JP3849052B2 - 折り畳み封書用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は折畳みにより封書が得られるようにしたシートに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来から金融機関やデパートなどにあっては顧客側に新商品や各種サービスの通知を行うに際して葉書形態とした案内状を送付したり、封筒を用いて通知するなどの方法を行っている。そして、通知内容が数多くなるような場合にはダイレクトメールなどのように通知情報をカタログやパンフレットなどとして作成し、これを封筒に入れて送付することが一般的である。
【0003】
しかし、封筒に入れるカタログやパンフレットなどは冊子形態で作成されることが多く、そして、封筒の形状からも制限を受けるために、前記カタログやパンフレットの一頁当たりの面積や見開いたときの面積はそれ程広くなく、受取人側への通知情報の量を多く確保することができないのが不都合であった。
この点に関して発明者は一枚のシートを折り畳むことで封書形態にすることができるシートを提案している。このシートは、シート本体に第一の方向に亘る横折り部と前記第一の方向に直交する第二の方向に亘って前記横折り部に交差する縦折り部とを設け、シート本体が前記縦折り部と横折り部とにより少なくとも四面に区分されていて、前記横折り部から第二の方向に横折りして折り畳んだ後に前記縦折り部から第一の方向に巻き折りできるようにしたものであり、前記巻き折りの終端に位置するシート面を封筒上紙としこの封筒上紙に縦折り部を介して連接されたシート面を封筒下紙として封書が得られるようにしている。
さらに、このシートにあっては、封書としての封緘が行えるようにするために、前記封筒上紙側の側端縁に前記封筒下紙側に折り重ねる封緘片が連接されており、そして、封緘片に横折り部を介して連接された対向片との間でこの封緘片が剥離可能となる形態とし、この対向片と封緘片を合わせた状態で封筒下紙に折り重ねて貼り合わせるようにしていた。
このシートでは上述したように横折りした後に縦折り部から巻き折りするようにしているため、巻き始めに内方としたシート部分の巻き方向でのシート長さと外方としたシート部分の巻き方向でのシート長さとが同じであっても、内方となるシート部分の終端側がわずかに外部に表出するようになる。即ち、最終の折りとなる封緘片の封筒下紙に対する折り重ねした時点で、上記対向片の辺部が封緘片の下から封書外方側に食み出して封書の外観を損ない易くなっており、この点を改善する要望がなされていた。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、横折りしたシート本体を巻き折りしても上記対向片がはみ出さないようにすることを課題とし、大面積の通知情報面が確保できるシートより形成された封書の外観を損なわないようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してさなされたもので、シート本体に、第一の方向に亘る横折り部と前記第一の方向に直交する第二の方向に亘って前記横折り部に交差する縦折り部とを設けて、シート本体が前記縦折り部と横折り部とにより少なくとも四面に区分され、前記横折り部から第二の方向に横折りして折り畳んだ後に前記縦折り部から第一の方向に巻き折り可能に設けられ、前記巻き折りの終端に位置するシート面を封筒上紙としこの封筒上紙に縦折り部を介して連接されたシート面を封筒下紙とするシートであって、上記シート本体の第二の方向に対向位置する上端縁と下端縁との内、前記上端縁に亘って易開封手段を介して封着片が連接されて、該封着片の巻き折り時の対向部位に接着剤塗布予定域を備えるとともに、前記横折り部側に位置して巻き折り時に対向する対向部位の一方に接着剤塗布予定域を備え、対向部位の他方に剥離剤を塗布してなる剥離部を備え、前記封筒上紙側の側端縁に、巻き折り時に前記封筒下紙に折り重ねる封緘片が連接されて、該封緘片の封筒下紙への対向面に接着剤塗布予定域を設け、前記封緘片に横折り部を介して連接された対向片に、前記横折り部の側端からシート本体の下端縁に亘る斜めの切り欠き部を設けたことを特徴とする折り畳み封書用シートを提供して、上記課題を解消するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図5に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は折り畳み封書用シートであって、該折り畳み封書用シート1は、一枚のシート本体2の所要箇所に受取人住所氏名などの宛名情報や受取人への通知情報が印刷、印字されている。前記シート本体2は所要箇所から折り畳むことで封書形態とすることができるように折り部が設けられていて、図1に示すように、シート本体2の幅方向(得られる封書の短辺方向)となる第一の方向Xに亘って横折り部3がシート本体2の中央部分に設けられ、また、シート本体2の縦方向(得られる封書の長辺方向)となる第二の方向Yに亘って縦折り部4が設けられている。前記第一、第二の方向X,Yは直交する二方であって一本の横折り部3に対して三本の縦折り部4が交差している。
このようにシート本体2に三つの縦折り部4と一つの横折り部3とがあって8面に仕切られており、前記横折り部3から第二の方向Yに横折りして折り畳み、前記縦折り部4から第一の方向Xに巻き折りすることができる。そして、8面に仕切られたシート面の内、前述のように二つ折り(横折り)後に巻き折りして折り畳み封書とするために、図における例にあっては横折り部3より上段であって巻き折り終端側となるシート面を封筒上紙5とし、この封筒上紙5に対して第一の方向Xに縦折り部4を介して連接するシート面が封筒下紙6としている。
【0006】
上述のように折り畳んで折り畳み封書を得るための上記折り畳み葉書用シート1にあっては、シート本体2の所要箇所が貼り合わせ手段を設ける箇所として設定されている。まず、シート本体2の第二の方向Yに対向する端縁の内、即ち、上端縁と下端縁との内、上端縁に亘って封着片7が設けられている。この封着片7は上記横折り部3からシート本体2を二つに横折りしたときに重ならずに表出するものであり、上記巻き折り(縦折り)する時の最初のシート面の対向側と封書時に外方に表出するシート面の表出側とを除く各封着片7の各片面に接着剤塗布予定域8が設けられている。さらに、前記封着片7を後述するように巻き折りして接着剤により封着された状態で取り除くことができるように上端縁に沿って切取り用ミシン目を穿設してなる易開封手段9が備えられている。
【0007】
また、シート本体2にあっては、巻き折りして貼り合わせるための貼り合わせ手段を設ける箇所も設定されていて、上記横折り部3側において、第二の方向Yに折り畳んだときに外方に臨む部分であって、巻き折り時(図2参照)に対向する対向部位それぞれが剥離可能に接着する構造が得られるようにしている。図示するように、巻き折りの始めに対向する対向部位aと対向部位bとにおいて、対向部位aには接着剤を塗布するための接着剤塗布予定域10が設けられ、一方、対向部位bには予め剥離剤を塗布し、前記接着剤塗布予定域10に接着剤を塗布した状態で貼り合わせても接離可能となる構造が得られるようにした剥離部11が設けられている。
つぎの折り(巻き折り)で対向する対向部位cと対向部位dとでは、その対向部位cに接着剤塗布予定域10が設けられ、対向部位dには剥離部11が設けられている。さらに、最後の巻き折りで対向する対向部位eと対向部位fとでは、対向部位eに接着剤塗布予定域10が設けられ、対向部位fに剥離部11が設けられている。
このように対向部位の一方に接着剤塗布予定域10が設けられ、対向部位の他方に予め剥離剤を塗布してなる剥離部11が設けられているため、後述するように前記接着剤塗布予定域10に接着剤を塗布し巻き折りすることで対向部位が貼り合わされ、また、後述する封書を開く時点では対向していた対向部位が容易に離れるようにしている。
【0008】
上記封筒上紙5側の側端縁には封緘片12が連接されているとともに、この封緘片12に横折り部3を介して対向片13が連接されており、この対向片13は、上記封筒上紙5に横折り部3を介して連接しているシート面に対しても連接されている。そして、前記封緘片12には巻き折りして封筒下紙6に接着させるための接着剤を塗布する接着剤塗布予定域14が設けられている。さらに、前記封緘片12と前記対向片13とには、第二の方向Yに亘って二条のミシン目15aを穿設してなる開封手段15が設けられ、この開封手段15を構成している二条のミシン目15aの間を通るようにして折り部16が設けられており、横折りによって対向片13が重ね合わされた状態となる封緘片12をこの折り部16から折り畳んで封筒下紙6に折り重ね合わせることができるようにしている。
そして、前記開封手段15の間の折り部16から折り畳むことで二本のミシン目15aが縦折り部4の外方側で位置揃えされるようにしており、開封に際してこの開封手段15のミシン目15aから切断することで封緘片12と対向片13とが切断されるようにしている(図5参照)。
【0009】
封緘片12に横折り部3を介して連接している上記対向片13にあっては、図示されているように横折り部3の側端からこの対向片13の下端縁にかけて斜めとした切り欠き部17が設けられている。この対向片13において前記切り欠き部17が設けられずに矩形状とされている場合、巻き折りした際に上述したような食出しが生じるものであって、図2(ニ)にて仮想線13aで示す対向片13の側縁部分が表出する状態となっていた。
そこで、本発明においては、上述したようにこの対向片13に斜めとした切り欠き部17が設けられていて、切り欠き部17の下端が折り部16に達する。このように対向片13において前記切り欠き部17が設けられているため、対向片13を封緘片12に重ね合わせた状態にして折り部16から前記封緘片12を封筒下紙6に折り重ねるようにしても、図2(ニ)に示されているように対向片13の側縁が封書の外方には表出しないようになり、封書の外観を損なうことがない。
なお、横折り部3から折り合わせた際に上記封緘片12とこの対向片13とを必要に応じて接着させるようにするとともに、上記封緘片12の封筒下紙6への折り合わせに際して、前記封緘片12がその接着剤塗布予定域14に塗布された接着剤を介して封筒下紙6に貼り合わせるようにするのと同様に、この対向片13にも封筒下紙6に対向する側に僅かな範囲ではあるが接着剤を塗布して封筒下紙6に貼り合わせるようにする。その接着剤塗布予定域を13bとして示す。
上記切り欠き部17はその下端がシート本体の下端縁において折り部16に達するようにしたものであるが、これに限定されるものではなく、図1(イ)に示すように、仮想線17a,17bに示されているように、下端縁においてシート面側のミシン目15aに達しさせた傾斜としたり、他方のミシン目15aに達しさせた傾斜とすることも可能である。
【0010】
この折り畳み封書用シート1における一つのシート面にあっては、上記巻き折りしたときに内方となる片面側に葉書用紙18が保持手段19を介して剥離可能にして取り付けられており(図3参照)、受取人が見開いたこの折り畳み封書用シートに記載されている情報を見て、その葉書用紙を返信用などとして受取人側が利用できるようにしている。勿論、前記葉書用紙の大きさはシート面の大きさより小さいものであり、巻き折り始端から巻き折り終端にかけてシート面の幅が第一の方向に徐々に大きくなっているため、巻き折り始端側における一つのシート面の幅寸法、高さ寸法より小さくするか或は同じにすればよい。
そして、上記葉書用紙はシート面に剥離可能に取り付けたものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、シート面の一部をこの葉書用紙として構成するようにしてもよい。
【0011】
以上の構造であって所要の情報が印字処理された折り畳み封書用シート1から封書を作成するには、図2(イ)に示すように、横折り部3からシート本体2を第二の方向Yに横折りする。
つぎに、表出している封着片7の接着剤塗布予定域8と横折り部3側の接着剤塗布予定域10とに接着剤を塗布し、図2(イ)において図の右のシート面側(封筒上紙5と反対側に位置するシート面側)を巻き折り始端として縦折り部4から第一の方向Xに向けて巻き折りを行う(図2(ロ)参照)。このように接着剤塗布予定域8,10に接着剤を塗布して巻き折りすることで封着片7同士は貼り合わされ、また、横折り部側では対向部位aとb、cとd、eとfが剥離可能にした状態で貼り合わされる。
折り畳み封書用シート1を上述のようにして巻き折りを行った後には、図2(ハ)に示すように、前記巻き折りと対向箇所の貼り合わせで一辺開口の封筒部20が得られ、この封筒部20に書面などの各種情報を印刷した封入物21を挿入する。なお、前記封筒部20に必ずしも封入物21を挿入する必要はない。
この後、上記封緘片12の接着剤塗布予定域14と対向片13の接着剤塗布予定域13bとに接着剤を塗布してから封緘片12と対向片13を封筒下紙6に重ね合わせして接着する。このようにして、所要箇所が貼り合わされ、封入物を備え、封緘された折り畳み封書22が得られる(図2(ニ)参照)。
図示した折り畳み封書用シートからなる折り畳み封書22を開封するには上記封緘片12を開封手段15から開くとともに封着片7を切取り用ミシン目の易開封手段9から分離し、そして、接着剤が塗布された接着剤塗布予定域10と剥離部11とを引き離しながら巻き折り状態を戻してシート本体2を開くようにすれば、封入物21を取り出すことができるとともに、シート本体2の全面を見ることができ、さらに、上記葉書用紙18も表出して取り外しも可能になる。なお、上記した例では一つのシート面に葉書用紙を配置したが、複数のシート面に葉書用紙を配置するようにしてもよい。
【0012】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シート本体を横折りした後にその横折りと直交する縦折りとして巻き折りし巻き折り最終側となる封緘片を封筒下紙に貼り合わせて封書が得られるようにしたシートにおいて、封緘片に横折り部を介して連接した対向片に横折り部からシート本体の下端縁に達する斜めの切り欠き部を設けるようにしたので、封緘片を封筒下紙側に貼り合わせる際に対向片が封書外方に表出することがなく、極めて簡単な構造にて封書の外観を損なわせないようにすることができるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る折り畳み封書用シートの一例を示すもので、(イ)は一方の面を示す説明図、(ロ)は他方の面を示す説明図である。
【図2】折り畳み封書用シートの一例における折り畳み工程を示す説明図である。
【図3】一例を葉書用紙取付け部分の断面で示す説明図である。
【図4】開封を示す説明図である。
【図5】封書の封緘部分を断面で示す説明図である。
【符号の説明】
1…折り畳み封書用シート
2…シート本体
3…横折り部
4…縦折り部
5…封筒上紙
6…封筒下紙
8…接着剤塗布予定域
12…封緘片
13…対向片
17,17a,17b…切り欠き部
Claims (1)
- シート本体に、第一の方向に亘る横折り部と前記第一の方向に直交する第二の方向に亘って前記横折り部に交差する縦折り部とを設けて、シート本体が前記縦折り部と横折り部とにより少なくとも四面に区分され、前記横折り部から第二の方向に横折りして折り畳んだ後に前記縦折り部から第一の方向に巻き折り可能に設けられ、前記巻き折りの終端に位置するシート面を封筒上紙としこの封筒上紙に縦折り部を介して連接されたシート面を封筒下紙とするシートであって、
上記シート本体の第二の方向に対向位置する上端縁と下端縁との内、前記上端縁に亘って易開封手段を介して封着片が連接されて、該封着片の巻き折り時の対向部位に接着剤塗布予定域を備えるとともに、前記横折り部側に位置して巻き折り時に対向する対向部位の一方に接着剤塗布予定域を備え、対向部位の他方に剥離剤を塗布してなる剥離部を備え、
前記封筒上紙側の側端縁に、巻き折り時に前記封筒下紙に折り重ねる封緘片が連接されて、該封緘片の封筒下紙への対向面に接着剤塗布予定域を設け、前記封緘片に横折り部を介して連接された対向片に、前記横折り部の側端からシート本体の下端縁に亘る斜めの切り欠き部を設けたことを特徴とする折り畳み封書用シート。
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