JP3849668B2 - 電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塵埃を吸引する電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイナスイオン発生装置は、高電圧回路により発生させた高電圧を離れた電極間に印加し、その空気層を介した電極間の放電か、電極間の絶縁体表面上での放電により空気中に負電荷である電子を放出させて空気中の水分等を負に帯電させるか、あるいは金や白金表面に紫外線を照射し、金属中の電子を空気中にたたき出すことによって同じく空気中の水分等を負に帯電させてマイナスイオンを発生させていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−338744号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のマイナスイオン発生装置は、放電方式の場合、マイナスイオン発生と同時に有害なオゾンも副産物として発生してしまったり、放電のために高圧回路を使用するため、その高電圧により感電や火災の危険を伴ったりしていた。また、紫外線照射方式の場合、使用する紫外線は人体に有害であるため、直接人体、特に眼に照射されないように配慮が必要であった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、安全かつ非常に簡単な機構で、マイナスイオンを容易に且つ多量に連続的に発生させて、集塵性能および使用性を向上させる電気掃除機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、床ノズルと、前記床ノズルに着脱自在に装着される小型ノズルとを備え、前記小型ノズルは、先端部および下面部に開口を有する吸込室を有し、前記下面部の開口には前記開口に臨んで回転自在に設けられ外周に紡績布を有する回転子と、前記紡績布との摩擦によりマイナス電荷を放出するイオン発生体とを有し、前記先端部の開口には前記回転子の回転数を調節する風量調節弁を設けた構成において、前記小型ノズルを床ノズルに装着した場合には、前記風量調節弁を開いて先端部の開口で前記床ノズルとの空気流路を形成し、前記小型ノズル単独の場合には、前記下面側の開口からの吸引風により前記回転子を回転させて前記イオン発生体を摩擦するようにしたことにより、小型ノズル単体で用いた状態でも、床ノズルでは無理な狭い場所の掃除をイオンの効果で床面のごみを効率的に除去できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、床ノズルと、前記床ノズルに着脱自在に装着される小型ノズルとを備え、前記小型ノズルは、先端部および下面部に開口を有する吸込室を有し、前記下面部の開口には前記開口に臨んで回転自在に設けられ外周に紡績布を有する回転子と、前記紡績布との摩擦によりマイナス電荷を放出するイオン発生体とを有し、前記先端部の開口には前記回転子の回転数を調節する風量調節弁を設けた構成において、前記小型ノズルを床ノズルに装着した場合には、前記風量調節弁を開いて先端部の開口で前記床ノズルとの空気流路を形成し、前記小型ノズル単独の場合には、前記下面側の開口からの吸引風により前記回転子を回転させて前記イオン発生体を摩擦するようにしたことにより、小型ノズル単体で用いた状態でも、床ノズルでは無理な狭い場所の掃除をイオンの効果で床面のごみを効率的に除去できる。
【0008】
本発明の請求項2に記載の発明は、小型ノズルの下面部の開口に少なくとも1つ以上配設され表面が帯電列表からプラス側に帯電しやすい材質の起毛布からなる回転子とを備え、前記回転子は吸込室内に流れ込む気流および/または前記吸込室内を流れる気流により回転し、前記吸込室内に前記起毛布の材質と帯電順位の異なるマイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する材料で構成したイオン発生体を設け、前記起毛布と前記イオン発生体との摩擦力でイオン発生体がマイナスに帯電し、イオンを発生させるもので、回転子を空気の流れで回転させるため、モータ等の機械的駆動源が不要であり、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項3に記載の発明は、起毛布に直接気流が当たることで、回転子が回転するもので、起毛布のみの構成でその他に機構部品を用いないため構造が単純で、信頼性が高く低価格な吸込具を提供することができる。
【0010】
本発明の請求項4に記載の発明は、起毛布の繊維を倒伏させるとともに、前記倒伏している繊維の先端側から、気流を起毛布に当てるもので、倒伏している繊維の先端側から、気流を起毛布に当てることで、倒伏している繊維が風受けとなり、強い回転力が得られ、拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0011】
本発明の請求項5に記載の発明は、回転子の回転軸に対して、略垂直に起毛布の繊維を倒伏させたもので、倒伏している繊維が風受けとなり、強い回転力が得られ、拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0012】
本発明の請求項6に記載の発明は、起毛布材質は帯電順位が正側のナイロンや羊毛などで構成し、発生体材質は帯電順位が負側のフッ素樹脂や塩化ビニルなどで構成したもので、この時摩擦で回転子の起毛布はプラスに帯電しているので、マイナスイオンにより床面のごみをマイナスに帯電させ、プラスに帯電した回転子の静電引力が強くなるので効率的に集塵できる。
【0013】
本発明の請求項7に記載の発明は、小型ノズルの下面開口部近傍に帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質からなるブラシを交互に形成して構成されるブラシ群とを備え、前記ブラシ群と被掃除面を摩擦させたとき、前記帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質からなるブラシが摩擦し合うことで、マイナスイオンを発生させるもので、被掃除面とブラシ群とが直接接触していることから、被掃除面の塵埃にマイナスイオンを効率良く吸着させることができ、さらにブラシ群の掻き上げ力で被掃除面の塵埃を効率的に集塵できる。
【0014】
本発明の請求項8に記載の発明は、ブラシ群を、1枚の基布上に設けたもので、帯電順位の異なるブラシ同士の摩擦効率が向上されるため、マイナスイオンの発生量が増大し、被掃除面に効果的にマイナスイオンを拡散でき、効率良く集塵することができる。また、安価で帯電順位の異なるブラシを有するブラシ群を形成できる。
【0015】
本発明の請求項9に記載の発明は、掃除機本体が内蔵する吸引風を発する電動送風機に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具が連通する電気掃除機で、使用性の高い電気掃除機を提供できる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例を、図1〜図9を用いて説明する。
【0017】
本実施形態は、図1に示すような床移動型の電気掃除機1及びその塵埃吸込口となる吸込具3について示すものである。この電気掃除機1は、先端に吸込具3を着脱可能に装着した延長管2は、手元ハンドル(手元操作筒)4に連結され、手元ハンドル4から延出するホース6はホース継ぎ手5によって掃除機本体7に連結されている。
【0018】
上記吸込具3は、図2(a)、(b)に示すように、床ノズル11とそれに着脱自在に装着される小型ノズル10からなり、小型ノズル10は、前記延長管2に連結するための連結部となる連結管9と、後方が前記連結管9に上下傾動自在に接続され前部が吸気ヘッド40に回転自在に連結された回動連結部(回動連結手段)8を備えている。
【0019】
床ノズル11に対する小型ノズル10の着脱は、床ノズル11に設けられた操作レバー13を押し下げることにより小型ノズル10を把持する保持具12の把持状態が解放されて小型ノズル10を床ノズル11から離脱させることができ、小型ノズル10を用いて狭い場所の掃除ができ、保持具12内に小型ノズル10を載せて軽く押圧することにより小型ノズル10は床ノズル11に装着され、床ノズル11を用いて床面の掃除を効率よく行なうことができる。
【0020】
上記床ノズル11は、図3に内部構成を示すように、所謂パワーノズルとして構成され、ブラシ(図示せず)とゴムブレード(図示せず)とを回転軸20aに取り付けた回転ブラシ20をモータ21によって回転駆動し、絨毯等から塵埃を掻き出す機能を備えている。また、図4に示すように、床ノズル11前方内壁にはイオン発生体19が設けられている。イオン発生体19は、各物質をプラスからマイナスの電荷を発生しやすさを列に表記した帯電列表から、マイナス側に帯電しやすいフッ化樹脂(テフロン(登録商標))および塩ビなどで形成されている。なお、回転ブラシ20のブラシの材質は帯電列表からプラス側に帯電しやすいナイロン、羊毛などで構成されることが望ましい。
【0021】
次に、床ノズル11に対する小型ノズル10の着脱構造について、図5及び図6を参照して説明する。
【0022】
図5及び図6において、床ノズル11に形成された小型ノズル収納凹部26内には、その断面形状に沿うように保持具(小型ノズル着脱手段)12が配設されている。保持具12はその中央のヒンジ部分で左右一対に接続され、図5に示す解放状態と、図6に示す把持状態とに切り換え操作することができ、その操作は前記操作レバー13の押し下げにより、図5に示す解放状態、即ち小型ノズル10の離脱状態とし、保持具12内に小型ノズル10を押し入れることにより、図6に示す把持状態、即ち小型ノズル10の装着状態とすることができる。
【0023】
図5に示す離脱状態では、保持具12は中央のヒンジ部分から左右に展開した状態にあり、保持具12内に小型ノズル10を押し入れると、ヒンジ部分の中央部に配設された押圧部材29が押圧されて下がるので、保持具12は小型ノズル収納凹部26の底面側に下り、図5に示すように、小型ノズル10の吸気ヘッド40部位を包み込むように把持する。前記押圧部材29の下降と共に、それに連結された駆動部材32が支持部材31に軸支されたロッド30の一端を押し下げるので、ロッド30の他端に設けられた操作レバー13は、図6に示すように上昇位置になる。上記押圧部材29、ロッド30、支持部材31、駆動部材32は、保持具12と共に小型ノズル着脱手段38を構成する。なお、操作レバー13は、支持部材31および駆動部材32の回動支点を中心に、弾性材(ばね)31aにて常に上方に付勢されている。
【0024】
この保持具12による小型ノズル10の装着状態をより確実にするためには、図示するように小型ノズル10の両側面に外方に付勢された係止ピン33を設け、これに対応して保持具12に係止凹部34を形成すると、小型ノズル10が保持具12内に押し入れられたとき、係止ピン33が係止凹部34内に嵌り込み、床ノズル11に対する小型ノズルの安定した装着状態が得られる。尚、保持具12には、小型ノズル10に設けられた起毛布14を収容するための起毛布収納凹部35が形成され、小型ノズル10の装着状態で起毛布14が押し潰されて変形し、その機能が損なわれることを防止している。
【0025】
図6に示す床ノズル11に対する小型ノズル10の装着状態から小型ノズル10を離脱させるには、上昇位置にある操作レバー13を押し下げると、ロッド30が支持部材31を支点として回動し、駆動部材32により保持具12のヒンジ部分を押し上げるので、保持具12が開くと同時に押圧部材29によって小型ノズル10が押し上げられ、小型ノズル10を床ノズル11から離脱させることができる。
【0026】
前述したように、小型ノズル10には吸気ヘッド40と連結管9との間を上下方向及び左右方向に回動自在に連結する回動連結部8が設けられており、図2に示すように、小型ノズル10が床ノズル11に装着された状態では、図1に示すように連結管9に延長管2を介して連結された手元ハンドル4の上げ下げに対応して連結管9が上下に傾動する。また、手元ハンドル4を回動させる動き、即ち床ノズル11の進路方向を左右いずれかの方向に変更するハンドル操作がなされるときには、進路方向に手元ハンドル4を回動させる動きが自然になされるので、回動連結部8に軸の回動が加わると、床ノズル11の後方側に回動連結部8があるため軸の回動方向に床ノズル11が回動する動きが働き、スムーズに床ノズル11の進路変更がなされる。
【0027】
小型ノズル10を床ノズル11から離脱させた状態では、小型ノズル10が回転方向に動くと扱い難くなるので、回動連結部8の回転方向の動きをロックする回転方向回動係止手段(図示せず)を設けることができる。前記回転方向回動係止手段は、バネ付勢された係止部材(図示せず)を設け、小型ノズル10が床ノズル11に装着された状態では、床ノズル11側に設けた係止解除手段(図示せず)によりバネ付勢に抗して係止部材を回転方向回動の係止状態から外すように構成すると、小型ノズル10が床ノズル11に装着された状態では回転方向回動係止手段は機能しないため、床ノズル11の上下及び回転方向の自在回動が可能となり、小型ノズル10を床ノズル11から離脱させると回転方向回動係止手段が機能して小型ノズル10の回転方向の回動をロックさせることができる。
【0028】
小型ノズル10は、図7に示すように、極細繊維の紡績布からなるカット繊維状の起毛布を螺旋状に巻きつけた2個の回転子15a、15bを、塵埃を吸引する開口を有する吸込室16に臨んで回転自在に設けている。また吸込室16側壁にはイオン発生体19が設けられている。なお、回転子15a、15bの起毛布の材質は帯電列表からプラス側に帯電しやすいナイロン、羊毛などで構成されることが望ましい。回転子15a、15bの外周に巻き付けられた起毛布の繊維は、図8に示すように、回転軸15cに対して略垂直方向(回転方向とは反対方向)の一方向に倒伏されており、かつ螺旋状に巻きつけられている。また、図9に示すように、小型ノズル10の先端部には、一端が軸支され開口17aを開閉可能なように、風量調節部である風量調節弁17が設けられ、弾性体なるバネ18によって保持されている。
【0029】
なお、本実施例においては、回転子は2個設けられているが、1個でも、また2個以上を有していても、以下に述べる拭き、掃き効果は十分発揮できる。
【0030】
上記構成における動作は、以下の通りである。
【0031】
吸込具3を用いた電気掃除機1は、小型ノズル10を床ノズル11に装着した状態にすると、幅広の床ノズル11内の回転ブラシ20が回転することによってブラシがイオン発生体19を摩擦し、イオン発生体19がマイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する。放出されたマイナス電荷は被掃除面上の塵埃に吸着し、吸引風およびブラシのプラス極性に引かれるため床面のゴミを効率的に除去できる。なお、前記小型ノズル10を床ノズル11に装着した状態においては、前記回転子15a、15bは回転は停止していて、小型ノズル10からはマイナス電荷は放出されない。
【0032】
また、床ノズル11が入らない狭い場所や階段などを掃除する必要に応じて操作レバー13を足踏みすると、腰を屈めることなく床ノズル11から小型ノズル10を離脱させることができ、小型ノズル10を用いた掃除ができるので、先端ノズルを付け替える面倒な作業は解消される。また、小型ノズル10を離脱させた床ノズル11は床面にあるので、任意に床ノズル11に小型ノズル10を押し入れると即座に床掃除に変更することができる。
【0033】
また、小型ノズル10単独で使用時は吸込室16に向かって吸引風aが流れ、前記吸引風aは、回転子15a、15bの起毛布に衝突することで、風圧により回転子15a、15bを回転させる。この時、床ノズル11と同様に小型ノズル10内の回転子15a、15bが回転することによって起毛布がイオン発生体19を摩擦し、イオン発生体19がマイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する。放出されたマイナス電荷は被掃除面上の塵埃に吸着し、吸引風および起毛布のプラス極性に引かれるため床面のゴミを効率的に除去できる。なお、本実施例においては、被掃除面と小型ノズル10の下面の隙間より、前記吸込室16へと流入する吸引風aによって回転させるものであるが、さらに、前記吸込具3の側面に開口を設け、前記開口より吸引風aを前記吸込室16内に流入させ、前記吸込室16内に流入させた吸引風により、前記回転子15a、15bを回転させる構成としてもよい。
【0034】
また、回転子15a、15bの外周に巻き付けられた起毛布の繊維は、回転軸15cに対して略垂直方向(回転方向とは反対方向)に倒伏されており、吸引風aは、その倒伏された起毛布の先端側から、前記回転子15a、15bに衝突するため、倒伏している繊維が風受けとなり、強い回転力が得られる。なお、吸引風aは、その倒伏された起毛布の先端側から、前記回転子15a、15bに衝突するが、起毛布の繊維の根元側から吸引風aが流入しなければ、回転力は得られるが、前記起毛布の先端に対して、吸引風aが左右方向に各々略45°の範囲で流入するのが望ましい。
【0035】
また、風量調節弁17は、開口17aより吸引風により押され、吸込室16の前方が開き、バネ18と力のバランスが取れる位置で静止する。これにより、風量が大きい時は吸込室16内を開放に近づけ、回転子15a、15bの回転数を下げることによる騒音防止、または風量が少ない時は、吸込室16内を密閉に近づけ回転子15a、15bの回転数を上げることにより、拭き、掃き、磨き性能の向上が実現できる。また、風量調節弁17は、床ノズル11に小型ノズル10を装着されると全開に開き空気流路を形成する。
【0036】
上記実施例では、床移動型の電気掃除機を例に挙げたが、手元ハンドル付きの小型掃除機本体に短い管路で吸込具を取り付けたハンドクリーナと称される電気掃除機に本実施形態の構成の吸込具3を適用することもでき、ハンドクリーナとしての機能を向上させることができる。
【0037】
以上により、本実施例においては、外周に起毛布を巻き付けた回転子15a、15bを、空気の流れだけで回転させることができるため、モータ等の機械的駆動源が不要であり、小型、軽量、低価格で拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0038】
また、起毛布の繊維に直接空気を当てて回転させるため、起毛布のみの構成でその他に機構部品を用いないため、構造が単純で、信頼性が高く低価格な吸込具を提供することができる。
【0039】
また、起毛布の繊維を、回転軸に対して略垂直方向(回転方向とは反対方向)に倒伏させることにより、風圧を受けることができることで、風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0040】
次に、起毛布の繊維を、一方向(回転軸に対して略垂直方向(回転方向とは反対方向))に倒伏させることによって、空気が当たった時だけ繊維が起き、風車のように風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0041】
また、起毛布を回転子の外周に螺旋状に巻きつけたもので、起毛布を螺旋状に巻きつけることにより、起毛布のつなぎ目に向かって気流が衝突することで、風を受けやすくなり、より大きな回転力が得られ拭き、掃き、磨き性能が高い吸込具を提供することができる。
【0042】
(実施例2)
次に、本発明の第2の実施例を図10〜図11を用いて説明する。なお、上記実施例と同一構成部品には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
小型ノズル10の壁面22は、図10のように円弧状に形成され、かつ複数の開口部23を有している。これは円弧軸方向の円弧頂点部位に図11に示すような帯電順位の異なるブラシから成るブラシ群27が1枚の基布36上で装着され、その両側に下面開口部23が開口し、それぞれの脇にもブラシ群27が装着されているものである。
【0044】
上記構成における動作は、以下の通りである。
【0045】
掃除の際、ブラシ群27と被掃除面が摩擦し、そのとき、帯電順位がプラス側の材質から成るブラシ34とマイナス側の材質から成るブラシ35が擦れ合うことにより、マイナス側の材質から成るブラシ35が、マイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する。このマイナス電荷を放出するブラシ35が被掃除面と接触することにより、被掃除面の塵埃にマイナスイオンを効率良く吸着させることができる。また、このようにノズル下面を円弧状に形成することにより、階段などの直行する各面にブラシ群27が接するので、マイナスイオンを効果的に拡散させることができ、加えて凹部の塵埃も効率良く掻き出すことができる。さらに下面開口部23を複数設けていることで効率良く塵埃を吸引除去することができる。また、安価で帯電順位の異なるブラシを有するブラシ群を形成できる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、小型ノズル単体でも床ノズルでは無理な狭い場所の掃除をイオンの効果で床面のごみを効率的に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す電気掃除機用吸込具を接続した電気掃除機の斜視図
【図2】 (a)同電気掃除機用吸込具の平面図
(b)同電気掃除機用吸込具の側面図
【図3】 同電気掃除機用吸込具の内部構成を示す平面図
【図4】 同電気掃除機用吸込具の中央断面図
【図5】 同電気掃除機用吸込具の着脱構造を説明する離脱状態の断面図
【図6】 同電気掃除機用吸込具の着脱構造を説明する装着状態の断面図
【図7】 同電気掃除機用吸込具の小型ノズルの下面図
【図8】 同電気掃除機用吸込具の小型ノズルの回転子の斜視図
【図9】 同電気掃除機用吸込具の小型ノズルの側断面図
【図10】 (a)本発明の第2の実施例を示す電気掃除機用吸込具の小型ノズルの側面図
(b)同電気掃除機用吸込具の下面図
(c)同電気掃除機用吸込具の正面図
【図11】 同電気掃除機用吸込具の図10(b)のA−A断面拡大図
【符号の説明】
1 電気掃除機
2 延長管(管路)
3 吸込具
7 掃除機本体
8 回動連結部(回動連結手段)
9 連結管(連結部)
10 小型ノズル
11 床ノズル
12 保持具
13 操作レバー
15a、15b 回転子
15c 回転軸
23 開口部
27 ブラシ群
34 ブラシ
36 基布
38 小型ノズル着脱手段
40 吸気ヘッド
Claims (9)
- 床ノズルと、前記床ノズルに着脱自在に装着される小型ノズルとを備え、前記小型ノズルは、先端部および下面部に開口を有する吸込室を有し、前記下面部の開口には前記開口に臨んで回転自在に設けられ外周に紡績布を有する回転子と、前記紡績布との摩擦によりマイナス電荷を放出するイオン発生体とを有し、前記先端部の開口には前記回転子の回転数を調節する風量調節弁を設けた構成において、前記小型ノズルを床ノズルに装着した場合には、前記風量調節弁を開いて先端部の開口で前記床ノズルとの空気流路を形成し、前記小型ノズル単独の場合には、前記下面側の開口からの吸引風により前記回転子を回転させて前記イオン発生体を摩擦するようにした電気掃除機用吸込具。
- 小型ノズルの下面部の開口に少なくとも1つ以上配設され表面が帯電列表からプラス側に帯電しやすい材質の起毛布からなる回転子とを備え、前記回転子は吸込室内に流れ込む気流および/または前記吸込室内を流れる気流により回転し、前記吸込室内に前記起毛布の材質と帯電順位の異なるマイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する材料で構成したイオン発生体を設け、前記起毛布と前記イオン発生体との摩擦力でイオン発生体がマイナスに帯電し、イオンを発生させる請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
- 起毛布に直接気流が当たることで、回転子が回転する請求項2記載の電気掃除機用吸込具。
- 起毛布の繊維を倒伏させるとともに、前記倒伏している繊維の先端側から、気流を起毛布に当てる請求項3記載の電気掃除機用吸込具。
- 回転子の回転軸に対して、略垂直に起毛布の繊維を倒伏させた請求項4記載の電気掃除機用吸込具。
- 起毛布材質は帯電順位が正側のナイロンや羊毛などで構成し、発生体材質は帯電順位が負側のフッ素樹脂や塩化ビニルなどで構成した請求項2から5のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具。
- 小型ノズルの下面開口部近傍に帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質からなるブラシを交互に形成して構成されるブラシ群とを備え、前記ブラシ群と被掃除面を摩擦させたとき、前記帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質からなるブラシが摩擦し合うことで、マイナスイオンを発生させる請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
- ブラシ群を、1枚の基布上に設けた請求項7記載の電気掃除機用吸込具。
- 掃除機本体が内蔵する吸引風を発する電動送風機に、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具が連通する電気掃除機。
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