JP3937405B2 - 電気掃除機用吸込み具及びこれを備えた電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機用吸込み具及びこれを備えた電気掃除機 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気掃除機用吸込み具及びこれを備えた電気掃除機に関し、更に詳しくは壁際の塵埃の吸引能力の高い電気掃除機用吸込み具及びこれを備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電気掃除機用吸込み具では、回転ブラシの前面が電気掃除機用吸込み具本体のケースで覆われており、壁際の掃除をするときに回転ブラシの前面にあるケースのために回転ブラシを壁に近接させることができず、壁際の塵埃を吸引することができないという問題点があった。
【0003】
上記の問題を解決するため、従来の電気掃除機用の吸込み口体では、吸込み口本体の下面部と前面部を開口し、回転ブラシのブラシ毛を吸込み口本体の前面部から突出させて、吸込み口本体の前面部に回転ブラシを覆うように回動板を設けたものがあった。この回動板は手動で開閉することができ、床面を掃除するときは回転ブラシの前面を覆うようにして吸塵性能を高め、壁際を掃除するときは回転ブラシの上側に来るようにしてブラシ毛を吸込み口本体の前面部から突出させるようにするものであった(例えば、特許文献1参照)。なお、吸込み口体とは本発明の吸込み具に相当するものである。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−949号公報(第679頁、図1、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気掃除機用の吸込み口体では(例えば、特許文献1参照)、壁際の塵埃を吸引することができないという問題点を解決するために、手動で開閉できる回動板を設けている。しかし、壁際を掃除するときは回動板を上げて、床面を掃除するときは回動板を下げなければならず手間がかかるという問題点があった。
また、回動板や回動板を開閉するレバー等を設けなければならず、部品点数が多くなりコストが高くなるという問題点があった。
更に、回動板の周りには砂ゴミ等が侵入しやすいため、回動板が動きにくくなるという問題点があった。
【0006】
本発明は、壁際の塵埃の吸引能力が高く、掃除のときにレバー等の操作の手間が不要で、部品点数の少ない電気掃除機用吸込み具及びこれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電気掃除機用吸込み具は、回転ブラシと、該回転ブラシを回転させる駆動装置と、塵埃を吸引する吸込み口とを備え、吸込み口が回転ブラシの回転中心の後方に位置し、吸込み口の高さが回転ブラシの回転中心より低く、吸込み具本体の前方が開放され、回転ブラシのブラシ毛が吸込み具本体の前方に突出しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
図5は本発明の実施形態1に係る電気掃除機の全体を示す斜視図である。電気掃除機本体1の内部には、電動送風機、電力制御基板、コードリール等(図示せず)が内蔵されている。また、電気掃除機本体1の内部の前面側には電動送風機によって吸引された塵埃を集積するための集塵室(図示せず)が設けられている。
電気掃除機本体1の前面にはホース2が接続されており、ホース2の他端には取っ手部3、パイプ4及びパイプ5が接続されている。取っ手部3には電気掃除機を使用するときに使用者が握るための取っ手が設けられ、取っ手部3の表面には電気掃除機本体1内部の電動送風機の回転の強弱を切り替えるための操作部3aが備えられている。
なお、本実施形態1ではパイプが2本連結されているが、パイプ4又はパイプ5のいずれか1本でもよい。
【0009】
パイプ5の先端には電気掃除機用吸込み具30が着脱自在に接続されている。電気掃除機用吸込み具30は、吸込み具本体6、エルボ7、カップリング8、回転ブラシ9からなり、エルボ7をパイプ5に挿入することによってパイプ5と接続されている。電気掃除機用吸込み具30の詳細は後述の図1において説明する。吸込み具本体6には、回転ブラシを回転させる駆動装置であるモータ(図示せず)が内蔵されており、ベルト、ギア等で減速されて回転ブラシ9に伝達されて、回転ブラシ9が所定の回転数で回転するようになっている。また、モータに電力を供給するためにホース2、取っ手部3、パイプ4及びパイプ5に電線(図示せず)が配設されており、モータに供給する電力は操作部3aを操作することによって制御できるようになっている。
【0010】
図1は本発明の実施形態1に係る電気掃除機用吸込み具30の横断面図であり、図2はこの電気掃除機用吸込み具30を上側から見たときの断面の模式図である。この電気掃除機用吸込み具30は、図1に示すようにエルボ7、カップリング8、吸込み具本体6、回転ブラシ9からなっている。吸込み具本体6は、下本体ケース10、上本体ケース11及び下本体カバー12で外形が形成されており、下本体ケース10には後車輪13が取り付けられている。なお、下本体カバー12は下本体ケース10と一体に形成してもよい。カップリング8は下本体ケース10に挟持されており、カップリング8と吸込み具本体6とのなす角度が変えられるようになっている。また、カップリング8の内部の空間及び下本体ケース10と下本体カバー12で挟まれた空間は、吸収された塵埃を電気掃除機本体1へ搬送するための風路8aになっている。
【0011】
下本体ケース10の前面側には回転ブラシ9を収納するためのロータリー室14が形成されており、回転ブラシ9は下本体ケース10に着脱自在に取り付けられている。回転ブラシ9は繊維等からなるブラシ毛9aと軸9bからなり回転中心Pを中心として回転する。回転ブラシ9の回転中心Pの後方には、下本体ケース10と下本体カバー12によって吸込み口15が形成されており、吸込み口15の床面Fからの高さは一番高いところでも回転中心Pよりも低くなっている。図1では、リブ16が設けられた部分が回転中心Pよりも低くなっており、吸込み口15の高さが回転ブラシ9の回転中心Pよりも低く形成されている。
リブ16は下本体ケース10のロータリー室14側にブラシ毛9aと当接するように設けられており、回転ブラシ9のブラシ毛9aの毛足を整えるほか、ブラシ毛9aに掻き上げられた塵埃が吸込み口15に吸引されやすくする作用がある。なお、リブ16は吸込み口15付近に設けるのが望ましい。
【0012】
吸込み具本体6の前方の先端部で、ロータリー室の上方には、バンパー17が上本体ケース11と下本体ケース10に挟持されて取り付けられている。バンパー17は、例えばポリ塩化ビニル等の軟質部材で出来ており、吸込み具本体6が壁等にぶつかったときに回転ブラシ9や吸込み具本体6が損傷しないようになっている。バンパー17の下方にはブラシ毛9aと当接するように突起17aが設けられており塵埃がロータリー室14の前方から飛び出すのを防ぐようになっている。なお、バンパー17は上本体ケース11又は下本体ケース10のいずれか一方に取り付けてもよい。
【0013】
吸込み具本体6は、ロータリー室14の部分で前方に開放されており、ロータリー室14に取り付けられた回転ブラシ9のブラシ毛9aは吸込み具本体6の開放された部分から、バンパー17を含めた吸込み具本体6の前方に突出するようになっている。また、ブラシ毛9aは、吸込み具本体6を壁と床面の隅に押しつけたときには、隅の部分まで届くようになっている。なお、吸込み具本体6を壁に押しつけたときに回転ブラシ9の軸9bが損傷しないように、軸9bがバンパー17より若干後方になるようにするのが望ましい。
また、ブラシ毛9aは床面と接するようになっているが、軸9bは床面を傷つけないように床面から1ミリ以上の隙間ができるようになっている。
【0014】
下本体カバー12の下部には床面Fと当接するようにスパチュラ18が取り付けられている。スパチュラ18は吸込み口15の後方に位置し、横方向(紙面と垂直方向)の幅はほぼ回転ブラシ9の横幅と等しくなっている。また、スパチュラ18は床面を傷つけないようにポリ塩化ビニル等の軟質部材でできている。このスパチュラ18により、ブラシ毛9aによってはじかれた塵埃が後方に漏れるのを防ぎ、また床面の掃除のときに吸込み口15からの吸引力を増すことができる。
【0015】
上記の電気掃除機用吸込み具30を備えた電気掃除機で絨毯等を掃除するときは、まず操作部3aを操作して電気掃除機本体1の電動送風機に通電して吸込み口15から塵埃の吸引を開始し、それと連動するか又は操作部3aを別に操作することによって回転ブラシ9の回転を開始する。回転ブラシ9のブラシ毛9aによって後方にはじかれた塵埃は、吸込み口15から吸引され風路8aとエルボ7を通過して電気掃除機本体1に集積される。
【0016】
本実施形態1に係る電気掃除機用吸込み具30では、吸込み口15が回転ブラシ9の回転中心Pの後方に位置しているため、塵埃を効率よく吸引することができ、吸込み口15の全体の高さが回転ブラシ9の回転中心Pよりも低くなっているため床面上の塵埃の吸塵性能が高くなる。また、吸込み具本体6の前方が開放され、ブラシ毛9aが吸込み具本体6の前方に突出しているため壁際の塵埃も容易に掻き取ることができる。さらに、このような構成にすることによって回動板等の部品を設ける必要がなく、掃除の時の手間が省け、生産コストを抑えることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0017】
また本実施形態1では、スパチュラ18を取り付けたことにより、ブラシ毛9aによってはじかれた塵埃が後方に漏れるのを防ぎ、また床面の掃除のときに吸込み口15からの吸引力を増すことができる。さらに、バンパー17の下方にはブラシ毛9aと当接するように突起17aが設けられているため塵埃がロータリー室14の前方から飛び出すのを防ぐことができる。また、リブ16が下本体ケース10のロータリー室14側にブラシ毛9aと当接するように設けられているため、回転ブラシ9のブラシ毛9aの毛足を整えるほか、ブラシ毛9aに掻き上げられた塵埃が吸込み口15に吸引されやすくなる。
【0018】
実施形態2.
図3及び図4は本発明の実施形態2に係る電気掃除機用吸込み具30を上側から見たときの断面の例を示す模式図である。図3の例では、吸込み口15に繋がる風路8aが吸込み口15に向かって扇状に広がって形成されている。また図4の例では、吸込み口15に繋がる風路8aが、吸込み口15の手前で吸込み口15に向かって広がって形成されており、吸込み口の横方向の幅がほぼ回転ブラシ9と同じになっている。その他の電気掃除機用吸込み具及び電気掃除機全体の構成は、実施形態1の場合と同様である。
【0019】
本実施形態2では、図3に示すように吸込み口15に繋がる風路8aが吸込み口15に向かって広がって形成されているため、回転ブラシ9のブラシ毛9aによってはじき飛ばされた塵埃が広い範囲で吸引されるため吸塵性能を高めることができる。また図4のように吸込み口15の横方向の幅を回転ブラシ9とほぼ同じにすれば、さらに広い範囲の塵埃をスムーズに吸引することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、吸込み口が回転ブラシの回転中心の後方に位置しているため、塵埃を効率よく吸引することができ、吸込み口の高さが回転ブラシの回転中心よりも低くなっているため床面上の塵埃の吸塵性能が高くなる。また、吸込み具本体の前方が開放され、ブラシ毛が吸込み具本体の前方に突出しているため壁際の塵埃も容易に掻き取ることができる。さらに、このような構成にすることによって回動板等の部品を設ける必要がなく、掃除の時の手間が省け、生産コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係る電気掃除機用吸込み具の横断面図である。
【図2】 本発明の実施形態1に係る電気掃除機用吸込み具を上側から見たときの断面の模式図である。
【図3】 本発明の実施形態2に係る電気掃除機用吸込み具を上側から見たときの断面の一例を示す模式図である。
【図4】 本発明の実施形態2に係る電気掃除機用吸込み具を上側から見たときの断面の他の例を示す模式図である。
【図5】 本発明の実施形態1に係る電気掃除機の全体を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電気掃除機本体、2 ホース、3 取っ手部、3a 操作部、4 パイプ、5 パイプ、6 吸込み具本体、7 エルボ、8 カップリング、8a 風路、9 回転ブラシ、9a ブラシ毛、9b 軸、10 下本体ケース、11 上本体ケース、12 下本体カバー、13 後車輪、14 ロータリー室、15 吸込み口、16 リブ、17 バンパー、17a 突起、18 スパチュラ。

Claims (4)

  1. 回転ブラシと、該回転ブラシを回転させる駆動装置と、塵埃を吸引する吸込み口とを備えた電気掃除機用吸込み具において、
    前記吸込み口が前記回転ブラシの回転中心の後方に位置し、前記吸込み口の高さが前記回転ブラシの回転中心より低く、前記吸込み具本体の前方が開放され、前記回転ブラシのブラシ毛が前記吸込み具本体の前方に突出していることを特徴とする電気掃除機用吸込み具。
  2. 前記吸込み口に繋がる風路が前記吸込み口に向かって広がって形成されたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用吸込み具。
  3. 回転ブラシと、該回転ブラシを回転させる駆動装置と、塵埃を吸引する吸込み口とを備えた電気掃除機用吸込み具において、
    前記吸込み口が前記回転ブラシの回転中心の後方に位置し、前記吸込み口に繋がる風路が前記吸込み口に向かって広がって形成されており、吸込み具本体の前方が開放され、前記回転ブラシのブラシ毛が前記吸込み具本体の前方に突出していることを特徴とする電気掃除機用吸込み具。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の電気掃除機用吸込み具を備えた電気掃除機。
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