挙げられる。なお、このような可撓性付与剤を添加する代わりに二液タイプのシリコーンゴムやシリコーンゲルで無機質充填剤表面を処理してもよい。
【0042】
上記可撓性付与剤の使用量は、組成物全体の10重量%以下(即ち、0〜10重量%)、好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜5重量%とすることが好ましく、使用量が0.5重量%未満では可撓性付与剤の配合による十分な耐衝撃性を与えない場合があり、10重量%を超えると機械的強度が不十分になる場合がある。
【0043】
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述したように本発明の新規ホスホニウムボレート化合物を硬化触媒として配合するが、必要に応じイミダゾールもしくはその誘導体、トリフェニルホスフィン、トリスp−メトキシフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのホスフィン誘導体、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7などのシクロアミジン誘導体等の触媒との併用も可能である。
【0044】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてその他の任意成分を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。このような任意成分としては、例えばカルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス類などの離型剤、MBS樹脂等の熱可塑性樹脂、シランカップリング剤、酸化アンチモン、リン化合物等が挙げられる。
【0045】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その製造に際し、上述した成分の所定量を均一に撹拌、混合し、予め70〜95℃に加熱してあるニーダー、ロール、エクストルダーなどで混練、冷却し、粉砕するなどの方法で得ることができる。なお、成分の配合順序に特に制限はない。
【0046】
上述したように、本発明のエポキシ樹脂組成物はIC、LSI、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体装置の封止用に好適に使用できるものであり、プリント回路板の製造などにも有効に使用できる。ここで、半導体装置の封止を行う場合、半導体封止用樹脂組成物の成形温度は150〜180℃、ポストキュアは150〜180℃で2〜16時間行うことが好ましい。
【0047】
【発明の効果】
本発明のホスホニウムボレート化合物は、これを硬化触媒としてエポキシ樹脂組成物に配合することにより、潜在性、速硬化性、保存安定性及び流動性が良好であり、かつ、耐湿性、電気特性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0048】
【実施例】
以下、参考例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部である。
【0049】
[参考例1]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K(即ち、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート)16.3部(0.025モル)、フェノール40.0部(0.425モル)、ジメチルスルホキシド250mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、100℃)で末反応のフェノール及び反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、クロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物A、数平均分子量722)16.5gを得た。
【0050】
【化17】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数である。)
【0051】
[参考例2]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K16.3部(0.025モル)、p−クレゾール45.9部(0.425モル)、ジメチルスルホキシド250mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、100℃)で未反応のp−クレゾール及び反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、クロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物B、数平均分子量778)17.2gを得た。
【0052】
【化18】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数である。)
【0053】
得られた上記化合物について元素分析を行い、下記に示す結果を得た。また、NMR、赤外吸収スペクトルを分析し、上記式で示される化合物であることを確認した。n及びmは、1〜4の整数であることを液体クロマトグラフで確認した。なお、図1に赤外吸収スペクトルを示した。
Figure 0003852540
【0054】
[実施例1]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K16.3部(0.025モル)、無水トリメリット酸81.6部(0.425モル)、ジメチルスルホキシド450mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、180℃)で未反応の無水トリメリット酸及び反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、クロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物C、数平均分子量1114)25.4gを得た。
【0055】
【化19】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数であり、R11は下記式で示される。)
【0056】
【化20】
Figure 0003852540
【0057】
[実施例2]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K16.3部(0.025モル)、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン45.6部(0.2モル)、ジメチルスルホキシド450mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、180℃)で反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、クロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物D、数平均分子量1259)57.7gを得た。
【0058】
【化21】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数であり、R12は下記式で示される。)
【0059】
【化22】
Figure 0003852540
【0060】
[実施例3]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K16.3部(0.025モル)、トリフェノールメタン58.4部(0.2モル)、ジメチルスルホキシド450mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、180℃)で反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、クロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物E、数平均分子量1514)68.7gを得た。
【0061】
【化23】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数であり、R13は下記式で示される。)
【0062】
【化24】
Figure 0003852540
【0063】
[実施例4]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K16.3部(0.025モル)、サリチル酸27.6部(0.2モル)、ジメチルスルホキシド450mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、180℃)で反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、クロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物F、数平均分子量898)42.6gを得た。
【0064】
【化25】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数であり、R14は下記式で示される。)
【0065】
【化26】
Figure 0003852540
【0066】
[実施例5]
1Lの温度計、撹拌機、還流冷却管付き四ッ口フラスコにTPP−K16.3部(0.025モル)、1−ナフテン酸34.4部(0.2モル)、ジメチルスルホキシド450mlを入れ、窒素雰囲気下にて撹拌しながらジメチルスルホキシドの沸点である182℃まで昇温し、5時間反応させた。その後、反応溶液から減圧下(2mmHg、180℃)で未反応の1−ナフテン酸及び反応溶媒であるジメチルスルホキシドを除去し、グロロホルムで抽出して、下記式で示されるホスホニウムボレート化合物の混合物(反応物G、数平均分子量1034)48.5gを得た。
【0067】
【化27】
Figure 0003852540
(n及びmは、1〜4の整数であり、R15は下記式で示される。)
【0068】
【化28】
Figure 0003852540
【0069】
[参考例3,4、実施例6〜10、比較例1,2]
表1に示すようにエポキシ樹脂、フェノール樹脂、反応物A〜Gを使用し、かつワックスE1.5部、カーボンブラック1部、球状溶融シリカ粉末(平均粒径20μm,(株)龍森製)600部及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2部を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕してエポキシ樹脂組成物を調製した。比較例として、未反応のTPP−K、及びトリフェニルホスフィンを用いて同様にエポキシ樹脂組成物を調製し、物性を比較した。これらのエポキシ樹脂組成物につき、以下の(イ)〜(ト)に示す諸試験を行った。結果を表1に併記する。
(イ)スパイラルフロー
EMMI規格に準じた金型を使用して175℃、70kgf/cm2の条件で測定した。
(ロ)熱時硬度
175℃、70kgf/cm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの抗折棒を形成した時の熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
(ハ)保存安定性
各々の材料を25℃に放置した時にスパイラルフロー値がそれぞれの初期値の80%になったときの日数を示した。
(ニ)ゲル化時間
組成物のゲル化時間を175℃で測定した。
(ホ)溶融粘度
高化式フローテスター(島津製作所社製)を用いて175℃で測定した。
(ヘ)接着性
銅板に直径15mm、高さ5mmの円筒成形品を175℃、70kgf/cm2、成形時間2分の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアした後、プシュプルゲージで成形物と銅板との剥離量を測定した。
(ト)DSCのピーク温度
示差走査熱量測定装置で、試料を30〜250℃の範囲で10.0℃/分の昇温速度で測定したときの発熱ピーク温度を測定した。この温度が高い程、潜在性に優れる。
【0070】
【表1】
Figure 0003852540
エポキシ樹脂:エポキシ化ビフェニル誘導体(軟化点105℃、エポキシ当量190、油化シェルエポキシ社製YX4000H)
フェノール樹脂:ナフタレン環含有フェノール樹脂(軟化点108〜112℃、フェノール当量140、日本化薬社製カヤハードNH)
【0071】
表1の結果より、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートとプロトン供与体化合物とを反応させることにより得られた反応生成物を用いたエポキシ樹脂組成物は、未反応のテトラフェニルホスホニウム・テトラブェニルボレートを用いたエポキシ樹脂組成物に比較して、混練り時の粘度上昇も少なく、速硬化性、流動性、保存安定性が良好であり、接着性、潜在性等に優れた組成物を提供することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応物Bの赤外吸収スペクトルである。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されるホスホニウムボレート化合物。
    Figure 0003852540
    (但し、式中R1、R2、R3及びR4は、芳香環もしくは複素環を有する一価の有機基又は一価の脂肪族基であって、リン原子に結合したR1〜R4の少なくとも一つ及びホウ素原子に結合したR1〜R4の少なくとも一つは、1分子内に1個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物、及び1分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する脂肪族カルボン酸の群から選ばれるプロトン供与体のプロトンを放出した有機基であって、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 下記一般式(4)で示されるホスホニウムボレート化合物。
    Figure 0003852540
    [但し、式中n及びmはそれぞれ1〜4の整数であり、R7は下記式(6)〜(13)から選ばれる基である。
    Figure 0003852540
    Figure 0003852540
    (R8はハロゲン原子、アルコキシ基又は置換の一価炭化水素基を示し、R9は水素原子、メチル基又はCF3基を示し、R10は水素原子又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基を示し、R16は水素原子、メチル基又はエチル基を示し、R17は水素原子又はヒドロキシ基を示し、pは10〜40の整数、qは1〜3の整数である。)]
  3. 下記一般式(2)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(3)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることを特徴とする請求項1記載の一般式(1)で示されるホスホニウムボレート化合物の製造方法。
    [(R54P]+[(R54B]- (2)
    HO−(R6) (3)
    (但し、上記式中、R5は芳香環を有する一価の有機基、R6は芳香環もしくは複素環を有する一価の有機基又は一価の脂肪族基であって、式(3)で示される化合物は、1分子内に1個以上のカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸、1分子内に酸無水物基とカルボキシル基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族カルボン酸、1分子内にカルボキシル基とフェノール性水酸基とをそれぞれ少なくとも1個有する芳香族化合物、及び1分子内にカルボキシル基を少なくとも1個有する脂肪族カルボン酸の群から選ばれるプロトン供与体である。)
  4. 下記式(14)で示されるホスホニウムボレート化合物と下記式(16)〜(23)で示される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物とを120〜250℃の温度で反応させることを特徴とする請求項2記載の一般式(4)で示されるホスホニウムボレート化合物の製造方法。
    Figure 0003852540
    Figure 0003852540
    (但し、上記式中R8、R9、R10、R16、R17、p、qは上記と同様の意味を示す。)
  5. 請求項1又は2記載のホスホニウムボレート化合物からなるエポキシ樹脂組成物用硬化触媒。
  6. 請求項5記載の硬化触媒を含有するエポキシ樹脂組成物。
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