JP3757926B2 - 電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸込具壁面にイオンを発生させて集塵性能の向上を図った電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機用吸込具のマイナスイオン発生部としては、床ノズルの吸込部の内部に、正または負のイオンを発生するイオン発生部を備え、前記イオン発生部からのイオンを掃除部位に向かい発生する構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−253148号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、被掃除面とマイナスイオン発生部が離れているため、被掃除面上の塵埃にマイナスイオンが吸着される前にマイナスイオンが減衰してしまったり、あるいは掃除機本体の吸引力によって生成したマイナスイオンの一部が掃除機内部に吸引されたりしてしまい、効率良くマイナスイオンを被掃除面の塵埃に吸着させることができないという課題を有していた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、非常に簡単な機構で、マイナスイオンを容易に発生させ、効率良く被掃除面に拡散させることにより、集塵性能を向上させた電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、塵埃を吸引する下方開口部と、前記開口部を形成する壁面と、前記壁面に設けられ帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシを交互に形成して構成されるブラシ群とを備え、前記ブラシ群と被掃除面を摩擦させたとき、前記帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシが摩擦し合うことで、マイナスイオンを発生させ、被掃除面の塵埃に前記マイナスイオンを吸着させるもので、被掃除面とブラシ群とが直接接触していることから、被掃除面の塵埃にマイナスイオンを効率良く吸着させることができ、さらにブラシ群の掻き上げ力で被掃除面の塵埃を効率的に集塵できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、塵埃を吸引する下方開口部と、前記開口部を形成する壁面と、前記壁面に設けられ帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシを交互に形成して構成されるブラシ群とを備え、前記ブラシ群と被掃除面を摩擦させたとき、前記帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシが摩擦し合うことで、マイナスイオンを発生させ、被掃除面の塵埃に前記マイナスイオンを吸着させるもので、被掃除面とブラシ群とが直接接触していることから、被掃除面の塵埃にマイナスイオンを効率良く吸着させることができ、さらにブラシ群の掻き上げ力で被掃除面の塵埃を効率的に集塵できる。
【0008】
本発明の請求項2記載の発明は、ブラシ群を、1枚の基布上に設けたもので、帯電順位の異なるブラシどうしの摩擦効率が向上されるため、マイナスイオンの発生量が増大し、被掃除面に効果的にマイナスイオンを拡散でき、効率良く集塵することができる。また、安価で帯電順位の異なるブラシを有するブラシ群を形成できる。
【0009】
本発明の請求項3記載の発明は、壁面が円弧状に形成され、円弧軸方向の円弧頂点部位にブラシ群が装着され、一つあるいは複数の開口部を有していることにより、動き方向の吸塵幅を大きく得ることができ、コーナー部の塵埃を吸塵する効果や自在な吸塵角度を得ることができる。
【0010】
本発明の請求項4記載の発明は、電気掃除機本体の吸引力に加え、イオンを利用して集塵力を向上させた電気掃除機用吸込具を備えることで、より効率的に床面の塵埃を集塵できる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0012】
(実施例1)
図1から図3においては、本発明の第1の実施例を示すもので、吸込具本体1は、塵埃を吸引する下方開口部2と前記開口部2を形成する壁面3と、前記壁面3に設けられ帯電順位の異なるブラシから構成されるブラシ群4を有している。
【0013】
また、後部に延長管6と接続される接続管7を回転自在に設けている。掃除機本体8は、内部に吸引した塵埃を集塵する集塵室9と吸引風を発する電動送風機10を備えており、この掃除機本体8に設けた接続口11に、延長管6を接続したホース12を接続し、吸込具本体1の接続管7を接続口11まで連通するように構成している。
【0014】
吸込具本体1には、図2(a)に示すような、帯電順位がプラス側の材質から成るブラシ13とマイナス側の材質から成るブラシ14より構成されるブラシ群4が設けられている。掃除の際、このブラシ群4と被掃除面が摩擦し、そのとき、帯電順位がプラス側の材質から成るブラシ13とマイナス側の材質から成るブラシ14が擦れ合うことにより、マイナス側の材質から成るブラシ14が、マイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する。このマイナス電荷を放出するブラシ14が被掃除面と接触することにより、被掃除面の塵埃にマイナスイオンを効率良く吸着させることができる。
【0015】
さらに吸込具本体1の壁面3は、図3のように円弧状に形成され、かつ複数の開口部15を有しているものも考えられる。これは円弧軸方向の円弧頂点部位に図2に示したような帯電順位の異なるブラシから成るブラシ群4が装着され、その両側に下面開口部15が開口し、それぞれの脇にもブラシ群4が装着されているものである。このようにノズル下面を円弧状に形成することにより、階段などの直行する各面にブラシ群4が接するので、マイナスイオンを効果的に拡散させることができ、加えて凹部の塵埃も効率良く掻き出すことができる。さらに下面開口部15を複数設けていることで効率良く塵埃を吸引除去することができる。
【0016】
ブラシ材質としてはマイナス側に帯電しやすいフッ化樹脂(テフロン(R))および塩化ビニルなど、プラス側に帯電しやすいナイロン、羊毛などが選択され、マイナス側に帯電しやすいブラシとプラス側に帯電しやすいブラシの組み合わせによりブラシ群4が形成される。
【0017】
このブラシ群4は起毛布であっても構わない。起毛布はシート面上に細かい毛を密集起毛させたものであり、起毛布を用いた場合には、下面開口部15の両側を封鎖して下面開口部15の集塵能力を向上させ吸込具本体1の動きに応じて凹部の塵埃を掻き出し、被掃除面の塵埃を下面開口部15に導き、被掃除面を拭く作用効果を発揮すると共に、家具や被掃除面を傷つけないバンパーの作用も有するものである。この起毛布には同形状のフェルトを用いることもできる。
【0018】
(実施例2)
本発明の第2の実施例について、図4を用いて説明する。なお、上記実施例1と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図4(b)は、下方開口の開口部2内に設けられた帯電順位の異なるブラシから各々形成され、かつ回転自在な二つのブラシ群の構成を示している。ブラシ群16は帯電順位がマイナス側のブラシから形成されたブラシ群であり、ブラシ群17は帯電順位がプラス側のブラシから形成されたブラシ群である。ブラシ群(16、17)は、被掃除面上を吸込具本体1が動く際に生じるブラシ群(16、17)と被掃除面との抵抗力等により回転し、その回転時に、ブラシ群(16、17)が有するブラシどうしが摩擦することで、帯電順位がマイナス側のブラシ群16にマイナスイオンが発生する。また、ブラシ群(16、17)が有するそれぞれのブラシは、回転時、被掃除面に直接接触するので、効果的にマイナスイオンを被掃除面上の塵埃に吸着させることができ、さらにブラシ群が回転することでより効率的に塵埃を掻き上げることができる。なお、前記ブラシ群(16、17)は、開口部2内に吸引される吸引風により風圧を受け回転する構成やモータを用いて回転する構成であっても良いし、また、開口部2内に設けられてなくでも、前記開口部2の前方等の近傍で、吸引風が前記開口部2へと流れる流路に設けられていても同様の効果は得られる。
【0020】
図4(c)には、下方開口の開口部2内に設けられた帯電順位の異なる二つのブラシの少なくともどちらか一方が回転するようなものを示している。壁面3に設けられ固定されている帯電順位がマイナス側のブラシ群18と、回転する際に被掃除面およびブラシ群18と接するように設けられたブラシ群19が、掃除の際に生じる被掃除面の抵抗力により回転して、ブラシ群18とブラシ群19との摩擦によってブラシ群18にマイナスイオンが生じる。ブラシ群18は壁面3に設けてあるため、被掃除面に接するので、生成したマイナスイオンを効果的に被掃除面に拡散させて、集塵することができる。
【0021】
なお、前記ブラシ群19は、開口部2内に吸引される吸引風により風圧を受け回転する構成やモータを用いて回転する構成であっても良いし、また、ブラシ群(18、19)は、開口部2内に設けられてなくでも、前記開口部2の前方等の近傍で、吸引風が前記開口部2へと流れる流路に設けられていても同様の効果は得られる。
【0022】
また、帯電順位がマイナス側のブラシと、帯電順位がプラス側のブラシを1つのブラシ群として構成し、そのブラシ群が回転して、被掃除面と摩擦し、そのとき、帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシが擦れ合うことにより、マイナス側の材質から成るブラシが、マイナス側に帯電してマイナス電荷を放出する構成とすることもできる。
【0023】
さらに、ブラシ群4やブラシ群(16、17、18、19)は吸込具本体1の壁面3あるいは下方開口の開口部2内に複数存在してもよい。ブラシ群4やブラシ群16、17のセット、ブラシ群18とブラシ群19のセットを適宜組み合わせて吸込具本体1に装着することによって集塵効率をより向上させることができる。
【0024】
ブラシ群16やブラシ群18にはマイナス側に帯電しやすいフッ化樹脂(テフロン(R))および塩化ビニルなどで形成されている。一方、ブラシ群17、18プラス側に帯電しやすいナイロン、羊毛などで構成されることが望ましい。
【0025】
さらにこの実施例2においても、吸込具本体1の壁面が、図3のように円弧状に形成され且つ一つあるいは複数の開口部を有しているものが考えられる。本実施例の場合、ブラシ群は回転するので塵埃を掻き出す効率はさらに向上する。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、安全且つ非常に簡単な機構で、マイナスイオンが容易に且つ連続的に発生されるので、被掃除面にマイナスイオンが効果的に拡散されることにより、集塵性能を向上させた電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の電気掃除機の全体斜視図
【図2】 (a)同吸込具本体の下面図
(b)図2(a)のA−A断面拡大図
【図3】 (a)同吸込具本体の他の例の側面図
(b)同吸込具本体の他の例の下側面図
(c)同吸込具本体の他の例の正面図
【図4】 (a)本発明の実施例2における吸込具本体の下面図
(b)図4(a)のA−A断面拡大図
(c)図4(a)の他のA−A断面拡大図
【符号の説明】
1 吸込具本体
2、15 開口部
3 壁面
4 ブラシ群
5 基布
13 帯電順位がプラス側のブラシ
14 帯電順位がマイナス側のブラシ
16、18 帯電順位がマイナス側のブラシ群
17、19 帯電順位がプラス側のブラシ群
Claims (4)
- 塵埃を吸引する下方開口部と、前記開口部を形成する壁面と、前記壁面に設けられ帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシを交互に形成して構成されるブラシ群とを備え、前記ブラシ群と被掃除面を摩擦させたとき、前記帯電順位がプラス側の材質から成るブラシとマイナス側の材質から成るブラシが摩擦し合うことで、マイナスイオンを発生させ、被掃除面の塵埃に前記マイナスイオンを吸着させる電気掃除機用吸込具。
- ブラシ群を、1枚の基布上に設けた請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
- 壁面が円弧状に形成され、円弧軸方向の円弧頂点部位にブラシ群が装着され、一つあるいは複数の開口部を有して成る請求項1または2記載の電気掃除機用吸込具。
- 吸引風を発する電動送風機を内蔵した掃除機本体を備え、前記電動送風機と請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具が連通して成る電気掃除機。
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