JP3656816B2 - 吸込口体及び電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸込室に回転清掃体が回転自在に設けられた吸込口体と、この吸込口体を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図9及び図10に示すように、吸込室1を有し且つこの吸込室1の吸込開口2が底面3aに形成された吸込口本体3と、吸込室1に回転自在に設けられた回転清掃体4とを備え、吸込口本体3の前部に吸込室1と外部とを連通する吸気孔5が形成された吸込口体6が知られている。
【0003】
かかる吸込口体6では、これが接続された図示を略す電気掃除機本体の駆動により吸込室1が負圧になると、被清掃面上の塵埃が吸込開口2から吸い込まれるとともに吸気孔5から外気が吸い込まれ、この吸気流が吹き付けられることにより回転清掃体4が矢印P方向に回転して被清掃面上の塵埃を掻き上げる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種の吸込口体では、吸込口本体3の底面3aに、吸込開口2の前方に位置して吸込室1の真空度を確保するためのブレードが設けられたものがあるが、吸込口体を前進させるとそのブレードの前面に押されてブレードの前方に塵埃が溜まり、前進させていた吸込口体を後退させると溜まった塵埃が被清掃面上にそのまま残り、結局はそれを吸い込むことができずに取扱いに不便であるという問題があった。
【0005】
一方、吸気孔の吸気入口が被清掃面に面してそれが塵埃を吸い込む吸込口体も開発されているが(例えば、特願平11−316496号参照)、かかる構成のものであっても吸込室の真空度を確保するための手段は施されていることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、塵埃の吸い残しが生じにくく取扱いに便利で且つ吸込室の真空度を確保することのできる吸込口体と、この吸込口体を用いた電気掃除機とを提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、吸込室を有し且つ該吸込室の吸込開口が底面に形成された吸込口本体と、前記吸込室に回転自在に設けられた回転清掃体とを備え、前記吸込口本体の前部には前記吸込室と外部とを連通する吸気孔が形成され、該吸気孔からの吸気流により前記回転清掃体が回転する吸込口体であって、前記吸気孔の吸気入口は被清掃面に面して該被清掃面上の塵埃を吸い込み、前記吸込口本体の底面には前記吸気入口の後方且つ前記吸込開口の前方に位置して集塵用の壁状部材が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の吸込口体において、前記吸気孔は、前方に向けて下方に傾斜していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の吸込口体において、前記壁状部材は、その下部が前記被清掃面に接触することを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸込口体において、前記壁状部材は、ブラシ又はブレードであることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸込口体を備える電機掃除機を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1において、10は電気掃除機本体で、この電気掃除機本体10内には集塵室11とこの集塵室11を負圧にする電動送風機12とが設けられている。集塵室11には集塵フィルタ13が設けられている。
【0013】
14は一端が電気掃除機本体10に着脱可能に接続されているホースで、このホース14の他端には手元操作管15が設けられ、手元操作管15には把手部16が設けられている。この把手部16には手元操作部17が設けられており、手元操作部17には、電動送風機12の電源を切るオフスイッチS1と、電動送風機12のパワーを強・弱に設定する強弱スイッチS2と、電動送風機12のパワーを自動設定する自動スイッチS3とが設けられている。
【0014】
手元操作管15には延長管18が着脱可能に接続され、延長管18の先端部には吸込口体19が着脱可能に接続されている。
【0015】
吸込口体19は、図2乃至図5に示すように、吸込室20を有する吸込口本体21と、吸込口本体21の後部に上下方向に回動可能に設けられて延長管18に着脱自在に接続される接続管22と、吸込口本体21の底面21aに設けられて吸込口体19の前進・後退をスムーズにする前輪47,47及び後輪48,48とを備えている。吸込口本体21の底面21aには吸込室20の吸込開口23が形成され、その吸込室20には回転清掃体24が回転自在に設けられている。回転清掃体24は複数のブレード25を有している(図6参照)。
【0016】
吸込口本体21は、下ケース26と、この下ケース26に取り付けられた上ケース27と、吸込口本体21の側部に位置する部分が下ケース26と上ケース27とに挟み込まれて保持されたバンパ28と、下ケース26と上ケース27とに挟み込まれた風路管29と、この風路管29の外周に回動自在に取り付けられた回転管30と、この回転管30に図示しないネジにより固定された断面がほぼU字形のカバー31とを有している。回転管30の後部上側には、接続管22の下端前部に設けられた軸部32が枢支され、接続管22はその軸部32を中心にして前後方向に回動可能となっている。
【0017】
下ケース26は、図6に示すように、底面21aに形成された吸込開口23を有しており、この吸込開口23の後方には吸込開口23に沿って隔壁33が形成されている。そして、下ケース26、隔壁33、上ケース27、上ケース27に形成された隔壁(不図示)、及びバンパ28によって吸込室20が区画形成されている(図5参照)。なお、その上ケース27の隔壁は下ケース26の隔壁33上に当接されている。
【0018】
下ケース26の前端両側には左右方向に延びた一対の傾斜面34,34が形成されており、この傾斜面34,34は前方に向けて下方に傾斜している。各傾斜面34の前後方向の長さ、すなわち斜面の長さは下ケース26の肉厚よりも長く設定されている。また、二つの傾斜面34,34の間には中空の筒状壁35が設けられている。
【0019】
バンパ28は、吸込口本体21の前端を保護する左右方向に延びた前ガード部36と、この前ガード部36の両端から後方に延びて吸込口本体21の側部を保護する側ガード部37,37とを有している。前ガード部36は、上ケース27の前端に沿って左右方向に延び、且つ、前方に向けて下方に傾斜した帯状に形成されている。この前ガード部36の前端36aは下ケース27の前端より前方に突出しており、前ガード部36の下面36bは前方に向けて下方に傾斜している。
【0020】
また、前ガード部36の下面36bの中央部には脚部38が形成され、この脚部38は下ケース26の筒状壁35の上面に接合されている。また、前ガード部36の下面36bの両側にも脚部39,39が形成され、この脚部39,39は下ケース26の前壁部40,40の上面に接合されている。
【0021】
前ガード部36の下面36bの傾斜角は下ケース26の傾斜面34の傾斜角より小さく設定され、また、その下面36bの前後方向の長さは上ケース27の肉厚より長く設定されている。そして、バンパ28の前ガード部36と下ケース26の傾斜面34,34とによって吸気孔41,41が形成されている。すなわち、吸気孔41,41の上側がバンパ28によって形成され、吸気孔41,41の下側が下ケース26によって形成され、各吸気孔41の吸気入口41aの上側が下側よりも前方に突出して吸気入口41aが被清掃面Qに面している。
【0022】
各吸気孔41は、前方に向けて下方に傾斜しているとともに、前後方向の長さが下ケース26や上ケース27の肉厚よりも十分に長くなっている。さらに、各吸気孔41は、その吸気入口41a側の寸法よりも吸気出口41b側の寸法が小さく形成されており、入口から出口にかけて絞られた形状となっている。また、吸気出口41bは回転清掃体24の上側のブレード25に向けられている。
【0023】
風路管29は、左右方向にラッパ状に広がり吸込室20に臨む案内部42と、案内部42に連続する断面円形の管路部43とを有している。この管路部43の外周には、回転管30の先端部30aが回動自在に嵌合されている。そして、風路管29、回転管30及びカバー31を介して吸込室20と接続管22とが連通している。
【0024】
また、回転管30に取り付けたカバー31と接続管22との間にはシャッター44が介在され、このシャッター44は、図7に示すように、接続管22を起立させた際にカバー31の後端と接続管22の先端との間に形成される隙間を塞ぐようになっている。一方、図8に示すように接続管22を倒伏させた際には、シャッター44がカバー31内に入り込むとともに真っ直ぐに形成された接続管22の端部が回転管30の風路を閉塞しないようになっている。
【0025】
吸込口本体21の底面21aには、壁状部材としてのブレード45が吸気入口41a,41aの後方且つ吸込開口23の前方に位置して設けられている。さらに、吸込口本体21の底面21aには、ブラシ46が吸込開口23の後方に位置して設けられている。ここでは、ブレード45及びブラシ46は吸込開口23の略全幅にわたり左右方向に沿って延設され、ブレード45の下端45a及びブラシ46の下端46aはフローリング等の床面を清掃する場合にもその床面に接触するようになっている。
【0026】
つぎに、上記のように構成される吸込口体及び電気掃除機の動作について説明する。
【0027】
手元操作部17の強弱スイッチS2又は自動スイッチS3を操作すると、電動送風機12が駆動されて集塵室11が負圧になり、ホース14、延長管18、接続管22、回転管30及び風路管29を介して吸込室20が負圧となる。この負圧により、吸込口本体21の吸込開口23から外気とともに塵埃が吸い込まれ、この外気と塵埃とが吸込室20、風路管29、回転管30、接続管22、延長管18及びホース14を介して集塵室11へ導かれ、集塵フィルタ13に塵埃が集められる。
【0028】
他方、吸込室20の負圧により、吸気孔41,41から外気が吸気され、この吸気流が回転清掃体24の上側のブレード25に吹き付け、回転清掃体24が矢印P方向へ回転して被清掃面Q上の塵埃を掻き上げる。また、吸気孔41,41の吸気入口41a,41aは下方に向けられており、しかも、吸気孔41,41の上部であるバンパ28の前端36aが下ケース26よりも前方に突出しているので、その前端36aを壁に当接させることにより、吸気孔41,41が吸気する外気とともに壁際の床の塵埃を効率よく吸い込むことができる。このとき、バンパ28の前端36aが下ケース26よりも前方に突出しているので、壁やその他の家具等を傷つけてしまうことが防止され、吸気孔41,41の前後方向の長さが上ケース27や下ケース26の肉厚よりも十分に長くなっているので、ブレード25に吹き付ける空気を十分に整流して回転清掃体24を効率よく回転させることができる。
【0029】
また、このように吸気孔41,41が被清掃面Q上の塵埃を吸い込むとともに、吸込口本体21の底面21aに吸気入口41aの後方且つ吸込開口23の前方に位置してブレード45が設けられているので、吸込口体21の前進時にはブレード45の前方に塵埃が集められ、この塵埃が吸気入口41a,41aから吸気孔41,41を通して吸込室20に吸い込まれる一方、吸込口体21の後退時にはブレード45の後方に塵埃が集められてこの塵埃が吸込開口23から吸い込まれるので、塵埃の吸い残しが生じにくく取扱いに便利である。さらに、ブレード45は吸込室20の真空度を確保する役割をも果たすので、結果として吸い残しの発生を防止しつつ吸込力の低下を抑えることができるが、ここでは、ブレード45の下端45aが被清掃面Qに接触するので、とりわけ高次元にその両立を図ることができる。
【0030】
なお、上記実施の形態では壁状部材としてブレード45を設けたが、ブレードの代わりにブラシを設けてもよい。また、壁状部材を吸込開口23の略全幅にわたり左右方向に沿って設けたが、必ずしもこのように全幅にかけて設ける必要はなく、より短い複数の壁状部材を所定間隔をおいて設ける等してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、吸気孔の吸気入口が被清掃面に面して被清掃面上の塵埃を吸い込み、吸込口本体の底面に吸気入口の後方且つ吸込開口の前方に位置して集塵用の壁状部材が設けられているので、吸込口体の前進時には壁状部材の前方に塵埃が集められ、この塵埃が吸気入口から吸気孔を通して吸込室の側に吸い込まれる。また、吸込口体の後退時には壁状部材の後方に塵埃が集められ、この塵埃が吸込開口から吸い込まれるので、塵埃の吸い残しが生じにくく取扱いに便利である。さらに、壁状部材は吸込室の真空度を確保する役割をも果たすので、結果として吸い残しの発生を防止しつつ吸込力の低下を抑えることができる。
【0032】
請求項3の発明によれば、壁状部材の下部が被清掃面に接触するので、壁状部材の集塵効率及び吸込室の真空度をより高めることができる。
【0033】
請求項4の発明によれば、汎用性あるブラシ又はブレードを用いて請求項1又は請求項2の発明の効果を得ることができる。
【0034】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明の効果を奏する電気掃除機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【図2】図1の吸込口体を拡大して示す平面図である。
【図3】図1の吸込口体を拡大して示す正面図である。
【図4】図1の吸込口体を拡大して示す側面図である。
【図5】図4の吸込口体の詳細構成を示す縦断面図である。
【図6】吸込口体の下ケースを示す平面図である。
【図7】接続管を起立させた状態を示す縦断面図である。
【図8】接続管を倒伏させた状態を示す縦断面図である。
【図9】従来の吸込口体を示す平面図である。
【図10】図9の吸込口体の部分断面を示す側面図である。
【符号の説明】
10 電気掃除機本体
19 吸込口体
20 吸込室
21 吸込口本体
21a 底面
23 吸込開口
24 回転清掃体
41 吸気孔
41a 吸気入口
45 ブレード(壁状部材)
45a 下端(下部)
Q 被清掃面

Claims (5)

  1. 吸込室を有し且つ該吸込室の吸込開口が底面に形成された吸込口本体と、前記吸込室に回転自在に設けられた回転清掃体とを備え、前記吸込口本体の前部には前記吸込室と外部とを連通する吸気孔が形成され、該吸気孔からの吸気流により前記回転清掃体が回転する吸込口体であって、
    前記吸気孔の吸気入口は被清掃面に面して該被清掃面上の塵埃を吸い込み、前記吸込口本体の底面には前記吸気入口の後方且つ前記吸込開口の前方に位置して集塵用の壁状部材が設けられていることを特徴とする吸込口体。
  2. 前記吸気孔は、前方に向けて下方に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の吸込口体。
  3. 前記壁状部材は、その下部が前記被清掃面に接触することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸込口体。
  4. 前記壁状部材は、ブラシ又はブレードであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸込口体。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸込口体を備えることを特徴とする電気掃除機。
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