JP2004071711A - 部品保持装置及び方法 - Google Patents
部品保持装置及び方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004071711A JP2004071711A JP2002226419A JP2002226419A JP2004071711A JP 2004071711 A JP2004071711 A JP 2004071711A JP 2002226419 A JP2002226419 A JP 2002226419A JP 2002226419 A JP2002226419 A JP 2002226419A JP 2004071711 A JP2004071711 A JP 2004071711A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coordinate
- component supply
- suction
- nozzle
- coordinates
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持できる部品保持装置及び方法を提供する。
【解決手段】複数のノズル10のノズル群・中心座標のバラツキと複数の部品供給カセット80の部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズル10と部品供給カセット80との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断し、同時吸着動作可能なノズル10と部品供給カセット80の複数の組み合わせを確実に抽出する。
【選択図】 図8
【解決手段】複数のノズル10のノズル群・中心座標のバラツキと複数の部品供給カセット80の部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズル10と部品供給カセット80との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断し、同時吸着動作可能なノズル10と部品供給カセット80の複数の組み合わせを確実に抽出する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品供給部から供給された部品を吸着ノズルにより吸着保持したのち、基板や部品などの被装着体に装着する部品実装装置に関し、詳しくは、複数のノズルで複数の部品を同時的に吸着保持する部品保持装置及び方法、及び、同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、部品供給部から供給された部品を吸着ノズルにより吸着保持したのち、基板に装着する部品実装装置において、複数個のノズルを可動ヘッドに備えて、複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着しようとした部品実装装置は種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、複数個のノズルのノズル中心位置のバラツキと、複数の部品を収納する複数の部品カセットの部品供給位置の位置のバラツキのため、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品を複数個のノズルで正確かつ確実に同時に吸着保持することができなかった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持できる、部品保持装置及び方法、及び、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0006】
本発明の第1態様によれば、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッドに並列配置された複数個のノズルにより、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセットから複数個の部品を同時的に吸着保持する部品保持方法において、
上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求め、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行い、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、
上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断し、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求め、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行い、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、
上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは同時吸着が不可能と判断するようにしたことを特徴とする部品保持方法を提供する。
【0007】
本発明の第2態様によれば、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求めるようにした第1の態様に記載の部品保持方法を提供する。
【0008】
本発明の第3態様によれば、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッドに並列配置された複数個のノズルにより、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセットから複数個の部品を同時的に吸着保持する部品保持装置において、
上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める中心平均座標演算部と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う補正値演算部と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否かを判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う同時吸着判定部と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記中心平均座標演算部でノズル群・中心平均座標と部品供給カセット群・吸着中心平均座標とを求め、上記補正値演算部で一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行い、上記同時吸着判定部で上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行うように制御する演算制御部とを備えるようにしたことを特徴とする部品保持装置を提供する。
【0009】
本発明の第4態様によれば、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める中心平均座標演算部をさらに備えるようにした第3の態様に記載の部品保持装置を提供する。
【0010】
本発明の第5態様によれば、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッドに並列配置された複数個のノズルにより、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセットから複数個の部品を同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う手順と、上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断する手順と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行う手順と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは同時吸着が不可能と判断する手順とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0011】
本発明の第6態様によれば、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順をさらに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な第5の態様に記載の記録媒体を提供する。
【0012】
本発明の第7態様によれば、上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする第1又は2の態様に記載の部品保持方法を提供する。
【0013】
本発明の第8態様によれば、上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする第3又は4の態様に記載の部品保持装置を提供する。
【0014】
本発明の第9態様によれば、上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする第5又は6の態様に記載の記録媒体を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明の第1実施形態にかかる、部品保持方法を実施可能な部品保持装置を有する部品実装装置の全体概略斜視図を図1に示す。
【0017】
図1及び図2及び図3において、1は電子回路基板2−0(位置に関係なく基板を指す場合には参照番号2により示し、特定の位置の基板は参照番号2−0,2−1,2−2,2−3のように示す。)を搬入するローダー、11は電子回路基板2−3を搬出するアンローダーである。3はローダー1から搬入される電子回路基板2を搬送保持する一対のサポートレール部を備える第1基板搬送保持装置、4は直交するXY座標内に位置しかつ電子部品を吸着保持する部品吸着ノズル10を交換可能に複数個例えば10個をX方向沿いに並列して装着した作業ヘッド、5は作業ヘッド4を部品実装作業領域内の直交する2方向であるXY方向の所定位置に位置決めするXYロボット、7は部品実装作業領域において部品供給部8Aの近傍に配置され、かつ、複数の種類の電子部品に適した複数の種類のノズル10を収納して必要に応じて作業ヘッド4に装着されたノズル10と交換するノズル交換装置である。8A,8Bは直交するXY座標内の部品実装作業領域の作業者に対して手前側すなわち前側の端部にそれぞれ配置され、かつ、上記基板2に実装すべき部品103をキャリアテープ101の部品収納用凹部102内に1つずつ収納して部品供給位置89に1つずつ部品103(テーピング部品)を供給する複数の部品供給カセット80がX方向沿いに配置された部品供給部、8Cは部品供給部8Bの近傍に配置され、かつ、上記基板2に実装すべき部品をトレー状に収納保持されたトレー部品を収納する部品供給部、9は部品供給部8Aの近傍の部品実装作業領域中央に近い側に配置され、かつ、作業ヘッド4のノズル10が吸着した電子部品の吸着姿勢を撮像する認識カメラである。
【0018】
一方、13は第1基板搬送保持装置3から搬送される電子回路基板2−1を搬送保持する一対のサポートレール部を備える第2基板搬送保持装置、14は直交するXY座標内に位置しかつ電子部品を吸着保持する部品吸着ノズル10を交換可能に複数個例えば10個をX方向沿いに並列して装着した作業ヘッド、15は作業ヘッド14を部品実装作業領域内の直交する2方向であるXY方向の所定位置に位置決めするXYロボット、17は部品供給部18Aの近傍に配置され、かつ、複数の種類の電子部品に適した複数の種類のノズル10を収納して必要に応じて作業ヘッド14に装着されたノズル10と交換するノズル交換装置である。18A,18Bは直交するXY座標内の部品実装作業領域の作業者に対して奥側すなわち後側の端部にそれぞれ配置され、かつ、上記基板2−1に実装すべき部品103をキャリアテープ101の部品収納用凹部102内に1つずつ収納して部品供給位置89に1つずつ部品103(テーピング部品)を供給する複数の部品供給カセット80がX方向沿いに並列配置された部品供給部、18Cは部品供給部18Bの近傍に配置され、かつ、上記基板2に実装すべき部品をトレー状に収納保持されたトレー部品を収納する部品供給部、19は部品供給部18Aの近傍の部品実装作業領域中央に近い側に配置され、かつ、作業ヘッド14のノズル10が吸着した電子部品の吸着姿勢を撮像する認識カメラである。
【0019】
上記XYロボット5,15は、以下のように構成されている。XYロボット装置6の2本のY軸駆動部6a,6aが実装装置基台16上の部品実装作業領域200の前後端縁に固定配置され、これらの2本のY軸駆動部6a,6aにまたがって2本のX軸駆動部6b,6cがY軸方向に独立的に移動可能にかつ衝突回避可能に配置されて、さらに、X軸駆動部6bには部品実装作業領域内の手前側半分の実装領域内を移動する作業ヘッド4がX軸方向に移動可能に配置されるとともに、X軸駆動部6cには部品実装作業領域内の奥側半分の実装領域内を移動する作業ヘッド14がX軸方向に移動可能に配置されている。よって、上記XYロボット5は、実装装置基台16に固定された2本のY軸駆動部6a,6aと、Y軸駆動部6a,6a上でY軸方向に移動可能なX軸駆動部6bと、X軸駆動部6bにおいてX軸方向に移動可能な作業ヘッド4とより構成される。また、上記XYロボット15は、実装装置基台16に固定された2本のY軸駆動部6a,6aと、Y軸駆動部6a,6a上でY軸方向に移動可能なX軸駆動部6cと、X軸駆動部6cにおいてX軸方向に移動可能な作業ヘッド14とより構成される。このようにして、作業ヘッド4,14は独立してXY方向に移動することができる。
【0020】
上記各部品供給部8A,8B,18A,18Bの各部品供給カセット80では、図4及び図5に示すように、上記キャリアテープ101の側端部に連続して等間隔に設けられた送り穴109,…,109に、部品供給カセット80の先端に配置されたスプロケット106が係合している。このスプロケット106は、駆動歯車882が固定されており、駆動歯車882は、歯車伝達機構881を介して部品供給駆動装置例えばパルスモータ880に連結されている。よって、パルスモータ880により、歯車伝達機構881及び駆動歯車882を介して所定回転だけスプロケット106を回転させると、所定ピッチだけキャリアテープ101が送られ、トップテープ104が剥がされたキャリアテープ101の部品収納用凹部102内に1つずつ収納保持された部品103が、上記カセット80の部品供給用開口として形成されている部品供給位置89に1つずつ位置し、部品保持用として供給されるようにしている。このため、上記パルスモータ880の駆動を制御部1000(図7参照)により制御して回転量を調整すれば、キャリアテープ101の送り量を変更することができ、部品供給位置89での部品収納用凹部102すなわち部品103の上記Y方向の位置を変更することができる。
【0021】
また、上記基板搬入搬出、部品保持、部品認識、部品装着動作などを制御する制御部1000が備えられ、部品供給部8A,8B,18A,18B、部品供給カセット80、作業ヘッド4,14、認識カメラ9,19、被装着体保持装置3,13、XYロボット5,15、メモリ910、ローダ1、アンローダ11などが接続されている。メモリ910には、どの部品をどの位置にどの順番で装着するかなどの実装プログラムを示すNCデータ、どの部品をどの部品供給部材に配列するかなどの配列プログラム又配列した配列情報、各部品の形状や高さなどに関する部品情報の部品ライブラリ、各基板の形状などに関する基板情報、その他、部品吸着ノズルの形状や各サポートレール部の基板搬送位置の情報などが記憶されている。また、後述する記憶媒体から上記実施形態にかかる部品保持方法を実施するためのプログラムを格納するようにしてもよい。また、メモリ910には、複数個のノズル10のそれぞれのノズル中心位置Onの基準位置(設計上の位置)からの位置ズレ量と、複数個の部品供給カセット80のそれぞれの吸着中心平均座標の基準位置(設計上の位置)からの位置ズレ量など認識結果情報と、後述する各種演算結果情報などを記憶させることができる。
【0022】
ここで、図1及び図2及び図3に示すように、1台の部品実装装置において、基板2の部品実装作業領域200を基板搬入側から基板搬出側への基板搬入路を中心として第1実装領域201と第2実装領域202とに2分割し、第1実装領域201において、基板2−1を第1実装領域201にローダー1により、中央位置に位置した基板搬送保持装置3に搬入して、基板搬入路方向沿いの第1実装領域201の端部に配置された部品供給部8A及び第1部品認識部の一例としての認識カメラ9に最も近い部分まで、基板搬送保持装置3を中央位置から移動させて、基板2−1を実装動作のために位置決め保持する。次いで、第1実装領域201において、当該基板2−1の第1部品供給部8Aに近い側の作業者から見て手前側の少なくとも半分の領域(図2の斜線領域2A)に対して、部品供給部8A,8Bから部品を吸着保持して実装を行う。その後、第1実装領域201での実装作業終了後、基板搬送保持装置3を中央位置まで戻したのち、基板搬送保持装置3から、中央位置に位置して基板搬送保持装置3に隣接した基板搬送保持装置13に当該基板2−1を移動させる。次いで、基板搬送保持装置13を中央位置から移動させて、当該基板2−1を第2実装領域202の部品供給部18A及び第2部品認識部の一例としての認識カメラ19に最も近い部分まで移動させて、基板2−1を実装のため位置決め保持する。次いで、第2実装領域202において、当該基板2−1の部品供給部18Aに近い側の作業者から見て奥側の少なくとも半分の領域(図2の斜線領域2A)に対して、部品供給部18A,18Bから部品を吸着保持して実装を行う。その後、第2実装領域202での実装作業終了後、基板搬送保持装置13を中央位置まで戻したのち、基板搬送保持装置13からアンローダ11に移動させて、当該基板2−1を第2実装領域202から搬出する。この結果、各実装領域201,202で位置決め保持された基板2と各部品供給部8A,18Aと各認識カメラ9,19との最短距離を、従来のように部品実装作業領域の基板搬入路上に基板を保持している場合と比較して、大幅に短くすることができ、実装時間を短縮することができて、生産性を向上させることができる。
【0023】
次に、上記したように、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置された上記複数個のノズル10により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズル10に対応する上記複数個の部品供給カセット80から複数個の部品103を同時的に吸着保持することについて詳細に説明する。
【0024】
まず、ノズル10のノズル中心位置は、ノズル10の製造誤差、作業ヘッド4,14への組付け誤差、使用中のノズル10の温度上昇などの影響で設計上の基準位置から位置ズレしていることが多い。このため、それぞれのノズル10のノズル中心位置を上記基台16側に配置した認識カメラ9又は19で認識させて、それぞれのノズル10のノズル中心位置の位置ズレ量を求める必要がある。
【0025】
具体的に上記位置ズレ量の求める方法としては、図6に示すように、ノズル10の本体外周のノズルホルダ10Bの環状の下端面(鏡面)を認識カメラ9又は19で認識して、認識結果から環状のノズルホルダ10Bの中心位置を求めることにより、ノズル10のノズル中心位置Onを求める方法がある。
【0026】
別の方法としては、ノズル10の本体であるノズル先端10Aの円環状の下端面(鏡面)を認識カメラ9,19で認識して、認識結果から円環状のノズル先端10Aの中心位置を求めることにより、ノズル10のノズル中心位置Onを求める方法がある(図6参照)。
【0027】
一方、部品供給カセット80側においては、一般に、各部品供給カセット80の製造上の誤差、各カセットの部品実装装置に対する取付誤差などの影響で、各部品供給カセット80の部品供給位置89に位置する部品103の位置が設計上の基準位置から位置ズレしていることが多い。このため、これを作業ヘッド4又は14に備えた認識カメラ90で認識させて、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89での位置ズレ量を求める必要がある。
【0028】
具体的に上記位置ズレ量の求める方法としては、テーピング部品を収納する部品供給カセット80のテーピング部品を所定寸法毎に送るスプロケット106の上端端面(通常は反射により光っている端面)106aを作業ヘッド4又は14に備えた認識カメラ90で認識させて、その認識結果と、スプロケット106の上端端面106aの位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、スプロケット106の上端端面106aの位置から部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。
【0029】
別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89が長方形である場合、その対角のコーナ部分を作業ヘッド4に備えた認識カメラ90で認識させて、その認識結果と、対角のコーナ部分の位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、対角のコーナ部分の位置から部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。このとき、認識されるコーナ部分は、対角の2箇所に限らず、1箇所でもよいし、対角でない2箇所又は任意の複数個所でもよい。
【0030】
さらに、別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89内に露出した部品103の位置を、作業ヘッド4又は14に備えた認識カメラ90で認識して、その認識結果と、部品103の位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。
【0031】
さらに、別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89付近に備えた位置認識用マークを、作業ヘッド4に備えた認識カメラ90で認識して、その認識結果と、位置認識用マークの位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、部品供給カセットの部品供給位置89の位置を求めることができる(図示せず)。
【0032】
さらに、別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89からノズル10で吸着保持した部品103を認識カメラ9又は19で認識して、その位置ズレ量から部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。このとき、上記部品103の認識カメラ9又は19による認識を複数回繰り返して、複数個の位置ズレ量の平均を算出することにより、部品吸着時の位置ズレ誤差などを吸収して部品供給カセット80の部品供給位置89での部品の位置ズレを検出できるようにしてもよい。
【0033】
従って、ノズル10のノズル中心位置Onの位置ズレ量と部品供給カセット80の部品供給位置89の位置ズレ量とを考慮して、複数個のノズル10での複数個の部品103の同時吸着の可否を判断し、同時吸着可能な組み合わせ毎にグループ分けし、分けられたグループ毎に複数個のノズル10での複数個の部品103の同時吸着を行う。
【0034】
このような部品保持方法について、図8のフローチャート及び図22の部品保持装置の演算部分のブロック構成図を基に説明する。なお、以下に示すフローチャートの動作は、制御部1000の制御の下に演算制御部904を演算動作を開始させ、演算制御部904の制御の下に、中心平均座標演算部901と、補正値演算部902と、同時吸着判定部903と、中心平均座標演算部905とを適宜動作制御させる。演算制御部904に対しては、さらに、入出力部906とメモリ910とが接続されている。
【0035】
(ステップS1)
まず、ステップS1において、n個のノズル中心座標データ(Xn1,Yn1)、(Xn 2,Yn 2)、......、(Xnn,Ynn)を入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。
【0036】
(ステップS2)
次いで、ステップS2において、n個の部品供給カセットの吸着中心座標データ(Xf1,Yf1)、(Xf 2,Yf 2)、......、(Xfn,Yfn)を入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。
【0037】
(ステップS3)
次いで、ステップS3において、中心平均座標演算部901により、同時吸着を前提とした仮想平均値の算出を次の式で行う。
【0038】
すなわち、上記n個のノズル10のX座標Xni同士の合計値を上記ノズル10の個数nで除するとともに上記n個のノズル10のY座標Yni同士の合計値を上記ノズルの個数nで除することによりノズル群・中心平均座標を中心平均座標演算部901により求める。
【0039】
【数1】
また、上記n個の部品供給カセット80のX座標Xfi同士の合計値を上記部品供給カセット80の個数nで除するとともに上記n個の部品供給カセット80のY座標Yfi同士の合計値を上記部品供給カセット80の個数nで除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を中心平均座標演算部901により求める。
【0040】
【数2】
部品供給カセット群・吸着中心平均座標
(ステップS4)
次いで、ステップS4において、補正値演算部902により、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。すなわち、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差ΔXを補正値演算部902により求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差ΔYを補正値演算部902により求めて、上記X座標と上記Y座標での一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
(ステップS5)
次いで、ステップS5において、同時吸着判定部903により、ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う。すなわち、上記部品供給カセット80と当該上記部品供給カセット80に対応する上記ノズル10との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のX座標Xfiから対応する上記ノズル10のX座標Xniと上記X座標のヘッド吸着位置補正値ΔXとを差し引いた値がX座標の許容ズレ量Kx以下か否か同時吸着判定部903により判定する。また、上記部品供給カセット80と当該上記部品供給カセット80に対応する上記ノズル10との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のY座標Yfiから対応する上記ノズル10のY座標Yniと上記Y座標のヘッド吸着位置補正値ΔYとを差し引いた値がY座標の許容ズレ量KY以下か否か同時吸着判定部903により判定する。すなわち、
【0043】
【数5】
Xfi−(Xni+ΔX)≦Kx
Yfi−(Yni+ΔY)≦KY
か否か判断する。
【0044】
(ステップS6)
このステップS5においてNOならば、ステップS6で同時吸着判定部903により吸着不可と判断させてステップS8に進む。
【0045】
(ステップS7)
このステップS5においてYESならば、ステップS7で同時吸着判定部903により吸着可能と判断させてステップS8に進む。
【0046】
(ステップS8)
ステップS8において、中心平均座標演算部905により、吸着可能ノズル10での同時吸着用中心平均座標の算出を行う。すなわち、1回目の同時吸着を前提とした、N個(但し、0<N≦n)のノズル10を有するヘッド4又は14の実際の中心座標の平均値の算出を中心平均座標演算部905により行う。
【0047】
【数6】
【0048】
【数7】
すなわち、同時吸着可能なN個のノズル10のX方向座標を全て加算して単純にノズル10の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14のX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xnav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0049】
また、同時吸着可能なN個のノズル10のY方向座標を全て加算して単純にノズル10の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14のY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Ynav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0050】
よって、ノズル群・中心平均座標=(Xnav1,Ynav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、1回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0051】
また、同時吸着可能なN個のノズル10に対応するN個の部品供給カセット80のX方向座標を全て加算して単純に部品供給カセット80の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14に対するN個の部品供給カセット80のX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xfav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0052】
また、同時吸着可能なN個のノズル10に対応するN個の部品供給カセット80のY方向座標を全て加算して単純に部品供給カセット80の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14に対するN個の部品供給カセット80のY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0053】
よって、部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav1,Yfav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14に対する部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、この実際の中心位置座標を制御部1000による1回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0054】
(ステップS9)
次いで、ステップS9において、演算制御部904による上記各演算部901,902,903,905の動作制御により、以下の動作を行わせる。
【0055】
すなわち、1回目の同時吸着に使用するN個のノズル10以外の残った(n−N)個のノズル10について、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのノズルグループに区分けする。
【0056】
また、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つの部品供給カセットグループに区分けする。
【0057】
そして、上記区分けされたノズルグループのうち複数個のノズルを含むノズルグループと、上記区分けされた部品供給カセットグループのうち複数個の部品供給カセットを含む部品供給カセットグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出する。
【0058】
その抽出した組み合わせにおいて、ステップS3からステップS8の動作を繰り返して、2回目に同時吸着可能なノズル10を抽出して、抽出されたノズル10のノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を求めて、ノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、2回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。また、部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を求めて、部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14に対する部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、この実際の中心位置座標を2回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0059】
次いで、再び、ステップS9において、演算制御部904による各演算部の動作制御により、2回目の同時吸着に使用するノズル10以外の残ったノズル10について、上記ステップS9の動作、すなわち、残ったノズル10のうちの上記抽出された複数のノズルと部品供給カセットの組み合わせについてステップS3からステップS8の動作を繰り返して、3回目の同時吸着に使用するノズル10を抽出する。このようにして、ノズル10が無くなるまでステップS3からステップS8の動作を繰り返す。
【0060】
このようにして、すべてのノズル10と部品供給カセット80との組み合わせに対して、同時吸着可能か否かを判断して、同時吸着可能な組合せを作成し、その組合せに基づいて同時吸着を実施すれば、確実に同時吸着動作を行うことができる。よって、例えば、10個一列のノズル10による部品実装動作においては、1回目の実装動作のときには5個のノズル10で5個の部品供給カセット80から部品103を吸着保持して基板2に装着したのち、2回目の実装動作のときには3個のノズル10で上記とは異なる3個の部品供給カセット80から部品103を吸着保持して基板2に装着することができる。さらに、3回目の実装動作のときには2個のノズル10で上記とは異なる2個の部品供給カセット80から部品103を吸着保持して基板2に装着することができる。
【0061】
上記部品保持方法にかかる図8のフローチャートのより具体的な実例について、さらに詳細に説明する。
【0062】
(ステップS1)
一例として、5個のノズル10、すなわち、第1ノズル10a、第2ノズル10b、第3ノズル10c、第4ノズル10d、第5ノズル10eのノズル中心座標データを入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。これらの第1〜第5ノズル10a,10b,10c,10d,10eのノズル中心座標データを(Xn1,Yn1),(Xn2,Yn2),(Xn3,Yn3),(Xn4,Yn4),(Xn5,Yn5)とする。具体例としては、(1,4),(4,6),(6,2),(8,8),(9,5)とする。
【0063】
(ステップS2)
5個の部品供給カセット80、すなわち、第1部品供給カセット80a、第2部品供給カセット80b、第3部品供給カセット80c、第4部品供給カセット80d、第5部品供給カセット80eの吸着中心座標データを入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。これらの第1〜第5部品供給カセット80a,80b,80c,80d,80eの吸着中心座標データを(Xf1,Yf1),(Xf2,Yf2),(Xf3,Yf3),(Xf4,Yf4),(Xf5,Yf5)とする。具体例としては、(1,8),(3,2),(6,3),(8,5),(11,9)とする。
【0064】
(ステップS3)
次いで、中心平均座標演算部901により、第1〜第5ノズル10a,10b,10c,10d,10eのX方向座標を全て加算して単純に5(ノズルの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、具体的には、X方向の基準となる平均位置座標Xnavを、Xnav=(Xn1+Xn2+Xn3+Xn4+Xn5)/5より求める。上記具体例のX方向の基準となる平均位置座標Xnavは、Xnav=(Xn1+Xn2+Xn3+Xn4+Xn5)/5=(1+4+6+8+9)/5=5.6となる。
【0065】
また、中心平均座標演算部901により、第1〜第5ノズル10a,10b,10c,10d,10eのY方向座標を全て加算して単純に5(ノズルの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、具体的には、Y方向の基準となる平均位置座標Ynavを、Ynav=(Yn1+Yn2+Yn3+Yn4+Yn5)/5より求める。上記具体例のY方向の基準となる平均位置座標Ynavは、Ynav=(Yn1+Yn2+Yn3+Yn4+Yn5)/5=(4+6+2+8+5)/5=5となる。
【0066】
よって、ノズル群・中心平均座標(Xnav,Ynav)={[(Xn1+Xn2+Xn3+Xn4+Xn5)/5],[(Yn1+Yn2+Yn3+Yn4+Yn5)/5]}となる。上記具体例では、ノズル群・中心平均座標(Xnav,Ynav)は(5.6,5)となる。
【0067】
また、中心平均座標演算部901により、第1〜第5部品供給カセット80a,80b,80c,80d,80eのX方向座標を全て加算して単純に5(部品供給カセットの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、具体的には、X方向の基準となる平均位置座標Xfavを、Xfav=(Xf1+Xf2+Xf3+Xf4+Xf5)/5より求める。上記具体例のX方向の基準となる平均位置座標Xfavは、Xfav=(Xf1+Xf2+Xf3+Xf4+Xf5)/5=(1+3+6+8+11)/5=5.8となる。
【0068】
また、中心平均座標演算部901により、第1〜第5部品供給カセット80a,80b,80c,80d,80eのY方向座標を全て加算して単純に5(部品供給カセットの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、具体的には、Y方向の基準となる平均位置座標Yfavを、Yfav=(Yf1+Yf2+Yf3+Yf4+Yf5)/5より求める。上記具体例のY方向の基準となる平均位置座標Yfavは、Yfav=(Yf1+Yf2+Yf3+Yf4+Yf5)/5=(8+2+3+5+9)/5=5.4となる。
【0069】
よって、部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav,Yfav)={[(Xf1+Xf2+Xf3+Xf4+Xf5)/5],[(Yf1+Yf2+Yf3+Yf4+Yf5)/5]}となる。上記具体例の部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav,Yfav)は(5.8,5.4)となる。
【0070】
(ステップS4)
次いで、補正値演算部902により、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。
【0071】
ΔXは、ΔX=Xfav−Xnav の式より、補正値演算部902により、求める。上記具体例では、ΔX=Xfav−Xnav=5.8−5.6=0.2となる。
【0072】
ΔYは、ΔY=Yfav−Ynav の式より、補正値演算部902により、求める。上記具体例では、ΔY=Yfav−Ynav=5.4−5=0.4となる。
【0073】
(ステップS5〜S7)
同時吸着判定部903により、ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う。すなわち、Kx,KYが許容ズレ量であるとき、
X方向は、Xfi−(Xni+ΔX)≦Kx が成立するか否かを同時吸着判定部903により判断する。但し、i=1〜5。
【0074】
Y方向は、Yfi−(Yni+ΔY)≦KY が成立するか否かを同時吸着判定部903により判断する。但し、i=1〜5。
【0075】
このステップS5においてNOならば、ステップS6で同時吸着判定部903により吸着不可と判断してステップS8に進む。また、このステップS5においてYESならば、ステップS7で同時吸着判定部903により吸着可能と判断してステップS8に進む。
【0076】
上記具体例において、各ノズル10と対応する部品供給カセット80との組み合わせについてXfi−(Xni+ΔX)を同時吸着判定部903により算出して判断する。
【0077】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Xf1−(Xn1+ΔX)=1−(1+0.2)=−0.2となる。
【0078】
(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせについては、Xf2−(Xn2+ΔX)=3−(4+0.2)=−1.2となる。
【0079】
(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせについては、Xf3−(Xn3+ΔX)=6−(6+0.2)=−0.2となる。
【0080】
(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせについては、Xf4−(Xn4+ΔX)=8−(8+0.2)=−0.2となる。
【0081】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Xf5−(Xn5+ΔX)=11−(9+0.2)=1.8となる。
【0082】
ここで、KXが1とすると、上記式≦KXすなわち上記式≦1が成立するのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせである。一方、上記式≦1が成立しないのは、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせである。
【0083】
また、各ノズル10と対応する部品供給カセット80との組み合わせについてYfi−(Yni+ΔY)を同時吸着判定部903により算出して判断する。
【0084】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=8−(4+0.4)=3.6となる。
【0085】
(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=2−(6+0.4)=−4.4となる。
【0086】
(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=3−(2+0.4)=0.6となる。
【0087】
(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=5−(8+0.4)=−3.4となる。
【0088】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=9−(5+0.4)=3.6となる。
【0089】
ここで、KYが0.1とすると、上記式≦KYすなわち上記式≦0.1が成立するのは、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせの組み合わせである。一方、上記式≦0が成立しないのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eの組み合わせである。
【0090】
よって、KX,KYが許容ズレ量を考慮すると、1回目の吸着動作においては、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせが同時吸着可能であると、同時吸着判定部903により判断する。これ以外の組み合わせ、すなわち、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせは同時吸着不可と同時吸着判定部903により判断する。
【0091】
(ステップS8)
ステップS8において、中心平均座標演算部905により、同時吸着可能ノズル、すなわち、第2ノズル10bと第4ノズル10dとでの同時吸着補正座標の算出を行う。
【0092】
すなわち、同時吸着可能な複数のノズルのX方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xnav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2ノズル10bと第4ノズル10dとが同時吸着可能であり、(4,6),(8,8)の座標のうちのX方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値を求める。よって、Xnav1=(4+8)/2=6となる。
【0093】
また、同時吸着可能な複数のノズルのY方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Ynav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2ノズル10bと第4ノズル10dの(4,6),(8,8)の座標のうちのY方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値を求める。よって、Ynav1=(4+6)/2=5となる。
【0094】
よって、ノズル群・中心平均座標=(Xnav1,Ynav1)、従って、上記具体例では(6,5)を、上記ノズルを備えたヘッドの実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、ヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0095】
また、同時吸着可能な複数のノズルに対応する部品供給カセットのX方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xfav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2部品供給カセット80bと第4部品供給カセット80dの(4,6),(8,8)のX方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xfav1を求める。すなわち、Xfav1=(4+8)/2=6となる。
【0096】
また、同時吸着可能な複数のノズルに対応する部品供給カセットのY方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2部品供給カセット80bと第4部品供給カセット80dの(4,6),(8,8)のY方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav1を求める。すなわち、Yfav1=(6+8)/2=7となる。
【0097】
よって、部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav1,Yfav1)、従って、上記具体例では(6,7)を、上記ノズルを備えたヘッドに対する部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、ヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0098】
(ステップS9)
次いで、ステップS9において、演算制御部904による上記各演算部901,902,903,905の動作制御により、残った3個のノズルの同時吸着条件の算出を行う。ここで、上記具体例のノズル群・中心平均座標=(Xnav,Ynav)=(5.6,5)を参照して、第1,第3,第5ノズル10a,10c,10eのノズル中心座標データ(1,4),(6,2),(9,5)のうち、第1及び第5ノズル10a,10eはノズル群・中心平均座標よりY方向上向きに離れる一方、第3ノズル10cはノズル群・中心平均座標よりY方向下向きに離れているため、これらを別々のグループとして取り扱う必要がある。また、上記具体例の部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav,Yfav)=(5.8,5.4)を参照して、第1,第3,第5部品供給カセット80a,80c,80eの吸着中心座標データ(1,8),(6,3),(11,9)のうち、第1及び第5部品供給カセット80a,80eは部品供給カセット群・中心平均座標よりY方向上向きに離れる一方、第3部品供給カセット80cはノズル群・中心平均座標よりY方向下向きに離れているため、これらを別々のグループとして取り扱う必要がある。
【0099】
そこで、まず、第1及び第5ノズル10a,10eが同時吸着可能か否か判断する。第1,第5ノズル10a,10eのノズル中心座標データ(1,4),(9,5)のX方向の基準となる平均位置座標Xnav2は、Xnav2=(1+9)/2=5となる。また、Y方向の基準となる平均位置座標Ynav2は、Ynav2=(4+5)/2=4.5となる。
【0100】
また、第1,第5部品供給カセット80a,80eの吸着中心座標データ(1,8),(11,9)のX方向の基準となる平均位置座標Xfav2は、Xfav2=(1+11)/2=6となる。また、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav2は、Yfav2=(8+9)/2=8.5となる。
【0101】
次いで、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。
【0102】
ΔXは、ΔX=Xfav2−Xnav2=6−5=1となる。
【0103】
ΔYは、ΔY=Yfav2−Ynav2=8.5−4.5=4なる。
【0104】
次いで、ステップS5〜S7において、ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う。
【0105】
各ノズル10と対応する部品供給カセット80との組み合わせについてXfi−(Xni+ΔX)を算出する。
【0106】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Xf1−(Xn1+ΔX)=1−(1+1)=−1となる。
【0107】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Xf5−(Xn5+ΔX)=11−(9+1)=1となる。
【0108】
ここで、KXが1とすると、上記式≦KXすなわち上記式≦1が成立するのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせである。
【0109】
また、各ノズルと対応する部品供給カセットとの組み合わせについてYfi−(Yni+ΔY)を算出する。
【0110】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=8−(4+4)=0となる。
【0111】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=9−(5+4)=0となる。
【0112】
ここで、KYが0.1とすると、上記式≦KYすなわち上記式≦0.1が成立するのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eの組み合わせである。
【0113】
よって、KX,KYが許容ズレ量を考慮すると、2回目の吸着動作においては、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eの組み合わせとが同時吸着可能であることになる。
【0114】
よって、ノズル群・中心平均座標=(Xnav2,Ynav2)、従って、上記具体例では(5,4.5)を、上記第1ノズル10aと第5ノズル10eを備えたヘッドの実際の中心位置座標として取扱い、ヘッドの実際の移動制御に使用する。
【0115】
また、部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav2,Yfav2)、従って、上記具体例では(6,8.5)を、上記第1ノズル10aと第5ノズル10eを備えたヘッドに対する第1部品供給カセット80aと第5部品供給カセット80eとの部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、ヘッドの実際の移動制御に使用する。
【0116】
この結果、1回目の吸着動作においては、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせが同時吸着可能であり、2回目の吸着動作においては、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせが同時吸着可能であり、3回目の吸着動作においては、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせについて行うようにすれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品であっても、1回目と2回目とにおいて複数個のノズル10での複数個の部品103の同時吸着動作を確実に行うことができる。
【0117】
このように、例えば、5個のノズル10では、ノズル群・中心座標のバラツキと部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、2個、2個、1個の順にノズル10による部品103の同時吸着が行える他、4個、1個の順にノズル10による部品103の同時吸着が行えたり、3個、2個の順にノズル10による部品103の同時吸着が行えたりする。
【0118】
なお、各ノズル10は、その中心周りの回転位置により位置ズレ量が異なるため、回転角度の基準となる0度の位置で位置認識を行うのが好ましい。
【0119】
上記部品保持方法による、上記したノズル10と部品供給カセット80との組み合わせにおける同時吸着の可否についての判断動作は、各部品装着動作毎に、部品実装装置の実装動作開始前、実装動作中の所定時間毎又は所定個数の部品吸着保持後、ノズル交換時、部品供給カセット交換時、又は、任意の時に実施することが好ましい。
【0120】
上記第1実施形態によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズル10と部品供給カセット80との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができて、同時吸着動作可能なノズル10と部品供給カセット80の複数の組み合わせを確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0121】
なお、1個毎にノズル10で1個の部品103を吸着する場合には、吸着した部品103の状態を認識し、ノズル中心位置に対する部品103の吸着位置がズレている場合には、次回のノズル10による部品103の吸着時にそのズレを補正しつつ吸着することもできる。
【0122】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0123】
例えば、図22に示すように、上記第1実施形態にかかる部品保持方法を実行するために、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置された複数個のノズル10により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズル10に対応する複数個の部品供給カセット80から複数個の部品103を同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、CD−ROMなど)に記録させることもできる。
【0124】
この場合、上記記録媒体には、
上記複数個のノズル10のX座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除するとともに上記複数個のノズル10のY座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット80のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット80のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順(上記ステップS3に相当)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差ΔXを求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差ΔYを求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う手順(上記ステップS4に相当)と、
上記ノズル10とそのノズル10の吸着動作対象である上記部品供給カセット80との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のX座標から対応する上記ノズル10のX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標ΔXとを差し引いた値がX座標の許容ズレ量Kx以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標ΔYとを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量Kx以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量KY以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量Kx,KYを超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断する手順(上記ステップS5,S6,S7に相当)と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズル10を含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセット80を含むグループとを比較して、共通するノズル10と部品供給カセット80の組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズル10のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル10のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット80のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット80のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順(上記ステップS9に相当)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差ΔXを求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差ΔYを求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行う手順(上記ステップS9に相当)と、
上記ノズル10とそのノズル10の吸着動作対象である上記部品供給カセット80との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のX座標から対応する上記ノズル10のX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標ΔXとを差し引いた値がX座標の許容ズレ量Kx以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標ΔYとを差し引いた値がY座標の許容ズレ量KY以下か否か判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量Kx以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量KY以下の場合には、該当するノズル10と部品供給カセット80との組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量Kx,KYを超える場合には、該当するノズル10と部品供給カセット80との組み合わせでは同時吸着が不可能と判断する手順(上記ステップS9に相当)とを実行させるためのプログラムを記録させている。
【0125】
上記記録媒体には、さらに、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量Kx以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量KY以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル10のX座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル10のY座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除することによりノズル群・中心平均座標Xnav1,Ynav1を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット80のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット80のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標Xfav1,Yfav1を求める手順(上記ステップS8に相当)をさらに実行させるためのプログラムを記録することもできる。
【0126】
このような記録媒体を使用して既存の部品実装装置に備えられたコンピュータで上記プログラムを実行させることにより(例えば、上記実施形態では、上記記録媒体に記録されたプログラムををメモリ910に記憶させたのち制御部1000でプログラムを実行させることにより)、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との複数の組み合わせをコンピュータにより演算して確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0127】
また、第1実施形態とは異なる部品実装装置に本発明を適用することもできる。すなわち、本発明の第2実施形態にかかる、部品保持方法を実施可能な部品保持装置を有する部品実装装置及び方法である部品押圧接合装置1101及び接合方法は、複数のノズル1011により複数の部品1001を同時的に基板1003bへ押圧して接合する部品押圧接合装置及び接合方法に関しており、図面を用いて詳細に説明する。
なお、この第2実施形態においては、部品供給部は無く、基板又は被装着部品上の所定位置に予め部品が供給されており、当該部品をノズル1011で吸着保持しつつ基板又は被装着部品に同時的に押圧接合するものである。よって、この第2実施形態の複数の押圧部材(一例としてはヘッドユニットであり、第1実施形態のノズルに相当。)1010を有するメインフレーム1020が第1実施形態における作業ヘッド4,14に相当し、第2実施形態の部品支持トレー1006の各電子部品1001の配置位置又は部品支持トレー1007の各ヒートスプレッダ1005の配置位置(部品吸着位置に相当。)が第1実施形態における部品供給カセット80の部品供給位置89に相当する。
【0128】
部品押圧接合装置1101においては、部品の一例としてコンピュータのCPUに用いられるIC、例えば±5μm以内といった基板に対する接合高さ位置誤差精度が要求される高集積化されたICのような電子部品1001が、基板の一例である基板1003に押圧接合することができる。また、回路基板に電子部品を接合することにより作製される電子部品組立体においては、その内部の電子回路を作動させた場合において、その電子回路が発熱し、その熱の影響により、電子回路の正常な作動を妨げる場合がある。このような電子部品組立体においては、電子回路で発熱した熱を効率的に放熱させるヒートスプレッダを電子部品の背面に接合することにより、電子回路の作動を安定化させることが行われている。さらに、部品押圧接合装置1101においては、基板1003上に接合された各電子部品1001に、部品の一例であるヒートスプレッダ1005が押圧接合することもできる。なお、ここで、電子部品1001に接合されるヒートスプレッダ1005は、例えば、コンピュータのCPUに用いられるICのような電子部品に接合されるヒートスプレッダであり、特に高集積化されたICのような電子部品に接合される、±12μm以内といった接合高さ位置誤差精度が要求されるようなヒートスプレッダである。
【0129】
ここで、部品には、上記電子部品1001及び上記ヒートスプレッダ1005以外に、同様に基板に対する上記接合高さ位置精度が要求される機械部品、光学部品なども含む。なお、上記接合高さ位置精度まで要求されないような場合であっても正確かつ確実な接合が要求される機械部品、光学部品なども含む。また、基板とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味する。
【0130】
次に、このような部品押圧接合装置1101の一部を透過させた斜視図を図11に示す。図11に示すように、部品押圧接合装置1101において、機台上に立てられ固定された2本の角柱状の剛体の上部をさらに角柱状の剛体で渡すように門型状の剛体で形成されたメインフレーム1020が機台の略中央部に備えられており、部品の押圧接合を行う押圧部材1010は、このメインフレーム1020のX軸方向におけるその中心線を対称軸とする線対称の位置であるメインフレーム1020の上部の両側面に5個ずつ、X軸方向沿いに等間隔ピッチPでもって配列されている。また、上記対称軸に対して互いに線対称の位置にある押圧ヘッドユニット1010同士は互いに連結されており、上記連結された状態にて夫々の押圧ヘッドユニット1010がX軸方向に移動可能にメインフレーム1020の上部に取り付けられている。なお、図11におけるX軸方向とY軸方向は直交しており、また、X軸方向及びY軸方向の両方向に直交する方向がZ軸方向となっている。
【0131】
また、メインフレーム1020の図示Y軸方向右側(図11における手前側)に配列されている5個の押圧ヘッドユニット1010は、メインフレーム1020に備えられた間隔可変機構の一例であるヘッドユニットピッチ可変機構1031に固定されており、上記5個の押圧ヘッドユニット1010はヘッドユニットピッチ可変機構1031を介してメインフレーム1020に取り付けられている。また、ヘッドユニットピッチ可変機構1031は、上記5個の押圧ヘッドユニット1010における上記間隔ピッチPを等間隔の状態に保ちながら可変させることができる。よって、上記同時吸着可能なグループを抽出するとき、同時吸着対象の部品の間隔に関して適切にヘッドユニット1010の間隔の調整を行うことにより、より多くのヘッドユニット1010による部品の同時吸着を実施することができるようにすることもできる。
【0132】
ここで、ヘッドユニットピッチ可変機構1031の構造を模式的に示す模式説明図を図19に示す。図11及び図19に示すように、ヘッドユニットピッチ可変機構1031は、その軸心回りに正逆回転可能かつX軸方向沿いにメインフレーム1020に支持されているボールねじ軸部1031aねじ軸部1031aと、ボールねじ軸部1031aに螺合されかつ上記5個の押圧ヘッドユニット1010のうちの中央に位置する押圧ヘッドユニット1010を除く4個の押圧ヘッドユニット1010が夫々固定された4個のナット部1031b、上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010をボールねじ軸部1031aにX軸方向に対して固定する軸受部1031d、及びボールねじ軸部1031aの図示左側の端部に固定されかつボールねじ軸部1031aの上記正逆回転を行うモータ1031cとを備えている。また、ボールねじ軸部1031a及びモータ1031cは、X軸方向沿いに移動可能にメインフレーム1020に支持されている。
【0133】
図19に示すように、ヘッドユニットピッチ可変機構1031において、上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010を固定している軸受部1031dの両側に位置するナット部1031bにおいては互いに逆方向かつ同ピッチの雌ねじが形成されており、さらに両端部に位置するナット部1031bにおいては隣接するナット部1031bと夫々同方向かつ上記同ピッチの2倍のピッチで雌ねじが形成されている。これにより、ヘッドユニットピッチ可変機構1031において、モータ1031cによりボールねじ軸部1031aを正逆方向のいずれか一方に回転させることにより、上記中央に位置する軸受部1031dの位置を基準位置Qとして固定して、その両側に位置する各ナット部1031bを、上記間隔ピッチPを等間隔に保ちながらボールねじ軸部1031aに沿って上記基準位置Qから離れる方向又は近づく方向に移動させることができる。従って、上記ヘッドユニットピッチ可変機構1031により、上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010の位置を基準位置Qとして、上記各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチPを等間隔に保持しながら、上記間隔ピッチを可変させることができる。なお、上記対称軸に対して互いに線対称の位置にある押圧ヘッドユニット1010同士は互いに連結されているため、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により、押圧ヘッドユニット1010の上記対称軸に対して線対称の位置を保持しながら、各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチPを可変させることが可能となっている。
【0134】
さらに、上記5個の押圧ヘッドユニット1010のうちの上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010は、メインフレーム1020に備えられている押圧ヘッドユニットの移動機構の一例であるX軸方向移動機構1032に固定されている。図19にX軸方向移動機構1032の構造についても模式的に示す。図19に示すように、X軸方向移動機構1032は、その軸心がX軸方向沿いにかつ上記軸心回りに正逆回転可能にメインフレーム1020に固定されているねじ軸部1032aと、ボールねじ軸部1032aに螺合されかつ上記中央の押圧ヘッドユニット1010が固定されているナット部1032b、及びボールねじ軸部1032aの図示左側の端部に固定されかつボールねじ軸部1032aの上記正逆回転を行うモータ1032cとを備えている。これにより、X軸方向移動機構1032において、モータ1032cによりボールねじ軸部1032aを正逆方向のいずれか一方に回転させることにより、ナット部1032bをX軸方向に進退移動させて、ナット部1032bに固定されている上記中央の押圧ヘッドユニット1010をX軸方向に沿って進退移動させることができる。また、ヘッドユニットピッチ可変機構1031におけるボールねじ軸部1031a及びモータ1031cはメインフレーム1020にX軸方向に移動可能に支持されており、X軸方向移動機構1032による上記中央の押圧ヘッドユニット1010の上記進退移動により、上記中央の押圧ヘッドユニット1010に固定されているヘッドユニットピッチ可変機構1031のボールねじ軸部1031aをX軸方向沿いに進退移動させて、ボールねじ軸部1031aに螺合されている各ナット部1031bに固定された夫々の押圧ヘッドユニット1010を上記間隔ピッチPを保ちながらX軸方向沿いに移動させることが可能となっている。すなわち、X軸方向移動機構1032により、夫々の押圧ヘッドユニット1010の互いの相対的な配置が保持された状態にて、全ての押圧ヘッドユニット1010のX軸方向の進退移動が可能となっている。
【0135】
また、押圧ヘッドユニット1010の模式的な構造図である図12に示すように、押圧ヘッドユニット1010は、押圧ヘッドユニット1010を個別に下降又は上昇させる昇降装置の一例である昇降部1019を夫々に備えている。さらに、各押圧ヘッドユニット1010はその下部において、先端部に部品を個別に吸着保持させる部品保持部材の一例でもあり、かつ部品を個別に押圧する部品押圧部材の一例でもある吸着ノズル1011と、この吸着ノズル1011の上側に取り付けられかつ吸着ノズル1011を加熱させて吸着ノズル1011に吸着保持された部品を加熱する加熱装置の一例であるセラミックヒータ1012、及びその先端部が吸着ノズル1011の周囲に位置するようにセラミックヒータ1012の上方に設けられかつセラミックヒータ1012により加熱された部品を冷却する冷却装置の一例である冷却ブローノズル1014を備えている。ここで、上記加熱装置は、一例として、押圧ヘッドユニット1010に備えられたセラミックヒータ1012である場合としたが、セラミックヒータ1012に代えて、基板を配置する架台部に備えられた加熱部、又は、部品及び基板に熱風を吹き付けることにより加熱を行うような加熱部を部品押圧接合装置1101が備える場合であってもよい。なお、押圧ヘッドユニット1010の構造の詳細な説明については後述する。
【0136】
また、図11において、スライドベース1034はY軸方向移動機構1033のナット部に固定されており、Y軸方向移動機構1033はモータによりボールねじ軸を正逆回転させることにより、ボールねじ軸に螺合したナット部に固定されたスライドベース1034を図示Y軸方向に進退移動させる。また、スライドベース1034上には、架台部の一例である第1ステージ1035及び第2ステージ1036第2ステージ1036の2つのステージがY軸方向に並列して固定されており、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に供給されて固定される夫々の基板を、Y軸方向移動機構1033により図示Y軸方向に一体的に進退移動可能となっている。また、図示Y軸方向における各基板の両端部を夫々支持可能に、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に夫々2本ずつのレール1035a及び1036aが設置されている。なお、各押圧ヘッドユニット1010における吸着ノズル1011の先端面と第1ステージ1035及び第2ステージ1036の夫々のレール1035a及び1036aとは略平行となっている。
【0137】
また、第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上に基板1003の供給を行うローダー1037が、第1ステージ1035及び第2ステージ1036の図示X軸方向左側に設置されており、また、第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上から基板1003の排出を行うアンローダー1038が、図示X軸方向右側に設置されている。ローダー1037及びアンローダー1038は、基板1003の両端部を支持可能なレールと上記レールに支持された基板1003を移動させる移動機構とを夫々備えている。
【0138】
さらに、部品押圧接合装置1101は、部品押圧接合装置1101における各構成部の制御を行う制御部1009を備えており、昇降部1019の昇降動作、X方向移動機構1032の移動動作、Y方向移動機構1033の移動動作、ヘッドユニットピッチ可変機構1031の移動動作、押圧ヘッドユニット1010の吸着ノズル1011の吸着保持動作、押圧ヘッドユニット1010のセラミックヒータ1012の加熱動作、及びローダー1037及びアンローダー1038の各移動機構の移動動作は、制御部1009により動作制御される。
【0139】
次に、部品押圧接合装置1101おける各押圧ヘッドユニット1010の配列位置と、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に供給されて固定された各基板1003及び各電子部品1001の配置の関係を模式的に示す平面図を図13に、電子部品1001及び基板1003を模式的に示す断面図を図14及び図15に示す。
【0140】
図13及び図14(A)に示すように、四角形プレート状の電子部品1001は接合面に多数の電極1001aを有しており、その各電極1001aには接合材の一例である半田バンプ1002が予め形成されている。また、接合面に多数の電極であるパッド1003aを有している四角形プレート状の単位基板1003bが図示Y軸方向に2個及びX軸方向に5個配列、すなわち2行5列に配列されて一体に形成され、基板1003が形成されている。また、電子部品1001の各電極1001aが単位基板1003bの各パッド1003aに半田バンプ1002バンプ1002を介在させて接合可能なように、各電子部品1001の各半田バンプ1002が基板1003の各パッド1003a上に配置されており、上記配置された各電子部品1001は全て同じ種類の電子部品1001となっている。
【0141】
ここで、上記電子部品1001の「配置」とは、電子部品1001を単に基板1003上に載置するような場合に限らず、電子部品1001又は基板1003に外力を加えることにより、電子部品1001及び基板1003を破壊することなく、電子部品1001と基板1003との接合状態を容易に解除することが可能な接合状態である仮接合(装着動作の一つの形態)をも含む。また、後述するように、電子部品1001が単に基板1003上に載置されて、上記載置の状態が他の部材により解除可能に支持されて上記載置が保持されているようなものも上記配置に含むこともできる。
【0142】
また、部品押圧接合装置1101により施される部品の基板への「接合」とは、電子部品1001又は基板1003に外力を加えることにより、電子部品1001及び基板1003を破壊することなく、電子部品1001と基板1003との接合状態を容易に解除することができないような接合状態(装着動作の別の形態)を示す。なお、電子部品1001等の部品が基板1003に接合された後、図13における基板1003のX軸方向における切断線C及びY軸方向における切断線Dにて基板1003が切断されることにより、基板1003が複数の単位基板1003bに分割されて、各単位基板1003b毎に電子部品1001が接合された電子部品組立体が作製されることになる。
【0143】
また、図13に示すように、X軸方向における基板1003への各電子部品1001の配置は、一定の間隔Aでもって配列されている。また、第1ステージ1035に固定されている基板1003(図13における下側)と第2ステージ1036に固定されている基板1003(図13における上側)においては、同様な配置にて各電子部品1001が夫々の基板1003に接合可能に配置されている。また、第1ステージ1035及び第2ステージ1036においては、夫々の基板1003上の同じ位置におけるY軸方向の配置間隔を間隔Bとして、夫々の基板1003が固定されている。従って、夫々の基板1003において、上記2行5列のうちの上記行の各電子部品1001の夫々の配列を第1列及び第2列とすると、第1ステージ1035における基板1003の第1列と第2ステージ1036における基板1003の第1列の間隔が上記間隔Bと同じとなり、さらに、第1ステージ1035における基板1003の第2列と第2ステージ1036における基板1003の第2列の間隔も上記間隔Bとなっている。
【0144】
また、各押圧ヘッドユニット1010においては、メインフレーム1020を挟んで線対称の位置に配置されている互いに押圧ヘッドユニット1010の間隔(すなわちY軸方向の配置間隔)は、上記間隔Bと同じとなっており、また、各押圧ヘッドユニット1010のX軸方向における配置の上記間隔ピッチPは、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により上記間隔Aと同じ間隔とすることが可能となっている。
【0145】
これにより、Y軸方向移動機構1033により第1ステージ1035及び第2ステージ1036をY軸方向に進退移動させて、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に固定された各基板1003上の夫々の上記第1列上における各電子部品1001を夫々の押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能となる位置に、第1ステージ1035及び第2ステージ1036を位置させることができ、また、同様に夫々の上記第2列上における各電子部品1001を同時的に押圧可能となる位置に、第1ステージ1035及び第2ステージ1036を位置させることができる。
【0146】
なお、メインフレーム1020を挟んで線対称の位置に配置されている夫々の押圧ヘッドユニット1010の間隔(すなわちY軸方向の配置間隔)を上記夫々の配置を線対称の位置に保ちながら可変することができる別の間隔可変機構が、さらにメインフレーム1020に備えられている場合であってもよい。このような場合にあっては、上記各基板1003の夫々の第1列又は夫々の第2列のY軸方向における間隔Bが基板1003の種類等により異なるような場合であっても、上記別の間隔可変機構により上記夫々の押圧ヘッドユニット1010のY軸方向の間隔を可変させて上記間隔Bに合致するようにすることができる。なお、この上記別の間隔可変機構の一例としては、ヘッドユニットピッチ可変機構1031やX方向移動機構1032と同様に、ボールねじ軸部、ナット部、及びモータ等により構成されるボールねじ機構を用いたものがある。
【0147】
また、図14(A)に示すように、各電子部品1001は各半田バンプ1002が基板1003の各パッド1003aの上に配置された状態で部品押圧接合装置1101に供給されるが、この配置状態を保持するために、基板1003に取り付けられてかつ基板1003上に配置された各電子部品1001を支持する部品支持機構の一例である部品支持トレー1006が基板1003に取り付けられた状態にて部品押圧接合装置1101に供給される。
【0148】
部品支持トレー1006は、その上面部分が四角形プレート状に形成され、かつその対向する1組の端部がコ字状に折り曲げられて形成されている。基板1003のY軸方向における互いに対向する端部に部品支持トレー1006の上記夫々のコ字状の端部を解除可能に取り付けることにより、基板1003の上面全体を覆うように部品支持トレー1006を基板1003に取り付けることが可能となっている。
【0149】
電子部品1001を支持している状態の部品支持トレー1006の部分平面図を図20に示す。図20に示すように、各電子部品1001が配置された基板1003に部品支持トレー1006が取り付けられた状態において、上記電子部品1001の上部が部品支持トレー1006の上面内側に接触しないように、部品支持トレー1006の上記上面においては各電子部品1001の配置位置に合わせた複数の切り欠き部1006bが形成されている。すなわち、切り欠き部1006bと電子部品1001との間には所定の隙間が設けられており、電子部品1001の基板1003に対するその配置が補正されるような場合であっても、電子部品1001は切り欠き部1006bに接触しないようになっている。また、電子部品1001の吸着ノズル1011による押圧接合の際においても、吸着ノズル1011は切り欠き部1006bに接触しないようになっている。さらに、部品支持トレー1006においては、各切り欠き部1006bの内側に電子部品1001が位置するように形成されており、各切り欠き部1006bの内側においては、夫々の内側に位置された上記電子部品1001をその対向する二方の側部より解除可能に支持する複数の支持ジグ1006aが備えられており、上記2行5列に電子部品3が配置された基板1003において、上記行毎の各電子部品1001を夫々の支持ジグ1006aにより一斉に支持または支持解除することが可能となっている。なお、電子部品1001の支持を行う場合、支持ジグ1006aは切り欠き部1006bの内側より電子部品1001の側部側へと突出されて電子部品1001の側部を支持し、また、電子部品1001の支持解除を行う場合、支持ジグ1006aは切り欠き部1006bの内側へと格納される。
【0150】
これにより、部品支持トレー1006を用いて各電子部品1001の基板1003への配置を保持した状態で、部品押圧接合装置1101に上記基板1003の供給を行うことができ、上記供給時における各電子部品1001の上記配置のずれを防止することができる。
【0151】
なお、部品支持トレー1006において、支持ジグ1006aによる電子部品1001の支持は上記対向する二方の側部より支持する場合に限定されず、四方の側部より支持する場合、又は電子部品1001の対向する隅部より支持する場合、又は電子部品1001の上面より支持する場合であってもよく、つまり、基板1003への各電子部品1001の配置を保持するという目的を達成できる手段であればよい。また、上記行毎の各電子部品1001を支持ジグ1006aにより一斉に支持又は支持解除する場合に代えて、各電子部品1001の支持ジグ1006aによる支持又は支持解除を個別に行う場合、又は、基板1003に配置された全ての電子部品1001への支持又は支持解除を一斉に行う場合であってもよい。
【0152】
また、図13においては、各電子部品1001の基板1003への接合位置の配置が、2行5列かつX軸方向に一定の間隔Aでもって配列されている場合について説明したが、上記各電子部品1001の接合位置の配置は上記配置に限定されるものではなく、例えば、2行3列かつX軸方向に上記間隔Aの2倍の間隔2Aでもって配列されているような場合であってもよい。
【0153】
なお、図13においては、電子部品1001と、基板1003、及び押圧ヘッドユニット1010の配置関係の説明を目的とする図であるため、便宜上、部品支持トレー1006を省略した図としている。
【0154】
次に、部品押圧接合装置1101を用いて各電子部品1001を基板1003上に接合する方法について説明する。また、以下において説明する電子部品1001の接合動作は制御部1009により制御されて行われる。
【0155】
まず、図11において、基板1003に取り付けられた部品支持トレー1006により各電子部品1001の配置が保持された状態の2枚の基板1003が、ローダー1037のレール上で夫々の端部が支持されながら、ローダー1037の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、スライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036の夫々のレール1035a及び1036a上に供給されて固定される。
【0156】
次に、図11において、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させるとともに、X軸方向移動機構1032により各押圧ヘッドユニット1010を図示X軸方向に移動させて、第1ステージ1035に固定されている基板1003の図13における第1列に配置されている各電子部品1001、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第1列に配置されている各電子部品1001を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。
【0157】
この位置合わせは、制御部1009において予め入力されている基板1003における基準の位置が各押圧ヘッドユニット1010に対して所定の位置に位置するように行われる。また、このような場合に代えて、押圧ヘッドユニット1010が基板1003における基準の位置を認識可能な撮像部を備え、上記撮像部により基板1003における上記基準の位置の認識を行うことにより位置合わせを行うような場合であってもよい。
【0158】
また、このとき、各押圧ヘッドユニット1010のX軸方向における配列の間隔ピッチと各基板1003上の各電子部品1001のX軸方向における配列の間隔Aとが異なっているような場合にあっては、制御部1009において予め入力されている各基板1003の上記間隔Aのデータに基づいて、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチを可変させて、各押圧ヘッドユニット1010及び基板1003における夫々の上記間隔ピッチを合致させるようにする。
【0159】
上記位置合わせが完了したとき、X軸方向移動機構1032及びY軸方向移動機構1033における移動動作を停止させ、その後、図14(B)に示すように、部品支持トレー1006の各支持ジグ1006aによる各基板1003への上記第1列に配置されている各電子部品1001の配置位置の支持を支持解除の状態とさせる。なお、このとき各基板1003における第2列に配列されている各電子部品1001の配置位置の支持は解除されず支持された状態のままとなっている。
【0160】
その後、図14(C)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010が備える昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各吸着ノズル1011の先端を各電子部品1001の上面に当接させるとともに、各電子部品1001の上面を各吸着ノズル1011により吸着保持する。さらに、昇降部1019による上記下降動作を行うことにより各電子部品1001に押圧力を加えて、夫々の基板1003上に単に配置された状態にあった各電子部品1001の各半田バンプ1002を各基板1003の各パッド1003aに押圧しながら確実に接触させて、半田バンプ1002をパッド1003aに圧接させた状態とさせる。
【0161】
ここで「圧接」とは、押圧力を部材間に加えることにより、上記部材間の接触性が高められた接触状態を意味する。上記の場合、半田バンプ1002をパッド1003aに押圧させることにより、半田バンプ1002のその形状をつぶすことなく変形させながら確実にパッド1003aに接触させた状態のことである。また、この状態においては、電子部品1001又は基板1003に外力を加えることにより、電子部品1001及び基板1003を破壊することなく、電子部品1001と基板1003との上記接触状態を容易に解除することが可能となっている。
【0162】
この圧接の後、図15(D)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に、セラミックヒータ1012により吸着ノズル1011への加熱が行われ、各吸着ノズル1011に吸着保持されかつ基板1003の各パッド1003aに圧接されている電子部品1001の各半田バンプ1002の溶融加熱が開始される。さらに、セラミックヒータ1012による吸着ノズル1011への加熱温度が昇温され、上記加熱温度が各半田バンプ1002を形成している半田の融点以上の温度に達すると各半田バンプ1002の溶融が開始される。
【0163】
ここで「溶融加熱」とは、半田バンプ1002等の接合材を半田の融点以上の温度まで加熱して、半田を溶融させることを目的とする加熱を意味する。従って、予め接合材を溶融させることなく一定の温度まで予備的に加熱させておくことを目的とするいわゆる予備加熱の開始は上記溶融加熱の開始とは異なるものである。
【0164】
上記各半田バンプ1002が完全に溶融された状態となった後、図15(E)に示すように、各セラミックヒータ1012による加熱が停止されて、上記溶融状態の半田に各冷却ブローノズル1014からの冷風による固化冷却が個別に施されて、上記半田が固化される。この上記半田の固化により、図13における夫々の基板1003の第1列に配列されている各電子部品1001の各電極1001aと各基板1003の各パッド1003aとが半田を介在させて接合される。なお、溶融状態の半田への冷却ブローノズル1014による強制的な冷却により上記半田を固化させる場合に代えて、溶融された半田を自然冷却することにより半田を固化させるような場合であってもよい。
【0165】
その後、図15(F)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に吸着ノズル1011による電子部品1001への吸着保持を解除し、夫々の昇降部1019により上記夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別に上昇させる。
【0166】
ここで「個別」とは、夫々の押圧ヘッドユニット1010の各動作を他の押圧ヘッドユニットの動作に対して独立的に制御されて行うことである。例えば、夫々の電子部品1001において半田バンプ1002の高さが異なっており、基板1003に対する電子部品1001の上面高さ位置が異なっているような場合にあっては、夫々の押圧ヘッドユニット1010による上記圧接のタイミングも異なることになるが、夫々の圧接の後、セラミックヒータ1012により各半田バンプ1002への溶融加熱を独立したタイミングにて開始するというようなことを意味するものである。
【0167】
このように、各電子部品1001を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行い、昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各電子部品1001を各吸着ノズル1011により吸着保持し、さらに、昇降部1019による上記下降動作により各電子部品1001に押圧力を加えて、基板1003上に単に配置された状態にあった各電子部品1001の各半田バンプ1002を各基板1003の各パッド1003aに押圧しながら確実に接触させて、半田バンプ1002をパッド1003aに圧接させて溶融固定させるとき、第1実施形態に適用した部品保持方法を使用して、同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応する電子部品1001とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記電子部品1001の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。
【0168】
次に、残りのグループのうちから同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応する電子部品1001とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記電子部品1001の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。さらに、残ったグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応する電子部品1001とのグループ)があれば、そのグループの押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、その押圧ヘッドユニット1010のみを下降させて、上記電子部品1001の吸着及び圧接させて溶融固定を行う。
【0169】
次に、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させて、図13における第1ステージ1035に固定されている基板1003の第2列に配置されている各電子部品1001、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第2列に配置されている各電子部品1001を、各押圧ヘッドユニット1010により個別かつ同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。このとき、夫々の上記第2列に配置されている各電子部品1001の配置位置は支持された状態であるため、基板1003の移動により上記配置位置のずれが発生することはない。その後、各部品支持トレー1006による上記夫々の第2列における各電子部品1001の支持を解除して、各基板1003の上記第1列に配列されている各電子部品1001の押圧接合動作と同様に、上記作業を行い、各基板1003の第2列に配列されている各電子部品1001の各電極を各基板1003の各パッド1003aに半田を介在させて接合させる。
【0170】
これにより、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に固定されている夫々の基板1003上に配置されていた全ての電子部品1001が、精度良く動じ吸着動作を行いながら、夫々の基板1003に接合されたことになる。
【0171】
その後、図11において、夫々の基板1003がスライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上よりアンローダー1038のレール上に取り出され、アンローダー1038の移動機構により図示X軸方向右向きに移動されて、上記夫々の基板1003が部品押圧接合装置1101より排出される。
【0172】
なお、上記においては、接合材が電子部品1001の各電極1001aに予め形成された各半田バンプ1002である場合について説明したが、このような場合に代えて、接合材が電子部品1001の各電極1001aに予め形成された各半田バンプ及び基板1003の各パッド1003a上に予め形成された各半田部であり、上記各半田バンプと上記各半田部とを接合するような場合であってもよく、また、接合材が基板1003の各パッド1003a上に予め形成された各半田部であり、上記各半田部を介して電子部品1001の各電極1001aと基板1003の各パッド1003aとを接合するような場合であってもよい。また、半田材料で形成された上記半田バンプ又は半田部に代えて、例えば、AuやAl等の導電性金属材料により形成されたバンプ等が接合材として用いられる場合であってもよい。
【0173】
さらに、電子部品1001の各電極1001a上、又は基板1003の各パッド1003a上、又は接合材である各半田バンプ1002等に、各接合部分における表面の酸化膜を除去し、溶融半田の濡れ性を良好とさせることができるフラックスを予め塗布により、供給してもよい。なお、塗布供給されたフラックスの種類により、電子部品1001を基板1003に接合後、塗布供給されたフラックスを洗浄による除去を行う場合もある。
【0174】
次に、部品押圧接合装置1101を用いて、基板1003上に接合された各電子部品1001に部品の一例であるヒートスプレッダ1005を接合する方法について説明する。なお、以下において説明するヒートスプレッダ1005の接合動作は制御部1009により制御されることにより行われる。
【0175】
図16及び図17は、電子部品1001、基板1003及びヒートスプレッダ1005を模式的に示す断面図を用いて、ヒートスプレッダ1005の押圧接合手順を模式的に示す説明図である。
【0176】
ヒートスプレッダ1005は、四角形プレート状でありかつ下面中央部分に電子部品1001の上部全体を覆うことが可能なような凹部1005aを備えて形成されている。なお、ヒートスプレッダ1005の表面の一部又は全体に、放熱性を良好とさせるための放熱フィンが多数形成されている場合であってもよい。
【0177】
図16(A)に示すように、基板1003に接合された各電子部品1001の背面には、凹部1005a内側に接合材の一例であるインジウム接合材1004が供給された各ヒートスプレッダ1005が、インジウム接合材1004を介して配置されている。これら各ヒートスプレッダ1005の配置位置を保持するために、上記部品支持トレー1006と同様な構造に形成されかつ各ヒートスプレッダ1005を支持する部品支持トレー1007が基板1003に取り付けられている。なお、上記ヒートスプレッダ1005の「配置」とは、上記において説明した電子部品1001の「配置」と同意である。
【0178】
部品支持トレー1007は、上記部品支持トレー1006と同様に、その上面部分が四角形プレート状に形成され、かつその対向する1組の端部がコ字状に折り曲げられて形成されている。また、基板1003のY軸方向における互いに対向する端部に部品支持トレー1007の上記夫々のコ字状の端部を解除可能に取り付けることにより、基板1003の上面全体を覆うように部品支持トレー1007を基板1003に取り付けることが可能となっている。
【0179】
ヒートスプレッダ1005を支持している状態の部品支持トレー1007の部分平面図を図21に示す。図21に示すように、各ヒートスプレッダ1005が配置された基板1003に部品支持トレー1007が取り付けられた状態において、上記ヒートスプレッダ1005の上部が部品支持トレー1007の上面内側に接触しないように、部品支持トレー1007の上記上面においては各ヒートスプレッダ1005の配置位置に合わせた複数の切り欠き部1007bが形成されている。すなわち、切り欠き部1007bとヒートスプレッダ1005との間には所定の隙間が設けられており、ヒートスプレッダ1005の電子部品1001に対するその配置(基板1003に対するその配置でもある)が補正されるような場合であっても、ヒートスプレッダ1005は切り欠き部1007bに接触しないようになっている。また、ヒートスプレッダ1005の吸着ノズル1011による押圧接合の際においても、吸着ノズル1011は切り欠き部1007bに接触しないようになっている。さらに、部品支持トレー1007においては、各切り欠き部1007bの内側にヒートスプレッダ1005が位置するように形成されており、各切り欠き部1007bの内側においては、夫々の内側に位置された上記ヒートスプレッダ1005をその対向する二方の側部より解除可能に支持する複数の支持ジグ1007aが備えられており、上記2行5列にヒートスプレッダ1005が配置された基板1003において、上記行毎の各ヒートスプレッダ1005を夫々の支持ジグ1007aにより一斉に支持または支持解除することが可能となっている。なお、ヒートスプレッダ1005の支持を行う場合、支持ジグ1007aは切り欠き部1007bの内側よりヒートスプレッダ1005の側部側へと突出されてヒートスプレッダ1005の側部を支持し、また、ヒートスプレッダ1005の支持解除を行う場合、支持ジグ1007aは切り欠き部1007bの内側へと格納される。
【0180】
これにより、部品支持トレー1007を用いて各ヒートスプレッダ1005の基板1003への配置を保持した状態で、部品押圧接合装置1101に上記基板1003の供給を行うことができ、上記供給時において各ヒートスプレッダ1005の上記配置のずれを防止することができる。
【0181】
まず、図11において、基板1003に取り付けられた部品支持トレー1007により各ヒートスプレッダ1005の配置が保持された状態の2枚の基板1003が、ローダー1037のレール上で夫々の端部が支持されながら、ローダー1037の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、スライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036のレール1035a及び1036a上に供給されて固定される。
【0182】
次に、図11において、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させるとともに、X軸方向移動機構1032により各押圧ヘッドユニット1010を図示X軸方向に移動させて、図13における第1ステージ1035に固定されている基板1003の第1列における各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第1列における各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。
【0183】
この位置合わせは、制御部1009において予め入力されている基板1003における基準の位置が各押圧ヘッドユニット1010に対して所定の位置に位置するように行われる。また、このような場合に代えて、押圧ヘッドユニット1010が基板1003における基準の位置を認識可能な撮像部を備え、上記撮像部により基板1003における上記基準の位置の認識を行うことにより位置合わせを行うような場合であってもよい。
【0184】
また、このとき、各押圧ヘッドユニット1010のX軸方向における配列の間隔ピッチと各基板1003上の各ヒートスプレッダ1005のX軸方向における配列の間隔ピッチ(すなわち、各電子部品1001のX軸方向における配列の間隔A)とが異なっているような場合にあっては、制御部1009において予め入力されている各基板1003の上記間隔Aのデータに基づいて、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチを可変させて、各押圧ヘッドユニット1010及び基板1003における夫々の上記間隔ピッチを合致させるようにする。
【0185】
上記位置合わせが完了したとき、X軸方向移動機構1032及びY軸方向移動機構1033における移動動作を停止させ、その後、図16(B)に示すように、部品支持トレー1007の各支持ジグ1007a支持ジグ1007aによる上記第1列に配置されている各ヒートスプレッダ1005の配置位置の支持を支持解除の状態とさせる。なお、このとき各基板1003における第2列に配置されている各電子部品1001の配置位置の支持は解除されずに支持された状態のままとなっている。
【0186】
その後、図16(C)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010が備える昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各吸着ノズル1011の先端を各ヒートスプレッダ1005の上面に当接させるとともに、各ヒートスプレッダ1005の上面を各吸着ノズル1011により吸着保持する。さらに、昇降部1019による上記下降動作を行うことにより、各ヒートスプレッダ1005に押圧力を加えて、各電子部品1001上に単に配置された状態にある各ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側底面を各電子部品1001の上面の大略全面にインジウム接合材1004を介在させて確実に面接触させて圧接させた状態とさせる。
【0187】
この圧接の後、図17(D)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に、セラミックヒータ1012により吸着ノズル1011への加熱が行われ、各吸着ノズル1011に吸着保持されているヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側の各インジウム接合材1004が溶融加熱される。さらに、セラミックヒータ1012による吸着ノズル1011への加熱温度が昇温され、上記加熱温度がインジウム接合材1004の融点以上の温度に達するとインジウム接合材1004の溶融が開始される。
【0188】
ここで、インジウム接合材1004の溶融加熱の際に、電子部品1001を基板1003に接合している半田も加熱されることになるが、インジウム接合材1004は融点約160℃〜180℃のインジウムにより形成されているのに対して、例えば、電子部品1001を基板1003に接合している半田に融点約230℃の高温半田を用いることにより、セラミックヒータ1012による吸着ノズル1011への加熱温度を、上記インジウムの融点以上かつ上記高温半田の融点未満の範囲の温度まで昇温させることにより、電子部品1001を基板1003に接合している上記半田が再び溶融されることはない。従って、電子部品1001と基板1003との半田を介した接合に影響を与えることなく、電子部品1001へのヒートスプレッダ1005のインジウム接合材1004を介した押圧接合を行うことができる。
【0189】
各インジウム接合材1004が完全に溶融された状態となった後、図17(E)に示すように、各セラミックヒータ1012による加熱が停止されて、各ヒートスプレッダ1005を介して上記溶融状態のインジウム接合材1004に各冷却ブローノズル1014からの冷風による固化冷却が個別に施されて、各インジウム接合材1004が固化される。この上記各インジウム接合材1004の固化により、夫々の基板1003の第1列に接合されている各電子部品1001の上面にヒートスプレッダ1005がインジウム接合材1004を介在させて接合される。なお、上記溶融状態のインジウム接合材1004への冷却ブローノズル1014による強制的な冷却によりインジウム接合材1004を固化させる場合に代えて、溶融されたインジウム接合材1004を自然冷却することにより固化させる場合であってもよい。
【0190】
その後、図17(F)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に吸着ノズル1011によるヒートスプレッダ1005への吸着保持を解除し、夫々の昇降部1019により上記夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別に上昇させる。
【0191】
このように、各ヒートスプレッダ1005を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行い、昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各ヒートスプレッダ1005を各吸着ノズル1011により吸着保持し、さらに、昇降部1019による上記下降動作により各ヒートスプレッダ1005に押圧力を加えて、各電子部品1001上に単に配置された状態にある各ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側底面を各電子部品1001の上面の大略全面にインジウム接合材1004を介在させて確実に面接触させて圧接し固定させるとき、第1実施形態に適用した部品保持方法を使用して、同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応するヒートスプレッダ1005とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010を同時的に押圧可能なように位置合わせを行ったのち、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記ヒートスプレッダ1005の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。
【0192】
次に、残りのグループのうちから同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応するヒートスプレッダ1005とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記ヒートスプレッダ1005の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。さらに、残ったグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応するヒートスプレッダ1005とのグループ)があれば、そのグループの押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、その押圧ヘッドユニット1010のみを下降させて、上記ヒートスプレッダ1005の吸着及び圧接させて溶融固定を行う。
【0193】
次に、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させて、図13における第1ステージ1035に固定されている基板1003の第2列に接合されている各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第2列に接合されている各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005を、各押圧ヘッドユニット1010により個別かつ同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。このとき、夫々の上記第2列に配置されている各ヒートスプレッダ1005の配置位置は支持された状態であるため、基板1003の移動により上記配置位置のずれが発生することはない。その後、部品支持トレー1007による上記夫々の第2列における各ヒートスプレッダ1005の支持を解除して、各基板1003の上記第1列の各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005の押圧接合動作と同様に、上記作業を行い、各基板1003の第2列の各電子部品1001の上面に各ヒートスプレッダ1005を各インジウム接合材1004を介在させて接合させる。
【0194】
これにより、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に固定されている夫々の基板1003の各電子部品1001の上面に配置されていた各ヒートスプレッダ1005が接合されたことになる。
【0195】
その後、図11において、夫々の基板1003が、スライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上よりアンローダー1038のレール上に取り出され、アンローダー1038の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、上記夫々の基板1003が部品押圧接合装置1101より排出される。
【0196】
なお、上記においては、接合材であるインジウム接合材1004が、ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側に予め供給されている場合について説明したが、接合材が基板1003に接合されている電子部品1001の上面に予め供給されている場合、又は、ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側及び電子部品1001の上面にともに予め供給されている場合であってもよい。
【0197】
次に、部品押圧接合装置1101における押圧ヘッドユニット1010の構造について、押圧ヘッドユニット1010の構造を示す断面図(図11におけるX軸方向より見た断面図)である図12を用いて詳細に説明する。
【0198】
図12において、押圧ヘッドユニット1010は、電子部品1001又はヒートスプレッダ1005への押圧動作、吸着保持動作、加熱冷却動作等を施す押圧ヘッドユニット下部1010aと、押圧ヘッドユニット下部1010aの昇降動作を行う押圧ヘッドユニット上部1010bにより構成されている。
【0199】
押圧ヘッドユニット下部1010aは、その下方先端側より上方側へ順に、電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を吸着保持可能かつ押圧可能な吸着ノズル1011と、この吸着ノズル1011を加熱することによりこの吸着ノズル1011に吸着保持された電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を加熱するセラミックヒータ1012と、このセラミックヒータ1012よりの熱が押圧ヘッドユニット上部1010bへ伝わらない様に熱遮断を行う断熱部の一例であるウォータージャケット1013と、このウォータージャケット1013の上部に取り付けられた軸部の一例である軸1015と、軸1015の上部に取り付けられかつ押圧力を検出する検出装置の一例であるロードセル1016、及び軸1015の下部周囲に取り付けられかつセラミックヒータ1012により加熱された電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を冷風により冷却する冷却ブローノズル1014とを備えている。
【0200】
また、押圧ヘッドユニット上部1010bは、押圧ヘッドユニット下部1010aの昇降動作を図11におけるZ軸方向に沿った軸である昇降動作軸S沿いに行う昇降部1019、及び昇降部1019のナット部1019dに取り付けられかつ昇降部1019のボールねじ軸1019b上を昇降動作可能なヘッドユニットフレーム1018とを備えている。
【0201】
昇降部1019は、剛体により形成された概略コ字状の縦断面形状を有する昇降部フレーム1019cと、その軸心回りに正逆回転可能にかつ上記軸心を略鉛直方向沿いとして上記昇降部フレーム1019cに取り付けられたボールねじ軸部1019bと、上記ボールねじ軸部1019bの下部に螺合されかつヘッドユニットフレーム1018が固定されたナット部1019d、及び上記昇降部フレーム1019cの上端に固定されかつ上記ボールねじ軸部1019bの上端を固定して上記ボールねじ軸部1019bの上記軸心回りの正逆回転を行うモータ1019aとを備えている。なお、ボールねじ軸部1019bの上記軸心が、昇降部1019の上記昇降動作軸Sとなっている。
【0202】
また、ヘッドユニットフレーム1018は、剛体により形成されかつ大略円筒状の形状を有しており、その上記円筒状の内部上部において、昇降部1019のボールねじ軸部1019bの下部を貫通させるように、ナット部1019dに取り付けられている。
【0203】
また、ヘッドユニットフレーム1018の図示右側の側部には弾性体の一例である自重相殺スプリング1017の一方の端部が取り付けられかつ突起状に凸部が形成されたスプリング受部1018aが形成されている。
【0204】
さらに、押圧ヘッドユニット下部1010aにおける軸部1015の図示右側の上部側部にも突起状に凸部が形成されたスプリング受部1015aが形成されて、このスプリング受部1015aに自重相殺スプリング1017の他方の端部が取り付けられている。上記夫々のスプリング受部1018a及び1015aに両端部が固定された自重相殺スプリング1017により、押圧ヘッドユニット下部1010aの自重が相殺されてヘッドユニットフレーム1018が押圧ヘッドユニット下部1010aを支えている。
【0205】
また、ここで、図12において、部品押圧接合装置1101において、門型形状のメインフレーム1020は、その一方の端部を機台に固定された2本の角柱状の剛体と上記2本の剛体の夫々の他方の端部を横方向に渡すように上記夫々の他方の端部に固定された角柱状の剛体とにより、その門型形状を形成している第1フレーム1020aと、第1フレーム1020aの上記2本の剛体にその両端部が固定されかつ第1フレーム1020aの上記横方向の剛体の下方に設けられた角柱状の剛体である第2フレーム1020b、及び第2フレーム1020bの下方に設けられかつ第2フレーム1020bと同様に第1フレーム1020aの上記2本の剛体にその両端部が固定された第3フレーム1020cとにより構成されている。
【0206】
また、図12に示すように、上記昇降動作軸に沿って昇降部フレーム1019cにLMレール1021が固定されており、LMレール1021に係合されかつLMレール1021上を上記昇降動作軸S沿いの方向(すなわちZ軸方向)に移動可能なLMブロック1022がヘッドユニットフレーム1018の図示左端に固定されている。ここでLMレール及びLMブロックとは直線的移動機構を構成する部材の一例であり、略直線状のレールであるLMレール及び当該LMレールに係合されたLMブロックにより、上記LMブロックを上記LMレールに沿って、すなわち略直線的に移動可能としている。これにより、ヘッドユニットフレーム1018は上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作が可能となっている。
【0207】
また、図12において、メインフレーム1020の第2フレーム1020bの図示右側の側部には、図11におけるX軸方向に沿ってLMレール1023が上下一対に固定されており、また夫々のLMレール1023に係合されたLMブロック1024に上記昇降部フレーム1019cに固定されているLMレール1021が固定されている。夫々のLMブロック1024が夫々のLMレール1023に沿って移動可能となっていることにより、押圧ヘッドユニット上部1010bは、上記X軸方向に沿って移動可能となっている。
【0208】
また、図12において、メインフレーム1020の第2フレーム1020bと同様に第3フレーム1020cの図示右側の側部にも、上記X軸方向に沿ってLMレール1025が固定されており、また、LMレール1025上をLMレール1025に沿って移動可能に係合されたLMブロック1026には、上記昇降動作軸S沿いの方向に沿った別のLMレール1027が取り付けられており、さらに、LMレール1027上をLMレール1027に沿って移動可能(すなわち上記昇降動作軸S沿いに移動可能)に係合されたLMブロック1028LMブロック1028には、押圧ヘッドユニット下部1010aの軸1015が図示左側のその側部で固定されている。LMブロック1028がLMレール1027に沿って移動可能となっていることにより、軸1015は上記昇降動作軸Sに沿って昇降可能となっており、さらに、LMブロック1026がLMレール1025に沿って移動可能となっていることにより、軸1015は上記X軸方向に沿って移動可能となっている。つまり、押圧ヘッドユニット下部1010aは、上記昇降動作軸Sに沿って昇降可能であり、かつ上記X軸方向に沿って押圧ヘッドユニット1010bとともに移動可能となっている。
【0209】
また、LMレール1027及びLMブロック1028は、軸1015の昇降動作を案内可能であるとともに、軸1015の上記昇降動作の下端を制限している。これにより、軸1015は、自重相殺スプリング1017を介してヘッドユニットフレーム1018に支えられながら、LMレール1027及びLMブロック1028に案内されて上記昇降動作が可能であるとともに、自重相殺スプリング1017が破損等により軸1015を支持することができなくなったような場合においても、LMレール1027及びLMブロック1028が軸1015をその上記昇降動作の上記下端にて支えることができ、軸1015の落下を防止を可能としている。
【0210】
また、その押圧力検出面を上面として軸1015の上部に取り付けられているロードセル1016は、ヘッドユニットフレーム1018に取り付けられて軸1015を支えている自重相殺スプリング1017により、ロードセル1016の押圧力検出面がヘッドユニットフレーム1018の下端に常時押圧されて接された状態とされている。これにより、ロードセル1016の荷重検出面において、押圧ヘッドユニット下部1010aの軸1015のZ軸方向上向きに働く押圧力が検出可能となっている。
【0211】
また、昇降部1019において、モータ1019aによりボールねじ軸部1019bを正逆回転させることにより、ナット部1019dに固定されかつLMレール1021及びLMガイド1022により上記正逆回転の方向に固定されているヘッドユニットフレーム1018が上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作されるが、この昇降動作により、ヘッドユニットフレーム1018の下端に常時当接された状態とされているロードセル1016を備える押圧ヘッドユニット下部1010a全体も、上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作される。
【0212】
また、吸着ノズル1011、セラミックヒータ1012、ウォータージャケット1013、冷却ブローノズル1014、軸1015、ロードセル1016、及びヘッドユニットフレーム1018の各中心は同軸上に配置されており、この軸は昇降部1019による昇降動作軸Sと一致するように配置されているため、昇降部1019による昇降動作により、吸着ノズル1011、セラミックヒータ1012、ウォータージャケット1013、冷却ブローノズル1014、軸1015、及びロードセル1016は、昇降動作軸S上において、昇降動作可能となっている。
【0213】
また、押圧ヘッドユニット上部1010bは、LMレール1021、LMブロック1024及びLMレール1023を介してメインフレーム1020における第2フレーム1020bに支持されており、一方、押圧ヘッドユニット下部1010aは、自重相殺スプリング1017を介して押圧ヘッドユニット上部1010bにより支持されている。従って、押圧ヘッドユニット1010の自重は第2フレーム1020bに加えられることとなり、各押圧ヘッドユニット1010の自重により第2フレーム1020bが多少たわむ場合も考えられるが、上記自重が加えられないような構造とされている第3フレーム1020cにおいては、上記第2フレーム1020bにおけるたわみと比較する限りそのたわみはほとんど発生しない。上記第2フレーム1020bにおいて上記たわみが発生した場合には、押圧ヘッドユニット上部1010bにおける昇降動作軸Sが上記たわみに応じて略鉛直方向より傾斜されることとなるが、押圧ヘッドユニット下部1010aは押圧ヘッドユニット上部1010bと分離構造とされていること、及び押圧ヘッドユニット1010aの昇降動作軸S上における昇降動作を案内する第3フレーム1020cにはたわみが発生しないことにより、押圧ヘッドユニット下部1010aの昇降動作は上記第2フレーム1020bのたわみ、すなわち、各押圧ヘッドユニット1010の自重による影響を受けることがない。従って、押圧ヘッドユニット下部1010aにおいては、常に略鉛直方向に沿った昇降動作を行うことができ、吸着ノズル1011の先端面と第1ステージ1035及び第2ステージ1036とを常に略平行に保つことができ、部品の押圧動作を正確に行うことが可能となっている。
【0214】
また、軸1015の下部周囲である軸下部1015bの周囲に取り付けられている冷却ブローノズル1014は、軸1015の下方に位置するウォータージャケット1013及びセラミックヒータ1012の側面を回り込むように形成され、さらに、冷却ブローノズル1014の先端は吸着ノズル1011の下面である部品の吸着保持面に向けられており、冷却ブローノズル1014よりの冷風が吸着ノズル1011に吸着保持された電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を冷却可能となっている。
【0215】
また、制御部1009は、吸着ノズル1011の吸着動作、セラミックヒータ1012の加熱動作、冷却ブローノズル1014の冷却動作及び昇降部1019の移動動作を制御し、ロードセル1016にて検出された押圧力が制御部1009に出力されて、上記押圧力に基づいて昇降部1019の動作等が制御されるように構成されている。
【0216】
ここで、部品押圧接合装置1101における制御系統図を図18に示す。部品押圧接合装置1101において、制御部1009は、部品押圧接合装置1101の各構成部の動作である昇降部1019のモータ1019aによる昇降動作、セラミックヒータ1012の加熱動作、冷却ブローノズル1014の冷却動作、吸着ノズル1011の吸着動作、X方向移動機構1032のモータによる移動動作、ヘッドユニットピッチ可変機構1031のモータによる移動動作、Y方向移動機構1033のモータによる移動動作、及びローダー1037及びアンローダー1038の移動機構のモータによる移動動作を制御し、さらに、ロードセル1016にて検出された押圧力が制御部1009に出力される。これにより、制御部1009の被制御部である上記各構成部が、制御部1009により相互に関連されながら制御されることにより、部品押圧接合装置1101において、電子部品1001及びヒートスプレッダ1005の基板1003への接合が施される。
【0217】
次に、押圧ヘッドユニット1010におけるロードセル1016により、電子部品1001と基板1003との圧接時、又はヒートスプレッダ1005と電子部品1001との圧接時の夫々において発生するZ軸方向における押圧力である接合押圧力を検出する方法について説明する。なお、電子部品1001と基板1003との上記圧接時、及びヒートスプレッダ1005と電子部品1001との上記圧接時における押圧力検出方法は同様であるため、以下においては電子部品1001と基板1003との上記圧接時においての場合についてのみ説明するものとする。
【0218】
まず、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に供給され固定されている各基板1003上に配置されている各電子部品1001に対しての各押圧ヘッドユニット1010の位置合わせを行った後、各押圧ヘッドユニット1010が夫々の昇降部1019により個別かつ同時的に下降され、各電子部品1001の各半田バンプ1002が各基板1003の各パッド1003aに押圧されて圧接される。
【0219】
このとき、各押圧ヘッドユニット1010において昇降部1019によりヘッドユニットフレーム1018が下降されて、ロードセル1016の上記押圧力検出面に常時当接した状態にあるヘッドユニットフレーム1018の下端がロードセル1016を押し下げる力、すなわち、電子部品1001の各半田バンプ1002と基板1003の各パッド1003aとの間に発生した接合押圧力の反作用の力が、ロードセル1016の上記押圧力検出面をヘッドユニットフレーム1018の下端を押圧する力としてロードセル1016にて検出される。
【0220】
このようにしてロードセル1016において上記接合押圧力が検出され、ロードセル1016より検出された上記接合押圧力が制御部1009に出力されて、上記接合押圧力が制御部1009において予め設定された所定の接合押圧力(以降、設定押圧力とする)となるように、制御部1009により昇降部1019による押圧ヘッドユニット1010の下降動作が制御される。上記接合押圧力が上記設定押圧力に達したことがロードセル1016において検出されたとき、制御部1009において、電子部品1001の各半田バンプ1002が基板1003の各パッド1003aに圧接されたものとみなされる。
【0221】
また、上記第2実施形態によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品群・吸着中心座標のバラツキに応じて、押圧ヘッドユニット1010と部品との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができるので、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品であっても、複数個のノズルでの複数個の部品の同時吸着動作を確実に行うことができる。
【0222】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0223】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズルと部品供給カセットとの各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができて、同時吸着動作可能なノズルと部品供給カセットの複数の組み合わせを確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0224】
また、本発明によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品吸着位置群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズルと部品吸着位置との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができて、同時吸着動作可能なノズルと部品吸着位置の複数の組み合わせを確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズルと部品吸着位置との複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0225】
また、本発明にかかる記録媒体を使用して既存の部品実装装置に備えられたコンピュータで上記プログラムを実行させることにより、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの複数の組み合わせをコンピュータにより演算して確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる部品実装装置の斜視図である。
【図2】上記第1実施形態の上記部品実装装置のノズル交換装置でのノズル交換動作時の斜視図である。
【図3】図1の部品実装装置の全体の詳細な平面図である。
【図4】上記部品実装装置の部品供給カセットでのテープ送り量の調整状態を説明するための部分拡大平面図である。
【図5】上記部品実装装置の上記部品供給カセットの部分側面図である。
【図6】(A),(B)はそれぞれ上記部品実装装置の吸着ノズルの拡大断面図及び底面図である。
【図7】上記部品実装装置の制御部と他の装置又は部材との関係を示すブロック図である。
【図8】上記実施形態にかかる部品保持方法のフローチャートである。
【図9】上記実施形態にかかる部品保持方法において一例としてのノズル中心座標のバラツキを示す説明図である。
【図10】上記実施形態にかかる部品保持方法において一例としての部品供給カセットの吸着中心座標のバラツキを示す説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態にかかる部品押圧接合装置の一部を透過させた斜視図である。
【図12】上記第2実施形態の部品押圧接合装置が備える押圧ヘッドユニットの模式的な構造図である。
【図13】上記実施形態の部品押圧接合装置に供給される回路基板及び電子部品の配置を模式的に示す平面図である。
【図14】上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図15】上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図16】上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図17】上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図18】上記実施形態の部品押圧接合装置における制御系統図である。
【図19】上記実施形態のヘッドユニットピッチ可変機構及びX軸方向移動機構の構造を模式的に示す模式説明図である。
【図20】上記実施形態に部品押圧接合装置に供給される回路基板に配置された電子部品が支持されている状態の部品支持トレーの部分平面図である。
【図21】上記実施形態の部品押圧接合装置に供給される回路基板に配置されたヒートスプレッダが支持されている状態の部品支持トレーの部分平面図である。
【図22】上記第1実施形態にかかる部品保持方法を実施するための部品保持装置の演算部分のブロック構成図である。
【図23】上記第1実施形態にかかる部品保持方法にかかる同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の構成図である。
【符号の説明】
1…ローダー、2,2−0,2−1,2−2,2−3…基板、3,13…基板搬送保持装置、4,14…作業ヘッド、5,15…XYロボット、6a…Y軸駆動部、6b,6c…X軸駆動部、7,17…ノズル交換装置、8A,8B,8C,18A,18B,18C…部品供給部材、9,19…認識カメラ、10…ノズル、10A…ノズル先端、10B…ノズルホルダ、11…アンローダー、16…実装装置基台、80…部品供給カセット、89…部品供給位置、90…認識カメラ、101…キャリアテープ、102…部品収納用凹部、103…部品、106…スプロケット、106a…スプロケットの上端端面、109…送り穴、200…部品実装作業領域、201…第1実装領域、202…第2実装領域、880…パルスモータ、881…歯車伝達機構、882…駆動歯車、901…中心平均座標演算部、902…補正値演算部、903…同時吸着判定部、904…演算制御部、905…中心平均座標演算部、910…メモリ、1000…制御部、1001…電子部品、1001a…電極、1002…半田バンプ、1003…回路基板、1003a…パッド、1003b…回路基板、1004…インジウム、1005…ヒートスプレッダ、1005a…凹部、1006…部品支持トレー、1006a…支持ジグ、1007…部品支持トレー、1007a…支持ジグ、1009…制御部、1010…押圧ヘッドユニット、1010a…押圧ヘッドユニット下部、1010b…押圧ヘッドユニット上部、1011…吸着ノズル、1012…セラミックヒータ、1013…ウォータジャケット、1014…冷却ブローノズル、1015…軸、1015a…スプリング受部、1015b…軸下部、1016…ロードセル、1017…自重相殺スプリング、1018…ヘッドユニットフレーム、1018a…スプリング受部、1019…昇降部、1019a…モータ、1019b…ボールねじ軸、1019c…昇降部フレーム、1019d…ナット部、1020…メインフレーム、1020a…第1フレーム、1020b…第2フレーム、1020c…第3フレーム、1021…LMレール、1022…LMブロック、1023…LMレール、1024…LMブロック、1025…LMレール、1026…LMブロック、1027…LMレール、1028…LMブロック、1031…ヘッドユニットピッチ可変機構、1031a…ボールねじ軸部、1031b…ナット部、1031c…モータ、1031d…軸受部、1032…X軸方向移動機構、1032a…ボールねじ軸部、1032b…ナット部、1032c…モータ、1033…Y軸方向移動機構、1034…スライドベース、1035…第1ステージ、1035a…レール、1036…第2ステージ、1036a…レール、1037…ローダー、1037a…レール、1038…アンローダー、1038a…レール、1101…部品押圧接合装置、1101a…作業部、1102…部品押圧接合装置、1137…ローダー、1138…アンローダ、A…間隔、B…間隔、C…切断線、D…切断線、P…間隔ピッチ、Q…基準位置、S…昇降動作軸。
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品供給部から供給された部品を吸着ノズルにより吸着保持したのち、基板や部品などの被装着体に装着する部品実装装置に関し、詳しくは、複数のノズルで複数の部品を同時的に吸着保持する部品保持装置及び方法、及び、同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、部品供給部から供給された部品を吸着ノズルにより吸着保持したのち、基板に装着する部品実装装置において、複数個のノズルを可動ヘッドに備えて、複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着しようとした部品実装装置は種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実際には、複数個のノズルのノズル中心位置のバラツキと、複数の部品を収納する複数の部品カセットの部品供給位置の位置のバラツキのため、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品を複数個のノズルで正確かつ確実に同時に吸着保持することができなかった。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持できる、部品保持装置及び方法、及び、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0006】
本発明の第1態様によれば、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッドに並列配置された複数個のノズルにより、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセットから複数個の部品を同時的に吸着保持する部品保持方法において、
上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求め、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行い、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、
上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断し、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求め、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行い、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、
上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは同時吸着が不可能と判断するようにしたことを特徴とする部品保持方法を提供する。
【0007】
本発明の第2態様によれば、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求めるようにした第1の態様に記載の部品保持方法を提供する。
【0008】
本発明の第3態様によれば、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッドに並列配置された複数個のノズルにより、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセットから複数個の部品を同時的に吸着保持する部品保持装置において、
上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める中心平均座標演算部と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う補正値演算部と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否かを判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う同時吸着判定部と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記中心平均座標演算部でノズル群・中心平均座標と部品供給カセット群・吸着中心平均座標とを求め、上記補正値演算部で一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行い、上記同時吸着判定部で上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行うように制御する演算制御部とを備えるようにしたことを特徴とする部品保持装置を提供する。
【0009】
本発明の第4態様によれば、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める中心平均座標演算部をさらに備えるようにした第3の態様に記載の部品保持装置を提供する。
【0010】
本発明の第5態様によれば、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッドに並列配置された複数個のノズルにより、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセットから複数個の部品を同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う手順と、上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断する手順と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行う手順と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量以下か否か判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは同時吸着が不可能と判断する手順とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0011】
本発明の第6態様によれば、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズルのY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセットのY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセットの個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順をさらに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な第5の態様に記載の記録媒体を提供する。
【0012】
本発明の第7態様によれば、上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする第1又は2の態様に記載の部品保持方法を提供する。
【0013】
本発明の第8態様によれば、上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする第3又は4の態様に記載の部品保持装置を提供する。
【0014】
本発明の第9態様によれば、上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする第5又は6の態様に記載の記録媒体を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明の第1実施形態にかかる、部品保持方法を実施可能な部品保持装置を有する部品実装装置の全体概略斜視図を図1に示す。
【0017】
図1及び図2及び図3において、1は電子回路基板2−0(位置に関係なく基板を指す場合には参照番号2により示し、特定の位置の基板は参照番号2−0,2−1,2−2,2−3のように示す。)を搬入するローダー、11は電子回路基板2−3を搬出するアンローダーである。3はローダー1から搬入される電子回路基板2を搬送保持する一対のサポートレール部を備える第1基板搬送保持装置、4は直交するXY座標内に位置しかつ電子部品を吸着保持する部品吸着ノズル10を交換可能に複数個例えば10個をX方向沿いに並列して装着した作業ヘッド、5は作業ヘッド4を部品実装作業領域内の直交する2方向であるXY方向の所定位置に位置決めするXYロボット、7は部品実装作業領域において部品供給部8Aの近傍に配置され、かつ、複数の種類の電子部品に適した複数の種類のノズル10を収納して必要に応じて作業ヘッド4に装着されたノズル10と交換するノズル交換装置である。8A,8Bは直交するXY座標内の部品実装作業領域の作業者に対して手前側すなわち前側の端部にそれぞれ配置され、かつ、上記基板2に実装すべき部品103をキャリアテープ101の部品収納用凹部102内に1つずつ収納して部品供給位置89に1つずつ部品103(テーピング部品)を供給する複数の部品供給カセット80がX方向沿いに配置された部品供給部、8Cは部品供給部8Bの近傍に配置され、かつ、上記基板2に実装すべき部品をトレー状に収納保持されたトレー部品を収納する部品供給部、9は部品供給部8Aの近傍の部品実装作業領域中央に近い側に配置され、かつ、作業ヘッド4のノズル10が吸着した電子部品の吸着姿勢を撮像する認識カメラである。
【0018】
一方、13は第1基板搬送保持装置3から搬送される電子回路基板2−1を搬送保持する一対のサポートレール部を備える第2基板搬送保持装置、14は直交するXY座標内に位置しかつ電子部品を吸着保持する部品吸着ノズル10を交換可能に複数個例えば10個をX方向沿いに並列して装着した作業ヘッド、15は作業ヘッド14を部品実装作業領域内の直交する2方向であるXY方向の所定位置に位置決めするXYロボット、17は部品供給部18Aの近傍に配置され、かつ、複数の種類の電子部品に適した複数の種類のノズル10を収納して必要に応じて作業ヘッド14に装着されたノズル10と交換するノズル交換装置である。18A,18Bは直交するXY座標内の部品実装作業領域の作業者に対して奥側すなわち後側の端部にそれぞれ配置され、かつ、上記基板2−1に実装すべき部品103をキャリアテープ101の部品収納用凹部102内に1つずつ収納して部品供給位置89に1つずつ部品103(テーピング部品)を供給する複数の部品供給カセット80がX方向沿いに並列配置された部品供給部、18Cは部品供給部18Bの近傍に配置され、かつ、上記基板2に実装すべき部品をトレー状に収納保持されたトレー部品を収納する部品供給部、19は部品供給部18Aの近傍の部品実装作業領域中央に近い側に配置され、かつ、作業ヘッド14のノズル10が吸着した電子部品の吸着姿勢を撮像する認識カメラである。
【0019】
上記XYロボット5,15は、以下のように構成されている。XYロボット装置6の2本のY軸駆動部6a,6aが実装装置基台16上の部品実装作業領域200の前後端縁に固定配置され、これらの2本のY軸駆動部6a,6aにまたがって2本のX軸駆動部6b,6cがY軸方向に独立的に移動可能にかつ衝突回避可能に配置されて、さらに、X軸駆動部6bには部品実装作業領域内の手前側半分の実装領域内を移動する作業ヘッド4がX軸方向に移動可能に配置されるとともに、X軸駆動部6cには部品実装作業領域内の奥側半分の実装領域内を移動する作業ヘッド14がX軸方向に移動可能に配置されている。よって、上記XYロボット5は、実装装置基台16に固定された2本のY軸駆動部6a,6aと、Y軸駆動部6a,6a上でY軸方向に移動可能なX軸駆動部6bと、X軸駆動部6bにおいてX軸方向に移動可能な作業ヘッド4とより構成される。また、上記XYロボット15は、実装装置基台16に固定された2本のY軸駆動部6a,6aと、Y軸駆動部6a,6a上でY軸方向に移動可能なX軸駆動部6cと、X軸駆動部6cにおいてX軸方向に移動可能な作業ヘッド14とより構成される。このようにして、作業ヘッド4,14は独立してXY方向に移動することができる。
【0020】
上記各部品供給部8A,8B,18A,18Bの各部品供給カセット80では、図4及び図5に示すように、上記キャリアテープ101の側端部に連続して等間隔に設けられた送り穴109,…,109に、部品供給カセット80の先端に配置されたスプロケット106が係合している。このスプロケット106は、駆動歯車882が固定されており、駆動歯車882は、歯車伝達機構881を介して部品供給駆動装置例えばパルスモータ880に連結されている。よって、パルスモータ880により、歯車伝達機構881及び駆動歯車882を介して所定回転だけスプロケット106を回転させると、所定ピッチだけキャリアテープ101が送られ、トップテープ104が剥がされたキャリアテープ101の部品収納用凹部102内に1つずつ収納保持された部品103が、上記カセット80の部品供給用開口として形成されている部品供給位置89に1つずつ位置し、部品保持用として供給されるようにしている。このため、上記パルスモータ880の駆動を制御部1000(図7参照)により制御して回転量を調整すれば、キャリアテープ101の送り量を変更することができ、部品供給位置89での部品収納用凹部102すなわち部品103の上記Y方向の位置を変更することができる。
【0021】
また、上記基板搬入搬出、部品保持、部品認識、部品装着動作などを制御する制御部1000が備えられ、部品供給部8A,8B,18A,18B、部品供給カセット80、作業ヘッド4,14、認識カメラ9,19、被装着体保持装置3,13、XYロボット5,15、メモリ910、ローダ1、アンローダ11などが接続されている。メモリ910には、どの部品をどの位置にどの順番で装着するかなどの実装プログラムを示すNCデータ、どの部品をどの部品供給部材に配列するかなどの配列プログラム又配列した配列情報、各部品の形状や高さなどに関する部品情報の部品ライブラリ、各基板の形状などに関する基板情報、その他、部品吸着ノズルの形状や各サポートレール部の基板搬送位置の情報などが記憶されている。また、後述する記憶媒体から上記実施形態にかかる部品保持方法を実施するためのプログラムを格納するようにしてもよい。また、メモリ910には、複数個のノズル10のそれぞれのノズル中心位置Onの基準位置(設計上の位置)からの位置ズレ量と、複数個の部品供給カセット80のそれぞれの吸着中心平均座標の基準位置(設計上の位置)からの位置ズレ量など認識結果情報と、後述する各種演算結果情報などを記憶させることができる。
【0022】
ここで、図1及び図2及び図3に示すように、1台の部品実装装置において、基板2の部品実装作業領域200を基板搬入側から基板搬出側への基板搬入路を中心として第1実装領域201と第2実装領域202とに2分割し、第1実装領域201において、基板2−1を第1実装領域201にローダー1により、中央位置に位置した基板搬送保持装置3に搬入して、基板搬入路方向沿いの第1実装領域201の端部に配置された部品供給部8A及び第1部品認識部の一例としての認識カメラ9に最も近い部分まで、基板搬送保持装置3を中央位置から移動させて、基板2−1を実装動作のために位置決め保持する。次いで、第1実装領域201において、当該基板2−1の第1部品供給部8Aに近い側の作業者から見て手前側の少なくとも半分の領域(図2の斜線領域2A)に対して、部品供給部8A,8Bから部品を吸着保持して実装を行う。その後、第1実装領域201での実装作業終了後、基板搬送保持装置3を中央位置まで戻したのち、基板搬送保持装置3から、中央位置に位置して基板搬送保持装置3に隣接した基板搬送保持装置13に当該基板2−1を移動させる。次いで、基板搬送保持装置13を中央位置から移動させて、当該基板2−1を第2実装領域202の部品供給部18A及び第2部品認識部の一例としての認識カメラ19に最も近い部分まで移動させて、基板2−1を実装のため位置決め保持する。次いで、第2実装領域202において、当該基板2−1の部品供給部18Aに近い側の作業者から見て奥側の少なくとも半分の領域(図2の斜線領域2A)に対して、部品供給部18A,18Bから部品を吸着保持して実装を行う。その後、第2実装領域202での実装作業終了後、基板搬送保持装置13を中央位置まで戻したのち、基板搬送保持装置13からアンローダ11に移動させて、当該基板2−1を第2実装領域202から搬出する。この結果、各実装領域201,202で位置決め保持された基板2と各部品供給部8A,18Aと各認識カメラ9,19との最短距離を、従来のように部品実装作業領域の基板搬入路上に基板を保持している場合と比較して、大幅に短くすることができ、実装時間を短縮することができて、生産性を向上させることができる。
【0023】
次に、上記したように、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置された上記複数個のノズル10により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズル10に対応する上記複数個の部品供給カセット80から複数個の部品103を同時的に吸着保持することについて詳細に説明する。
【0024】
まず、ノズル10のノズル中心位置は、ノズル10の製造誤差、作業ヘッド4,14への組付け誤差、使用中のノズル10の温度上昇などの影響で設計上の基準位置から位置ズレしていることが多い。このため、それぞれのノズル10のノズル中心位置を上記基台16側に配置した認識カメラ9又は19で認識させて、それぞれのノズル10のノズル中心位置の位置ズレ量を求める必要がある。
【0025】
具体的に上記位置ズレ量の求める方法としては、図6に示すように、ノズル10の本体外周のノズルホルダ10Bの環状の下端面(鏡面)を認識カメラ9又は19で認識して、認識結果から環状のノズルホルダ10Bの中心位置を求めることにより、ノズル10のノズル中心位置Onを求める方法がある。
【0026】
別の方法としては、ノズル10の本体であるノズル先端10Aの円環状の下端面(鏡面)を認識カメラ9,19で認識して、認識結果から円環状のノズル先端10Aの中心位置を求めることにより、ノズル10のノズル中心位置Onを求める方法がある(図6参照)。
【0027】
一方、部品供給カセット80側においては、一般に、各部品供給カセット80の製造上の誤差、各カセットの部品実装装置に対する取付誤差などの影響で、各部品供給カセット80の部品供給位置89に位置する部品103の位置が設計上の基準位置から位置ズレしていることが多い。このため、これを作業ヘッド4又は14に備えた認識カメラ90で認識させて、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89での位置ズレ量を求める必要がある。
【0028】
具体的に上記位置ズレ量の求める方法としては、テーピング部品を収納する部品供給カセット80のテーピング部品を所定寸法毎に送るスプロケット106の上端端面(通常は反射により光っている端面)106aを作業ヘッド4又は14に備えた認識カメラ90で認識させて、その認識結果と、スプロケット106の上端端面106aの位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、スプロケット106の上端端面106aの位置から部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。
【0029】
別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89が長方形である場合、その対角のコーナ部分を作業ヘッド4に備えた認識カメラ90で認識させて、その認識結果と、対角のコーナ部分の位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、対角のコーナ部分の位置から部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。このとき、認識されるコーナ部分は、対角の2箇所に限らず、1箇所でもよいし、対角でない2箇所又は任意の複数個所でもよい。
【0030】
さらに、別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89内に露出した部品103の位置を、作業ヘッド4又は14に備えた認識カメラ90で認識して、その認識結果と、部品103の位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。
【0031】
さらに、別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89付近に備えた位置認識用マークを、作業ヘッド4に備えた認識カメラ90で認識して、その認識結果と、位置認識用マークの位置と部品供給位置89の位置との間の寸法とを考慮して、部品供給カセットの部品供給位置89の位置を求めることができる(図示せず)。
【0032】
さらに、別の方法としては、それぞれの部品供給カセット80の部品供給位置89からノズル10で吸着保持した部品103を認識カメラ9又は19で認識して、その位置ズレ量から部品供給カセット80の部品供給位置89の位置を求めることができる。このとき、上記部品103の認識カメラ9又は19による認識を複数回繰り返して、複数個の位置ズレ量の平均を算出することにより、部品吸着時の位置ズレ誤差などを吸収して部品供給カセット80の部品供給位置89での部品の位置ズレを検出できるようにしてもよい。
【0033】
従って、ノズル10のノズル中心位置Onの位置ズレ量と部品供給カセット80の部品供給位置89の位置ズレ量とを考慮して、複数個のノズル10での複数個の部品103の同時吸着の可否を判断し、同時吸着可能な組み合わせ毎にグループ分けし、分けられたグループ毎に複数個のノズル10での複数個の部品103の同時吸着を行う。
【0034】
このような部品保持方法について、図8のフローチャート及び図22の部品保持装置の演算部分のブロック構成図を基に説明する。なお、以下に示すフローチャートの動作は、制御部1000の制御の下に演算制御部904を演算動作を開始させ、演算制御部904の制御の下に、中心平均座標演算部901と、補正値演算部902と、同時吸着判定部903と、中心平均座標演算部905とを適宜動作制御させる。演算制御部904に対しては、さらに、入出力部906とメモリ910とが接続されている。
【0035】
(ステップS1)
まず、ステップS1において、n個のノズル中心座標データ(Xn1,Yn1)、(Xn 2,Yn 2)、......、(Xnn,Ynn)を入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。
【0036】
(ステップS2)
次いで、ステップS2において、n個の部品供給カセットの吸着中心座標データ(Xf1,Yf1)、(Xf 2,Yf 2)、......、(Xfn,Yfn)を入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。
【0037】
(ステップS3)
次いで、ステップS3において、中心平均座標演算部901により、同時吸着を前提とした仮想平均値の算出を次の式で行う。
【0038】
すなわち、上記n個のノズル10のX座標Xni同士の合計値を上記ノズル10の個数nで除するとともに上記n個のノズル10のY座標Yni同士の合計値を上記ノズルの個数nで除することによりノズル群・中心平均座標を中心平均座標演算部901により求める。
【0039】
【数1】
また、上記n個の部品供給カセット80のX座標Xfi同士の合計値を上記部品供給カセット80の個数nで除するとともに上記n個の部品供給カセット80のY座標Yfi同士の合計値を上記部品供給カセット80の個数nで除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を中心平均座標演算部901により求める。
【0040】
【数2】
部品供給カセット群・吸着中心平均座標
(ステップS4)
次いで、ステップS4において、補正値演算部902により、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。すなわち、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差ΔXを補正値演算部902により求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差ΔYを補正値演算部902により求めて、上記X座標と上記Y座標での一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
(ステップS5)
次いで、ステップS5において、同時吸着判定部903により、ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う。すなわち、上記部品供給カセット80と当該上記部品供給カセット80に対応する上記ノズル10との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のX座標Xfiから対応する上記ノズル10のX座標Xniと上記X座標のヘッド吸着位置補正値ΔXとを差し引いた値がX座標の許容ズレ量Kx以下か否か同時吸着判定部903により判定する。また、上記部品供給カセット80と当該上記部品供給カセット80に対応する上記ノズル10との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のY座標Yfiから対応する上記ノズル10のY座標Yniと上記Y座標のヘッド吸着位置補正値ΔYとを差し引いた値がY座標の許容ズレ量KY以下か否か同時吸着判定部903により判定する。すなわち、
【0043】
【数5】
Xfi−(Xni+ΔX)≦Kx
Yfi−(Yni+ΔY)≦KY
か否か判断する。
【0044】
(ステップS6)
このステップS5においてNOならば、ステップS6で同時吸着判定部903により吸着不可と判断させてステップS8に進む。
【0045】
(ステップS7)
このステップS5においてYESならば、ステップS7で同時吸着判定部903により吸着可能と判断させてステップS8に進む。
【0046】
(ステップS8)
ステップS8において、中心平均座標演算部905により、吸着可能ノズル10での同時吸着用中心平均座標の算出を行う。すなわち、1回目の同時吸着を前提とした、N個(但し、0<N≦n)のノズル10を有するヘッド4又は14の実際の中心座標の平均値の算出を中心平均座標演算部905により行う。
【0047】
【数6】
【0048】
【数7】
すなわち、同時吸着可能なN個のノズル10のX方向座標を全て加算して単純にノズル10の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14のX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xnav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0049】
また、同時吸着可能なN個のノズル10のY方向座標を全て加算して単純にノズル10の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14のY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Ynav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0050】
よって、ノズル群・中心平均座標=(Xnav1,Ynav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、1回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0051】
また、同時吸着可能なN個のノズル10に対応するN個の部品供給カセット80のX方向座標を全て加算して単純に部品供給カセット80の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14に対するN個の部品供給カセット80のX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xfav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0052】
また、同時吸着可能なN個のノズル10に対応するN個の部品供給カセット80のY方向座標を全て加算して単純に部品供給カセット80の個数Nで割ることにより、同時吸着を前提としたN個のノズル10を有するヘッド4又は14に対するN個の部品供給カセット80のY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav1を中心平均座標演算部905により求める。
【0053】
よって、部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav1,Yfav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14に対する部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、この実際の中心位置座標を制御部1000による1回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0054】
(ステップS9)
次いで、ステップS9において、演算制御部904による上記各演算部901,902,903,905の動作制御により、以下の動作を行わせる。
【0055】
すなわち、1回目の同時吸着に使用するN個のノズル10以外の残った(n−N)個のノズル10について、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのノズルグループに区分けする。
【0056】
また、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つの部品供給カセットグループに区分けする。
【0057】
そして、上記区分けされたノズルグループのうち複数個のノズルを含むノズルグループと、上記区分けされた部品供給カセットグループのうち複数個の部品供給カセットを含む部品供給カセットグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出する。
【0058】
その抽出した組み合わせにおいて、ステップS3からステップS8の動作を繰り返して、2回目に同時吸着可能なノズル10を抽出して、抽出されたノズル10のノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を求めて、ノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、2回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。また、部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を求めて、部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を、上記ノズル10を備えたヘッド4又は14に対する部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、この実際の中心位置座標を2回目の同時吸着時のヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0059】
次いで、再び、ステップS9において、演算制御部904による各演算部の動作制御により、2回目の同時吸着に使用するノズル10以外の残ったノズル10について、上記ステップS9の動作、すなわち、残ったノズル10のうちの上記抽出された複数のノズルと部品供給カセットの組み合わせについてステップS3からステップS8の動作を繰り返して、3回目の同時吸着に使用するノズル10を抽出する。このようにして、ノズル10が無くなるまでステップS3からステップS8の動作を繰り返す。
【0060】
このようにして、すべてのノズル10と部品供給カセット80との組み合わせに対して、同時吸着可能か否かを判断して、同時吸着可能な組合せを作成し、その組合せに基づいて同時吸着を実施すれば、確実に同時吸着動作を行うことができる。よって、例えば、10個一列のノズル10による部品実装動作においては、1回目の実装動作のときには5個のノズル10で5個の部品供給カセット80から部品103を吸着保持して基板2に装着したのち、2回目の実装動作のときには3個のノズル10で上記とは異なる3個の部品供給カセット80から部品103を吸着保持して基板2に装着することができる。さらに、3回目の実装動作のときには2個のノズル10で上記とは異なる2個の部品供給カセット80から部品103を吸着保持して基板2に装着することができる。
【0061】
上記部品保持方法にかかる図8のフローチャートのより具体的な実例について、さらに詳細に説明する。
【0062】
(ステップS1)
一例として、5個のノズル10、すなわち、第1ノズル10a、第2ノズル10b、第3ノズル10c、第4ノズル10d、第5ノズル10eのノズル中心座標データを入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。これらの第1〜第5ノズル10a,10b,10c,10d,10eのノズル中心座標データを(Xn1,Yn1),(Xn2,Yn2),(Xn3,Yn3),(Xn4,Yn4),(Xn5,Yn5)とする。具体例としては、(1,4),(4,6),(6,2),(8,8),(9,5)とする。
【0063】
(ステップS2)
5個の部品供給カセット80、すなわち、第1部品供給カセット80a、第2部品供給カセット80b、第3部品供給カセット80c、第4部品供給カセット80d、第5部品供給カセット80eの吸着中心座標データを入出力部906により入力してメモリ910に記憶させる。これらの第1〜第5部品供給カセット80a,80b,80c,80d,80eの吸着中心座標データを(Xf1,Yf1),(Xf2,Yf2),(Xf3,Yf3),(Xf4,Yf4),(Xf5,Yf5)とする。具体例としては、(1,8),(3,2),(6,3),(8,5),(11,9)とする。
【0064】
(ステップS3)
次いで、中心平均座標演算部901により、第1〜第5ノズル10a,10b,10c,10d,10eのX方向座標を全て加算して単純に5(ノズルの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、具体的には、X方向の基準となる平均位置座標Xnavを、Xnav=(Xn1+Xn2+Xn3+Xn4+Xn5)/5より求める。上記具体例のX方向の基準となる平均位置座標Xnavは、Xnav=(Xn1+Xn2+Xn3+Xn4+Xn5)/5=(1+4+6+8+9)/5=5.6となる。
【0065】
また、中心平均座標演算部901により、第1〜第5ノズル10a,10b,10c,10d,10eのY方向座標を全て加算して単純に5(ノズルの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、具体的には、Y方向の基準となる平均位置座標Ynavを、Ynav=(Yn1+Yn2+Yn3+Yn4+Yn5)/5より求める。上記具体例のY方向の基準となる平均位置座標Ynavは、Ynav=(Yn1+Yn2+Yn3+Yn4+Yn5)/5=(4+6+2+8+5)/5=5となる。
【0066】
よって、ノズル群・中心平均座標(Xnav,Ynav)={[(Xn1+Xn2+Xn3+Xn4+Xn5)/5],[(Yn1+Yn2+Yn3+Yn4+Yn5)/5]}となる。上記具体例では、ノズル群・中心平均座標(Xnav,Ynav)は(5.6,5)となる。
【0067】
また、中心平均座標演算部901により、第1〜第5部品供給カセット80a,80b,80c,80d,80eのX方向座標を全て加算して単純に5(部品供給カセットの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、具体的には、X方向の基準となる平均位置座標Xfavを、Xfav=(Xf1+Xf2+Xf3+Xf4+Xf5)/5より求める。上記具体例のX方向の基準となる平均位置座標Xfavは、Xfav=(Xf1+Xf2+Xf3+Xf4+Xf5)/5=(1+3+6+8+11)/5=5.8となる。
【0068】
また、中心平均座標演算部901により、第1〜第5部品供給カセット80a,80b,80c,80d,80eのY方向座標を全て加算して単純に5(部品供給カセットの個数)で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、具体的には、Y方向の基準となる平均位置座標Yfavを、Yfav=(Yf1+Yf2+Yf3+Yf4+Yf5)/5より求める。上記具体例のY方向の基準となる平均位置座標Yfavは、Yfav=(Yf1+Yf2+Yf3+Yf4+Yf5)/5=(8+2+3+5+9)/5=5.4となる。
【0069】
よって、部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav,Yfav)={[(Xf1+Xf2+Xf3+Xf4+Xf5)/5],[(Yf1+Yf2+Yf3+Yf4+Yf5)/5]}となる。上記具体例の部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav,Yfav)は(5.8,5.4)となる。
【0070】
(ステップS4)
次いで、補正値演算部902により、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。
【0071】
ΔXは、ΔX=Xfav−Xnav の式より、補正値演算部902により、求める。上記具体例では、ΔX=Xfav−Xnav=5.8−5.6=0.2となる。
【0072】
ΔYは、ΔY=Yfav−Ynav の式より、補正値演算部902により、求める。上記具体例では、ΔY=Yfav−Ynav=5.4−5=0.4となる。
【0073】
(ステップS5〜S7)
同時吸着判定部903により、ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う。すなわち、Kx,KYが許容ズレ量であるとき、
X方向は、Xfi−(Xni+ΔX)≦Kx が成立するか否かを同時吸着判定部903により判断する。但し、i=1〜5。
【0074】
Y方向は、Yfi−(Yni+ΔY)≦KY が成立するか否かを同時吸着判定部903により判断する。但し、i=1〜5。
【0075】
このステップS5においてNOならば、ステップS6で同時吸着判定部903により吸着不可と判断してステップS8に進む。また、このステップS5においてYESならば、ステップS7で同時吸着判定部903により吸着可能と判断してステップS8に進む。
【0076】
上記具体例において、各ノズル10と対応する部品供給カセット80との組み合わせについてXfi−(Xni+ΔX)を同時吸着判定部903により算出して判断する。
【0077】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Xf1−(Xn1+ΔX)=1−(1+0.2)=−0.2となる。
【0078】
(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせについては、Xf2−(Xn2+ΔX)=3−(4+0.2)=−1.2となる。
【0079】
(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせについては、Xf3−(Xn3+ΔX)=6−(6+0.2)=−0.2となる。
【0080】
(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせについては、Xf4−(Xn4+ΔX)=8−(8+0.2)=−0.2となる。
【0081】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Xf5−(Xn5+ΔX)=11−(9+0.2)=1.8となる。
【0082】
ここで、KXが1とすると、上記式≦KXすなわち上記式≦1が成立するのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせである。一方、上記式≦1が成立しないのは、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせである。
【0083】
また、各ノズル10と対応する部品供給カセット80との組み合わせについてYfi−(Yni+ΔY)を同時吸着判定部903により算出して判断する。
【0084】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=8−(4+0.4)=3.6となる。
【0085】
(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=2−(6+0.4)=−4.4となる。
【0086】
(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=3−(2+0.4)=0.6となる。
【0087】
(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=5−(8+0.4)=−3.4となる。
【0088】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=9−(5+0.4)=3.6となる。
【0089】
ここで、KYが0.1とすると、上記式≦KYすなわち上記式≦0.1が成立するのは、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせの組み合わせである。一方、上記式≦0が成立しないのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eの組み合わせである。
【0090】
よって、KX,KYが許容ズレ量を考慮すると、1回目の吸着動作においては、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせが同時吸着可能であると、同時吸着判定部903により判断する。これ以外の組み合わせ、すなわち、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせは同時吸着不可と同時吸着判定部903により判断する。
【0091】
(ステップS8)
ステップS8において、中心平均座標演算部905により、同時吸着可能ノズル、すなわち、第2ノズル10bと第4ノズル10dとでの同時吸着補正座標の算出を行う。
【0092】
すなわち、同時吸着可能な複数のノズルのX方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xnav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2ノズル10bと第4ノズル10dとが同時吸着可能であり、(4,6),(8,8)の座標のうちのX方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値を求める。よって、Xnav1=(4+8)/2=6となる。
【0093】
また、同時吸着可能な複数のノズルのY方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Ynav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2ノズル10bと第4ノズル10dの(4,6),(8,8)の座標のうちのY方向座標を全て加算して単純にノズルの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値を求める。よって、Ynav1=(4+6)/2=5となる。
【0094】
よって、ノズル群・中心平均座標=(Xnav1,Ynav1)、従って、上記具体例では(6,5)を、上記ノズルを備えたヘッドの実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、ヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0095】
また、同時吸着可能な複数のノズルに対応する部品供給カセットのX方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xfav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2部品供給カセット80bと第4部品供給カセット80dの(4,6),(8,8)のX方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、X方向の基準となる平均位置座標Xfav1を求める。すなわち、Xfav1=(4+8)/2=6となる。
【0096】
また、同時吸着可能な複数のノズルに対応する部品供給カセットのY方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたY方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav1を中心平均座標演算部905により求める。上記具体例では、第2部品供給カセット80bと第4部品供給カセット80dの(4,6),(8,8)のY方向座標を全て加算して単純に部品供給カセットの個数で割ることにより、同時吸着を前提としたX方向の仮想平均値、すなわち、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav1を求める。すなわち、Yfav1=(6+8)/2=7となる。
【0097】
よって、部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav1,Yfav1)、従って、上記具体例では(6,7)を、上記ノズルを備えたヘッドに対する部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、制御部1000による、ヘッド4又は14の実際の移動制御に使用する。
【0098】
(ステップS9)
次いで、ステップS9において、演算制御部904による上記各演算部901,902,903,905の動作制御により、残った3個のノズルの同時吸着条件の算出を行う。ここで、上記具体例のノズル群・中心平均座標=(Xnav,Ynav)=(5.6,5)を参照して、第1,第3,第5ノズル10a,10c,10eのノズル中心座標データ(1,4),(6,2),(9,5)のうち、第1及び第5ノズル10a,10eはノズル群・中心平均座標よりY方向上向きに離れる一方、第3ノズル10cはノズル群・中心平均座標よりY方向下向きに離れているため、これらを別々のグループとして取り扱う必要がある。また、上記具体例の部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav,Yfav)=(5.8,5.4)を参照して、第1,第3,第5部品供給カセット80a,80c,80eの吸着中心座標データ(1,8),(6,3),(11,9)のうち、第1及び第5部品供給カセット80a,80eは部品供給カセット群・中心平均座標よりY方向上向きに離れる一方、第3部品供給カセット80cはノズル群・中心平均座標よりY方向下向きに離れているため、これらを別々のグループとして取り扱う必要がある。
【0099】
そこで、まず、第1及び第5ノズル10a,10eが同時吸着可能か否か判断する。第1,第5ノズル10a,10eのノズル中心座標データ(1,4),(9,5)のX方向の基準となる平均位置座標Xnav2は、Xnav2=(1+9)/2=5となる。また、Y方向の基準となる平均位置座標Ynav2は、Ynav2=(4+5)/2=4.5となる。
【0100】
また、第1,第5部品供給カセット80a,80eの吸着中心座標データ(1,8),(11,9)のX方向の基準となる平均位置座標Xfav2は、Xfav2=(1+11)/2=6となる。また、Y方向の基準となる平均位置座標Yfav2は、Yfav2=(8+9)/2=8.5となる。
【0101】
次いで、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の算出を行う。
【0102】
ΔXは、ΔX=Xfav2−Xnav2=6−5=1となる。
【0103】
ΔYは、ΔY=Yfav2−Ynav2=8.5−4.5=4なる。
【0104】
次いで、ステップS5〜S7において、ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う。
【0105】
各ノズル10と対応する部品供給カセット80との組み合わせについてXfi−(Xni+ΔX)を算出する。
【0106】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Xf1−(Xn1+ΔX)=1−(1+1)=−1となる。
【0107】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Xf5−(Xn5+ΔX)=11−(9+1)=1となる。
【0108】
ここで、KXが1とすると、上記式≦KXすなわち上記式≦1が成立するのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせである。
【0109】
また、各ノズルと対応する部品供給カセットとの組み合わせについてYfi−(Yni+ΔY)を算出する。
【0110】
(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=8−(4+4)=0となる。
【0111】
(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせについては、Yf1−(Yn1+ΔY)=9−(5+4)=0となる。
【0112】
ここで、KYが0.1とすると、上記式≦KYすなわち上記式≦0.1が成立するのは、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eの組み合わせである。
【0113】
よって、KX,KYが許容ズレ量を考慮すると、2回目の吸着動作においては、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eの組み合わせとが同時吸着可能であることになる。
【0114】
よって、ノズル群・中心平均座標=(Xnav2,Ynav2)、従って、上記具体例では(5,4.5)を、上記第1ノズル10aと第5ノズル10eを備えたヘッドの実際の中心位置座標として取扱い、ヘッドの実際の移動制御に使用する。
【0115】
また、部品供給カセット群・吸着中心平均座標=(Xfav2,Yfav2)、従って、上記具体例では(6,8.5)を、上記第1ノズル10aと第5ノズル10eを備えたヘッドに対する第1部品供給カセット80aと第5部品供給カセット80eとの部品供給カセット群の実際の中心位置座標として取扱い、ヘッドの実際の移動制御に使用する。
【0116】
この結果、1回目の吸着動作においては、(2)第2ノズル10bと第2部品供給カセット80bとの組み合わせと、(4)第4ノズル10dと第4部品供給カセット80dとの組み合わせが同時吸着可能であり、2回目の吸着動作においては、(1)第1ノズル10aと第1部品供給カセット80aとの組み合わせと、(5)第5ノズル10eと第5部品供給カセット80eとの組み合わせが同時吸着可能であり、3回目の吸着動作においては、(3)第3ノズル10cと第3部品供給カセット80cとの組み合わせについて行うようにすれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品であっても、1回目と2回目とにおいて複数個のノズル10での複数個の部品103の同時吸着動作を確実に行うことができる。
【0117】
このように、例えば、5個のノズル10では、ノズル群・中心座標のバラツキと部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、2個、2個、1個の順にノズル10による部品103の同時吸着が行える他、4個、1個の順にノズル10による部品103の同時吸着が行えたり、3個、2個の順にノズル10による部品103の同時吸着が行えたりする。
【0118】
なお、各ノズル10は、その中心周りの回転位置により位置ズレ量が異なるため、回転角度の基準となる0度の位置で位置認識を行うのが好ましい。
【0119】
上記部品保持方法による、上記したノズル10と部品供給カセット80との組み合わせにおける同時吸着の可否についての判断動作は、各部品装着動作毎に、部品実装装置の実装動作開始前、実装動作中の所定時間毎又は所定個数の部品吸着保持後、ノズル交換時、部品供給カセット交換時、又は、任意の時に実施することが好ましい。
【0120】
上記第1実施形態によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズル10と部品供給カセット80との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができて、同時吸着動作可能なノズル10と部品供給カセット80の複数の組み合わせを確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0121】
なお、1個毎にノズル10で1個の部品103を吸着する場合には、吸着した部品103の状態を認識し、ノズル中心位置に対する部品103の吸着位置がズレている場合には、次回のノズル10による部品103の吸着時にそのズレを補正しつつ吸着することもできる。
【0122】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
【0123】
例えば、図22に示すように、上記第1実施形態にかかる部品保持方法を実行するために、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置された複数個のノズル10により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズル10に対応する複数個の部品供給カセット80から複数個の部品103を同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、CD−ROMなど)に記録させることもできる。
【0124】
この場合、上記記録媒体には、
上記複数個のノズル10のX座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除するとともに上記複数個のノズル10のY座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット80のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット80のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順(上記ステップS3に相当)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差ΔXを求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差ΔYを求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う手順(上記ステップS4に相当)と、
上記ノズル10とそのノズル10の吸着動作対象である上記部品供給カセット80との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のX座標から対応する上記ノズル10のX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標ΔXとを差し引いた値がX座標の許容ズレ量Kx以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標ΔYとを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量Kx以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量KY以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量Kx,KYを超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断する手順(上記ステップS5,S6,S7に相当)と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズル10を含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセット80を含むグループとを比較して、共通するノズル10と部品供給カセット80の組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズル10のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル10のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット80のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット80のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順(上記ステップS9に相当)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差ΔXを求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差ΔYを求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行う手順(上記ステップS9に相当)と、
上記ノズル10とそのノズル10の吸着動作対象である上記部品供給カセット80との組み合わせの夫々において、上記部品供給カセット80のX座標から対応する上記ノズル10のX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標ΔXとを差し引いた値がX座標の許容ズレ量Kx以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標ΔYとを差し引いた値がY座標の許容ズレ量KY以下か否か判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量Kx以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量KY以下の場合には、該当するノズル10と部品供給カセット80との組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量Kx,KYを超える場合には、該当するノズル10と部品供給カセット80との組み合わせでは同時吸着が不可能と判断する手順(上記ステップS9に相当)とを実行させるためのプログラムを記録させている。
【0125】
上記記録媒体には、さらに、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量Kx以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量KY以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル10のX座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル10のY座標同士の合計値を上記ノズル10の個数で除することによりノズル群・中心平均座標Xnav1,Ynav1を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット80のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット80のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット80の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標Xfav1,Yfav1を求める手順(上記ステップS8に相当)をさらに実行させるためのプログラムを記録することもできる。
【0126】
このような記録媒体を使用して既存の部品実装装置に備えられたコンピュータで上記プログラムを実行させることにより(例えば、上記実施形態では、上記記録媒体に記録されたプログラムををメモリ910に記憶させたのち制御部1000でプログラムを実行させることにより)、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との複数の組み合わせをコンピュータにより演算して確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズル10と部品供給カセット80との複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0127】
また、第1実施形態とは異なる部品実装装置に本発明を適用することもできる。すなわち、本発明の第2実施形態にかかる、部品保持方法を実施可能な部品保持装置を有する部品実装装置及び方法である部品押圧接合装置1101及び接合方法は、複数のノズル1011により複数の部品1001を同時的に基板1003bへ押圧して接合する部品押圧接合装置及び接合方法に関しており、図面を用いて詳細に説明する。
なお、この第2実施形態においては、部品供給部は無く、基板又は被装着部品上の所定位置に予め部品が供給されており、当該部品をノズル1011で吸着保持しつつ基板又は被装着部品に同時的に押圧接合するものである。よって、この第2実施形態の複数の押圧部材(一例としてはヘッドユニットであり、第1実施形態のノズルに相当。)1010を有するメインフレーム1020が第1実施形態における作業ヘッド4,14に相当し、第2実施形態の部品支持トレー1006の各電子部品1001の配置位置又は部品支持トレー1007の各ヒートスプレッダ1005の配置位置(部品吸着位置に相当。)が第1実施形態における部品供給カセット80の部品供給位置89に相当する。
【0128】
部品押圧接合装置1101においては、部品の一例としてコンピュータのCPUに用いられるIC、例えば±5μm以内といった基板に対する接合高さ位置誤差精度が要求される高集積化されたICのような電子部品1001が、基板の一例である基板1003に押圧接合することができる。また、回路基板に電子部品を接合することにより作製される電子部品組立体においては、その内部の電子回路を作動させた場合において、その電子回路が発熱し、その熱の影響により、電子回路の正常な作動を妨げる場合がある。このような電子部品組立体においては、電子回路で発熱した熱を効率的に放熱させるヒートスプレッダを電子部品の背面に接合することにより、電子回路の作動を安定化させることが行われている。さらに、部品押圧接合装置1101においては、基板1003上に接合された各電子部品1001に、部品の一例であるヒートスプレッダ1005が押圧接合することもできる。なお、ここで、電子部品1001に接合されるヒートスプレッダ1005は、例えば、コンピュータのCPUに用いられるICのような電子部品に接合されるヒートスプレッダであり、特に高集積化されたICのような電子部品に接合される、±12μm以内といった接合高さ位置誤差精度が要求されるようなヒートスプレッダである。
【0129】
ここで、部品には、上記電子部品1001及び上記ヒートスプレッダ1005以外に、同様に基板に対する上記接合高さ位置精度が要求される機械部品、光学部品なども含む。なお、上記接合高さ位置精度まで要求されないような場合であっても正確かつ確実な接合が要求される機械部品、光学部品なども含む。また、基板とは、樹脂基板、紙−フェノール基板、セラミック基板、ガラス・エポキシ(ガラエポ)基板、フィルム基板などの回路基板、単層基板若しくは多層基板などの回路基板、部品、筐体、又は、フレームなど、回路が形成されている対象物を意味する。
【0130】
次に、このような部品押圧接合装置1101の一部を透過させた斜視図を図11に示す。図11に示すように、部品押圧接合装置1101において、機台上に立てられ固定された2本の角柱状の剛体の上部をさらに角柱状の剛体で渡すように門型状の剛体で形成されたメインフレーム1020が機台の略中央部に備えられており、部品の押圧接合を行う押圧部材1010は、このメインフレーム1020のX軸方向におけるその中心線を対称軸とする線対称の位置であるメインフレーム1020の上部の両側面に5個ずつ、X軸方向沿いに等間隔ピッチPでもって配列されている。また、上記対称軸に対して互いに線対称の位置にある押圧ヘッドユニット1010同士は互いに連結されており、上記連結された状態にて夫々の押圧ヘッドユニット1010がX軸方向に移動可能にメインフレーム1020の上部に取り付けられている。なお、図11におけるX軸方向とY軸方向は直交しており、また、X軸方向及びY軸方向の両方向に直交する方向がZ軸方向となっている。
【0131】
また、メインフレーム1020の図示Y軸方向右側(図11における手前側)に配列されている5個の押圧ヘッドユニット1010は、メインフレーム1020に備えられた間隔可変機構の一例であるヘッドユニットピッチ可変機構1031に固定されており、上記5個の押圧ヘッドユニット1010はヘッドユニットピッチ可変機構1031を介してメインフレーム1020に取り付けられている。また、ヘッドユニットピッチ可変機構1031は、上記5個の押圧ヘッドユニット1010における上記間隔ピッチPを等間隔の状態に保ちながら可変させることができる。よって、上記同時吸着可能なグループを抽出するとき、同時吸着対象の部品の間隔に関して適切にヘッドユニット1010の間隔の調整を行うことにより、より多くのヘッドユニット1010による部品の同時吸着を実施することができるようにすることもできる。
【0132】
ここで、ヘッドユニットピッチ可変機構1031の構造を模式的に示す模式説明図を図19に示す。図11及び図19に示すように、ヘッドユニットピッチ可変機構1031は、その軸心回りに正逆回転可能かつX軸方向沿いにメインフレーム1020に支持されているボールねじ軸部1031aねじ軸部1031aと、ボールねじ軸部1031aに螺合されかつ上記5個の押圧ヘッドユニット1010のうちの中央に位置する押圧ヘッドユニット1010を除く4個の押圧ヘッドユニット1010が夫々固定された4個のナット部1031b、上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010をボールねじ軸部1031aにX軸方向に対して固定する軸受部1031d、及びボールねじ軸部1031aの図示左側の端部に固定されかつボールねじ軸部1031aの上記正逆回転を行うモータ1031cとを備えている。また、ボールねじ軸部1031a及びモータ1031cは、X軸方向沿いに移動可能にメインフレーム1020に支持されている。
【0133】
図19に示すように、ヘッドユニットピッチ可変機構1031において、上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010を固定している軸受部1031dの両側に位置するナット部1031bにおいては互いに逆方向かつ同ピッチの雌ねじが形成されており、さらに両端部に位置するナット部1031bにおいては隣接するナット部1031bと夫々同方向かつ上記同ピッチの2倍のピッチで雌ねじが形成されている。これにより、ヘッドユニットピッチ可変機構1031において、モータ1031cによりボールねじ軸部1031aを正逆方向のいずれか一方に回転させることにより、上記中央に位置する軸受部1031dの位置を基準位置Qとして固定して、その両側に位置する各ナット部1031bを、上記間隔ピッチPを等間隔に保ちながらボールねじ軸部1031aに沿って上記基準位置Qから離れる方向又は近づく方向に移動させることができる。従って、上記ヘッドユニットピッチ可変機構1031により、上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010の位置を基準位置Qとして、上記各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチPを等間隔に保持しながら、上記間隔ピッチを可変させることができる。なお、上記対称軸に対して互いに線対称の位置にある押圧ヘッドユニット1010同士は互いに連結されているため、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により、押圧ヘッドユニット1010の上記対称軸に対して線対称の位置を保持しながら、各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチPを可変させることが可能となっている。
【0134】
さらに、上記5個の押圧ヘッドユニット1010のうちの上記中央に位置する押圧ヘッドユニット1010は、メインフレーム1020に備えられている押圧ヘッドユニットの移動機構の一例であるX軸方向移動機構1032に固定されている。図19にX軸方向移動機構1032の構造についても模式的に示す。図19に示すように、X軸方向移動機構1032は、その軸心がX軸方向沿いにかつ上記軸心回りに正逆回転可能にメインフレーム1020に固定されているねじ軸部1032aと、ボールねじ軸部1032aに螺合されかつ上記中央の押圧ヘッドユニット1010が固定されているナット部1032b、及びボールねじ軸部1032aの図示左側の端部に固定されかつボールねじ軸部1032aの上記正逆回転を行うモータ1032cとを備えている。これにより、X軸方向移動機構1032において、モータ1032cによりボールねじ軸部1032aを正逆方向のいずれか一方に回転させることにより、ナット部1032bをX軸方向に進退移動させて、ナット部1032bに固定されている上記中央の押圧ヘッドユニット1010をX軸方向に沿って進退移動させることができる。また、ヘッドユニットピッチ可変機構1031におけるボールねじ軸部1031a及びモータ1031cはメインフレーム1020にX軸方向に移動可能に支持されており、X軸方向移動機構1032による上記中央の押圧ヘッドユニット1010の上記進退移動により、上記中央の押圧ヘッドユニット1010に固定されているヘッドユニットピッチ可変機構1031のボールねじ軸部1031aをX軸方向沿いに進退移動させて、ボールねじ軸部1031aに螺合されている各ナット部1031bに固定された夫々の押圧ヘッドユニット1010を上記間隔ピッチPを保ちながらX軸方向沿いに移動させることが可能となっている。すなわち、X軸方向移動機構1032により、夫々の押圧ヘッドユニット1010の互いの相対的な配置が保持された状態にて、全ての押圧ヘッドユニット1010のX軸方向の進退移動が可能となっている。
【0135】
また、押圧ヘッドユニット1010の模式的な構造図である図12に示すように、押圧ヘッドユニット1010は、押圧ヘッドユニット1010を個別に下降又は上昇させる昇降装置の一例である昇降部1019を夫々に備えている。さらに、各押圧ヘッドユニット1010はその下部において、先端部に部品を個別に吸着保持させる部品保持部材の一例でもあり、かつ部品を個別に押圧する部品押圧部材の一例でもある吸着ノズル1011と、この吸着ノズル1011の上側に取り付けられかつ吸着ノズル1011を加熱させて吸着ノズル1011に吸着保持された部品を加熱する加熱装置の一例であるセラミックヒータ1012、及びその先端部が吸着ノズル1011の周囲に位置するようにセラミックヒータ1012の上方に設けられかつセラミックヒータ1012により加熱された部品を冷却する冷却装置の一例である冷却ブローノズル1014を備えている。ここで、上記加熱装置は、一例として、押圧ヘッドユニット1010に備えられたセラミックヒータ1012である場合としたが、セラミックヒータ1012に代えて、基板を配置する架台部に備えられた加熱部、又は、部品及び基板に熱風を吹き付けることにより加熱を行うような加熱部を部品押圧接合装置1101が備える場合であってもよい。なお、押圧ヘッドユニット1010の構造の詳細な説明については後述する。
【0136】
また、図11において、スライドベース1034はY軸方向移動機構1033のナット部に固定されており、Y軸方向移動機構1033はモータによりボールねじ軸を正逆回転させることにより、ボールねじ軸に螺合したナット部に固定されたスライドベース1034を図示Y軸方向に進退移動させる。また、スライドベース1034上には、架台部の一例である第1ステージ1035及び第2ステージ1036第2ステージ1036の2つのステージがY軸方向に並列して固定されており、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に供給されて固定される夫々の基板を、Y軸方向移動機構1033により図示Y軸方向に一体的に進退移動可能となっている。また、図示Y軸方向における各基板の両端部を夫々支持可能に、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に夫々2本ずつのレール1035a及び1036aが設置されている。なお、各押圧ヘッドユニット1010における吸着ノズル1011の先端面と第1ステージ1035及び第2ステージ1036の夫々のレール1035a及び1036aとは略平行となっている。
【0137】
また、第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上に基板1003の供給を行うローダー1037が、第1ステージ1035及び第2ステージ1036の図示X軸方向左側に設置されており、また、第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上から基板1003の排出を行うアンローダー1038が、図示X軸方向右側に設置されている。ローダー1037及びアンローダー1038は、基板1003の両端部を支持可能なレールと上記レールに支持された基板1003を移動させる移動機構とを夫々備えている。
【0138】
さらに、部品押圧接合装置1101は、部品押圧接合装置1101における各構成部の制御を行う制御部1009を備えており、昇降部1019の昇降動作、X方向移動機構1032の移動動作、Y方向移動機構1033の移動動作、ヘッドユニットピッチ可変機構1031の移動動作、押圧ヘッドユニット1010の吸着ノズル1011の吸着保持動作、押圧ヘッドユニット1010のセラミックヒータ1012の加熱動作、及びローダー1037及びアンローダー1038の各移動機構の移動動作は、制御部1009により動作制御される。
【0139】
次に、部品押圧接合装置1101おける各押圧ヘッドユニット1010の配列位置と、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に供給されて固定された各基板1003及び各電子部品1001の配置の関係を模式的に示す平面図を図13に、電子部品1001及び基板1003を模式的に示す断面図を図14及び図15に示す。
【0140】
図13及び図14(A)に示すように、四角形プレート状の電子部品1001は接合面に多数の電極1001aを有しており、その各電極1001aには接合材の一例である半田バンプ1002が予め形成されている。また、接合面に多数の電極であるパッド1003aを有している四角形プレート状の単位基板1003bが図示Y軸方向に2個及びX軸方向に5個配列、すなわち2行5列に配列されて一体に形成され、基板1003が形成されている。また、電子部品1001の各電極1001aが単位基板1003bの各パッド1003aに半田バンプ1002バンプ1002を介在させて接合可能なように、各電子部品1001の各半田バンプ1002が基板1003の各パッド1003a上に配置されており、上記配置された各電子部品1001は全て同じ種類の電子部品1001となっている。
【0141】
ここで、上記電子部品1001の「配置」とは、電子部品1001を単に基板1003上に載置するような場合に限らず、電子部品1001又は基板1003に外力を加えることにより、電子部品1001及び基板1003を破壊することなく、電子部品1001と基板1003との接合状態を容易に解除することが可能な接合状態である仮接合(装着動作の一つの形態)をも含む。また、後述するように、電子部品1001が単に基板1003上に載置されて、上記載置の状態が他の部材により解除可能に支持されて上記載置が保持されているようなものも上記配置に含むこともできる。
【0142】
また、部品押圧接合装置1101により施される部品の基板への「接合」とは、電子部品1001又は基板1003に外力を加えることにより、電子部品1001及び基板1003を破壊することなく、電子部品1001と基板1003との接合状態を容易に解除することができないような接合状態(装着動作の別の形態)を示す。なお、電子部品1001等の部品が基板1003に接合された後、図13における基板1003のX軸方向における切断線C及びY軸方向における切断線Dにて基板1003が切断されることにより、基板1003が複数の単位基板1003bに分割されて、各単位基板1003b毎に電子部品1001が接合された電子部品組立体が作製されることになる。
【0143】
また、図13に示すように、X軸方向における基板1003への各電子部品1001の配置は、一定の間隔Aでもって配列されている。また、第1ステージ1035に固定されている基板1003(図13における下側)と第2ステージ1036に固定されている基板1003(図13における上側)においては、同様な配置にて各電子部品1001が夫々の基板1003に接合可能に配置されている。また、第1ステージ1035及び第2ステージ1036においては、夫々の基板1003上の同じ位置におけるY軸方向の配置間隔を間隔Bとして、夫々の基板1003が固定されている。従って、夫々の基板1003において、上記2行5列のうちの上記行の各電子部品1001の夫々の配列を第1列及び第2列とすると、第1ステージ1035における基板1003の第1列と第2ステージ1036における基板1003の第1列の間隔が上記間隔Bと同じとなり、さらに、第1ステージ1035における基板1003の第2列と第2ステージ1036における基板1003の第2列の間隔も上記間隔Bとなっている。
【0144】
また、各押圧ヘッドユニット1010においては、メインフレーム1020を挟んで線対称の位置に配置されている互いに押圧ヘッドユニット1010の間隔(すなわちY軸方向の配置間隔)は、上記間隔Bと同じとなっており、また、各押圧ヘッドユニット1010のX軸方向における配置の上記間隔ピッチPは、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により上記間隔Aと同じ間隔とすることが可能となっている。
【0145】
これにより、Y軸方向移動機構1033により第1ステージ1035及び第2ステージ1036をY軸方向に進退移動させて、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に固定された各基板1003上の夫々の上記第1列上における各電子部品1001を夫々の押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能となる位置に、第1ステージ1035及び第2ステージ1036を位置させることができ、また、同様に夫々の上記第2列上における各電子部品1001を同時的に押圧可能となる位置に、第1ステージ1035及び第2ステージ1036を位置させることができる。
【0146】
なお、メインフレーム1020を挟んで線対称の位置に配置されている夫々の押圧ヘッドユニット1010の間隔(すなわちY軸方向の配置間隔)を上記夫々の配置を線対称の位置に保ちながら可変することができる別の間隔可変機構が、さらにメインフレーム1020に備えられている場合であってもよい。このような場合にあっては、上記各基板1003の夫々の第1列又は夫々の第2列のY軸方向における間隔Bが基板1003の種類等により異なるような場合であっても、上記別の間隔可変機構により上記夫々の押圧ヘッドユニット1010のY軸方向の間隔を可変させて上記間隔Bに合致するようにすることができる。なお、この上記別の間隔可変機構の一例としては、ヘッドユニットピッチ可変機構1031やX方向移動機構1032と同様に、ボールねじ軸部、ナット部、及びモータ等により構成されるボールねじ機構を用いたものがある。
【0147】
また、図14(A)に示すように、各電子部品1001は各半田バンプ1002が基板1003の各パッド1003aの上に配置された状態で部品押圧接合装置1101に供給されるが、この配置状態を保持するために、基板1003に取り付けられてかつ基板1003上に配置された各電子部品1001を支持する部品支持機構の一例である部品支持トレー1006が基板1003に取り付けられた状態にて部品押圧接合装置1101に供給される。
【0148】
部品支持トレー1006は、その上面部分が四角形プレート状に形成され、かつその対向する1組の端部がコ字状に折り曲げられて形成されている。基板1003のY軸方向における互いに対向する端部に部品支持トレー1006の上記夫々のコ字状の端部を解除可能に取り付けることにより、基板1003の上面全体を覆うように部品支持トレー1006を基板1003に取り付けることが可能となっている。
【0149】
電子部品1001を支持している状態の部品支持トレー1006の部分平面図を図20に示す。図20に示すように、各電子部品1001が配置された基板1003に部品支持トレー1006が取り付けられた状態において、上記電子部品1001の上部が部品支持トレー1006の上面内側に接触しないように、部品支持トレー1006の上記上面においては各電子部品1001の配置位置に合わせた複数の切り欠き部1006bが形成されている。すなわち、切り欠き部1006bと電子部品1001との間には所定の隙間が設けられており、電子部品1001の基板1003に対するその配置が補正されるような場合であっても、電子部品1001は切り欠き部1006bに接触しないようになっている。また、電子部品1001の吸着ノズル1011による押圧接合の際においても、吸着ノズル1011は切り欠き部1006bに接触しないようになっている。さらに、部品支持トレー1006においては、各切り欠き部1006bの内側に電子部品1001が位置するように形成されており、各切り欠き部1006bの内側においては、夫々の内側に位置された上記電子部品1001をその対向する二方の側部より解除可能に支持する複数の支持ジグ1006aが備えられており、上記2行5列に電子部品3が配置された基板1003において、上記行毎の各電子部品1001を夫々の支持ジグ1006aにより一斉に支持または支持解除することが可能となっている。なお、電子部品1001の支持を行う場合、支持ジグ1006aは切り欠き部1006bの内側より電子部品1001の側部側へと突出されて電子部品1001の側部を支持し、また、電子部品1001の支持解除を行う場合、支持ジグ1006aは切り欠き部1006bの内側へと格納される。
【0150】
これにより、部品支持トレー1006を用いて各電子部品1001の基板1003への配置を保持した状態で、部品押圧接合装置1101に上記基板1003の供給を行うことができ、上記供給時における各電子部品1001の上記配置のずれを防止することができる。
【0151】
なお、部品支持トレー1006において、支持ジグ1006aによる電子部品1001の支持は上記対向する二方の側部より支持する場合に限定されず、四方の側部より支持する場合、又は電子部品1001の対向する隅部より支持する場合、又は電子部品1001の上面より支持する場合であってもよく、つまり、基板1003への各電子部品1001の配置を保持するという目的を達成できる手段であればよい。また、上記行毎の各電子部品1001を支持ジグ1006aにより一斉に支持又は支持解除する場合に代えて、各電子部品1001の支持ジグ1006aによる支持又は支持解除を個別に行う場合、又は、基板1003に配置された全ての電子部品1001への支持又は支持解除を一斉に行う場合であってもよい。
【0152】
また、図13においては、各電子部品1001の基板1003への接合位置の配置が、2行5列かつX軸方向に一定の間隔Aでもって配列されている場合について説明したが、上記各電子部品1001の接合位置の配置は上記配置に限定されるものではなく、例えば、2行3列かつX軸方向に上記間隔Aの2倍の間隔2Aでもって配列されているような場合であってもよい。
【0153】
なお、図13においては、電子部品1001と、基板1003、及び押圧ヘッドユニット1010の配置関係の説明を目的とする図であるため、便宜上、部品支持トレー1006を省略した図としている。
【0154】
次に、部品押圧接合装置1101を用いて各電子部品1001を基板1003上に接合する方法について説明する。また、以下において説明する電子部品1001の接合動作は制御部1009により制御されて行われる。
【0155】
まず、図11において、基板1003に取り付けられた部品支持トレー1006により各電子部品1001の配置が保持された状態の2枚の基板1003が、ローダー1037のレール上で夫々の端部が支持されながら、ローダー1037の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、スライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036の夫々のレール1035a及び1036a上に供給されて固定される。
【0156】
次に、図11において、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させるとともに、X軸方向移動機構1032により各押圧ヘッドユニット1010を図示X軸方向に移動させて、第1ステージ1035に固定されている基板1003の図13における第1列に配置されている各電子部品1001、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第1列に配置されている各電子部品1001を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。
【0157】
この位置合わせは、制御部1009において予め入力されている基板1003における基準の位置が各押圧ヘッドユニット1010に対して所定の位置に位置するように行われる。また、このような場合に代えて、押圧ヘッドユニット1010が基板1003における基準の位置を認識可能な撮像部を備え、上記撮像部により基板1003における上記基準の位置の認識を行うことにより位置合わせを行うような場合であってもよい。
【0158】
また、このとき、各押圧ヘッドユニット1010のX軸方向における配列の間隔ピッチと各基板1003上の各電子部品1001のX軸方向における配列の間隔Aとが異なっているような場合にあっては、制御部1009において予め入力されている各基板1003の上記間隔Aのデータに基づいて、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチを可変させて、各押圧ヘッドユニット1010及び基板1003における夫々の上記間隔ピッチを合致させるようにする。
【0159】
上記位置合わせが完了したとき、X軸方向移動機構1032及びY軸方向移動機構1033における移動動作を停止させ、その後、図14(B)に示すように、部品支持トレー1006の各支持ジグ1006aによる各基板1003への上記第1列に配置されている各電子部品1001の配置位置の支持を支持解除の状態とさせる。なお、このとき各基板1003における第2列に配列されている各電子部品1001の配置位置の支持は解除されず支持された状態のままとなっている。
【0160】
その後、図14(C)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010が備える昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各吸着ノズル1011の先端を各電子部品1001の上面に当接させるとともに、各電子部品1001の上面を各吸着ノズル1011により吸着保持する。さらに、昇降部1019による上記下降動作を行うことにより各電子部品1001に押圧力を加えて、夫々の基板1003上に単に配置された状態にあった各電子部品1001の各半田バンプ1002を各基板1003の各パッド1003aに押圧しながら確実に接触させて、半田バンプ1002をパッド1003aに圧接させた状態とさせる。
【0161】
ここで「圧接」とは、押圧力を部材間に加えることにより、上記部材間の接触性が高められた接触状態を意味する。上記の場合、半田バンプ1002をパッド1003aに押圧させることにより、半田バンプ1002のその形状をつぶすことなく変形させながら確実にパッド1003aに接触させた状態のことである。また、この状態においては、電子部品1001又は基板1003に外力を加えることにより、電子部品1001及び基板1003を破壊することなく、電子部品1001と基板1003との上記接触状態を容易に解除することが可能となっている。
【0162】
この圧接の後、図15(D)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に、セラミックヒータ1012により吸着ノズル1011への加熱が行われ、各吸着ノズル1011に吸着保持されかつ基板1003の各パッド1003aに圧接されている電子部品1001の各半田バンプ1002の溶融加熱が開始される。さらに、セラミックヒータ1012による吸着ノズル1011への加熱温度が昇温され、上記加熱温度が各半田バンプ1002を形成している半田の融点以上の温度に達すると各半田バンプ1002の溶融が開始される。
【0163】
ここで「溶融加熱」とは、半田バンプ1002等の接合材を半田の融点以上の温度まで加熱して、半田を溶融させることを目的とする加熱を意味する。従って、予め接合材を溶融させることなく一定の温度まで予備的に加熱させておくことを目的とするいわゆる予備加熱の開始は上記溶融加熱の開始とは異なるものである。
【0164】
上記各半田バンプ1002が完全に溶融された状態となった後、図15(E)に示すように、各セラミックヒータ1012による加熱が停止されて、上記溶融状態の半田に各冷却ブローノズル1014からの冷風による固化冷却が個別に施されて、上記半田が固化される。この上記半田の固化により、図13における夫々の基板1003の第1列に配列されている各電子部品1001の各電極1001aと各基板1003の各パッド1003aとが半田を介在させて接合される。なお、溶融状態の半田への冷却ブローノズル1014による強制的な冷却により上記半田を固化させる場合に代えて、溶融された半田を自然冷却することにより半田を固化させるような場合であってもよい。
【0165】
その後、図15(F)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に吸着ノズル1011による電子部品1001への吸着保持を解除し、夫々の昇降部1019により上記夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別に上昇させる。
【0166】
ここで「個別」とは、夫々の押圧ヘッドユニット1010の各動作を他の押圧ヘッドユニットの動作に対して独立的に制御されて行うことである。例えば、夫々の電子部品1001において半田バンプ1002の高さが異なっており、基板1003に対する電子部品1001の上面高さ位置が異なっているような場合にあっては、夫々の押圧ヘッドユニット1010による上記圧接のタイミングも異なることになるが、夫々の圧接の後、セラミックヒータ1012により各半田バンプ1002への溶融加熱を独立したタイミングにて開始するというようなことを意味するものである。
【0167】
このように、各電子部品1001を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行い、昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各電子部品1001を各吸着ノズル1011により吸着保持し、さらに、昇降部1019による上記下降動作により各電子部品1001に押圧力を加えて、基板1003上に単に配置された状態にあった各電子部品1001の各半田バンプ1002を各基板1003の各パッド1003aに押圧しながら確実に接触させて、半田バンプ1002をパッド1003aに圧接させて溶融固定させるとき、第1実施形態に適用した部品保持方法を使用して、同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応する電子部品1001とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記電子部品1001の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。
【0168】
次に、残りのグループのうちから同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応する電子部品1001とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記電子部品1001の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。さらに、残ったグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応する電子部品1001とのグループ)があれば、そのグループの押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、その押圧ヘッドユニット1010のみを下降させて、上記電子部品1001の吸着及び圧接させて溶融固定を行う。
【0169】
次に、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させて、図13における第1ステージ1035に固定されている基板1003の第2列に配置されている各電子部品1001、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第2列に配置されている各電子部品1001を、各押圧ヘッドユニット1010により個別かつ同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。このとき、夫々の上記第2列に配置されている各電子部品1001の配置位置は支持された状態であるため、基板1003の移動により上記配置位置のずれが発生することはない。その後、各部品支持トレー1006による上記夫々の第2列における各電子部品1001の支持を解除して、各基板1003の上記第1列に配列されている各電子部品1001の押圧接合動作と同様に、上記作業を行い、各基板1003の第2列に配列されている各電子部品1001の各電極を各基板1003の各パッド1003aに半田を介在させて接合させる。
【0170】
これにより、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に固定されている夫々の基板1003上に配置されていた全ての電子部品1001が、精度良く動じ吸着動作を行いながら、夫々の基板1003に接合されたことになる。
【0171】
その後、図11において、夫々の基板1003がスライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上よりアンローダー1038のレール上に取り出され、アンローダー1038の移動機構により図示X軸方向右向きに移動されて、上記夫々の基板1003が部品押圧接合装置1101より排出される。
【0172】
なお、上記においては、接合材が電子部品1001の各電極1001aに予め形成された各半田バンプ1002である場合について説明したが、このような場合に代えて、接合材が電子部品1001の各電極1001aに予め形成された各半田バンプ及び基板1003の各パッド1003a上に予め形成された各半田部であり、上記各半田バンプと上記各半田部とを接合するような場合であってもよく、また、接合材が基板1003の各パッド1003a上に予め形成された各半田部であり、上記各半田部を介して電子部品1001の各電極1001aと基板1003の各パッド1003aとを接合するような場合であってもよい。また、半田材料で形成された上記半田バンプ又は半田部に代えて、例えば、AuやAl等の導電性金属材料により形成されたバンプ等が接合材として用いられる場合であってもよい。
【0173】
さらに、電子部品1001の各電極1001a上、又は基板1003の各パッド1003a上、又は接合材である各半田バンプ1002等に、各接合部分における表面の酸化膜を除去し、溶融半田の濡れ性を良好とさせることができるフラックスを予め塗布により、供給してもよい。なお、塗布供給されたフラックスの種類により、電子部品1001を基板1003に接合後、塗布供給されたフラックスを洗浄による除去を行う場合もある。
【0174】
次に、部品押圧接合装置1101を用いて、基板1003上に接合された各電子部品1001に部品の一例であるヒートスプレッダ1005を接合する方法について説明する。なお、以下において説明するヒートスプレッダ1005の接合動作は制御部1009により制御されることにより行われる。
【0175】
図16及び図17は、電子部品1001、基板1003及びヒートスプレッダ1005を模式的に示す断面図を用いて、ヒートスプレッダ1005の押圧接合手順を模式的に示す説明図である。
【0176】
ヒートスプレッダ1005は、四角形プレート状でありかつ下面中央部分に電子部品1001の上部全体を覆うことが可能なような凹部1005aを備えて形成されている。なお、ヒートスプレッダ1005の表面の一部又は全体に、放熱性を良好とさせるための放熱フィンが多数形成されている場合であってもよい。
【0177】
図16(A)に示すように、基板1003に接合された各電子部品1001の背面には、凹部1005a内側に接合材の一例であるインジウム接合材1004が供給された各ヒートスプレッダ1005が、インジウム接合材1004を介して配置されている。これら各ヒートスプレッダ1005の配置位置を保持するために、上記部品支持トレー1006と同様な構造に形成されかつ各ヒートスプレッダ1005を支持する部品支持トレー1007が基板1003に取り付けられている。なお、上記ヒートスプレッダ1005の「配置」とは、上記において説明した電子部品1001の「配置」と同意である。
【0178】
部品支持トレー1007は、上記部品支持トレー1006と同様に、その上面部分が四角形プレート状に形成され、かつその対向する1組の端部がコ字状に折り曲げられて形成されている。また、基板1003のY軸方向における互いに対向する端部に部品支持トレー1007の上記夫々のコ字状の端部を解除可能に取り付けることにより、基板1003の上面全体を覆うように部品支持トレー1007を基板1003に取り付けることが可能となっている。
【0179】
ヒートスプレッダ1005を支持している状態の部品支持トレー1007の部分平面図を図21に示す。図21に示すように、各ヒートスプレッダ1005が配置された基板1003に部品支持トレー1007が取り付けられた状態において、上記ヒートスプレッダ1005の上部が部品支持トレー1007の上面内側に接触しないように、部品支持トレー1007の上記上面においては各ヒートスプレッダ1005の配置位置に合わせた複数の切り欠き部1007bが形成されている。すなわち、切り欠き部1007bとヒートスプレッダ1005との間には所定の隙間が設けられており、ヒートスプレッダ1005の電子部品1001に対するその配置(基板1003に対するその配置でもある)が補正されるような場合であっても、ヒートスプレッダ1005は切り欠き部1007bに接触しないようになっている。また、ヒートスプレッダ1005の吸着ノズル1011による押圧接合の際においても、吸着ノズル1011は切り欠き部1007bに接触しないようになっている。さらに、部品支持トレー1007においては、各切り欠き部1007bの内側にヒートスプレッダ1005が位置するように形成されており、各切り欠き部1007bの内側においては、夫々の内側に位置された上記ヒートスプレッダ1005をその対向する二方の側部より解除可能に支持する複数の支持ジグ1007aが備えられており、上記2行5列にヒートスプレッダ1005が配置された基板1003において、上記行毎の各ヒートスプレッダ1005を夫々の支持ジグ1007aにより一斉に支持または支持解除することが可能となっている。なお、ヒートスプレッダ1005の支持を行う場合、支持ジグ1007aは切り欠き部1007bの内側よりヒートスプレッダ1005の側部側へと突出されてヒートスプレッダ1005の側部を支持し、また、ヒートスプレッダ1005の支持解除を行う場合、支持ジグ1007aは切り欠き部1007bの内側へと格納される。
【0180】
これにより、部品支持トレー1007を用いて各ヒートスプレッダ1005の基板1003への配置を保持した状態で、部品押圧接合装置1101に上記基板1003の供給を行うことができ、上記供給時において各ヒートスプレッダ1005の上記配置のずれを防止することができる。
【0181】
まず、図11において、基板1003に取り付けられた部品支持トレー1007により各ヒートスプレッダ1005の配置が保持された状態の2枚の基板1003が、ローダー1037のレール上で夫々の端部が支持されながら、ローダー1037の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、スライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036のレール1035a及び1036a上に供給されて固定される。
【0182】
次に、図11において、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させるとともに、X軸方向移動機構1032により各押圧ヘッドユニット1010を図示X軸方向に移動させて、図13における第1ステージ1035に固定されている基板1003の第1列における各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第1列における各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。
【0183】
この位置合わせは、制御部1009において予め入力されている基板1003における基準の位置が各押圧ヘッドユニット1010に対して所定の位置に位置するように行われる。また、このような場合に代えて、押圧ヘッドユニット1010が基板1003における基準の位置を認識可能な撮像部を備え、上記撮像部により基板1003における上記基準の位置の認識を行うことにより位置合わせを行うような場合であってもよい。
【0184】
また、このとき、各押圧ヘッドユニット1010のX軸方向における配列の間隔ピッチと各基板1003上の各ヒートスプレッダ1005のX軸方向における配列の間隔ピッチ(すなわち、各電子部品1001のX軸方向における配列の間隔A)とが異なっているような場合にあっては、制御部1009において予め入力されている各基板1003の上記間隔Aのデータに基づいて、ヘッドユニットピッチ可変機構1031により各押圧ヘッドユニット1010の上記間隔ピッチを可変させて、各押圧ヘッドユニット1010及び基板1003における夫々の上記間隔ピッチを合致させるようにする。
【0185】
上記位置合わせが完了したとき、X軸方向移動機構1032及びY軸方向移動機構1033における移動動作を停止させ、その後、図16(B)に示すように、部品支持トレー1007の各支持ジグ1007a支持ジグ1007aによる上記第1列に配置されている各ヒートスプレッダ1005の配置位置の支持を支持解除の状態とさせる。なお、このとき各基板1003における第2列に配置されている各電子部品1001の配置位置の支持は解除されずに支持された状態のままとなっている。
【0186】
その後、図16(C)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010が備える昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各吸着ノズル1011の先端を各ヒートスプレッダ1005の上面に当接させるとともに、各ヒートスプレッダ1005の上面を各吸着ノズル1011により吸着保持する。さらに、昇降部1019による上記下降動作を行うことにより、各ヒートスプレッダ1005に押圧力を加えて、各電子部品1001上に単に配置された状態にある各ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側底面を各電子部品1001の上面の大略全面にインジウム接合材1004を介在させて確実に面接触させて圧接させた状態とさせる。
【0187】
この圧接の後、図17(D)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に、セラミックヒータ1012により吸着ノズル1011への加熱が行われ、各吸着ノズル1011に吸着保持されているヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側の各インジウム接合材1004が溶融加熱される。さらに、セラミックヒータ1012による吸着ノズル1011への加熱温度が昇温され、上記加熱温度がインジウム接合材1004の融点以上の温度に達するとインジウム接合材1004の溶融が開始される。
【0188】
ここで、インジウム接合材1004の溶融加熱の際に、電子部品1001を基板1003に接合している半田も加熱されることになるが、インジウム接合材1004は融点約160℃〜180℃のインジウムにより形成されているのに対して、例えば、電子部品1001を基板1003に接合している半田に融点約230℃の高温半田を用いることにより、セラミックヒータ1012による吸着ノズル1011への加熱温度を、上記インジウムの融点以上かつ上記高温半田の融点未満の範囲の温度まで昇温させることにより、電子部品1001を基板1003に接合している上記半田が再び溶融されることはない。従って、電子部品1001と基板1003との半田を介した接合に影響を与えることなく、電子部品1001へのヒートスプレッダ1005のインジウム接合材1004を介した押圧接合を行うことができる。
【0189】
各インジウム接合材1004が完全に溶融された状態となった後、図17(E)に示すように、各セラミックヒータ1012による加熱が停止されて、各ヒートスプレッダ1005を介して上記溶融状態のインジウム接合材1004に各冷却ブローノズル1014からの冷風による固化冷却が個別に施されて、各インジウム接合材1004が固化される。この上記各インジウム接合材1004の固化により、夫々の基板1003の第1列に接合されている各電子部品1001の上面にヒートスプレッダ1005がインジウム接合材1004を介在させて接合される。なお、上記溶融状態のインジウム接合材1004への冷却ブローノズル1014による強制的な冷却によりインジウム接合材1004を固化させる場合に代えて、溶融されたインジウム接合材1004を自然冷却することにより固化させる場合であってもよい。
【0190】
その後、図17(F)に示すように、夫々の押圧ヘッドユニット1010において個別に吸着ノズル1011によるヒートスプレッダ1005への吸着保持を解除し、夫々の昇降部1019により上記夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別に上昇させる。
【0191】
このように、各ヒートスプレッダ1005を、各押圧ヘッドユニット1010により同時的に押圧可能なように位置合わせを行い、昇降部1019により、夫々の押圧ヘッドユニット1010を個別かつ同時的に下降させ、各ヒートスプレッダ1005を各吸着ノズル1011により吸着保持し、さらに、昇降部1019による上記下降動作により各ヒートスプレッダ1005に押圧力を加えて、各電子部品1001上に単に配置された状態にある各ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側底面を各電子部品1001の上面の大略全面にインジウム接合材1004を介在させて確実に面接触させて圧接し固定させるとき、第1実施形態に適用した部品保持方法を使用して、同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応するヒートスプレッダ1005とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010を同時的に押圧可能なように位置合わせを行ったのち、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記ヒートスプレッダ1005の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。
【0192】
次に、残りのグループのうちから同時吸着可能な複数のグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応するヒートスプレッダ1005とのグループ)を抽出して、抽出されたグループの複数の押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、それらの複数の押圧ヘッドユニット1010のみを同時的に下降させて、上記ヒートスプレッダ1005の同時吸着及び圧接させて溶融固定を行うことができる。さらに、残ったグループ(押圧ヘッドユニット1010とそれに対応するヒートスプレッダ1005とのグループ)があれば、そのグループの押圧ヘッドユニット1010の昇降部1019により、その押圧ヘッドユニット1010のみを下降させて、上記ヒートスプレッダ1005の吸着及び圧接させて溶融固定を行う。
【0193】
次に、Y軸方向移動機構1033によりスライドベース1034を図示Y軸方向左向きに移動させて、図13における第1ステージ1035に固定されている基板1003の第2列に接合されている各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005、及び第2ステージ1036に固定されている基板1003の第2列に接合されている各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005を、各押圧ヘッドユニット1010により個別かつ同時的に押圧可能なように位置合わせを行う。このとき、夫々の上記第2列に配置されている各ヒートスプレッダ1005の配置位置は支持された状態であるため、基板1003の移動により上記配置位置のずれが発生することはない。その後、部品支持トレー1007による上記夫々の第2列における各ヒートスプレッダ1005の支持を解除して、各基板1003の上記第1列の各電子部品1001の上面に配置されている各ヒートスプレッダ1005の押圧接合動作と同様に、上記作業を行い、各基板1003の第2列の各電子部品1001の上面に各ヒートスプレッダ1005を各インジウム接合材1004を介在させて接合させる。
【0194】
これにより、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に固定されている夫々の基板1003の各電子部品1001の上面に配置されていた各ヒートスプレッダ1005が接合されたことになる。
【0195】
その後、図11において、夫々の基板1003が、スライドベース1034上の第1ステージ1035及び第2ステージ1036の各レール1035a及び1036a上よりアンローダー1038のレール上に取り出され、アンローダー1038の移動機構により、図示X軸方向右向きに移動されて、上記夫々の基板1003が部品押圧接合装置1101より排出される。
【0196】
なお、上記においては、接合材であるインジウム接合材1004が、ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側に予め供給されている場合について説明したが、接合材が基板1003に接合されている電子部品1001の上面に予め供給されている場合、又は、ヒートスプレッダ1005の凹部1005a内側及び電子部品1001の上面にともに予め供給されている場合であってもよい。
【0197】
次に、部品押圧接合装置1101における押圧ヘッドユニット1010の構造について、押圧ヘッドユニット1010の構造を示す断面図(図11におけるX軸方向より見た断面図)である図12を用いて詳細に説明する。
【0198】
図12において、押圧ヘッドユニット1010は、電子部品1001又はヒートスプレッダ1005への押圧動作、吸着保持動作、加熱冷却動作等を施す押圧ヘッドユニット下部1010aと、押圧ヘッドユニット下部1010aの昇降動作を行う押圧ヘッドユニット上部1010bにより構成されている。
【0199】
押圧ヘッドユニット下部1010aは、その下方先端側より上方側へ順に、電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を吸着保持可能かつ押圧可能な吸着ノズル1011と、この吸着ノズル1011を加熱することによりこの吸着ノズル1011に吸着保持された電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を加熱するセラミックヒータ1012と、このセラミックヒータ1012よりの熱が押圧ヘッドユニット上部1010bへ伝わらない様に熱遮断を行う断熱部の一例であるウォータージャケット1013と、このウォータージャケット1013の上部に取り付けられた軸部の一例である軸1015と、軸1015の上部に取り付けられかつ押圧力を検出する検出装置の一例であるロードセル1016、及び軸1015の下部周囲に取り付けられかつセラミックヒータ1012により加熱された電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を冷風により冷却する冷却ブローノズル1014とを備えている。
【0200】
また、押圧ヘッドユニット上部1010bは、押圧ヘッドユニット下部1010aの昇降動作を図11におけるZ軸方向に沿った軸である昇降動作軸S沿いに行う昇降部1019、及び昇降部1019のナット部1019dに取り付けられかつ昇降部1019のボールねじ軸1019b上を昇降動作可能なヘッドユニットフレーム1018とを備えている。
【0201】
昇降部1019は、剛体により形成された概略コ字状の縦断面形状を有する昇降部フレーム1019cと、その軸心回りに正逆回転可能にかつ上記軸心を略鉛直方向沿いとして上記昇降部フレーム1019cに取り付けられたボールねじ軸部1019bと、上記ボールねじ軸部1019bの下部に螺合されかつヘッドユニットフレーム1018が固定されたナット部1019d、及び上記昇降部フレーム1019cの上端に固定されかつ上記ボールねじ軸部1019bの上端を固定して上記ボールねじ軸部1019bの上記軸心回りの正逆回転を行うモータ1019aとを備えている。なお、ボールねじ軸部1019bの上記軸心が、昇降部1019の上記昇降動作軸Sとなっている。
【0202】
また、ヘッドユニットフレーム1018は、剛体により形成されかつ大略円筒状の形状を有しており、その上記円筒状の内部上部において、昇降部1019のボールねじ軸部1019bの下部を貫通させるように、ナット部1019dに取り付けられている。
【0203】
また、ヘッドユニットフレーム1018の図示右側の側部には弾性体の一例である自重相殺スプリング1017の一方の端部が取り付けられかつ突起状に凸部が形成されたスプリング受部1018aが形成されている。
【0204】
さらに、押圧ヘッドユニット下部1010aにおける軸部1015の図示右側の上部側部にも突起状に凸部が形成されたスプリング受部1015aが形成されて、このスプリング受部1015aに自重相殺スプリング1017の他方の端部が取り付けられている。上記夫々のスプリング受部1018a及び1015aに両端部が固定された自重相殺スプリング1017により、押圧ヘッドユニット下部1010aの自重が相殺されてヘッドユニットフレーム1018が押圧ヘッドユニット下部1010aを支えている。
【0205】
また、ここで、図12において、部品押圧接合装置1101において、門型形状のメインフレーム1020は、その一方の端部を機台に固定された2本の角柱状の剛体と上記2本の剛体の夫々の他方の端部を横方向に渡すように上記夫々の他方の端部に固定された角柱状の剛体とにより、その門型形状を形成している第1フレーム1020aと、第1フレーム1020aの上記2本の剛体にその両端部が固定されかつ第1フレーム1020aの上記横方向の剛体の下方に設けられた角柱状の剛体である第2フレーム1020b、及び第2フレーム1020bの下方に設けられかつ第2フレーム1020bと同様に第1フレーム1020aの上記2本の剛体にその両端部が固定された第3フレーム1020cとにより構成されている。
【0206】
また、図12に示すように、上記昇降動作軸に沿って昇降部フレーム1019cにLMレール1021が固定されており、LMレール1021に係合されかつLMレール1021上を上記昇降動作軸S沿いの方向(すなわちZ軸方向)に移動可能なLMブロック1022がヘッドユニットフレーム1018の図示左端に固定されている。ここでLMレール及びLMブロックとは直線的移動機構を構成する部材の一例であり、略直線状のレールであるLMレール及び当該LMレールに係合されたLMブロックにより、上記LMブロックを上記LMレールに沿って、すなわち略直線的に移動可能としている。これにより、ヘッドユニットフレーム1018は上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作が可能となっている。
【0207】
また、図12において、メインフレーム1020の第2フレーム1020bの図示右側の側部には、図11におけるX軸方向に沿ってLMレール1023が上下一対に固定されており、また夫々のLMレール1023に係合されたLMブロック1024に上記昇降部フレーム1019cに固定されているLMレール1021が固定されている。夫々のLMブロック1024が夫々のLMレール1023に沿って移動可能となっていることにより、押圧ヘッドユニット上部1010bは、上記X軸方向に沿って移動可能となっている。
【0208】
また、図12において、メインフレーム1020の第2フレーム1020bと同様に第3フレーム1020cの図示右側の側部にも、上記X軸方向に沿ってLMレール1025が固定されており、また、LMレール1025上をLMレール1025に沿って移動可能に係合されたLMブロック1026には、上記昇降動作軸S沿いの方向に沿った別のLMレール1027が取り付けられており、さらに、LMレール1027上をLMレール1027に沿って移動可能(すなわち上記昇降動作軸S沿いに移動可能)に係合されたLMブロック1028LMブロック1028には、押圧ヘッドユニット下部1010aの軸1015が図示左側のその側部で固定されている。LMブロック1028がLMレール1027に沿って移動可能となっていることにより、軸1015は上記昇降動作軸Sに沿って昇降可能となっており、さらに、LMブロック1026がLMレール1025に沿って移動可能となっていることにより、軸1015は上記X軸方向に沿って移動可能となっている。つまり、押圧ヘッドユニット下部1010aは、上記昇降動作軸Sに沿って昇降可能であり、かつ上記X軸方向に沿って押圧ヘッドユニット1010bとともに移動可能となっている。
【0209】
また、LMレール1027及びLMブロック1028は、軸1015の昇降動作を案内可能であるとともに、軸1015の上記昇降動作の下端を制限している。これにより、軸1015は、自重相殺スプリング1017を介してヘッドユニットフレーム1018に支えられながら、LMレール1027及びLMブロック1028に案内されて上記昇降動作が可能であるとともに、自重相殺スプリング1017が破損等により軸1015を支持することができなくなったような場合においても、LMレール1027及びLMブロック1028が軸1015をその上記昇降動作の上記下端にて支えることができ、軸1015の落下を防止を可能としている。
【0210】
また、その押圧力検出面を上面として軸1015の上部に取り付けられているロードセル1016は、ヘッドユニットフレーム1018に取り付けられて軸1015を支えている自重相殺スプリング1017により、ロードセル1016の押圧力検出面がヘッドユニットフレーム1018の下端に常時押圧されて接された状態とされている。これにより、ロードセル1016の荷重検出面において、押圧ヘッドユニット下部1010aの軸1015のZ軸方向上向きに働く押圧力が検出可能となっている。
【0211】
また、昇降部1019において、モータ1019aによりボールねじ軸部1019bを正逆回転させることにより、ナット部1019dに固定されかつLMレール1021及びLMガイド1022により上記正逆回転の方向に固定されているヘッドユニットフレーム1018が上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作されるが、この昇降動作により、ヘッドユニットフレーム1018の下端に常時当接された状態とされているロードセル1016を備える押圧ヘッドユニット下部1010a全体も、上記昇降動作軸Sに沿って昇降動作される。
【0212】
また、吸着ノズル1011、セラミックヒータ1012、ウォータージャケット1013、冷却ブローノズル1014、軸1015、ロードセル1016、及びヘッドユニットフレーム1018の各中心は同軸上に配置されており、この軸は昇降部1019による昇降動作軸Sと一致するように配置されているため、昇降部1019による昇降動作により、吸着ノズル1011、セラミックヒータ1012、ウォータージャケット1013、冷却ブローノズル1014、軸1015、及びロードセル1016は、昇降動作軸S上において、昇降動作可能となっている。
【0213】
また、押圧ヘッドユニット上部1010bは、LMレール1021、LMブロック1024及びLMレール1023を介してメインフレーム1020における第2フレーム1020bに支持されており、一方、押圧ヘッドユニット下部1010aは、自重相殺スプリング1017を介して押圧ヘッドユニット上部1010bにより支持されている。従って、押圧ヘッドユニット1010の自重は第2フレーム1020bに加えられることとなり、各押圧ヘッドユニット1010の自重により第2フレーム1020bが多少たわむ場合も考えられるが、上記自重が加えられないような構造とされている第3フレーム1020cにおいては、上記第2フレーム1020bにおけるたわみと比較する限りそのたわみはほとんど発生しない。上記第2フレーム1020bにおいて上記たわみが発生した場合には、押圧ヘッドユニット上部1010bにおける昇降動作軸Sが上記たわみに応じて略鉛直方向より傾斜されることとなるが、押圧ヘッドユニット下部1010aは押圧ヘッドユニット上部1010bと分離構造とされていること、及び押圧ヘッドユニット1010aの昇降動作軸S上における昇降動作を案内する第3フレーム1020cにはたわみが発生しないことにより、押圧ヘッドユニット下部1010aの昇降動作は上記第2フレーム1020bのたわみ、すなわち、各押圧ヘッドユニット1010の自重による影響を受けることがない。従って、押圧ヘッドユニット下部1010aにおいては、常に略鉛直方向に沿った昇降動作を行うことができ、吸着ノズル1011の先端面と第1ステージ1035及び第2ステージ1036とを常に略平行に保つことができ、部品の押圧動作を正確に行うことが可能となっている。
【0214】
また、軸1015の下部周囲である軸下部1015bの周囲に取り付けられている冷却ブローノズル1014は、軸1015の下方に位置するウォータージャケット1013及びセラミックヒータ1012の側面を回り込むように形成され、さらに、冷却ブローノズル1014の先端は吸着ノズル1011の下面である部品の吸着保持面に向けられており、冷却ブローノズル1014よりの冷風が吸着ノズル1011に吸着保持された電子部品1001又はヒートスプレッダ1005を冷却可能となっている。
【0215】
また、制御部1009は、吸着ノズル1011の吸着動作、セラミックヒータ1012の加熱動作、冷却ブローノズル1014の冷却動作及び昇降部1019の移動動作を制御し、ロードセル1016にて検出された押圧力が制御部1009に出力されて、上記押圧力に基づいて昇降部1019の動作等が制御されるように構成されている。
【0216】
ここで、部品押圧接合装置1101における制御系統図を図18に示す。部品押圧接合装置1101において、制御部1009は、部品押圧接合装置1101の各構成部の動作である昇降部1019のモータ1019aによる昇降動作、セラミックヒータ1012の加熱動作、冷却ブローノズル1014の冷却動作、吸着ノズル1011の吸着動作、X方向移動機構1032のモータによる移動動作、ヘッドユニットピッチ可変機構1031のモータによる移動動作、Y方向移動機構1033のモータによる移動動作、及びローダー1037及びアンローダー1038の移動機構のモータによる移動動作を制御し、さらに、ロードセル1016にて検出された押圧力が制御部1009に出力される。これにより、制御部1009の被制御部である上記各構成部が、制御部1009により相互に関連されながら制御されることにより、部品押圧接合装置1101において、電子部品1001及びヒートスプレッダ1005の基板1003への接合が施される。
【0217】
次に、押圧ヘッドユニット1010におけるロードセル1016により、電子部品1001と基板1003との圧接時、又はヒートスプレッダ1005と電子部品1001との圧接時の夫々において発生するZ軸方向における押圧力である接合押圧力を検出する方法について説明する。なお、電子部品1001と基板1003との上記圧接時、及びヒートスプレッダ1005と電子部品1001との上記圧接時における押圧力検出方法は同様であるため、以下においては電子部品1001と基板1003との上記圧接時においての場合についてのみ説明するものとする。
【0218】
まず、第1ステージ1035及び第2ステージ1036に供給され固定されている各基板1003上に配置されている各電子部品1001に対しての各押圧ヘッドユニット1010の位置合わせを行った後、各押圧ヘッドユニット1010が夫々の昇降部1019により個別かつ同時的に下降され、各電子部品1001の各半田バンプ1002が各基板1003の各パッド1003aに押圧されて圧接される。
【0219】
このとき、各押圧ヘッドユニット1010において昇降部1019によりヘッドユニットフレーム1018が下降されて、ロードセル1016の上記押圧力検出面に常時当接した状態にあるヘッドユニットフレーム1018の下端がロードセル1016を押し下げる力、すなわち、電子部品1001の各半田バンプ1002と基板1003の各パッド1003aとの間に発生した接合押圧力の反作用の力が、ロードセル1016の上記押圧力検出面をヘッドユニットフレーム1018の下端を押圧する力としてロードセル1016にて検出される。
【0220】
このようにしてロードセル1016において上記接合押圧力が検出され、ロードセル1016より検出された上記接合押圧力が制御部1009に出力されて、上記接合押圧力が制御部1009において予め設定された所定の接合押圧力(以降、設定押圧力とする)となるように、制御部1009により昇降部1019による押圧ヘッドユニット1010の下降動作が制御される。上記接合押圧力が上記設定押圧力に達したことがロードセル1016において検出されたとき、制御部1009において、電子部品1001の各半田バンプ1002が基板1003の各パッド1003aに圧接されたものとみなされる。
【0221】
また、上記第2実施形態によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品群・吸着中心座標のバラツキに応じて、押圧ヘッドユニット1010と部品との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができるので、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品であっても、複数個のノズルでの複数個の部品の同時吸着動作を確実に行うことができる。
【0222】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0223】
【発明の効果】
本発明によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品供給カセット群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズルと部品供給カセットとの各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができて、同時吸着動作可能なノズルと部品供給カセットの複数の組み合わせを確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0224】
また、本発明によれば、ノズル群・中心座標のバラツキと部品吸着位置群・吸着中心座標のバラツキに応じて、ノズルと部品吸着位置との各組み合わせにおける同時吸着動作の可否を判断することができて、同時吸着動作可能なノズルと部品吸着位置の複数の組み合わせを確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズルと部品吸着位置との複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品、特に、0603(0.6mm×0.3mm)のチップ部品や0402(0.4mm×0.2mm)のチップ部品などの微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【0225】
また、本発明にかかる記録媒体を使用して既存の部品実装装置に備えられたコンピュータで上記プログラムを実行させることにより、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの複数の組み合わせをコンピュータにより演算して確実に抽出させることができる。この結果、抽出された同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの複数の組み合わせにより、同時吸着保持を行わせれば、微小部品でも複数個の部品を複数個のノズルで同時的に吸着保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる部品実装装置の斜視図である。
【図2】上記第1実施形態の上記部品実装装置のノズル交換装置でのノズル交換動作時の斜視図である。
【図3】図1の部品実装装置の全体の詳細な平面図である。
【図4】上記部品実装装置の部品供給カセットでのテープ送り量の調整状態を説明するための部分拡大平面図である。
【図5】上記部品実装装置の上記部品供給カセットの部分側面図である。
【図6】(A),(B)はそれぞれ上記部品実装装置の吸着ノズルの拡大断面図及び底面図である。
【図7】上記部品実装装置の制御部と他の装置又は部材との関係を示すブロック図である。
【図8】上記実施形態にかかる部品保持方法のフローチャートである。
【図9】上記実施形態にかかる部品保持方法において一例としてのノズル中心座標のバラツキを示す説明図である。
【図10】上記実施形態にかかる部品保持方法において一例としての部品供給カセットの吸着中心座標のバラツキを示す説明図である。
【図11】本発明の第2実施形態にかかる部品押圧接合装置の一部を透過させた斜視図である。
【図12】上記第2実施形態の部品押圧接合装置が備える押圧ヘッドユニットの模式的な構造図である。
【図13】上記実施形態の部品押圧接合装置に供給される回路基板及び電子部品の配置を模式的に示す平面図である。
【図14】上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図15】上記実施形態の部品押圧接合方法における電子部品の回路基板への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図16】上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図17】上記実施形態の部品押圧接合方法におけるヒートスプレッダの電子部品への押圧接合方法を示す模式説明図である。
【図18】上記実施形態の部品押圧接合装置における制御系統図である。
【図19】上記実施形態のヘッドユニットピッチ可変機構及びX軸方向移動機構の構造を模式的に示す模式説明図である。
【図20】上記実施形態に部品押圧接合装置に供給される回路基板に配置された電子部品が支持されている状態の部品支持トレーの部分平面図である。
【図21】上記実施形態の部品押圧接合装置に供給される回路基板に配置されたヒートスプレッダが支持されている状態の部品支持トレーの部分平面図である。
【図22】上記第1実施形態にかかる部品保持方法を実施するための部品保持装置の演算部分のブロック構成図である。
【図23】上記第1実施形態にかかる部品保持方法にかかる同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体の構成図である。
【符号の説明】
1…ローダー、2,2−0,2−1,2−2,2−3…基板、3,13…基板搬送保持装置、4,14…作業ヘッド、5,15…XYロボット、6a…Y軸駆動部、6b,6c…X軸駆動部、7,17…ノズル交換装置、8A,8B,8C,18A,18B,18C…部品供給部材、9,19…認識カメラ、10…ノズル、10A…ノズル先端、10B…ノズルホルダ、11…アンローダー、16…実装装置基台、80…部品供給カセット、89…部品供給位置、90…認識カメラ、101…キャリアテープ、102…部品収納用凹部、103…部品、106…スプロケット、106a…スプロケットの上端端面、109…送り穴、200…部品実装作業領域、201…第1実装領域、202…第2実装領域、880…パルスモータ、881…歯車伝達機構、882…駆動歯車、901…中心平均座標演算部、902…補正値演算部、903…同時吸着判定部、904…演算制御部、905…中心平均座標演算部、910…メモリ、1000…制御部、1001…電子部品、1001a…電極、1002…半田バンプ、1003…回路基板、1003a…パッド、1003b…回路基板、1004…インジウム、1005…ヒートスプレッダ、1005a…凹部、1006…部品支持トレー、1006a…支持ジグ、1007…部品支持トレー、1007a…支持ジグ、1009…制御部、1010…押圧ヘッドユニット、1010a…押圧ヘッドユニット下部、1010b…押圧ヘッドユニット上部、1011…吸着ノズル、1012…セラミックヒータ、1013…ウォータジャケット、1014…冷却ブローノズル、1015…軸、1015a…スプリング受部、1015b…軸下部、1016…ロードセル、1017…自重相殺スプリング、1018…ヘッドユニットフレーム、1018a…スプリング受部、1019…昇降部、1019a…モータ、1019b…ボールねじ軸、1019c…昇降部フレーム、1019d…ナット部、1020…メインフレーム、1020a…第1フレーム、1020b…第2フレーム、1020c…第3フレーム、1021…LMレール、1022…LMブロック、1023…LMレール、1024…LMブロック、1025…LMレール、1026…LMブロック、1027…LMレール、1028…LMブロック、1031…ヘッドユニットピッチ可変機構、1031a…ボールねじ軸部、1031b…ナット部、1031c…モータ、1031d…軸受部、1032…X軸方向移動機構、1032a…ボールねじ軸部、1032b…ナット部、1032c…モータ、1033…Y軸方向移動機構、1034…スライドベース、1035…第1ステージ、1035a…レール、1036…第2ステージ、1036a…レール、1037…ローダー、1037a…レール、1038…アンローダー、1038a…レール、1101…部品押圧接合装置、1101a…作業部、1102…部品押圧接合装置、1137…ローダー、1138…アンローダ、A…間隔、B…間隔、C…切断線、D…切断線、P…間隔ピッチ、Q…基準位置、S…昇降動作軸。
Claims (9)
- 直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッド(4,14)に並列配置された複数個のノズル(10)により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセット(80)から複数個の部品(103)を同時的に吸着保持する部品保持方法において、
上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求め(S3)、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差(ΔX)を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差(ΔY)を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行い(S4)、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標(ΔX)とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量(Kx)以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標(ΔY)とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い(S5)、
上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量(Kx,KY)を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断し(S6,S7)、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求め(S9)、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差(ΔX)を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差(ΔY)を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行い(S9)、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標(ΔX)とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量(Kx)以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標(ΔY)とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い(S9)、
上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量(Kx,KY)を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは同時吸着が不可能と判断する(S9)ようにしたことを特徴とする部品保持方法。 - 上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を求める(S8)ようにした請求項1に記載の部品保持方法。
- 直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッド(4,14)に並列配置された複数個のノズル(10)により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセット(80)から複数個の部品(103)を同時的に吸着保持する部品保持装置において、
上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める中心平均座標演算部(901)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差(ΔX)を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差(ΔY)を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う補正値演算部(902)と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標(ΔX)とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量(Kx)以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標(ΔY)とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否かを判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量(Kx,KY)を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行う同時吸着判定部(903)と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記中心平均座標演算部(901)でノズル群・中心平均座標と部品供給カセット群・吸着中心平均座標とを求め、上記補正値演算部(902)で一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行い、上記同時吸着判定部(903)で上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行うように制御する演算制御部(904)とを備えるようにしたことを特徴とする部品保持装置。 - 上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を求める中心平均座標演算部(905)をさらに備えるようにした請求項3に記載の部品保持装置。
- 直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いにヘッド(4,14)に並列配置された複数個のノズル(10)により、直交するXY座標内に位置しかつX方向沿いに並列配置されかつ当該ノズルに対応する複数個の部品供給カセット(80)から複数個の部品(103)を同時的に吸着保持させるための同時吸着保持用ノズルと部品供給カセットとの組み合わせをコンピュータにより演算して抽出させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順(S3)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差(ΔX)を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差(ΔY)を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標との算出を行う手順(S4)と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標(ΔX)とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量(Kx)以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標(ΔY)とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否か判定することにより、上記組み合わせ毎のヘッド吸着位置補正後のノズル座標での吸着可能判定を行い、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断し、いずれか一方の座標が許容ズレ量(Kx,KY)を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは他の組み合わせとの同時吸着が不可能と判断する手順(S5,S6,S7)と、
同時吸着が可能と判断した、ノズルと部品供給カセット以外の残ったノズルと部品供給カセットの組み合わせについて、上記ノズル群・中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個のノズルを含むグループと、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標を基に2つのグループに区分けし、区分けされたグループのうち複数個の部品供給カセットを含むグループとを比較して、共通するノズルと部品供給カセットの組み合わせが複数ある場合、その複数の組み合わせを抽出して、抽出した組み合わせにおいて、上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標を求めるとともに、上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標を求める手順(S9)と、
上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のX座標と上記ノズル群・中心平均座標のX座標との差(ΔX)を求めるとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標と上記ノズル群・中心平均座標のY座標との差(ΔY)を求めて、一括吸着時のヘッド吸着位置補正値の上記X座標と上記Y座標の算出を行う手順(S9)と、
上記ノズルとそのノズルの吸着動作対象である上記部品供給カセットとの組み合わせの夫々において、上記部品供給カセットのX座標から対応する上記ノズルのX座標と上記ヘッド吸着位置補正値のX座標(ΔX)とを差し引いた値がX座標の許容ズレ量(Kx)以下か否か判定するとともに、上記部品供給カセット群・吸着中心平均座標のY座標から上記ノズル群・中心平均座標のY座標と上記ヘッド吸着位置補正値のY座標(ΔY)とを差し引いた値がY座標の許容ズレ量(KY)以下か否か判定して、上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせで同時吸着が可能であり、いずれか一方の座標が許容ズレ量(Kx,KY)を超える場合には、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせでは同時吸着が不可能と判断する手順(S9)とを実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 上記ヘッド吸着位置補正後のノズル座標での上記X座標が上記X座標の許容ズレ量(Kx)以下でかつ上記Y座標が上記Y座標の許容ズレ量(KY)以下の場合で、該当するノズルと部品供給カセットとの組み合わせは他の組み合わせとの同時吸着が可能であると判断した場合であって、同時吸着が可能と判断した、上記ノズルと部品供給カセットとの組み合わせが複数の場合には、上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル(10)のX座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個のノズル(10)のY座標同士の合計値を上記ノズルの個数で除することによりノズル群・中心平均座標(Xnav1,Ynav1)を求めるとともに、上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット(80)のX座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除するとともに上記複数の組み合わせの上記複数個の部品供給カセット(80)のY座標同士の合計値を上記複数個の部品供給カセット(80)の個数で除することにより部品供給カセット群・吸着中心平均座標(Xfav1,Yfav1)を求める手順(S8)をさらに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な請求項5に記載の記録媒体。
- 上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする請求項1又は2に記載の部品保持方法。
- 上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする請求項3又は4に記載の部品保持装置。
- 上記部品供給カセットの代わりに、吸着すべき部品が配置されている部品吸着位置とし、上記部品供給カセットのX座標及びY座標は上記部品吸着位置のX座標及びY座標とし、部品供給カセット群・吸着中心平均座標は部品吸着位置群・吸着中心平均座標とする請求項5又は6に記載の記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226419A JP2004071711A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 部品保持装置及び方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226419A JP2004071711A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 部品保持装置及び方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004071711A true JP2004071711A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32013771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002226419A Pending JP2004071711A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 部品保持装置及び方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004071711A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009043947A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Yamaha Motor Co Ltd | 実装設備、実装機、実装ライン、実装作業適性化装置および実装作業適性化方法 |
WO2009144908A1 (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-03 | パナソニック株式会社 | 実装条件決定方法、実装条件決定装置、部品実装方法及び部品実装機 |
JP2009290133A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Panasonic Corp | 実装条件決定方法 |
JP2021061426A (ja) * | 2020-12-25 | 2021-04-15 | 株式会社Fuji | 部品実装機 |
-
2002
- 2002-08-02 JP JP2002226419A patent/JP2004071711A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009043947A (ja) * | 2007-08-09 | 2009-02-26 | Yamaha Motor Co Ltd | 実装設備、実装機、実装ライン、実装作業適性化装置および実装作業適性化方法 |
WO2009144908A1 (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-03 | パナソニック株式会社 | 実装条件決定方法、実装条件決定装置、部品実装方法及び部品実装機 |
JP2009290133A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Panasonic Corp | 実装条件決定方法 |
JP2021061426A (ja) * | 2020-12-25 | 2021-04-15 | 株式会社Fuji | 部品実装機 |
JP7003214B2 (ja) | 2020-12-25 | 2022-01-20 | 株式会社Fuji | 部品実装機 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7727800B2 (en) | High precision die bonding apparatus | |
JP6928134B2 (ja) | 電子部品の実装装置と実装方法、およびパッケージ部品の製造方法 | |
EP1661442B1 (en) | Electronic component mounting apparatus and method of mounting electronic components | |
JP6781677B2 (ja) | 電子部品の実装装置と実装方法、およびパッケージ部品の製造方法 | |
KR101624004B1 (ko) | 실장 장치 및 실장 방법 | |
JP2013184276A (ja) | バイト切削方法 | |
JP2007059652A (ja) | 電子部品実装方法 | |
JP2004071711A (ja) | 部品保持装置及び方法 | |
JP5608829B1 (ja) | 部品実装装置 | |
CN106455473B (zh) | 托盘搬送装置以及安装装置 | |
JP3857949B2 (ja) | 電子部品実装装置 | |
JP4591484B2 (ja) | 電子部品実装方法 | |
JP2012114382A (ja) | ボンディング装置 | |
JP3848893B2 (ja) | 部品の基板への部品押圧接合装置及び接合方法 | |
KR102415798B1 (ko) | 다이 본딩 장치 및 반도체 장치의 제조 방법 | |
JP2004193442A (ja) | 電子部品実装装置 | |
EP3310147B1 (en) | Component mounting machine | |
JP4093854B2 (ja) | 電子部品実装装置 | |
JPH08139096A (ja) | 電子部品及び電子部品の実装方法並びに電子部品の実装装置 | |
JP4386009B2 (ja) | 部品実装装置および部品実装方法 | |
JP7451259B2 (ja) | 電子部品の実装装置 | |
JP7450429B2 (ja) | 電子部品の実装装置 | |
WO2022004151A1 (ja) | 物品の製造装置、物品の製造方法 | |
JP4345720B2 (ja) | 部品実装装置および部品実装方法 | |
JP6837941B2 (ja) | 基板バックアップ装置及びこれを用いた基板処理装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050720 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070829 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070904 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080108 |