JP4401619B2 - 電気掃除機用吸込具及びそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸込具内にイオンを発生させて集塵性能の向上を図った電気掃除機用吸込具及びそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマイナスイオン発生装置は、特開2001−338744公報のように、高電圧回路により発生させた高電圧を離れた電極間に引火し、その空気層を介した電極間の放電か、電極間の絶縁体表面上での放電により空気中に負電荷である電子を放出させて空気中の水分等を負に帯電させるか、あるいは金や白金表面に紫外線を照射し、金属中の電子を空気中にたたき出すことによって同じく空気中の水分等を負に帯電させてマイナスイオンを発生させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のマイナスイオン発生装置は、放電方式の場合、マイナスイオン発生
と同時に有害なオゾンも副産物として発生してしまったり、放電のために高圧回路を使用するため、その高電圧により感電や火災の危険を伴ったりしていた。また、紫外線照射方式の場合、使用する紫外線は人体に有害であるため、直接人体、特に眼に照射されないように配慮が必要であった。
【0004】
本発明は、上記課題を解決し、安全かつ非常に簡単な機構で、マイナスに帯電した被掃除面上のごみを、ブラシの掻き上げ力と静電引力とを用いて集塵させて、集塵性能の向上させる電気掃除機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、電気掃除機本体と連通する接続管を有する吸込具本体と、ブラシとブラシを保持するホルダーとで構成される回転ブラシと、前記ホルダー内部に内蔵され前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記回転ブラシを有する吸込室内に、前記回転ブラシのブラシ材質より帯電順位が負側の材料で構成した発生体を設け、回転ブラシのブラシと発生体との摩擦力により、発生体を負に帯電させると共に前記回転ブラシのブラシを正に帯電させて、前記正に帯電した回転ブラシのブラシと被掃除面上のマイナスに帯電したごみとの静電引力と、前記回転ブラシのブラシの掻き上げ力とを用いてごみを集塵し、さらに前記ホルダーの材料はブラシの帯電順位と前記発生体材料の帯電順位との間にある材料で形成したことにより、回転ブラシのブラシの掻き上げ力に加えて、静電引力の効果で床面のごみを効率的に集塵できる。また、ブラシに静電吸引されたごみがホルダーに付着すること無く電気掃除機に吸い込まれる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、電気掃除機本体と連通する接続管を有する吸込具本体と、ブラシとブラシを保持するホルダーとで構成される回転ブラシと、前記ホルダー内部に内蔵され前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記回転ブラシを有する吸込室内に、前記回転ブラシのブラシ材質より帯電順位が負側の材料で構成した発生体を設け、回転ブラシのブラシと発生体との摩擦力により、発生体を負に帯電させると共に前記回転ブラシのブラシを正に帯電させて、前記正に帯電した回転ブラシのブラシと被掃除面上のマイナスに帯電したごみとの静電引力と、前記回転ブラシのブラシの掻き上げ力とを用いてごみを集塵し、さらに前記ホルダーの材料はブラシの帯電順位と前記発生体材料の帯電順位との間にある材料で形成する構成とした。よって回転ブラシのブラシの掻き上げ力に加え、床面のマイナスに帯電したごみと、プラスに帯電した回転ブラシのブラシとの静電引力で効率的に集塵できる。また、ブラシに静電吸引されたごみがホルダーに付着すること無く電気掃除機に吸い込まれる。
【0007】
本発明の請求項2記載の発明は、上記のように電気掃除機本体の吸引力に加え、静電引力とブラシの掻き揚げ力とを利用して集塵力を向上させた電気掃除機用吸込具を備えることでより効率的に床面のごみを集塵できる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。
【0009】
図1から図5においては、本発明の1実施例を示すもので、吸込具本体1は絨毯などの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ2を内蔵し、回転ブラシ2が臨むように下方に開口した吸込口3を設けている。また、後部に延長管4と接続される接続管5を回転自在に設けている。掃除機本体6は、内部に塵埃を集塵する集塵室7と電動送風機8を備えており、この掃除機本体6に設けた接続口9に、延長管4に接続したホース10を接続し、吸込具本体1の接続管5を接続口9まで連通するように構成している。
【0010】
吸込具本体1は、上部材11と下部材12をエラストマーやPPなどにより形成されるバンパー13を介して結合して外殻を構成されている。吸込具本体1の略中央後方部には、上部材11と下部材12に挟持されて上下に回動する吸込具パイプ14が設けられている。また、吸込具パイプ14の後方端部には接続管5が設けられている。接続管5との逆端部には吸込具本体1と接続し、上部材11と下部材12とに囲まれる空間である吸込室15が設けられており、吸込室15の被掃除面側に開口する開口部を吸込口3としている。
【0011】
回転ブラシ2は、吸込室15内部で回転自在に設けられている。この回転ブラシ2は、ABS、ポリスチロール、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で形成した略筒状のホルダー16の外周面に塵埃掻き上げ部を構成する複数のブラシ17を設けている。ブラシ17はホルダー16の長手方向に対して略平行状に挿入され、塵埃の集塵効率のためにホルダー16表面部で螺旋およびV字形状になるように構成される。なお、塵埃掻き上げ部は、ブラシ17の他、薄板状のブレード、拭き効果のある帯状体(例えば、布製の帯状体)、あるいはこれらを適宜組み合せたものであってもよい。
【0012】
このホルダー16の内部に、回転ブラシ2を回転駆動する電動機18、電動機18の回転数を減速する減速装置19などを内蔵している。電動機18は整流子電動機で構成し、商用電源電圧を整流する整流器、雑音防止器などを実装した電動機用基板20を設け、この電動機用基板20に接続管5を通して掃除機本体6に接続したリード線21を接続し、商用電源電圧を整流した電圧により駆動するように構成している。電動機18の回転数は10000rpmから15000rpmに設定し、絨毯での回転ブラシ2の回転数を1200rpmから3000rpmになるように設定してある。なお、電動機18に過電流が流れたときに保護する過電流防止装置22は正特性サーミスタなどで構成している。なお、本実施例においては、回転ブラシ2を駆動させる手段として、ホルダー16内部に電動機18を内蔵しているが、これ以外の手段として電動機と回転ブラシの間にベルトを張架して駆動させる手法や、回転ブラシのブラシ部に吸引風を当てることで駆動させる手段がある。
【0013】
電動機18は、リミットスイッチのオン・オフにより供給電源をオン・オフされることで駆動・停止を制御するスイッチ部23が設けられている。スイッチ部23により吸込具本体1が被掃除面に接触状態か、空中に持ち上げられているかを判定し、接触状態のときのみ回転ブラシ2が駆動するようになっている。
【0014】
吸込具パイプ14と吸込具本体1が接続する開口部に対向する吸込室15内部壁には、上部材11と下部材12に挟持されて保持される発生体ユニット24が構成されている。発生体ユニット24は、各物質をプラスからマイナスの電荷を発生しやすさを列に表記した帯電列表から、マイナス側に帯電しやすいフッ化樹脂(テフロン)および塩ビなどで形成された発生体25と、発生体25を保持する保持板26によって構成されている。
【0015】
また、ブラシ17は、帯電列表からプラス側に帯電しやすいナイロン、羊毛などで構成されることが望ましい。
【0016】
ホルダー16に設けられている各ブラシ17と発生体25がもっとも近接する位置で、ブラシ17が発生体25に0.5mm程度入り込むように接触させている。また、発生体25の底面部は、被掃除面に近接して設けてあり、被掃除面と発生体25の距離は、1mmから10mm以内にあることが望ましい。また、保持板26に発生体25を取り付けた際に、保持板26の表面から突出するように発生体25を設け、発生体25の角部にブラシ17が接触するように構成することが望ましい。また、発生体25の厚みは0.1mm以上に設定することが望ましい。
【0017】
発生体25のブラシ17と接触する表面部には、特に加工をされている必要はないが、ブラシ17とより接触量を増すために、表面部に凹凸加工や、トムソンやプレスにより半抜き加工を施して長手方向に対して略水平および略垂直、クロスハッチなどの加工がなされていることが望ましい。また、この他に表面層を荒すためにシボなどの加工をなされていることも望ましい。
【0018】
次に動作、作用について説明すると、掃除機本体6が通電状態のとき、スイッチ部23が被掃除面を検知することで掃除機本体6からホース10、延長管4、接続管5を介して電動機18に電動機用基板20を介してリード線21から供給され、電動機18、減速装置19を介して駆動力が回転ブラシ2に伝達される。
【0019】
回転ブラシ2は、吸込具本体1を前進させたときに、被掃除面を後方に掻き出すように回転しており、ブラシ17によって被掃除面上の塵埃が掻き上げられると吸込室15から接続管5、延長管4、ホース10、接続口9を介して集塵室7に塵埃が集められる。塵埃を集塵するための吸引風は、掃除機本体6の電動送風機8により発生されており、その吸引風が吸込具本体1で集塵に使用されている。
【0020】
帯電列表の順位でいくとプラス側およびマイナス側の両極に位置する物質で構成されるブラシ17および発生体25を擦りあわせると、発生体25がマイナス側に帯電して、ブラシ17はプラス側に帯電する。被掃除面上のマイナスに帯電した塵埃は、吸引風およびブラシ17のプラス極性に引かれるため吸込口3から集塵されていく。
【0021】
これにより、特に現在の家屋で使用されてきている木床などのフローリング清掃において磨いて集塵する効果を向上することができるために、より快適な掃除作業および掃除効果が期待できるものである。
【0022】
なお、前記実施例においては、回転ブラシ2を駆動させる手段として、ホルダー16内部に電動機18を内蔵しているが、これ以外の手段として電動機と回転ブラシの間にベルトを張架して駆動させる手法や、回転ブラシのブラシ部に吸引風を当てることで駆動させることでも同様の効果を期待することもできるものである。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、安全かつ非常に簡単な機構で、マイナスに帯電した被掃除面上のごみを、ブラシの掻き上げ力と静電引力とを用いて集塵でき、更にブラシに静電吸引されたごみがホルダーに付着することも無く、集塵性能を向上した電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における吸込具本体の要部断面拡大図
【図2】 同吸込具本体の中央断面図
【図3】 同吸込具本体の上部材を外した上面図
【図4】 同吸込具本体に設ける発生体の表面加工の例を示す図
【図5】 同吸込具本体に設ける発生体の表面加工の他の例を示す図
【図6】 同吸込具本体に設ける発生体の表面加工の他の例を示す図
【図7】 同吸込具本体に設ける発生体の表面加工の他の例を示す図
【図8】 同吸込具本体を設けた電気掃除機の全体斜視図
【図9】 同各物質における帯電列表を示す図
【符号の説明】
2 回転ブラシ
15 吸込室
17 ブラシ
25 発生体
Claims (2)
- 電気掃除機本体と連通する接続管を有する吸込具本体と、ブラシとブラシを保持するホルダーとで構成される回転ブラシと、前記ホルダー内部に内蔵され前記回転ブラシを回転駆動する電動機と、前記回転ブラシを有する吸込室内に、前記回転ブラシのブラシ材質より帯電順位が負側の材料で構成した発生体を設け、回転ブラシのブラシと発生体との摩擦力により、発生体を負に帯電させると共に前記回転ブラシのブラシを正に帯電させて、前記正に帯電した回転ブラシのブラシと被掃除面上のマイナスに帯電したごみとの静電引力と、前記回転ブラシのブラシの掻き上げ力とを用いてごみを集塵し、さらに前記ホルダーの材料はブラシの帯電順位と前記発生体材料の帯電順位との間にある材料で形成した電気掃除機用吸込具。
- 電気掃除機本体と、前記電気掃除機本体へ連通する接続管と、前記請求項1に記載の電気掃除機用吸込具とを備えた電気掃除機。
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