JP3826477B2 - 電気掃除機の床用吸込具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術】
本発明は、一般家庭で使用される電気掃除機に関するもので、特に床面のゴミの集塵効果を高めるための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機を図11を用いて説明する。
【0003】
101は掃除機本体(以下、本体と称す)、102はホース、103は手元操作部、104は延長管、105は床用吸込具である。
【0004】
じゅうたん等の掃除対象の多様化に伴い、105の床用吸込具も多様化しており、例えばじゅうたん等の掃除のためには床用吸込具にじゅうたん内のごみをかきだす回転ブラシ付きのものも増えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、電気掃除機の吸込力と床用吸込具の回転ブラシだけで集塵するため、髪の毛やペットの抜け毛等を吸い込めずに取り残すことが多い等の課題があった。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決しようとするもので、床面表面の集塵性能を高めた床用吸込具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、床面に接するように底面に設けた複数の誘電体からなるローラーと、ローラーを帯電させるための静電気発生装置と、前記静電気発生装置で発生させた静電気を前記ローラーの誘電体に帯電させる電極と、ローラーを除電するための除電装置と、ローラーに帯電した静電気を前記除電装置に導くための電極を有し、床用吸込具の移動により前記ローラーの誘電体が静電気の帯電と放電を繰り返すように前記の電極を配し、各誘電体間に、前記誘電体より高導電率の材料からなる部材を配することで、静電気を帯電させたローラーを床面に接触させて、床面の塵埃をローラーに吸着させたのち吸い込むため床面表面の集塵機能を高めると共に、著しく吸込力を高める必要がなくなり経済性を高めることができる。また、各誘電体の帯電、除電を確実に行うことができ、清掃が効率よく行われるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項記載の発明は、各誘電体間に、前記誘電体より高導電率の材料からなる部材を配したもので、床面の塵埃を静電気でローラーに吸着させたのち、さらにローラーが回転し、床用吸込具内部の吸い込み口付近に来たとき静電気を除電するため、静電気でローラーに吸着していた塵埃はローラーから離れて掃除機の吸込力により掃除機本体の集塵室に吸い込まれるため床面表面の集塵機能を高めることができる。また、各誘電体の帯電、除電を確実に行うことができ、清掃が効率よく行われるものである。
【0009】
本発明の請求項記載の発明は、静電気発生装置の電源として電池と、ローラーの回転を検出する動作検出手段を設け、前記動作検出手段の出力に応じて前記電池を静電気発生装置に接続するようにしたもので、床面の塵埃を静電気でローラーに吸着させたのち、さらにローラーが回転し、床用吸込具内部の吸い込み口付近に来たとき静電気を除電するため、静電気でローラーに吸着していた塵埃はローラーから離れて掃除機の吸込力により掃除機本体の集塵室に吸い込まれるため床面表面の集塵機能を高めることができる。また、掃除機のホース及び延長管に電力供給用の配線を必要とせず、床面の塵埃を静電気でローラーに吸着させたのち吸い込むため床面表面の集塵機能を高めることができ、さらにローラーの回転を検出した後に静電気発生装置に電力を供給するので電池の接続のスイッチ操作が不要で電池の寿命を長持ちさせることができる。
【0010】
本発明の請求項記載の発明は、床用吸込具内に、吸込気流又は真空圧で回転するファンと、前記ファンの回転で駆動される発電機とを設け、前記発電機の出力を静電気発生装置の電源としたもので、床面の塵埃を静電気でローラーに吸着させたのち、さらにローラーが回転し、床用吸込具内部の吸い込み口付近に来たとき静電気を除電するため、静電気でローラーに吸着していた塵埃はローラーから離れて掃除機の吸込力により掃除機本体の集塵室に吸い込まれるため床面表面の集塵機能を高めることができる。また、風の流れでファンを回転させて、その回転で発電機を回して得られる電力用いてローラーを帯電させ、床用吸込具の移動でローラーに塵埃が吸着し、さらにローラーが回転し、床用吸込具内部の吸い込み口付近に来たとき静電気を除電するため、静電気でローラーに吸着していた塵埃はローラーから離れて掃除機本体の集塵室に吸い込ませることができる。
【0011】
本発明の請求項の発明は、ローラーの回転軸を上下動自在に支持し、ローラーが下方に下がったときにも、帯電された誘電体を除電する位置に除電用の電極を配したもので、床面の塵埃を静電気でローラーに吸着させたのち、さらにローラーが回転し、床用吸込具内部の吸い込み口付近に来たとき静電気を除電するため、静電気でローラーに吸着していた塵埃はローラーから離れて掃除機の吸込力により掃除機本体の集塵室に吸い込まれるため床面表面の集塵機能を高めることができる。また、床用吸込具の移動により、ローラーに塵埃が吸着し、さらにローラーが回転し、床用吸込具内部の吸い込み口付近に来たとき静電気を除電するため、静電気でローラーに吸着していた塵埃はローラーから離れて掃除機の吸込力により掃除機本体の集塵室に吸い込まれるとともに、床用吸込具が床面から離れたときはローラーがその自重で下がり、除電用の電極に接することでローラーを除電するようにすることができる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
本発明の第1の実施例について図1〜図3を参照しながら説明する。
【0013】
図1のように、1は床用吸込具で内部にはローラー2、静電気発生装置3、除電装置4を有し、静電気発生装置3は掃除機本体からホース及び延長管を介して供給される電力を電源として静電気を発生し、発生した静電気は電極5を介して、ローラー2を帯電させるように構成している。
【0014】
静電気発生装置3は、図3のように構成され、商用電源16をトランス12で数千ボルトに昇圧し、床用吸込具の底面を基準電位14を接続し、床面の電位に対し、電極5が数千ボルトになるように構成している。
【0015】
また、除電装置4は電極6を介してローラー2に接触しており、ローラー2に帯電した静電気を速やかに放電する構成としている。
【0016】
なお、電極5および電極6を導電性のブラシにすることで、確実に接触させかつ、回転動作の抵抗を小さくできる。
【0017】
図2のようにローラー2は床面に接する部分にあり、8、9、10の複数の誘電体から構成され、誘電体の相互間は8、9、10の誘電体よりやや高い導電率の誘電体で構成し、8、9、10の誘電体それぞれが帯電するようにしている。
【0018】
この構成により、床用吸込具1が前進するとローラー2は回転し、電極5から静電気が供給され、図2の誘電体8は帯電し、さらにローラー2が回転して帯電したまま誘電体10の位置にくると床面の塵埃が、静電気によりローラー2に吸着する。
【0019】
塵埃が吸着したままのローラー2がさらに回転するとやがて、帯電した誘電体は電極6に触れて除電され、吸着した塵埃は静電気による吸着力がなくなるためローラー2から離れ掃除機の吸込力によって吸い込み口7から吸い込まれる。
【0020】
なお、静電気発生装置の入り切りは手元操作部等で、掃除機本体の電源と同時に行うように、制御すると良い。
【0021】
(実施例2)
つぎに第2の実施例について図4〜図6を用いて説明する。
【0022】
以下、第1の実施例と同一部分については同一符号を用いてその説明を省略する。
【0023】
本実施例の構成は図4のように、床用吸込具1内部には、第1の実施例と同様にローラー2、除電装置4、及び静電気発生装置3を有しており、さらに静電気発生装置3の電源となる電池17を有している。
【0024】
動作検出手段18にてローラー2が回転しているときだけ静電気発生装置3に電力供給されるように制御し、さらに直流−交流変換器22にて交流に変換して昇圧しやすくしている。
【0025】
動作検出手段18はローラー2の回転を検出して電池17の電源を入り切りするもので、図6のようにスイッチ19がローラー2の回転と同時に回転するギヤ23の回転でON/OFFを繰り返しているときのみ通電されるようにしている。これはコンデンサ21を電源ラインに直列に接続することでスイッチ19がONした瞬間だけ、電池17から電流が流れコンデンサ20に充電した電力を次段に供給する構成である。
【0026】
このようにして、静電気発生装置3にはローラー2が回転しているときだけ、すなわち床用吸込具を操作しているときだけ通電されるようになり、使用者がスイッチ操作等をする事なく自動的に通電が行われ、使用していないときの電池の放電がない。
【0027】
なお、床用吸込具1の操作時の塵埃の集塵動作は第1の実施例と同一であるので説明を省略する。
【0028】
(実施例3)
つぎに第3の実施例について図7〜図9を用いて説明する。
【0029】
以下、第1の実施例と同一部分については同一符号を用いてその説明を省略する。
【0030】
本実施例の床用吸込具1の電源部以外の機構的な構成は図1と同じであり、説明を省略する。
【0031】
図7に示すとおり、掃除機の吸込力によって矢印のように風が流れることにより、ファン24が高速で回転し、ファン24は発電器25の軸に接続されているため、ファン24の回転により発電器25で交流発電される。
【0032】
この発電器25で発電された電力を電源として、図8のように構成されることで、静電気発生装置3にて静電気が発生される。
【0033】
この構成により、掃除機使用時の吸込力で静電気が発生し、第1の実施例と同様に塵埃がローラー2に吸着することで集塵能力が高まる。
【0034】
(実施例4)
つぎに第4の実施例について図9〜図10を用いて説明する。
【0035】
以下、第1の実施例と同一部分については同一符号を用いてその説明を省略する。
【0036】
図10に示すように本実施例ではローラー2は回転軸11の軸受け部27は上下方向に長くなっており、ローラー2は自重で上下動する構成となっている。
【0037】
同図Aの通り、床面に置かれている場合は静電気を帯電させるための電極5と、除電させるための電極6がローラー2に接し、第1の実施例と同様の動作をする。
【0038】
そして、同図Bのように床面から持ち上がると、ローラー2は自重で下がり床用吸込具1の底面部8及び29に接触する。
【0039】
床用吸込具1の底面部28及び、29は除電用電極6と同電位になるよう接続されている。
【0040】
この構成により、床用吸込具1が床面から離れたときは露出しているローラー2は除電される。
【0041】
なお、ローラー2の軸11と軸受け部27の間にバネを使用して、床用吸込具1が床面から浮いたときは除電されるように構成しても良い。
【0042】
また、図9に示すように床用吸込具1を浮かしたときの空気の吸い込み口を確保するために、吸気口26を構成している。
【0043】
【発明の効果】
発明によれば、掃除機の吸込力に加え、静電気を用いて吸込力だけでは取りにくい床面の塵埃を効率的に集塵することができるとともに、誘電体を複数にすることで連続的に塵埃を収集することができる優れた電気掃除機を提供することができる。
【0044】
本発明の請求項記載の発明によれば、各誘電体間に高導電率の部材を配したことで、各誘電体間で相互に干渉することがないので、各誘電体の帯電、除電を確実に行うことができ、清掃が効率よく行われるものである。
【0045】
本発明の請求項記載の発明によれば、電池を用いることで静電気を発生させる手段に用いる電源の配線がホース、延長管内部に不要であるため、ホース、延長管の重量が重くなることがない優れた電気掃除機を提供することができる。
【0046】
本発明の請求項記載の発明によれば、吸込力を利用して発電して静電気を発生させる手段に用いることで、電源用の配線がホース、延長管内部に不要であるため、ホース、延長管の重量が重くなることがなく、電池などの交換が不要である優れた電気掃除機を提供することができる。
【0047】
本発明の請求項記載の発明によれば、床用吸込具を床面から浮かしたときには外部に露出する部分から静電気を除電するので触れても電気ショックがない優れた電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例を示す電気掃除機の床用吸込具の構造図
【図2】 同電気掃除機の床用吸込具の断面図
【図3】 同電気掃除機の床用吸込具の回路ブロック図
【図4】 本発明の第2の実施例を示す電気掃除機の床用吸込具の構造図
【図5】 同電気掃除機の床用吸込具の回路ブロック図
【図6】 同電気掃除機の床用吸込具のスイッチ部の構成図
【図7】 本発明の第3の実施例を示す電気掃除機の床用吸込具の構造図
【図8】 同電気掃除機の床用吸込具の回路ブロック図
【図9】 本発明の第4の実施例を示す電気掃除機の床用吸込具の外観図
【図10】 同電気掃除機の床用吸込具の断面図
【図11】 従来の電気掃除機の外観斜視図
【符号の説明】
1 床用吸込具
2 ローラー
3 静電気発生装置
4 除電装置
7 吸い込み口
8、9、10 誘電体
16 商用電源
17 電池
22 直流−交流変換器
24 ファン
25 発電機

Claims (4)

  1. 電気掃除機本体にホース、延長管等を介して接続され底面に開口部を有する吸込口を配した床用吸込具を備え、前記床用吸込具に前記開口部より突出して周面が床面に接する複数の誘電体からなる回転自在のローラーと、前記誘電体を電極を介して帯電させる静電気発生装置と、前記誘電体を電極を介して除電する除電装置とを設け、前記床用吸込具の床面での移動に伴いローラーが回転するとともに、前記誘電体の帯電と除電をくり返すようにし、前記各誘電体間に、前記誘電体より高導電率の材料からなる部材を配した電気掃除機。
  2. 電気掃除機本体にホース、延長管等を介して接続され底面に開口部を有する吸込口を配した床用吸込具を備え、前記床用吸込具に前記開口部より突出して周面が床面に接する複数の誘電体からなる回転自在のローラーと、前記誘電体を電極を介して帯電させる静電気発生装置と、前記誘電体を電極を介して除電する除電装置と、前記静電気発生装置の電源として電池と、ローラーの回転を検出する動作検出手段を設け、前記床用吸込具の床面での移動に伴いローラーが回転するとともに、前記誘電体の帯電と除電をくり返すようにし、前記動作検出手段の出力に応じて前記電池を静電気発生装置に接続するようにした電気掃除機。
  3. 電気掃除機本体にホース、延長管等を介して接続され底面に開口部を有する吸込口を配した床用吸込具を備え、前記床用吸込具に前記開口部より突出して周面が床面に接する複数の誘電体からなる回転自在のローラーと、前記誘電体を電極を介して帯電させる静電気発生装置と、前記誘電体を電極を介して除電する除電装置と、前記床用吸込具内に、吸込気流又は真空圧で回転するファンと、前記ファンの回転で駆動される発電機とを設け、前記床用吸込具の床面での移動に伴いローラーが回転するとともに、前記誘電体の帯電と除電をくり返すようにし、前記発電機の出力を静電気発生装置の電源とした電気掃除機。
  4. 電気掃除機本体にホース、延長管等を介して接続され底面に開口部を有する吸込口を配した床用吸込具を備え、前記床用吸込具に前記開口部より突出して周面が床面に接する複数の誘電体からなる回転自在のローラーと、前記誘電体を電極を介して帯電させる静電気発生装置と、前記誘電体を電極を介して除電する除電装置とを設け、前記床用吸込具の床面での移動に伴いローラーが回転するとともに、前記誘電体の帯電と除電をくり返すようにし、前記ローラーの回転軸を上下動自在に支持し、ローラーが下方に下がったときにも、帯電された誘電体を除電する位置に除電用の電極を配した電気掃除機。
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