JP4045623B2 - 鉄筋コンクリート地下階の施工方法及びこの方法で施工された地下構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート地下階の施工方法に関し、特に地下柱部分をコンクリートの順打ちにより施工できるようにした方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下階を構築する場合、通常、逆打ち工法が採用されている。この工法では、先に上の階の床梁躯体を形成するためのコンクリートの打設を行い、これを順次最下層まで繰返すものである。
【0003】
この工法にあっては、後打される各階の壁及び柱と床梁躯体との間の水平打ち継ぎ部に、コンクリートの充填不良など、欠陥を生じ易い問題がある。
【0004】
そのため、従来では種々の工法が試みられている。その一つに、特開平7−54364号公報では、外周壁を除いて逆打ち工法によりコンクリートを打設し、最下層のマットスラブ打設後、一階のスラブ周辺部と山留壁の間に形成された隙間からコンクリートを流し込んで外周壁および外周柱のみを順打ちする、すなわち、最下層から一階スラブ下の階まで順に打設する工法が採用されている。
【0005】
この順打ち工法は山留壁の梁支持強度を利用した、外周壁、および外周柱のみに適用される工法であって、外周壁および外周柱を除いては、依然として図5に示す構造による逆打ちによる建方が採用されるのが一般的であった。
【0006】
同図は、基礎杭から地下各階を縦通して配置されたH型鋼などからなる仮設支柱1の外周に、地下一階の本設コンクリート柱2を施工する場合を示すもので、一階床梁3の下部には一階本設コンクリート柱4の下端が突出しており、地下床梁5上において、本設コンクリート柱4の下部を型枠6で囲い、この内部にコンクリートを打設することによって、地下本設コンクリート柱2を形成する。以下、同様にして、地下床梁5の下部を根切った後、同様の本設コンクリート柱2の形成作業を最下階まで繰返す。
【0007】
この本設コンクリート柱2の形成時におけるコンクリートの打設方法は、図示のごとく、型枠6の上縁にホッパ部6aを傾斜突設し、一階床梁3の上下を貫通するコンクリート打設管7によりコンクリートを注入する。この際、一階本設コンクリート柱4の下端をあらかじめ図示のごとくV字形に形成しておくことによって、逆打ち打ち継ぎ部での空隙の発生を防止するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の施工方法では、各階の柱頭部に逆打ち継ぎが生ずるため、前述のごとく先行形成された柱の下部断面をV字型にしたり、ホッパ部を設けるなど格別な工夫をしなければならなかった。
【0009】
また、これに加え、狭隘な隙間からコンクリートを投入するため、投入落差による骨材分離の防止や、打ち継ぎ部の隙間の発生防止対策をとらなければならないなど、順打ちに比べて施工が困難であり、さらには、脱型後は、ホッパ部内に打ち残された残余のコンクリートをはつり取らなければならないなど、逆打ち工法に固有の課題があり、外周柱、外周壁のみ順打ちが可能になったとしても、全体としての施工能率が低いことには変りがなかった。
【0010】
本発明は以上の課題を解決するものであって、その目的は、外周柱を含む各地下柱を、地下下層階から順打ち工法により施工できるようにした鉄筋コンクリート地下階の施工方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するため、本発明は、地中に埋設され、下端を基礎杭に、上端を地上の柱と結合した仮設支柱の周囲を根切りながら地下梁床を形成する作業を各階毎に行い、最下階にマットスラブを形成した後、順次仮設柱の周囲にコンクリートを打設しつつ最下階から上階に向けて順次本設地下柱を構築する方法であって、地下梁の形成毎に前記仮設支柱と各階の地下梁との間を前記仮設支柱から4方の前記地下梁へ向けて側方へ十字型に延びるブラケットを介して連結し、ブラケットを通じて地下床梁の荷重を支持するとともに、仮設支柱の周囲と各床梁との間に開口部を形成し、最下階のマットスラブ形成後、前記仮設支柱の周囲に型枠を組立て、前記開口部を通じて地表部よりコンクリート打設管を前記型枠内に配管し、打設管を通じて前記型枠内に順次コンクリートを打設することで、仮設支柱の周囲に本設地下柱を構築することを特徴とする。
【0012】
従って、本発明方法にあっては、本設地下柱を構築するまでは、仮設支柱によって地下梁床が支持される。また、コンクリート打設にあたっては仮設支柱と地下梁床の間に形成された開口部を通じて地表部より最下階から順にコンクリートを順打ちすることで本設地下柱を順次構築できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1,図2は本発明の施工手順を示すものである。まず、同図1(a)において、地盤E中には下端を図示しない基礎杭上に接合されたH型鋼などからなる仮支柱10が埋設され、その上端を地上部における本設鉄骨柱12に接合している状態を示す。
【0015】
そして、この鉄骨柱12は、地表部において、これと十字型に交叉する鉄骨梁14に接合され、その上部に床コンクリートを打設することにより、地上床16が形成される。なお、施工に際しては、柱12周囲の矩形状の部分には床コンクリートを打設せず、柱12の周囲を矩形状に開口させておく。
【0016】
次に、図1(b)に示すように、地下一階部分を根切り、この地表面にPC版などからなる梁型枠を設置し、その内部にコンクリートを充填することで、一体化された地下梁18が形成される。この地下梁18と仮設支柱10との間は現場施工ブラケット20により十字型をなして連結される。
【0017】
次いで、地下梁18および図示しない床型枠の上にコンクリートを打設することで、地下床22が形成される。この際、仮設支柱10と、地下梁18との仕口部分は、コンクリートを打設せず、前記と同様に仮設支柱10の周囲を矩形状に開口させておく。
【0018】
なお、仕口部分の開口部周りに生ずる地下梁の小口面と後に打設される本設柱コンクリートとの打ち継ぎ部の接合を良好にするために、図4に一部拡大して示すように、地下梁18の接合端部にラス網19を配置してコンクリート止めを行う。
【0019】
地下梁18、地下床22の養生後、同様にして地下二階部分も同様な作業によって根切り、地下二階部分の空間を形成する。この状態で地下一階の梁18および床22の荷重は、ブラケット20を介して仮設支柱10に預けられる。
【0020】
その後同様な作業により、地下梁18の設置と地下床22の形成を行い、さらに、地下最下階では図示しないマットスラブを形成し、養生することで、図1(c)に示すように、地下本設柱部分をのぞく、地下構造物が完成する。
【0021】
この状態で地上梁14および地上床16の荷重、各階の地下梁18および地下床22の荷重は、ブラケット20を介して仮設支柱10に支持された状態であるが、支持強度の増加のために、各階毎に支保工などを配置することも可能である。
【0022】
なお、地下外周柱、壁部分においては、図示を省略するが、各梁14,18の端部をブラケットを山留壁に接合することで、端部側の荷重は山留壁に預けられる。また、その接合位置周囲を順打ち可能とするために、前記と同様に開口させておけばよい。
【0023】
また、以上の完成状態では、仮設支柱10の周囲は、地表部から地下最低階まで図3に示すように、ブラケット20により四分割された開口部24が開口された状態であり、地表部から下部まで見通すことができる。
【0024】
次いで、図2に示すように、地下最終階から順に仮設支柱10の周囲に図示しない鉄筋を組立て、型枠26を配置し、次いでコンクリートを打設することで、順次下部側の階から本設地下柱28が構築される。
【0025】
コンクリート打設にあたっては、前記開口部24を通じて地表部から垂下されたコンクリート打設管30を通じて行われる。この打設作業にあたっては、コンクリートの天端上昇に応じて打設管30を引上げることによって、投入落差による骨材分離を防止できる。
【0026】
以上の作業は、全階を通して一度に行われるが、場合によっては各階毎に行われる。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による鉄筋コンクリート地下階の施工方法にあっては、地下外周柱および地下外周壁のみならず、全ての地下柱をコンクリートの順打ち工法により形成できるため、逆打ちに固有の問題を生ずることがなく、工期の短縮、工費節減に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の地下構築手順を示す説明用断面図である。
【図2】同本設地下柱の施工状態を示す説明用断面図である。
【図3】図2のA−A線における平断面図である。
【図4】図2のB部拡大断面図である。
【図5】従来の逆打ち工法による地下柱の施工状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
10 仮設支柱
12 地上部本設鉄骨柱
14 地上部梁
16 地上床
18 地下梁
20 ブラケット
22 地下床
24 開口部
26 型枠
28 本設地下柱
30 コンクリート打設管
Claims (2)
- 地中に埋設され、下端を基礎杭に、上端を地上の柱と結合した仮設支柱の周囲を根切りながら地下梁床を形成する作業を各階毎に行い、最下階にマットスラブを形成した後、順次仮設柱の周囲にコンクリートを打設しつつ最下階から上階に向けて順次本設地下柱を構築する方法であって、
地下梁の形成毎に前記仮設支柱と各階の地下梁との間を前記仮設支柱から4方の前記地下梁へ向けて側方へ十字型に延びるブラケットを介して連結し、ブラケットを通じて地下床梁の荷重を支持するとともに、仮設支柱の周囲と各床梁との間に開口部を形成し、最下階のマットスラブ形成後、前記仮設支柱の周囲に型枠を組立て、前記開口部を通じて地表部よりコンクリート打設管を前記型枠内に配管し、打設管を通じて前記型枠内に順次コンクリートを打設することで、仮設支柱の周囲に本設地下柱を構築することを特徴とする鉄筋コンクリート地下階の施工方法。 - 請求項1記載の鉄筋コンクリート地下階の施工方法により施工された地下構造。
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JP33915097A JP4045623B2 (ja) | 1997-12-09 | 1997-12-09 | 鉄筋コンクリート地下階の施工方法及びこの方法で施工された地下構造 |
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JPH11172709A JPH11172709A (ja) | 1999-06-29 |
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JP33915097A Expired - Fee Related JP4045623B2 (ja) | 1997-12-09 | 1997-12-09 | 鉄筋コンクリート地下階の施工方法及びこの方法で施工された地下構造 |
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1997
- 1997-12-09 JP JP33915097A patent/JP4045623B2/ja not_active Expired - Fee Related
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