JP3850979B2 - ピストンピン圧入装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のエンジンなどの組立工程において、コンロッドとピストンとを組付ける際にピストンピンをピン圧入孔に圧入するためのピストンピン圧入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に例示するように、エンジンの一部を構成するピストン1とコンロッド2は、ピストンピン3によって互いに連結されている。
ピストンピン3は、コンロッド2の一端(小端部2a)をピストン1に挿入した状態で、ピストン1のピン挿入孔4に挿入され、かつ、コンロッド2のピン圧入孔5に1000kgf以上の圧入荷重をかけて圧入される。したがって圧入完了後のピストンピン3は、ピストン1のピン挿入孔4に対して相対回転可能であるが、コンロッド2のピン圧入孔5に対しては相対回転不能なタイトな締まり嵌めとなっている。
【0003】
従来、ピストンピン3を圧入するための装置として、図9に示すようなピストンピン圧入装置10が使用されていた。この従来装置10は、コンロッド2を乗せる支持部材11と、油圧シリンダ等のアクチュエータを備えたクランプ機構12と、ピストン1の側面の比較的平坦なピン挿入孔近傍部1aを支持するワーク受け面13と、ピストンピン3の上方に対向して設けた押圧部材14などを備えている。押圧部材14は油圧シリンダ等のアクチュエータによって上下方向に駆動され、ピストンピン3に上方から圧入荷重を与えるようにしている。
【0004】
ピストンピン3を圧入する際には、コンロッド2の一端(小端部2a)をピストン1に挿入し、クランプ機構12のアクチュエータによってコンロッド2の他端すなわち大端部2bを所定位置に強固にクランプするとともに、ピストン側面のピン挿入孔近傍部1aをワーク受け面13によって下側から支持した状態で、押圧部材14によってピストンピン3の上方から圧入荷重を与えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のピストンピン圧入装置10は、コンロッド2のピン圧入孔5に対してピストンピン3を真っ直ぐに圧入するために、コンロッド2をクランプ機構12によって所定位置に高精度に位置決めした状態で、クランプ機構12のアクチュエータによって、コンロッド2の大端部2bを支持部材11上に強固に拘束していた。
【0006】
しかしながら、ワーク受け面13が接するピストン1のピン挿入孔近傍部1aは、仕上げ加工されていない鋳物表面であるため平坦度が比較的粗く、ピン挿入孔近傍部1aが水平面に対して若干傾いていたり、ある程度の凹凸が存在することがある。このように平坦度の粗いピン挿入孔近傍部1aをワーク受け面13によって支持した状態で、ピストンピン3に圧入荷重Pをかけると、ワーク受け面13の傾きなどに応じてピストン1が少し傾いてしまうことがある。
【0007】
このような傾きを生じる場合、クランプ機構12によってコンロッド2をいくら強固に拘束していても、圧入方向に対してピン圧入孔5やピストンピン3が例えば図9中に矢印αで示す方向に僅かに傾いてしまう。そしてそのまま圧入が進行すると、ピストンピン3の先端がピン挿入孔4やピン圧入孔5の内面をかじりながら圧入されてしまい、圧入不良を生じたり、ピン挿入孔4やピン圧入孔5の内面が損傷するなどの問題を生じる原因となる。
【0008】
また従来は、コンロッド2をクランプ機構12によって所定位置に強固にかつ高精度に拘束することを前提としているため、油圧シリンダ等のアクチュエータによってクランプ機構12に大きな荷重を与えてコンロッド2を拘束していた。このためアクチュエータの数が増え、油圧回路が複雑化したり、圧入のサイクルタイムが長くなるなどの問題もあった。
【0009】
従って本発明の目的は、ピストンとコンロッドを組付ける際に、ピストンピンの圧入不良を回避でき、サイクルタイムも短縮できるようなピストンピン圧入装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を果たすための本発明のピストンピン圧入装置は、請求項1に記載したように、コンロッドとピストンとを嵌合させかつピストンピンを圧入することによりコンロッドとピストンとを組付けるためのピストンピン圧入装置において、
コンベアのチェーンに設けられた取付け台を有しかつ該取付け台に上記チェーンの長手方向に並んで配置された一対のばねおよび上記チェーンの幅方向に並んで配置された一対のばねを有するコンロッド支持機構であって、前記コンロッドを横にした姿勢で支持するクランプアームを備えかつ該コンロッドをフローティング可能に支持するよう上下方向に昇降可能で前記ばねによって上がる方向に付勢されているフローティングパレットを有するコンロッド支持機構と、
前記ピストンに設けられた前記ピストンピンの挿入孔近傍部を下側から支持するワーク受け面を有しかつ前記ピストンピンの挿入方向に沿う垂直方向の軸線に対して中立位置を基準として全方向に傾動可能な可動側支持体を有する球面継手部と該可動側支持体に形成された上下方向に貫通するセンタ孔を有し、前記ワーク受け面の上方から前記挿入孔近傍部が押付けられたときに該挿入孔近傍部の凹凸や傾きに応じて前記可動側支持体が傾動する支持構体と、
前記支持構体に形成された前記センタ孔を挿通しかつ前記垂直方向の軸線上に位置し該軸線方向に移動可能なセンタガイド軸を有し前記ピストンに挿入されたコンロッド端部のピン圧入孔に挿入可能なガイド部材と、
前記ガイド部材の上方に設置され前記ピストンに挿入されたピストンピンの端面と対向する昇降可能な押圧部材と、
前記ピストンピンを前記押圧部材によって押圧することにより前記ピン圧入孔に圧入するアクチュエータと、を具備し、
前記コンロッド支持機構の前記クランプアームは、前記コンロッドが移動できるようアンクランプ方向に開くことによって該コンロッドを解放し、前記ガイド部材が前記ピストンのピン挿入孔と前記コンロッドのピン圧入孔と前記ピストンピンに挿入されたのち前記コンロッドをクランプすることを特徴とするピストンピン圧入装置である。
ピストンピンの圧入に先立ち、支持構体のワーク受け面の上方にピストン側面のピン挿入孔近傍部が対向するように置かれ、ピストンがコンロッドと一体にコンロッド支持機構によって支持される。コンロッド支持機構のクランプアームは、前記コンロッドが移動できるようアンクランプ方向に開くことによって該コンロッドを解放し、前記ガイド部材がピストンのピン挿入孔とコンロッドのピン圧入孔とピストンピンに挿入されたのちコンロッドをクランプする。そしてピストンピンの上方から油圧シリンダ等のアクチュエータによって押圧部材が降下することにより、ピストンピンがピン圧入孔に向って押圧される。
【0011】
この押圧の際に、コンロッドはフローティング機能を有するフローティングパレットによって往動することができる状態で保持されているから、ピストンピンが上から押されると、ピストンとコンロッドがフローティングパレットと一体となって下がる。そしてピストン側部のピン挿入孔近傍部が支持構体のワーク受け面に当接する位置まで下がった時点で、ピストンがワーク受け面によって支持されることになる。
【0012】
前記押圧部材がさらに降下することによってピストンピンに圧入荷重が加わるようになると、支持構体のワーク受け面と接しているピストン側部のピン挿入孔近傍部の傾き等に応じて、支持構体の継手部が移動しながらワーク受け面がピン挿入孔近傍部にならうように傾動することにより、ワーク受け面によって圧入荷重が安定した状態で支持される。
【0013】
このためピン挿入孔近傍部の位置および面精度などにかかわらず、ピストンピンとピン圧入孔が圧入方向に揃うようになり、圧入の際にピストンピンがピン圧入孔の内面をかじる原因となるピストンピンの傾きが回避され、ピストンピンがピン圧入孔に真っ直ぐに圧入される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面(図1〜図8)を参照しながら本発明の一実施形態のピストンピン圧入装置20について説明する。
図1に示す実施形態のピストンピン圧入装置20は、各種フレーム材21等によって構築された剛性の高い支持構造物としての装置本体22を有している。装置本体22の上部に圧入ユニット25が設けられている。装置本体22の下方には圧入荷重を受けるための支持構体26が設けられている。
【0015】
支持構体26の図示左側に、ピストン1を装置本体22の圧入ステージS1まで搬送するためのピストン搬送機構27が配置されている。支持構体26の図示右側には、コンロッド2を装置本体22の圧入ステージS1まで搬送するためのコンロッド搬送機構として機能するコンベア28が配置されている。
【0016】
コンベア28には、チェーン31によって移動するコンロッド支持機構32が設けられている。コンロッド支持機構32はストッパ機構33によって、装置本体22の圧入ステージS1に停止させられるようになっている。
【0017】
図3から図5に示すようにコンロッド支持機構32は、チェーン31と一体に移動する取付け台40と、取付け台40にばね41によって浮上状態に設けたフローティングパレット42を備えている。フローティングパレット42は、上下方向に伸縮するガイド部材43に沿って円滑に昇降できるようにしている。
【0018】
フローティングパレット42は、ばね41によって浮き上がる方向に付勢されているとともに、その上昇端がストッパ44によって規制され、かつ、水平な姿勢に保たれるようになっている。ばね41とフローティングパレット42は、この発明でいうフローティング手段を構成する。
【0019】
フローティングパレット42は、コンロッド2を横に倒した姿勢で所定位置に保持できるようにするために、コンロッド2の軸受孔2cが嵌合する凸部50と、コンロッド2の長手方向中間部2dが嵌合する係止部51と、コンロッド2の大端部2bを両側から保持する一対のクランプ部材52(図4に示す)などを備えている。
【0020】
各クランプ部材52は、水平方向に延びる軸53を中心に回動可能であり、その上方に突き出るクランプアーム54と、横方向に延びる解除レバー55を有している。一対のクランプアーム54は、ばね56によって互いに閉じる方向、すなわちコンロッド2の大端部2bを両側から保持する方向に付勢されている。
【0021】
またこのクランプ部材52は、各解除レバー55をアンクランプ部材57(図4に一部のみ示す)によって上方から矢印F方向に押すことにより、各クランプアーム54が互いに開く方向すなわちコンロッド2を解放する方向(アンクランプ方向)に移動できるように構成されている。
【0022】
図1に示すピストン搬送機構27は、ピストン1をその軸線を横に倒した姿勢で1個ずつ順送りするピストンコンベア60と、ピストンコンベア60の上方に位置するピストン移載機構61を備えている。ピストン移載機構61は、ピストン1を把持するチャック部62と、チャック部62を昇降駆動させる昇降機構63と、チャック部62を水平方向に駆動する横送り機構64を含んでいる。
【0023】
ピストンコンベア60によって移送されるピストン1は、ピストンピン3がピン挿入孔4の上方から途中まで差し込まれた状態で、ピストン受け渡しステージS2まで搬送されてくる。チャック部62はピストン受け渡しステージS2においてピストン1とピストンピン3を同時に把持したのち、圧入ステージS1(圧入ユニット25の真下の位置)までピストン1とピストンピン3を一体に移送するようになっている。
【0024】
ピストンピン3から伝達される圧入荷重を受けるための支持構体26は、図2および図6に示すように構成されている。この支持構体26は、装置本体22に固定される固定側支持体70と、固定側支持体70の上面側に球面継手部71を介して回動可能に設けた可動側支持体72などを備えている。すなわちこの可動側支持体72は、垂直方向の軸線Xに対し、中立位置を基準として全方向に数度(degree)の角度範囲で傾動可能な自在継手部を構成している。
【0025】
可動側支持体72の上端は、ピストン1の側面のピン挿入孔近傍部1aと対面する平坦な形状のワーク受け面75となっており、ピン挿入孔近傍部1aに対して面接触することを可能ならしめている。このワーク受け面75は、可動側支持体72が前記中立位置にあるときに、水平方向に沿う面となっている。固定側支持体70と可動側支持体72には上下方向に貫通するセンタ孔76が形成されている。
【0026】
支持構体26の下方近傍にガイド機構80が設けられている。ガイド機構80は、垂直方向の軸線X上に位置するセンタガイド軸81と、センタガイド軸81の外周側に同心状に設けたガイドパイプ82を有する上下方向に延びるガイド部材83と、このガイド部材83を昇降駆動するための油圧シリンダ等のアクチュエータ84(図1に示す)などを備えている。センタガイド軸81は、ガイドパイプ82に対して軸線X方向(上下方向)に相対移動可能であり、ばね85によって上方に付勢されている。
【0027】
ガイド部材83は、アクチュエータ84によって上昇端まで移動したときに、図5に示すようにセンタガイド軸81がピストンピン3の内側に入り込むとともに、ガイドパイプ82がコンロッド2のピン圧入孔5に入り込んで上方に突出する位置まで上昇するようになっている。ガイドパイプ82の上端部82aは、上端側の外径が小さくなるようなテーパ形状をなし、この上端部82aがピストンピン3の下端開口部に嵌合した時にピストンピン3とガイドパイプ82とのセンタリング(すなわちピストンピン3とガイド部材83との芯合わせ)がなされるようにしている。
【0028】
図1等に示すように、前記ガイド機構80の上方に圧入ユニット25が設けられている。圧入ユニット25は、ガイド部材83の軸線(上下方向の軸線X)の延長線上に位置する押圧部材90と、押圧部材90を上下方向に昇降駆動するための油圧シリンダ等のアクチュエータ91と、押圧部材90の昇降動作を案内するリニアベアリング92と、押圧部材90の上下方向の位置を検出するセンサ93などを備えている。
【0029】
押圧部材90は、その下端に圧入ヘッド95を備えている。圧入ヘッド95はその中心部に先端が尖った形状のセンタリング部材96を備えている。図2等に示すようにセンタリング部材96は、ばね97によって圧入ヘッド95から下方に突き出る方向に付勢されており、ピストンピン3の上端開口部に嵌合することによってピストンピン3と押圧部材90との互いのセンタリング(芯合わせ)がなされるようにしている。
【0030】
この押圧部材90は、アクチュエータ91によって下降端まで移動したとき、圧入ヘッド95がピストンピン3をコンロッド2のピン圧入孔5に対して所定の圧入位置まで圧入するように、作動ストローク等が設定されている。
【0031】
次に、このピストンピン圧入装置20の作用等について説明する。
コンベア28によってコンロッド2が装置本体22の圧入ステージS1まで搬送されてくる。このコンロッド2は、コンロッド支持機構32によって所定位置に水平に倒れた姿勢で保持されている。コンロッド支持機構32の取付け台40がストッパ機構33(図1に示す)によって停止させられるとともに、コンロッド2の位置決めがなされる。
【0032】
そののち、コンロッド支持機構32の上方からアンクランプ部材57(図4に一部のみ示す)が解除レバー55に向って降下し、解除レバー55を矢印F方向に押す。これにより、クランプアーム54がコンロッド2を解放する方向に移動するため、コンロッド2はある程度自由に移動できる状態となる。
【0033】
一方、図1に示すピストンコンベア28によって、ピストン1がピストン受け渡しステージS2まで搬送されてくる。このピストン1はピストン移載機構61のチャック部62によってピストンピン3とともに把持され、昇降機構63および横送り機構64が図1中の矢印A,B方向に作動することによって、ピストン1が横向きの姿勢のまま圧入ステージS1に搬入されるとともに、この横向きのピストン1は、コンロッド2の小端部2aに水平方向から嵌合させられる。このとき、図2に示すようにピストン1のピン挿入孔近傍部1aがワーク受け面75の真上に離間対向することになる。
【0034】
そして支持構体26の下側からガイド部材83がアクチュエータ84によって上昇することにより、図5に示すようにセンタガイド軸81がピストンピン3に挿入されるとともに、ガイドパイプ82がピストン1の下側のピン挿入孔4とコンロッド2のピン圧入孔5に挿入される。こうすることにより、ピン挿入孔4とピストンピン3とガイドパイプ82の芯が合う。そののちアンクランプ部材57が上昇し、コンロッド2がクランプアーム54によってクランプされる。
【0035】
この状態でアクチュエータ91によって押圧部材90が降下させられ、圧入ヘッド95のセンタリング部材96がピストンピン3の上端開口部に嵌合することにより、ピストンピン3と押圧部材90との芯が合う。こうして圧入ヘッド95がピストンピン3の上端に当接した状態で圧入ヘッド95がさらに降下すると、ピストン1およびコンロッド2と一体にフローティングパレット42がばね41の反力に抗して降下する。
【0036】
このため、ワーク受け面75にピストン1のピン挿入孔近傍部1aが当接するようになり、ピストン1がワーク受け面75によって支持される。この場合、ピストン1の上下方向の寸法に応じた高さまでピストン1およびコンロッド2とフローティングパレット42が一体となって降下するため、ピストン1の寸法のばらつきを吸収することができるとともに、コンロッド2を保持しているコンロッド支持機構32やコンロッド2に曲げなどの無理な荷重が加わらない。
【0037】
ワーク受け面75は平坦に仕上げられているが、ピストン1のピン挿入孔近傍部1aはいわゆる鋳物表面となっていて平坦度が良くないから、ワーク受け面75の上方からピン挿入孔近傍部1aが押付けられると、ピン挿入孔近傍部1aの凹凸や傾きなどに応じて球面継手部71が変位(傾動)することにより、最終的に可動側支持体72が安定する姿勢に落ち着く。
【0038】
このため、ピン挿入孔近傍部1aの面精度が悪くてもピストン1が一定の姿勢(ピストンの軸線が水平方向を向いた姿勢)に保たれ、ピン挿入孔4やピン圧入孔5の垂直度が保たれる。しかも、ワーク受け面75とピン挿入孔近傍部1aとが均等に面接触することになる。そしてガイド部材83と同一軸線上に押圧部材90が位置することになる。これらの理由から、圧入時のピストンピン3の傾きが回避され、押圧部材90による圧入荷重を、ピストンピン3の軸線(垂直な軸線X)に沿って真っ直ぐにかけることができる。
【0039】
こうして圧入が進行し、圧入用アクチュエータ91が下降端まで作動することにより、ピストンピン3がピン圧入孔5の所定位置まで圧入される。圧入が完了すると、センサ93によってアクチュエータ91の被検出部94が検出され、アクチュエータ91が停止することにより押圧部材90も停止する。
【0040】
そののち、アクチュエータ91が上昇側に作動して押圧部材90が上昇するとともに、前記圧入終了後のピストン1がコンベア28によって次工程に搬出されて圧入工程が1サイクル終了となる。そして新たなピストン1とピストンピン3およびコンロッド2が圧入ステージS1に搬入され、前述の圧入工程が繰返される。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載した本発明のピストンピン圧入装置によれば、ピストンピンを圧入する際に、ワーク受け面に当接するピストン側面のピン挿入孔近傍部が鋳物表面のように平坦度がよくなくても、圧入時にピストンピンが傾いてしまうことを防止できる。このため、ピン圧入孔などに対するピストンピンのかじりなどの圧入不良を防止でき、所定の圧入荷重によってピストンピンを円滑に圧入することができる。
【0042】
また、本発明に採用されているコンロッド支持機構は、従来のクランプ機構のようにコンロッドを所定位置に強固に拘束するのではなく、フローティングパレットによってコンロッドを変位可能に保持するから、従来のクランプ機構のような油圧シリンダ等のアクチュエータが不要であり、したがってサイクルタイムを短縮できるとともに、油圧系統などの簡略化も図れる。また、圧入時に種々のピストンの寸法に応じた高さまで降下するフローティングパレットの採用により、ピストンの寸法ばらつきなども容易に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すピストンピン圧入装置を一部断面で示す側面図。
【図2】 図1に示されたピストンピン圧入装置の一部を拡大して示す断面図。
【図3】 図1に示されたピストンピン圧入装置のコンロッド支持機構の平面図。
【図4】 図3に示されたコンロッド支持機構の正面図。
【図5】 図3中のV−V線に沿う断面図。
【図6】 図2中のVI−VIに沿う断面図。
【図7】 図1に示されたピストンピン圧入装置のピストンピン圧入後の断面図。
【図8】 ピストンとコンロッドおよびピストンピンを示す斜視図。
【図9】 従来のピストンピン圧入装置を示す断面図。
【符号の説明】
1…ピストン
1a…ピン挿入孔近傍部
2…コンロッド
3…ピストンピン
5…ピン圧入孔
20…ピストンピン圧入装置
25…圧入ユニット
26…支持構体
32…コンロッド支持機構
42…フローティングパレット
71…継手部
75…ワーク受け面
80…ガイド機構
90…押圧部材
91…アクチュエータ

Claims (1)

  1. コンロッドとピストンとを嵌合させかつピストンピンを圧入することによりコンロッドとピストンとを組付けるためのピストンピン圧入装置において、
    コンベアのチェーンに設けられた取付け台を有しかつ該取付け台に上記チェーンの長手方向に並んで配置された一対のばねおよび上記チェーンの幅方向に並んで配置された一対のばねを有するコンロッド支持機構であって、前記コンロッドを横にした姿勢で支持するクランプアームを備えかつ該コンロッドをフローティング可能に支持するよう上下方向に昇降可能で前記ばねによって上がる方向に付勢されているフローティングパレットを有するコンロッド支持機構と、
    前記ピストンに設けられた前記ピストンピンの挿入孔近傍部を下側から支持するワーク受け面を有しかつ前記ピストンピンの挿入方向に沿う垂直方向の軸線に対して中立位置を基準として全方向に傾動可能な可動側支持体を有する球面継手部と該可動側支持体に形成された上下方向に貫通するセンタ孔を有し、前記ワーク受け面の上方から前記挿入孔近傍部が押付けられたときに該挿入孔近傍部の凹凸や傾きに応じて前記可動側支持体が傾動する支持構体と、
    前記支持構体に形成された前記センタ孔を挿通しかつ前記垂直方向の軸線上に位置し該軸線方向に移動可能なセンタガイド軸を有し前記ピストンに挿入されたコンロッド端部のピン圧入孔に挿入可能なガイド部材と、
    前記ガイド部材の上方に設置され前記ピストンに挿入されたピストンピンの端面と対向する昇降可能な押圧部材と、
    前記ピストンピンを前記押圧部材によって押圧することにより前記ピン圧入孔に圧入するアクチュエータと、
    を具備し、
    前記コンロッド支持機構の前記クランプアームは、
    前記コンロッドが移動できるようアンクランプ方向に開くことによって該コンロッドを解放し、前記ガイド部材が前記ピストンのピン挿入孔と前記コンロッドのピン圧入孔と前記ピストンピンに挿入されたのち前記コンロッドをクランプすることを特徴とするピストンピン圧入装置。
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