JP3850533B2 - 腹部サポーター - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たるんで出っ張った腹部を引き締める腹部サポーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
下腹が出っ張ったいわゆる中年太りを矯正するための腹部サポーターが種々市販されているが、従来のものはいずれも幅広のベルトを下腹部に巻いて引き締めるタイプであり、単に出っ張った下腹をそのベルトで押えつけ、外見上引き締まった体形に見えるようにしようというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、中年太りの人をよく観察すると、下腹が前に突き出ているだけでなく、脚が外向きに開き気味になっていて姿勢が悪く、でん部が外向きに下がり気味となっている。そして、姿勢が悪いせいか腰痛を訴える人も多い。つまり、従来のように突き出た腹を押え付けるだけでは本当に体形が矯正されたとはいえず、さらに開き気味の脚を元に戻し、好ましくはでん部を内向きに持ち上げ、これにより正しい姿勢に矯正して初めて体形の矯正が効果的に行われたことになり、それで腰痛も解消されていく。
【0004】
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、装着したときに下腹が突き出た体形と悪い姿勢を同時に矯正する作用を持ち、体形の矯正が効果的に行える腹部サポーターを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る腹部サポーター(請求項1)は、腹部に装着される第1ベルトと、両大腿部に装着される一対の第2ベルトと、第1ベルトと各第2ベルトをつなぎ、装着時に大腿部にそれぞれ内向きのひねり作用を与える連結部からなり、前記連結部は第1ベルトと各第2ベルトを斜めにつなぐ一対のベルト(第3ベルト)であり、前記第3ベルトは、大腿部に装着した第2ベルトの後側内寄り位置と腹部に装着した第1ベルトの後側外寄り位置を斜めにつなぐことを特徴とする。
また、本発明に係る腹部サポーター(請求項2)は、腹部に装着される第1ベルトと、両大腿部に装着される一対の第2ベルトと、第1ベルトと各第2ベルトを斜めにつなぐ一対の第3ベルトからなり、第2ベルトと第3ベルトは第1ベルトの左右にほぼ対称的に配置され、かつ第3ベルトは第1ベルト側から第2ベルト側へ互いに内向きに近接するように延びていることを特徴とする。なお、上記第3ベルトは、好ましくは大腿部に装着した第2ベルトの後側内寄り位置と腹部に装着した第1ベルトの後側外寄り位置を斜めにつなぐ。
【0006】
この腹部サポーターを装着すると、第1ベルトにより腹部が引き締められるだけでなく、連結部(第3ベルト)により第2ベルトを介して大腿部に内向きのひねり作用が加えられ、このとき、大腿部の筋肉が内向きにひねられて内旋し、同時に連結部(第3ベルト)により引き上げられる形になって引き締まり、これによりひざ間接を含めて脚の向きが矯正され、その結果姿勢が矯正される。また、第3ベルトを、大腿部に装着した第2ベルトの後側内寄り位置と腹部に装着した第1ベルトの後側外寄り位置を斜めにつなぐように配置すると、第3ベルトがでん部を押え筋肉を内旋させると同時に引き上げるかたちになり、さらに姿勢及び体形の矯正の効果が高い。
そして、姿勢が矯正された状態で体形が矯正されるので腰痛が解消し、長期間継続して装着しているあいだ矯正された姿勢及び体形が維持された状態で筋肉が付いてくると、この腹部サポーターの助けを借りなくても自然に矯正された姿勢及び体形を維持できるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を参照して、本発明を具体的に説明する。
図1及び図2に示すのは本発明に係る腹部サポーターであり、腹部に装着される第1ベルト1と、両大腿部に装着される一対の第2ベルト2、3と、第1ベルト1と各第2ベルト2、3を斜めにつなぐ一対の第3ベルト4、5からなり、第2ベルト2、3と第3ベルト4、5は第1ベルト1の下で左右に対称的に配置され、かつ第3ベルト4、5は第1ベルト1側から第2ベルト2、3側へ互いに内向きに近接するように斜め下方に延び、第2ベルトの内側端部近傍に連結している。この例ではベルトは伸縮性のある素材から一体成形されている。
また、第1ベルト1の一端と第2ベルト2、3の外側端には面ファスナー6〜8が取り付けられ、それぞれ第1ベルト1、第2ベルト2、3の表側の任意の位置に貼り付け固定できるようになっている。
【0008】
図3はその腹部サポーターの装着状態を示すもので、(a)は腹側、(b)は背中側からみた図である。第1ベルト1は下腹部に巻かれてこれを締め付け、第2ベルト2、3はそれぞれ大腿部に巻かれてこれを締め付け、第3ベルト4、5は大腿部に装着した第2ベルト2、3の後側内寄りの位置Aと、下腹部に装着した第1ベルト1の後側外寄り位置Bを斜めにつなぎ、張った状態とされている。
【0009】
この腹部サポーターを装着すると、第1ベルト1の緊張力で腹部が引き締められ、第3ベルト4、5が第2ベルト2、3に斜めの引張力を加え、この第2ベルト2、3により大腿部には内向き(図3(a)参照)のひねり作用が加えられ、ひざ間接を含めて脚全体が正しい方向を向き、大腿部の筋肉が内旋しかつ引き上げられて引き締まり、姿勢が矯正される。また、第3ベルト3、4がでん部を斜め下から押し付けるので、でん部の筋肉が内側(図3(b)参照)に押され同時に引き上げられ、これによりさらに姿勢及び体形が矯正される。
【0010】
なお、上記の例では、各ベルト1〜5は伸縮作用を持つ素材から一体成形したが、これらは一体成形したものでなくてもよいし、異なる材質のものを組み合わせることもできる。第1ベルト1及び第2ベルト2、3において、伸縮作用は締め付け作用と位置ずれの防止に有効であるが、必ずしも伸縮作用を持たなくてもよい。また、第1ベルト1及び第2ベルト2、3の少なくともその内側は滑りにくい材質からなることが好ましく、例えばネオプレンゴムを内側に張った素材、ウレタン樹脂発泡体等を挙げることができる。第3ベルトの伸縮作用は大腿部に弾性力に基づくひねり作用を与え、でん部への押し付け力や体の自由な動きへの追随性の意味からも有用であるが、必ずしも伸縮作用を持たなくてもよい。
【0011】
次に、図4及び図5に示すのは一体成形されていない腹部サポーターの例である。
図4の腹部サポーターは、第1ベルト11と、第2ベルト12及び第3ベルト14、第2ベルト13及び第3ベルト15の3つの部分に分かれており、第3ベルト14、15の上端にはそれぞれ面ファスナー16、17が取り付けられ、第1ベルト11の表側に取り付けられた面ファスナー(受け部)18、19に貼り付けられるようになっている。この腹部サポーターは、第3ベルト14、15の左右の位置及び縦方向の長さを面ファスナー16、17と面ファスナー18、19の長さ及び幅の範囲内で適宜調整できるので、各人のでん部の大きさや縦の長さに合わせることができる利点がある。なお、面ファスナー20は第1ベルト11の他端に取り付けた面ファスナー(受け部)に貼り付けられ、面ファスナー21、22は面ファスナー(受け部)23、24に貼り付けられる。
【0012】
図5の腹部サポーターは、第1ベルトが31a、31bの2つに分割されていて、それぞれに第2ベルト32、33及び第3ベルト34、35が一体に取り付けられ、第1ベルト31a、31bは背中側で面ファスナー36と面ファスナー(受け部)37により一体化できるようになっている。この腹部サポーターは、第3ベルト34、35の間隔を面ファスナー37の長さの範囲内で調整できるので、各人のでん部の大きさに合わせることができる利点がある。なお、面ファスナー38は第1ベルト31aの端部に取り付けた面ファスナー(受け部)に貼り付けられ、面ファスナー39、40は面ファスナー(受け部)41、42に貼り付けられる。
【0013】
【発明の効果】
本発明の腹部サポーターは、装着したときに下腹が突き出た体形と悪い姿勢を同時に矯正する作用を持ち、体形の矯正を効果的に行うことができる。また、装着したときに体形を矯正する効果があるだけでなく、装着を継続しているあいだに筋肉が付いてくると、自然に下腹が付き出ていない引き締まった体形及び正しい姿勢が維持されるようになる。
なお、この腹部サポーターは腰痛防止の効果があるため、コルセットの代わりに装着することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る腹部サポーターの平面図である。
【図2】 それをやや立体的に示した図である。
【図3】 それを装着したときの図で、(a)は腹部側から見た図、(b)は背中側からみた図である。
【図4】 本発明に係る他の腹部サポーターをやや立体的に示した図である。
【図5】 同じく本発明に係る他の腹部サポーターをやや立体的に示した図である。
【符号の説明】
1、11 第1ベルト
2、3 第2ベルト
4、5 第3ベルト
6、7、8 面ファスナー
11 第1ベルト
12、13 第2ベルト
14、15 第3ベルト
31a、31b 第1ベルト
32、33 第2ベルト
34、35 第3ベルト

Claims (3)

  1. 腹部に装着される第1ベルト(1)と、両大腿部に装着される一対の第2ベルト(2,3)と、第1ベルト(1)と各第2ベルト(2,3)をつなぎ、装着時に大腿部にそれぞれ内向きのひねり作用を与える連結部からなり、前記連結部は、第1ベルト(1)と各第2ベルト(2,3)を斜めにつなぐ一対の第3ベルト(4,5)であり、前記第3ベルト(4,5)は、大腿部に装着した第2ベルト(2,3)の後側内寄り位置と腹部に装着した第1ベルト(1)の後側外寄り位置を斜めにつなぐものであることを特徴とする腹部サポーター。
  2. 腹部に装着される第1ベルト(1)と、両大腿部に装着される一対の第2ベルト(2,3)と、第1ベルト(1)と各第2ベルト(2,3)を斜めにつなぐ一対の第3ベルト(4,5)からなり、第2ベルト(2,3)と第3ベルト(4,5)は第1ベルト(1)の下で左右にほぼ対称的に配置され、かつ第3ベルト(4,5)は第1ベルト側(1)から第2ベルト(2,3)側へ互いに内向きに近接するように延びていることを特徴とする腹部サポーター。
  3. 上記第3ベルト(4,5)は、大腿部に装着した第2ベルト(2,3)の後側内寄り位置と腹部に装着した第1ベルト(1)の後側外寄り位置を斜めにつなぐものであることを特徴とする請求項2に記載された腹部サポーター。
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