JPH09158192A - 締め切り工法および締め切り工法用の鋼製構造体 - Google Patents
締め切り工法および締め切り工法用の鋼製構造体Info
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- JPH09158192A JPH09158192A JP34513695A JP34513695A JPH09158192A JP H09158192 A JPH09158192 A JP H09158192A JP 34513695 A JP34513695 A JP 34513695A JP 34513695 A JP34513695 A JP 34513695A JP H09158192 A JPH09158192 A JP H09158192A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鋼矢板を用いることなく,かつ施工性の良好
な締め切り工法を提供する。 【解決手段】 橋脚11に隣接させた台船上で円弧状の
複数のコルゲートシートを円周方向に接続して,まず1
段のみのコルゲートパイプ18aを構成し,揚重機でこ
のコルゲートパイプ18aを吊り上げた状態で,次の1
段のコルゲートパイプ18bを構成し,次いで両者18
a,18bを接続し,これを繰り返して例えば6段から
なる内側コルゲートパイプ18を構成する。内側コルゲ
ートパイプ18の最下段部18fの外周を囲むように1
段の外側コルゲートパイプ20を構成し,連結部材21
により両者18,20を連結して,部分的二重筒構造体
22を構成する。この台船上の部分的二重筒構造体22
を下降させ基礎13上に設置し,次いで内側コルゲート
パイプ18と外側コルゲートパイプ20との間に水中コ
ンクリート24を打設する。コンクリート硬化後,内側
コルゲートパイプ18内の水抜きを行う。
な締め切り工法を提供する。 【解決手段】 橋脚11に隣接させた台船上で円弧状の
複数のコルゲートシートを円周方向に接続して,まず1
段のみのコルゲートパイプ18aを構成し,揚重機でこ
のコルゲートパイプ18aを吊り上げた状態で,次の1
段のコルゲートパイプ18bを構成し,次いで両者18
a,18bを接続し,これを繰り返して例えば6段から
なる内側コルゲートパイプ18を構成する。内側コルゲ
ートパイプ18の最下段部18fの外周を囲むように1
段の外側コルゲートパイプ20を構成し,連結部材21
により両者18,20を連結して,部分的二重筒構造体
22を構成する。この台船上の部分的二重筒構造体22
を下降させ基礎13上に設置し,次いで内側コルゲート
パイプ18と外側コルゲートパイプ20との間に水中コ
ンクリート24を打設する。コンクリート硬化後,内側
コルゲートパイプ18内の水抜きを行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,既設の水中橋脚
等の水中脚の補強を行う既設水中脚補強工事等に適用し
て好適な締め切り工法,およびこの締め切り工法に用い
る鋼製構造体に関する。
等の水中脚の補強を行う既設水中脚補強工事等に適用し
て好適な締め切り工法,およびこの締め切り工法に用い
る鋼製構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば水中に橋脚を構築する場合,その
構築作業を可能にするために,構築箇所を囲む適宜の範
囲に締め切り工を施し,その内部の水抜きを行う。この
種の締め切り工法には一般に,鋼矢板を打ち込む締め切
り工法が採用されている。この鋼矢板による締め切り工
法は施工性が良いが,例えば既設の水中の橋脚の補強工
事を行う場合には,既に橋桁が存在するので,鋼矢板を
打ち込むために必要な高さの上部空間を確保できず,鋼
矢板による締め切り工法が採用できない場合がある。ま
た,地盤が硬いため,あるいは市街地等で騒音問題のた
め,鋼矢板を打ち込む工法を採用できない場合もある。
構築作業を可能にするために,構築箇所を囲む適宜の範
囲に締め切り工を施し,その内部の水抜きを行う。この
種の締め切り工法には一般に,鋼矢板を打ち込む締め切
り工法が採用されている。この鋼矢板による締め切り工
法は施工性が良いが,例えば既設の水中の橋脚の補強工
事を行う場合には,既に橋桁が存在するので,鋼矢板を
打ち込むために必要な高さの上部空間を確保できず,鋼
矢板による締め切り工法が採用できない場合がある。ま
た,地盤が硬いため,あるいは市街地等で騒音問題のた
め,鋼矢板を打ち込む工法を採用できない場合もある。
【0003】このような場合に適用できる締め切り工法
として,図10に示すように,陸上で予め組み立てたラ
イナープレート製の内側筒体A,およびコルゲートパイ
プ製の外側筒体Bを基盤G上に設置し,設置した内側筒
体Aと外側筒体Bとの間に土砂等の中詰材Cを投入充填
し,次いで,外側筒体Bの基部B’外側の地盤G上にコ
ンクリート等を打設して根固めDを行う工法が提案され
ている(実公昭57−23553号参照)。なお,図に
おいて,Eは橋脚等の構造体である。
として,図10に示すように,陸上で予め組み立てたラ
イナープレート製の内側筒体A,およびコルゲートパイ
プ製の外側筒体Bを基盤G上に設置し,設置した内側筒
体Aと外側筒体Bとの間に土砂等の中詰材Cを投入充填
し,次いで,外側筒体Bの基部B’外側の地盤G上にコ
ンクリート等を打設して根固めDを行う工法が提案され
ている(実公昭57−23553号参照)。なお,図に
おいて,Eは橋脚等の構造体である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の工法は,鋼
矢板を使用しないので,鋼矢板を打ち込むのに必要な上
部空間の問題,硬い地盤の問題,騒音の問題等は生じな
い。しかし,二重の筒体A,Bを設置する必要があるこ
と,中詰め材Cを投入充填する必要があること等から,
施工の作業が著しく繁雑である。また,これは仮の締め
切り構造体であり,工事完了後にこの仮締め切り構造体
を撤去するが,打ち込み部分がない点で撤去が容易とい
っても,やはりこの仮締め切り構造体の撤去作業は繁雑
である。
矢板を使用しないので,鋼矢板を打ち込むのに必要な上
部空間の問題,硬い地盤の問題,騒音の問題等は生じな
い。しかし,二重の筒体A,Bを設置する必要があるこ
と,中詰め材Cを投入充填する必要があること等から,
施工の作業が著しく繁雑である。また,これは仮の締め
切り構造体であり,工事完了後にこの仮締め切り構造体
を撤去するが,打ち込み部分がない点で撤去が容易とい
っても,やはりこの仮締め切り構造体の撤去作業は繁雑
である。
【0005】本発明は上記従来の欠点を解消するために
なされたもので,鋼矢板を用いない工法であって,しか
も施工性が良く,かつ工事完了後の撤去が容易な締め切
り工法,および締め切り工法用の鋼製構造体を提供する
ことを目的とする。
なされたもので,鋼矢板を用いない工法であって,しか
も施工性が良く,かつ工事完了後の撤去が容易な締め切
り工法,および締め切り工法用の鋼製構造体を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の締め切り工法は,円弧状の複数のコルゲートシート
を水平の円周方向および垂直方向に接続して複数段から
なる内側コルゲートパイプを構成する工程と,前記内側
コルゲートパイプのコルゲートシートより曲率の大きな
円弧状の複数のコルゲートシートを,前記内側コルゲー
トパイプの最下段部の外周を囲むように円周方向に接続
して1段の外側コルゲートパイプを構成するとともに,
この外側コルゲートパイプと前記内側コルゲートパイプ
の最下段部とを連結部材により連結して,部分的二重筒
構造体を構成する工程と,前記部分的二重筒構造体を下
降させ水底に設置する工程と,次いで,前記部分的二重
筒構造体の内側コルゲートパイプと外側コルゲートパイ
プとの間に水中コンクリートを打設する工程と,コンク
リート硬化後,内側コルゲートパイプ内の水抜きを行う
工程とからなることを特徴とする。
明の締め切り工法は,円弧状の複数のコルゲートシート
を水平の円周方向および垂直方向に接続して複数段から
なる内側コルゲートパイプを構成する工程と,前記内側
コルゲートパイプのコルゲートシートより曲率の大きな
円弧状の複数のコルゲートシートを,前記内側コルゲー
トパイプの最下段部の外周を囲むように円周方向に接続
して1段の外側コルゲートパイプを構成するとともに,
この外側コルゲートパイプと前記内側コルゲートパイプ
の最下段部とを連結部材により連結して,部分的二重筒
構造体を構成する工程と,前記部分的二重筒構造体を下
降させ水底に設置する工程と,次いで,前記部分的二重
筒構造体の内側コルゲートパイプと外側コルゲートパイ
プとの間に水中コンクリートを打設する工程と,コンク
リート硬化後,内側コルゲートパイプ内の水抜きを行う
工程とからなることを特徴とする。
【0007】請求項2は,請求項1の締め切り工法を既
設の水中脚の補強を行う既設水中脚補強工事に適用する
ものである。
設の水中脚の補強を行う既設水中脚補強工事に適用する
ものである。
【0008】請求項3は,請求項1または2において,
内側コルゲートパイプを水中の基礎の上面に設置すると
ともに,外側コルゲートパイプを基礎の上部の周縁を囲
むように配置することを特徴とする。
内側コルゲートパイプを水中の基礎の上面に設置すると
ともに,外側コルゲートパイプを基礎の上部の周縁を囲
むように配置することを特徴とする。
【0009】請求項4は,請求項1,2または3に記載
の締め切り工法に用いる鋼製構造体であって,円弧状の
複数のコルゲートシートを水平の円周方向および垂直方
向に接続して構成された複数段からなる内側コルゲート
パイプと,前記内側コルゲートパイプのコルゲートシー
トより曲率の大きな円弧状の複数のコルゲートシート
を,前記内側コルゲートパイプの最下段部の外周を囲む
ように円周方向に接続して構成されるとともに,連結部
材を介して前記内側コルゲートパイプの最下段部に連結
された1段の外側コルゲートパイプとを備えたことを特
徴とする。
の締め切り工法に用いる鋼製構造体であって,円弧状の
複数のコルゲートシートを水平の円周方向および垂直方
向に接続して構成された複数段からなる内側コルゲート
パイプと,前記内側コルゲートパイプのコルゲートシー
トより曲率の大きな円弧状の複数のコルゲートシート
を,前記内側コルゲートパイプの最下段部の外周を囲む
ように円周方向に接続して構成されるとともに,連結部
材を介して前記内側コルゲートパイプの最下段部に連結
された1段の外側コルゲートパイプとを備えたことを特
徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図1
〜図9に示した一実施例を参照して説明する。この実施
例は,既設の水中橋脚の補強を行う既設水中橋脚補強工
事に適用したものである。図1において,11は補強を
行おうとする橋脚,12は橋桁,13はその水中の基
礎,14は水面を示す。この橋脚11の補強は,例え
ば,この既設の橋脚11の周囲に,例えばその外周面と
の間に30mm程度の隙間をあけて例えば厚さ10mm
前後の鋼板を巻き立てるとともに,前記隙間にモルタル
または接着剤を充填し,また鋼板の外側の水中部分にコ
ンクリートを例えば500mm弱等の厚みで巻き立て
る,等によって行う。
〜図9に示した一実施例を参照して説明する。この実施
例は,既設の水中橋脚の補強を行う既設水中橋脚補強工
事に適用したものである。図1において,11は補強を
行おうとする橋脚,12は橋桁,13はその水中の基
礎,14は水面を示す。この橋脚11の補強は,例え
ば,この既設の橋脚11の周囲に,例えばその外周面と
の間に30mm程度の隙間をあけて例えば厚さ10mm
前後の鋼板を巻き立てるとともに,前記隙間にモルタル
または接着剤を充填し,また鋼板の外側の水中部分にコ
ンクリートを例えば500mm弱等の厚みで巻き立て
る,等によって行う。
【0011】このような補強工事を行う場合,その作業
を行うために水抜きを行う締め切り工を施す必要がある
が,そのために,本発明の一実施例の締め切り工法が採
用される。図1はその始めの段階を示すもので,まず,
台船15を橋脚11に隣接して浮かべ,作業の足場とす
る。そして,この台船15上で,まず,円弧状の複数の
コルゲートシート17を水平の円周方向に接続して1段
のコルゲートパイプ18aを構成する。次いで,図2に
示すように,前記1段のコルゲートパイプ18aを図示
略の揚重機によりワイヤ16で吊り上げ,その下方で前
記と同様に,円弧状の複数のコルゲートシート17を水
平の円周方向に接続して1段のコルゲートパイプ18b
を構成する。次いで,始めのコルゲートパイプ18aを
下降させて,下のコルゲートパイプ18bの上縁部にラ
ップさせ,ボルトで上下のコルゲートパイプ18a,1
8bを接続する。なお,円弧状のコルゲートシート17
およびその接続要領は一般的なものであるが,その詳細
を図6に示す。図示のように,円弧状のコルゲートシー
ト17は,鋼板を波付けし,シート幅方向(図で上下方
向)の両端縁部および長手方向の両端縁部にそれぞれ取
り付け穴をあけ,所定の曲率で湾曲させたものであり,
コルゲートシート17どうしの接続は,シート幅方向ま
たは長手方向の端縁部を重ね合わせ,重ね部の取り付け
穴にボルト25を挿入しナットを螺合させ締め付けるこ
とにより行う。なお,図示は省略したが,コルゲートシ
ート17どうしの接続部等の必要箇所にはパッキンを介
在させて,止水を図る。また,コルゲートパイプ18a
等を吊り上げる揚重機の詳細は省略するが,橋桁12側
に揚重機構を取り付ける方法,揚重機を搭載した作業船
を利用する方法,岸壁に近い場合には陸上のクレーン車
を利用する方法,その他適宜の方法を採用することがで
きる。
を行うために水抜きを行う締め切り工を施す必要がある
が,そのために,本発明の一実施例の締め切り工法が採
用される。図1はその始めの段階を示すもので,まず,
台船15を橋脚11に隣接して浮かべ,作業の足場とす
る。そして,この台船15上で,まず,円弧状の複数の
コルゲートシート17を水平の円周方向に接続して1段
のコルゲートパイプ18aを構成する。次いで,図2に
示すように,前記1段のコルゲートパイプ18aを図示
略の揚重機によりワイヤ16で吊り上げ,その下方で前
記と同様に,円弧状の複数のコルゲートシート17を水
平の円周方向に接続して1段のコルゲートパイプ18b
を構成する。次いで,始めのコルゲートパイプ18aを
下降させて,下のコルゲートパイプ18bの上縁部にラ
ップさせ,ボルトで上下のコルゲートパイプ18a,1
8bを接続する。なお,円弧状のコルゲートシート17
およびその接続要領は一般的なものであるが,その詳細
を図6に示す。図示のように,円弧状のコルゲートシー
ト17は,鋼板を波付けし,シート幅方向(図で上下方
向)の両端縁部および長手方向の両端縁部にそれぞれ取
り付け穴をあけ,所定の曲率で湾曲させたものであり,
コルゲートシート17どうしの接続は,シート幅方向ま
たは長手方向の端縁部を重ね合わせ,重ね部の取り付け
穴にボルト25を挿入しナットを螺合させ締め付けるこ
とにより行う。なお,図示は省略したが,コルゲートシ
ート17どうしの接続部等の必要箇所にはパッキンを介
在させて,止水を図る。また,コルゲートパイプ18a
等を吊り上げる揚重機の詳細は省略するが,橋桁12側
に揚重機構を取り付ける方法,揚重機を搭載した作業船
を利用する方法,岸壁に近い場合には陸上のクレーン車
を利用する方法,その他適宜の方法を採用することがで
きる。
【0012】上記の作業を繰り返して,例えば,図3に
示すように1段のコルゲートパイプ18a,18b,1
8c,18d,18e,18fの6段から成る内側コル
ゲートパイプ18を構成する。なお,内側コルゲートパ
イプ18の補強のために,例えばI断面の鋼材を円筒状
の内側コルゲートパイプ18の内面に合わせて形成した
補強リングを内側コルゲートパイプ18の内面に上下方
向に適宜の間隔をあけて溶接固定するとよい。
示すように1段のコルゲートパイプ18a,18b,1
8c,18d,18e,18fの6段から成る内側コル
ゲートパイプ18を構成する。なお,内側コルゲートパ
イプ18の補強のために,例えばI断面の鋼材を円筒状
の内側コルゲートパイプ18の内面に合わせて形成した
補強リングを内側コルゲートパイプ18の内面に上下方
向に適宜の間隔をあけて溶接固定するとよい。
【0013】次いで,同じく図3に示すように.前記内
側コルゲートパイプ18のコルゲートシート17より曲
率の大きな円弧状の複数のコルゲートシート19を,前
記内側コルゲートパイプ18の最下段部18aの外周を
若干下側にて囲むように円周方向に接続して1段の外側
コルゲートパイプ20を構成するとともに,この外側コ
ルゲートパイプ20と前記内側コルゲートパイプ18の
最下段部18aとを連結部材21により連結して,部分
的二重筒構造体(鋼製構造体)22を構成する。この台
船15上で構成された部分的二重筒構造体22を図7に
平面図で示す。
側コルゲートパイプ18のコルゲートシート17より曲
率の大きな円弧状の複数のコルゲートシート19を,前
記内側コルゲートパイプ18の最下段部18aの外周を
若干下側にて囲むように円周方向に接続して1段の外側
コルゲートパイプ20を構成するとともに,この外側コ
ルゲートパイプ20と前記内側コルゲートパイプ18の
最下段部18aとを連結部材21により連結して,部分
的二重筒構造体(鋼製構造体)22を構成する。この台
船15上で構成された部分的二重筒構造体22を図7に
平面図で示す。
【0014】前記連結部材21は,図8に示すように,
内側コルゲートパイプ18の最下段部18aの外面にボ
ルトで固定される垂直なアングル材21aと,最下段部
18aの下端位置で内側コルゲートパイプ18の外面か
ら半径方向に伸びて内側コルゲートパイプ18と外側コ
ルゲートパイプ20との間に渡され両者18,20にボ
ルトで固定される水平なアングル材21bと,両アング
ル材21a,21b間を連結する斜めのアングル材21
cとからなる。実施例では,図7に示すように例えば8
箇所においてこの連結部材21を設けている。
内側コルゲートパイプ18の最下段部18aの外面にボ
ルトで固定される垂直なアングル材21aと,最下段部
18aの下端位置で内側コルゲートパイプ18の外面か
ら半径方向に伸びて内側コルゲートパイプ18と外側コ
ルゲートパイプ20との間に渡され両者18,20にボ
ルトで固定される水平なアングル材21bと,両アング
ル材21a,21b間を連結する斜めのアングル材21
cとからなる。実施例では,図7に示すように例えば8
箇所においてこの連結部材21を設けている。
【0015】次いで,図4に示すように,台船15を橋
脚11から遠ざけて,外側コルゲートパイプ20をかわ
せるようにした後,前記部分的二重筒構造体22を下降
させ,橋脚11の基礎13上に設置する。図示の場合
は,内側コルゲートパイプ18は基礎13上に乗せ,外
側コルゲートパイプ20は基礎13の上部の周縁を囲む
ように設置している。
脚11から遠ざけて,外側コルゲートパイプ20をかわ
せるようにした後,前記部分的二重筒構造体22を下降
させ,橋脚11の基礎13上に設置する。図示の場合
は,内側コルゲートパイプ18は基礎13上に乗せ,外
側コルゲートパイプ20は基礎13の上部の周縁を囲む
ように設置している。
【0016】次いで,図5に示すように,外側コルゲー
トパイプ20の下面側および外側部分に栗石23を充填
し,次いで,内側コルゲートパイプ18と外側コルゲー
トパイプ20との間に水中コンクリートを打設する。こ
の水中コンクリート24により,内側コルゲートパイプ
18の下端面の止水が確実に図られる。また,水中コン
クリート24が基礎13の上部の周縁を囲むように打設
されていることで,内側コルゲートパイプ18の固定が
確実なものとなる。したがって,内側コルゲートパイプ
18にアンカー等を施さなくても,確実に固定できる。
次いで,内側コルゲートパイプ18内の水抜きを行う。
以上により,前述した橋脚11の補強工事を行うことが
可能となる。
トパイプ20の下面側および外側部分に栗石23を充填
し,次いで,内側コルゲートパイプ18と外側コルゲー
トパイプ20との間に水中コンクリートを打設する。こ
の水中コンクリート24により,内側コルゲートパイプ
18の下端面の止水が確実に図られる。また,水中コン
クリート24が基礎13の上部の周縁を囲むように打設
されていることで,内側コルゲートパイプ18の固定が
確実なものとなる。したがって,内側コルゲートパイプ
18にアンカー等を施さなくても,確実に固定できる。
次いで,内側コルゲートパイプ18内の水抜きを行う。
以上により,前述した橋脚11の補強工事を行うことが
可能となる。
【0017】橋脚11の補強工事が完了した後は,内側
コルゲートパイプ18の最下段部18f以外の部分(図
示例ではコルゲートパイプ18a,18b,18c,1
8d,18eの部分)は,最下段部18fとの接続部の
ボルトを外せば容易に撤去することができる。したがっ
て,撤去したそれらは他の箇所での締め切り工法に再使
用でき,経済的である。なお,最下段部18aおよび外
側コルゲートパイプ20およびその間に打設されたコン
クリート24は,これを撤去することも可能ではある
が,撤去せずにそのまま残してよい。
コルゲートパイプ18の最下段部18f以外の部分(図
示例ではコルゲートパイプ18a,18b,18c,1
8d,18eの部分)は,最下段部18fとの接続部の
ボルトを外せば容易に撤去することができる。したがっ
て,撤去したそれらは他の箇所での締め切り工法に再使
用でき,経済的である。なお,最下段部18aおよび外
側コルゲートパイプ20およびその間に打設されたコン
クリート24は,これを撤去することも可能ではある
が,撤去せずにそのまま残してよい。
【0018】図9に本発明の他の実施例を示す。この実
施例のように,基礎13’が広い場合は,外側コルゲー
トパイプ20’を内側コルゲートパイプ18の最下段部
18aと同レベルに連結部材21で連結固定し,外側コ
ルゲートパイプ20’も基礎13’上に設置することが
できる。
施例のように,基礎13’が広い場合は,外側コルゲー
トパイプ20’を内側コルゲートパイプ18の最下段部
18aと同レベルに連結部材21で連結固定し,外側コ
ルゲートパイプ20’も基礎13’上に設置することが
できる。
【0019】また,本発明は,既設の橋脚等がない場
合,すなわち新たに橋脚を構築する場合等のように,単
に水中に作業空間を作るための締め切り工法としても,
当然適用可能である。さらに,基礎が存在しない単なる
水底においても適用可能である。
合,すなわち新たに橋脚を構築する場合等のように,単
に水中に作業空間を作るための締め切り工法としても,
当然適用可能である。さらに,基礎が存在しない単なる
水底においても適用可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明の締め切り工法は,台船等の足場
上でコルゲートパイプを順次組み立てて,内側コルゲー
トパイプおよび外側コルゲートパイプおよび連結部材か
らなる部分的二重筒構造体を構成し,この部分的二重筒
構造体を水底に沈設し,内側コルゲートパイプと外側コ
ルゲートパイプとの間に水中コンクリートを打設するも
のであるあから,鋼矢板を打ち込む場合のような高い上
部空間を必要としない。したがって,既設の水中脚の補
強工事等の場合に好適である。また,岩盤が硬い場合,
騒音の問題がある場合等にも好適である。
上でコルゲートパイプを順次組み立てて,内側コルゲー
トパイプおよび外側コルゲートパイプおよび連結部材か
らなる部分的二重筒構造体を構成し,この部分的二重筒
構造体を水底に沈設し,内側コルゲートパイプと外側コ
ルゲートパイプとの間に水中コンクリートを打設するも
のであるあから,鋼矢板を打ち込む場合のような高い上
部空間を必要としない。したがって,既設の水中脚の補
強工事等の場合に好適である。また,岩盤が硬い場合,
騒音の問題がある場合等にも好適である。
【0021】また,本発明工法によれば,内側コルゲー
トパイプおよび外側コルゲートパイプの組み立て,連結
部材による両者の一体連結,内側コルゲートパイプと外
側コルゲートパイプとの間への水中コンクリートの打設
等の作業はいずれも容易であり,施工性がきわめて良好
である。
トパイプおよび外側コルゲートパイプの組み立て,連結
部材による両者の一体連結,内側コルゲートパイプと外
側コルゲートパイプとの間への水中コンクリートの打設
等の作業はいずれも容易であり,施工性がきわめて良好
である。
【0022】また,本発明の締め切り工法においては,
内側コルゲートパイプの最下段部および外側コルゲート
パイプおよび打設コンクリートを除けば,きわめて容易
に撤去できる。したがって,コルゲートシートの大部分
を再利用でき,経済的である。
内側コルゲートパイプの最下段部および外側コルゲート
パイプおよび打設コンクリートを除けば,きわめて容易
に撤去できる。したがって,コルゲートシートの大部分
を再利用でき,経済的である。
【0023】また,請求項3のように,外側コルゲート
パイプを基礎の上部の周縁を囲むように配置した場合
は,内側コルゲートパイプと外側コルゲートパイプとの
間に打設した水中コンクリートがずれるおそれはないの
で,内側コルゲートパイプが安定して固定される。
パイプを基礎の上部の周縁を囲むように配置した場合
は,内側コルゲートパイプと外側コルゲートパイプとの
間に打設した水中コンクリートがずれるおそれはないの
で,内側コルゲートパイプが安定して固定される。
【図1】本発明の一実施例の締め切り工法を説明するも
ので,始めの段階を示す図である。
ので,始めの段階を示す図である。
【図2】上記一実施例の締め切り工法における図1に続
く段階を示す図である。
く段階を示す図である。
【図3】上記一実施例の締め切り工法における図2に続
く段階を示す図である。
く段階を示す図である。
【図4】上記一実施例の締め切り工法における図3に続
く段階を示す図である。
く段階を示す図である。
【図5】上記一実施例の締め切り工法における図4に続
く段階を示す図であり,締め切り構造物の設置が完了し
た状態の図である。
く段階を示す図であり,締め切り構造物の設置が完了し
た状態の図である。
【図6】上記締め切り工法におけるコルゲートパイプの
組み立て要領を説明する図である。
組み立て要領を説明する図である。
【図7】図5のA−A断面図である。
【図8】図3〜図5における連結部材の拡大図である。
【図9】本発明の締め切り工法の他の実施例を説明する
図であり,水中の基礎上に設置された締め切り構造物の
図である。
図であり,水中の基礎上に設置された締め切り構造物の
図である。
【図10】従来の締め切り工法を説明する図である。
11 橋脚(水中脚) 12 橋桁 13 基礎 15 台船 16 ワイヤ 17,19 コルゲートシート 18 内側コルゲートパイプ 18a,18b,18c,18d,19e,18f 1
段のコルゲートパイプ 20 外側コルゲートパイプ 21 連結部材 22 部分的二重筒構造体(鋼製構造体) 24 水中コンクリート
段のコルゲートパイプ 20 外側コルゲートパイプ 21 連結部材 22 部分的二重筒構造体(鋼製構造体) 24 水中コンクリート
Claims (4)
- 【請求項1】 円弧状の複数のコルゲートシートを水平
の円周方向および垂直方向に接続して複数段からなる内
側コルゲートパイプを構成する工程と,前記内側コルゲ
ートパイプのコルゲートシートより曲率の大きな円弧状
の複数のコルゲートシートを,前記内側コルゲートパイ
プの最下段部の外周を囲むように円周方向に接続して1
段の外側コルゲートパイプを構成するとともに,この外
側コルゲートパイプと前記内側コルゲートパイプの最下
段部とを連結部材により連結して,部分的二重筒構造体
を構成する工程と,前記部分的二重筒構造体を下降させ
水底に設置する工程と,次いで,前記部分的二重筒構造
体の内側コルゲートパイプと外側コルゲートパイプとの
間に水中コンクリートを打設する工程と,コンクリート
硬化後,内側コルゲートパイプ内の水抜きを行う工程と
からなることを特徴とする締め切り工法。 - 【請求項2】 既設の水中脚の補強を行う既設水中脚補
強工事に適用される締め切り工法であって,円弧状の複
数のコルゲートシートを前記水中脚を囲むように円周方
向に接続して1段のコルゲートパイプを組み立て,この
1段のコルゲートパイプをほぼ1段高さ分上昇させると
ともに,これに続く下段のコルゲートパイプを同じよう
に組み立てかつ先のコルゲートパイプと接続する作業を
繰り返して,複数段からなる内側コルゲートパイプを構
成する工程と,前記内側コルゲートパイプのコルゲート
シートより曲率の大きな円弧状の複数のコルゲートシー
トを,前記内側コルゲートパイプの最下段部の外周を囲
むように円周方向に接続して1段の外側コルゲートパイ
プを構成するるとともに,この外側コルゲートパイプと
前記内側コルゲートパイプの最下段部とを連結部材によ
り連結して,部分的二重筒構造体を構成する工程と,前
記部分的二重筒構造体を下降させ水中脚の基礎上に設置
する工程と,次いで,前記部分的二重筒構造体の内側コ
ルゲートパイプと外側コルゲートパイプとの間に水中コ
ンクリートを打設する工程と,コンクリート硬化後,内
側コルゲートパイプ内の水抜きを行う工程とからなるこ
とを特徴とする締め切り工法。 - 【請求項3】 前記内側コルゲートパイプを水中の基礎
の上面に設置するとともに,外側コルゲートパイプを基
礎の上部の周縁を囲むように配置することを特徴とする
請求項1または2記載の締め切り工法。 - 【請求項4】 請求項1,2または3に記載の締め切り
工法に用いる鋼製構造体であって,円弧状の複数のコル
ゲートシートを水平の円周方向および垂直方向に接続し
て構成された複数段からなる内側コルゲートパイプと,
前記内側コルゲートパイプのコルゲートシートより曲率
の大きな円弧状の複数のコルゲートシートを,前記内側
コルゲートパイプの最下段部の外周を囲むように円周方
向に接続して構成されるとともに,連結部材を介して前
記内側コルゲートパイプの最下段部に連結された1段の
外側コルゲートパイプとを備えたことを特徴とする締め
切り工法用の鋼製構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34513695A JPH09158192A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 締め切り工法および締め切り工法用の鋼製構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34513695A JPH09158192A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 締め切り工法および締め切り工法用の鋼製構造体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09158192A true JPH09158192A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18374530
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34513695A Withdrawn JPH09158192A (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 締め切り工法および締め切り工法用の鋼製構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09158192A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20040088735A (ko) * | 2003-04-10 | 2004-10-20 | 유승운 | 파형강판과 기존 철근콘크리트통로박스와의 접합부에 대한 설계 및 시공 |
JP2007327244A (ja) * | 2006-06-08 | 2007-12-20 | Kajima Corp | 水中構造物の仮締切工法及び構造 |
CN104499494A (zh) * | 2014-12-22 | 2015-04-08 | 江苏省交通科学研究院股份有限公司 | 双壁波纹钢围堰 |
JP2018025039A (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-15 | 第一建設工業株式会社 | 橋脚補修・補強工事に用いる仮締切り構造体の設置工法 |
-
1995
- 1995-12-07 JP JP34513695A patent/JPH09158192A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20040088735A (ko) * | 2003-04-10 | 2004-10-20 | 유승운 | 파형강판과 기존 철근콘크리트통로박스와의 접합부에 대한 설계 및 시공 |
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CN104499494B (zh) * | 2014-12-22 | 2017-01-18 | 江苏省交通科学研究院股份有限公司 | 双壁波纹钢围堰 |
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Legal Events
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