JP2004509684A - フロアツール - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機と共に用いられるフロアツールに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1に示すような円柱形または箱型の電気掃除機は、一般に、本体10を備えている。この本体10は、サイクロン分離器またはバッグのような分離装置11を有していて、入って来る汚れた気流から、ごみやほこりを分離する。汚れた気流は、本体10と接続されたホース15及び棒状パイプ16アセンブリを経由して、本体10に導入される。掃除機の本体10は、ユーザが部屋を動き回るのに合わせて、ホースによって引きずられる。クリーニングツール20は、ホース及び棒状パイプアセンブリの遠端17に取り付けられる。通常、ある範囲の掃除ツールが供給されるので、ユーザは、彼らの掃除仕事に適したツール、例えば隙間ツールやブラシツールを選ぶことができる。一般的な掃除に用いられる掃除ツールは、フロアツール20である。図2に、DYSON(商標)によって販売されているフロアツールの下面を示す。これは、登録意匠GB2,074,319に、より完全に示されている。フロアツール20は、その下側にソールプレートを有する広幅のツールであり、これは、床の表面上を滑る。ソールプレートは、吸込入口21及びこの入口21に通じている吸込溝22〜25を有している。このツール20は、ユーザによって、床の表面に沿って前方及び後方に押される。空気は、吸込溝22〜25を経由して、入口21の中に引き込まれる。空気は、ツールの端にある入口を経由して、そして、ツールのソールプレートと床の表面との間の漏れによって、溝22〜25に達する。フロアツール20が、床の表面上を通過すると、ごみ、ほこり及びその他の破片が、吸込溝22〜25に沿って吸込入口21まで運ばれ、そして、ホース及び棒状パイプ15,16に沿って電気掃除機の本体10内の分離器11まで運ばれる。
【0003】
図1に示した類のフロアツールは、堅い床の表面上では十分に機能するが、じゅうたんを敷いた床上では、あまり効果的ではない。じゅうたんの上には、毛、毛羽、及び、その他の繊維の材料、すなわち、ひとまとめにして「糸くず」と呼ばれるものが捕らえられている。従って、じゅうたんを敷いた床上でのフロアツールの拾い上げる性能を向上させるために努力が払われた。いくつかのツールは、吸込入口に取り付けられた回転するブラシを有していて、直立型電気掃除機のブラシバーと同じ方法で、床の表面を揺り動かす。このブラシは、空気タービンを用いて、もしくは、掃除機の本体から得られる電源によってパワーを供給される電動機によって回転することができる。しかしながら、このタイプのツールは、受動的なフロアツールより高価である。
【0004】
より受動的な方法にフロアツールを改良するためにも努力が払われた。フロアツールは、通常、ソールプレート上に取り付けられた1つ以上の糸くずピッカー30,35を有している。糸くずピッカーは、複数の細かい毛のふさが固定された細長い生地である。全てのふさは、ソールプレートに対して同じ方向に並べられている。糸くずピッカーは、一方通行のゲートの働きをする。すなわち、この糸くずピッカーは、フロアツールが床に沿って押されるとき、糸くずが、糸くずピッカーの下を通過するようにするが、フロアツールが後方へ引っ張られるとき、糸くずを阻止する。床の表面に沿って前方及び後方に繰り返されるフロアツールの動きは、糸くずを捕らえ、そして、それを巻いてボールにするので、それは、フロアツールによって吸い込むことが可能になる。各糸くずピッカーは、ソールプレートのくぼんだ部分の中に取り付けられている。しかしながら、そのようなツールの拾い上げる性能は限られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、受動的なフロアツールの拾い上げる性能を改良しようと試みるものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の様相は、床の表面を電気掃除機で掃除する際に用いられる、ソールプレートを備えているフロアツールを提供する。前記ソールプレートは、吸込溝と、糸くずピッカーとを有している。前記溝は、少なくともその1辺が、床の表面とかみ合い、これを揺り動かすのに適しているワーキングエッジと境を接している。前記糸くずピッカーは、吸込溝に並べて配置され、かつワーキングエッジによって吸込溝から分離されている。
【0007】
糸くずピッカーを収容するために、糸くずピッカーを凹所に置き、ワーキングエッジを分割する必要がないことが分かる。糸くずピッカーがワーキングエッジによって吸込溝から分離されるように配置すると、ワーキングエッジは最大限に効果的に機能し、床の表面を最大限に揺り動かす。糸くずピッカーもまた、床の表面上で機能することができる。
【0008】
ワーキングエッジに隣接していて、かつ吸込溝から離れた側のフロアツールの下面は、ワーキングエッジを含む平面に対して傾いていることが好ましい。これは、糸くずピッカーが、床の表面に、有効な動作を提供するのに十分な程度、接近している状態を維持する。
【0009】
ワーキングエッジを、最小の曲率半径を有する鋭く境界を定められた角のあるエッジにすることによって、揺り動かし動作が、更に改良されていることが好ましい。約0.2mmの半径を有するエッジが効果的であることが見いだされた。
【0010】
フロアツールを旋回軸を介して支持し、これにより、フロアツールが床の表面に沿って押されたり引かれたりするときに、吸込溝の各辺上のワーキングエッジが、交互に、床の表面と接触させられるようにすることによって、ツールの拾い上げる性能は、更に改良される。ワーキングエッジのうちの1つが、床の表面と接触させられると、他方が僅かに持ち上がり、空気が吸込溝の中に流れ込むことが可能になる。これは、床の表面を揺り動かす効果を向上させ、かつ、フロアツールを動かすのに必要な動きの抵抗すなわち押す力を減少させる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付の図を参照して説明する。
【0012】
図3及び4に示すように、フロアツール50は、下側プレート55すなわちソールプレートを有するハウジングを備えていて、これは、床の表面に沿って進むことが意図されている。図3に、ソールプレート55の全体を示す。以下の記述において、理解を容易にするために、図3における矢印Xは縦方向を示し、矢印Yは横方向を示すものとする。ソールプレート55は、その中心に設けられた空気入口60を有していて、これは、導管を介して出口100に通じている。図1に示すように、出口100は、電気掃除機のホースまたは棒状パイプに連結するのに適した寸法とされている。2つの吸込溝61,62が、入口60の各側に、ツールの横方向に伸びている。各溝は、ツールの側面に向かうにつれて深さが減少し、ツールの側面における入口63,64で終わっている。溝61,62の長さ(LC)は、ここでは、ツール全体の長さ(LT)の約3分の1であるものとして示したが、この割合は、変えることができる。溝61,62の側壁75,76は、溝の内面77に対して鋭く曲げられている。吸込溝61,62の前方及び後方に、ソールプレートが、2つの平らな表面65,66として形成されていて、この2つの平らな表面65,66は、ワーキングエッジ80,82の両方を含む平面Wに対して傾いている。平らな表面65と溝の側壁75との交線が、前方のワーキングエッジ80となっており、平らな表面66と溝の側壁76との交線が、後方のワーキングエッジ82となっている。図4に示すように、ワーキングエッジは、鋭く境界を定めていて、フロアツールが、じゅうたんを敷いた表面上で用いられるときに、効果的な揺り動かし動作を提供する。ワーキングエッジ80,82の曲率半径を0.15mmにすると、効果的であることが見いだされたが、ある範囲の他の値であっても、同様に、効果的な揺り動かし動作を提供できることは明白である。ワーキングエッジ80,82は、フロアツールの幅全体にわたって伸びている。糸くずピッカー70,72は、平らな表面65,66上に配置されていて、かつ、ワーキングエッジ80,82から間隔を開けてある。従って、ワーキングエッジは、それらの幅全体にわたって、じゅうたんを敷いた表面を揺り動かす動作を実行することができる。糸くずピッカー70,72の各々は、従来型であり、細長い生地を備えていて、この中には、複数の細かい繊維のふさが固定されている。図4に示すように、各糸くずピッカー70,72は、弓形の支持物上に固定されている。この支持物は、平らな表面65,66から外側に伸びていて、その上に、各糸くずピッカー70,72が配置されている。隣接するワーキングエッジ80,82から糸くずピッカー70,72までの間隔は、図示した間隔から変えることができる。例えば、糸くずピッカー72を、ワーキングエッジ82に、より近い位置に配置することができる。図3における糸くずピッカーは、ツール50の幅全体の約3分の1から半分である。糸くずピッカーを用いると、ユーザが床の表面に沿ってフロアツールを押す、もしくは引くのに必要な力が増大する。フロアツールの幅全体とほぼ等しくなるまで、糸くずピッカー70,72の幅を広くすることは可能ではあるが、これは、ユーザに要求される押す力の増大を招くであろう。
【0013】
図8は、フロアツールの単純化された横断面図であり、ツールの主な部品を示している。ソールプレート55は、105を旋回軸として支持部材120に連結されている。支持部材120は、床の表面に沿って転がる車輪またはローラ90,91を支持していて、かつまた、ソールプレート55からの空気を導くための吸込導管として機能する。支持部材120は、その最後尾の端を旋回軸として出口パイプ100に連結されている。図8は、ソールプレート55と支持部材120との間の旋回軸の連結部が、吸込溝60,61,62の中心の直上にあることを示している。これは、旋回軸の連結部の理想的な位置である。図5〜7に示す実施形態は、吸込溝60,61,62の上に旋回軸の連結部105を有しているが、吸込溝の死点からの片寄りを有している。
【0014】
ソールプレート55は、旋回軸を介して支持部材120に連結されている。ソールプレート55と支持部材120間の連結は、これらの部品間で、限られた程度の動きのみが可能となっている一方で、部品間では、良好な密閉が保たれている。ソールプレート55の動きは、支持部材120上の突起123,124(図7)及び125(図5)によって制限されている。ソールプレートの反時計回りの(後方への)動きは、ソールプレートの上面とかみ合う突起123,124によって制限されている。ソールプレート55の時計回りの(前方への)動きは、アーム121,122間の旋回軸点105から放射状に外側に伸びる支持部材120の面125によって制限されている。前方への可動範囲いっぱいに達したとき、ソールプレート55上の対応する放射状に伸びる面126は、面125に対してぴったり接する。
【0015】
図7に示すように、出口100は、第1の部分101及び第2の部分102を有している。第1の部分101は、車輪90,91の中心を通る軸を旋回軸として、支持部材120に取り付けられている。第2の部分102は、曲がったパイプであり、これは、第1の部分101の縦軸101aを中心として回転可能に、第1の部分101の末端に連結されている。従って、この曲がったパイプ102は回転可能となっている。このような構成は、使用の際のフロアツールの良好なレベルの操作性を可能にする。また、このような構成は、一般に、既知のフロアツールにも用いられている。曲がったパイプ部102は、図1に示したような家庭の電気掃除機の棒状パイプ16に接続可能なように形成され、かつ寸法が決められる。使用中は、空気が、矢印の方向に、ツールを通して引き込まれる。
【0016】
図9及び10に、どのようにフロアツール50が使用中に動作するかを示す。まず、図9に、床の表面に沿って前方に押されたときのフロアツール50を示す。ツールが前方に押されると、ソールプレート55は、旋回軸105(図7)を中心として回転し、前方のワーキングエッジ80が、後ろのワーキングエッジ82よりも、床の表面150に、より近づいて接触させられる。鋭いエッジ80は、表面に対して効果的な揺り動かし効果を与え、はじく動作の中で、表面のパイルをかき分け、ほこりを解放する。ほこりが解放されると、それは、吸込入口60に向かう吸込溝中の気流によって、吸込溝61,62に沿って運び去られる。また、前方の糸くずピッカー70も、床の表面に接触させられる。その下げられた位置で、前方の糸くずピッカー70は、糸くずを通過させる。後ろの糸くずピッカー72は、表面に、糸くずを有効に阻止するのに役立つのに十分な程度、接近している状態を維持する。
【0017】
図10に、床の表面に沿って後方に押されるときのフロアツール50を示す。ツールが後方に押されると、ソールプレート55は、旋回軸105を中心として回転し、後ろのワーキングエッジ82が、前方のワーキングエッジ80よりも、床の表面150に、より近づいて接触させられる。鋭いエッジ82は、前方のエッジ80が前方への動きの間に与えたのと同じ効果を与える。すなわち、それは、表面を揺り動かし、はじく動作の中で、表面のパイルをかき分け、ほこりを解放する。ほこりは、吸込入口60に向かう吸込溝中の気流によって、吸込溝61,62に沿って運び去られる。後ろの糸くずピッカー72は、床の表面150に接触させられ、糸くずを通過させる。一方、前方の糸くずピッカーは、前方への動きの間よりも高く持ち上げられ、表面150に、糸くずの通過を阻止するのに十分な程度、接近している状態を維持する。1度、フロアツールが糸くずを通過させても、その糸くずは、糸くずピッカー間で捕えられ、表面から取り除かれることが分かる。
【0018】
フロアツール50には、更に、従来の方法で、しなやかな剛毛のスカート68が設けられていて、それは、部分的にではなく、ソールプレート55を囲んでいる。このスカート68は、堅い床を掃除する際に用いられる展開された位置と、じゅうたんを掃除する際に用いられる引っ込められた位置との間で可動である。展開された位置においては、スカートが、堅い床の表面に沿って進み、床の表面からソールプレート55までの間に間隔を取るのに役立つ。引っ込められた位置においては、ソールプレート55は、床の表面と接触することができ、そして、スカート68は、じゅうたんを敷いた表面に沿ったフロアツールの動きを妨げないように、十分に引っ込められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】既知の円柱型電気掃除機を示す。
【図2】図1の掃除機と共に用いられる既知の型のフロアツールを示す。
【図3】本発明の実施形態によるフロアツールを示す。
【図4】図3のフロアツールのソールプレートを通る横断面図である。
【図5】本発明の実施形態によるフロアツールの等角図を示す。
【図6】図5のフロアツールの側面図である。
【図7】フロアツールを通る横断面図である。
【図8】フロアツールの単純化された横断面図である。
【図9】ツールが床の表面に沿って前方に動かされる際の、使用中のフロアツールのソールプレートを示す。
【図10】ツールが床の表面に沿って後方に動かされる際の、使用中のフロアツールのソールプレートを示す。
【符号の説明】
50 フロアツール
55 ソールプレート
61,62 吸込溝
65,66 表面
70,72 糸くずピッカー
80,82 ワーキングエッジ
Claims (13)
- 床の表面を電気掃除機で掃除する際に用いられる、ソールプレートを備えているフロアツールにおいて、前記ソールプレートは、吸込溝と、糸くずピッカーとを有していて、前記溝は、少なくともその1辺が、床の表面とかみ合い、これを揺り動かすのに適しているワーキングエッジと境を接していて、前記糸くずピッカーは、吸込溝に並べて配置され、かつワーキングエッジによって吸込溝から分離されている
ことを特徴とするフロアツール。 - 前記吸込溝は、ツールが床の表面に沿って押される方向と交差するツールの横方向に伸びている
ことを特徴とする請求項1に記載のフロアツール。 - 前記吸込溝の両辺が、ワーキングエッジと境を接している
ことを特徴とする請求項lまたは2に記載のフロアツール。 - ワーキングエッジに隣接していて、かつ吸込溝から離れた側のフロアツールの下面は、ワーキングエッジを含む平面に対して傾いている
ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のフロアツール。 - 前記糸くずピッカーは、傾いた下面から外側に突き出た支持物上に取り付けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のフロアツール。 - 前記支持物は、弓形に形成されている
ことを特徴とする請求項5に記載のフロアツール。 - 前記ソールプレートは、吸込出口を旋回軸として取り付けられているので、フロアツールを前方及び後方に動かすと、ワーキングエッジのうちの1つが、交互に、床の表面に、より近づいて接触させられる
ことを特徴とする請求項3から6のうちのいずれか一項に記載のフロアツール。 - 前記ワーキングエッジは、角のあるエッジである
ことを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のフロアツール。 - 前記ワーキングエッジは、0.2mmにほぼ等しい曲率半径を有している
ことを特徴とする請求項8に記載のフロアツール。 - 前記糸くずピッカーは、吸込溝の幅の3分の1以上にわたって伸びている
ことを特徴とする請求項1から9のうちのいずれか一項に記載のフロアツール。 - 前記糸くずピッカーは、吸込溝の幅のほぼ半分にわたって伸びている
ことを特徴とする請求項9に記載のフロアツール。 - 前記糸くずピッカーは、吸込溝の幅のほぼ全部にわたって伸びている
ことを特徴とする請求項10に記載のフロアツール。 - 実質上、添付の図を参照してここで述べられたようなフロアツール。
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