以下に、本発明部品実装装置を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
部品実装装置には複数のボンディングヘッドが並んで配置されている。以下には、ボンディングヘッドが並ぶ方向を左右方向として説明する。尚、以下に示す上下前後左右の方向は説明の便宜上のものであり、本技術の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
<部品実装装置の構成>
先ず、部品実装装置1の構成について説明する。
部品実装装置1は床面等に設置される基台2と基台2の上側に配置された支持フレーム3、3とを有している(図1乃至図5参照)。
基台2の内側には図示しない各種の制御部が配置されている。
支持フレーム3、3は基台2の上面における後端寄りの位置に左右に離隔して取り付けられている。
支持フレーム3、3間には連結板4が取り付けられている。連結板4の上面側には左右に延び上方に突出されたガイド突部4a、4aが前後に離隔して設けられている。連結板4上には左右に離隔して第1の駆動モーター5、5、・・・が取り付けられている。第1の駆動モーター5、5、・・・は、例えば、左右にそれぞれ三つずつが配置されている。
連結板4には左右方向において並ぶ、例えば、六つの移動ベース6、6、・・・が左右方向へ移動自在に支持されている。移動ベース6、6、・・・の下面側にはそれぞれ左右に延び下方に突出された被ガイド突部6a、6aが前後に離隔して設けられている。移動ベース6、6、・・・は被ガイド突部6a、6a、・・・がガイド突部4a、4aに案内されそれぞれ第1の駆動モーター5、5、・・・によって各別に左右方向へ移動可能とされている。
移動ベース6、6、・・・の上面側にはそれぞれ前後に延び上方に突出された案内突部6b、6b、・・・が設けられている。移動ベース6、6、・・・上にはそれぞれ第2の駆動モーター7、7、・・・が取り付けられている。
移動ベース6、6、・・・にはそれぞれ移動部材8、8、・・・が前後方向へ移動自在に支持されている。移動部材8、8、・・・の下面側にはそれぞれ下方に突出された被案内突部8a、8a、・・・が前後に離隔して設けられている。移動部材8、8、・・・は被案内突部8a、8a、・・・が案内突部6b、6b、・・・に案内されそれぞれ第2の駆動モーター7、7、・・・によって各別に前後方向へ移動可能とされている。
移動部材8、8、・・・の前面にはそれぞれボンディングヘッド9、9、・・・が取り付けられている。ボンディングヘッド9は、図6に示すように、上下方向に延びる被取付ベース10と被取付ベース10に対して上下方向へ移動可能かつ上下方向に延びる軸Sを支点として回転可能とされた駆動体11とを有し、駆動体11の下端部が吸着部11aとして設けられ被取付ベース10から下方に突出されている。駆動体11には吸着部11aの内側に配置されたヒーター11bが設けられ(図7参照)、ヒーター11bとしては、例えば、パルスヒーターが用いられている。ヒーター11bの下面は吸着部11aの下面と上下方向における位置が略一致されている。
このように部品実装装置1にあっては、ヒーター11bとしてパルスヒーターが用いられているため、温度の昇降速度が速いと共に温度の均一性に優れ、加熱時及び冷却時における動作時間の短縮化及び製造物の品質に関するばらつきの抑制を図ることができる。尚、ヒーター11bとしてコンスタントヒーターが用いられていてもよい。コンスタントヒーターが用いられる場合には、一定温度での加熱と冷却が行われ、簡単な制御によって加熱と冷却が行われるため、部品実装装置1の製造コストの低減を図ることが可能になる。
被取付ベース10、10、・・・の内部にはそれぞれ図示しない第3の駆動モーターが配置されている。駆動体11、11、・・・は第3の駆動モーターによってそれぞれ被取付ベース10、10、・・・に対して各別に上下方向へ移動可能とされている。
被取付ベース10、10、・・・の前面にはそれぞれ回転用モーター12、12、・・・が取り付けられている(図1乃至図5参照)。駆動体11、11、・・・は回転用モーター12、12、・・・によってそれぞれ被取付ベース10、10、・・・に対して軸S、S、・・・を支点として各別に回転可能とされている。
ボンディングヘッド9、9、・・・は左右方向へ各別に移動可能とされている。ボンディングヘッド9の左右方向への移動は、第1の駆動モーター5によって移動ベース6及び移動部材8が連結板4に対して左右方向へ移動されることにより移動ベース6及び移動部材8の移動に伴って行われる。
また、ボンディングヘッド9、9、・・・は前後方向へも各別に移動可能とされている。ボンディングヘッド9の前後方向への移動は、第2の駆動モーター7によって移動部材8が移動ベース6に対して前後方向へ移動されることにより移動部材8の移動に伴って行われる。
被取付ベース10、10、・・・のうち所定の被取付ベース10の前面には部品認識カメラ13が取り付けられている。部品認識カメラ13は被取付ベース10に取り付けられているため、被取付ベース10の左右方向及び前後方向への移動に伴って左右方向及び前後方向へ移動される。部品認識カメラ13は部品認識カメラ13より下方に存在する対象物を画像認識する機能を有し、後述する電子部品の水平方向における位置及び水平方向における回転方向の向きを認識する。
連結板4には下面側に支持体14が取り付けられている(図8参照)。支持体14は上下方向を向く略平板状の支持ベース15と支持ベース15から上方に突出された被取付部16とを有し、被取付部16が連結板4の下面に取り付けられている。支持ベース15の下面側には前後に延び下方に突出されたガイド突条15a、15aが左右に離隔して設けられている。支持体14の下面には移動用モーター17が取り付けられている。
支持ベース15にはツールホルダー18が前後方向へ移動自在に支持されている。ツールホルダー18は上下方向を向く平板状の保持面部19と保持面部19の後端部から上方に突出された被ガイド用突部20、20とを有している。保持面部19には上方に開口された配置凹部19a、19a、・・・が前後左右に等間隔に離隔して形成されている。
ツールホルダー18は被ガイド用突部20、20がガイド突条15a、15aに案内され移動用モーター17によって前後方向へ移動可能とされている。
ツールホルダー18にはツール21、21、・・・が保持される(図7参照)。ツール21は、例えば、高熱伝導材料によって形成され、矩形の平板状に形成された上下方向を向く被吸着面部22と被吸着面部22の下面に連続された押付部23とが一体に形成されて成り、押付部23は直方体状に形成されている。
押付部23は外形が被吸着面部22の外形より一回り小さくされ、被吸着面部22の外周部を除く部分に連続されている。
ツール21、21、・・・はそれぞれ押付部23、23、・・・が配置凹部19a、19a、・・・に挿入されてツールホルダー18に保持される。
基台2の上面には案内部24が設けられている(図1乃至図5参照)。案内部24は上下方向を向くベース台24aとベース台24aから上方に突出された一対のガイドレール24b、24bとを有している。ガイドレール24b、24bは前後方向に延び左右に離隔して設けられている。
案内部24のベース台24aには駆動機構25が配置されている。駆動機構25には駆動モーター25aと駆動モーター25aの駆動力によって回転されるリードスクリュー25bとが設けられ、駆動モーター25aがベース台24aの後端部に配置されている。駆動モーター25aの駆動力によってリードスクリュー25bが回転されると、被ガイド部28b、28bがガイドレール24b、24bに案内されて移動部26がリードスクリュー25bの回転方向に応じて前後方向へ移動される。
案内部24には移動部26が前後方向へ移動自在に支持されている。移動部26は移動ステージ27と移動ベース28を有し、移動ステージ27と移動ベース28が一体になって前後方向へ移動可能とされている(図4、図8及び図9参照)。移動部26は前方の移動端である準備位置と後方の移動端との間で移動される。
移動ステージ27は下側に位置された基端部29と基端部29に対して上下方向へ移動可能とされた昇降軸30と昇降軸30の上端部に結合され上下方向を向く平板状のステージ部31とを有している。
基端部29には前方に突出された第1の連動部29aと後方に突出された第2の連動部29bとが設けられている。
移動ステージ27のステージ部31には上方に開口された図示しない複数の吸引孔を有する吸引機構が設けられ、ステージ部31が実装体である後述する半導体ウエハを吸引して保持する機能を有している。
移動ステージ27は基端部29が移動機構25のリードスクリュー25bに螺合され、駆動モーター25aの駆動力によるリードスクリュー25bの回転に伴って前後方向へ移動される。
移動ベース28は上下方向を向き左右に延びる板状に形成されたベース板部28aとベース板部28aの左右両端部から下方に突出された被ガイド部28b、28bとベース板部28aの左右方向における中央部から後方に突出された取付突部28cとを有している。移動ベース28は被ガイド部28b、28bがそれぞれ案内部24のガイドレール24b、24bに前後方向へ摺動自在に支持されている。
移動ベース28はベース板部28aが移動ステージ27の基端部29に結合されている。従って、移動ステージ27と移動ベース28はリードスクリュー25bの回転に伴って前後方向へ一体になって移動される。
移動ベース28における取付突部28cの後端部にはツール認識カメラ32が取り付けられている。ツール認識カメラ32は移動ベース28に取り付けられているため、移動ステージ27と一体になって移動される移動ベース28の前後方向への移動に伴って前後方向へ移動される。ツール認識カメラ32はツール認識カメラ32より上方に存在する対象物を画像認識する機能を有し、ツール21の水平方向における位置及び水平方向における回転方向の向きを認識する。
案内部24には移動ステージ27の前側において第1の保持ステージ33が前後方向へ移動自在に支持されている。第1の保持ステージ33は上下方向を向き左右に延びる板状に形成されたベース部33aとベース部33aの左右両端部から下方に突出された被案内部33b、33bとベース板部33aの左右方向における中央部から上方に突出された柱状部33cと柱状部33cに対して上下方向へ移動可能とされた移動軸33dと移動軸33dの上端部に結合され上下方向を向く平板状の保持部33eとを有している。
第1の保持ステージ33は被案内部33b、33bがそれぞれ案内部24のガイドレール24b、24bに前後方向へ摺動自在に支持されている。
第1の保持ステージ33の保持部33eには上方に開口された図示しない複数の吸引孔を有する吸引機構が設けられ、保持部33eが実装体である半導体ウエハを吸引して保持する機能を有している。
第1の保持ステージ33は第1の付勢機構34によって後方へ付勢されている。第1の付勢機構34は基台2に固定されたシリンダー34aとシリンダー34aに前後方向へ移動自在に支持されたピストン34bと後端部がピストン34bに連結された連結軸34cとを有している。第1の付勢機構34は連結軸34cの前端部が第1の保持ステージ33のベース部33aに連結されている。
第1の付勢機構34においては、ピストン34bがシリンダー34aに対して後方へ移動される方向への力が付与されている。従って、連結軸34cを介してピストン34bに連結された第1の保持ステージ33が第1の付勢機構34によって後方へ付勢される。
案内部24には移動ステージ27の後側において第2の保持ステージ35が前後方向へ移動自在に支持されている。第2の保持ステージ35は上下方向を向き左右に延びる板状に形成されたベース部35aとベース部35aの左右両端部から下方に突出された被案内部35b、35bとベース板部35aの左右方向における中央部から上方に突出された柱状部35cと柱状部35cに対して上下方向へ移動可能とされた移動軸35dと移動軸35dの上端部に結合され上下方向を向く平板状の保持部35eとを有している。
第2の保持ステージ35は被案内部35b、35bがそれぞれ案内部24のガイドレール24b、24bに前後方向へ摺動自在に支持されている。
第2の保持ステージ35の保持部35eには上方に開口された図示しない複数の吸引孔を有する吸引機構が設けられ、保持部35eが実装体である半導体ウエハを吸引して保持する機能を有している。
第2の保持ステージ35は第2の付勢機構36によって前方へ付勢されている。第2の付勢機構36は基台2に固定されたシリンダー36aとシリンダー36aに前後方向へ移動自在に支持されたピストン36bと前端部がピストン36bに連結された連結軸36cとを有している。第2の付勢機構36は連結軸36cの後端部が第2の保持ステージ35のベース部35aに連結されている。
第2の付勢機構36においては、ピストン36bがシリンダー36aに対して前方へ移動される方向への力が付与されている。従って、連結軸36cを介してピストン36bに連結された第2の保持ステージ35が第2の付勢機構36によって前方へ付勢される。
基台2には移動ステージ27と第2の保持ステージ35の間にボンディングステージ37が配置されている。ボンディングステージ37は基台2に取り付けられた取付台部38と取付台部38上に配置された加熱テーブル39とを有している。
取付台部38は下方に開口されたコ字状に形成され、移動機構25のリードスクリュー25bを跨いだ状態で配置されている。取付台部38には前方に突出された第1の停止用ストッパー38aと後方に突出された第2の停止用ストッパー38bとが設けられている。
加熱テーブル39は横長の形状に形成され、ボンディングヘッド9、9、・・・の真下において吸着部11a、11a、・・・に対向して位置されている。
加熱テーブル39には加熱器40、40が組み込まれている。加熱器40、40は、例えば、加熱テーブル39に載置される半導体ウエハに一定の加熱量を付与する所謂コンスタントヒーターである。但し、加熱器40、40はパルスヒーターであってもよい。加熱器40としてコンスタントヒーターが用いられる場合には、一定温度での加熱と冷却が行われ、簡単な制御によって加熱と冷却が行われるため、部品実装装置1の製造コストの低減を図ることが可能になる。また、加熱器40としてパルスヒーターが用いられる場合には、温度の昇降速度が速いと共に温度の均一性に優れ、加熱時及び冷却時における動作時間の短縮化及び製造物の品質に関するばらつきの抑制を図ることができる。
<周辺装置の構成>
部品実装装置1の周辺には部品装着装置500と実装体搬入装置600と実装体搬出装置700が配置されている(図10参照)。尚、実装体搬入装置600と実装体搬出装置700は、例えば、それぞれ実装体搬入部と実装体搬出部として部品実装装置1の構造の各一部として設けられていてもよい。
部品装着装置500は、図11に示すように、実装体として用いられる半導体ウエハ100上に機能性材料200、200、・・・を介して電子部品300、300、・・・が複数段積層されて構成された積層体400を仮置き状態で載置する装置である。尚、機能性材料200は電子部品300の下面に貼り付けられ、図11には、バンプ301、301、・・・を誇張して示したため機能性材料200が大きく波打った状態にされているが、実際には、バンプ301、301、・・・は小突起であるため、機能性材料200は略平面状の状態で電子部品300の下面に貼り付けられる。半導体ウエハ100には部品装着装置500によって縦横に等間隔に離隔した状態で多数の積層体400、400、・・・が仮置き状態で載置される(図12参照)。
尚、機能性材料200としては、例えば、接着材料や封止材料や補強材料としての機能を有するペースト状又はフィルム状の材料等が用いられ、具体的には、アンダーフィル材やノンコンタクトフィルムやノンコンタクトペースト等と称される各種の材料が用いられる。
実装体搬入装置600は部品装着装置500と部品実装装置1の間に位置され、搬入用コンベア601を有している(図10参照)。搬入用コンベア601は左右に離隔して位置された送りローラー601a、601aと送りローラー601a、601aによって送られる搬送ベルト601bとを有している。
実装体搬出装置700は部品実装装置1を挟んで実装体搬入装置600の反対側に位置され、搬出用コンベア701を有している。搬出用コンベア701は左右に離隔して位置された送りローラー701a、701aと送りローラー701a、701aによって送られる搬送ベルト701bとを有している。
尚、実装体搬出装置700においては、急激な冷却による半導体ウエハ100の反り等を防止するために保温する図示しない保温ヒーターが設けられていてもよい。
実装体搬入装置600は半導体ウエハ100を部品装着装置500から移動部26における移動ステージ27のステージ部31に搬入する機能を有し、実装体搬出装置700は半導体ウエハ100をステージ部31から搬出して所定の位置まで搬送する機能を有している。
半導体ウエハ100上には所定の回路パターンが形成され、回路パターンの各端部に接続端子101、101、・・・が形成されている(図11参照)。半導体ウエハ100上には接続端子101、101、・・・を覆う状態で予め機能性材料200、200、・・・と電子部品300、300、・・・によって構成された積層体400、400、・・・が部品装着装置500によってそれぞれ仮置き状態で載置されている(図11及び図12参照)。電子部品300、300、・・・の上下両面にはそれぞれバンプ301、301、・・・が縦横に離隔して設けられている。パンプ301、301、・・・の先端部にはそれぞれ接合材料として用いられた半田302、302、・・・が塗布されている。尚、接合材料は半田302に限られることはなく、溶融可能な他の金属材料であってもよい。
積層体400は最下段において半田302、302、・・・が機能性材料200を介して接続端子101、101、・・・の真上に位置されると共に最下段より上段において下側の電子部品300の上面側に位置された半田302、302、・・・がそれぞれ機能性材料200を介して上側の電子部品300の下面側に位置された半田302、302、・・・の真下に位置されている。
<部品実装装置の動作>
次に、電子部品300、300、・・・が互いに接合されると共に最下段の電子部品300が半導体ウエハ100に接合されるときの部品実装装置1の実装動作(接合動作)について説明する。
先ず、実装体搬入装置600によって半導体ウエハ100が部品実装装置1に搬入される前の各部の初期状態について説明する。
移動部26は、初期状態において、前方の移動端である準備位置にある(図8及び図9参照)。このとき第1の付勢機構34によって後方へ付勢されている第1の保持ステージ33は、移動ステージ27の第1の連動部29aに前方から接して前方の移動端において移動が停止されている。
一方、第2の付勢機構36によって前方へ付勢されている第2の保持ステージ35は、ボンディングステージ37の第2の停止用ストッパー38bに後方から接して前方の移動端において移動が停止されている。
移動部26の移動ステージ27と第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35においては、初期状態にあるときに、移動ステージ27のステージ部31が最も高い位置にあり、第1の保持ステージ33の保持部33eはステージ部31より低い位置にあり、第2の保持ステージ35の保持部35eは保持部33eより低い位置にある。
ツールホルダー18は初期状態において後方の移動端に保持されている(図8参照)。
ボンディングヘッド9、9、・・・は、初期状態において、駆動体11、11、・・・が上方の移動端に位置され、左右方向における間隔であるピッチが最も狭くされた状態にされている(図1乃至図3参照)。
実装動作に際しては、先ず、実装体搬入装置600による半導体ウエハ100の部品実装装置1への搬入前の事前動作が行われる。
事前動作として、先ず、ツールホルダー18が移動用モーター17によって前方へ移動される(図13参照)。ツールホルダー18が前方へ移動されることにより、所定のツール21、21、・・・がボンディングヘッド9、9、・・・の真下に位置される。この所定のツール21、21、・・・は、この後に搬入される半導体ウエハ100に仮置きされた積層体400、400、・・・に応じた大きさのものである。
続いて、ボンディングヘッド9、9、・・・において駆動体11、11、・・・が下方へ移動される。このとき吸着部11a、11a、・・・に負圧が付与されており、吸着部11a、11a、・・・によってそれぞれツール21、21、・・・が吸着されてツールホルダー18から取り出され、駆動体11、11、・・・が上方へ移動されて吸着部11a、11a、・・・によってそれぞれツール21、21、・・・が保持される(図14参照)。
ツールホルダー18から吸着部11a、11a、・・・によってそれぞれツール21、21、・・・が取り出されると、ツールホルダー18は後方の移動端まで移動される。
続いて、事前動作として、移動部26が後方へ移動され、吸着部11a、11a、・・・に保持されたツール21、21、・・・の真下にツール認識カメラ32が位置される(図15参照)。このとき後方へ付勢されている第1の保持ステージ33は移動部26と一体になって後方へ移動される。ツール21、21、・・・の真下にツール認識カメラ32が位置されると、ボンディングヘッド9、9、・・・が左右方向へ移動されて、順次、ツール21、21、・・・がツール認識カメラ32の真上を通過され、ツール認識カメラ32によって順にツール21、21、・・・が撮影される(図16参照)。ツール認識カメラ32による吸着部11a、11a、・・・に吸着されている全てのツール21、21、・・・の撮影が終了すると、ボンディングヘッド9、9、・・・は左右方向へ移動されピッチが最も狭くされた初期状態に戻り、移動部26は前方の移動端まで移動されて初期状態の位置である準備位置に戻る。第1の保持ステージ33も移動部26の第1の連動部29aに押圧されて移動部26と一体になって前方へ移動され前方の移動端に戻る。
ツール認識カメラ32によってツール21が撮影されると、撮影された画像データに基づいて撮影されたツール21の水平方向における位置及び向きが認識される。水平方向における位置は前後方向における位置(座標)と左右方向における位置(座標)であり、水平方向における向きは上下方向に延びる軸を支点とした回転方向における基準位置に対する向き(回転角度)である。
上記した事前動作が終了すると、実装体搬入装置600によって積層体400、400、・・・が仮置き状態で載置された半導体ウエハ100が移動部26における移動ステージ27のステージ部31に搬入される。ステージ部31に搬入された半導体ウエハ100はステージ部31に吸引されて保持される。このとき半導体ウエハ100は中央部がステージ部31に吸引されて保持される。
移動ステージ27のステージ部31によって半導体ウエハ100が保持されると、移動部26が後方へ移動され、最も後側に位置された積層体400又は最も前側に位置された積層体400が部品認識カメラ13の真下に位置される(図17参照)。このとき後方へ付勢されている第1の保持ステージ33は移動部26と一体になって後方へ移動される。
積層体400が部品認識カメラ13の真下に位置されると、ボンディングヘッド9、9、・・・が左右方向へ移動され、又は、移動部26が前後方向へ移動されて、順次、積層体400、400、・・・が部品認識カメラ13の真下を通過され、部品認識カメラ13によって順に積層体400、400、・・・における最上段の電子部品300、300、・・・が撮影される。部品認識カメラ13による最上段の全ての電子部品300、300、・・・の撮影が終了すると、ボンディングヘッド9、9、・・・は左右方向へ移動されピッチが最も狭くされた初期状態に戻り、移動部26は前方の移動端まで移動されて初期状態の位置である準備位置に戻る。第1の保持ステージ33も移動部26の第1の連動部29aに押圧されて移動部26と一体になって前方へ移動され前方の移動端に戻る。
部品認識カメラ13によって最上段の電子部品300が撮影されると、撮影された画像データに基づいて撮影された電子部品300の水平方向における位置及び向きが認識される。水平方向における位置は前後方向における位置(座標)と左右方向における位置(座標)であり、水平方向における向きは上下方向に延びる軸を支点とした回転方向における基準位置に対する向き(回転角度)である。
続いて、ボンディングヘッド9、9、・・・による積層体400、400、・・・に対する接合動作が開始される。接合動作が開始されるときには、移動部26が後方へ移動され、後方へ付勢されている第1の保持ステージ33も移動部26と一体になって後方へ移動され、半導体ウエハ100の後端部に載置されている第1列目の積層体400、400、・・・がそれぞれツール21、21、・・・の真下に位置され、半導体ウエハ100の後端部がボンディングステージ37における加熱テーブル39の真上に位置される(図18参照)。このとき、例えば、第1列目の積層体400、400、・・・は複数個置きにツール21、21、・・・の真下に位置される。
積層体400、400、・・・がそれぞれツール21、21、・・・の真下に位置されると、続いて、移動ステージ27のステージ部31が下降されて半導体ウエハ100の後端部が加熱テーブル39に載置され半導体ウエハ100の前端部が第1の保持ステージ33の保持部33eに載置される(図19参照)。ステージ部31は半導体ウエハ100から下方に退避された位置まで下降され、半導体ウエハ100がステージ部31から加熱テーブル39と保持部33eに受け渡される。
ステージ部31から受け渡され加熱テーブル39と保持部33eに受け取られた半導体ウエハ100は保持部33eに吸引されて保持される。半導体ウエハ100が加熱テーブル39と保持部33eに載置され保持部33eに保持されると、加熱テーブル39に組み込まれた加熱器40、40によって半導体ウエハ100の後端部と半導体ウエハ100の後端部に載置された第1列目の積層体400、400、・・・とが下方から加熱される。
半導体ウエハ100が保持部33eに保持されたときには、吸着部11a、11a、・・・によって保持されている各ツール21、21、・・・のツール認識カメラ32による認識結果と真下に位置された最上段の各電子部品300、300、・・・の部品認識カメラ13による認識結果とに基づいて、各ツール21、21、・・・の位置及び向きが真下に位置する最上段の各電子部品300、300、・・・の位置及び向きに一致される。即ち、各ツール21、21、・・・の位置及び向きが真下に位置する最上段の各電子部品300、300、・・・の位置及び向きに一致されるように、ボンディングヘッド9、9、・・・が第1の駆動モーター5、5、・・・によって各別に左右方向へ微少に移動されて調整されると共に第2の駆動モーター7、7、・・・によって各別に前後方向へ微少に移動されて調整され、吸着部11a、11a、・・・が回転用モーター12、12、・・・によって各別に微少に回転されて調整される。
このようなボンディングヘッド9の左右方向及び前後方向への調整と吸着部11aの回転方向における調整とが行われることにより、吸着部11aに保持されているツール21の中央部と真下に位置されている電子部品300の中央部とが上下方向において一致されると共にツール21の水平方向における向きと電子部品300の水平方向における向きとが一致される(図20参照)。
続いて、吸着部11a、11a、・・・がそれぞれ下方へ移動され、ツール21、21、・・・がそれぞれ積層体400、400、・・・に上方から押し付けられる(図21参照)。
尚、最上段に位置する電子部品300の上面にもバンプ301、301、・・・が設けられている場合もあるが、この場合にはツール21における押付部23の下面側に下方に開口された挿入凹部が形成されていることが望ましい。ツール21に形成される挿入凹部は前後左右に離隔して形成されていてもよく、前後方向又は左右方向に延びる直線状に形成されていてもよい。ツール21に挿入凹部が形成されている場合には、ツール21が積層体400に上方から押し付けられたときに、各バンプがそれぞれ挿入凹部に挿入される。
このように最上段に位置する電子部品300の上面に形成された各バンプがそれぞれ挿入凹部に挿入されることにより、バンプ301、301、・・・の先端部に塗布された半田302、302、・・・にツール21、21、・・・が接触されず、半田302、302、・・・のバンプ301、301、・・・からの脱落や半田302、302、・・・の意図しない溶融を防止することができる。
ツール21、21、・・・がそれぞれ積層体400、400、・・・に上方から押し付けられると、駆動体11、11、・・・に設けられたヒーター11b、11b、・・・によってそれぞれツール21、21、・・・を介して第1列目の積層体400、400、・・・が加熱される。従って、第1列目の積層体400、400、・・・の半田302、302、・・・と機能性材料200、200、・・・がヒーター11b、11b、・・・によって加熱される。
このとき加熱器40、40によって半導体ウエハ100の後端部と半導体ウエハ100の後端部に載置された第1列目の積層体400、400、・・・とが下方から加熱されており、半導体ウエハ100の後端部と第1列目の積層体400、400、・・・とはヒーター11b、11b、・・・と加熱器40、40によって上下方向から加熱される。
加熱された半田302、302、・・・と機能性材料200、200、・・・は溶融され、半田302、302、・・・が機能性材料200、200、・・・を押し破るようにしてそれぞれ接続端子101、101、・・・又は半田302、302、・・・同士が接触される(図22参照)。
このときヒーター11bとしてパルスヒーターが用いられているため、積層体400は吸着部11aに押さえられた状態で急速に加熱と冷却による半田302、302、・・・と機能性材料200、200、・・・の溶融及び溶融後の固化が行われる。従って、半田302、302、・・・と機能性材料200、200、・・・に対する温度の急速な昇降状態を確保することができると共に接合部分の浮き上がりを防止し信頼性の高い接合状態を確保して製造物の品質のばらつきを抑制することができる。
また、加熱器40、40としてパルスヒーターが用いられている場合には、半導体ウエハ100と積層体400、400、・・・に上下両側からパルスヒーターによる加熱が行われ、半田302、302、・・・と機能性材料200、200、・・・に対する温度の一層急速な昇降状態を確保することができると共に接合部分の浮き上がりを防止し信頼性の一層高い接合状態を確保して製造物の品質のばらつきを一層抑制することができる。
機能性材料200、200、・・・は溶融された後に固化されるため、電子部品300、300、・・・を周囲から覆い最下段の電子部品300の下面と半導体ウエハ100の上面との間に充填されて電子部品300が機能性材料200によって半導体ウエハ100に接着されると共に電子部品300、300、・・・間に充填されて電子部品300、300、・・・同士が機能性材料200、200、・・・によって接着される。
続いて、吸着部11a、11a、・・・によってツール21、21、・・・が吸着された状態で駆動体11、11、・・・が上方へ向けて移動される。駆動体11、11、・・・が上方へ向けて移動されることにより、積層体400、400、・・・に対する吸着部11a、11a、・・・による押付状態が解除される。駆動体11、11、・・・は上方の移動端まで移動され、積層体400、400、・・・に対する吸着部11a、11a、・・・による押付状態が解除されることにより、一度に6個の積層体400、400、・・・に対する接合動作が完了する。
駆動体11、11、・・・が上方の移動端まで移動されると、ボンディングヘッド9、9、・・・が積層体400、400、・・・の1ピッチ分だけ左右方向へ移動され、続いて、上記と同様にしてボンディングヘッド9、9、・・・による別の積層体400、400、・・・に対する接合動作が行われる。このボンディングヘッド9、9、・・・の1ピッチずつの移動と第1列目の積層体400、400、・・・に対する接合動作は繰り返し行われる。
最も後側に位置された第1列目の積層体400、400、・・・に対する接合動作が終了すると、再び移動部26が第1の保持ステージ33とともに後方へ移動され、後側から第2列目の積層体400、400、・・・がそれぞれツール21、21、・・・の真下に位置される(図23参照)。このとき保持部33eに保持されている半導体ウエハ100は加熱テーブル39上を摺動される。
第2列目の積層体400、400、・・・がそれぞれツール21、21、・・・の真下に位置されると、上記と同様にしてボンディングヘッド9、9、・・・による第2列目の積層体400、400、・・・に対する接合動作が行われる。このとき半導体ウエハ100の後端寄りの部分と第2列目の積層体400、400、・・・とがヒーター11b、11b、・・・と加熱器40、40によって上下方向から加熱される。
以下、同様にして後側から第3列目以降の積層体400、400、・・・に対する接合動作が行われる。
積層体400、400、・・・に対する接合動作が行われているときには、移動部26と一体になって移動される第1の保持ステージ33の後方への移動に伴って半導体ウエハ100が間歇的に後方へ移動され、後方へ移動される途中において第1の保持ステージ33がボンディングステージ37の第1の停止用ストッパー38aに接触され又は近接される(図24参照)。このとき半導体ウエハ100は中央部が加熱テーブル39に載置されている。
その後、第1の保持ステージ33の保持部33eが下降されると共に第2の保持ステージ35の保持部35eが上昇される(図25参照)。従って、半導体ウエハ100は中央部が加熱テーブル39に載置された状態で後端部が保持部35eに載置され、保持部35eに吸引されて保持され半導体ウエハ100が第1の保持ステージ33から第2の保持ステージ35に受け渡される。
半導体ウエハ100が第1の保持ステージ33から受け渡され第2の保持ステージ35に受け取られると、移動部26は間歇的に後方へ移動され、移動部26の第2の連動部29bによって前方へ付勢されている第2の保持ステージ35が後方へ押圧され、第2の保持ステージ35が移動部26と一体になって後方へ移動されていく(図26参照)。このとき保持部35eに保持されている半導体ウエハ100は加熱テーブル39上を摺動される。また、第1の保持ステージ33はボンディングステージ37の第1の停止用ストッパー38aに接触されて後方への移動が停止されている。
移動部26と第2の保持ステージ35が間歇的に後方へ移動され、半導体ウエハ100の前端部に載置されている最も前側の積層体400、400、・・・に対する接合動作が終了すると、半導体ウエハ100に載置された全ての積層体400、400、・・・に対する接合動作が終了する(図27参照)。
半導体ウエハ100に載置された全ての積層体400、400、・・・に対する接合動作が終了すると、ステージ部31が上昇されて半導体ウエハ100が加熱テーブル39及び保持部35eから持ち上げられ、半導体ウエハ100がボンディングステージ37と第2の保持ステージ35からステージ部31に受け渡される(図28参照)。半導体ウエハ100がボンディングステージ37と第2の保持ステージ35から受け渡されステージ部31に受け取られると、第2の保持ステージ35の保持部35eが下降される。このとき半導体ウエハ100は中央部がステージ部31に吸引されて保持される。
上記のように、部品実装装置1にあっては、半導体ウエハ100がステージ部31に保持されるときに中央部が吸引されて保持されるため、半導体ウエハ100のステージ部31に対する安定した保持状態を確保することができる。
その後、移動部26が前方の移動端である準備位置まで移動される(図9参照)。このとき後方へ付勢され第1の停止用ストッパー38aによって移動が停止されていた第1の保持ステージ33は、第1の連動部29aによって押圧されて移動部26と一体になって前方へ移動され初期状態に戻る。また、第2の保持ステージ35は移動部26と一体になって前方へ移動され、第2の停止用ストッパー38bに接触されて移動が停止され初期状態に戻る。
ボンディングヘッド9、9、・・・は、駆動体11、11、・・・が上方の移動端に位置され、左右方向における間隔であるピッチが最も狭くされた状態にされ、初期状態に戻る。
尚、引き続いて新たな半導体ウエハ100に載置された積層体400、400、・・・に対する接合動作が行われない場合には、ツールホルダー18が前方へ移動され、吸着部11a、11a、・・・によってそれぞれ保持されていたツール21、21、・・・が配置凹部19a、19a、・・・に挿入され、駆動体11、11、・・・が上方へ移動されると共にツールホルダー18が再び後方の移動端まで移動される動作が行われる。
移動部26が準備位置まで移動されると、移動ステージ27による半導体ウエハ100に対する吸引が停止されて半導体ウエハ100の保持状態が解除される。移動ステージ27による半導体ウエハ100の保持状態が解除されると、半導体ウエハ100は実装体搬出装置700に保持され、実装体搬出装置700によって所定の位置まで搬出される。
尚、上記には、半導体ウエハ100が移動ステージ27に搬入される前の事前準備としてツール認識カメラ32によるツール21、21、・・・の撮影が行われる例を示したが、半導体ウエハ100が移動ステージ27に搬入された状態において移動ベース28が後方へ移動されて吸着部11a、11a、・・・によってツール21、21、・・・が吸着されツール認識カメラ32によるツール21、21、・・・の撮影が行われるようにしてもよい。
上記したように、部品実装装置1にあっては、半導体ウエハ100が載置される移動ステージ27のステージ部31が上下方向へ移動可能とされているため、半導体ウエハ100がステージ部31の上下方向への移動に伴って昇降され、半導体ウエハ100を吸着部11a、11a、・・・とボンディングステージ37の加熱テーブル39との間に挿入してボンディングステージ37に確実に受け渡すことができる。
また、水平方向においてボンディングステージ37と離隔して位置され半導体ウエハ100がボンディングステージ37に受け取られたときに半導体ウエハ100の一部が載置される第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35が設けられている。
従って、半導体ウエハ100がボンディングステージ37に受け取られたときに半導体ウエハ100がボンディングステージ37と第1の保持ステージ33又はボンディングステージ37と第2の保持ステージ35によって保持され、半導体ウエハ100が安定して保持された状態において電子部品300、300、・・・と半導体ウエハ100を加熱することができる。
さらに、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35に半導体ウエハ100の一部を吸引して半導体ウエハ100を保持する吸引機構が設けられ、半導体ウエハ100が第1の保持ステージ33又は第2の保持ステージ35に吸引されて保持された状態において第1の保持ステージ33又は第2の保持ステージ35が移動され半導体ウエハ100のボンディングステージ37に対する位置が変化される。
従って、移動ステージ27によって半導体ウエハ100をボンディングステージ37から一旦持ち上げて半導体ウエハ100のボンディングステージ37に対する位置を変化させる必要がなく、接合作業の迅速化を図ることができる。
さらにまた、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35が水平方向において移動ステージ27と同じ方向へ移動可能とされ、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35と移動ステージ27を案内するガイドレール24b、24bが設けられている。
従って、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35と移動ステージ27が何れもガイドレール24b、24bによって案内されるため、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35と移動ステージ27を各別に案内する案内部を必要とせず、部品点数の削減による機構の簡素化及び製造コストの低減を図ることができる。
また、部品実装装置1には第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35の二つの保持ステージが設けられ、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35が移動ステージ27を挟んで反対側に位置されている。
従って、半導体ウエハ100の水平方向における移動位置に拘わらず半導体ウエハ100の端部が半導体ウエハ100を第1の保持ステージ33又は第2の保持ステージ35によって保持することが可能になり、半導体ウエハ100がより一層安定して保持された状態において電子部品300、300、・・・と半導体ウエハ100を加熱することができる。
さらに、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35にそれぞれ半導体ウエハ100が載置される保持部33eと保持部35eが設けられ、保持部33eと保持部35eがそれぞれ上下方向へ移動可能とされている。従って、水平方向における移動位置に応じて半導体ウエハ100が保持部33eと保持部35eの上下方向への移動によって保持部33e又は保持部35eに保持され、半導体ウエハ100を簡素な動作により第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35の間で確実に受け渡すことができる。
さらにまた、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35が水平方向において移動ステージ27に近付く方向へ付勢され、移動ステージ27に、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35に付勢される方向と反対方向から接触されて第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35を移動ステージ27の移動に伴って移動させる第1の連動部29aと第2の連動部29bが設けられている。
従って、移動ステージ27の水平方向への移動に伴って第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35が移動され、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35を移動させるための専用の駆動機構を必要とせず、部品実装装置1の構造の簡素化による製造コストの低減を図ることができる。
加えて、第1の保持ステージ33が第1の停止用ストッパー38aに接触したときに第1の連動部29aの第1の保持ステージ33との接触が解除され、第2の保持ステージ35が第2の停止用ストッパー38bに接触したときに第2の連動部29bの第2の保持ステージ35との接触が解除される。
従って、第1の保持ステージ33が第1の停止用ストッパー38aによって所定の位置で停止され、第2の保持ステージ35が第2の停止用ストッパー38bによって所定の位置で停止されるため、第1の保持ステージ33と第2の保持ステージ35の過度の移動が規制され、動作の適正化を図ることができる。
<まとめ>
以上に記載した通り、部品実装装置1にあっては、半導体ウエハ100がボンディングステージ37に受け取られたときに複数の吸着部11a、11a、・・・が下方へ移動されてそれぞれ電子部品300、300、・・・に押し付けられると共に半導体ウエハ100に載置された一部の積層体400、400、・・・と半導体ウエハ100の一部がヒーター11b、11b、・・・と加熱器40、40によって上下方向から加熱される。
従って、半導体ウエハ100において接合作業が行われる電子部品300、300、・・・が載置されている部分の下側からのみ加熱器40、40によって加熱が行われるため、接合作業が行われない電子部品300、300、・・・に対して継続して加熱器40、40による熱の影響が付与され難く、接合作業が行われない電子部品300、300、・・・に対する熱の影響を低減することができる。
このように接合作業が行われない電子部品300、300、・・・に対する加熱器40、40による熱の影響が低減されるため、これらの電子部品300、300、・・・を接合するための半田302、302、・・・や機能性材料200、200、・・・等の変質や劣化を抑制することができると共に電子部品300、300、・・・の動作不良の発生を抑制することができる。
尚、他の部品実装装置(従来の部品実装装置)には、部品保管部から複数の吸着部によってそれぞれ電子部品300、300、・・・を吸着して取り出し、部品搬入装置600によって搬入された半導体ウエハ100上に吸着した電子部品300、300、・・・を移動させて載置し、その状態で続けて電子部品300、300、・・・の接合動作を行うようにしたものがある。従って、このような部品実装装置にあっては、半導体ウエハ100に対する電子部品300、300、・・・の載置動作(載置工程)と電子部品300、300、・・・の接合動作(接合工程)とが交互に繰り返し行われる。
一方、部品実装装置1にあっては、実装体搬入装置600によって半導体ウエハ100が搬入され、搬入された半導体ウエハ100に予め仮置き状態にされた電子部品300、300、・・・に対して接合動作(接合工程)が行われる。従って、載置動作と接合動作を交互に繰り返し行う必要がなく、電子部品300、300、・・・に対する接合動作を連続して行うことができ、電子部品300、300、・・・の接合動作に関する単位時間当たりの生産能力(UPH:Utility Per Hour)が高く、生産性の向上を図ることができる。
<その他>
上記には、複数の電子部品300、300、・・・が上下方向において積層された所謂チップオンチップの積層体400に対する接合が行われる例を示したが、部品実装装置1によって接合される対象はチップオンチップの積層体400に限られることはなく、単一の電子部品300であってもよい。
また、上記には、電子部品300の上下両面にそれぞれバンプ301、301、・・・が設けられている例を示したが、例えば、一つの電子部品が半導体ウエハ100に接合される場合には上下両面にバンプが設けられている必要はなく、下面側のみにバンプが設けられていてもよい。
さらに、上記には、積層体400、400、・・・が配置される実装体として半導体ウエハ100を例として示したが、実装体は半導体ウエハ100に限られることはなく、回路基板や電子部品であってもよい。実装体が電子部品の場合には、電子部品に電子部品300が接合される所謂チップオンチップとされる。
加えて、上記には、ツール21によって積層体400が下方に押し付けられる例を示したが、例えば、ツール21が設けられず、吸着部11aによって積層体400が下方に押し付けられるように構成することも可能である。