JP2004204082A - 電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

電子部品封止用エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】低い吸水率を示す硬化物を与え、かつ、成形性に優れた電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】下記の一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)、硬化剤(b)を必須成分とし、必要に応じて硬化促進剤(c)、無機充填剤(d)、および他のエポキシ樹脂(e)を配合してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
【化1】
Figure 2004204082

(式中でR1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である。)
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐湿性に優れ、かつ高流動性を有する、半導体等の電子部品の封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電子部品は、熱硬化性樹脂で封止されているが、特に集積回路では、耐熱性、耐湿性に優れたo−クレゾールノボラック型エポキシまたはビフェニルタイプのエポキシ樹脂と、ノボラック型フェノール樹脂からなる系のものが多く用いられている。
近年の電子機器の小型化、軽量化、高性能化の流れの中で、半導体の集積化に伴い、従来のリードピンを基板の穴に挿入する挿入実装方式から、基板表面に部品を半田付けする表面実装方式へと、転換が進んでいる。表面実装方式では挿入実装方式とは異なり、実装工程中の半田付け時に、封止樹脂で封止したパッケージ全体が210〜270℃の高温に熱せられる。そのため、樹脂部分にクラックが発生したり、チップとの周辺にクラックや剥離が生じたりして、信頼性が低下し製品として使用できないという問題が起こる。
クラックの発生機構としては多くの仮説が唱えられているが、一般的には次のように考えられている。実装工程中にパッケージの封止樹脂が吸湿する。一方、表面実装作業時には、パッケージ全体が200℃以上の高温下にさらされ、薄型パッケージでは短時間でパッケージ内部もまた200℃以上になる。吸湿したパッケージが急激に200℃以上に熱せられると、水分の気化により内圧が発生し、パッケージの内圧が封止材の破断強度を上まわると、クラックが発生する。
また、界面剥離は、エポキシ樹脂のような硬化性樹脂の硬化時に起こる体積収縮や、金属とエポキシ樹脂成形材料との線膨張係数の差から発生する、パッケージ内部の熱応力が原因と考えられている。
上記のような欠点を克服するため、封止樹脂の高弾性率化や、線膨張率を小さくする方法が採られてきた。例えば、フィラーの高充填化もその一つである。しかし、フィラーの高充填化は有効な手段ではあるが、限界があり、また封止樹脂の粘度上昇や流動性の低下を招く問題がある。樹脂粘度の上昇はリード線の変形や切断を招き、流動性の低下は充填性の低下を招き、信頼性が低下する可能性がある。
さらに、電子部品封止用の樹脂として分子内に脂環骨格を持つ種々の多官能エポキシ化合物が知られている。
このような分子内に脂環骨格を持つ多官能エポキシ化合物の具体例としては、現在さまざまな種類のものが市販されている。例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えば、ダイセル化学工業製セロキサイド 2021やユニオンカーバイド製ERL4221等)、1,2,8,9−ジエポキシリモネン(例えば、ダイセル化学工業製セロキサイド 3000)、特開平4−36263号公報および特開平4−170411号公報に開示されているε−カプロラクトンオリゴマーの両端に、それぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキサンカルボン酸がエステル結合したもの(例えば、ダイセル化学工業製セロキサイド 2081)やビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(例えば、ユニオンカーバイド製ERL4299等)がある。
さらに、特開平4−69360号公報および特開平4−170411号公報に開示されているエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−3−シクロヘキセニルメチルエステルおよびそのε−カプロラクトン付加物(ダイセル化学工業製エポリード「GT401」等GT400シリーズ)も複数個の脂環式エポキシ基を有する硬化性エポキシ化合物として市販されている。
しかしながら、上記のように、1,2,8,9−ジエポキシリモネンは、エポキシ基を構成する炭素にメチル基があるため、メチル基の無いものに比べてエポキシ基の反応性が低い。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートやビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペートおよびそのラクトン付加物、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−3−シクロヘキセニルメチルエステルおよびそのε−カプロラクトン付加物は分子内にエステル基を持つため加水分解を生じることがある。
そのため、上記のように、高温高湿下での使用や加水分解のため、硬化物の物性低下が起こることがあった。
また、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)と類似の脂環式エポキシ化合物として、2つの脂環構造がメチレン基等で連結されている脂環式エポキシ化合物が知られている(例えば、特開2002−275169号公報、特開昭58−172387号公報、特公昭50−10636号公報)。しかしながら、このエポキシ化合物におけるエポキシ化率はやや低い。
また、特開2001−181481号公報には、ビフェニル型エポキシ樹脂を使用した半導体封止用のエポキシ樹脂組成物が開示されており、吸水性の点では優れているが、流動性や硬化トルクの点、すなわち、成形性において、まだ問題がある。
そこで、分子内にエステル基を持たない別の脂環骨格を有し、かつ、流動性に優れたエポキシ化合物の開発が望まれており、本出願人は特願2002−260490号明細書において、ロシア文献(Neftekhimiya,1972,12,353)に記載されている技術を改善する目的で、実質的に水分を含まない有機過カルボン酸を用いて対応するジオレフィン化合物をエポキシ化することにより、上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)を効率的に合成する方法を提案した。本発明者は、この脂環式エポキシ化合物(a)と硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物が電子部品封止用の樹脂組成物として優れた特性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子部品封止用樹脂の上記のような問題点を解決し、半導体装置などの電子回路部品を封止する際に、リード線の変形や断線がなく、高流動性で充填性が良く、かつ、耐湿性などに優れた、電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を進めた結果、特定の構造の脂環エポキシ化合物を配合することで、上記の課題を達成し得ることを見出し、さらに検討を進めて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、下記の一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)、硬化剤(b)を必須成分とし、必要に応じて硬化促進剤(c)、無機充填剤(d)、および他のエポキシ樹脂(e)を配合してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物である。
【化2】
Figure 2004204082
(式中でR1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくは、ハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である。)
本発明の第2は、上記脂環式エポキシ化合物(a)がビシクロヘキシル−3,3’−ジエポキシドである前記発明に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物である。
本発明の第3は、上記硬化剤(b)がアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、またはフェノール系樹脂から選ばれる少なくとも一つである前記発明に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物である。本発明の第4は、上記他のエポキシ樹脂(e)がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である前記発明に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物である。
また、本発明は、上記の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物である。
【0005】
本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物における必須の樹脂成分である上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)は公知であり、例えば、前記特願2002−260490号明細書やロシア文献(Neftekhimiya,1972,12,353)に記載されている方法で製造することができる。特に前者に記載されている水分含有率の低い過酸を用いて対応するジオレフィン化合物をエポキシ化して製造されたものがジエポキシ化合物の含有率が高く好ましい。上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)の具体的なものとしては、R1〜R18がいずれも水素原子であるビシクロヘキシル−3,3’−ジエポキシドがあり、好ましく用いられる。
本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物中の主要な樹脂成分である上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)と必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)の合計ともう一方の必須成分である硬化剤(b)の当量比が0.5〜2.0の範囲、硬化促進剤(c)量がエポキシ化合物(a)と必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)と硬化剤(b)の合計量100重量部あたり0.4〜20重量部の範囲、また、無機充填剤(d)の配合量がエポキシ化合物(a)と必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)と硬化剤(b)の合計量100重量部あたり200〜2400重量部の範囲であることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いるエポキシ化合物(a)に必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)は、その分子中にエポキシ基を少なくとも2個以上有するものであれば、分子構造、分子量などに特に制限はなく、通常半導体封止用に使用されるエポキシ樹脂をそのまま用いることができる。具体的には例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂を、1種類又は2種以上混合して用いてもよい。
さらに、上記以外にも、ダイマー酸グリシジルエステル、トリグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジルp−アミノフェノール、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシリレンジアミン、テトラグリシジルビスアミノメチルシクロヘキサン等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ樹脂、フロログリシノールトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシフェニルメタントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノール等の3官能型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルエタンテトラグリシジルエーテル、テトラグリシジルベンゾフェノン、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル、テトラグリシドキシビフェニル等の4官能型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3‘,4’−エポキシシクロヘキセニルカルボキシレート(ダイセル化学工業製セロキサイド 2021)、リモネンジエポキシド(ダイセル化学工業製セロキサイド 3000)、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3‘,4’−エポキシシクロヘキセニルカルボキシレート(ダイセル化学工業製セロキサイド 2081)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート(例えば、ユニオンカーバイド製ERL4227等)、エポキシ化3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス3−シクロヘキセニルメチルエステルおよびそのε−カプロラクトン付加物(ダイセル化学工業製「エポリードGT301」等GT300シリーズ)、およびエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−3−シクロヘキセニルメチルエステルおよびそのε−カプロラクトン付加物(ダイセル化学工業製エポリード「GT401」等GT400シリーズ)などの脂環式エポキシ樹脂も使用することができる。
他のエポキシ樹脂(e)の含有量は、上記式(1)で表されるエポキシ化合物(a)との合計量100重量部中10〜90重量部、好ましくは、15〜35、さらに好ましくは、20〜80である。
他のエポキシ樹脂(e)の含有量が10重量部未満ではコスト面で不利であり、90重量部を超えるとエポキシ化合物(a)による効果が小さい。
【0007】
本発明で用いられるもう一方の必須成分である硬化剤(b)としては、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系樹脂など、エポキシ樹脂と反応して硬化させ得るものであれば特に限定されない。具体的には例えば、アミン系硬化剤では、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ジアミンなど、酸無水物系硬化剤では、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸など、また、フェノール系樹脂硬化剤としては、ノボラック型フェノール樹脂、クレゾール型ノボラック樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、パラキシリレン・メタキシリレン変性フェノール樹脂等のアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、トリフェノールプロパン等が例示できるが、これらに限られるものではない。ただし、吸水率等の物性を考慮するとフェノール樹脂系硬化剤が好ましく、さらにその内でも、特にフェノールアラルキル樹脂が好ましい。
上記式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)と必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)と硬化剤(b)の配合比は、エポキシ基と硬化剤中の官能基の当量比(エポキシ基/官能基)が0.5から2の範囲であり、好ましくは0.6〜1.2である。当量比が0.5未満または2を超える配合比で硬化させると硬化物の耐湿性、成形性及び電気特性が悪くなるので好ましくない。
【0008】
また、硬化促進剤(c)としては、エポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応を促進し得る化合物であれば特に限定はされない。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBUと表示することもある)等のアミジン化合物、トリフェニルホスフィン(TPPと表示することもある)、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレート等の有機リン化合物、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの硬化促進剤は単独でも混合して用いても差し支えない。配合量としては、エポキシ樹脂(a)と必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)と硬化剤(b)の合計量100重量部あたり、0.4〜20重量部の範囲とするのが好ましい。配合量が0.4重量部未満では、加熱成形時に十分な硬化性が得られない恐れがあり、一方、20重量部を超えると硬化が速すぎて、成形時に流動性の低下による充填不良を生じる恐れがあるので好ましくない。
【0009】
また、硬化促進剤(c)以外の成分としては、一般に封止材料に用いられている無機充填剤(d)を使用することができる。具体的には、溶融破砕シリカ粉末、溶融球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、二次凝集シリカ粉末、アルミナ、水酸化アルミニウム、ガラス繊維等が挙げられ、特に溶融球状シリカが好ましい。球状シリカの形状としては、流動性改善のために限りなく真球状であることが好ましく、粒度分布が広い方が好ましい。
【0010】
無機充填剤(d)の配合量としては、エポキシ化合物(a)と必要に応じて加えられる他のエポキシ樹脂(e)と硬化剤(b)の合計量100重量部あたり、200〜2400重量部の範囲とするのが好ましい。200重量部未満では無機充填剤による補強効果が充分発現しない恐れがあり、2400重量部を超えると、樹脂組成物の流動性が低下し成形時に充填不良、またはリード線の変形や断線が生じる恐れがあるので好ましくない。
本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物は、(a)〜(e)成分の他、さらに必要に応じて、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン系化合物等の難燃剤、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化材、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩もしくはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤、リン酸またはポリリン酸のナトリウム塩またはカリウム塩等の各種添加剤を適宜配合しても差し支えない。
本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を製造する際は、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、層状の化合物、その他の無機充填剤、およびその他の添加剤を、ミキサー等によって十分混合した後、さらに熱ロール、ニーダー等を用いて溶融混練し、冷却した後、粉砕する。また、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクシションモールド等の成形法により、封止を行なう。
本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物は、温度65〜200℃、好ましくは、75〜190℃、さらに好ましくは、80〜180℃で、硬化時間30〜600分、好ましくは、45〜540分、さらに好ましくは、60〜480分で硬化させることができる。
硬化温度と硬化時間が上記範囲下限値より低い場合は、硬化が不十分となり、逆に上記範囲上限値より高い場合、樹脂成分の分解が起きる場合があるので、何れも好ましくない。硬化条件は種々の条件に依存するが、硬化温度が高い場合は硬化時間は短く、硬化温度が低い場合は硬化時間は長く、適宜調整することができる。
【0011】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【0012】
[合成例1]
脂環式ジオレフィン化合物であるビシクロヘキシル−3,3’−ジエン406g、酢酸エチル1217gを仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)457gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、エポキシ化合物415gを得た。このときの収率は85%であった。
得られたエポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は14.7重量%(理論値:16.5重量%)であった。
また1HNMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、原料である脂環式ジオレフィン化合物に対応する前記一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)であることが確認された。
【0013】
[合成例2]
脂環式ジオレフィン化合物であるビシクロヘキシル−3,3’−ジエン243g、酢酸エチル730gを仕込み、窒素を気相部に吹き込みながら、かつ、反応系内の温度を37.5℃になるようにコントロールしながら約3時間かけて30重量%過酢酸の酢酸エチル溶液(水分率0.41重量%)274gを滴下した。過酢酸溶液滴下終了後、40℃で1時間熟成し反応を終了した。さらに30℃で反応終了時の粗液を水洗し、70℃/20mmHgで低沸点化合物の除去を行い、エポキシ化合物270gを得た。このときの収率は93%であった。
得られたエポキシ化合物のオキシラン酸素濃度は15.3重量%であった。
また1HNMRの測定では、δ4.5〜5ppm付近の内部二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1ppm付近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され、原料である脂環式ジオレフィン化合物に対応する前記一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合(a)であることが確認された。
【0014】
ここでは、各成分を配合、混練して、成形材料を調製し、その特性評価のため、スパイラルフロー、硬化トルク、吸水率を測定した。各特性の測定方法および条件は、下記の通りとした。
1.スパイラルフロー
調製直後における成形材料について、EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力70kgf/cm2、硬化時間2分で測定した。スパイラルフロー(cm)は流動性のパラメータであり、数値が大きいほど流動性が良好であることを意味する。
2.硬化トルク
調製した成形材料を用いて、キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターPS型)を用い、175℃、45秒加熱後のトルクを測定した。キュラストメーターによるトルク値(kgf・cm)は硬化性のパラメーターであり、値の大きい方が硬化性が高いことを示す。
3.吸水率
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、注入圧力75kg/cm2、硬化時間2分の条件で、直径50mm、厚さ3mmの円板を成形し、175℃で8時間、後硬化した後、23℃で24時間蒸留水中に浸漬し、重量変化を測定し吸水率(重量%)を求めた。
【0015】
(実施例1)
下記の配合により、各成分を混合し、熱ロールを用いて95℃で8分間混練し、冷却した後、粉砕して樹脂組成物を得た。評価結果は、表1に示した通りであった。
配合組成は、(a)成分として、合成例1で得られたエポキシ化合物5重量部、必要に応じて加えられる(e)成分としてビフェニル型エポキシ樹脂を主成分とする樹脂(日本化薬(株)製 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−1020、エポキシ当量185、融点105℃)95重量部、(b)成分としてフェノール樹脂(住友ベークライト(株)製フェノール樹脂PR−53195、水酸基当量167、軟化点73℃)51.8重量部、(c)成分として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)1.2重量部、溶融球形シリカ(平均粒径15μ)を725重量部、カーボンブラック2重量部、カルナバワックス2重量部である。
【0016】
(実施例2〜5)
表1に示した各配合組成により、実施例1と同様に操作して成形材料を調製した。評価結果は、まとめて表1に示した。
(比較例1〜5)
表2に示した各配合により、実施例1と同様に操作して成形材料を調製し、それぞれ評価を行なった。評価結果は、まとめて表2に示した。
【0017】
【表1】
Figure 2004204082
【0018】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を用いて得られた実施例1〜5における硬化物は比較例1〜2における硬化物と比較して低い吸水率値を示しており、電子部品封止用エポキシ樹脂組成物として極めて優れていることがわかる。
また、表1におけるスパイラルフロー値から明らかなように、一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)を使用した本発明の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物は流動性、すなわち、成形性に優れていることがわかる。

Claims (5)

  1. 下記の一般式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)、硬化剤(b)を必須成分とし、必要に応じて硬化促進剤(c)、無機充填剤(d)、および他のエポキシ樹脂(e)を配合してなる電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2004204082
    (式中でR1〜R18は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。これらは、水素原子、ハロゲン原子、酸素原子もしくはハロゲン原子を含んでよい炭化水素基、又は置換基を有してよいアルコキシ基である。)
  2. 式(1)で表される脂環式エポキシ化合物(a)がビシクロヘキシル−3,3’−ジエポキシドである請求項1に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 硬化剤(b)がアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、またはフェノール系樹脂から選ばれる少なくとも一つである請求項1または2に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 他のエポキシ樹脂(e)がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂である請求項1または2に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品封止用エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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