JP3848893B2 - 部品の基板への部品押圧接合装置及び接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の部品を1つの基板に接合する部品押圧接合装置及び接合方法に関し、特に、上記基板上の上記複数の部品に個別に押圧力を作用させて個別に接合する部品押圧接合装置及び接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子部品の電極を基板上の電極に接合材を介在させて押圧して接合することにより電子部品組立体を生産する電子部品の押圧接合方法としては、基板上に接合材を介在させて配置された複数の電子部品に対して押圧力を作用させる複数の押圧ヘッドを用いて、上記各押圧ヘッドを一括して動作させることにより、基板上の電極に各電子部品の電極を接合材を介在させて同時的に押圧しながら、接合材を同時的に加熱して溶融させることにより、各電子部品の電極を基板上の電極に接合材を介在させて接合を行うという、いわゆるギャング接合方法が知られている。
【0003】
このようなギャング接合方法は、同種類の電子部品を複数まとめて1枚の基板上に接合するような場合において用いられる場合が多く、このような場合を一例として、ギャング接合方法について以下のように詳しく説明する。
【0004】
まず、このギャング接合方法を行う電子部品の押圧接合装置において、基板上に接合可能に配置された複数の電子部品を押圧可能な複数の押圧ヘッドと、上記各押圧ヘッドの昇降動作を一括して行う昇降装置と、上記各押圧ヘッドに備えられかつ上記押圧ヘッドにより押圧されている電子部品を一括して加熱することにより、電子部品の電極と基板の電極の間に介在されている接合材を加熱して溶融する加熱ヒータと、基板を固定する機台が備えられている。
【0005】
次に、上記ギャング接合方法における接合手順を示した電子部品と基板の模式断面図を図17に示す。図17(A)に示すように、四角形プレート状の電子部品201は接合面である下面に複数の電極201aを備えており、又四角形プレート状の基板203上には複数の電子部品201の各電極201aと接合可能な電極であるパッド203aが形成されており、これら各パッド203aには各電子部品201が接合材の一例でありかつ各電子部品201の各電極201aの上に予め形成された半田バンプ202を介在させて基板203上に配置されている。
【0006】
また、各押圧ヘッド210は、基板203上に配置されて配列された各電子部品201の配置と合致するような位置に配置されており、昇降装置により各押圧ヘッド210を一括して昇降動作させることにより、各電子部品201を同時的に押圧可能となっている。
【0007】
まず、このような押圧接合装置において、図17(B)に示すように、押圧接合装置の機台上に固定された基板203に配置された各電子部品201に対して、各電子部品201を押圧可能なように各押圧ヘッド210の位置合わせを行い、その後、各押圧ヘッド210を昇降装置により一括して下降させる。
【0008】
次に、図17(C)に示すように、各電子部品201の電極201aを有さない面である背面に各押圧ヘッド210の先端部を当接させるとともに、各押圧ヘッド210により各電子部品201の各半田バンプ202を基板203の各パッド203a上に同時的に押圧して接合させ、各押圧ヘッドに備えられた加熱ヒータを一括して作動させることにより、各電子部品201の加熱を同時的に行い、各電子部品201の加熱により各半田バンプ202を溶融させる。
【0009】
その後、図17(D)に示すように、各加熱ヒータを一括して停止させるとともに、昇降装置により各押圧ヘッドを一括して上昇させる。その後、溶融状態にあった半田は次第に冷却されて固化され、これにより、各電子部品201は、電子部品201の各電極201aを基板203の各パッド203aに半田を介在させて接合されることとなる。
【0010】
このようなギャング接合方法においては、基板上に配置された複数の電子部品を、複数の押圧ヘッドにより一括して同時的に各電子部品を基板上に接合することができ、特に、各電子部品が同種類の電子部品であるような場合において、一度に多数の電子部品を基板上に接合することができるため、電子部品が基板上に接合されることにより生産される電子部品組立体が効率的に生産されることとなって、電子部品組立体の生産性を高めることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のものでは、各電子部品の押圧動作を行う各押圧ヘッドの昇降動作は、電子部品押圧接合装置が備える1つの昇降装置により一括して行われていたため、例えば、各電子部品が接合される基板にたわみや反りがあり、基板の平面度が低いような場合(すなわち基板にたわみや反りがある場合)、又は基板上に配置された電子部品の接合材の高さが異なっているような場合には、基板上において配置された状態の各電子部品の接合高さ位置にばらつきが生じるが、上記電子部品押圧接合装置においては、各押圧ヘッド毎に押圧力や各押圧ヘッドの先端位置等を個別に調整することはできないため、基板上に接合された各電子部品の接合高さ位置にばらつきが生じる、又は接合材が押圧され過ぎて接合材潰れが発生するような場合がある。
【0012】
さらに、近年、電子部品の高性能化に伴い電子部品の基板への接合において、より高い接合位置精度をもって接合されることが要求されるようになってきている。例えば、パーソナルコンピュータのCPUに用いられるような高集積化されたICのような電子部品においては、その基板に対する接合高さ位置精度がICの背面高さ位置で±5μmの高さ位置誤差精度、さらに、ICの背面に接合されてICより発生する熱を放熱させるヒートスプレッダの背面高さ位置で±12μmの高さ位置誤差精度と高い接合高さ位置精度が要求されるようになってきている。また、このような高い接合高さ位置精度が要求されるとともに、並行して電子部品の基板への接合に要する時間を短縮化して接合効率を向上させ、電子部品組立体の生産性を向上させることも求められている。
【0013】
しかしながら、従来におけるギャング接合方法では、上記のように、例えば、各電子部品が接合される基板にたわみや反りがあり、基板の平面度が低く、又は基板上に配置された電子部品の接合材の高さが異なり、基板上において配置された状態の各電子部品の接合高さ位置にばらつきが生じるような場合にあっては、上記のように各押圧ヘッドは一括して制御されているため、各押圧ヘッドの動作を個別に制御することができず、基板上に接合された各電子部品の接合高さ位置にばらつきが生じ、このような高い接合位置精度を求められる電子部品の接合には対応できないという問題点がある。
【0014】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、1つの基板に配置された複数の部品を接合する部品押圧接合装置及び接合方法において、高い生産性を保ちながら、高い接合位置精度が要求される部品を基板へ、高い接合位置精度をもって接合させることができる部品押圧接合装置及び接合方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0016】
本発明の第1態様によれば、1つの基板上に接合材を介在させて配置された複数の部品に個別に押圧力を作用させて個別に接合動作を行わせる複数の押圧装置を有する部品押圧接合装置であって、
上記各押圧装置は、
上記部品を個別に押圧する部品押圧部材と、
上記部品押圧部材を個別に昇降させる昇降装置と、
上記部品押圧部材により上記部品に対して作用させた押圧動作状態を個別に検出する検出装置とを備え、
上記部品押圧接合装置は、上記接合材を溶融加熱する加熱装置と、上記各押圧装置における上記検出装置の検出結果が入力されかつ上記入力された検出結果に基づいて個別に上記昇降装置の昇降動作及び上記加熱装置の溶融加熱動作を制御する制御装置とを備え、
上記制御装置により、複数の上記押圧装置における上記部品押圧部材を下降させて複数の上記部品に個別に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、上記検出装置により検出された夫々の押圧動作状態に応じて個別に上記部品押圧部材による押圧動作を行わせるとともに上記押圧動作状態に応じて上記加熱装置による溶融加熱動作を行わせることを特徴とする部品押圧接合装置を提供する。
【0017】
本発明の上記第2態様によれば、上記加熱装置は、上記各押圧装置に備えられ、かつ上記各押圧装置において上記接合材の溶融加熱を個別に行うことが可能であり、
上記制御装置は、上記入力された検出結果に基づいて個別に上記加熱装置の溶融加熱動作を制御可能であって、
上記制御装置により、上記複数の上記押圧装置における上記部品押圧部材を下降させて複数の上記部品に個別に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、夫々の上記検出装置により検出された上記押圧動作状態に応じて個別に上記部品押圧部材による押圧動作及び上記加熱装置による溶融加熱動作を行わせる第1態様に記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0018】
本発明の第3態様によれば、上記各押圧装置における上記検出装置は、上記押圧動作状態として上記部品押圧部材により上記部品に対して作用させた押圧力を個別に検出可能であって、
上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記昇降装置により上記部品押圧部材を下降させて上記部品押圧部材に対向する上記基板上の上記部品に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、上記加熱装置による上記接合材の溶融加熱動作を行わせるとともに、上記検出装置により検出された押圧力を設定押圧力に対して略一定に維持し、上記検出装置により押圧力の上記設定押圧力に対する減少が検出されると、上記昇降装置による上記部品押圧部材の下降を停止させて上記部品押圧部材の上記基板に対する位置を維持する第2態様に記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0019】
本発明の第4態様によれば、上記制御装置により、上記複数の押圧装置において、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記検出装置により検出された押圧力が上記設定押圧力に達する情報をもとに個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせる第3態様に記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0020】
本発明の第5態様によれば、上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記加熱装置の加熱特性又は上記部品若しくは上記基板の平面度に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせる第2態様から第4態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0021】
本発明の第6態様によれば、上記各押圧装置は、上記溶融加熱された上記接合材の固化冷却を個別に行う冷却装置をさらに備えて、上記制御装置による上記加熱装置での溶融加熱動作終了後に上記冷却装置による固化冷却を個別に行う第2態様から第5態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0022】
本発明の第7態様によれば、上記各部品押圧部材は上記部品を個別に解除可能に保持可能であって、
上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記部品押圧部材により、上記部品へ押圧力を作用させるときに上記部品を個別に保持させて、上記部品が上記基板に接合されたときに上記部品の保持を個別に解除する第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0023】
本発明の第8態様によれば、上記各押圧装置は、平面的に2行複数列に配列されかつ上記列の配列間隔は一定の間隔でもって配列されており、
上記基板上に上記接合材を介在させてかつ上記行沿いに上記一定の間隔でもって配置された同種かつ複数の上記部品に対して上記接合動作を個別に行う第1態様から第7態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0024】
本発明の第9態様によれば、上記各押圧装置の上記列の上記一定の間隔又は上記行の間隔を可変とする間隔可変機構をさらに備える第8態様に記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0025】
本発明の第10態様によれば、上記各部品を解除可能に支持する部品支持機構により上記基板上に夫々の接合位置が保持されるように支持された状態にて、上記基板が第1態様から第9態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置に供給され、
上記部品支持機構による上記支持が解除された状態にて、上記各押圧装置により上記各部品に対する上記基板への上記接合動作が個別に行われる部品押圧接合装置を提供する。
【0026】
本発明の第11態様によれば、上記部品は、上記接合材を介在させて上記基板に接合される電子部品、又は上記基板に接合された状態の上記電子部品に上記接合材を介在させて接合されるヒートスプレッダである第1態様から第10態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0027】
本発明の第12態様によれば、上記基板に上記接合材を介在させて接合された状態の上記電子部品に上記接合材を介在させて上記ヒートスプレッダを接合させる場合において、
上記ヒートスプレッダを上記電子部品に接合する上記接合材の融点は、上記電子部品を上記基板に接合する上記接合材の融点よりも低い第11態様に記載の部品押圧接合装置を提供する。
【0028】
本発明の第13態様によれば、1つの基板上に接合材を介在させて配置された複数の部品を複数の部品押圧部材により個別に押圧可能なように、上記複数の部品押圧部材と上記複数の部品との位置合わせを行い、
上記複数の部品押圧部材を下降させ、
上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに夫々の押圧接合状態に応じて個別に上記夫々の部品押圧部材による押圧動作を行うとともに上記夫々の押圧接合状態に応じて上記接合材の溶融加熱動作を行って、上記基板上に上記接合材を介在させて上記複数の部品の接合を行うことを特徴とする部品押圧接合方法を提供する。
【0029】
本発明の第14態様によれば、上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに上記夫々の押圧接合状態に応じて個別に上記夫々の部品押圧部材による押圧動作及び上記接合材の溶融加熱動作を行って、上記基板上に上記接合材を介在させて上記複数の部品の接合を行う第13態様に記載の部品押圧接合方法を提供する。
【0030】
本発明の第15態様によれば、上記複数の部品押圧部材を下降させて上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに、上記夫々の部品に対して作用させた押圧力を個別に検出して、上記検出された押圧力を設定押圧力に対して略一定に維持するとともに上記接合材の溶融加熱を行い、
上記略一定に維持された押圧力の上記設定押圧力の減少が検出されると、上記夫々の部品押圧部材の下降を停止させて上記夫々の部品押圧部材の上記基板に対する位置を維持する第14態様に記載の部品押圧接合方法を提供する。
【0031】
本発明の第16態様によれば、上記夫々の押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うときに、上記検出された押圧力が上記設定押圧力に達する情報をもとに個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行う第15態様に記載の部品押圧接合方法を提供する。
【0032】
本発明の第17態様によれば、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、加熱装置の加熱特性又は上記部品若しくは上記基板の平面度に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせる第14態様から第16態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合方法を提供する。
【0033】
本発明の第18態様によれば、上記複数の部品へ押圧力を作用させるときに上記夫々の部品を上記夫々の部品押圧部材により個別に保持し、
上記溶融加熱動作により上記接合材を個別に溶融させ、
その後、上記溶融された接合材を個別に固化冷却し、上記接合材が固化されて上記基板に上記夫々の部品が上記接合材を介在させて接合されたときに上記夫々の部品の保持を個別に解除する第13態様から第17態様のいずれか1つに記載の部品押圧接合方法を提供する。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明の一の実施形態にかかる部品押圧接合装置及び接合方法は、複数のヘッドにより複数の部品を同時的に基板へ押圧して接合する部品押圧接合装置及び接合方法に関しており、本発明の一の実施形態にかかる部品押圧接合装置及び接合方法の一例として部品押圧接合装置101及びその接合方法について、図面を用いて詳細に説明する。
部品押圧接合装置101においては、部品の一例としてコンピュータのCPUに用いられるIC、例えば±5μm以内といった基板に対する接合高さ位置誤差精度が要求される高集積化されたICのような電子部品1が、基板の一例である回路基板3に押圧接合される。また、回路基板に電子部品を接合することにより作製される電子部品組立体においては、その内部の電子回路を作動させた場合において、その電子回路が発熱し、その熱の影響により、電子回路の正常な作動を妨げる場合がある。このような電子部品組立体においては、電子回路で発熱した熱を効率的に放熱させるヒートスプレッダを電子部品の背面に接合することにより、電子回路の作動を安定化させることが行われている。部品押圧接合装置101においては、回路基板3上に接合された各電子部品1に、部品の一例であるヒートスプレッダ5が押圧接合される。なお、ここで、電子部品1に接合されるヒートスプレッダ5は、例えば、コンピュータのCPUに用いられるICのような電子部品に接合されるヒートスプレッダであり、特に高集積化されたICのような電子部品に接合される、±12μm以内といった接合高さ位置誤差精度が要求されるようなヒートスプレッダである。
【0035】
ここで、部品には、上記電子部品1及び上記ヒートスプレッダ5以外に、同様に基板に対する上記接合高さ位置精度が要求される機械部品、光学部品なども含む。なお、上記接合高さ位置精度まで要求されないような場合であっても正確かつ確実な接合が要求される機械部品、光学部品なども含む。また、基板とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味する。
【0036】
次に、このような部品押圧接合装置101の一部を透過させた斜視図を図1に示す。図1に示すように、部品押圧接合装置101において、機台上に立てられ固定された2本の角柱状の剛体の上部をさらに角柱状の剛体で渡すように門型状の剛体で形成されたメインフレーム20が機台の略中央部に備えられており、部品の押圧接合を行う押圧装置の一例である押圧ヘッド10は、このメインフレーム20のX軸方向におけるその中心線を対称軸とする線対称の位置であるメインフレーム20の上部の両側面に5個ずつ、X軸方向沿いに等間隔ピッチPでもって配列されている。また、上記対称軸に対して互いに線対称の位置にある押圧ヘッド10同士は互いに連結されており、上記連結された状態にて夫々の押圧ヘッド10がX軸方向に移動可能にメインフレーム20の上部に取り付けられている。なお、図1におけるX軸方向とY軸方向は直交しており、また、X軸方向及びY軸方向の両方向に直交する方向がZ軸方向となっている。
【0037】
また、メインフレーム20の図示Y軸方向右側(図1における手前側)に配列されている5個の押圧ヘッド10は、メインフレーム20に備えられた間隔可変機構の一例であるヘッドピッチ可変機構31に固定されており、上記5個の押圧ヘッド10はヘッドピッチ可変機構31を介してメインフレーム20に取り付けられている。また、ヘッドピッチ可変機構31は、上記5個の押圧ヘッド10における上記間隔ピッチPを等間隔の状態に保ちながら可変させることができる。
【0038】
ここで、ヘッドピッチ可変機構31の構造を模式的に示す模式説明図を図18に示す。図1及び図18に示すように、ヘッドピッチ可変機構31は、その軸心回りに正逆回転可能かつX軸方向沿いにメインフレーム20に支持されているボールねじ軸部31aと、ボールねじ軸部31aに螺合されかつ上記5個の押圧ヘッド10のうちの中央に位置する押圧ヘッド10を除く4個の押圧ヘッド10が夫々固定された4個のナット部31b、上記中央に位置する押圧ヘッド10をボールねじ軸部31aにX軸方向に対して固定する軸受部31d、及びボールねじ軸部31aの図示左側の端部に固定されかつボールねじ軸部31aの上記正逆回転を行うモータ31cとを備えている。また、ボールねじ軸部31a及びモータ31cは、X軸方向沿いに移動可能にメインフレーム20に支持されている。
【0039】
図18に示すように、ヘッドピッチ可変機構31において、上記中央に位置する押圧ヘッド10を固定している軸受部31dの両側に位置するナット部31bにおいては互いに逆方向かつ同ピッチの雌ねじが形成されており、さらに両端部に位置するナット部31bにおいては隣接するナット部31bと夫々同方向かつ上記同ピッチの2倍のピッチで雌ねじが形成されている。これにより、ヘッドピッチ可変機構31において、モータ31cによりボールねじ軸部31aを正逆方向のいずれか一方に回転させることにより、上記中央に位置する軸受部31dの位置を基準位置Qとして固定して、その両側に位置する各ナット部31bを、上記間隔ピッチPを等間隔に保ちながらボールねじ軸部31aに沿って上記基準位置Qから離れる方向又は近づく方向に移動させることができる。従って、上記ヘッドピッチ可変機構31により、上記中央に位置する押圧ヘッド10の位置を基準位置Qとして、上記各押圧ヘッド10の上記間隔ピッチPを等間隔に保持しながら、上記間隔ピッチを可変させることができる。なお、上記対称軸に対して互いに線対称の位置にある押圧ヘッド10同士は互いに連結されているため、ヘッドピッチ可変機構31により、押圧ヘッド10の上記対称軸に対して線対称の位置を保持しながら、各押圧ヘッド10の上記間隔ピッチPを可変させることが可能となっている。
【0040】
さらに、上記5個の押圧ヘッド10のうちの上記中央に位置する押圧ヘッド10は、メインフレーム20に備えられている押圧ヘッドの移動機構の一例であるX軸方向移動機構32に固定されている。図18にX軸方向移動機構32の構造についても模式的に示す。図18に示すように、X軸方向移動機構32は、その軸心がX軸方向沿いにかつ上記軸心回りに正逆回転可能にメインフレーム20に固定されているボールねじ軸部32aと、ボールねじ軸部32aに螺合されかつ上記中央の押圧ヘッド10が固定されているナット部32b、及びボールねじ軸部32aの図示左側の端部に固定されかつボールねじ軸部32aの上記正逆回転を行うモータ32cとを備えている。これにより、X軸方向移動機構32において、モータ32cによりボールねじ軸部32aを正逆方向のいずれか一方に回転させることにより、ナット部32bをX軸方向に進退移動させて、ナット部32bに固定されている上記中央の押圧ヘッド10をX軸方向に沿って進退移動させることができる。また、ヘッドピッチ可変機構31におけるボールねじ軸部31a及びモータ31cはメインフレーム20にX軸方向に移動可能に支持されており、X軸方向移動機構32による上記中央の押圧ヘッド10の上記進退移動により、上記中央の押圧ヘッド10に固定されているヘッドピッチ可変機構31のボールねじ軸部31aをX軸方向沿いに進退移動させて、ボールねじ軸部31aに螺合されている各ナット部31bに固定された夫々の押圧ヘッド10を上記間隔ピッチPを保ちながらX軸方向沿いに移動させることが可能となっている。すなわち、X軸方向移動機構32により、夫々の押圧ヘッド10の互いの相対的な配置が保持された状態にて、全ての押圧ヘッド10のX軸方向の進退移動が可能となっている。
【0041】
また、押圧ヘッド10の模式的な構造図である図2に示すように、押圧ヘッド10は、押圧ヘッド10を個別に下降又は上昇させる昇降装置の一例である昇降部19を夫々に備えている。さらに、各押圧ヘッド10はその下部において、先端部に部品を個別に吸着保持させる部品保持部材の一例でもあり、かつ部品を個別に押圧する部品押圧部材の一例でもある吸着ノズル11と、この吸着ノズル11の上側に取り付けられかつ吸着ノズル11を加熱させて吸着ノズル11に吸着保持された部品を加熱する加熱装置の一例であるセラミックヒータ12、及びその先端部が吸着ノズル11の周囲に位置するようにセラミックヒータ12の上方に設けられかつセラミックヒータ12により加熱された部品を冷却する冷却装置の一例である冷却ブローノズル14を備えている。ここで、上記加熱装置は、一例として、押圧ヘッド10に備えられたセラミックヒータ12である場合としたが、セラミックヒータ12に代えて、基板を配置する架台部に備えられた加熱部、又は、部品及び基板に熱風を吹き付けることにより加熱を行うような加熱部を部品押圧接合装置101が備える場合であってもよい。なお、押圧ヘッド10の構造の詳細な説明については後述する。
【0042】
また、図1において、スライドベース34はY軸方向移動機構33のナット部に固定されており、Y軸方向移動機構33はモータによりボールねじ軸を正逆回転させることにより、ボールねじ軸に螺合したナット部に固定されたスライドベース34を図示Y軸方向に進退移動させる。また、スライドベース34上には、架台部の一例である第1ステージ35及び第2ステージ36の2つのステージがY軸方向に並列して固定されており、第1ステージ35及び第2ステージ36に供給されて固定される夫々の基板を、Y軸方向移動機構33により図示Y軸方向に一体的に進退移動可能となっている。また、図示Y軸方向における各基板の両端部を夫々支持可能に、第1ステージ35及び第2ステージ36に夫々2本ずつのレール35a及び36aが設置されている。なお、各押圧ヘッド10における吸着ノズル11の先端面と第1ステージ35及び第2ステージ36の夫々のレール35a及び36aとは略平行となっている。
【0043】
また、第1ステージ35及び第2ステージ36の各レール35a及び36a上に回路基板3の供給を行うローダー37が、第1ステージ35及び第2ステージ36の図示X軸方向左側に設置されており、また、第1ステージ35及び第2ステージ36の各レール35a及び36a上から回路基板3の排出を行うアンローダー38が、図示X軸方向右側に設置されている。ローダー37及びアンローダー38は、回路基板3の両端部を支持可能なレールと上記レールに支持された回路基板3を移動させる移動機構とを夫々備えており、ローダー37及びアンローダー38の構造の詳細な説明については後述する。
【0044】
さらに、部品押圧接合装置101は、部品押圧接合装置101における各構成部の制御を行う制御部9を備えており、昇降部19の昇降動作、X方向移動機構32の移動動作、Y方向移動機構33の移動動作、ヘッドピッチ可変機構31の移動動作、押圧ヘッド10の吸着ノズル11の吸着保持動作、押圧ヘッド10のセラミックヒータ12の加熱動作、及びローダー37及びアンローダー38の各移動機構の移動動作は、制御部9により動作制御される。
【0045】
次に、部品押圧接合装置101おける各押圧ヘッド10の配列位置と、第1ステージ35及び第2ステージ36に供給されて固定された各回路基板3及び各電子部品1の配置の関係を模式的に示す平面図を図3に、電子部品1及び回路基板3を模式的に示す断面図を図4及び図5に示す。
【0046】
図3及び図4(A)に示すように、四角形プレート状の電子部品1は接合面に多数の電極1aを有しており、その各電極1aには接合材の一例である半田バンプ2が予め形成されている。また、接合面に多数の電極であるパッド3aを有している四角形プレート状の単位回路基板3bが図示Y軸方向に2個及びX軸方向に5個配列、すなわち2行5列に配列されて一体に形成され、回路基板3が形成されている。また、電子部品1の各電極1aが単位回路基板3bの各パッド3aに半田バンプ2を介在させて接合可能なように、各電子部品1の各半田バンプ2が回路基板3の各パッド3a上に配置されており、上記配置された各電子部品1は全て同じ種類の電子部品1となっている。
【0047】
ここで、上記電子部品1の「配置」とは、電子部品1を単に回路基板3上に載置するような場合に限らず、電子部品1又は回路基板3に外力を加えることにより、電子部品1及び回路基板3を破壊することなく、電子部品1と回路基板3との接合状態を容易に解除することが可能な接合状態である仮接合をも含む。また、後述するように、電子部品1が単に回路基板3上に載置されて、上記載置の状態が他の部材により解除可能に支持されて上記載置が保持されているようなものも上記配置に含む。
【0048】
また、部品押圧接合装置101により施される部品の基板への「接合」とは、電子部品1又は回路基板3に外力を加えることにより、電子部品1及び回路基板3を破壊することなく、電子部品1と回路基板3との接合状態を容易に解除することができないような接合状態を示す。なお、電子部品1等の部品が回路基板3に接合された後、図3における回路基板3のX軸方向における切断線C及びY軸方向における切断線Dにて回路基板3が切断されることにより、回路基板3が複数の単位回路基板3bに分割されて、各単位回路基板3b毎に電子部品1が接合された電子部品組立体が作製されることになる。
【0049】
また、図3に示すように、X軸方向における回路基板3への各電子部品1の配置は、一定の間隔Aでもって配列されている。また、第1ステージ35に固定されている回路基板3(図3における下側)と第2ステージ36に固定されている回路基板3(図3における上側)においては、同様な配置にて各電子部品1が夫々の回路基板3に接合可能に配置されている。また、第1ステージ35及び第2ステージ36においては、夫々の回路基板3上の同じ位置におけるY軸方向の配置間隔を間隔Bとして、夫々の回路基板3が固定されている。従って、夫々の回路基板3において、上記2行5列のうちの上記行の各電子部品1の夫々の配列を第1列及び第2列とすると、第1ステージ35における回路基板3の第1列と第2ステージ36における回路基板3の第1列の間隔が上記間隔Bと同じとなり、さらに、第1ステージ35における回路基板3の第2列と第2ステージ36における回路基板3の第2列の間隔も上記間隔Bとなっている。
【0050】
また、各押圧ヘッド10においては、メインフレーム20を挟んで線対称の位置に配置されている互いに押圧ヘッド10の間隔(すなわちY軸方向の配置間隔)は、上記間隔Bと同じとなっており、また、各押圧ヘッド10のX軸方向における配置の上記間隔ピッチPは、ヘッドピッチ可変機構31により上記間隔Aと同じ間隔とすることが可能となっている。
【0051】
これにより、Y軸方向移動機構33により第1ステージ35及び第2ステージ36をY軸方向に進退移動させて、第1ステージ35及び第2ステージ36に固定された各回路基板3上の夫々の上記第1列上における各電子部品1を夫々の押圧ヘッド10により同時的に押圧可能となる位置に、第1ステージ35及び第2ステージ36を位置させることができ、また、同様に夫々の上記第2列上における各電子部品1を同時的に押圧可能となる位置に、第1ステージ35及び第2ステージ36を位置させることができる。
【0052】
なお、メインフレーム20を挟んで線対称の位置に配置されている夫々の押圧ヘッド10の間隔(すなわちY軸方向の配置間隔)を上記夫々の配置を線対称の位置に保ちながら可変することができる別の間隔可変機構が、さらにメインフレーム20に備えられている場合であってもよい。このような場合にあっては、上記各回路基板3の夫々の第1列又は夫々の第2列のY軸方向における間隔Bが回路基板3の種類等により異なるような場合であっても、上記別の間隔可変機構により上記夫々の押圧ヘッド10のY軸方向の間隔を可変させて上記間隔Bに合致するようにすることができる。なお、この上記別の間隔可変機構の一例としては、ヘッドピッチ可変機構31やX方向移動機構32と同様に、ボールねじ軸部、ナット部、及びモータ等により構成されるボールねじ機構を用いたものがある。
【0053】
また、図4(A)に示すように、各電子部品1は各半田バンプ2が回路基板3の各パッド3aの上に配置された状態で部品押圧接合装置101に供給されるが、この配置状態を保持するために、回路基板3に取り付けられてかつ回路基板3上に配置された各電子部品1を支持する部品支持機構の一例である部品支持トレー6が回路基板3に取り付けられた状態にて部品押圧接合装置101に供給される。
【0054】
部品支持トレー6は、その上面部分が四角形プレート状に形成され、かつその対向する1組の端部がコ字状に折り曲げられて形成されている。回路基板3のY軸方向における互いに対向する端部に部品支持トレー6の上記夫々のコ字状の端部を解除可能に取り付けることにより、回路基板3の上面全体を覆うように部品支持トレー6を回路基板3に取り付けることが可能となっている。
【0055】
電子部品1を支持している状態の部品支持トレー6の部分平面図を図19に示す。図19に示すように、各電子部品1が配置された回路基板3に部品支持トレー6が取り付けられた状態において、上記電子部品1の上部が部品支持トレー6の上面内側に接触しないように、部品支持トレー6の上記上面においては各電子部品1の配置位置に合わせた複数の切り欠き部6bが形成されている。すなわち、切り欠き部6bと電子部品1との間には所定の隙間が設けられており、電子部品1の回路基板3に対するその配置が補正されるような場合であっても、電子部品1は切り欠き部6bに接触しないようになっている。また、電子部品1の吸着ノズル11による押圧接合の際においても、吸着ノズル11は切り欠き部6bに接触しないようになっている。さらに、部品支持トレー6においては、各切り欠き部6bの内側に電子部品1が位置するように形成されており、各切り欠き部6bの内側においては、夫々の内側に位置された上記電子部品1をその対向する二方の側部より解除可能に支持する複数の支持ジグ6aが備えられており、上記2行5列に電子部品3が配置された回路基板3において、上記行毎の各電子部品1を夫々の支持ジグ6aにより一斉に支持または支持解除することが可能となっている。なお、電子部品1の支持を行う場合、支持ジグ6aは切り欠き部6bの内側より電子部品1の側部側へと突出されて電子部品1の側部を支持し、また、電子部品1の支持解除を行う場合、支持ジグ6aは切り欠き部6bの内側へと格納される。
【0056】
これにより、部品支持トレー6を用いて各電子部品1の回路基板3への配置を保持した状態で、部品押圧接合装置101に上記回路基板3の供給を行うことができ、上記供給時における各電子部品1の上記配置のずれを防止することができる。
【0057】
なお、部品支持トレー6において、支持ジグ6aによる電子部品1の支持は上記対向する二方の側部より支持する場合に限定されず、四方の側部より支持する場合、又は電子部品1の対向する隅部より支持する場合、又は電子部品1の上面より支持する場合であってもよく、つまり、回路基板3への各電子部品1の配置を保持するという目的を達成できる手段であればよい。また、上記行毎の各電子部品1を支持ジグ6aにより一斉に支持又は支持解除する場合に代えて、各電子部品1の支持ジグ6aによる支持又は支持解除を個別に行う場合、又は、回路基板3に配置された全ての電子部品1への支持又は支持解除を一斉に行う場合であってもよい。
【0058】
また、図3においては、各電子部品1の回路基板3への接合位置の配置が、2行5列かつX軸方向に一定の間隔Aでもって配列されている場合について説明したが、上記各電子部品1の接合位置の配置は上記配置に限定されるものではなく、例えば、2行3列かつX軸方向に上記間隔Aの2倍の間隔2Aでもって配列されているような場合であってもよい。
【0059】
なお、図3においては、電子部品1と、回路基板3、及び押圧ヘッド10の配置関係の説明を目的とする図であるため、便宜上、部品支持トレー6を省略した図としている。
【0060】
次に、部品押圧接合装置101を用いて各電子部品1を回路基板3上に接合する方法について説明する。なお、以下においては電子部品1の押圧接合方法の概略の説明を行うものとし、詳細な押圧接合方法については後述する。また、以下において説明する電子部品1の接合動作は制御部9により制御されて行われる。
【0061】
まず、図1において、回路基板3に取り付けられた部品支持トレー6により各電子部品1の配置が保持された状態の2枚の回路基板3が、ローダー37のレール上で夫々の端部が支持されながら、ローダー37の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、スライドベース34上の第1ステージ35及び第2ステージ36の夫々のレール35a及び36a上に供給されて固定される。なお、ローダー37による第1ステージ35及び第2ステージ36への各回路基板3の供給方法、並びにアンローダー38による第1ステージ35及び第2ステージ36よりの各回路基板3の排出方法の詳細な説明については後述する。
【0062】
次に、図1において、Y軸方向移動機構33によりスライドベース34を図示Y軸方向左向きに移動させるとともに、X軸方向移動機構32により各押圧ヘッド10を図示X軸方向に移動させて、第1ステージ35に固定されている回路基板3の図3における第1列に配置されている各電子部品1、及び第2ステージ36に固定されている回路基板3の第1列に配置されている各電子部品1を、各押圧ヘッド10により同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。
【0063】
この位置合わせは、制御部9において予め入力されている回路基板3における基準の位置が各押圧ヘッド10に対して所定の位置に位置するように行われる。また、このような場合に代えて、押圧ヘッド10が回路基板3における基準の位置を認識可能な撮像部を備え、上記撮像部により回路基板3における上記基準の位置の認識を行うことにより位置合わせを行うような場合であってもよい。
【0064】
また、このとき、各押圧ヘッド10のX軸方向における配列の間隔ピッチと各回路基板3上の各電子部品1のX軸方向における配列の間隔Aとが異なっているような場合にあっては、制御部9において予め入力されている各回路基板3の上記間隔Aのデータに基づいて、ヘッドピッチ可変機構31により各押圧ヘッド10の上記間隔ピッチを可変させて、各押圧ヘッド10及び回路基板3における夫々の上記間隔ピッチを合致させるようにする。
【0065】
上記位置合わせが完了したとき、X軸方向移動機構32及びY軸方向移動機構33における移動動作を停止させ、その後、図4(B)に示すように、部品支持トレー6の各支持ジグ6aによる各回路基板3への上記第1列に配置されている各電子部品1の配置位置の支持を支持解除の状態とさせる。なお、このとき各回路基板3における第2列に配列されている各電子部品1の配置位置の支持は解除されず支持された状態のままとなっている。
【0066】
その後、図4(C)に示すように、夫々の押圧ヘッド10が備える昇降部19により、夫々の押圧ヘッド10を個別かつ同時的に下降させ、各吸着ノズル11の先端を各電子部品1の上面に当接させるとともに、各電子部品1の上面を各吸着ノズル11により吸着保持する。さらに、昇降部19による上記下降動作を行うことにより各電子部品1に押圧力を加えて、夫々の回路基板3上に単に配置された状態にあった各電子部品1の各半田バンプ2を各回路基板3の各パッド3aに押圧しながら確実に接触させて、半田バンプ2をパッド3aに圧接させた状態とさせる。
【0067】
ここで「圧接」とは、押圧力を部材間に加えることにより、上記部材間の接触性が高められた接触状態を意味する。上記の場合、半田バンプ2をパッド3aに押圧させることにより、半田バンプ2のその形状をつぶすことなく変形させながら確実にパッドに接触させた状態のことである。また、この状態においては、電子部品1又は回路基板3に外力を加えることにより、電子部品1及び回路基板3を破壊することなく、電子部品1と回路基板3との上記接触状態を容易に解除することが可能となっている。
【0068】
この圧接の後、図5(D)に示すように、夫々の押圧ヘッド10において個別に、セラミックヒータ12により吸着ノズル11への加熱が行われ、各吸着ノズル11に吸着保持されかつ回路基板3の各パッド3aに圧接されている電子部品1の各半田バンプ2の溶融加熱が開始される。さらに、セラミックヒータ12による吸着ノズル11への加熱温度が昇温され、上記加熱温度が各半田バンプ2を形成している半田の融点以上の温度に達すると各半田バンプ2の溶融が開始される。
【0069】
ここで「溶融加熱」とは、半田バンプ2等の接合材を半田の融点以上の温度まで加熱して、半田を溶融させることを目的とする加熱を意味する。従って、予め接合材を溶融させることなく一定の温度まで予備的に加熱させておくことを目的とするいわゆる予備加熱の開始は上記溶融加熱の開始とは異なるものである。
【0070】
上記各半田バンプ2が完全に溶融された状態となった後、図5(E)に示すように、各セラミックヒータ12による加熱が停止されて、上記溶融状態の半田に各冷却ブローノズル14からの冷風による固化冷却が個別に施されて、上記半田が固化される。この上記半田の固化により、図3における夫々の回路基板3の第1列に配列されている各電子部品1の各電極1aと各回路基板3の各パッド3aとが半田を介在させて接合される。なお、溶融状態の半田への冷却ブローノズル14による強制的な冷却により上記半田を固化させる場合に代えて、溶融された半田を自然冷却することにより半田を固化させるような場合であってもよい。
【0071】
その後、図5(F)に示すように、夫々の押圧ヘッド10において個別に吸着ノズル11による電子部品1への吸着保持を解除し、夫々の昇降部19により上記夫々の押圧ヘッド10を個別に上昇させる。
【0072】
ここで「個別」とは、夫々の押圧ヘッド10の各動作を他の押圧ヘッドの動作に対して独立的に制御されて行うことである。例えば、夫々の電子部品1において半田バンプ2の高さが異なっており、回路基板3に対する電子部品1の上面高さ位置が異なっているような場合にあっては、夫々の押圧ヘッド10による上記圧接のタイミングも異なることになるが、夫々の圧接の後、セラミックヒータ12により各半田バンプ2への溶融加熱を独立したタイミングにて開始するというようなことを意味するものである。
【0073】
次に、Y軸方向移動機構33によりスライドベース34を図示Y軸方向左向きに移動させて、図3における第1ステージ35に固定されている回路基板3の第2列に配置されている各電子部品1、及び第2ステージ36に固定されている回路基板3の第2列に配置されている各電子部品1を、各押圧ヘッド10により個別かつ同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。このとき、夫々の上記第2列に配置されている各電子部品1の配置位置は支持された状態であるため、回路基板3の移動により上記配置位置のずれが発生することはない。その後、各部品支持トレー6による上記夫々の第2列における各電子部品1の支持を解除して、各回路基板3の上記第1列に配列されている各電子部品1の押圧接合動作と同様に、上記作業を行い、各回路基板3の第2列に配列されている各電子部品1の各電極を各回路基板3の各パッド3aに半田を介在させて接合させる。
【0074】
これにより、第1ステージ35及び第2ステージ36に固定されている夫々の回路基板3上に配置されていた全ての電子部品1が、夫々の回路基板3に接合されたことになる。
【0075】
その後、図1において、夫々の回路基板3がスライドベース34上の第1ステージ35及び第2ステージ36の各レール35a及び36a上よりアンローダー38のレール上に取り出され、アンローダー38の移動機構により図示X軸方向右向きに移動されて、上記夫々の回路基板3が部品押圧接合装置101より排出される。
【0076】
なお、上記においては、接合材が電子部品1の各電極1aに予め形成された各半田バンプ2である場合について説明したが、このような場合に代えて、接合材が電子部品1の各電極1aに予め形成された各半田バンプ及び回路基板3の各パッド3a上に予め形成された各半田部であり、上記各半田バンプと上記各半田部とを接合するような場合であってもよく、また、接合材が回路基板3の各パッド3a上に予め形成された各半田部であり、上記各半田部を介して電子部品1の各電極1aと回路基板3の各パッド3aとを接合するような場合であってもよい。また、半田材料で形成された上記半田バンプ又は半田部に代えて、例えば、AuやAl等の導電性金属材料により形成されたバンプ等が接合材として用いられる場合であってもよい。
【0077】
さらに、電子部品1の各電極1a上、又は回路基板3の各パッド3a上、又は接合材である各半田バンプ2等に、各接合部分における表面の酸化膜を除去し、溶融半田の濡れ性を良好とさせることができるフラックスを予め塗布により、供給してもよい。なお、塗布供給されたフラックスの種類により、電子部品1を回路基板3に接合後、塗布供給されたフラックスを洗浄による除去を行う場合もある。
【0078】
次に、部品押圧接合装置101を用いて、回路基板3上に接合された各電子部品1に部品の一例であるヒートスプレッダ5を接合する方法について説明する。なお、以下において説明するヒートスプレッダ5の接合動作は制御部9により制御されることにより行われる。
【0079】
図6及び図7は、電子部品1、回路基板3及びヒートスプレッダ5を模式的に示す断面図を用いて、ヒートスプレッダ5の押圧接合手順を模式的に示す説明図である。
【0080】
ヒートスプレッダ5は、四角形プレート状でありかつ下面中央部分に電子部品1の上部全体を覆うことが可能なような凹部5aを備えて形成されている。なお、ヒートスプレッダ5の表面の一部又は全体に、放熱性を良好とさせるための放熱フィンが多数形成されている場合であってもよい。
【0081】
図6(A)に示すように、回路基板3に接合された各電子部品1の背面には、凹部5a内側に接合材の一例であるインジウム接合材4が供給された各ヒートスプレッダ5が、インジウム接合材4を介して配置されている。これら各ヒートスプレッダ5の配置位置を保持するために、上記部品支持トレー6と同様な構造に形成されかつ各ヒートスプレッダ5を支持する部品支持トレー7が回路基板3に取り付けられている。なお、上記ヒートスプレッダ5の「配置」とは、上記において説明した電子部品1の「配置」と同意である。
【0082】
部品支持トレー7は、上記部品支持トレー6と同様に、その上面部分が四角形プレート状に形成され、かつその対向する1組の端部がコ字状に折り曲げられて形成されている。また、回路基板3のY軸方向における互いに対向する端部に部品支持トレー7の上記夫々のコ字状の端部を解除可能に取り付けることにより、回路基板3の上面全体を覆うように部品支持トレー7を回路基板3に取り付けることが可能となっている。
【0083】
ヒートスプレッダ5を支持している状態の部品支持トレー7の部分平面図を図20に示す。図20に示すように、各ヒートスプレッダ5が配置された回路基板3に部品支持トレー7が取り付けられた状態において、上記ヒートスプレッダ5の上部が部品支持トレー7の上面内側に接触しないように、部品支持トレー7の上記上面においては各ヒートスプレッダ5の配置位置に合わせた複数の切り欠き部7bが形成されている。すなわち、切り欠き部7bとヒートスプレッダ5との間には所定の隙間が設けられており、ヒートスプレッダ5の電子部品1に対するその配置(回路基板3に対するその配置でもある)が補正されるような場合であっても、ヒートスプレッダ5は切り欠き部7bに接触しないようになっている。また、ヒートスプレッダ5の吸着ノズル11による押圧接合の際においても、吸着ノズル11は切り欠き部7bに接触しないようになっている。さらに、部品支持トレー7においては、各切り欠き部7bの内側にヒートスプレッダ5が位置するように形成されており、各切り欠き部7bの内側においては、夫々の内側に位置された上記ヒートスプレッダ5をその対向する二方の側部より解除可能に支持する複数の支持ジグ7aが備えられており、上記2行5列にヒートスプレッダ5が配置された回路基板3において、上記行毎の各ヒートスプレッダ5を夫々の支持ジグ7aにより一斉に支持または支持解除することが可能となっている。なお、ヒートスプレッダ5の支持を行う場合、支持ジグ7aは切り欠き部7bの内側よりヒートスプレッダ5の側部側へと突出されてヒートスプレッダ5の側部を支持し、また、ヒートスプレッダ5の支持解除を行う場合、支持ジグ7aは切り欠き部7bの内側へと格納される。
【0084】
これにより、部品支持トレー7を用いて各ヒートスプレッダ5の回路基板3への配置を保持した状態で、部品押圧接合装置101に上記回路基板3の供給を行うことができ、上記供給時において各ヒートスプレッダ5の上記配置のずれを防止することができる。
【0085】
まず、図1において、回路基板3に取り付けられた部品支持トレー7により各ヒートスプレッダ5の配置が保持された状態の2枚の回路基板3が、ローダー37のレール上で夫々の端部が支持されながら、ローダー37の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、スライドベース34上の第1ステージ35及び第2ステージ36のレール35a及び36a上に供給されて固定される。
【0086】
次に、図1において、Y軸方向移動機構33によりスライドベース34を図示Y軸方向左向きに移動させるとともに、X軸方向移動機構32により各押圧ヘッド10を図示X軸方向に移動させて、図3における第1ステージ35に固定されている回路基板3の第1列における各電子部品1の上面に配置されている各ヒートスプレッダ5、及び第2ステージ36に固定されている回路基板3の第1列における各電子部品1の上面に配置されている各ヒートスプレッダ5を、各押圧ヘッド10により同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。
【0087】
この位置合わせは、制御部9において予め入力されている回路基板3における基準の位置が各押圧ヘッド10に対して所定の位置に位置するように行われる。また、このような場合に代えて、押圧ヘッド10が回路基板3における基準の位置を認識可能な撮像部を備え、上記撮像部により回路基板3における上記基準の位置の認識を行うことにより位置合わせを行うような場合であってもよい。
【0088】
また、このとき、各押圧ヘッド10のX軸方向における配列の間隔ピッチと各回路基板3上の各ヒートスプレッダ5のX軸方向における配列の間隔ピッチ(すなわち、各電子部品1のX軸方向における配列の間隔A)とが異なっているような場合にあっては、制御部9において予め入力されている各回路基板3の上記間隔Aのデータに基づいて、ヘッドピッチ可変機構31により各押圧ヘッド10の上記間隔ピッチを可変させて、各押圧ヘッド10及び回路基板3における夫々の上記間隔ピッチを合致させるようにする。
【0089】
上記位置合わせが完了したとき、X軸方向移動機構32及びY軸方向移動機構33における移動動作を停止させ、その後、図6(B)に示すように、部品支持トレー7の各支持ジグ7aによる上記第1列に配置されている各ヒートスプレッダ5の配置位置の支持を支持解除の状態とさせる。なお、このとき各回路基板3における第2列に配置されている各電子部品1の配置位置の支持は解除されずに支持された状態のままとなっている。
【0090】
その後、図6(C)に示すように、夫々の押圧ヘッド10が備える昇降部19により、夫々の押圧ヘッド10を個別かつ同時的に下降させ、各吸着ノズル11の先端を各ヒートスプレッダ5の上面に当接させるとともに、各ヒートスプレッダ5の上面を各吸着ノズル11により吸着保持する。さらに、昇降部19による上記下降動作を行うことにより、各ヒートスプレッダ5に押圧力を加えて、各電子部品1上に単に配置された状態にある各ヒートスプレッダ5の凹部5a内側底面を各電子部品1の上面の大略全面にインジウム接合材4を介在させて確実に面接触させて圧接させた状態とさせる。
【0091】
この圧接の後、図7(D)に示すように、夫々の押圧ヘッド10において個別に、セラミックヒータ12により吸着ノズル11への加熱が行われ、各吸着ノズル11に吸着保持されているヒートスプレッダ5の凹部5a内側の各インジウム接合材4が溶融加熱される。さらに、セラミックヒータ12による吸着ノズル11への加熱温度が昇温され、上記加熱温度がインジウム接合材4の融点以上の温度に達するとインジウム接合材4の溶融が開始される。
【0092】
ここで、インジウム接合材4の溶融加熱の際に、電子部品1を回路基板3に接合している半田も加熱されることになるが、インジウム接合材4は融点約160℃〜180℃のインジウムにより形成されているのに対して、例えば、電子部品1を回路基板3に接合している半田に融点約230℃の高温半田を用いることにより、セラミックヒータ12による吸着ノズル11への加熱温度を、上記インジウムの融点以上かつ上記高温半田の融点未満の範囲の温度まで昇温させることにより、電子部品1を回路基板3に接合している上記半田が再び溶融されることはない。従って、電子部品1と回路基板3との半田を介した接合に影響を与えることなく、電子部品1へのヒートスプレッダ5のインジウム接合材4を介した押圧接合を行うことができる。
【0093】
各インジウム接合材4が完全に溶融された状態となった後、図7(E)に示すように、各セラミックヒータ12による加熱が停止されて、各ヒートスプレッダ5を介して上記溶融状態のインジウム接合材4に各冷却ブローノズル14からの冷風による固化冷却が個別に施されて、各インジウム接合材4が固化される。この上記各インジウム接合材4の固化により、夫々の回路基板3の第1列に接合されている各電子部品1の上面にヒートスプレッダ5がインジウム接合材4を介在させて接合される。なお、上記溶融状態のインジウム接合材4への冷却ブローノズル14による強制的な冷却によりインジウム接合材4を固化させる場合に代えて、溶融されたインジウム接合材4を自然冷却することにより固化させる場合であってもよい。
【0094】
その後、図7(F)に示すように、夫々の押圧ヘッド10において個別に吸着ノズル11によるヒートスプレッダ5への吸着保持を解除し、夫々の昇降部19により上記夫々の押圧ヘッド10を個別に上昇させる。
【0095】
次に、Y軸方向移動機構33によりスライドベース34を図示Y軸方向左向きに移動させて、図3における第1ステージ35に固定されている回路基板3の第2列に接合されている各電子部品1の上面に配置されている各ヒートスプレッダ5、及び第2ステージ36に固定されている回路基板3の第2列に接合されている各電子部品1の上面に配置されている各ヒートスプレッダ5を、各押圧ヘッド10により個別かつ同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。このとき、夫々の上記第2列に配置されている各ヒートスプレッダ5の配置位置は支持された状態であるため、回路基板3の移動により上記配置位置のずれが発生することはない。その後、部品支持トレー7による上記夫々の第2列における各ヒートスプレッダ5の支持を解除して、各回路基板3の上記第1列の各電子部品1の上面に配置されている各ヒートスプレッダ5の押圧接合動作と同様に、上記作業を行い、各回路基板3の第2列の各電子部品1の上面に各ヒートスプレッダ5を各インジウム接合材4を介在させて接合させる。
【0096】
これにより、第1ステージ35及び第2ステージ36に固定されている夫々の回路基板3の各電子部品1の上面に配置されていた各ヒートスプレッダ5が接合されたことになる。
【0097】
その後、図1において、夫々の回路基板3が、スライドベース34上の第1ステージ35及び第2ステージ36の各レール35a及び36a上よりアンローダー38のレール上に取り出され、アンローダー38の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、上記夫々の回路基板3が部品押圧接合装置101より排出される。
【0098】
なお、上記においては、接合材であるインジウム接合材4が、ヒートスプレッダ5の凹部5a内側に予め供給されている場合について説明したが、接合材が回路基板3に接合されている電子部品1の上面に予め供給されている場合、又は、ヒートスプレッダ5の凹部5a内側及び電子部品1の上面にともに予め供給されている場合であってもよい。
【0099】
次に、部品押圧接合装置101における押圧ヘッド10の構造について、押圧ヘッド10の構造を示す断面図(図1におけるX軸方向より見た断面図)である図2を用いて詳細に説明する。
【0100】
図2において、押圧ヘッド10は、電子部品1又はヒートスプレッダ5への押圧動作、吸着保持動作、加熱冷却動作等を施す押圧ヘッド下部10aと、押圧ヘッド下部10aの昇降動作を行う押圧ヘッド上部10bにより構成されている。
【0101】
押圧ヘッド下部10aは、その下方先端側より上方側へ順に、電子部品1又はヒートスプレッダ5を吸着保持可能かつ押圧可能な吸着ノズル11と、この吸着ノズル11を加熱することによりこの吸着ノズル11に吸着保持された電子部品1又はヒートスプレッダ5を加熱するセラミックヒータ12と、このセラミックヒータ12よりの熱が押圧ヘッド上部10bへ伝わらない様に熱遮断を行う断熱部の一例であるウォータージャケット13と、このウォータージャケット13の上部に取り付けられた軸部の一例である軸15と、軸15の上部に取り付けられかつ押圧力を検出する検出装置の一例であるロードセル16、及び軸15の下部周囲に取り付けられかつセラミックヒータ12により加熱された電子部品1又はヒートスプレッダ5を冷風により冷却する冷却ブローノズル14とを備えている。
【0102】
また、押圧ヘッド上部10bは、押圧ヘッド下部10aの昇降動作を図1におけるZ軸方向に沿った軸である昇降動作軸S沿いに行う昇降部19、及び昇降部19のナット部19dに取り付けられかつ昇降部19のボールねじ軸19b上を昇降動作可能なヘッドフレーム18とを備えている。
【0103】
昇降部19は、剛体により形成された概略コ字状の縦断面形状を有する昇降部フレーム19cと、その軸心回りに正逆回転可能にかつ上記軸心を略鉛直方向沿いとして上記昇降部フレーム19cに取り付けられたボールねじ軸部19bと、上記ボールねじ軸部19bの下部に螺合されかつヘッドフレーム18が固定されたナット部19d、及び上記昇降部フレーム19cの上端に固定されかつ上記ボールねじ軸部19bの上端を固定して上記ボールねじ軸部19bの上記軸心回りの正逆回転を行うモータ19aとを備えている。なお、ボールねじ軸部19bの上記軸心が、昇降部19の上記昇降動作軸Sとなっている。
【0104】
また、ヘッドフレーム18は、剛体により形成されかつ大略円筒状の形状を有しており、その上記円筒状の内部上部において、昇降部19のボールねじ軸部19bの下部を貫通させるように、ナット部19dに取り付けられている。
【0105】
また、ヘッドフレーム18の図示右側の側部には弾性体の一例である自重相殺スプリング17の一方の端部が取り付けられかつ突起状に凸部が形成されたスプリング受部18aが形成されている。
【0106】
さらに、押圧ヘッド下部10aにおける軸部15の図示右側の上部側部にも突起状に凸部が形成されたスプリング受部15aが形成されて、このスプリング受部15aに自重相殺スプリング17の他方の端部が取り付けられている。上記夫々のスプリング受部18a及び15aに両端部が固定された自重相殺スプリング17により、押圧ヘッド下部10aの自重が相殺されてヘッドフレーム18が押圧ヘッド下部10aを支えている。
【0107】
また、ここで、図2において、部品押圧接合装置101において、門型形状のメインフレーム20は、その一方の端部を機台に固定された2本の角柱状の剛体と上記2本の剛体の夫々の他方の端部を横方向に渡すように上記夫々の他方の端部に固定された角柱状の剛体とにより、その門型形状を形成している第1フレーム20aと、第1フレーム20aの上記2本の剛体にその両端部が固定されかつ第1フレーム20aの上記横方向の剛体の下方に設けられた角柱状の剛体である第2フレーム20b、及び第2フレーム20bの下方に設けられかつ第2フレーム20bと同様に第1フレーム20aの上記2本の剛体にその両端部が固定された第3フレーム20cとにより構成されている。
【0108】
また、図2に示すように、上記昇降動作軸に沿って昇降部フレーム19cにLMレール21が固定されており、LMレール21に係合されかつLMレール21上を上記昇降動作軸S沿いの方向(すなわちZ軸方向)に移動可能なLMブロック22がヘッドフレーム18の図示左端に固定されている。ここでLMレール及びLMブロックとは直線的移動機構を構成する部材の一例であり、略直線状のレールであるLMレール及び当該LMレールに係合されたLMブロックにより、上記LMブロックを上記LMレールに沿って、すなわち略直線的に移動可能としている。これにより、ヘッドフレーム18は上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作が可能となっている。
【0109】
また、図2において、メインフレーム20の第2フレーム20bの図示右側の側部には、図1におけるX軸方向に沿ってLMレール23が上下一対に固定されており、また夫々のLMレール23に係合されたLMブロック24に上記昇降部フレーム19cに固定されているLMレール21が固定されている。夫々のLMブロック24が夫々のLMレール23に沿って移動可能となっていることにより、押圧ヘッド上部10bは、上記X軸方向に沿って移動可能となっている。
【0110】
また、図2において、メインフレーム20の第2フレーム20bと同様に第3フレーム20cの図示右側の側部にも、上記X軸方向に沿ってLMレール25が固定されており、また、LMレール25上をLMレール25に沿って移動可能に係合されたLMブロック26には、上記昇降動作軸S沿いの方向に沿った別のLMレール27が取り付けられており、さらに、LMレール27上をLMレール27に沿って移動可能(すなわち上記昇降動作軸S沿いに移動可能)に係合されたLMブロック28には、押圧ヘッド下部10aの軸15が図示左側のその側部で固定されている。LMブロック28がLMレール27に沿って移動可能となっていることにより、軸15は上記昇降動作軸Sに沿って昇降可能となっており、さらに、LMブロック26がLMレール25に沿って移動可能となっていることにより、軸15は上記X軸方向に沿って移動可能となっている。つまり、押圧ヘッド下部10aは、上記昇降動作軸Sに沿って昇降可能であり、かつ上記X軸方向に沿って押圧ヘッド10bとともに移動可能となっている。
【0111】
また、LMレール27及びLMブロック28は、軸15の昇降動作を案内可能であるとともに、軸15の上記昇降動作の下端を制限している。これにより、軸15は、自重相殺スプリング17を介してヘッドフレーム18に支えられながら、LMレール27及びLMブロック28に案内されて上記昇降動作が可能であるとともに、自重相殺スプリング17が破損等により軸15を支持することができなくなったような場合においても、LMレール27及びLMブロック28が軸15をその上記昇降動作の上記下端にて支えることができ、軸15の落下を防止を可能としている。
【0112】
また、その押圧力検出面を上面として軸15の上部に取り付けられているロードセル16は、ヘッドフレーム18に取り付けられて軸15を支えている自重相殺スプリング17により、ロードセル16の押圧力検出面がヘッドフレーム18の下端に常時押圧されて接された状態とされている。これにより、ロードセル16の荷重検出面において、押圧ヘッド下部10aの軸15のZ軸方向上向きに働く押圧力が検出可能となっている。
【0113】
また、昇降部19において、モータ19aによりボールねじ軸部19bを正逆回転させることにより、ナット部19dに固定されかつLMレール21及びLMガイド22により上記正逆回転の方向に固定されているヘッドフレーム18が上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作されるが、この昇降動作により、ヘッドフレーム18の下端に常時当接された状態とされているロードセル16を備える押圧ヘッド下部10a全体も、上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作される。
【0114】
また、吸着ノズル11、セラミックヒータ12、ウォータージャケット13、冷却ブローノズル14、軸15、ロードセル16、及びヘッドフレーム18の各中心は同軸上に配置されており、この軸は昇降部19による昇降動作軸Sと一致するように配置されているため、昇降部19による昇降動作により、吸着ノズル11、セラミックヒータ12、ウォータージャケット13、冷却ブローノズル14、軸15、及びロードセル16は、昇降動作軸S上において、昇降動作可能となっている。
【0115】
また、押圧ヘッド上部10bは、LMレール21、LMブロック24及びLMレール23を介してメインフレーム20における第2フレーム20bに支持されており、一方、押圧ヘッド下部10aは、自重相殺スプリング17を介して押圧ヘッド上部10bにより支持されている。従って、押圧ヘッド10の自重は第2フレーム20bに加えられることとなり、各押圧ヘッド10の自重により第2フレーム20bが多少たわむ場合も考えられるが、上記自重が加えられないような構造とされている第3フレーム20cにおいては、上記第2フレーム20bにおけるたわみと比較する限りそのたわみはほとんど発生しない。上記第2フレーム20bにおいて上記たわみが発生した場合には、押圧ヘッド上部10bにおける昇降動作軸Sが上記たわみに応じて略鉛直方向より傾斜されることとなるが、押圧ヘッド下部10aは押圧ヘッド上部10bと分離構造とされていること、及び押圧ヘッド10aの昇降動作軸S上における昇降動作を案内する第3フレーム20cにはたわみが発生しないことにより、押圧ヘッド下部10aの昇降動作は上記第2フレーム20bのたわみ、すなわち、各押圧ヘッド10の自重による影響を受けることがない。従って、押圧ヘッド下部10aにおいては、常に略鉛直方向に沿った昇降動作を行うことができ、吸着ノズル11の先端面と第1ステージ35及び第2ステージ36とを常に略平行に保つことができ、部品の押圧動作を正確に行うことが可能となっている。
【0116】
また、軸15の下部周囲である軸下部15bの周囲に取り付けられている冷却ブローノズル14は、軸15の下方に位置するウォータージャケット13及びセラミックヒータ12の側面を回り込むように形成され、さらに、冷却ブローノズル14の先端は吸着ノズル11の下面である部品の吸着保持面に向けられており、冷却ブローノズル14よりの冷風が吸着ノズル11に吸着保持された電子部品1又はヒートスプレッダ5を冷却可能となっている。
【0117】
また、制御部9は、吸着ノズル11の吸着動作、セラミックヒータ12の加熱動作、冷却ブローノズル14の冷却動作及び昇降部19の移動動作を制御し、ロードセル16にて検出された押圧力が制御部9に出力されて、上記押圧力に基づいて昇降部19の動作等が制御されるように構成されている。
【0118】
ここで、部品押圧接合装置101における制御系統図を図15に示す。部品押圧接合装置101において、制御部9は、部品押圧接合装置101の各構成部の動作である昇降部19のモータ19aによる昇降動作、セラミックヒータ12の加熱動作、冷却ブローノズル14の冷却動作、吸着ノズル11の吸着動作、X方向移動機構32のモータによる移動動作、ヘッドピッチ可変機構31のモータによる移動動作、Y方向移動機構33のモータによる移動動作、及びローダー37及びアンローダー38の移動機構のモータによる移動動作を制御し、さらに、ロードセル16にて検出された押圧力が制御部9に出力される。これにより、制御部9の被制御部である上記各構成部が、制御部9により相互に関連されながら制御されることにより、部品押圧接合装置101において、電子部品1及びヒートスプレッダ5の回路基板3への接合が施される。
【0119】
次に、押圧ヘッド10におけるロードセル16により、電子部品1と回路基板3との圧接時、又はヒートスプレッダ5と電子部品1との圧接時の夫々において発生するZ軸方向における押圧力である接合押圧力を検出する方法について説明する。なお、電子部品1と回路基板3との上記圧接時、及びヒートスプレッダ5と電子部品1との上記圧接時における押圧力検出方法は同様であるため、以下においては電子部品1と回路基板3との上記圧接時においての場合についてのみ説明するものとする。
【0120】
まず、第1ステージ35及び第2ステージ36に供給され固定されている各回路基板3上に配置されている各電子部品1に対しての各押圧ヘッド10の位置合わせを行った後、各押圧ヘッド10が夫々の昇降部19により個別かつ同時的に下降され、各電子部品1の各半田バンプ2が各回路基板3の各パッド3aに押圧されて圧接される。
【0121】
このとき、各押圧ヘッド10において昇降部19によりヘッドフレーム18が下降されて、ロードセル16の上記押圧力検出面に常時当接した状態にあるヘッドフレーム18の下端がロードセル16を押し下げる力、すなわち、電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aとの間に発生した接合押圧力の反作用の力が、ロードセル16の上記押圧力検出面をヘッドフレーム18の下端を押圧する力としてロードセル16にて検出される。
【0122】
このようにしてロードセル16において上記接合押圧力が検出され、ロードセル16より検出された上記接合押圧力が制御部9に出力されて、上記接合押圧力が制御部9において予め設定された所定の接合押圧力(以降、設定押圧力とする)となるように、制御部9により昇降部19による押圧ヘッド10の下降動作が制御される。上記接合押圧力が上記設定押圧力に達したことがロードセル16において検出されたとき、制御部9において、電子部品1の各半田バンプ2が回路基板3の各パッド3aに圧接されたものとみなされる。
【0123】
なお、上記設定押圧力には所定の許容範囲が設けられており、この設定押圧力の許容範囲内に上記接合押圧力が入ることにより、制御部9において上記接合押圧力が上記設定押圧力に達したものとみなされる。
【0124】
以上のような構成及び方法の本実施形態にかかる押圧接合方法及び押圧接合装置について、接合手順を図8に示すフローチャートにまとめる。なお、上記フローチャート中の各ステップにおける動作指示は制御部9にて行われる。
【0125】
図8におけるステップS1において、回路基板3の各パッド3a上に半田バンプ2が配置された各電子部品1の上面を押圧可能なように各押圧ヘッド10と各電子部品1との位置合わせを行う。
【0126】
その後、ステップS2において、制御部9により、夫々の昇降部19により各押圧ヘッド10を下降させ、ステップS3において、各押圧ヘッド10の吸着ノズル11の先端を電子部品1の上面に当接させるとともに、各電子部品1の各半田バンプ2を回路基板3の各パッド3aに押圧し、発生した接合押圧力を各押圧ヘッド10のロードセル16にて検出しながら、制御部9により、上記接合押圧力が設定押圧力(設定押圧力の許容範囲内)に達するように夫々の昇降部19による各押圧ヘッド10の下降動作を制御して、上記設定押圧力にて押圧することにより各半田バンプ2を各パッド3aに圧接する。
【0127】
その後、ステップS4において、制御部9により、各押圧ヘッド10のセラミックヒータ12による上記圧接の状態における各電子部品1の各半田バンプ2の溶融加熱を開始することにより、各半田バンプ2を溶融させる。その後、ステップS5において、制御部9により、溶融された半田に冷却ブローノズル14の冷風による固化冷却を開始し、ステップS6において、溶融された半田を固化させ、各電子部品1の各電極1aを回路基板3の各パッド3aに半田を介在させて接合する。その後、ステップS7において、制御部9により、各押圧ヘッド10の吸着ノズル11による電子部品1への吸着保持を解除する。
【0128】
なお、ステップS5における溶融された半田の固化冷却は、冷却ブローノズル14の冷風による冷却に代えて、自然冷却による場合であってもよい。また、上記フローチャートにおいては、電子部品1を回路基板3上に接合する場合についての手順であるが、回路基板3上に接合された電子部品1にヒートスプレッダ5を接合する場合について、接合手順を図9に示すフローチャートにまとめる。なお、図9に示すように、接合手順は図8に示す接合手順と同様であるため説明を省略する。
【0129】
次に、上記図8及び図9におけるフローチャートに示す押圧接合の手順に代えて、さらに、電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aとの圧接検出後、又はヒートスプレッダ5と電子部品1とのインジウム接合材4を介在させた圧接検出後に、押圧ヘッド10による接合押圧力の一定制御を行う場合、さらに、各半田バンプ2、又はインジウム接合材4の溶融後に吸着ノズル11の先端高さ位置制御を行う場合について説明する。
【0130】
電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aとの圧接検出の後、又はヒートスプレッダ5と電子部品1のインジウム接合材4を介在させた圧接検出の後、ロードセル16により検出される接合押圧力が予め設定された設定押圧力となるように昇降部19が制御部9により制御され、押圧ヘッド10により電子部品1と回路基板3に、又はヒートスプレッダ5と電子部品1に加えられる接合押圧力が一定とされて、押圧ヘッド10による押圧力一定制御が行われる。しかし、セラミックヒータ12により吸着ノズル11が加熱され、電子部品1の各半田バンプ2、又はインジウム接合材4が溶融されたとき、上記のように押圧ヘッド10の押圧力一定制御の状態のままであれば、吸着ノズル11の先端位置が下がり、溶融状態にある各半田バンプ2、又はインジウム接合材4に上記一定の押圧力が過度な押圧力として加えられることとなり、各半田バンプ2又はインジウム接合材4が過度につぶれてしまうという問題が発生する可能性がある。
【0131】
このような問題を解決するような場合にあっては、各半田の溶融後の電子部品1の上面高さ管理、つまり、電子部品1の回路基板3への接合高さ位置の管理を確実に行うこと、又はインジウム接合材4の溶融後のヒートスプレッダ5の上面高さ管理、つまり、ヒートスプレッダ5の電子部品1への接合高さ位置の管理を確実に行うことを目的として、セラミックヒータ12により加熱されて吸着ノズル11の温度が上昇開始した後、押圧ヘッド10による上記押圧力一定制御の状態とし、ロードセル16により接合押圧力の検出を行い、制御部9において、この接合押圧力の減少を検出したときを各半田又はインジウム接合材4の溶融開始と判断して、押圧ヘッド10の上記押圧力一定制御から、吸着ノズル11の先端高さ位置を一定とする接合高さ位置一定制御に切替えることにより、各半田又はインジウム接合材4の溶融時において、吸着ノズル11の先端高さ位置を一定として、上記接合高さ位置の管理を確実に行うことができる。よって、溶融状態にある各半田バンプ2又はインジウム接合材4に接合押圧力が過度な押圧力として加えられることなく、各半田バンプ2又はインジウム接合材4が過度につぶれてしまうことを防止することができる。なお、制御部9において検出される接合押圧力の減少とは、ロードセル16により検出される接合押圧力が、上記設定押圧力の許容範囲よりも小さくなることである。
【0132】
上記のように構成される各押圧ヘッド10における押圧力一定制御及び吸着ノズル11の先端高さ位置制御の動作の手順を図10に示すフローチャートにまとめる。図10は、図8及び図9における本実施形態の部品押圧接合方法の手順を示すフローチャートにおいて、図8のステップS3からS5までの間、及び図9のステップS13からS15までの間に、押圧ヘッド10の押圧力一定制御及び吸着ノズル11の先端高さ位置制御の動作の手順を示すフローチャートである。なお、各ステップにおける動作指示及び判断は制御部9にて行われる。
【0133】
まず、図10におけるステップS3において、ロードセル16にて接合押圧力が検出され、接合押圧力が設定押圧力に達したことが検出されることにより、電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aの圧接が検出された後、又は、ステップS13において、ロードセル16にて接合押圧力が検出され、接合押圧力が設定押圧力に達したことが検出されることにより、ヒートスプレッダ5と電子部品1のインジウム接合材4を介在させた圧接が検出された後、ステップS20において、セラミックヒータ12の加熱により吸着ノズル11の温度上昇が開始される。
【0134】
次に、ステップS21において、昇降部19の下降動作が微小に制御されることにより、押圧ヘッド10の押圧力一定制御が行われ、押圧ヘッド10により電子部品1及び回路基板3に対し、又はヒートスプレッダ5及び電子部品1に対し、一定の押圧力、すなわち所定の設定押圧力がかけられた状態となる。
【0135】
この押圧力一定制御の間、ロードセル16において実際に発生する接合押圧力が検出されることとなるが、ステップS22において、制御部9により、ロードセル16において検出された接合押圧力の減少が検出された場合、すなわち接合押圧力が設定押圧力の許容範囲以下となった場合は、各半田の溶融、又はインジウム接合材4の溶融が開始されたものと判断され、ステップS23において、制御部9により、押圧ヘッド10の上記押圧力一定制御から、吸着ノズル11の先端高さ位置の一定制御へと制御方式が切り替えられる。その後、ステップS24において、制御部9により、昇降部19の昇降動作が制限されることにより、先端高さ位置を一定とされた吸着ノズル11により吸着保持されている電子部品1又はインジウム接合材4の上面高さが一定とされ、ステップS25において、制御部9により、セラミックヒータ12の加熱停止による吸着ノズル11の温度上昇が完了することが確認されるまで(例えば、上記圧接の検出又は上記先端高さ位置一定制御の開始から所定時間だけ上記加熱動作を行い、上記所定時間が経過したときに上記温度上昇が完了したものとする等により)、吸着ノズル11の先端高さ位置の一定とする接合高さ位置一定制御が行われる。ステップS25において、制御部9により、吸着ノズル11の温度上昇が完了したことが確認された場合、ステップS5において、上記接合高さ位置一定制御が継続して行われた状態にて溶融された各半田の冷却、又はステップS15において、上記接合高さ位置一定制御が継続して行われた状態にて溶融されたインジウム接合材4の冷却が開始される。一方、ステップS25において上記温度上昇が完了したことが確認されない場合(例えば、上記所定時間が経過していないような場合等)は、上記先端高さ位置の一定制御が行われた状態で、セラミックヒータ12による加熱が継続して行われる。
【0136】
一方、ステップS22において、ロードセル16にて検出される押圧力の減少が検出されない場合は、制御部9により、各半田の溶融又はインジウム接合材4の溶融がまだ開始されていないものと判断され、ステップS26において、制御部9により、セラミックヒータ12の加熱停止による吸着ノズル11の温度上昇が完了したかどうかが確認され(例えば、上記圧接の検出から所定時間だけ上記加熱動作を行うような場合にあっては、上記所定時間が経過したかどうかを確認すること等により)、完了していないことが確認された場合は、再び、ステップS21に戻り、制御部9により、押圧ヘッド10の上記押圧力一定制御が継続される。ステップS26において、制御部9により、セラミックヒータ12の加熱停止による吸着ノズル11の温度上昇が完了したことが確認された場合(上記所定時間の経過が確認された場合等)は、ステップS27において、制御部9により、押圧ヘッド10の上記押圧力一定制御から、吸着ノズル11の先端高さ位置の一定制御へと制御方式が切り替えられ、ステップS28において、制御部9により、先端高さ位置が一定とされた吸着ノズル11により吸着保持されている電子部品1又はインジウム接合材4の上面高さが一定とされ、ステップS5において、制御部9により、上記接合高さ位置一定制御が継続して行われた状態にて溶融された各半田の冷却、又はステップS15において、制御部9により、上記接合高さ位置一定制御が継続して行われた状態にて溶融されたインジウム接合材4の冷却が開始される。
【0137】
なお、ステップS3において、電子部品1の各半田バンプ1bと回路基板4の各半田部との圧接が検出されたとき、又はステップS13において、ヒートスプレッダ5と電子部品1のインジウム接合材4を介在させた圧接が検出されたとき、各半田バンプ2の高さのばらつき、又はヒートスプレッダ5の凹部内側へのインジウム接合材4の高さのばらつきにより、各半田バンプ2の中において一部当接が行われていないものがある場合(すなわち、半田バンプ2が回路基板3のパッド3aに接触していないものがある場合)、又はインジウム接合材4において部分的に当接が行われていない部分がある場合(すなわち、インジウム接合材4が電子部品1の上面又はヒートスプレッダ5の凹部5aの内側底面と略完全に面接触しているのではなく、一部接触していない部分があるような場合)がある。このような場合、このまま電子部品1を加熱して各半田バンプ2を溶融させて、電子部品1を回路基板3上に接合すると、上記当接が行われていない半田バンプ2において接合不良となり、電子部品1と回路基板3の接合不良となるという問題が発生する可能性がある。また、ヒートスプレッダ5においては、このままヒートスプレッダ5を加熱してインジウム接合材4を溶融させて、ヒートスプレッダ5を電子部品1に接合すると、インジウム接合材4における上記当接が部分的に行われていない部分において接合不良により空隙が発生し、電子部品1の作動中において発生する熱がインジウム接合材4を介してヒートスプレッダ5に伝熱され難くなり、本来のヒートスプレッダ5による放熱機能を発揮できなくなるという問題が発生する可能性がある。
【0138】
このような問題を解決するような場合にあっては、設定押圧力を半田バンプ2又はインジウム接合材4をつぶすことなく、かつ変形させることができるような力に予め設定しておき、上記ステップS21における押圧ヘッド10の押圧力一定制御の際に上記設定押圧力を各半田バンプ2又はインジウム接合材4に加えることにより、各半田バンプ2の形状を変形させながら各パッド3aへの接触性を高め、又はインジウム接合材4の形状を変形させながら電子部品1の上面又はヒートスプレッダ5の凹部5aの内側底面への接触性を高めることができる。よって、電子部品1を回路基板3に確実に接合することができ、又はヒートスプレッダ5を電子部品1に確実に接合することができる。
【0139】
なお、各押圧ヘッド10による押圧接合動作において、例えば、上記2行5列に電子部品1が配列されるはずの回路基板3に一部の電子部品1が配置されていないような場合、又は、回路基板3に押圧接合された電子部品1の中に一部不良の電子部品1が含まれていたことが上記押圧接合の直後に判明し、当該不良の電子部品1についてはヒートスプレッダ5の接合を行う必要がないような場合にあっては、そのまま各押圧ヘッド10により押圧接合動作を施すと、上記に該当する押圧ヘッド10においてのみ接合押圧力が検出されないこととなってしまう。そのため、予め上記に該当する押圧ヘッド10が判っているような場合には、制御部9に回路基板3の個別データとして回路基板3の識別データ及び回路基板3上の電子部品1等の識別データ等を入力させておき、上記に該当する回路基板3及び電子部品1等を入力されている上記識別データに基づいて制御部9により判断し、当該回路基板3における当該電子部品1等に対しては当該押圧ヘッド10のみの押圧接合動作を行わないようにさせることにより対処することができる。
【0140】
また、予め上記に該当回路基板3及び電子部品1等が判っていないような場合にあっては、制御部9に上記押圧接合動作の工程管理タイマーを設置すること等により、当該押圧ヘッド10も他の押圧ヘッド10とともに押圧接合動作を開始させて、上記工程管理タイマーにて押圧ヘッド10に一定時間の間に接合押圧力が検出されたかどうかを確認し、上記接合押圧力が検出されなかった場合には、当該押圧ヘッド10にエラーが発生したものとみなして、他の押圧ヘッド10による押圧接合動作をそのまま行い、この回路基板3に対する押圧接合動作を完了させることにより対処することができる。
【0141】
次に、以上のように説明した各押圧ヘッド10の各動作により電子部品1を回路基板3上に接合する場合、又はヒートスプレッダ5を電子部品1に接合する場合において、図11(A)に押圧ヘッド10の吸着ノズル11の先端高さ、図11(B)に押圧ヘッド10の吸着ノズル11の温度、図11(C)に押圧ヘッド10の冷却ブローノズル14の動作の夫々の時間による変化状態を示すタイムチャートを示す。また、図11(A)〜(C)における夫々の横軸である時間軸は上記各変化状態を比較可能なように同一の時間軸となっている。
【0142】
また、図11(A)〜(C)において、t0からt6は押圧ヘッド10による押圧接合動作における時間を示しておりt0は押圧ヘッド10による押圧接合動作の開始の時間始点、t1は押圧ヘッド10の1次下降動作の完了時点、t2は押圧ヘッド10の2次下降動作の完了時点でありかつ圧接検出時点であり、tmは半田又はインジウム接合材4の溶融開始時点、t3は半田又はインジウム接合材4の固化冷却開始時点、t4は押圧ヘッド10の1次上昇動作開始時点、t5は押圧ヘッド10の2次上昇動作開始時点、t6は押圧ヘッド10による押圧接合動作の時間終点である。また、T0、T1、T2及びTmは、押圧ヘッド10のセラミックヒータ12の加熱温度であり、T0は加熱動作開始前における常温、T1は予備加熱温度、Tmは半田又はインジウム接合材4の融点、T2は加熱溶融温度である。また、H0、H1及びH2は、吸着ノズル11の先端高さ位置であり、H0は昇降動作の上端位置、H1は1次下降又は1次上昇高さ位置、H2は接合高さ位置である。
【0143】
まず、図11(A)〜(C)における時間t0からt1の時間区間において、昇降部19により押圧ヘッド10が吸着ノズル11の先端高さがH0からH1まで下降されて1次下降動作が行われるとともに、セラミックヒータ12による予備加熱が開始され、吸着ノズル11の温度がT0からT1まで上昇されて、吸着ノズル11の温度が温度T1にて保持された状態とされる。なお、このとき、冷却ブローノズル14は停止状態となっている。
【0144】
次に、時間t1からt2の時間区間において、押圧ヘッド10の下降速度が上記時間t1からt2の時間区間よりも弱められて、押圧ヘッド10が緩やかに下降されて2次下降動作が行われ、吸着ノズル11の先端高さがH1からH2まで下降される。時間t2において高さH2にて吸着ノズル11の先端部が電子部品1又はヒートスプレッダ5の上面に当接し、電子部品1の各半田バンプ2を回路基板3の各パッド3aに圧接させる、又はヒートスプレッダ5と電子部品1をインジウム接合材4を介在させて圧接させるとともに、吸着ノズル11による電子部品1又はヒートスプレッダ5の吸着保持が行われる。それとともに、予備加熱により温度T1に保持されている状態の吸着ノズル11が温度T2に向けて再び加熱され、時間t2において上記圧接の検出とともに、電子部品1を介しての各半田バンプ2の溶融加熱が、又はヒートスプレッダ5を介してのインジウム接合材4の溶融加熱が開始される。なお、このとき、冷却ブローノズル14は停止状態となっている。
【0145】
次に、時間t2からt3の時間区間において、時間tmにて吸着ノズル11の温度は半田又はインジウム接合材4の融点Tmに達せられて各半田バンプ2又はインジウム接合材4の溶融が開始され、さらに温度T2まで昇温された後、温度T2に保たれた状態とされて各半田バンプ2又はインジウム接合材4の溶融が行われる。時間t2からtmまでの時間区間ににおいては押圧ヘッド10による押圧力一定制御が行われる。その後、時間tm若しくは時間tm経過後すぐに、各半田バンプ2又はインジウム接合材4の溶融が開始されて上記押圧力一定制御における押圧力の減少が検出されると、上記押圧力一定制御より吸着ノズル11の先端高さ位置の一定制御が行われ、時間t3まで上記先端高さ位置がH2に保たれた状態とされる。
【0146】
次に、時間t3からt4の時間区間において、吸着ノズル11の先端高さH2が保たれた状態にて、時間t3にてセラミックヒータ12による加熱が停止されるとともに、冷却ブローノズル14による冷却ブローが開始され、溶融状態にある半田又はインジウム接合材4が冷却されて、固化される。時間t4において、冷却ブローノズル14による固化冷却が停止されるとともに、吸着ノズル11による電子部品1への吸着保持が解除される。
【0147】
最後に、時間t4からt5の時間区間において、昇降部19により吸着ノズル11が先端高さH2からH1まで微小に上昇されて1次上昇動作が行われ、時間t5からt6の時間区間において、さらに吸着ノズル11が先端高さH0まで上昇されて、2次上昇動作が行われる。
【0148】
なお、部品押圧接合装置101における夫々の押圧ヘッド10により各回路基板3上の各電子部品1又はヒートスプレッダ5に対して上記押圧接合動作が個別かつ同時的に行われるが、回路基板3のたわみ等による夫々の電子部品1又はヒートスプレッダ5の上面高さが微小に異なる場合があり、このような場合にあっては、図11(A)における上記圧接の検出時である時間t2が、夫々の押圧ヘッド10毎に異なることとなる。また、夫々の押圧ヘッド10に備えられているセラミックヒータ12は同じ種類のものが備えられているものの、その加熱特性が微小に異なる場合もあり所定の温度に達するまでの昇温に要する時間も異なる場合がある。このような場合にあっては、図11(B)における半田又はインジウム接合材4の融点に達する時間tmが、夫々の押圧ヘッド10毎に異なり、これに伴い半田又はインジウム接合材4の溶融開始、すなわち、押圧力の減少の検出時も夫々において異なることとなる。このため、夫々の押圧ヘッド10においては、上記圧接の検出時、又は上記融点に到達した時、又は上記押圧力の減少の検出時のいずれかを基準として、以降の加熱に要する時間、冷却に要する時間、接合高さ位置の一定制御を行う時間、又は、吸着保持の解除時等が個別に判断されて個別に押圧接合動作が行われる。従って、上記のような回路基板3のたわみ、すなわち回路基板3(又は電子部品1若しくはヒートスプレッダ5)の平面度による各電子部品1又はヒートスプレッダ5の上面高さ位置の異なりや夫々のセラミックヒータ12の加熱特性の相違(による加熱時間の相違)等による夫々の押圧ヘッド10毎の押圧接合動作条件の相違があるような場合であってもその影響を受けることなく、正確かつ確実な押圧接合を行うことができる。
【0149】
また、図11(B)における各押圧ヘッド10による押圧接合動作の際の加熱温度変化状態(加熱曲線)に一定の温度幅を持たせ(例えば加熱曲線上の温度に対して±5℃の幅を持たせ)、加熱動作中において上記温度幅を外れるような場合に当該押圧ヘッド10の動作にエラーが発生したものと制御部9にてみなすような場合であってもよい。なお、上記加熱温度の他に、押圧力、接合高さ位置等に幅を持たせて、同様に上記幅を外れるような場合にエラーとみなすような場合であってもよい。
【0150】
また、部品押圧接合装置101において各押圧ヘッド10毎にセラミックヒータ12が備えられており、各セラミックヒータ12により個別に半田バンプ2又はインジウム接合材4の加熱を行うような場合に代えて(変形例として)、例えば、部品押圧接合装置101における第1ステージ35及び第2ステージ36の夫々に備えられ、かつ回路基板3に配置された電子部品3又はヒートスプレッダ5のうちの複数の電子部品3毎における半田バンプ2又は複数のヒートスプレッダ5毎におけるインジウム接合材4を加熱する加熱装置の一例である加熱部が複数設置されているような場合であってもよい。
【0151】
このような場合にあっては、例えば、上記複数の加熱部のうちの1つの加熱部により加熱される夫々の電子部品1において、夫々の押圧ヘッド10による圧接が全て検出されたことを制御部9にて確認された後に、上記1つの加熱部による溶融加熱を開始し、上記夫々の電子部品1における半田バンプ2又はインジウム接合材4の一括した溶融加熱を行うこととなる。
【0152】
このように複数の電子部品1をまとめて加熱可能な加熱部を複数備えさせるような場合にあっては、各押圧ヘッド10に個別にセラミックヒータ12を備えさせる必要がなく、押圧ヘッド10の軽量化を行うことができ、押圧ヘッド10の移動速度の高速化による生産性の向上を図ることができるとともに、加熱装置のコストの削減を行うことが可能となる。
【0153】
なお、上記図11(A)〜(C)におけるタイムチャートに示すような押圧接合動作に代えて(上記押圧接合動作の変形例として)、図11(A)の時間t2において、吸着ノズル11の先端部が電子部品1又はヒートスプレッダ5に接合高さH2にて当接した後、吸着ノズル11の先端部を、さらに、微小に段階的に下降させて、例えば、吸着ノズル11の先端を1μm単位で下降させて、回路基板3の各パッド3aに各半田バンプ2が圧接された電子部品1に、又は電子部品1にインジウム接合材4を介在させて圧接されたヒートスプレッダ5に、段階的に押圧力を加えるような場合であってもよい。このような場合にあっては、上記圧接の検出後(若しくは吸着ノズル11と電子部品1又はヒートスプレッダ5との上記当接の後)、上記段階的に荷重を加えて行くことにより、接合高さを上記接合高さH2から微小に下降させることができるため、電子部品1の各半田バンプ2の形成高さにばらつきがあるような場合であっても、段階的に各半田バンプ2に押圧力を加えていくことにより、各半田バンプ2をつぶすことなく、その形状を徐々に変形させていくことができ、各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aの接触性を高めることができる。また、ヒートスプレッダ5の凹部5a内側に供給されたインジウム接合材4に気泡が含まれるような場合であっても、段階的にインジウム接合材4に押圧力を加えていくことにより、インジウム接合材4の内部にて気泡を取り囲んでしまうことなく、気泡を徐々にインジウム接合材4の端部に押し退けながら除去して、ヒートスプレッダ5と電子部品1のインジウム接合材4を介在させての接触性を高めることが可能となる。
【0154】
次に、部品押圧接合装置101における回路基板3の搬入及び搬出方法について説明する。図12から図14は、部品押圧接合装置101における回路基板3の搬入及び搬出手順について模式的に示した図である。なお、図12から図14は、図1における部品押圧接合装置101のローダー37及びアンローダー38の変形例となっている。
【0155】
まず、図1において、部品押圧接合装置101において、第1ステージ35及び第2ステージ36に回路基板3を供給するローダー37は、回路基板3の図示Y軸方向における両端部を支持可能な2本のレール37aを上下に2組備えている。さらに、この2組のレールのうちの上方に設置されている第1レール37a−1を、回路基板3を支持可能な状態にて図示Y軸方向に移動させる第1移動機構(図示しない)と、第1移動機構により第1レール37a−1が移動された後、その下方に設置されている第2レール37a―2を第1レール37a−1と同じ高さレベルまで上昇させる昇降機構(図示しない)、及び第1レール37a−1及び第2レール37a−2に支持された各回路基板3を同時的にスライドベース34上の第1ステージ35及び第2ステージ36の各レール35a及び36a上に移動させる第2移動機構(図示しない)とを備えている。なお、第1移動機構の一例としては、その軸心回りに回転可能にY軸方向に機台に固定されたボールねじ軸と、上記ボールねじ軸に螺合されかつ第1レール37a―1を固定しているナット、及び上記ボールねじ軸の端部に固定されかつボールねじ軸の上記軸心回りの回転を行う駆動モータ等により構成される機構がある。また、昇降機構の一例としては圧縮空気や油圧等を用いて上下動を行うシリンダ及びシリンダブロックにより構成される機構がある。
【0156】
また、第1ステージ35及び第2ステージ36より回路基板3を取り出して排出するアンローダー38は、上記において説明したローダーと同様な構成となっており、アンローダー38は上下に設置されている第1レール38a−1及び第2レール38a−2と、第1レール38a−1の第1移動機構(図示しない)と、第2レール38a―2の昇降機構(図示しない)、及び第1ステージ35及び第2ステージ36の各レール35a及び36aに支持された各回路基板3を第1レール38a−1及び第2レール38a−2上に同時的に移動させる第2移動機構(図示しない)とを備えている。
【0157】
まず、図12(A)に示すように、部品押圧接合装置101において、部品の押圧接合が施される作業部101aにて部品の押圧接合が施される複数の回路基板3のうちの回路基板3−A1が、図12(B)に示すように、ローダー37における第1レール37a−1上に図示X軸方向左側より供給される。なお、作業部101aとは、押圧接合装置101における機台上において、メインフレーム20に支持された各押圧ヘッド10による押圧接合動作が行われる領域のことである。
【0158】
次に、図12(C)に示すように、ローダー37において回路基板3−A1を支持した状態の第1レール37a−1が第1移動機構により図示Y軸方向下向きへ移動されるとともに、第2レール37a−2が昇降機構により上昇されて、別の回路基板3−A2が第2レール37a−2上に図示X軸方向左側より供給される。
【0159】
その後、図13(D)に示すように、ローダー37の第2移動機構により、第1レール37a−1に支持されている回路基板3−A1がスライドベース34上の第1ステージ35上に、第2レール37a−2に支持されている回路基板3−A2がスライドベース34上の第2ステージ36上に、夫々同時的に移動される。回路基板3−A1及び回路基板3−A2が移動された後、第1移動機構及び昇降機構により第1レール37a―1及び第2レール37a―2が夫々移動されて図12(a)に示す位置に戻される。
【0160】
次に、図13(E)に示すように、Y軸方向移動機構33によりスライドベース34が図示Y軸方向上向きに移動され、第1ステージ35及び第2ステージ36上の回路基板3−A1及び回路基板3−A2が作業部101aに移動され、作業部101aにおいて各押圧ヘッド10により部品の押圧接合が行われる。それとともに、別の回路基板3−B1がローダー37の第1レール37a−1上に図示X軸方向左側より供給される。
【0161】
その後、図13(F)に示すように、作業部101aにおいて、第1ステージ35及び第2ステージ36における回路基板3−A1及び回路基板3−A2は、Y軸方向移動機構33によりスライドベース34が移動されて、図示Y軸方向下向きに移動される。それとともに、ローダー37において、回路基板3−B1を支持している状態の第1レール37a−1が図示Y軸方向下向きに移動され、第2レール37a−2上に別の回路基板3−B2が図示X軸方向左側より供給される。
【0162】
次に、図14(G)に示すように、アンローダー38の第2移動機構により、第1ステージ35及び第2ステージ36上の回路基板3−A1及び回路基板3−A2が、夫々アンローダー38における第1レール38a−1及び第2レール38a−2上に移動される。それとともに、ローダー37における第1レール37a−1及び第2レール37a−2上の回路基板3−B1及び回路基板3−B2が、ローダー37の第2移動機構により、夫々第1ステージ35及び第2ステージ36上に移動される。
【0163】
次に、図14(H)に示すように、アンローダー38における第2レール38a−2上の回路基板3が図示X軸方向右向きに移動されて、部品押圧接合装置101より排出される。その後、第2レール38a−2が昇降機構により下降されて、第1レール38a−1が回路基板3−A1を支持した状態で、第1移動機構により第2レール38a−2の上方に移動される。それとともに、Y軸方向移動機構33により、回路基板3−B1及び回路基板3−B2が作業部101aに移動される。
【0164】
その後、図14(I)に示すように、アンローダー38における第1レール38a−1上の回路基板3−A1が図示X軸方向右向きに移動されて、部品押圧接合装置101より排出される。
【0165】
以上のような各動作が、各回路基板3に対して繰り返して連続的に施されることにより、部品押圧接合装置101に対して各回路基板3の搬入及び搬出が行われる。
【0166】
なお、上記図12から図14において説明したように、ローダー37及びアンローダー38が回路基板3の搬送を行うレールをレール37a−1、37a−2、38a−1、及び38a−2の夫々2組ずつ備える場合に限定されるものではなく、図1の部品押圧接合装置101におけるローダー37及びアンローダー38のように、回路基板3の搬送を行うレールをレール37a及び38aの1組ずつしか備えないような場合であってもよい。
【0167】
また、部品押圧接合装置101における回路基板3の搬入及び搬出が上記のように図1におけるX軸方向において行われる場合に代えて、Y軸方向において回路基板3の搬入及び搬出を行うような場合であってもよい。このような場合における部品押圧装置102の斜視図を図16に示す。
【0168】
図16に示すように、部品押圧接合装置102においては、部品押圧接合装置101におけるローダー37及びアンローダ38の設置位置が異なるのみであり、その他の構成部材については部品押圧接合装置101と同様である。部品押圧接合装置102における第1ステージ35及び第2ステージ36の図示Y軸方向左側にローダー137が設置されており、また、第1ステージ35及び第2ステージ36の図示Y軸方向右側にアンローダー138が設置されている。また、ローダー137及びアンローダー138は、回路基板3のX軸方向における両端部を夫々が備えるレールにて支持可能となっている。図16において、部品押圧接合装置102のローダー137に供給された2枚の回路基板3は、ローダー137のレールに支持されながらY軸方向右向きに移動され、第1ステージ35及び第2ステージ36に供給される。第1ステージ35及び第2ステージ36において各押圧ヘッド10により各部品の押圧接合が施された後、第1ステージ35及び第2ステージ36より夫々の回路基板3がアンローダー138に取り出され、アンローダー138のレールに支持されながらY軸方向右向きに移動されて、部品押圧接合装置102より夫々の回路基板3が搬出される。
【0169】
このような部品押圧接合装置102においては、ローダー137及びアンローダー138における回路基板3の移動を図示Y軸方向沿いの移動のみとすることができるため、ローダー137及びアンローダー138の構造を簡単なものとすることができ、部品押圧接合装置102の製作コストを削減することができる。
【0170】
上記実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
【0171】
まず、部品押圧接合装置101において、押圧することにより電子部品1やヒートスプレッダ5等の部品を接合させる押圧ヘッド10が複数備えられている場合において、押圧ヘッド10を下降させることにより上記部品へ押圧力を作用させる昇降部19が、従来における部品押圧接合装置のように複数の押圧ヘッドに対して1つのみ設置されているのではなく、各押圧ヘッド10毎に個別に備えられていることにより、また、さらに、押圧ヘッド10により上記部品に対して作用された接合押圧力を検出するロードセル16が各押圧ヘッド10毎に個別に備えられ、各押圧ヘッド10毎に個別に上記検出された接合押圧力に基づいて制御部9により各昇降部19を個別に制御することにより、押圧される上記部品の形成精度による形状のばらつき、又は回路基板3の形成精度による平面度の不均一、又は上記部品又は回路基板3の保管状態による形状の変形による形状のばらつきや平面度の不均一等により、押圧される上記各部品の上面高さが夫々微小に異なっている場合においても、各押圧ヘッド10毎に個別に(言いかえれば、独立的に)かつ同時的に夫々の上記部品の状態(上記部品の形成精度や回路基板3の形成精度等の状態)に応じて個別に押圧力を制御することができる。
【0172】
例えば、電子部品1の各電極1a上に形成された各半田バンプ2の高さにばらつきがあるような場合、又は、回路基板3に部分的に歪みが発生し、その部分において配置されている電子部品1の上面高さが他の電子部品1の上面高さと異なるような場合等においては、各押圧ヘッド10の吸着ノズル11の先端部と電子部品1の上面との当接タイミングが、全ての押圧ヘッド10において同時とはならず、また、押圧ヘッド10による電子部品1及び回路基板3への押圧力においても各押圧ヘッド10間においてばらつきが発生することもある。このような場合においても、各押圧ヘッド10毎に個別かつ同時的に押圧力が制御可能となっているために、押圧接合された各電子部品1は、一定の高い接合位置精度でもって接合が施されることとなる。従って、複数の押圧ヘッド10により、複数の部品に対して、同時的に高い接合位置精度でもって、効率よく部品の押圧接合を行い高い生産性を有する部品押圧接合方法及び接合装置を提供することが可能となる。
【0173】
また、各押圧ヘッド10の吸着ノズル11の先端部と電子部品1又はヒートスプレッダ5の上面を当接させるとともに吸着ノズル11により電子部品1又はヒートスプレッダ5の上面を吸着保持して、電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aを確実に接触させた後、又はヒートスプレッダ5と電子部品1とをインジウム接合材4を介在させて確実に面接触させた後、各半田バンプ2又はインジウム接合材4の加熱による溶融を開始させ、各押圧ヘッド10の吸着ノズル11による電子部品1又はヒートスプレッダ5への吸着保持の解除のタイミングを、半田又はインジウム接合材4の溶融中に解除するのではなく、半田又はインジウム接合材4が溶融後固化された後に解除を行う。これにより、各押圧ヘッド10の吸着ノズル11による電子部品1又はヒートスプレッダ5への吸着保持の解除を行う際に吸着ノズル11において発生する真空破壊ブロー等により、電子部品1又はヒートスプレッダ5の接合位置のずれを無くすことができる。従って、吸着ノズル11における真空破壊ブローによる部品の接合位置ずれが問題となるような高い接合位置精度が要求される部品の回路基板への接合を行うことが可能となる。
【0174】
また、各押圧ヘッド10毎において、ヘッドフレーム18のスプリング受部18aと軸15のスプリング受部15aに取り付けられて軸15を支えている自重相殺スプリング17により、押圧ヘッド上部10bにおけるヘッドフレーム18の下端が、押圧ヘッド下部11aの上端であるロードセル16の押圧力検出面に、常時押圧されて接されていることにより、ロードセル16において押圧ヘッド下部10aの上方向に働く押圧力を検出すること可能となっている。
【0175】
これにより、電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各電極3aが圧接されたとき、又はヒートスプレッダ5と電子部品1がインジウム接合材4を介在させて圧接されたときに両者の間に発生する接合押圧力の反作用力により、ロードセル16の押圧力検出面である上面がヘッドフレーム18の下端を押し上げ、これによりこの接合押圧力をロードセル16にて確実に検出することが可能となる。
【0176】
従って、この接合押圧力の検出により、制御部9において、吸着ノズル11の先端部と電子部品1の上面又はヒートスプレッダ5の上面が当接したことを検出ことができるとともに、制御部9において、検出された接合押圧力に基づいて、昇降部19による押圧ヘッド10の下降量が微小に制御され、検出される接合押圧力が予め設定された設定押圧力となるように実際の接合押圧力をより正確に制御することができる。よって、電子部品やヒートスプレッダ等のような部品の接合を繰り返して行う際に、常に予め設定された設定押圧力において確実かつ正確に部品の接合を行うことができ、部品の接合品質を安定化させることが可能となる。
【0177】
また、各押圧ヘッド10による電子部品1の各半田バンプ2と回路基板3の各パッド3aとの圧接後、又はヒートスプレッダ5と電子部品1とのインジウム接合材4を介在させての圧接後、各押圧ヘッド10毎において、押圧ヘッド10による押圧力一定制御の状態として、ロードセル16により接合押圧力の検出を行い、その後、セラミックヒータ12の加熱により吸着ノズル11の温度が昇温され、ロードセル16において接合押圧力の減少が検出されたときを各半田の溶融開始、又はインジウム接合材4の溶融開始と判断して、押圧ヘッド10による上記押圧力一定制御から、吸着ノズル11の先端高さ位置を一定とする位置制御に切替えることにより、各半田又はインジウム接合材4の溶融時においても、吸着ノズル11の先端高さ位置を一定とすることができる。
【0178】
これにより、電子部品1の各半田バンプ2が溶融されたとき、又はインジウム接合材4が溶融されたときにおいて、吸着ノズル11の先端位置が下がることにより、溶融状態にある各半田バンプ2又はインジウム接合材4がつぶれてしまうことを防止することができ、各半田又はインジウム接合材4の溶融中においても電子部品又はヒートスプレッダの接合高さ位置の管理を確実に行うことが可能となる。
【0179】
さらに、設定押圧力を半田バンプ2又はインジウム接合材4をつぶすことなく、かつ変形させることができるような力に予め設定しておき、上記押圧力一定制御の際に上記設定押圧力を各半田バンプ2又はインジウム接合材4に加えることにより、各半田バンプ2の形状を変形させながら各パッド3aへの接触性を高め、又はインジウム接合材4の形状を変形させながら電子部品1の上面又はヒートスプレッダ5の凹部5aの内側底面への接触性を高めることができる。よって、電子部品1を回路基板3に確実に接合することができ、又はヒートスプレッダ5を電子部品1に確実に接合することができ、部品の接合の信頼性を高めることが可能となる。
【0180】
また、部品押圧接合装置101において、各押圧ヘッド10はメインフレーム20を挟んでY軸方向に間隔Bでもって、すなわちその2行5列の配列の行間の間隔を間隔Bとして配列されている。また、押圧ヘッド10やメインフレーム20の構造的な制約、例えば、昇降部19等の大きさ、各押圧ヘッド10を支持するために要求されるメインフレーム20の強度に基づく剛体の大きさ等の制約により、この間隔Bの短小化には限界がある。そのため、上記2行5列の各押圧ヘッド10により、同様に2行5列に回路基板上に配列された各部品を同時的に押圧接合を施すような場合にあっては、上記回路基板上の上記2行の行間も上記間隔Bと同じとなるように上記回路基板を形成する必要があり、押圧ヘッド10の配置制約に基づく制約が上記回路基板上の上記各部品の配置の制約となって、上記各部品の配置に無駄なスペースができるという問題点がある場合がある。
【0181】
そこで、本実施形態においては、部品押圧接合装置101において、Y軸方向に押圧ヘッド10の上記配置間隔Bでもって夫々配置された第1ステージ35及び第2ステージ36の2つのステージを備えさせ、夫々のステージに供給された2枚の回路基板3に対して部品の押圧接合作業を施すことができるようにさせて、Y軸方向に上記間隔Bでもって配置された2枚の回路基板3における夫々の第1列(図3における第1列)に配置された各部品に対して押圧接合作業を施し、その後、第1ステージ35及び第2ステージ36をY軸方向に移動させて、上記2枚の回路基板3における夫々の第2列(図3における第2列)に配置された各部品に対して押圧接合作業を施している。これにより、回路基板上の部品の配列に上記制約のある間隔Bを考慮することがなくなるため、上記部品の配列において無駄なスペースを無くして、コンパクトな配列とすることができ、さらに、第1ステージ35及び第2ステージ36の夫々の回路基板3に対して効率的な押圧接合作業を行うことができ、生産性の高い部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0182】
また、部品押圧接合装置101がヘッドピッチ可変機構31を備えることにより、上記2行5列に配列された各部品押圧ヘッド10のうちの上記列の間隔ピッチPを可変させることができ、回路基板3における様々な部品の配置にも対応して押圧接合作業を施すことができ、上記配置の自由度を高めることができるとともに、回路基板上における上記無駄なスペースを無くしてコンパクトな回路基板とすることができ、第1ステージ及び第2ステージの2つのステージを備えさせて効率的な部品の押圧接合を行うことができる生産性の高い部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0183】
また、回路基板3上に配置された部品を解除可能に支持して上記配置を保持する部品支持トレー6及び7が、回路基板3に取り付けらて上記配置が保持された状態にて回路基板3が部品押圧接合装置101に供給されることにより、回路基板3の移動の際に発生する振動等の影響を上記部品が受けるような場合であっても、上記配置は保持されているため、配置ずれ等の発生を防止することができる。
【0184】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0185】
【発明の効果】
本発明の上記第1態様によれば、1つの基板に配置された複数の部品を個別に押圧する複数の押圧装置が備えれらた部品押圧接合装置において、部品押圧部材を個別に昇降させる昇降装置が夫々の上記押圧装置毎に個別に備えられ、さらに上記部品押圧部材により部品に対して作用させた押圧動作状態を個別に検出する検出装置が上記押圧装置毎に個別に備えられていることにより、上記押圧装置毎に、上記検出装置により検出された上記押圧動作状態に基づいて個別に夫々の上記昇降装置を制御することができる。これにより、押圧される上記部品の形成精度による形状のばらつき、又は上記基板の形成精度や保管状態による平面度の不均一等により、押圧される上記1つの基板に配置された上記夫々の部品の上面高さが異なっている場合においても、各押圧装置毎に個別に(若しくは独立的に)かつ同時的に上記夫々の部品の状態に応じて押圧力を制御することができ、複数の上記押圧装置により、上記1つの基板に配置された上記夫々の部品に対して、同時的に高い接合位置精度でもって、効率よく部品の押圧接合を行い、高い生産性を有する部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0186】
本発明の上記第2態様によれば、上記部品押圧接合装置において、さらに加熱装置が上記夫々の押圧装置毎に個別に備えられていることにより、上記夫々の部品における上記部品押圧部材による上記押圧動作状態に基づいて、個別に夫々の上記加熱装置による接合材の加熱を行うことができる。すなわち、押圧される上記1つの基板に配置された上記夫々の部品の上面高さが異なっており、上記夫々の部品において押圧されるタイミングが異なるような場合であっても、上記夫々の部品において確実に押圧された状態させた状態において、個別に溶融加熱を行うことができるとともに、第1態様による効果と同様な効果を得ることができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0187】
本発明の上記第3態様によれば、上記部品押圧接合装置における上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記昇降装置により上記部品押圧部材を下降させて上記部品押圧部材に対向する上記基板上の上記部品に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、上記加熱装置による上記接合材の溶融加熱動作を行わせるとともに、上記検出装置により検出された押圧力を設定押圧力に対して略一定に維持し、上記検出装置により押圧力の上記設定押圧力に対する減少の検出をもって、上記接合材の溶融開始と判断して、上記昇降装置による上記部品押圧部材の下降を停止させて上記押圧力の一定制御から上記部品押圧部材の上記基板に対する位置を維持する制御に切替えることにより、上記接合材の溶融時においても上記部品押圧部材の先端高さ位置を一定とすることができる。これにより、上記接合材が溶融されたとき、上記部品押圧部材の先端位置が下がることにより、溶融状態にある上記接合材がつぶれてしまうことを防止することができ、上記部品の上記基板に対する接合高さ位置の管理を確実に行うことができ、高い接合位置精度でもって部品の押圧接合を行うことができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0188】
本発明の上記第4態様によれば、上記複数の押圧装置において、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記検出装置により検出された押圧力が上記設定押圧力に達する情報をもとに個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うことにより、例えば、上記設定押圧力に達したタイミングに応じて上記溶融加熱動作を個別に開始することができ、上記夫々の部品が確実に圧接された状態において上記溶融加熱を個別に行うことができ、確実かつ正確な部品の押圧接合を行うことが可能となる。
【0189】
本発明の上記第5態様によれば、上記複数の押圧装置において、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記接合材の加熱時間又は上記部品若しくは上記基板の平面度に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うことにより、例えば、上記接合材の溶融に必要な加熱時間においては上記部品の押圧動作を継続して行う、又は上記部品若しくは上記基板の平面度により上記部品の上面高さが異なり、上記部品に押圧力を作用させるタイミングも上記部品毎に異なるような場合にあっては、上記タイミングに応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うことができ、確実かつ正確な部品の押圧接合を行うことが可能となる。
【0190】
本発明の上記第6態様によれば、上記各押圧装置において、さらに冷却装置が個別に備えられていることにより、加熱溶融された上記接合材を上記部品毎に個別に固化冷却させることができ、かつ上記第2態様から第5態様まで効果を得ることができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0191】
本発明の上記第7態様によれば、上記各押圧装置において、上記部品押圧部材を上記部品の上面に当接(又は接触)させるとともに、上記部品押圧部材により上記部品を個別に保持させて、上記接合材が溶融している間に上記部品の保持を解除するのではなく、上記接合材が固化された後、すなわち、上記部品が上記基板に接合されたときに上記部品の保持を個別に解除することにより、上記部品押圧保持部材による保持解除を行う際に発生する影響、例えば、真空破壊ブロー等による影響により発生する上記部品の上記基板に対する接合位置ずれを防止することができる。従って、このような接合位置ずれが問題となるような高い接合位置精度が要求される部品の基板への押圧接合を行うことができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0192】
本発明の上記第8態様によれば、上記各押圧装置が平面的に2行複数列の配列され上記列の間隔が一定の間隔でもって配列されていることにより、上記基板上に上記行方向沿いに上記一定の間隔でもって配置された同種かつ複数の上記部品に対して個別にかつ同時的に上記押圧接合動作を行うことができ、高い接合位置精度を持った部品の押圧接合を高い生産性でもって効率的に行うことができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0193】
本発明の上記第9態様によれば、上記2行複数列に配列された上記各押圧接合装置において、上記列の間隔又は上記行の間隔を可変とする間隔機構が上記部品押圧接合装置に備えられていることにより、上記押圧接合動作が施される上記基板上における上記部品の配置に自由度が増すこととなり、多様な上記部品の配置にも対応することができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0194】
本発明の上記第10態様によれば、部品支持機構により上記各部品が上記基板上に夫々の接合位置が保持されるように支持された状態にて、上記基板が上記部品押圧接合装置に供給され、上記部品支持機構による上記支持が解除された状態にて、上記各押圧装置により上記各部品に対する上記押圧接合動作を個別に行うことにより、上記基板の移動の際に発生する振動等の影響を上記部品が受けるような場合であっても、上記部品の接合位置の配置は保持されているため、配置ずれ等の発生を防止することができ、高い接合位置精度を持った部品の押圧接合を行うことが可能となる。
【0195】
本発明の上記第11態様によれば、電子部品やヒートスプレッダのような上記部品に対して上記押圧接合動作を行うことができる部品押圧接合装置を提供することが可能となる。
【0196】
本発明の上記第12態様によれば、上記基板に接合された上記電子部品に対して上記ヒートスプレッダが接合されるような場合において、上記ヒートスプレッダを上記電子部品に接合する上記接合材の融点が、上記電子部品を上記基板に接合する上記接合材の融点よりも低いことにより、上記ヒートスプレッダの接合の際に上記電子部品の上記基板への接合に影響を与えることなく行うことができる。
【0197】
本発明の上記第13態様によれば、1つの基板に配置された複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに、夫々の押圧接合状態に応じて個別に上記夫々の部品押圧部材による押圧動作を行うとともに上記夫々の押圧接合状態に応じて上記接合材の溶融加熱動作を行うことにより、押圧される上記部品の形成精度による形状のばらつき、又は上記基板の形成精度や保管状態による平面度の不均一等により、押圧される上記1つの基板に配置された上記夫々の部品の上面高さが異なっている場合においても、各押圧装置毎に個別に(若しくは独立的に)かつ同時的に上記夫々の部品の状態に応じて押圧力を制御することができる。よって、上記1つの基板に配置された上記夫々の部品に対して、同時的に高い接合位置精度でもって、効率よく部品の押圧接合を行い、高い生産性を有する部品押圧接合方法を提供することが可能となる。
【0198】
本発明の上記第14態様によれば、上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに上記夫々の押圧接合状態に応じて個別に上記夫々の部品押圧部材による押圧動作及び上記接合材の溶融加熱動作を行うことにより、押圧される上記1つの基板に配置された上記夫々の部品の上面高さが異なっており、上記夫々の部品において押圧されるタイミングが異なるような場合であっても、上記夫々の部品において確実に押圧された状態させた状態において、個別に溶融加熱を行うことができるとともに、第13態様による効果と同様な効果を得ることができる部品押圧接合方法を提供することが可能となる。
【0199】
本発明の上記第15態様によれば、上記複数の部品押圧部材を下降させて上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに、上記夫々の部品に対して作用させた押圧力を個別に検出し、上記検出された押圧力を設定押圧力に対して略一定に維持するとともに上記接合材の溶融加熱を行い、上記押圧力の上記設定押圧力に対する減少の検出をもって、上記接合材の溶融開始と判断して、上記部品押圧部材の下降を停止させて上記押圧力の維持から上記部品押圧部材の上記基板に対する位置を維持させることにより、上記接合材の溶融時においても上記部品押圧部材の先端高さ位置を一定とすることができる。これにより、上記接合材が溶融されたとき、上記部品押圧部材の先端位置が下がることにより、溶融状態にある上記接合材がつぶれてしまうことを防止することができ、上記部品の上記基板に対する接合高さ位置の管理を確実に行うことができ、高い接合位置精度でもって部品の押圧接合を行うことができる部品押圧接合方法を提供することが可能となる。
【0200】
本発明の上記第16態様によれば、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記検出された押圧力が上記設定押圧力に達する情報をもとに個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うことにより、例えば、上記設定押圧力に達したタイミングに応じて上記溶融加熱動作を個別に開始することができ、上記夫々の部品が確実に圧接された状態において上記溶融加熱を個別に行うことができ、確実かつ正確な部品の押圧接合を行うことが可能となる。
【0201】
本発明の上記第17態様によれば、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記接合材の加熱時間又は上記部品若しくは上記基板の平面度に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うことにより、例えば、上記接合材の溶融に必要な加熱時間においては上記部品の押圧動作を継続して行う、又は上記部品若しくは上記基板の平面度により上記部品の上面高さが異なり、上記部品に押圧力を作用させるタイミングも上記部品毎に異なるような場合にあっては、上記タイミングに応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うことができ、確実かつ正確な部品の押圧接合を行うことが可能となる。
【0202】
本発明の上記第18態様によれば、上記複数の部品への押圧力の作用開始から、上記接合材の固化まで、すなわち、上記部品が上記基板に接合されるまで、上記部品を個別に上記部品押圧部材に保持させておくことにより、上記部品押圧保持部材による保持解除を行う際に発生する影響、例えば、真空破壊ブロー等による影響により発生する上記部品の上記基板に対する接合位置ずれを防止することができる。従って、このような接合位置ずれが問題となるような高い接合位置精度が要求される部品の基板への押圧接合を行うことができる部品押圧接合方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる部品押圧接合装置の一部を透過させた斜視図である。
【図2】 上記実施形態の部品押圧接合装置が備える押圧ヘッドの模式的な構造図である。
【図3】 上記実施形態の部品押圧接合装置に供給される回路基板及び電子部品の配置を模式的に示す平面図である。
【図4】 上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図5】 上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図6】 上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図7】 上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図8】 上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示すフローチャートである。
【図9】 上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示すフローチャートである。
【図10】 上記実施形態の部品押圧接合方法における押圧力一定制御及び先端高さ位置一定制御の動作手順を示すフローチャートである。
【図11】 上記実施形態の部品押圧接合方法において、(A)は吸着ノズルの先端高さ、(B)は吸着ノズルの温度、(C)は冷却ブローノズルの動作の夫々の時間による変化状態を示すタイムチャートである。
【図12】 上記実施形態の部品押圧接合装置における回路基板の搬入及び搬出方法を模式的に示す模式説明図である。
【図13】 上記実施形態の部品押圧接合装置における回路基板の搬入及び搬出方法を模式的に示す模式説明図である。
【図14】 上記実施形態の部品押圧接合装置における回路基板の搬入及び搬出方法を模式的に示す模式説明図である。
【図15】 上記実施形態の部品押圧接合装置における制御系統図である。
【図16】 上記実施形態の変形例にかかる部品押圧接合装置の一部を透過させた斜視図である。
【図17】 従来の部品押圧接合方法を模式的に示す説明図である。
【図18】 上記実施形態のヘッドピッチ可変機構及びX軸方向移動機構の構造を模式的に示す模式説明図である。
【図19】 上記実施形態に部品押圧接合装置に供給される回路基板に配置された電子部品が支持されている状態の部品支持トレーの部分平面図である。
【図20】 上記実施形態の部品押圧接合装置に供給される回路基板に配置されたヒートスプレッダが支持されている状態の部品支持トレーの部分平面図である。
【符号の説明】
1…電子部品、1a…電極、2…半田バンプ、3…回路基板、3a…パッド、3b…回路基板、4…インジウム、5…ヒートスプレッダ、5a…凹部、6…部品支持トレー、6a…支持ジグ、7…部品支持トレー、7a…支持ジグ、9…制御部、10…押圧ヘッド、10a…押圧ヘッド下部、10b…押圧ヘッド上部、11…吸着ノズル、12…セラミックヒータ、13…ウォータジャケット、14…冷却ブローノズル、15…軸、15a…スプリング受部、15b…軸下部、16…ロードセル、17…自重相殺スプリング、18…ヘッドフレーム、18a…スプリング受部、19…昇降部、19a…モータ、19b…ボールねじ軸、19c…昇降部フレーム、19d…ナット部、20…メインフレーム、20a…、第1フレーム、20b…第2フレーム、20c…第3フレーム、21…LMレール、22…LMブロック、23…LMレール、24…LMブロック、25…LMレール、26…LMブロック、27…LMレール、28…LMブロック、31…ヘッドピッチ可変機構、31a…ボールねじ軸部、31b…ナット部、31c…モータ、31d…軸受部、32…X軸方向移動機構、32a…ボールねじ軸部、32b…ナット部、32c…モータ、33…Y軸方向移動機構、34…スライドベース、35…第1ステージ、35a…レール、36…第2ステージ、36a…レール、37…ローダー、37a…レール、38…アンローダー、38a…レール、101…部品押圧接合装置、101a…作業部、102…部品押圧接合装置、137…ローダー、138…アンローダ、A…間隔、B…間隔、C…切断線、D…切断線、P…間隔ピッチ、Q…基準位置、S…昇降動作軸。
Claims (18)
- 1つの基板(3)上に接合材(2、4)を介在させて配置された複数の部品(1、5)に個別に押圧力を作用させて個別に接合動作を行わせる複数の押圧装置(10)を有する部品押圧接合装置(101、102)であって、
上記各押圧装置は、
上記部品を個別に押圧する部品押圧部材(11)と、
上記部品押圧部材を個別に昇降させる昇降装置(19)と、
上記部品押圧部材により上記部品に対して作用させた押圧動作状態を個別に検出する検出装置(16)とを備え、
上記部品押圧接合装置は、上記接合材を溶融加熱する加熱装置(12)と、上記各押圧装置における上記検出装置の検出結果が入力されかつ上記入力された検出結果に基づいて個別に上記昇降装置の昇降動作及び上記加熱装置の溶融加熱動作を制御する制御装置(9)とを備え、
上記制御装置により、複数の上記押圧装置における上記部品押圧部材を下降させて複数の上記部品に個別に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、上記検出装置により検出された夫々の押圧動作状態に応じて個別に上記部品押圧部材による押圧動作を行わせるとともに上記押圧動作状態に応じて上記加熱装置による溶融加熱動作を行わせることを特徴とする部品押圧接合装置。 - 上記加熱装置は、上記各押圧装置に備えられ、かつ上記各押圧装置において上記接合材の溶融加熱を個別に行うことが可能であり、
上記制御装置は、上記入力された検出結果に基づいて個別に上記加熱装置の溶融加熱動作を制御可能であって、
上記制御装置により、上記複数の上記押圧装置における上記部品押圧部材を下降させて複数の上記部品に個別に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、夫々の上記検出装置により検出された上記押圧動作状態に応じて個別に上記部品押圧部材による押圧動作及び上記加熱装置による溶融加熱動作を行わせる請求項1に記載の部品押圧接合装置。 - 上記各押圧装置における上記検出装置は、上記押圧動作状態として上記部品押圧部材により上記部品に対して作用させた押圧力を個別に検出可能であって、
上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記昇降装置により上記部品押圧部材を下降させて上記部品押圧部材に対向する上記基板上の上記部品に押圧力を作用させて接合動作を行わせるとき、上記加熱装置による上記接合材の溶融加熱動作を行わせるとともに、上記検出装置により検出された押圧力を設定押圧力に対して略一定に維持し、上記検出装置により押圧力の上記設定押圧力に対する減少が検出されると、上記昇降装置による上記部品押圧部材の下降を停止させて上記部品押圧部材の上記基板に対する位置を維持する請求項2に記載の部品押圧接合装置。 - 上記制御装置により、上記複数の押圧装置において、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記検出装置により検出された押圧力が上記設定押圧力に達する情報をもとに個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせる請求項3に記載の部品押圧接合装置。
- 上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、上記加熱装置の加熱特性又は上記部品若しくは上記基板の平面度に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせる請求項2から4のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置。
- 上記各押圧装置は、上記溶融加熱された上記接合材の固化冷却を個別に行う冷却装置(14)をさらに備えて、上記制御装置による上記加熱装置での溶融加熱動作終了後に上記冷却装置による固化冷却を個別に行う請求項2から5のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置。
- 上記各部品押圧部材は上記部品を個別に解除可能に保持可能であって、
上記制御装置は、上記複数の押圧装置において、上記部品押圧部材により、上記部品へ押圧力を作用させるときに上記部品を個別に保持させて、上記部品が上記基板に接合されたときに上記部品の保持を個別に解除する請求項1から6のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置。 - 上記各押圧装置は、平面的に2行複数列に配列されかつ上記列の配列間隔は一定の間隔でもって配列されており、
上記基板上に上記接合材を介在させてかつ上記行沿いに上記一定の間隔でもって配置された同種かつ複数の上記部品に対して上記接合動作を個別に行う請求項1から7のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置。 - 上記各押圧装置の上記列の上記一定の間隔又は上記行の間隔を可変とする間隔可変機構(31)をさらに備える請求項8に記載の部品押圧接合装置。
- 上記各部品を解除可能に支持する部品支持機構(6、7)により上記基板上に夫々の接合位置が保持されるように支持された状態にて、上記基板が請求項1から9のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置(101、102)に供給され、
上記部品支持機構による上記支持が解除された状態にて、上記各押圧装置により上記各部品に対する上記基板への上記接合動作が個別に行われる部品押圧接合装置。 - 上記部品は、上記接合材(2)を介在させて上記基板に接合される電子部品(1)、又は上記基板に接合された状態の上記電子部品に上記接合材(4)を介在させて接合されるヒートスプレッダ(5)である請求項1から10のいずれか1つに記載の部品押圧接合装置。
- 上記基板に上記接合材(2)を介在させて接合された状態の上記電子部品に上記接合材(4)を介在させて上記ヒートスプレッダを接合させる場合において、
上記ヒートスプレッダを上記電子部品に接合する上記接合材(4)の融点は、上記電子部品を上記基板に接合する上記接合材(2)の融点よりも低い請求項11に記載の部品押圧接合装置。 - 1つの基板(3)上に接合材(2、4)を介在させて配置された複数の部品(1、5)を複数の部品押圧部材(11)により個別に押圧可能なように、上記複数の部品押圧部材と上記複数の部品との位置合わせを行い、
上記複数の部品押圧部材を下降させ、
上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに夫々の押圧接合状態に応じて個別に上記夫々の部品押圧部材による押圧動作を行うとともに上記夫々の押圧接合状態に応じて上記接合材の溶融加熱動作を行って、上記基板上に上記接合材を介在させて上記複数の部品の接合を行うことを特徴とする部品押圧接合方法。 - 上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに上記夫々の押圧接合状態に応じて個別に上記夫々の部品押圧部材による押圧動作及び上記接合材の溶融加熱動作を行って、上記基板上に上記接合材を介在させて上記複数の部品の接合を行う請求項13に記載の部品押圧接合方法。
- 上記複数の部品押圧部材を下降させて上記複数の部品に個別に押圧力を作用させるときに、上記夫々の部品に対して作用させた押圧力を個別に検出して、上記検出された押圧力を設定押圧力に対して略一定に維持するとともに上記接合材の溶融加熱を行い、
上記略一定に維持された押圧力の上記設定押圧力の減少が検出されると、上記夫々の部品押圧部材の下降を停止させて上記夫々の部品押圧部材の上記基板に対する位置を維持する請求項14に記載の部品押圧接合方法。 - 上記夫々の押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行うときに、上記検出された押圧力が上記設定押圧力に達する情報をもとに個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行う請求項15に記載の部品押圧接合方法。
- 上記押圧動作状態に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせるとき、加熱装置の加熱特性又は上記部品若しくは上記基板の平面度に応じて個別に上記押圧動作及び上記溶融加熱動作を行わせる請求項14から16のいずれか1つに記載の部品押圧接合方法。
- 上記複数の部品へ押圧力を作用させるときに上記夫々の部品を上記夫々の部品押圧部材により個別に保持し、
上記溶融加熱動作により上記接合材を個別に溶融させ、
その後、上記溶融された接合材を個別に固化冷却し、上記接合材が固化されて上記基板に上記夫々の部品が上記接合材を介在させて接合されたときに上記夫々の部品の保持を個別に解除する請求項13から17のいずれか1つに記載の部品押圧接合方法。
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