JPH05317212A - 電気掃除機の床ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 床面の状態に対応してブレードの突出量を自
動的に調整することのできる電気掃除機の床ブラシを得
ること。 【構成】 ロータリブラシ１０のシャフト１１に対向し
て溝２０ａ，２０ｂを設け、この溝２０ａ，２０ｂ内に
ロータリブラシ１０の回転速度に対応してこの溝２０
ａ，２０ｂから突出するブレード１２ａ，１２ｂを設け
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明、電気掃除機に係り、さら
に詳しくは床ブラシに設けたロータリブラシの改良に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は通常の電気掃除機の全体構成を示
す斜視図である。図において、１は電動送風機や集塵室
等を備えた掃除機本体、２は電源コードである。３はゴ
ム等の弾性材からなり、一端が掃除機本体１の吸込口に
接続されたホースで、他端には手元操作部５を有する手
元パイプ４が連結されている。

【０００３】６は手元パイプ４に接続された延長パイプ
で、先端部には床ブラシ７が接続されている。この床ブ
ラシ７には、図８に示すように上下動可能に軸止された
エルボ８が設けられており、床ブラシ７はこのエルボ８
を介して延長パイプ６に接続されているので、エルボ８
が上下に回動することにより延長パイプ６に対する床ブ
ラシ７の傾斜角が自由に変化し、床ブラシ７の下面が床
面に密着し易くなる。

【０００４】図８は一部を断面で示した床ブラシ７の下
面図である。１０はシャフト１１にブレード１２ａ，１
２ｂが装着されたロータリブラシ、１３はベルト、１４
は電動モータで、電動モータ１４の回転はベルト１３を
介してロータリブラシ１０に伝達される。１５は電動モ
ータ１４の制御部、１６は制御部１５に電源を導入する
電源導入部である。なお、ロータリブラシ１０のシャフ
ト１１に装着されたブレード１２ａ，１２ｂは、図９に
示すように断面きのこ状に形成されており、シャフト１
１に対向して設けた直線状あるいはスパイラル状で断面
凸状の溝１１ａ，１１ｂに、その頭部を嵌入して脚部を
シャフト１１から突出させたものである。なおブレード
１２ａ，１２ｂの代りにブラシ状のシャフトを設けたも
のもある。

【０００５】上記のような電気掃除機により掃除を行な
う場合は、電源コード２を電源に接続し、手元パイプ４
を手に持ち、操作部５の電源スイッチをＯＮして掃除機
本体１内の電動送風機に通電し、駆動する。そして床ブ
ラシ７を床面に沿って摺動させれば、床面上の塵埃は空
気と共に床ブラシ７、延長パイプ６、ホース３を通って
掃除機本体１内に吸引され、集塵室に設けた集塵袋内に
集塵される。カーペット等の上を掃除する場合は、操作
部５のパワースイッチをＯＮして床ブラシ７の制御部１
５へ信号を送り、電動モータ１４を駆動してロータリブ
ラシ１０を回転させ、ブレード１２ａ，１２ｂによりカ
ーペット内の塵埃をかき上げて吸引し、効率よく掃除を
行なう。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような電気掃除
機は、シャフト１１に設けたブレード１２ａ，１２ｂの
突出量が固定されているため、突出量の設定にあたって
は、最も塵埃のかき上げ量を要求される状況下において
その性能を満足するような量に基づいて決定されてい
た。このため、あまりかき上げ性能を要求されない場合
においても同様な回転がなされるため、ロータリブラシ
１０の駆動に余分な動力を消費し、不経済であった。ま
た、ブレード１２ａ，１２ｂの突出量が一定のため、カ
ーペット、畳、板の間等、床面の状態が異なる場合にお
いても、ブレード１２ａ，１２ｂをそれぞれの床面の状
態に適合する突出量に調整することができなかった。

【０００７】本発明は、上記の課題を解決すべくなされ
たもので、床面の状態に対応してブレードの突出量を自
動的に調整することのできる電気掃除機の床ブラシを得
ることを目的としたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明に係る電気掃除機
の床ブラシは、ロータリブラシのシャフトに対向して溝
を設け、この溝内にロータリブラシの回転速度に対応し
て該溝から突出するブレードを設けたものである。ま
た、上記の床ブラシにおいて、シャフトの溝を除く外周
面に第２のブレードを設けたものである。

【０００９】

【作用】ロータリブラシが停止し又は回転速度が低いと
きは、ブレードは溝内に位置するか又は僅かに突出する
ので、この状態で板の間や畳の上を掃除する。ロータリ
ブラシの回転速度が高くなると、ブレードは遠心力によ
り突出するので、この状態でカーペットなどの塵埃をか
き上げ、掃除を行なう。また、シャフトの外周面に第２
のブレードを設けた場合は、ロータリブラシが低速回転
のときは第２のブレードで板の間を磨きながら掃除をし
たり、畳の目の中の塵埃をかき上げながら掃除をしたり
する。ロータリブラシを高速回転させるとブレードが突
出するので、カーペットなどの掃除を行なう。

【００１０】

【実施例】

実施例１．図１は本発明実施例の要部を示す一部断面
図、図２はそのＡ−Ａ断面で示した作用説明図である。
なお、図９で説明した従来例と同じ部分にはこれと同じ
符号を付し、説明を省略する。本実施例においては、ブ
レード１２ａ，１２ｂを嵌入するためにシャフト１１に
対向して設けた断面凸状の溝２０ａ，２０ｂの拡大部２
１ａ，２１ｂを従来より深く形成し、これに嵌入したブ
レード１２ａ，１２ｂの頭部が半径方向に移動しうるよ
うになっている。

【００１１】２２ａ，…２２ｎはシャフト１１に対向し
て設けた溝２０ａ，２０ｂの拡大部２１ａ，２１ｂを連
通する貫通穴で、シャフト１１の長さ方向にほぼ等間隔
で複数個設けられている。２３は貫通穴２２ａ，…２２
ｎ内に挿入されたコイル状の圧縮ばねで、その両端部は
それぞれブレード１２ａ，１２ｂの頭部に一体的に結合
されており、図２の（ａ）に示すように、常時両ブレー
ド１２ａ，１２ｂを中心部側に引寄せている。このと
き、両ブレード１２ａ，１２ｂの先端部は、溝２０ａ，
２０ｂ内に位置するか、又は僅かに溝２０ａ，２０ｂか
ら突出している。

【００１２】上記のように構成した本実施例において、
電動モータに通電してロータリブラシ１０を回転させる
と、ブレード１２ａ，１２ｂの先端部はシャフト１１の
回転によって生じる遠心力によって図２（ａ）の状態か
ら外周方向に突出し、シャフト１１がある回転速度に達
すると、図２の（ｂ）に示すようにブレード１２ａ，１
２ｂの頭部が溝２０ａ，２０ｂの肩部に当って最大突出
量に達し、その位置に保持される。シャフト１１の回転
速度が低下するとブレード１２，１２ｂはこれに対応し
て中心部側に移動し、停止すると図２（ａ）の状態に戻
る。

【００１３】このように、ブレード１２ａ，１２ｂの溝
２０ａ，２０ｂからの突出量は、シャフト１１の回転に
よる遠心力と、ばね２３による向心力とのバランスによ
って決定されるので、シャフト１１の回転速度が大きけ
ればブレード１２ａ，１２ｂの突出量は大きく、回転速
度が小さければ突出量も小さくなる。

【００１４】したがって、例えば畳や板の間を掃除する
ときは、ロータリブラシ１０を停止して床ブラシ７を摺
動させれば、ブレード１２ａ，１２ｂはシャフト１１の
溝２０ａ，２０ｂ内にあるか又は僅かに突出した状態で
掃除ができるので、床ブラシ７をスムーズに摺動させる
ことができる。また、必要に応じてロータリブラシ１０
を低速回転せさて掃除を行なえば、ブレード１２ａ，１
２ｂは遠心力によりシャフト１１から若干突出するの
で、床面上を摺接させながら塵埃を吸引することができ
る。そして、いずれの場合も余分な電力を消費せず、そ
の上低い運転音で効率よく掃除を行なうことができる。

【００１５】カーペット等の掃除を行なう場合は、ロー
タリブラシ１０を高速回転させ、ブレード１２ａ，１２
ｂをシャフト１１から最大量突出させて床ブラシ７を摺
動させれば、ブレード１２ａ，１２ｂはカーペット内の
塵埃をかき上げて吸引するので、効率よく掃除を行なう
ことができる。

【００１６】実施例２．図３は本発明に係るロータリブ
ラシの第２の実施例の断面図である。本実施例は、シャ
フト１１に設けた溝２０ａ，２０ｂの拡大部２１ａ，２
１ｂの底部と、ブレード１２ａ，１２ｂの頭部との間
に、シャフト１１の長さ方向にほぼ等間隔で複数個のコ
イル状のばね２３ａ，２３ｂを介装したもので、その作
用効果は第１の実施例の場合と同様である。

【００１７】実施例３．図４は本発明に係るロータリブ
ラシの第３の実施例の断面図である。２４ａ，２４ｂは
対向して設けた直線状あるいはスパイラル状の幅広の溝
である。２５ａ，２５ｂはゴム、塩化ビニールの如き弾
性材からなる中空で断面楕円形状のブレードで、取付具
２６ａ，２６ｂにより溝２４ａ，２４ｂの底部に固定さ
れている。

【００１８】上記のような本実施例においては、ロータ
リブラシ１０が停止又は低速回転のときはブレード２５
ａ，２５ｂは実線で示すように溝２４ａ，２４ｂ内に位
置し、高速回転のときは遠心力により変形し、破線で示
すように溝２４ａ，２４ｂから突出して塵埃のかき上げ
機能を備える。すなわち、ブレード２５ａ，２５ｂ自体
にばね機能を持たせたものである。

【００１９】実施例４．図５は本発明に係るロータリブ
ラシの第４の実施例の斜視図である。２８ａ，２８ｂは
ゴム、塩化ビニール、ポリエチレン等の弾性材からなる
棒部材をリンク状に連結して溝２７ａ，２７ｂ内に配設
し、その両端部をシャフト１１の両端部に巻回したばね
２９ａ，２９ｂに連結したブレードである。

【００２０】ロータリブラシ１０の停止又は低速回転時
には、ブレード２８ａ，２８ｂは（ａ）図に示すように
溝２７ａ，２７ｂ内に位置しているが、高速回転になる
と（ｂ）図に示すようにその一部が溝２７ａ，２７ｂか
ら突出し、塵埃のかき上げ機能を持つ。

【００２１】実施例５．本実施例は図６に示すように、
図１に示す第１の実施例において、シャフト１１の表面
の溝２０ａ，２０ｂを除く部分に、例えば床磨き用の起
毛材の如き第２のブレード３０ａ，３０ｂを貼付けたも
のである。

【００２２】このように構成した本実施例においては、
ロータリブラシ１０が低速回転のときはブレード１２
ａ，１２ｂは突出量が小さいか又は溝２０ａ，２０ｂ内
に位置しており、第２のブレード３０ａ，３０ｂが床面
と接触し、塵埃のかき上げ又は床磨き等の動作を行な
う。ロータリブラシ１０を高速回転させると、ブレード
１２ａ，１２ｂの突出量が大きくなり、カーペット内等
の塵埃をかき上げて掃除を行なう。

【００２３】本実施例において、第２のブレード３０
ａ，３０ｂにスポンジ状のものを使用し、これに床磨
き、畳ふき用の洗浄剤を浸み込ませてロータリブラシ１
０を低速回転させ、床や畳を掃除するようにしてもよ
い。なお、本実施例を第１の実施例に実施した場合を示
したが、同様にして第２〜第５の実施例にも実施するこ
ととができる。また、第２のブレード３０ａ，３０ｂと
しては上述の材料に限定するものではなく、適宜選択し
て使用することができ、さらに、汚れた場合は交換（貼
かえ）できるようにしてもよい。

【００２４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る床ブラシはロータリブラシのシャフトに設けた溝
内にブレードを配設し、ロータリブラシの回転速度に対
応してブレードのシャフト表面からの突出量を自動的に
調整しうるように構成し、掃除をする床面の状態に応じ
てブレードの突出量を変化させて掃除を行なうようにし
たので、大幅な省動力と騒音の低減化を実現することが
できる。また、ロータリブラシを低速回転させることに
より通常の掃除を行なうことができ、高速回転させるこ
とにより従来通りの塵埃のかき上げ性能を確保すること
ができるので、性能を大幅に向上することができる。

【００２５】さらに、上記の床ブラシにおいて、シャフ
ト表面の溝を除く部分に第２のブレードを設ければ、ロ
ータリブラシを低速回転させて板の間の床磨きや畳みの
洗浄等を簡単に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を断面で示した本発明に係るロータリブラ
シの第１の実施例の側面図である。

【図２】（ａ），（ｂ）は第１の実施例の作用説明図で
ある。

【図３】ロータリブラシの第２の実施例の断面図であ
る。

【図４】ロータリブラシの第３の実施例の断面図であ
る。

【図５】（ａ）はロータリブラシの第４の実施例の斜視
図、（ｂ）はその作用説明図である。

【図６】ロータリブラシの第５の実施例の断面図であ
る。

【図７】従来の通常の電気掃除機の全体構成を示す斜視
図である。

【図８】図７の床ブラシの底面図である。

【図９】図８の床ブラシの断面図である。

【符号の説明】

７ 床ブラシ １０ ロータリブラシ １１ シャフト １２ａ，１２ｂ，２５ａ，２５ｂ，２８ａ，２８ｂ ブ
レード ２０ａ，２０ｂ，２４ａ，２４ｂ，２７ａ，２７ｂ 溝 ２２ａ，…２２ｎ 貫通穴 ２３，２３ａ，２３ｂ ばね ３０ 第２のブレード

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転自在に配設されたロータリブラシ
   と、該ロータリブラシを回転させる電動モータとを備え
   た電気掃除機の床ブラシにおいて、 前記ロータリブラシのシャフトに対向して溝を設け、該
   溝内に前記ロータリブラシの回転速度に対応して該溝か
   ら突出するブレードを配設したことを特徴とする電気掃
   除機の床ブラシ。
2. 【請求項２】 ロータリブラシのシャフトの溝を除く外
   周面に第２のブレードを設けたことを特徴とする請求項
   １記載の電気掃除機の床ブラシ。