JP3848917B2 - ハイブリッド構造函体の建造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板とコンクリートとの合成構造(以下「ハイブリッド構造」という)の函体の建造方法に関し、例えば浮桟橋や浮防波堤等に好適なハイブリッド構造函体の建造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、岸壁等に接続設置される浮桟橋に、図2に示すような構造の浮函体10が用いられている。この浮函体10は鋼板1で形成された函体1Aと、鋼板1(函体1A)の内側に取り付けられた補強用の縦リブ4と鋼板1(函体1A)の外面に設けられたスタッドジベル5および鉄筋3と、スタッドジベル5および鉄筋3を埋込むように鋼板1の外周に打設されたコンクリート部2とでハイブリッド構造に構成されている。符号6は浮函体10の外壁に付設された防舷材を示している。このような、鋼板とコンクリートからなるハイブリッド構造函体は、引張りにも圧縮にも強く軽量である。また、鋼板が露出せずコンクリートに覆われているので、海水などに対する腐食に強い。
【0003】
そして、上記構造の浮函体10は、従来、コンクリートの継ぎ目処理の必要のない、作業時間の短い建造方法として、図3(a)〜(f)に示す手順で建造されている。即ち、鋼板1で床板1a,底板1bおよび両側側板1cからなる函体1Aを成形し、この函体1Aを形成する鋼板1(床板1a,底板1bおよび両側側板1c)の内側を縦リブ4等で補強するとともに、外周に多数のスタッドジベル5を溶殖し、さらに底板1b外面に複数のコンクリート製の支持台11を溶接する[図3(a)]。
【0004】
次に、架台7上に仮置きした後、底板1b外周および両側側壁1cの下部外周に鉄筋3aを配筋し、各スタッドジベル5の先端部に溶接する[図3(b)]。次に、表面がソイルセメント等で平坦に地固めされた基台15上に底板用コンクリート打設用の型枠9aを予め敷設しておき、函体1Aをこの型枠9a上に移し替える[図3(c)]。
【0005】
次いで、両側側壁1cの上部外周および床板1a外周に、鉄筋3aに続く鉄筋3bを配筋し、この鉄筋3bを各スタッドジベル5の先端部に溶接する[図3(d)]。
次に、下端部を型枠9aに接続する、両側側板1cおよび床板1a用コンクリート打設用の型枠9bを組立てる[図3(e)]。
【0006】
次に、型枠9aと底板1bとの間に高流動コンクリート2aを打設し、続いて型枠9bと両側側壁1cとの間および床板1aの上面に通常のコンクリート2bを打設する。高流動コンクリート2aの打設により、ハイブリッド構造の底板部が形成されるとともに通常のコンクリート2bの打設により、ハイブリッド構造の床板部および両側側壁が形成される。
【0007】
このようにして、一度のコンクリートの打設により函体1Aの全周に所定厚さのコンクリート部2を形成することができる[図3(f)](例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−254868号公報(段落0008〜段落0015、図1、図3)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法では、大きい函体の場合には底板部にコンクリートを打設する際の流動性が悪くなって、建造できるハイブリッド構造函体の大きさが限定される。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、コンクリートを打設する際の流動性を改善したハイブリッド構造函体の建造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用することとした。
請求項1の発明は、ハイブリッド構造函体を建造するに際し、床板,底板および側板からなる鋼板製の函体と、この函体を所定間隔へだてて囲むように配置される前記底板および前記側板へのコンクリート打設用の型枠とがあって、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させた後、前記底板および前記側板の外面にコンクリートを打設し、次いで、前記函体を前記型枠とともに水平状態に戻した後、前記側板の未打設部および前記床板の外面にコンクリートを打設するようにしたことを特徴とする。
更に、前記函体の底面には突出部が設けてあり、また、前記底板へのコンクリート打設用の型枠には前記突出部に嵌め合わせの可能な嵌合部が設けてあって、前記函体を前記底板へのコンクリート打設用の型枠上に設置する際に、突出部を嵌合部に一致させるように設置することも特徴とする。
【0011】
この構成により、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させてコンクリートを打設することにより、底板の外面にコンクリートを打設する際に、底板に対応する型枠上のコンクリートに自重による水平分力が生じて、水平方向への流動性が良くなり、底板の外面にコンクリートが行き渡り易い。
また、函体を型枠とともに所定角度だけ傾斜させたときに、突出部は嵌合部が嵌め合わされているので、函体が型枠に対して横ずれなどを起こしにくい。
【0012】
請求項2に記載の発明は、ハイブリッド構造函体を建造するに際し、床板,底板および側板により鋼板製の函体を成形してから、同函体の外面に複数のスタッドジベルを溶植した後、同函体の外面に複数の鉄筋を配筋し、あるいは鋼板の一方の面に複数のスタッドジベルを溶植してから、同鋼板を床板,底板および側板として前記スタッドジベルが外側に位置する鋼板製の函体を形成した後、同函体の外面に複数の鉄筋を配筋し、次いで、前記底板の外面へのコンクリート打設用の型枠上に、所定間隔へだてて、前記函体を設置し、次いで、前記側板へのコンクリート打設用の型枠を組立て、次いで、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させた後、前記底板および前記側板の外面にコンクリートを打設し、次いで、前記函体を前記型枠とともに水平状態に戻した後、前記側板の未打設部および前記床板の外面にコンクリートを打設するようにしたことを特徴とする。
更に、前記函体の底面には突出部が設けてあり、また、前記底板へのコンクリート打設用の型枠には前記突出部に嵌め合わせの可能な嵌合部が設けてあって、前記函体を前記底板へのコンクリート打設用の型枠上に設置する際に、突出部を嵌合部に一致させるように設置することを特徴とする。
【0013】
この構成により、効率よく建造できるので、作業時間が短縮でき、さらに、函体を所定角度だけ傾斜させてコンクリートを打設することにより、底板の外面にコンクリートを打設する際に、底板に対応する型枠上のコンクリートに自重による水平分力が生じて、水平方向への流動性が良くなり、底板の外面にコンクリートが行き渡り易い。
また、函体を型枠とともに所定角度だけ傾斜させたときに、突出部は嵌合部が嵌め合わされているので、函体が型枠に対して横ずれなどを起こしにくい。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のハイブリッド構造函体の建造方法において、前記函体には、長手方向と短手方向とがあって、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させる際に、この短手方向を傾斜させることを特徴とする。
【0015】
この構成により、長手方向を傾斜させる場合に比較して、短時間で、底板の外面にコンクリートが行き渡り易い。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態としてのハイブリッド構造函体の建造方法につき、図面を用いて説明する。この実施形態でのハイブリッド構造函体は、従来技術のところで説明した、図2に示したような浮桟橋用浮函体の建造方法を例としている。図2は、説明の都合上、紙面手前と向こう側が筒抜けになっているが、紙面手前にも向こう側にもそれぞれ側板が設けられていて、密閉構造となっている。なお、その側板の外面には、他の側板と同様に、スタッドジベルや鉄筋やコンクリートが施されている。ただし、必要により、フランジを設けた開口があり、フランジには蓋がボルトなどにより固定されていて、浮函体の密閉性が保たれている。
【0019】
この浮函体の建造方法の工程中、途中までは、従来技術として、図3(a)〜(e)を用いて説明したものと同じであるが、もう一度、説明をくりかえす。それに続く工程を図1(a)〜(d)に基づいて説明する。
【0020】
〈傾斜させる前までの工程〉
図3(a)〜(e)に示す手順で建造されている。即ち、鋼板1で、上面に当たる床板1a,下面に当たる底板1bおよび側板1cからなる函体1Aを成形し、この函体1Aを形成する鋼板1(床板1a,底板1bおよび側板1c)の内側を縦リブ4等で補強するとともに、外周に多数のスタッドジベル5を溶殖し、さらに底板1b外面に複数のコンクリート製の支持台11を溶接する[図3(a)]。
【0021】
側板1cは、図には、左右の両側側板1cしか現れていないが、図の前側と向こう側の両側にも側板があり、函体は全体として密閉可能な構造となっている。また、真中に穴をあけた円盤を、縦に起立させた状態で、床板の外面、複数箇所に設けてある。この穴にロープやフック等をかけて引っ張ることにより、函体の移動や姿勢を変えることができる。
【0022】
次に、架台7上に仮置きした後、底板1b外周および側板1cの下部外周に鉄筋3aを配筋し、各スタッドジベル5の先端部に溶接する[図3(b)]。
次に、表面がソイルセメント等で平坦に地固めされた基台15上に底板用コンクリート打設用の型枠9aを予め敷設しておき、函体1Aをこの型枠9a上に移し替える。
【0023】
この基台15は可動する台となっており、後述する可動台として機能する。[図3(c)]。底板1b外面に複数のコンクリート製の支持台11が設けてあるので、底板1b外面と型枠9aとの間に所定間隔を保つことができる。なお、この所定間隔は、コンクリート部2として必要な厚さに相当する間隔である。
【0024】
次いで、側板1cの上部外周および床板1a外周に、鉄筋3aに続く鉄筋3bを配筋し、この鉄筋3bを各スタッドジベル5の先端部に溶接する[図3(d)]。この側板1cの上部外周および床板1a外周への配筋は、これよりも前の図3(b)の工程、即ち、底板1b外周および側板1cの下部外周に鉄筋3aを配筋するときに、一緒に行うようにしてもよい。
【0025】
次に、側板1cおよび床板1a用コンクリート打設用の型枠9bを、側板1cの外面に所定間隔へだてて対向させるとともに、その下端が底板用コンクリート打設用の型枠9aに接続させる[図3(e)]。
【0026】
床板用コンクリート打設用の型枠9bは、側板1c用コンクリート打設用の型枠9bが、床板1aの鉄筋3bの高さよりも高い位置まで延設されて形成されている。これにより、床板1aの外面に所定の厚さのコンクリートが打設できるようになつている。なお、床板の上方は開放されていて人が立って作業することができ、床板に適当箇所に投下したコンクリートを床板1a全面に伸ばす作業ができる。
【0027】
ここまでをまとめると次のようになる。床板1a,底板1bおよび側板1cより成る鋼板製函体1Aを成形して、その外周面に複数のスタッドジベル5および鉄筋3を取付け、予め設置された底板用の型枠9a上に、この函体1Aを載置する。ここでは、底板用の型枠9a上に、コンクリート製支持台11の高さ分に相当する所定間隔へだてて、函体1Aが設置されることになる。函体1Aの底板1bおよび側板1cに対向して底板1b用および側板1c用の型枠9bを組立ててある。また、側板1c用の型枠9bが側板1cに対向する面よりも上方に延びていることにより、床板1a用の型枠9bとなっている。この状態の函体1Aと型枠9が水平な基台15、後述する可動台15に載置されている。
【0028】
〈傾斜させた工程〉
この状態のものを、図1(a)に示すように、型枠9ごと函体1Aを所定角度θだけ傾斜させる。傾斜させる手段としては、底板用の型枠9aを可動台15で支持し、この可動台15の一端側を回動中心部17として、他端側をジャッキ16で持ち上げることによる。
【0029】
このように傾斜させてから、高い位置となる側の側板用型枠9b(図の左側)、即ち、図の矢印Bの側からコンクリートを投入することにより打設する[図1(a)]。コンクリートは大径のホースを介して投入するため、ホースの開口を投入箇所に移動させる。
【0030】
矢印Bの側から投入したコンクリートは、下方にある底板用型枠9aにまで達した後も、底板用の型枠9aが下方に傾斜しているので、コンクリートの自重による水平分力が生じて、水平方向への流動性が良くなり、底板の外面にコンクリートが行き渡っていく。また、高い位置となる側の側板用型枠9b(図の左側)、即ち、図の矢印Bの側からコンクリートを投入するので、投入位置から底板用型枠9aの傾斜下方部までの高低差が大きくなり、このヘッド差により、コンクリートを流動させる力が大きくなり、コンクリートを行き渡り易くしている。さらに、ヘッド差により、低い位置となる側の側板用型枠9b(図の右側)の上方にまで、コンクリートを達し易くすることができる。
【0031】
この打設によって一方の側板用型枠9bの側(図の右側)のコンクリート部2はほぼ完成するが、他方の側板用型枠9bの側(図の左側)の上方の一部および床板1a側に未打設部ができる[図1(b)]。
【0032】
この函体1Aは略直方体形状からなり、長手方向と短手方向を有する形状である。この形状に型枠9も可動台15も対応して、長手方向と短手方向を有した形状となっている。可動台15の形状も薄い略直方体である。ジャッキ16で持ち上げる他端側と回動中心部17となる一端側とは、それぞれ可動台15の長辺側にあり、可動台15の短辺側である短手方向が傾斜する。
【0033】
このように、短手方向を傾斜させることにより、長手方向を傾斜させるよりも、コンクリートが底板用の型枠9a上を流れる距離も短いので、早く行き渡りやすい。なお、函体1Aは、略直方体形状に限らず、一部に突出した部分があったりしてもよく、上面視して、全体に長手方向と短手方向があれば、略長方体形状の場合と同様に適用できる。
【0034】
上記傾斜角度θは、函体1Aの大きさ,打設コンクリートの性状等によって適正に設定する。その際、ジャッキ16の角度調整を自動化することにより、作業効率を上げることができる。なお、ジャッキは油圧ジャッキが好ましい。
【0035】
上記傾斜角度θを大きくした場合、函体1Aが横にずれたりするおそれがある。そのため、底板用の型枠9aに支持台11(請求項の「突出部」に相当する。)の下端を嵌め合わせできる凹部(請求項の「嵌合部」に相当する。図示していない。)を設けておき、この凹部に支持台11の下端を嵌め合わせるように、函体1Aを底板用の型枠9a上に載置している。
【0036】
これにより、可動台15の傾斜角度θを多少大きくしても、突出部と嵌合部とが嵌め合わされているので、函体1Aが型枠9に対して横ずれなどを起こすことを防止できる。この場合、所定間隔を保持するための支持台を突出部として兼用しているが、別々のものであってもよい。また、底板用の型枠9aの嵌め合わせ部は、凹でなく、凸となっていて、突出部の先が凹になっていて嵌め合わすことが可能なものなど、突出部と嵌合部は、嵌め合わせができるものであれば、様々な形態のものが適応できる。
【0037】
〈水平に戻した工程〉
次に、ジャッキ16を下げて可動台15を水平にすることにより、函体1A及び型枠9も水平状態に戻す。その後、側板用型枠9bの側の未打設部および床板1a側にコンクリートを打設してそれぞれのコンクリート部2を形成する[図1(c)]。
【0038】
このようにして、函体1Aの全周に所定厚さのコンクリート部2を形成し、鋼とコンクリートとのハイブリッド構造の浮函体10を完成させるものである[図1(d)]。
【0039】
上記の例では、高い位置となる側の側板用型枠9b(図の左側)、即ち、図の矢印Bの側から、高流動コンクリートを投入して、対向する側の側板用型枠9bの側(図の右側)の上方まで、流動させることにより、打設している。これに限らず、高流動コンクリートを底板1bのコンクリート部2の形成にのみ用いることとし、他の部分には通常コンクリートを用いることもできる。
【0040】
この場合、高い位置となる側の側板用型枠9b(図の左側)、即ち、図の矢印Bの側から、高流動コンクリートを投入して、底板1bと底板用の型枠9aの間を流動させて充填したら、函体1Aと型枠9の傾斜を戻して水平にして、通常コンクリートを各側板用型枠9bの側から投入して、各側板1cのコンクリート部2を形成するようにすればよい。
【0041】
なお、コンクリートの比重は約2.3であり、水よりも大きいため、コンクリートが流動性のある状態の場合は、水よりも大きな浮力を生じさせることができる。このため、函体が浮き上がらないように、函体の中に水を入れたりしている。
【0042】
なお、底板1bへのコンクリート打設用の型枠9a上と前記函体1Aとを所定間隔をあけるための手段としてコンクリート製の支持台11を用いると、完成後に支持台とコンクリート部2とが一体となるため好ましいが、所定間隔をあけて函体1Aを支持できるものであれば、他の手段を用いてもよい。例えば、コンクリート製以外の支持台を用いてもよいし、函体1Aを上から吊って支持してもよい。
【0043】
なお、浮桟橋等の海上等に用いる浮函体として、このハイブリッド構造函体を説明したが、かかる浮函体に限定されず、このような方法により建造できるハイブリッド構造函体であれば、他のところに用いるものでもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した本発明においては以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、ハイブリッド構造函体を建造するに際し、床板,底板および側板からなる鋼板製の函体と、この函体を所定間隔へだてて囲むように配置される前記底板および前記側板へのコンクリート打設用の型枠とがあって、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させた後、前記底板および前記側板の外面にコンクリートを打設し、次いで、前記函体を前記型枠とともに水平状態に戻した後、前記側板の未打設部および前記床板の外面にコンクリートを打設するようにしたので、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させてコンクリートを打設することにより、底板に対応する型枠上のコンクリートに自重による水平分力が生じて、流動性が良くなり、容易に、底板の外面にコンクリートが行き渡らせることができる。よって、従来、建造が困難であった大きさのハイブリッド函体の建造ができる。
更に、前記函体の底面には突出部が設けてあり、また、前記底板へのコンクリート打設用の型枠には前記突出部に嵌め合わせの可能な嵌合部が設けてあって、前記函体を前記底板へのコンクリート打設用の型枠上に設置する際に、突出部を嵌合部に一致させるように設置するので、函体を型枠とともに所定角度だけ傾斜させたときに、突出部と嵌合部の嵌め合わせにより、函体が型枠に対して横ずれを生じ難くできる。
【0045】
請求項2記載の発明によれば、ハイブリッド構造函体を建造するに際し、床板,底板および側板により鋼板製の函体を成形してから、同函体の外面に複数のスタッドジベルを溶植した後、同函体の外面に複数の鉄筋を配筋し、あるいは鋼板の一方の面に複数のスタッドジベルを溶植してから、同鋼板を床板,底板および側板として前記スタッドジベルが外側に位置する鋼板製の函体を形成した後、同函体の外面に複数の鉄筋を配筋し、次いで、前記底板の外面へのコンクリート打設用の型枠上に、所定間隔へだてて、前記函体を設置し、次いで、前記側板へのコンクリート打設用の型枠を組立て、次いで、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させた後、前記底板および前記側板の外面にコンクリートを打設し、次いで、前記函体を前記型枠とともに水平状態に戻した後、前記側板の未打設部および前記床板の外面にコンクリートを打設するようにしたので、効率よく建造できて、作業時間を短縮でき、さらに、函体を枠型とともに所定角度だけ傾斜させてコンクリートを打設することにより、底板に対応する型枠上のコンクリートに自重による水平分力が生じて、流動性が良くなり、容易に、底板の外面にコンクリートが行き渡らせることができる。よって、従来、建造が困難であった大きさのハイブリッド函体の建造ができる。
更に、前記函体の底面には突出部が設けてあり、また、前記底板へのコンクリート打設用の型枠には前記突出部に嵌め合わせの可能な嵌合部が設けてあって、前記函体を前記底板へのコンクリート打設用の型枠上に設置する際に、突出部を嵌合部に一致させるように設置するので、函体を型枠とともに所定角度だけ傾斜させたときに、突出部と嵌合部の嵌め合わせにより、函体が型枠に対して横ずれを生じ難くできる。
【0046】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2に記載浮函体の建造方法において、前記函体には、長手方向と短手方向とがあって、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させる際に、この短手方向を傾斜させるので、この構成により、長手方向を傾斜させる場合に比較して、短時間で、底板の外面にコンクリートを行き渡らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るに関する浮函体の建造方法の手順を示す模式図
【図2】従来および本発明の一実施形態に係る浮函体の斜視図
【図3】従来および本発明の一実施形態に係る浮函体の建造方法の手順を示す模式図
【符号の説明】
1…鋼板
1A…函体
1a…床板
1b…底板
1c…側板
2…コンクリート(コンクリート部)
2a…高流動コンクリート
2b…通常コンクリート
3…鉄筋
3a…鉄筋
3b…鉄筋
4…縦リブ
5…スタッドジベル
6…防舷材
7…架台
9…コンクリート打設用型枠
9a…底板の外面への(底板用)コンクリート打設用型枠
9b…床板および側板の外面への(床板用、側板用)コンクリート打設用型枠
10…浮函体
11…コンクリート製支持台
15…基台(可動台)
16…ジャッキ
17…回動中心部
Claims (3)
- ハイブリッド構造函体を建造するに際し、
床板,底板および側板からなる鋼板製の函体と、この函体を所定間隔へだてて囲むように配置される前記底板および前記側板へのコンクリート打設用の型枠とがあって、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させた後、前記底板および前記側板の外面にコンクリートを打設し、
次いで、前記函体を前記型枠とともに水平状態に戻した後、前記側板の未打設部および前記床板の外面にコンクリートを打設するようにしたハイブリッド構造函体の建造方法において、
前記函体の底面には突出部が設けてあり、また、前記底板へのコンクリート打設用の前記型枠には前記突出部に嵌め合わせの可能な嵌合部が設けてあって、前記函体を前記底板へのコンクリート打設用の前記型枠上に設置する際に、前記突出部を前記嵌合部に一致させるように設置することを特徴とするハイブリッド構造函体の建造方法。 - ハイブリッド構造函体を建造するに際し、
床板,底板および側板により鋼板製の函体を成形してから、同函体の外面に複数のスタッドジベルを溶植した後、同函体の外面に複数の鉄筋を配筋し、
あるいは鋼板の一方の面に複数のスタッドジベルを溶植してから、同鋼板を床板,底板および側板として前記スタッドジベルが外側に位置する鋼板製の函体を形成した後、同函体の外面に複数の鉄筋を配筋し、
次いで、前記底板の外面へのコンクリート打設用の型枠上に、所定間隔へだてて、前記函体を設置し、
次いで、前記側板へのコンクリート打設用の型枠を組立て、
次いで、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させた後、前記底板および前記側板の外面にコンクリートを打設し、
次いで、前記函体を前記型枠とともに水平状態に戻した後、前記側板の未打設部および前記床板の外面にコンクリートを打設するようにしたハイブリッド構造函体の建造方法において、
前記函体の底面には突出部が設けてあり、また、前記底板へのコンクリート打設用の前記型枠には前記突出部に嵌め合わせの可能な嵌合部が設けてあって、前記函体を前記底板へのコンクリート打設用の前記型枠上に設置する際に、前記突出部を前記嵌合部に一致させるように設置することを特徴とするハイブリッド構造函体の建造方法。 - 請求項1又は2に記載のハイブリッド構造函体の建造方法において、前記函体には、長手方向と短手方向とがあって、前記函体を前記型枠とともに所定角度だけ傾斜させる際に、この短手方向を傾斜させることを特徴とするハイブリッド構造函体の建造方法。
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