JPH10295594A - 帯電ノズルと帯電マフラー付き吸引掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 静電気の吸引力を空気の吸引力に加えて、吸
引能力を増やすとともに、集塵袋からの微細な塵芥の漏
れを防止し、併せて消音効果を高める。 【解決手段】 ノズルの縁に負電荷２２を帯電させたの
こぎり状の導体３を巻き、絶縁体で覆う。導体は塵芥に
負電荷を帯電させるので、塵芥は正電荷２３に帯電した
回転ブラシ９に付着する。回転ブラシが回転してノズル
の内側の負電荷を帯電した部分７に接触すると、回転ブ
ラシは正電荷を失って吸着力を失い、付着していた塵芥
はパイプの中に吸引される。集塵袋１３や集塵用の紙パ
ックは正電荷を帯電しているので、塵芥が付着すると、
塵芥を相互に吸着させ、集塵袋から塵芥を放出させな
い。排気部には帯電した小パイプの束１４を設け、排気
中の塵芥を吸着して塵芥を掃除機外に放出しないように
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、吸引掃除機の吸入ノズ
ル部と集塵部と排気部に静電気を帯電させて塵芥の吸引
効率を高め、塵芥を再放出させない工夫をしたものであ
り、更に排気部にマフラーを設けることで吸引力を落と
さないで消音性を高めた吸引掃除機に関するものであ
る。本発明によって、塵芥に帯電させながら吸引するの
で、床に静電気の力で吸いついていた髪の毛や糸くずや
微細な塵芥も取り除ける。またマフラーによって排気部
がふさがれないので吸引力を落とさないで、消音効果を
高めることができ、マフラーを帯電させることで、排気
中の微細な塵芥を排気しないようにできる。

【０００２】

【従来の技術】従来、吸引掃除機の吸引ノズル部にはプ
ラスチック樹脂のカバーや回転ブラシが使われているの
で、床とノズルの間の摩擦によって静電気が発生してい
た。そのため塵芥も静電気をおび、帯電した微細な塵芥
は空気の吸引力では取り切れず、床に付着したまま取り
残されていた。微細な塵芥は見えにくいので吸引掃除機
の使用者は満足していたが、取り残された微細な塵芥に
含まれるダニやバクテリアや花粉が、アトピー性皮膚炎
や様々な健康障害の原因になっていることが、近年明ら
かになってきた。そこで、静電気を帯びて床にへばりつ
いた塵芥を取り除く吸引掃除機が望まれていた。

【０００３】従来、集塵部の集塵袋や紙パックには空気
が通過できる繊維を用いるので、その繊維のすき間の大
きさより小さい塵芥は排気中に含まれて、室内に放出さ
れていた。微細な塵芥は室内と吸引掃除機内を巡回し、
帯電して床や壁に吸着するのみで室内から取り除かれる
ことはなかった。空気中に飛散した塵芥中に含まれるダ
ニの死骸や糞や、花粉を、室内の人間は吸い込み、花粉
症やぜんそくの原因になっていた。

【０００４】排気部に帯電させたフィルターを設けるこ
とで排気中の微細な塵芥を吸着する試みはされていたが
フィルターを増やすことで、掃除機の吸引力を弱めてし
まい、その吸引力の低下を補うために、高出力のモータ
ーを使うので音が大きくなった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、空気の吸引
力では取り切れない静電気を帯びた塵芥を、吸引し排気
中に放出させないことと、音を小さくすることを可能に
した吸引掃除機である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】吸引掃除機のノズルの縁
に負電荷に帯電した導電体を包んだ絶縁体を取り付け、
ノズルの周囲に負電荷を放出させ周囲の塵芥に負電荷を
帯電させる。正電荷に帯電した導電体を包んだ絶縁体の
回転ブラシに、負電荷に帯電した塵芥が吸着される。回
転ブラシの上部を、負電荷に帯電したノズルの内側部分
に接触させると、回転ブラシの上部の電荷はなくなり、
回転ブラシに付着した塵芥の電荷もなくなるので、塵芥
はパイプの中に吸引される。

【０００７】集塵袋や集塵用の紙パックに正電荷を帯電
させ塵芥を相互に吸着させることで、微細な塵芥を逃が
さないようにする。

【０００８】排気部に、膨張室を設け、多数の孔をあけ
た小パイプを束にしたマフラーを取り付ける。小パイプ
の束の吸入口側は負電荷に吐出口側は正電荷に帯電させ
る。集塵袋や集塵用の紙パックからもれた微細な塵芥は
帯電した小パイプ内に付着するので、室内に再放出され
る塵芥は少なくなる。

【０００９】排気の気流を多数の小さな孔を開けた多数
の小パイプに通すことで多数の小さな気流にしてしま
う。多数の小さな気流は互いに干渉しあい音波を打ち消
しあうので、モーターの音を小さくできる。マフラーは
複数の膨張室にまたがって取り付けるので、排気の気流
は膨張し圧力は更に弱まり音を更に小さくできる。

【００１０】

【作用】本発明は静電気の吸着力を、吸引掃除機のノズ
ル部と集塵部と排気部に利用した発明である。

【００１１】本発明は気流を小気流に分けることで小気
流が干渉しあって音波が打ち消しあい音が小さくなるこ
とと、気体が膨張すると気体の圧力が弱まり音が小さく
なることを、吸引掃除機の排気部に利用した発明であ
る。

【００１２】

【請求項１の実施例】本発明は吸引掃除機のノズルのふ
ちと回転ブラシ部分に静電気を帯電させた吸引掃除機で
ある。それを図１、２で説明すれば、パイプ２を取り付
けたノズル１の縁に導電体３を取り付け負電荷を帯電さ
せ、絶縁体５で覆う。導電体３はのこぎりの刃のように
ぎざぎざな形にし、先をとがらせて電荷密度を高くした
部分４を床面に向けて取り付ける。導電体３の先をとが
らせた部分４は絶縁体５で覆わないで負電荷を放電しや
すくしておく。

【００１３】図３、４で説明すれば、ノズル１の縁に導
体３を取り付け、導体の先をとがらせた部分４を床１０
に向け、絶縁体５で覆う。回転ブラシの軸６の回りに円
筒状の導体８を設け正電荷を帯電させる。導体８の回り
に絶縁体の回転ブラシ９を取り付け、正電荷を帯電させ
る。回転ブラシ９の上部のノズル１の内側部分に導体７
を取り付け絶縁体５で覆い、負電荷を帯電させる。正電
荷に帯電している回転ブラシ９がノズル１の内側の導体
７を覆う負電荷に帯電している絶縁体５に触れると電荷
を失う。

【００１４】負電荷を帯電した塵芥は正電荷を帯電した
回転ブラシ９に吸着され、回転ブラシ９が回転すると、
ノズル１の内側の負電荷に帯電した部分に触れること
で、順次、回転ブラシは電荷を失い、付着した塵芥は、
回転ブラシを離れてパイプの中に吸引される。

【００１５】

【請求項２の実施例】本発明は吸引掃除機の集塵用の集
塵袋や集塵用の紙パックに静電気を帯電させた吸引掃除
機である。図５、６で説明すれば、集塵袋１３や集塵用
の紙パック１３を支える支台１９の中に導体２０を設け
絶縁体５で覆う。

【００１６】図６，７で説明すれば、支台１９の中の導
体２０に正電荷を帯電させれば、集塵袋（紙パック）１
３は正電荷２３を帯電し、集塵袋１３に吸着した塵芥２
１は静電誘導により電荷の分布が異なるため、他の塵芥
２１を吸着する。塵芥が相互に吸着することが繰り返さ
れ、集塵袋１３内の塵芥は集塵袋１３から抜け出しにく
くなる。

【００１７】

【請求項３の実施例】本発明は吸引掃除機の排気部に静
電気を帯電させたマフラーを複数の膨張室にまたがって
設けた吸引掃除機である。図面５、８、９で説明すれ
ば、掃除機本体１８のモーター１５の後ろに複数の膨張
室３１を設けその中に着脱可能なマフラー１４を取り付
ける。マフラー１４は多数の孔２６を開けた多数の小パ
イプ２５を束にした形態である。

【００１８】図面１０、１１で説明すれば、マフラーを
支える支台２７の中に導体２８を設け絶縁体５で覆う。
マフラー１４の吸入口１１の導体２８は負電荷２２を帯
電させ、吐き出し口１２の導体２８は正電荷を帯電させ
る。

【００１９】図１２で説明すれば音波２９がマフラー１
４の小パイプ２５内を通過するとき、小パイプ２５内の
多数の孔２６を通過する気流が互いに干渉しあって音波
を打ち消しあうので小パイプを通過した音波２９は非常
に弱いものになる。図５、１１で説明すればファン１６
で圧縮された排気は複数の膨張室３１で膨張するので圧
力が弱まり、音波は弱くなる。

【００２０】

【発明の効果】請求項１の発明により、塵芥に負電荷を
帯電できるので空気の吸引力と共に、静電気の吸引力を
利用して塵芥を吸収できる。空気の吸引力だけの場合で
は、床に静電気の力でへばりついた糸くずや、髪の毛
や、微細な塵芥を吸収しにくかったが、本発明により静
電気の吸着力で床に付着している塵芥は、すべて吸引す
ることができる。但し、別の力で床に接着している塵芥
は吸収されない。

【００２１】請求項２の発明により、従来、集塵袋や集
塵用の紙パックからすり抜けていた塵芥を集塵袋や紙パ
ックに吸着させておくことができる。

【００２２】請求項３の発明により、排気中の微細な塵
芥を掃除機の吸引力を弱くしないでマフラー内に吸着さ
せ、掃除機外に再放出しないようにできる。

【００２３】請求項３の発明により、掃除機の吸引力を
弱くしないで、ファンやモーターの回転音を静かにでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】ノズルの正面図であり、ノズルの周囲の絶縁体
の中の導体を表現している。

【図２】ノズルの縁の断面図である。

【図３】ノズルの断面図である。

【図４】ノズルの底面図である。

【図５】掃除機本体の断面図である。

【図６】集塵袋や紙パックとそれを支える支台である。

【図７】集塵袋や紙パックに塵芥が接触したときの概念
図である。

【図８】複数の膨張室内のマフラーの図である。

【図９】マフラーを構成する小パイプの断面図である。

【図１０】マフラーとマフラーの支台の側面図である。

【図１１】膨張室内のマフラーとマフラーの支台の正面
図である。

【図１２】マフラー内の小パイプ内を流れる音波の概念
図である。

【図１３】本発明に関する回路の概念図である。

【符号の説明】

１ ノズル部分 ２ パイプ部分 ３ ノズルの縁の導体 ４ 導体の先をとがらせた部分 ５ 導体を覆う絶縁体 ６ 回転ブラシの軸 ７ ノズルの内側天井部分の導体 ８ 回転ブラシの中の導体 ９ 回転ブラシ １０ 床 １１ 吸入口 １２ 吐出口 １３ 集塵袋か集塵用紙パック １４ マフラー １５ モーター １６ ファン １７ 車輪 １８ 掃除機本体 １９ 集塵袋か紙パックの支台 ２０ 支台の導体 ２１ 塵芥 ２２ 負電荷 ２３ 正電荷 ２４ 導体を床に接触させないすき間 ２５ 小パイプ ２６ 孔 ２７ マフラーを支える支台 ２８ 支台の中の導体 ２９ 音波 ３０ 電源 ３１ 膨張室

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吸引掃除機のノズルのふちと回転ブラシに
   静電気を帯電させた吸引掃除機。
2. 【請求項２】吸引掃除機の集塵用の集塵袋や紙パックに
   静電気を帯電させた吸引掃除機。
3. 【請求項３】吸引掃除機の排気部に膨張室と静電気を帯
   電させたマフラーを設けた吸引掃除機。