JP6781677B2 - 電子部品の実装装置と実装方法、およびパッケージ部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の実装装置と実装方法、およびパッケージ部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、電子部品の実装装置と実装方法、およびパッケージ部品の製造方法に関する。
従来から、CSP(Chip Size Package)やBGA(Ball Grid Array)等のように、インターポーザ基板(中継用基板)を用いて行われる半導体パッケージの製造プロセスが知られている。これとは別に、インターポーザ基板を用いずに、半導体チップ毎に分割することなくウエーハ状態のままでパッケージ化を行うウエーハレベルパッケージ(Wafer Level Package:WLP)と呼ばれる製造プロセスが知られている。WLPは、インターポーザ基板を使用しない分、半導体パッケージの薄型化や製造コストが低減できるというような利点を有する。
WLPでは、半導体チップの電極パッドが形成されている面上の領域をはみ出さないように、半導体チップ上に半導体パッケージのI/O端子を含む再配線層を形成する、ファンイン・ウエーハレベルパッケージ(fan in−WLP:FI−WLP)が知られている。また近年においては、半導体チップの領域をはみ出して半導体パッケージのI/O端子を含む再配線層を形成するファンアウト・ウエーハレベルパッケージ(fan out−WLP:FO−WLP))も提案されている。FO−WLPは、1つのパッケージ内にRAM、フラッシュメモリ、CPU等の半導体チップやダイオード、コンデンサ等の複数種類の電子部品を搭載したマルチチップパッケージ(Multi Chip Package:MCP)にも適用可能であるために注目されている。
ここで、MCPとは上述したように、1つのパッケージ内に複数種類の電子部品を搭載したものである。このようなMCPにおいては、同一パッケージに搭載する電子部品個々の実装位置のずれが、そのパッケージの電気的特性に相互に影響を及ぼすため、それぞれの電子部品の実装に高い位置精度が要求されている。前述したインターポーザ基板を用いて行なわれる半導体パッケージの製造プロセスでは、インターポーザ基板上の各実装領域に位置認識用のアライメントマークが設けられているので、実装領域毎にアライメントマークを認識して電子部品を実装領域に位置決めし、実装する方式(以下、ローカル認識方式と呼ぶ)を適用することで、高い位置精度での実装を実現している。
FO−WLPの製造プロセスでは、まず支持基板上に複数の半導体チップを間隔をあけた状態で行列状に実装し、その後半導体チップ間の隙間を樹脂で封止して複数の半導体チップを一体化することで、あたかも半導体製造プロセスで形成されるウエーハのように成形された擬似ウエーハを形成する。この擬似ウエーハ上に、I/O端子を設けるための再配線層を形成する。複数の半導体チップを樹脂封止して一体化した後は、支持基板は剥がされて除去される。しかしながら、FO−WLPでMCPを製造しようとした場合、支持基板上には半導体チップを実装する実装領域毎に位置認識に用いることができるような画像認識可能なパターンが存在しないため、インターポーザ基板に対して行っていたようなローカル認識方式を適用することは実用的ではない。
ローカル認識が行えない場合、支持基板の外形位置や基板全体の位置を示すアライメントマークを認識することで支持基板の全体位置を認識し、この支持基板の全体位置を頼りに支持基板上の各実装領域に半導体チップを実装する方式(以下、グローバル認識方式と呼ぶ)を適用することになる。また、MCPでの半導体チップの実装位置のずれは、例えば標準的な電極パッドの径(20μm)と形成ピッチ(35μm)を有する半導体チップを考えた場合、半導体チップの端子と再配線層により形成される端子との接触面積の確保や隣接する端子との接触を回避する上で、±7μm以下に抑えることが望まれる。
しかしながら、インターポーザ基板等の実装領域毎にアライメントマークを有する基板に半導体チップを実装するための実装装置を、グローバル認識方式の設定を施し、FO−WLPの製造プロセスにそのまま用いてみたところ、実装精度に±7μmを超える実装誤差が生じてしまい、実装領域毎にアライメントマークが設けられていない支持基板に精度よく半導体チップを実装することはできなかった。このため、グローバル認識方式を適用したFO−WLPの製造プロセスにおいて、±7μm以下の位置精度で半導体チップを実装できる実装装置は存在していない。
実装精度を向上させるだけであれは、FO−WLPの製造プロセスに用いる支持基板に、各実装領域に対応させてアライメントマークを予め設けておき、ローカル認識方式を適用することが考えられる。しかしながら、FO−WLPの支持基板は、擬似ウエーハを形成した後、擬似ウエーハから剥がされて除去されるものであり、製品としては用いられない。このような支持基板のために、マークを形成する設備および工程を設けることは、設備費用、設備の設置スペース、工程数等の増加を招くだけでなく、実装工程においても半導体チップを実装する毎にローカルマークを認識する動作が必要となり、1つの半導体チップの実装工程時間も増加する。このような点から、ローカル認識方式の適用は半導体パッケージの製造コストを増加させ、WLPの利点を損なうことになる。
また、半導体チップの実装誤差に対応するため、半導体チップの実装誤差を考慮して再配線層の形成を行う技術が提案されている。この技術は、擬似ウエーハに再配線層の回路パターンを露光する際、露光に先立って擬似ウエーハ上の各半導体チップの実装誤差(理想位置からの位置ずれ)を予め個別に測定しておき、露光用のレーザ光を半導体チップ毎に走査するときに、描画データに含まれる各回路パターンの位置情報を露光対象の半導体チップの実装誤差に基づいて補正するものである。この技術は1つの半導体パッケージに1つの半導体チップを組み込むシングルチップパッケージには適用可能である。しかしながら、MCPの場合、回路パターンの描画データはパッケージ単位で作成されるため、同一パッケージ内での半導体チップ間の相対的な位置ずれが生じた場合には、描画する回路パターンの位置情報を補正するだけでは対応できない。
さらに、FO−WLPの製造プロセスに用いられる実装装置には、半導体チップの実装時間を短縮することが求められる。すなわち、疑似ウエーハ上の再配線層の形成工程は、通常1枚の疑似ウエーハに対して一括して行われるのに対し、支持基板に対する半導体チップの実装工程は、半導体チップ1個ずつ実施される。これらの処理時間を考慮すると、再配線層の形成工程に比べて半導体チップの実装工程の方が時間を要することになるため、半導体チップの実装時間を短縮することが求められる。実装時間を短縮するだけであれば、複数の実装ヘッドを有する実装装置を適用することが考えられる。しかしながら、単に複数の実装ヘッドを適用しただけでは、実装ヘッド毎に生じる移動誤差の影響によって、半導体チップの実装精度がさらに低下してしまう。このように、FO−WLPの製造プロセスに用いられる実装装置には、半導体チップ等の電子部品の実装精度の向上と実装時間の短縮とを両立させることが求められている。
ところで、FO−WLPの製造プロセスは、「ウエーハレベル」と称されるウエーハベース、つまり支持基板にウエーハを用いるプロセスである。これに対し、近ごろ、プリント基板(Printed Circuit Board)の製造プロセスに用いるガラス・エポキシ(FR−4)基板等の有機基板や液晶表示パネルの製造に用いるガラス基板を支持基板として用いる、ファンアウト・パネルレベルパッケージ(FO−PLP)と称される、基板ベースの製造プロセスが提案されている。
FO−WLPの製造プロセスでは、ウエーハレベルと称されているように、支持基板にシリコンウエーハが用いられている。これは、再配線層の形成プロセスに、シリコンウエーハの配線層の形成プロセスに用いる設備を流用することができるからである。同様に、プリント基板の製造プロセスや液晶表示パネルの製造プロセスでも、配線層の形成プロセスが用いられている。従って、プリント基板の製造プロセスや液晶表示パネルの製造プロセスに用いる設備を、FO−PLPの製造プロセスに流用することができる。
支持基板に有機基板やガラス基板を用いる場合、シリコンウエーハを用いる場合に比べてコストを削減できる利点がある。また、支持基板の大きさを、シリコンウエーハに比べて大きくできるという利点がある。支持基板が大きくなるほど、一度に生産できるMCP等の半導体パッケージの数を増大させることができるため、生産性を向上させることが可能になる。このため、そのようなFO−PLPの製造プロセスに用いて好適な電子部品の実装装置の要求が生じると予測される。
ここで、プリント基板の製造プロセスにおいて、現状、基材となる銅張積層板の寸法は1020×1020mmまたは1020×1220mmとなっている。一辺が1000mmを超える基板を支持基板とした場合、取り扱いの利便性を損なうことが考えられるので、FO−PLPの製造プロセスでは、銅張積層板を4分割程度にして支持基板として用いると予測される。一方、液晶表示パネルの製造プロセスにおいては、第5世代以上(概ね1000×1200mm以上)、特に現状で主として生産に用いられている、第7世代以上(概ね1900×2200mm以上)のガラス基板(いわゆる、マザーガラス)を用いる製造設備を流用することは考え難く、液晶表示パネルの大型化によって使用されなくなった第3世代から第4世代(概ね550×650mm〜680×880mm)の製造設備を流用することが推測される。これらのことから、FO−PLPの製造プロセスにおいて、電子部品の実装装置に対応が求められる支持基板の大きさは、従来のFO−WLPの製造プロセスにおける支持基板の大きさである300×300mmに比べて、面積にして約4倍程度の600×600mm程度の大きさになると予測される。
上述した600×600mmの大きさを有する支持基板に半導体チップを実装する場合、支持基板を載置するステージが大きくなり、その分だけ実装ヘッドの移動距離が増大する。このため、半導体チップの搬送に要する時間が長くなり、半導体チップの実装効率が低下することが予想される。また、MCPの場合、すなわち品種の異なる複数の半導体チップ等を実装する場合、半導体チップの大きさや半導体チップの実装に用いる接着剤の種類等によって、実装に要する時間(加圧時間または加圧・加熱時間)が異なることから、実装時間の長い半導体チップに実装効率が支配されることになる。このため、実装に要する時間が長い半導体チップによりパッケージ全体としての実装効率が低下する。このようなことから、FO−PLPの製造プロセスに用いられる実装装置には、半導体チップ等の電子部品の実装精度の向上を図ると共に、支持基板の大型化に対応してより一層の実装時間の短縮を図ることが求められると推測される。
特開2008−041976号公報 特開2009−259917号公報 国際公開第2007/072714号 特開2013−058520号公報
本発明が解決しようとする課題は、実装領域毎に位置検出用のマーク等のパターンが形成されていない支持基板、特に大型化が予想される支持基板に対しても、各実装領域に半導体チップ等の電子部品を精度よく、かつ効率よく実装することを可能にした電子部品の実装装置と実装方法、およびそのような実装方法を適用したパッケージ部品の製造方法を提供することにある。
実施形態の電子部品の実装装置は、支持基板に電子部品を実装する電子部品の実装装置であって、前記電子部品が実装される複数の実装領域を有する前記支持基板が載置されるステージと、水平方向に沿う一方向であるX方向とは直交するY方向に前記ステージを移動させるステージ移動機構とを備えるステージ部と、前記X方向に沿って配置され、前記電子部品を保持する複数の実装ツールをそれぞれ有する第1および第2の実装ヘッドと、前記複数の実装ツールにより前記電子部品を保持した前記第1および第2の実装ヘッドを前記X方向に沿って設定された実装ライン上に移動させる実装ヘッド移動機構とを備える実装部と、前記ステージ上に載置された前記支持基板の全体位置を認識する第1の認識部と、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置を認識する第2の認識部と、前記ステージ移動機構による前記ステージの移動位置誤差を補正するステージ補正データと、前記実装ヘッド移動機構による前記実装ライン上における前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツール毎の移動位置誤差を補正するツール補正データとを記憶する記憶部と、前記第1の認識部により認識した前記支持基板の位置データ、前記記憶部に記憶された前記ステージ補正データ、前記第2の認識部により認識した前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置データ、および前記記憶部に記憶された前記ツール補正データに基づいて、前記支持基板における前記X方向に沿う前記実装領域の列を前記実装ライン上に順次配置すると共に、前記実装ラインに配置された複数の前記実装領域に前記電子部品を前記第1および第2の実装ヘッドで分担して実装するように、前記ステージ移動機構と前記実装ヘッド移動機構の動作を制御する制御部とを具備している。
実施形態の電子部品の実装方法は、支持基板に電子部品を実装する電子部品の実装方法であって、前記電子部品が実装される複数の実装領域を有する支持基板が載置されるステージの移動位置誤差を取得し、前記移動位置誤差を補正するステージ補正データを記憶部に記憶させる工程と、水平方向に沿う一方向であるX方向に沿って配置された第1および第2の実装ヘッドにそれぞれ設けられ、前記電子部品を保持する複数の実装ツールの移動位置誤差を、前記X方向に沿って設定された実装ライン上において取得し、前記移動位置誤差を補正するツール補正データを前記記憶部に記憶させる工程と、前記ステージ上に前記支持基板を載置すると共に、前記ステージ上に載置された前記支持基板の全体位置を認識する工程と、前記支持基板の位置認識工程により得た前記支持基板の位置データと前記ステージ補正データとに基づいて前記ステージの移動を補正しつつ、前記複数の実装領域における前記X方向に沿う前記実装領域の列を前記実装ラインに順に位置付けるように、前記ステージを移動させる工程と、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールで前記電子部品を交互に受け取り、前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置を認識すると共に、認識した前記電子部品の位置データおよび前記ツール補正データに基づいて前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールの移動を補正しつつ、前記第1および第2の実装ヘッドを前記実装ライン上に移動させ、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールにより前記電子部品を、前記実装ラインに位置づけられた前記実装領域に前記第1および第2の実装ヘッドで分担して実装する工程とを具備する。
実施形態のパッケージ部品の製造方法は、支持基板の複数の実装領域のそれぞれに電子部品を実装する工程と、前記複数の実装領域に実装された前記電子部品を一括して封止することにより疑似ウエーハまたは擬似パネルを形成する工程と、前記疑似ウエーハまたは擬似パネルの前記電子部品上に再配線層を形成することによりパッケージ部品を製造する工程とを具備する。実施形態のパッケージ部品の製造方法において、前記電子部品の実装工程は、前記支持基板が載置されるステージの移動位置誤差を取得し、前記移動位置誤差を補正するステージ補正データを記憶部に記憶させる工程と、水平方向に沿う一方向であるX方向に沿って配置された第1および第2の実装ヘッドにそれぞれ設けられ、前記電子部品を保持する複数の実装ツールの移動位置誤差を、前記X方向に沿って設定された実装ライン上において取得し、前記移動位置誤差を補正するツール補正データを前記記憶部に記憶させる工程と、前記ステージ上に前記支持基板を載置すると共に、前記ステージ上に載置された前記支持基板の全体位置を認識する工程と、前記支持基板の位置認識工程により得た前記支持基板の位置データと前記ステージ補正データとに基づいて前記ステージの移動を補正しつつ、前記複数の実装領域における前記X方向に沿う前記実装領域の列を前記実装ラインに順に位置付けるように、前記ステージを移動させる工程と、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールで前記電子部品を交互に受け取り、前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置を認識すると共に、認識した前記電子部品の位置データおよび前記ツール補正データに基づいて前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールの移動を補正しつつ、前記第1および第2の実装ヘッドを前記実装ライン上に移動させ、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールにより前記電子部品を、前記実装ラインに位置づけられた前記実装領域に前記第1および第2の実装ヘッドで分担して実装する工程とを具備する。
実施形態の実装装置を示す平面図である。 実施形態の実装装置を示す正面図である。 実施形態の実装装置を示す右側面図である。 実施形態の実装装置の構成を示すブロック図である。 実施形態の実装装置の実装ツールによる実装動作の組合せを示す図である。 実施形態の実装装置における基板ステージおよび実装ツールのキャリブレーション工程の準備工程を示す図である。 実施形態の実装装置における基板ステージおよび実装ツールのキャリブレーション工程を示す図である。 実施形態の実装装置の動作状態の一例を示す平面図であって、ウエーハリングを交換する動作状態を示す図である。 実施形態の実装装置における基板ステージの移動位置誤差の補正方法を説明するための図である。 実施形態の実装装置の動作状態の一例を示す平面図であって、左右の移載ヘッドおよび左右の実装ヘッドがそれぞれ異なる位置にある状態を示す図である。 実施形態の実装装置を示す正面図であって、部品供給部と左右の移載部を省略して示す図である。 実施形態の実装装置を示す正面図であって、部品供給部と移載部全体を省略して示す図である。 実施形態の実装装置を用いて1つの実装領域に実装される電子部品の一例を示す平面図である。 実施形態のパッケージ部品の製造工程を示すフロー図である。 実施例1および比較例1の実装装置を用いて半導体チップを実装する支持基板を示す平面図である。
以下、実施形態の電子部品の実装装置と実装方法について、図面を参照して説明する。図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。説明中における上下の方向を示す用語は、特に明記が無い場合には後述する支持基板の電子部品の実装面を上とした場合の相対的な方向を示し、左右の方向を示す用語は、特に明記が無い場合には図2の正面図を基準とした方向を示す。
[実装装置の構成]
図1は実施形態による電子部品の実装装置の構成を示す平面図、図2は図1に示す実装装置の正面図、図3は図1に示す実装装置の右側面図、図4は図1に示す実装装置の構成を示すブロック図である。図1ないし図3において、図1を基準として、実装装置1における左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向とする。これらの図に示す実装装置1は、半導体チップt等の電子部品を供給する部品供給部10と、支持基板Wが載置されるステージ21を備えるステージ部20と、部品供給部10から半導体チップtを取り出す移載部30と、移載部30が取り出した半導体チップtを受取ってステージ21に載置された支持基板Wに実装する実装部40と、各部10、20、30、40の動作を制御する制御部50とを具備している。
(部品供給部10)
部品供給部10は、実装装置1のベース部1a上の手前側中央に配置されている。部品供給部10は、支持基板Wに実装する電子部品としての半導体チップtを供給する。部品供給部10は、半導体チップt毎に個片化された半導体ウエーハTが貼着された樹脂シートSを保持するウエーハリング11と、ウエーハリング11を着脱自在に保持し、不図示のXY移動機構によりXY方向に移動可能なウエーハリングホルダ12と、移載部30によって半導体チップtを取り出すときに、取り出される半導体チップtをウエーハリング11の下側から突き上げる不図示の突き上げ機構とを備えている。突き上げ機構は、移載部30による半導体チップtの取り出しポジションに固定的に設けられている。突き上げ機構としては、公知の構成を有する機構、例えば特開2010−056466号公報に記載の機構を有するものを用いることができる。
部品供給部10は、さらに不図示のウエーハリング11の交換装置を備えている。交換装置は、ベース部1aの前面に設けられる収納部(ウエーハリング11を収容する溝部を上下方向に複数備えたもの、マガジンとも言う。)と、ウエーハリングホルダ12と収納部との間で搬送されるウエーハリング11を案内するガイド部とを備えている。交換装置は、ウエーハリングホルダ12上に未使用のウエーハリング11を供給し、半導体チップtの取り出しが完了したウエーハリング11を収納部に収納し、新たなウエーハリング11をウエーハリングホルダ12に供給する。なお、このウエーハリング11の供給と収納には、後述する移載部30が備えるウエーハリング保持装置32が用いられる。
支持基板Wに実装される電子部品は、1種類の半導体チップtに限られるものではなく、複数種類の半導体チップ、さらには半導体チップとダイオードやコンデンサ等であってもよい。実施形態の実装装置1は、半導体チップ、ダイオード、コンデンサ等を含む複数種類の電子部品を支持基板W上に実装してMCPを製造する際に好適に用いられる。MCPの構成例としては、複数種類の半導体チップを備えるもの、1種類の半導体チップとダイオードやコンデンサ等を備えるもの、さらに複数種類の半導体チップとダイオードやコンデンサ等とを備えるものが挙げられる。
(ステージ部20)
ステージ部20は、ベース部1a上の後方中央に配置されている。ステージ部20は、複数の実装領域を有する支持基板Wが載置されるステージ21と、ステージ21をXY方向に移動させるステージ移動装置としてのXY移動機構22とを備える。XY移動機構22は、ステージ21上に載置された支持基板WのX方向に沿う実装領域の各行が後に詳述するX方向に沿う一直線上に設定された一定の実装ラインに順に位置付けられるように、ステージ21を移動させる。XY移動機構22は、ステージ21に載置される最も大きな支持基板Wを、X方向においては支持基板WのX方向の寸法の2分の1より若干大きい(1/2X+α)範囲で移動させることができる移動ストロークを有し、Y方向においては支持基板WのY方向の寸法より若干大きい(Y+α)範囲で移動させることができる移動ストロークを有する。ステージ21は、不図示の吸引吸着機構によって、載置された支持基板Wを吸着保持することが可能なように構成されている。
ステージ21上に載置される支持基板Wは、例えばFO−PLPの製造時に適用される、擬似ウエーハに準じる擬似パネルの形成に用いられる基板であって、ガラス基板、有機基板(ガラス・エポキシ(FR−4)基板等)、シリコン基板、ステンレス等の金属基板等であるが、これらに限定されるものではない。FO−WLPの製造時に適用される擬似ウエーハの形成に用いられる基板であってもよい。擬似パネルとは、FO−WLPの製造時に適用される擬似ウエーハと同様に、個片化された複数の半導体チップ等の電子部品を平面的に配置し、配置された電子部品間を樹脂封止して1枚の板状に成形した状態のものである。従って、擬似パネルの形成に用いられる支持基板Wの形状は、円形に限られるものではなく、四角形やそれ以外の多角形、楕円形等であってもよく、その形状は特に限定されるものではない。支持基板Wとしては、上述したFO−PLPプロセスでMCPを製造する際に用いられる基板、すなわち各実装領域に複数の半導体チップやコンデンサ等の電子部品が実装される基板が好適に用いられる。
支持基板Wは、半導体チップt等の電子部品が実装される複数の実装領域を有している。ただし、複数の実装領域は支持基板W上に仮想的に設定されているものであり、各実装領域を示すマークやパターン等は形成されていない。支持基板Wは、基板全体の位置を示すグローバル認識用のアライメントマークを備えていてもよいが、個々の実装領域の位置を示すローカル認識用のアライメントマークは備えていない。グローバル認識方式とは、支持基板Wの複数の実装領域に電子部品をそれぞれ実装するときに、1回の基板の位置検出でその基板上の複数の実装領域に対して電子部品の実装を行なう方式のことを言う。ローカル認識方式とは、支持基板W上の複数の実装領域に電子部品をそれぞれ実装するときに、電子部品を実装する毎に電子部品の実装領域の位置検出を行う方式のことを言う。また、支持基板Wは、その大きさが300×300mm以上であることが好ましい。本実施形態においては、600×600mmの支持基板Wが一例として用いられる。つまり、本実施形態の実装装置1において、ステージ21は600×600mmの支持基板Wを載置可能な大きさを有している。
(移載部30)
移載部30は、左右一対の移載部30A、30Bと、中間ステージ31と、ウエーハリング保持装置32とを備えており、2つの移載部30A、30Bを左右反転した状態で配置したものである。2つの移載部30A、30Bは、部品供給部10を挟むようにベース部1a上の前方両側に分けて配置されており、左右が反転していることを除いて、同一構成を有している。以下においては、左側の移載部30Aの構成を説明し、右側の移載部30Bの構成の説明は省略する。
移載部30Aは、ベース部1aの前方左側にY方向に沿ってベース部1aの前端部から中央付近にかけて延設されたY方向移動装置33を備えている。このY方向移動装置33には、Y方向移動ブロック34がY方向に移動自在に支持されている。Y方向移動ブロック34の上端側の背面には、Y方向移動ブロック34からX方向に沿う水平方向である図示右方向に延設された矩形板状の支持体35が設けられている。この支持体35の背面側には、不図示のX方向移動装置によってX方向に沿って移動可能に支持された、平面視で概略クランク形状のX方向移動体36が設けられている。X方向移動体36の図示右方向の端部には、移載ヘッド37が支持されている。また、X方向移動体36の図示右方向の端部において、移載ヘッド37が支持された面とは反対側の面には、ウエーハ認識カメラ38が設けられている。
移載ヘッド37には、X方向に左右2つの吸着ノズル(移載ノズル)37a、37bがそれぞれZ(上下)方向移動装置37c、37dを介して上下方向に移動自在に設けてられている。移載ヘッド37は、反転機構37e、37fにより各吸着ノズル37a、37bを個別に上下反転可能に支持している。これにより吸着ノズル37a、37bは、半導体チップtを吸着保持する吸着面が下を向いた状態と吸着面が上を向いた状態とに選択的に姿勢を切換えることができるようになっている。ウエーハ認識カメラ38は、部品供給部10のウエーハリング11に保持された半導体チップtの位置認識に用いられる。
なお、左側の移載部30Aにおいては、外側(図示左側)に位置する吸着ノズルの部品番号を37aとし、また外側に位置するZ方向移動装置の部品番号を37cとし、外側に位置する反転機構の部品番号を37eとしている。ただし、左右の移載部30A、30Bは、左右反転した状態で配置されている。そこで、右側の移載部30Bにおいては、図示右側が外側となるので、右側に位置する吸着ノズルの部品番号が37aとなり、また右側に位置するZ方向移動装置の部品番号が37cとなり、右側に位置する反転機構の部品番号が37eとなる。ここで、左側の移載ヘッド37が第1の移載ヘッドであり、右側の移載ヘッド37が第2の移載ヘッドである。
中間ステージ31は、左右の移載ヘッド37の吸着ノズル37a、37bによって取り出された半導体チップtを一時的に載置するためのものであり、部品供給部10とステージ部20との間のベース部1aの略中央位置に設けられている。中間ステージ31は、左右の移載部30A、30Bの移載ヘッド37のそれぞれ2つの吸着ノズル37a、37bの配置に合わせて、4つの載置部31a〜31dを備えている。
ウエーハリング保持装置32は、部品供給部10のウエーハリングホルダ12にウエーハリング11を供給および収納する際に用いられる。ウエーハリング保持装置32は、左側の移載部30Aの支持体35における右方向の端部の、X方向移動体36が設けられた面とは反対側の面、つまり前面に設けられている。ウエーハリング保持装置32は、エアーシリンダ等の不図示のX方向移動装置によってX方向に進退自在に設けられた棒状の支持アーム32aと、この支持アーム32aにおける図示右方向の先端に設けられ、ウエーハリング11を把持するチャック部32bとを備えて構成されている。
このような移載部30は、部品供給部10から半導体チップtを順次取り出し、実装部40に向けて移載する。移載部30は、半導体チップtをフェイスアップ実装(半導体チップtの電極面を上にして基板に実装)するときには、部品供給部10から取り出した半導体チップtを中間ステージ31を介して実装部40に受渡し、半導体チップtをフェイスダウン実装(半導体チップtの電極面を下にして基板に実装)するときには、部品供給部10から取り出した半導体チップtを吸着ノズル37a、37bを上下反転させて半導体チップtを表裏反転させた状態で実装部40に受け渡す。
(実装部40)
実装部40は、左右一対の移載部30A、30Bと同様に、同一構成を有する2つの実装部40A、40Bを備えている。2つの実装部40A、40Bは、ステージ部20を挟むようにベース部1a上の後方両側に左右反転した状態で分けて配置されている。以下においては、左右一対の実装部40についても、左側の実装部40Aの構成のみを説明し、右側の実装部40Bの構成の説明は省略する。
実装部40Aは、ベース部1aの後方左側にY方向に沿ってベース部1aの後端部から中央部にかけて延設された、側面視で門型をなす支持フレーム41を備えている。この支持フレーム41の右側の側面に、Y方向移動装置41aを介してY方向に移動自在にヘッド支持体42が支持されている。ヘッド支持体42は、X方向に沿う水平方向である図示右方向に向けてベース部1aの中央付近まで延びている。ヘッド支持体42の前面には、X方向に移動可能なX方向移動装置42aを介して実装ヘッド43が設けられている。
実装ヘッド43は、X方向(図示左右)に並べて設けられ、半導体チップtを吸着保持して支持基板Wに実装する2つの実装ツール43a、43bと、2つの実装ツール43a、43bを個別にZ方向に移動させるZ方向移動装置43c、43dとを備えている。ここで、Y方向移動装置41aとX方向移動装置42aとZ方向移動装置43c、43dとで、実装ヘッド移送機構が構成されている。さらに、実装部40は実装ツール43a、43bに保持された半導体チップtを撮像するための撮像ユニット44を備えている。
実装ツール43a、43bは、移載ヘッド37の吸着ノズル37a、37bと同じ配置間隔で設けられている。また、実装ツール43a、43bは、半導体チップtを吸着保持する部分が、上下方向に透視可能な部材によって構成されている。これによって、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtを、実装ツール43a、43bの上側から観察することができるようになっている。実装ツール43a、43bは、不図示の水平回動装置を備えており、吸着保持した半導体チップtを水平面内で回動させることがでるようになっている。さらに、実装ツール43a、43bのうち、内側(ベース部1aの中央側)に位置する実装ツール43bには、第1の認識部としての基板認識カメラ43fが取り付けられている。基板認識カメラ43fは、ステージ21に載置された支持基板Wのアライメントマーク(グローバルマーク)を撮像するためのものである。
なお、移載部30と同様に、実装部40においても左右の実装部40A、40Bが左右反転した状態で配置されている。よって、左右の実装部40A、40Bにおいて、それぞれ外側(左側の実装部40Aにおいては左側、右側の実装部40Bにおいては右側)に位置する実装ツールの部品番号を43aとし、外側に位置するZ方向移動装置の部品番号を43cとている。ここで、左側の実装ヘッド43が第1の実装ヘッドであり、右側の実装ヘッド43が第2の実装ヘッドである。
撮像ユニット44は、中間ステージ31の4つの載置部31a〜31dの上方の位置に、4つの載置部31a〜31dに対応して第2の認識部としての4つのチップ認識カメラ44a〜44dを備えている。チップ認識カメラ44a〜44dは、載置部31a〜31dに載置された半導体チップtを撮像できると共に、チップ認識カメラ44a〜44dの下方に移動した実装ツール43a、43bに保持された半導体チップtを、実装ツール43a、43bを透過して撮像できるようになっている。これらチップ認識カメラ44a〜44dは、一対のXY移動装置44e、44fによって、2つ一組でXY方向に移動可能に支持されている。組となる二つのチップ認識カメラ(44aと44bおよび44cと44d)は、実装ツール43a、43bおよび吸着ノズル37a、37bと同じ配置間隔で設けられている。一対のXY移動装置44e、44fは、X方向に延設された図示正面視で門型をなすカメラ支持フレーム44gの梁の部分の下側に支持されている。カメラ支持フレーム44gは、実装部40における左右の支持フレーム41の上面の前側端部に、左右の支持フレーム41に架け渡して設けられている。
このような実装部40は、移載部30によって部品供給部10から取り出された半導体チップtを受け取り、受け取った半導体チップtをステージ21に載置された支持基板W上に実装する。その際、左右の実装ヘッド43の実装ツール43a、43bは、一定の実装ライン上で半導体チップtを実装する。この実装ラインは、ステージ21のY方向における移動範囲内において、X方向に沿って仮想的に設定された直線であって、ステージ21および実装ツール43a、43bの移動に用いる座標によって管理される。つまり、実装ラインは、一定のY軸上に位置するX軸上の座標点の集合となる。支持基板Wには、通常、XY方向に沿って行列状に実装領域が設定される。従って、支持基板W上に半導体チップtを実装するときには、ステージ21は半導体チップtを実装しようとするX方向に沿う実装領域の行が実装ライン上に位置するように移動制御される。実装ツール43a、43bは、実装ライン上に位置付けられた実装領域のうち、所定の実装領域上に半導体チップtを実装するように移動制御される。
左右の実装部40A、40Bの実装ヘッド43、43は、それぞれ実装ライン上において、支持基板W上の実装領域をX方向に2等分、つまり左右に2等分し、左側の領域を左側の実装ヘッド43で、右側の領域を右の実装ヘッド43で分担して同時並行的に半導体チップtの実装を行なう。この際、実装ヘッド43同士の物理的な干渉を防止するために、2つの実装ヘッド43、43が接近できる最小距離を、ソフト的あるいはメカ的に制限している。この接近できる最小距離を「最接近距離」と呼ぶ。また、左右の実装ヘッド43、43が最接近距離にある状態で、外側に位置する実装ツール同士、すなわち左側の実装ヘッド43の左の実装ツール43aと右側の実装ヘッド43の右の実装ツール43aの離間距離を「近接間隔」と呼ぶ。仮に、支持基板WのX方向の寸法が、近接間隔の2倍の長さに満たない場合、左右の実装ヘッド43による半導体チップtの実装を、支持基板WのX方向全域において同時並行して行なうことは困難となる。
左右の実装ヘッド43、43において、実装を同時に行う実装ツール43a、43bの組合せは図5に示す4通りがある。第1の例は、図5(A)に示すように、左側の実装ヘッド43の右の実装ツール43bと右側の実装ヘッド43の左の実装ツール43bとで半導体チップtを同時に実装する組合せである。第2の例は、図5(B)に示すように、左側の実装ヘッド43の右の実装ツール43bと右側の実装ヘッド43の右の実装ツール43aとで半導体チップtを同時に実装する組合せである。第3の例は、図5(C)に示すように、左側の実装ヘッド43の左の実装ツール43aと右側の実装ヘッド43の左の実装ツール43bとで半導体チップtを同時に実装する組合せである。第4の例は、図5(D)に示すように、左側の実装ヘッド43の左の実装ツール43aと右側の実装ヘッド43の右の実装ツール43aとで半導体チップtを同時に実装する組合せである。
このうち、同時に実装を行う実装ツール43a、43b同士の離間距離Lが最も長い組合せは、図5(D)に示す左右の実装ヘッド43における外側に位置する実装ツール43a同士で実装する組合せである。そして、この組合せにおいて、左右の実装ヘッド43が最接近距離にある状態での実装ツール43a同士の離間距離Lが、上述した「近接間隔」である。従って、支持基板WのX方向の長さが、近接間隔の2倍に満たない場合、図5(D)の組合せでは支持基板WのX方向の全域において、半導体チップtを同時に実装することができないことになる。なお、本実施形態においては、近接間隔は150mmとなっている。つまり、図5(D)に示す実装ツール43a、43b同士の離間距離Lが150mmということである。
なお、実装ヘッド43の動作プログラムとして、同時に実装を行う実装ツール43a、43bの組合せが、図5(A)〜(C)の組合せに制限されており、図5(D)の組合せが存在しない場合、「近接間隔」は図5(B)に示すような、左右の実装ヘッド43が最接近距離にある状態での左側の実装ヘッド43の右の実装ツール43bと右側の実装ヘッド43の右の実装ツール43aとの離間距離、または図5(C)に示すような、左右の実装ヘッド43が最接近距離にある状態での左側の実装ヘッド43の左の実装ツール43aと右側の実装ヘッド43の左の実装ツール43bとの離間距離となる。
(制御部50)
制御部50は、記憶部51に記憶された制御情報に基づいて、部品供給部10、ステージ部20、移載部30、実装部40の動作を制御し、半導体チップtを含む電子部品を支持基板Wの各実装領域に順次実装する。記憶部51には、後述するステージ21の移動位置誤差の取得工程により得られたステージ21の移動位置誤差を補正するステージ補正データや、実装ツール43a、43bの移動位置誤差の取得工程により得られた実装ツール43a、43bの移動位置誤差を補正するツール補正データが記憶されており、これらの補正データに基づいてステージ21および実装部40の移動が制御される。また、記憶部51には、支持基板Wに対して半導体チップtを実装するための、移載部30や実装部40等に対する動作プログラム等も記憶されている。
[実装装置の動作(電子部品の実装)]
次に、実装装置1を用いた半導体チップt等の電子部品の実装工程について説明する。支持基板Wの各実装領域に半導体チップt等の電子部品を実装するにあたって、グローバル認識方式のみを適用する場合、実装領域の位置認識は行われないため、各実装領域に対する半導体チップtの位置決め精度は、支持基板Wのグローバルマーク等の認識精度とステージ21のXY移動機構22の機械加工精度等、並びに実装ツール43a、43bのX方向移動装置42a、Y方向移動装置41a、Z方向移動装置43c、43dの機械加工精度等に頼ることになる。しかしながら、ステージ21や実装ツール43a、43bの移動をガイドするガイドレール等を、所望の範囲にわたって±7μm以下の精度で仕上げることは、金属加工上実質的に不可能である。ましてや、所望の長さを有するガイドレールを金属フレーム等に±7μm以下の直進性とうねりで組み付けることは、尚更不可能である。そこで、ステージ21の移動位置誤差を測定し、ステージ21の移動を補正するデータを取得(キャリブレーション)する。また、実装ツール43a、43bの移動位置誤差を実装ライン上において測定し、実装ツール43a、43bの移動を補正するデータを取得(キャリブレーション)する。
[ステージ21の移動位置誤差(ステージ補正データ)の取得工程(キャリブレーション工程(1))]
ステージ21の移動位置誤差を補正するデータは、図6および図7に示すような校正基板71を使用して取得する。校正基板71は、例えばガラス製の基板に位置認識用のドットマーク72が予め設定された間隔で行列状に設けられたものである。校正基板71のドットマーク72は、例えば縦600mm×横600mmの範囲内に3mm間隔で設けられている。ドットマーク72は、金属薄膜等で形成されており、エッチングやスパッタリング等の成膜技術を用いて形成することができる。ドットマークの直径は、例えば0.2mmである。このような校正基板71をステージ21上に正確にセットする。校正基板71のセット方法は特に限定されないが、例えば以下に示すような方法により実施される。ここで、校正基板71は支持基板Wと同じ大きさを有し、ドットマークが設けられた範囲は支持基板W上の全ての実装領域を含む範囲と同じ大きさとされている。
(校正基板71のセット)
上述したような校正基板71を作業者の手作業によってステージ21上にセットする。校正基板71のセットは、校正基板71をステージ21上に載置した後、校正基板71の平行調整(ドットマーク72の並び方向をXY方向に合わせる調整)を行うことにより実施される。平行調整は、支持基板Wのグローバルマークの撮像に用いる基板認識カメラ43fのうち、例えば左の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fを利用して行う。まず、ステージ21上に載置された校正基板71上において、図6に示すように、校正基板71の左手前の角部に位置するドットマーク72が基板認識カメラ43fの撮像視野Vの中心となるようにステージ21の位置を調整する。
この状態からステージ21を低速(カメラ22の視野V内をドットマーク72がゆっくりと流れていくくらいの速度)でX方向左側に向けて移動させる。このとき、作業者は基板認識カメラ43fの撮像画像をモニタで監視し、基板認識カメラ43fで撮像されるドットマーク72の位置が撮像視野Vに対して上側または下側にずれてきたらステージ21の移動を停止させ、ずれをなくす方向に校正基板71の傾きを手動で調整する。図6の撮像視野Vは、ステージ21の移動に伴って撮像視野V内に現れるドットマーク72の位置が徐々に下側にずれる状態の例を示している。
校正基板71の傾きを調整したら、また左手前の角部に位置するドットマーク72が基板認識カメラ43fの撮像視野Vの中心となるようにステージ21の位置を調整し、ステージ21を低速でX方向左側に向けて移動させる。作業者は、同様にモニタでドットマーク72の位置がずれていくか否かを監視する。そして、位置がずれてきたらステージ21の移動を停止させ、校正基板71の傾きを調整する。このような動作を、ステージ21のX方向における移動可能な範囲の全域において、ドットマーク72が撮像視野Vから外れることなくモニタ画面に映し出されるまで、繰り返し行う。このような作業者によるステージ21の移動は、タッチパネルとジョイスティックの操作等により行う。
(ステージ21の移動位置誤差(補正データ)の取得)
次に、上記した方法でステージ21上にセットされた校正基板71のドットマーク72の位置を、左右の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを用いて認識し、ステージ21の移動位置誤差およびそれに基づく補正データを取得する。ドットマーク72の認識は、左右の基板認識カメラ43fをそれぞれ所定の位置で停止させた状態で校正基板71を移動させることによって行う。校正基板71上のドットマーク72の撮像は、例えば図7に示すように、校正基板71の後方(ベース部1aの後方側に位置する側)左端に位置するドットマーク72からX方向右側に向けてドットマーク72の配置間隔である3mmピッチでピッチ移動を開始し、前方(ベース部1aの前方側に位置する側)に向けて順次折返しながら行う。この際、校正基板71上のドットマーク72のうち、左半分の領域に設けられたドットマーク72を左側の基板認識カメラ43fを用いて撮像し、右半分の領域に設けられたドットマーク72を右側の基板認識カメラ43fを用いて撮像する。
具体的には、ステージ21をXY移動機構22のXY方向の移動ストロークの中央に位置(この位置を原点位置と称する。)させた状態で、左側の基板認識カメラ43fを校正基板71上の左半分のドットマーク群の中央(図7に符号71Aで示す位置)に位置付け、右側の基板認識カメラ43fを校正基板71上の右半分のドットマーク群の中央(図7に符号71Bで示す位置)に位置付ける。この状態から、左右の基板認識カメラ43fを停止させたままで、作業者がモニタを見ながらXY移動機構22を操作して、左半分のドットマーク群の左上のドットマーク72が左側の基板認識カメラ43fの撮像視野Vの中心に位置するように、校正基板71を移動させる。これによって、右半分のドットマーク群の左上のドットマーク72が右側の基板認識カメラ43fの撮像視野V内に位置することとなる。左右それぞれのドットマーク群において、左上のドットマーク72が1番目のドットマーク72となる。
1番目のドットマーク72を基板認識カメラ43fの撮像視野Vの中心となるように位置付けたら、左右の基板認識カメラ43fによるドットマーク72の検出動作が開始される。ここから先は、制御部50による自動制御で行なわれる。検出動作は、作業者がタッチパネルに表示される検出動作の開始ボタンを押す(タッチする)ことで開始される。ドットマーク72の検出動作が開始されると、まず1番目のドットマーク72が撮像される。撮像された1番目のドットマーク72の画像は、公知の画像認識技術を用いて処理され、基板認識カメラ43fの撮像視野Vの中心に対するドットマーク72の位置ずれが検出される。検出された位置ずれは、ステージ21の移動位置(XY座標)と対になる情報として記憶部51に記憶される。ドットマーク72の位置認識が完了したら、前述した移動順序にしたがって、次(2番目)のドットマーク72をカメラの視野内に位置付けるべくステージ21が移動する。図7の例では、2番目のドットマーク72は1番目のドットマーク72の右隣に位置しているので、ステージ21をX方向左側へ3mm移動させる。
ステージ21の移動は、ステージ21のXY移動機構に設けられたリニアエンコーダの読み取り値に基づいて行われる。リニアエンコーダのスケールには、熱対策として熱膨張係数が小さいガラス製スケールを用いることが好ましい。ステージ21の移動が完了したら、1番目のドットマーク72aと同様にして、2番目のドットマーク72の位置ずれが検出され、このときのステージ21のXY座標と対となる情報として記憶部51に記憶される。ドットマーク72の撮像は、ステージ21を停止させた後、ステージ21の停止時に発生する振動が収まるだけの時間を待った後に行われる。このような動作を校正基板71上の全てのドットマーク72に対して行い、それぞれの位置に対応するドットマーク72の移動位置ずれデータを取得し、ステージ補正データとして記憶部51に記憶する。
(支持基板Wの熱膨張に伴う補正データの取得)
半導体チップtの接合に用いられるダイアタッチフィルムの接合性を向上させるため、ステージ21にヒータを設けて支持基板Wを加熱することがある。このような場合、ステージ21に載せる前と後とで支持基板Wの温度が変わる(上がる)ため、支持基板Wがその分だけ熱膨張する。支持基板Wが熱膨張すると、ステージ21と実装ヘッド55を精度良く移動させたとしても、支持基板Wが延びた分だけ実装位置がずれてしまう。
そこで、ヒータの加熱によって生じる支持基板Wの熱膨張量を予め測定する等して把握しておき、支持基板Wに半導体チップtを実装するときには、予め把握した熱膨張量に応じた係数(パーセンテージ)を補正データに乗じてステージ21の移動を制御することが好ましい。このとき、ヒータの形状や配置、ステージ21の構造等の要因で、支持基板W全体が均一に熱膨張するとは限らないので、熱膨張の分布も合わせて把握するようにしてもよい。例えば、支持基板W上の領域を10行×10列等の格子状の複数の領域に分割し、分割した領域毎に熱膨張量(各測定点の熱膨張による変位)を測定する。そして、領域毎にステージ21の補正データに乗ずる係数を切換えるようにしてもよい。
また、支持基板Wをステージ21に載置してから支持基板Wの熱膨張がステージ21の温度に対して飽和するまでの間の所定の経過時間毎に支持基板Wの熱膨張量を測定し、所定の経過時間毎の熱膨張量に応じた係数を求めておくようにしてもよい。このとき、支持基板W上を複数の領域に分割した領域毎に、熱膨張量に応じた係数を求めるようにしてもよい。そして、半導体チップtの実装を行うときには、支持基板Wがステージ21上に載置されてからの経過時間毎に、その経過時間に応じた係数に切換え、その係数を補正データに乗じてステージ21を移動させるようにする。このようにすることによって、ステージ21の温度に対して支持基板Wの熱膨張が飽和状態になることを待たずして、当該支持基板Wに対して半導体チップtの実装を開始することができ、半導体チップtの実装を効率良く、しかも精度良く実施することができる。
(ステージ21の移動位置の補正)
ステージ21を移動させるときには、ステージ21の移動位置誤差の取得工程で求めたステージ補正データのうち、左側の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを用いて取得したステージ補正データを参照し、ステージ21の移動位置を補正する。制御部50は、ステージ21に載置された支持基板W上のX方向に沿う実装領域の各行が順次実装ライン上に位置するようにXY移動機構22を制御する。このとき、制御部50は記憶部51に記憶された実装領域の位置情報(XY座標)と上述したステージ補正データを参照し、実装領域の行を実装ライン上に位置付けるときに必要な補正値を算出する。そして、実装領域の行を実装ライン上に位置付けるときのステージ21の移動位置を、算出した補正値分だけ補正する。ステージ21がヒータを有する場合には、上記した支持基板Wの熱膨張量に基づく係数を、ステージ21の補正データに乗ずるようにすることが好ましい。
なお、右側の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを用いて取得したステージ補正データは、右側の実装ヘッド43の移動位置の補正に用いる。すなわち、左右の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fは、同一の校正基板71に一定の配置間隔で設けられたドットマーク72を撮像しているので、ステージ21(校正基板71)が平行移動する限りにおいては、左右の基板認識カメラ43fの撮像画像から認識されるドットマーク72の位置ずれは一致するはずである。ところが、ステージ21は移動時に、水平面内で微小な回動、いわゆるヨーイングを生じることがある。このような場合には、左側の基板認識カメラ43fを用いて取得したステージ補正データを用いてステージ21の移動誤差を補正して移動させたとしても、右側の実装ヘッド43の実装ツール43a、43bによる実装精度が十分なものとならないことが考えられる。そこで、右側の実装ヘッド43の移動位置を、左側の基板認識カメラ43fで取得したステージ補正データと右側の基板認識カメラ43fで取得したステージ補正データとの差に基づいて補正する。このようにすることによって、ステージ21にヨーイングが生じる場合であっても、左右の実装ヘッド43による実装精度を確保することができる。
[実装ツール43a、43bの移動位置誤差(第1のツール補正データ)の取得工程(キャリブレーション工程(2))]
実装ツール43a、43bのXY方向の移動位置誤差を補正するデータ(第1のツール補正データ)は、ステージ21のキャリブレーションと同様に、校正基板71を使用して取得する。従って、上述したキャリブレーション工程(1)と連続して行うとよい。この補正データの取得は、ステージ21を例えば原点位置に停止させた状態で、実装ラインを中央とするY方向に所定の幅を有する領域(図7に破線の斜線で示す領域であって、以下「補正データ取得領域Dt」という。)内に位置するドットマーク72の位置を、左右の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを個別に移動させながら認識することで行う。それぞれの実装ヘッド43の基板認識カメラ43fは、X方向に関しては実装ヘッド43のX方向における移動可能な範囲の全域で、Y方向に関しては設定された所定の幅の範囲内において補正データ取得領域Dt内のドットマーク72の撮像を行う。
具体的には、まず左側の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fを、左側の実装ヘッド43のX方向の移動可能範囲の左端であって、補正データ取得領域Dtの後方側に移動させ、その位置にあるドットマーク72を基板認識カメラ43fの撮像視野Vの中心に位置付ける。この状態で、作業者がタッチパネルに表示される検出動作の開始ボタンを押す(タッチする)ことで、検出動作が開始される。
検出動作が開始されると、基板認識カメラ43fは、X方向の右側に向けてドットマーク72の配置間隔でピッチ移動を開始し、X方向に移動可能な範囲内において前方に向けて折返しながら補正データ取得領域Dt内のドットマーク72を順次撮像する。そして、基板認識カメラ43fは、上述したステージ補正データの取得と同様にしてドットマーク72の位置を認識し、実装ツール43a、43bの移動位置を補正する補正データとしての第1のツール補正データを取得して記憶部51に記憶する。同様の動作を右側の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fでも行い、右側の実装ヘッド43の実装ツール43a、43bの第1のツール補正データを取得して記憶部51に記憶する。なお、補正データ取得領域Dtの所定の幅は、支持基板Wに実装する電子部品の大きさに応じて適宜設定すればよいが、概ね30mm〜100mmの範囲内で設定するとよい。またさらに、電子部品1つ分の幅であってもよい。
上述したステージ補正データとツール補正データの取得工程は、基本的には実装装置1を稼働させるときに実施し、その測定結果に基づいてステージ21や実装ヘッド43の移動を制御すればよい。ただし、ステージ21や実装ヘッド43には、半導体チップtの実装を補助するヒータ等が組み込まれる場合がある。このような場合、装置各部の温度が上昇して熱膨張により機械精度が低下するおそれがある。また、実装装置1による半導体チップtの実装工程の進行に伴って、実装ヘッド43を移動させる移動装置のモータ等の発熱によっても、装置各部の機械精度が低下することもある。このような温度上昇による移動誤差を考慮する場合、装置稼働時の1回のみに限らず、定期的に実施してもよい。
(実装ツール43a、43bの移動位置の補正)
左右の実装ヘッド43を移動させる際の移動位置の補正について説明する。まず、左側の実装ヘッド43を実装ライン上の実装位置に移動させるときには、実装ツール43a、43bの移動位置誤差の取得工程で求めた第1のツール補正データのうち、左側の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを用いて取得したツール補正データを参照して、実装ツール43a、43bの移動位置を補正する。制御部50は、実装ツール43a、43bに保持された半導体チップtを実装ライン上に位置付けられた実装領域の行のうち、所定の実装領域に実装すべく実装ヘッド43のX方向移動装置42aおよびY方向移動装置41aを制御する。このとき、制御部50は、記憶部51に記憶された当該実装領域の位置情報(XY座標)と上述した第1のツール補正データを参照し、当該実装領域の中心に半導体チップtの中心が一致するように位置付けるのに必要な補正値を算出する。そして、半導体チップtを実装領域に実装するときの実装ツール43a、43bの移動位置を、算出した補正値分だけ補正する。
また、右側の実装ヘッド43の場合にも、左側の実装ヘッド43と同様に、右側の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを用いて取得した第1のツール補正データを参照して、実装ツール43a、43bの移動位置を補正する。なお、本実施形態においては、各実装ヘッド43において、2つの実装ツール43a、43bと基板認識カメラ43fの相対的な位置関係は、冶具等によって一定の精度内で組み付けられているようにすることが好ましい。このようにすることによって、半導体チップt等の位置決め精度をさらに向上させることができる。
[実装ツール43a、43bの移動位置誤差(第2のツール補正データ)の取得工程(キャリブレーション工程(3))]
実装ツール43a、43bのZ方向の移動位置誤差を補正するデータ(第2のツール補正データ)は、キャリブレーション工程(1)、(2)の後、ステージ補正データおよび第1のツール補正データを適用した状態で、支持基板Wまたは試験用の支持基板Wsに対し実装ライン上において所定のピッチで半導体チップtまたは試験用のチップtsを実装し、実装したチップの目標位置に対する位置ずれを測定することで取得する。
具体的には、ステージ21上に試験用の支持基板Wsを載置する。試験用の支持基板Wsは、製造に用いる支持基板Wでも良いが、少なくとも実装ライン上において実装領域が確保できればよいので、図7に示す補正データ取得領域Dtと同程度の大きさの基板であっても良い。ステージ21に支持基板Wsを載置したならば、後述する半導体チップtの移載工程および半導体チップtの実装工程と同様な動作にて、補正データ取得用として実装ラインに沿って予め設定された実装間隔、例えば1mm間隔で、試験用のチップtsを粘着テープを介して実装する。粘着テープは予め支持基板Wsに貼付しておけば良い。この実装は、グローバル認識方式で行う。
試験用のチップtsの実装が完了したならば、支持基板Wsをステージ21から取外し、不図示の検査装置にて各チップtsの目標位置に対する実装位置ずれを測定する。このようにして取得した、実装ライン上の目標位置と当該目標位置に対する実装位置ずれとの関係を表す相関データを、第2のツール補正データとして記憶部51に記憶する。この動作を左右の実装ヘッド43の各実装ツール43a、43bにおいて個別に行い、実装ツール43a、43b毎に第2のツール補正データを取得する。
なお、設定した実装間隔がチップtのX方向の寸法よりも小さい場合、例えば実装間隔が1mmでチップtsの寸法が4×4mmの場合、実装ライン上にチップtsを連続して配置することができない。このような場合には、支持基板Wsの位置をY方向にずらしながら複数回に分けてチップtsを実装ラインに沿って実装すればよい。すなわち、まず4mmよりも大きな間隔でチップtsを実装ラインに沿って実装する。この後、支持基板Wsの位置をY方向に4mmよりも大きな距離で移動させ。この位置で、前回に対してX方向に1mmずつ位置をずらしてチップtsを実装ラインに沿って実装する。この動作を実装間隔が埋まるまで繰り返すという具合である。
また、ローカルマークが付された試験用の支持基板Wsに対してグローバル認識方式で試験用のチップtsを実装し、基板認識カメラ43fを用いて、実装されたチップtsの実装位置に対する位置ずれを認識するようにしても良い。
(実装ツール43a、43bの移動位置の補正)
各実装ツール43a、43bの移動位置の補正について説明する。各実装ツール43a、43bを実装ライン上の実装領域に移動させるときには、記憶部51に記憶された第2のツール補正データである実装ライン上の目標位置と当該目標位置に対する実装位置ずれとの関係を表す相関データを参照し、当該実装領域に対応する実装位置ずれの値から補正値を算出する。そして、実装ツール43a、43bを実装領域に移動させるときの実装ヘッド43の移動位置を算出した補正値分だけ補正する。なお、第2のツール補正データの中に、実装領域の位置に一致する目標位置が存在しない場合には、例えば実装領域の位置に隣接する2つの目標位置における実装位置ずれを、一次式または多項式によって補間して、実装領域の位置に対応する実装位置ずれの補正値を算出するようにしても良い。
[電子部品の実装工程]
上記したキャリブレーション工程(1)〜(3)の後に、半導体チップt等の電子部品の支持基板Wへの実装工程を実施する。
(1)ウエーハリング11の搬入工程
まず、不図示の収納部からウエーハリングホルダ12に未使用のウエーハリング11を搬入し、ウエーハリング11をウエーハリングホルダ12上に固定する。この際、図8に示すように、左側の移載部30Aに設けられたウエーハリング保持装置32の支持アーム32aを図示右方向に移動させ、チャック部32bをウエーハリング11の保持位置へ移動させる。この状態で、2点鎖線で示す位置に移動して、収納部内のウエーハリング11の後端部を把持し、実線で示す位置まで移動させることで、収納部からウエーハリング11を引き出し、ウエーハリングホルダ12上にウエーハリング11を移動させる。ウエーハリングホルダ12上にウエーハリング11を位置付けたら、チャック部32bによるウエーハリング11の把持を解除し、支持アーム32aを図示左方向に移動させてチャック部32bを待機位置へ移動させる。ウエーハリングホルダ12上に位置付けられたウエーハリング11は、部品供給部10が備える不図示のエキスパンド機構によって樹脂シートSが引き伸ばされた状態で保持される。
(2)支持基板Wのセット工程
(2−1:支持基板Wの供給)
不図示の搬送ロボットによって保持された支持基板Wがステージ21に供給される。不図示の搬送ロボットは、支持基板Wを載置して保持する搬送アームを備えており、支持基板Wを実装装置1の左側から左側の実装部40Aの支持フレーム41の門の下の空間を通してステージ21上に搬入する。支持基板Wをステージ21上に供給した後、搬送アームは実装装置1上から退避する。支持基板Wの供給工程は、ウエーハリング11の搬入工程(1)と並行して行なってもよいし、個別に行なってもよい。
(2−2:グローバルマークの検出)
ステージ21上に載置された支持基板Wのグローバルマークを検出し、支持基板Wの位置を認識する。例えば図9に示すように、支持基板Wの4隅のうち、3つの角部に設けられたグローバルマークA、B、Cを、順次左右の実装ヘッド43が備える基板認識カメラ43fを用いて撮像する。具体的には、支持基板Wの左後方(図9では左上)に位置するグローバルマークAが左側の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fの真下に位置するように、左側の実装ヘッド43とステージ21とを相対的に移動させ、グローバルマークAを撮像する。次いで、支持基板Wの右後方(図9では右上)に位置するグローバルマークBが右側の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fの真下に位置するように、右側の実装ヘッド43とステージ21とを相対的に移動させ、グローバルマークBを撮像する。最後に、支持基板Wの右前方(図9では右下)に位置するグローバルマークCが右側の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fの真下に位置するように、右側の実装ヘッド43とステージ21とを相対的に移動させ、グローバルマークCを撮像する。このようにして撮像した撮像画像に基づいて3つのグローバルマークA、B、Cの位置を検出し、検出した3つのグローバルマークA、B、Cの位置に基づいて支持基板WのXY方向の位置ずれとθ方向(水平回転方向)の位置ずれを求める。支持基板Wの位置ずれは、各種公知の方法により求めることができ、その方法は特に限定されない。
以下に位置ずれの検出方法の一例を記す。図9において、実線はステージ21上に実際に置かれた支持基板Wを示す。二点鎖線はステージ21上に位置ずれなく置かれた状態の支持基板Wを示す。二点鎖線で記載された支持基板Wが理想の状態であり、このときの支持基板Wの中心はステージ21の中心位置O(x0,y0)と一致する。
まず、支持基板Wに設けられた3つのグローバルマークA、B、Cの位置を公知の画像認識技術を用いて検出し、グローバルマークA、Bを結ぶ線分ABのX方向に対する傾きθ1とグローバルマークB、Cを結ぶ線分BCのY方向に対する傾きθ2との平均値から支持基板Wの傾きθ(=(θ1+θ2)/2)を求める。次いで、ステージ21の中心位置Oを回転中心として傾きθを無くすように支持基板Wを仮想的に回転させる。この状態を図9に点線で示す。このときの対角に位置するグローバルマークA、Cの中点M1(x1,y1)の移動量(Δx1,Δy1)を求める。求めた移動量(Δx1,Δy1)と移動後の中点M2(x2,y2)と座標Oとの差(Δx2,Δy2)とを合わせた値(Δx1+Δx2,Δy1+Δy2)を支持基板WのXY方向の位置ずれとして求める。
ステージ21上における支持基板Wの位置ずれが算出されたなら、この位置ずれを補正しつつ、支持基板W上に最初に半導体チップtが実装される実装領域の行を実装ライン上に位置付けるようにステージ21を移動させる。具体的には、図9に実線で示す位置にステージ21を移動させ、支持基板Wの最も後方に位置する実装領域の行を実装ライン上に位置付ける。なお、図9には、便宜上、実装ラインを一点鎖線で示している。この際、各実装領域の行を実装ライン上に位置付けるためのステージ21の移動は、グローバルマークA、B、Cの認識によって取得した支持基板Wの位置ずれを補正するデータと、記憶部51に記憶されたステージ補正データとに基づいて補正される。本実施形態のように、ステージ21のXY移動機構22がθテーブル(θ移動機構)を持たない場合には、支持基板Wの傾きは実装ヘッド43が備えるθ調整機構によって、実装する半導体チップtの傾きを調整することで補正される。
(3)半導体チップtの移載工程
(3−1:半導体チップtの位置検出)
ウエーハリングホルダ12にウエーハリング11が保持されると、ウエーハリング11上で最初に取り出される半導体チップtが取り出しポジションに位置付けられる。取り出しポジションは、図10に示す状態のウエーハリングホルダ12の中央に設定されている。ウエーハリング11上の半導体チップtを取り出す順序は、記憶部51に予め記憶されており、この順序にしたがって制御部50がウエーハリングホルダ12の移動を制御する。従って、最初の半導体チップtが取り出された後は、記憶部51に記憶されている順序にしたがってウエーハリングホルダ12がウエーハリング11をピッチ移動させる。
最初の半導体チップtが取り出しポジションに位置付けられると、この半導体チップtと、この半導体チップtにX方向で隣接する次に取り出される半導体チップtとを、左側の移載部30Aのウエーハ認識カメラ38の撮像視野に取り込むべく、Y方向移動ブロック34とX方向移動体36を移動させる。すなわち、ウエーハ認識カメラ38は、ウエーハリング11上に保持された隣接する2つの半導体チップtを同時に取り込める大きさの撮像視野を備える。これら半導体チップtの一対のコーナー部に設けられた2つのアライメントマークがウエーハ認識カメラ38によって撮像される。撮像された半導体チップt毎の2つのアライメントマークの位置に基づいて、それぞれの半導体チップtの位置を検出する。最初に取り出す半導体チップtの位置が取り出しポジションに対してずれている場合、その位置を補正するようにウエーハリングホルダ12を移動させる。
なお、取出しポジションに位置付けられた半導体チップtの位置ずれの検出は、特に限定されるものではなく、各種公知の方法にしたがって実施される。例えば、半導体チップt上の対角位置に設けられた2つのアライメントマークの撮像画像から、公知の画像認識技術を用いて各アライメントマークの位置を検出する。求めたマークの位置から2つのマークを結ぶ線分の傾きを求め、その傾きと予め記憶部51に記憶しておいた位置ずれの無い半導体チップtにおけるマーク間を結ぶ線分の傾きとを比較し、その差を半導体チップtの傾きずれとして検出する。また、実際のアライメントマーク間の中点の位置と記憶部51に記憶されている位置ずれの無い半導体チップtのアライメントマーク間の中点の位置との差を半導体チップtのXY方向の位置ずれとして求める。
(3−2:半導体チップtの取り出し)
2つの半導体チップtの位置ずれが認識されると、取り出しポジションに位置付けられた半導体チップtの直上に、左側の移載ヘッド37の左の吸着ノズル37aが移動される。次いで、Z方向移動装置37cを駆動させて吸着ノズル37aを下降させ、吸着ノズル37aの吸着面を半導体チップtの上面(電極形成面)に当接させる。吸着ノズル37aが半導体チップtに当接したら、吸着ノズル37aに半導体チップtを吸着保持させる。吸着ノズル37aに吸着力を作用させるタイミングは、吸着ノズル37aが半導体チップtに当接する前でも、当接と同時でも、または当接した後でも、適宜のタイミングに設定すればよい。
左の吸着ノズル37aが半導体チップtを吸着保持したら、吸着ノズル37aを元の高さまで上昇させる。このとき、吸着ノズル37aの上昇に合わせて不図示の突き上げ機構を作動させ、樹脂シートSからの半導体チップtの剥離を補助する。半導体チップtを吸着保持した左の吸着ノズル37aが元の高さまで上昇したら、またはこの上昇と並行して、次の半導体チップtが取り出しポジションに位置付けられると共に、右の吸着ノズル37bが取り出しポジションの直上に位置付けられる。右の吸着ノズル37bにおいても左の吸着ノズル37aと同様にして半導体チップtの取り出しを行う。
左側の移載ヘッド37の左右の吸着ノズル37a、37bがそれぞれ半導体チップtを吸着保持したら、Y方向移動ブロック34とX方向移動体36の移動により、左側の移載ヘッド37の左右の吸着ノズル37a、37bが、図10に示すように、中間ステージ31の載置部31a、31b上に位置付けられる。この状態で、左右の吸着ノズル37a、37bが下降され、載置部31a、31b上に、左右の吸着ノズル37a、37bに保持されていた半導体チップtが載置される。
なお、上述の取り出し工程において、取り出しポジションに位置付けられた半導体チップtの隣に取り出すべき半導体チップtが存在しない場合、つまり取り出しポジションに位置付けられた半導体チップtが当該半導体チップtの属する行の終端の半導体チップtである場合がある。このような場合、次の行の先頭に位置する半導体チップtが次に取り出すべき半導体チップtとなる。この半導体チップtがウエーハ認識カメラ38の撮像視野に取り込むことができる範囲に位置している場合は、2つの半導体チップtを同時に撮像する。一方、撮像視野に取り込むことができる範囲に位置していない場合は、2つの半導体チップtを個別に撮像する。個別に撮像する場合、次の(2つ目)の半導体チップtの撮像は、取り出しポジションに位置付けられた1つ目の半導体チップtの取り出しを行う前に行なってもよいし、1つ目の半導体チップtを取り出した後に行なってもよい。
(3−3:半導体チップtの受け渡し)
中間ステージ31の載置部31a、31b上に半導体チップtが載置されると、左側の実装部40Aの実装ヘッド43が中間ステージ31に向けて移動され、図11に示すように、左右の実装ツール43a、43bを載置部31a、31bの上方位置に位置付ける。左右の実装ツール43a、43bが載置部31a、31b上に位置付けられると、Z方向移動装置43c、43dを駆動して実装ツール43a、43bを下降させ、実装ツール43a、43bを半導体チップtにそれぞれ当接させる。実装ツール43a、43bが半導体チップtに当接したら、実装ツール43a、43bに半導体チップtを吸着保持させる。この吸着保持のタイミングは、実装ツール43a、43bが半導体チップtに当接する前でも、当接と同時でも、または当接した後でも、適宜のタイミングに設定すればよい。実装ツール43a、43bが半導体チップtを吸着保持したら、Z方向移動装置43c、43dによって実装ツール43a、43bを元の高さまで上昇させる。これによって、2つの半導体チップtを同時に実装ツール43a、43bで受け取る。
ここで、上記した半導体チップtの受け渡しと並行して、右側の移載部30Bによる、工程(3)の(3−1)および(3−2)が行われる。このとき、右側の移載ヘッド37についても、外側の吸着ノズル37a(左側の移載ヘッド37とは左右が反転しているので、右側の吸着ノズル37a)から内側の吸着ノズル37bの順で半導体チップtの取り出しを行う。なお、移載部30が部品供給部10から半導体チップtを取り出す取り出しポジションは、単一のポジションである。そのため、左側の移載部30Aによる半導体チップtの取り出しと、右側の移載部30Bによる半導体チップtの取り出しとは、交互に実行されることとなる。
(4)半導体チップtの実装工程
(4−1:半導体チップtの位置検出および移動)
実装ツール43a、43bが半導体チップtを受け取ると、載置部31a、31bの上方に配置された撮像ユニット44のチップ認識カメラ44a、44bによって、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtが撮像される。この撮像は、実装ツール43a、43bの透視可能な部材を透過して行われる。チップ認識カメラ44a、44bの撮像画像に基づいて、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtの位置を検出する。この位置検出は、上述した工程(3)の(3−1)と同様に公知の画像認識技術を用いて実施することができる。検出した半導体チップtの位置に基づいて、半導体チップtの位置ずれを求める。
なお、半導体チップtの位置検出は、載置部31a、31b上で行うようにしてもよい。この場合には、認識カメラ44a、44bによって半導体チップtの撮像を行なった後、実装ツール43a、43bが半導体チップtを吸着保持することとなる。認識カメラ44a、44bによる半導体チップtの撮像が完了すると、図12に示すように、実装ツール43a、43bはX方向に沿った実装ライン上に位置付けられた支持基板Wの実装領域の行の上に向けて移動する。
(4−2:半導体チップtの実装)
実装ヘッド43は、左右の実装ツール43a、43bのうち、まず左の実装ツール43aに保持された半導体チップtを実装する実装領域上に、左の実装ツール43aに保持された半導体チップtを位置付けるべく移動する。この場合、左の実装ツール43aに保持されている半導体チップtは、支持基板Wに最初に実装される半導体チップtであるから、実装ライン上に位置付けられた実装領域の行のうち、最も左側に位置する実装領域上に左の実装ツール43aが移動される。
この際の移動位置は、記憶部51に記憶された第1および第2のツール補正データと、(4−1:半導体チップtの位置検出および移動)の工程で算出された半導体チップtの位置ずれに基づいて補正される。また、(2−2:グローバルマークの検出)の工程において、支持基板Wの傾きθが検出されている場合には、この傾きθについても実装ツール43aによって補正される。この後、実装ツール43aを下降させて半導体チップtを支持基板Wの所望の実装領域に実装する。
支持基板Wに対する半導体チップtの接合は、支持基板Wの表面、または半導体チップtの下面に予め貼付されている粘着シートやダイアタッチフィルム(Die Attach Film:DAF)等の粘着力を利用して行う。半導体チップtの接合は、ステージ21にヒータを設けておき、加熱された支持基板Wに対して半導体チップtを加圧して実施してもよい。ヒータは、実装ツール43aに内蔵させてもよい。半導体チップtを予め設定された時間だけ加圧した後、半導体チップtの吸着を解除して、実装ツール43aを元の高さまで上昇させる。
実装ツール43aによる実装が完了したら、次に右の実装ツール43bに保持された半導体チップtを実装する実装領域上に、右の実装ツール43bに保持された半導体チップtを位置付けるべく、実装ヘッド43が移動される。右の実装ツール43bに保持された半導体チップtが実装領域上に位置付けられると、上述した左の実装ツール43aと同様の動作によって、実装領域に対して半導体チップtが実装される。左右の実装ツール43a、43bによる半導体チップtの実装が完了した左側の実装ヘッド43は、中間ステージ31に向けて移動する。
ここで、上記した半導体チップtの実装工程と並行して、左側の移載部30Aによる、工程(3)の(3−1)および(3−2)が行われている。そのため、左側の実装ヘッド43が中間ステージ31の載置部31a、31b上に移動したときには、次に実装される半導体チップtが載置部31a、31bに載置された状態となっている。従って、中間ステージ31上に移動した左側の実装ヘッド43は、直ちに載置部31a、31b上から半導体チップtを受け取り、再び工程(4)の(4−1)および(4−2)を実行する。以後、この動作を、支持基板W上の全ての実装領域に対して半導体チップtの実装が完了するまで繰り返し行う。
左側の実装ヘッド43の実装ツール43a、43bによる半導体チップtの実装が行われている最中であっても、右側の移載部30Bによって中間ステージ31の載置部31c、31dに対する半導体チップtの移載が完了した段階で、右側の実装部40Bの実装ヘッド43による半導体チップtの実装が開始される。この動作は、左側の実装部40Aの例で説明した上述の工程(4)の(4−2)と同様である。なお、右側の実装ヘッド43についても、外側(左側の実装ヘッド43と左右が反転しているので、右側)の実装ツール43aから内側の実装ツール43bの順で半導体チップtの実装を行う。右側の実装部40Bによる半導体チップtの実装についても、左側の実装部40Aと同様に、支持基板W上の全ての実装領域に対する半導体チップtの実装が完了するまで繰り返し行う。
この際、左側の実装部40Aと右側の実装部40Bとは、支持基板W上の領域を左右(X方向)に2等分して、それぞれの領域を分担して半導体チップtの実装を行う。そのため、左側の実装部40Aの実装ヘッド43と右側の実装部40Bの実装ヘッド43とは、上述した工程(4)の(4−1)および(4−2)を交互に行うのみならず、同時並行的に行うこともできる。なお、上述した半導体チップtの実装においては、ステージ21の移動も行われる。すなわち、左右の実装ヘッド43が支持基板Wの実装領域に半導体チップtを実装するときには、それぞれの実装ヘッド43の外側の実装ツール43aが個々に実装ライン上の予め設定された定位置(以下、「実装ポジション」という。)で実装を行うように移動位置が制御される。
この実装ポジションは、例えば原点位置に位置付けられたステージ21上に正規の位置関係で載置された支持基板Wに対して、図7の符号71A、71Bに示す位置の如くに設定する。本実施形態では、この2つの実装ポジション間の距離は、「実装領域の配置間隔(センター間の距離)Pの2倍の距離(2P)の整数倍(n倍)の距離」に設定している。この実装ポジション間の距離(2P×n)が近接間隔以上になり、かつそのうちで支持基板Wの実装領域の配置状態に応じて距離(2P×n)が狭くなるように設定する。要するに、近接間隔以上でかつ近接間隔に最も近い(2P×n)の値を実装ポジション間の距離として設定することが好ましい。このように、各実装ヘッド43の外側の実装ツール43aによる実装位置が実装ライン上の定位置に設定されているから、ステージ21は支持基板Wにおける実装ライン上に位置付けられた実装領域の行のうち、外側の実装ツール43aによって半導体チップtが実装される実装領域を順次実装ポジションに位置付けるように移動制御される。もちろん、この移動制御は記憶部51に記憶されたステージ補正データを加味して行われる。
より具体的には、まずステージ21は実装ライン上に位置付けられた支持基板W上の実装領域の行のうち、左側の実装ヘッド43の外側の実装ツール43aによって半導体チップtが最初に実装される実装領域を左側の実装ポジションに位置付けるように移動される。左側の実装ポジションに位置付けられた実装領域に半導体チップtが実装された後、当該実装領域の隣の実装領域に左側の実装ヘッド43の内側(右)の実装ツール43bによって半導体チップtが実装される。内側の実装ツールで隣の実装領域に半導体チップtを実装するときの移動は、上述したように実装ヘッド43の移動によって行われる。このとき、右側の実装ヘッド43の外側(右)の実装ツール43aによって半導体チップtが最初に実装される実装領域は、右側の実装ポジションに位置付けられているため、外側(右)の実装ツール43aにより半導体チップtが実装され、続いて内側(右)の実装ツール43bによって半導体チップtが実装される。
右側の実装ヘッド43の内側(左)の実装ツール43bによって半導体チップtが実装されたならば、ステージ21は実装ライン上に位置付けられた支持基板W上の実装領域の行のうち、左の実装ツール43aによって半導体チップtが2番目に実装される実装領域を左側の実装ポジションに位置付けるように移動される。このようにして、ステージ21は左右の実装ツール43aによって半導体チップtが実装される実装領域を順次実装ポジションに位置付ける。左右の実装ヘッド43の実装ツール43a、43bによる一連の半導体チップtの実装(4個の半導体チップtの実装)が行われている間は、支持基板Wは一定の位置に停止しており、次の半導体チップtの実装(次の4個の半導体チップtの実装)が行われる前に、支持基板Wの次の実装領域が実装ポジションに位置付けられるように支持基板Wがステージ21により移動される。なお、上述したキャリブレーション工程(1)において、左右の実装ヘッド43の基板認識カメラ43fによるドットマークの位置認識結果にずれがある場合、そのずれ分は補正するように移動させる。
(5)支持基板Wの搬出および搬入工程
支持基板W上の全ての実装領域に対して半導体チップtの実装が完了したら、移載部30および実装部40が一旦停止され、半導体チップtの実装が完了した支持基板Wのステージ21からの搬出と、新たな支持基板Wのステージ21上への搬入が行われる。ステージ21からの支持基板Wの搬出は、上述の工程(2)で説明した搬送ロボットとは異なる搬送ロボットによって行われる。この搬送ロボットは、実装装置1の右側から右側の実装部40Bの支持フレーム41の門の下の空間を通して搬送アームを侵入させ、ステージ21上の支持基板Wを受け取った後、支持フレーム41の門の下の空間を通して支持基板Wを搬出する。搬出した支持基板Wは、後述する封止工程S2へと搬送される。新たな支持基板Wは、上述した工程(2)と同様にしてステージ21上にセットされる。
(6)ウエーハリング11の交換工程
上述したように支持基板Wに対する半導体チップtの実装を繰り返し行うことで、ウエーハリング11上の半導体チップtが無くなった場合、ウエーハリング11が新たなウエーハリング11と交換される。この交換は、上述の工程(1)と同様に、左側の移載部30Aに設けられたウエーハリング保持装置32を用いて行われる。すなわち、ウエーハリング11上の半導体チップtが無くなると、部品供給部10が備えるエキスパンド機構(不図示)によるウエーハリング11の保持が解除される。この後、ウエーハリング保持装置32が工程(1)とは逆の動作でウエーハリング11をウエーハリングホルダ12上から収納部(不図示)内へと収納し、次いで工程(1)の動作で新たなウエーハリング11を収納部からウエーハリングホルダ12上に供給する。
図13に示すように、1つの実装領域MAに複数の半導体チップt1〜t3を実装する場合がある。このような場合には、上述したように1つ目の半導体チップt1の実装が完了した後、部品供給部10に2つ目の半導体チップt2が搭載されたウエーハリング11をセットし、ステージ21上には1つ目の半導体チップt1を実装済みの支持基板Wをセットする。そして、上述した動作と同様の動作を実行することによって、1つ目の半導体チップt1が実装された各実装領域MAに対して2つ目の半導体チップt2の実装を順次行なう。このようにして、2つ目の半導体チップt2が、半導体チップt1の実装された全ての実装領域MAに実装されたならば、部品供給部10に3つ目の半導体チップt3が搭載されたウエーハリング11をセットし、またステージ21には半導体チップt1、t2を実装済みの支持基板Wをセットし、同様の動作によって3つ目の半導体チップt3の実装を行なう。このようにして、支持基板Wの各実装領域MAに複数の半導体チップt1〜t3を実装する。
1つの実装領域MAに複数の半導体チップt1〜t3を実装する場合、上記したように1つ目の半導体チップt1を全ての支持基板Wに実装し終えた後に、2つ目の半導体チップt2に切換える実装方法に限られるものではない。例えば、1枚の支持基板Wに対して1つ目の半導体チップt1を実装し終えたら、部品供給部10から供給する半導体チップtを2つ目の半導体チップt2に切換えるようにしてもよい。3つ目の半導体チップt3も同様であり、1枚の支持基板Wに対して2つ目の半導体チップt2を実装し終えたら、3つ目の半導体チップt3に切換えるようにする。すなわち、支持基板W単位で複数品種の半導体チップtの実装を行うようにしてもよい。この場合、1つの支持基板Wに対して全ての品種の半導体チップtを実装し終えるまで支持基板Wをステージ21上から取り外さないため、複数品種の半導体チップtの実装精度をさらに向上させることができる。
上記した各品種の半導体チップtを全ての支持基板Wに実装する方法において、1品種目の半導体チップt1を実装し終えた支持基板Wはステージ21上から一旦搬出され、2品種目の半導体チップt2を実装するときにステージ21上に再び載置される。このため、1品種目の半導体チップt1を実装するときと、2品種目の半導体チップt2を実装するときとでは、ステージ21上での支持基板Wの位置にずれ、すなわち置き位置ずれが生じる。ステージ21上でたまたま同じ位置になることはあっても、大抵はずれることになる。グローバル認識で支持基板Wの位置を認識しているとはいえ、認識誤差等の要因で支持基板Wの認識位置にずれが生じる可能性がある。従って、その分だけ1品種目と2品種目との相対位置精度が低下することが考えられる。これに対し、1品種目の半導体チップt1と2品種目の半導体チップt2とを、ステージ21から支持基板Wを外すことなく続けて実装した場合、認識誤差による位置ずれを防止することができる。従って、1品種目と2品種目との相対位置精度を向上させることができる。
支持基板Wの複数の実装領域のそれぞれに実装する半導体チップtは、1品種に限られるものではない。1つの支持基板Wを複数の領域に区分けして、領域毎に異なる品種の半導体チップtを実装することも可能である。例えば、支持基板WをY方向に二分した片側半分の第1の領域にA品種の半導体チップtaを実装し、残りの半分の第2の領域にB品種の半導体チップtbを実装するようにしてもよい。A品種の半導体チップtaが実装された第1の領域からは、A品種の半導体パッケージが製造される。B品種の半導体チップtbが実装された領域からは、B品種の半導体パッケージが製造される。
この場合、A品種の半導体チップtaとB品種の半導体チップtbとでは、後工程において形成される再配線層の回路パターンが異なるため、再配線形成用の露光パターンも異なることになる。このため、半導体チップta、tbの実装誤差を露光工程で補正することは益々難しくなることが考えられる。実施形態の実装装置および実装方法を適用した場合、A品種の半導体チップtaとB品種の半導体チップtbとの間でも、高い相対位置精度で実装することが可能である。従って、A品種の半導体チップtaが実装された領域に対する露光処理とB品種の半導体チップtbが実装された領域に対する露光処理とを一括して行うことも可能となり、生産効率を向上させることができる。
第1の領域にA品種の半導体チップtaを実装し、第2の領域にB品種の半導体チップtbを実装するに際して、A品種の半導体チップtaとB品種の半導体チップtbとのサイズが異なる場合など、A品種の実装ピッチとB品種の実装ピッチとが異なることもある。このような場合には、A品種の半導体チップtaを実装するときと、B品種の半導体チップtbを実装するときとで、ステージ21の送り量を切換えることによって、複数品種の半導体チップta、tbを支持基板Wの複数の領域に良好に実装することができる。同様に、支持基板Wの第1の領域に第1のマルチチップパッケージを構成するC品種とD品種の半導体チップの組み合わせを実装し、第2の領域に第2のマルチチップパッケージを構成するE品種とF品種の半導体チップの組み合わせを実装するようにしてもよい。これらいずれの実装においても、1品種の半導体チップtずつ複数の支持基板Wに実装を行うようにしてもよいし、支持基板W単位で複数品種の半導体チップを実装するようにしてもよい。これらの具体的な実装工程は、前述した通りである。
なお、このような場合においても、支持基板Wのグローバルマークの認識は最初に1回行えばよく、半導体チップtを実装する領域が第1の領域から第2の領域に移るときに改めて支持基板Wのグローバルマークを認識せずに済ませることができる。また、ステージ21にヒータを設ける等して支持基板Wを加熱する場合には、半導体チップtが先に実装される第1の領域と後に実装される第2の領域とで、ステージ21の補正データを切換えるようにしてもよい。このようにすることによって、第1の領域にA品種の半導体チップtaを実装している間に、支持基板Wにおける第2の領域に対応する部分の熱膨張量が拡大したときでも、それに対応することが可能となるので、半導体チップt(tb)の実装精度を高精度に維持することができる。
上述したような支持基板W単位で複数品種の半導体チップtの実装を行う場合には、部品供給部10としてテープフィーダによるチップ供給機構を用い、複数品種に対応した複数のテープフィーダを装備するようにするとよい。テープフィーダを用いる場合、左側の移載部30Aおよび実装部40Aと右側の移載部30Bおよび実装部40Bとでそれぞれ、部品供給部10を挟んで両側に専用のチップ供給機構を装備してもよい。このようにした場合、左右の移載部30A、30Bおよび実装部40A、40Bに対して異なる品種の半導体チップtまたは異なる組合せの半導体チップtを供給することができる。そのため、上述したような支持基板Wを二つの領域に二分してそれぞれ異なる半導体パッケージを製造する場合に有効である。
上述した1品種の半導体チップt、もしくは複数品種の半導体チップt1、t2、t3または半導体チップta、tb等の実装が終了した支持基板Wは、以下に示す後工程に送られ、それにより半導体パッケージのようなパッケージ部品が作製される。すなわち、半導体チップの実装が終了した支持基板Wは、封止工程および再配線層の形成工程に順に送られる。封止工程においては、支持基板W上に実装された半導体チップ間の隙間に樹脂が充填され、これにより疑似パネルまたは擬似ウエーハが形成される。疑似パネルまたは擬似ウエーハは、再配線層の形成工程に送られる。再配線層の形成工程においては、半導体ウエーハの製造プロセス、プリント基板の製造プロセス、または表示パネルの製造プロセスにおける回路の形成工程、すなわちレジスト材料等の感光材の塗布工程、感光材の露光および現像工程、エッチング工程、イオン注入工程、レジストの剥離工程等が実施され、これらの工程により疑似パネルまたは擬似ウエーハの半導体チップ上に再配線層が形成される。再配線層が形成された疑似パネルまたは擬似ウエーハは、ダイシング工程に送られ、そこで疑似パネルまたは擬似ウエーハを個片化することによって、半導体パッケージのようなパッケージ部品が製造される。
このように、実施形態のパッケージ部品の製造方法は、図14に示すように、支持基板Wの複数の実装領域のそれぞれに電子部品を実装する実装工程S1と、複数の実装領域に実装された電子部品を一括して封止することにより疑似パネルまたは擬似ウエーハを形成する封止工程S2と、疑似パネルまたは擬似ウエーハの電子部品上に再配線層を形成する再配線工程S3と、疑似パネルまたは擬似ウエーハをダイシングしてパッケージ部品を製造するダイシング工程S4とを具備する。再配線工程S3は、上記したように感光材の塗布工程S31、感光材の露光および現像工程S32、エッチング工程S33、イオン注入工程S34、レジストの剥離工程S35等を備える。実施形態のパッケージ部品の製造方法における電子部品の実装工程は、実施形態の電子部品の実装方法に基づいて実施される。実施形態のパッケージ部品の製造方法において、支持基板Wの各実装領域に実装される電子部品は、上述したように1つの半導体チップtであってもよいし、また複数種の半導体チップや同じ品種の複数の半導体チップであってもよい。電子部品の品種や数は、特に限定されるものではない。
上述した実施形態の実装装置1においては、2つの実装ツール43a、43bをそれぞれ備える左右2つの実装ヘッド43、43によって、支持基板W上の複数の実装領域のうち、X方向に沿って予め設定された実装ライン上に位置付けられたいくつかの実装領域に対して半導体チップtを実装する。このとき、ステージ部20のステージ移動機構としてのXY移動機構22によるステージ21の移動は、予め取得して記憶部51に記憶された、ステージ21の移動位置誤差を補正するステージ補正データを用いて補正される。また、左右の実装ヘッド43の実装ヘッド移動機構としてのY方向移動装置41aおよびX方向移動装置42aによる各実装ツール43a、43bの実装ライン上での移動は、予め取得して記憶部51に記憶された、実装ライン上における左右の実装ツール43a、43b毎の移動位置誤差を補正するツール補正データとしての第1のツール補正データ、さらに実装位置に移動した実装ツール43a、43bによる実装時の位置誤差を補正するツール補正データとしての第2のツール補正データを用いて補正される。
これらによって、左右の実装ヘッド43が、それぞれ2つの実装ツール43a、43bによって、支持基板Wに対して実装ライン上の異なる位置において個別に半導体チップtを実装する場合においても、支持基板W上の各実装領域に対する半導体チップtの実装誤差を低減させることができる。また、それぞれが複数(2つ)の実装ツール43a、43bを備えた左右の実装ヘッド43を用いて支持基板Wの複数の実装領域に半導体チップtを実装することによって、1つの半導体チップtの実装時間(実装装置1としての1個の半導体チップtの実装に要するタクトタイム)の低減を図ることができる。よって、タクトタイムの低減と実装精度の向上とを両立させることができる。
すなわち、実施形態の実装装置1においては、左右の実装ヘッド43がそれぞれ2つずつ備える合計4つの実装ツール43a、43bが、常に実装ツール43a、43bの配置方向(X方向)に沿って設定された一定の実装ライン上で半導体チップtを実装するようにしている。このため、4つの実装ツール43a、43bによる実装位置が一ライン上に集約されることとなり、実装ツール43a、43bの移動に要する時間に基づく実装時間の増加を抑制しつつ、実装のための移動の際に生じる各実装ツール43a、43bの移動位置誤差の発生パターンを極力単純化することができる。これによって、簡素な補正方法により各実装ツール43a、43bの移動位置精度を確保することが可能となり、実装効率の低下を抑制した上で、半導体チップtの実装精度を向上させることができる。
また、ステージ21の移動位置誤差をステージ補正データにより補正するので、ステージ21を予め設定された移動量で精度良く移動させることができる。これによって、支持基板Wの実装領域の各行を実装ライン上に位置付ける際の位置決め精度を高めることができる。さらに、ステージ補正データを取得する際に、一つの校正基板71上に等間隔で設けられたドットマーク72の位置を左右の実装ヘッド43に設けられた基板認識カメラ43fを用いて別々の定位置において認識するようにしている。これによって、同一のステージ21上の異なる領域間での移動位置誤差の差を把握することが可能となり、左右の実装ヘッド43によって、ステージ21の異なる位置(実装ライン上の異なる位置)において半導体チップtの実装を行う場合であっても、実装精度を確保することができる。
このため、±7μm以下の実装精度と0.4秒以下のタクトタイムとを同時に達成することができる。その結果、実装領域毎に位置検出用のマークが設けられていない支持基板Wに対して、半導体チップtを含む電子部品を相互の間隔が予め設定された間隔となるように精度よく実装することができ、しかも支持基板W上に半導体チップtを含む電子部品を生産性よく実装することができる。すなわち、左右の実装部40A、40Bによる同時並行的な実装によって、半導体チップtの実装に要するタクトタイムの短縮が図れると共に、一定の実装ライン上での半導体チップtの実装とステージ補正データおよびツール補正データによる移動位置の補正によって、実装精度の向上効果と生産性の低下防止効果とを同時に得ることができる。
例えば、支持基板Wを載置したステージ21を移動させず、左右の実装ヘッド43の実装ツール43a、43bを支持基板W上の各実装領域に順次移動させる構成とし、実装ツール43a、43b側で支持基板W上の全域をカバーする補正データを作成することを考える。この場合、基板ステージ側で補正データを作成する場合に比べて膨大な補正データが必要となり、キャリブレーションに要する時間が長大化する。すなわち、実装ツール43a、43bは基板ステージ21とは異なり、支持基板W上に半導体チップtを実装する関係上、上下動機構が必須となる。そのため、補正データを作成するに当たっては、実装ヘッド移動機構の移動位置誤差の他に、実装ツール43a、43bの上下動に起因するXY方向の位置ずれをも考慮する必要がある。
そこで、実装ヘッド側で補正データを作成するに当たっては、ステージ21のステージ補正データを取得する際に使用した、3mmよりも短い間隔、例えば1mmピッチ等の短い間隔毎に移動位置誤差を測定する必要があると考えられる。仮に、600mm×600mmの移動範囲に対して1mmピッチで移動位置ずれを測定したとすると、600点×600点で360000点での測定が必要となり、3mmピッチで測定する場合(3mmピッチでは40000点)に比べて測定箇所が9倍となる。よって、測定時間も9倍となる。例えば、実施形態の実装装置1において、ステージ補正データの取得に4〜5時間程度を要するとすると、36〜45時間を要することとなる。これでは実用的でない。
このようなことから、左右の実装ヘッド43がそれぞれ2つずつ備える合計4つの実装ツール43a、43bが、常に一定の実装ライン上で半導体チップtを実装すると共に、ステージ21の移動位置誤差をステージ補正データで補正し、かつ実装ツール43a、43bの移動位置誤差をツール補正データで補正する構成を備える実施形態の実装装置1は、半導体チップtの実装精度の向上と半導体チップtの実装に要するタクトタイムの短縮とを両立させ、高い生産性を得る上で極めて有効であることが分かる。
ここで、左右の実装ヘッド43がそれぞれ2つずつ実装ツール43a、43bを備える場合、1往復で半導体チップtを2つ実装できるから、1つの実装ヘッド43しか備えていない構成、および左右の実装ヘッド43がそれぞれ1つずつ実装ツールを備える構成に比べて、単純に実装ヘッド43の総移動距離を短縮することができる。これは、支持基板Wが600×600mmまたはそれ以上というように大型化した場合において、実装ヘッド43の移動距離の短縮に基づくタクトタイムの短縮に有効に機能する。さらに、実施形態の実装装置1においては、左右の実装ヘッド43の合計4つの実装ツール43a、43bによる実装を、支持基板Wの実装領域の行を一定の実装ラインに移動させた状態で実施しているため、実装ヘッド43の移動距離をさらに短縮することができる。
また、左右の実装ヘッド43がそれぞれ2つずつ実装ツール43a、43bを備えたとしても、実装位置を一定の位置とし、支持基板Wの各実装領域を一定の実装位置に順に位置付けた後、左右の実装ヘッド43で交互に半導体チップtの実装を行った場合には、一方の実装ヘッドにより半導体チップを実装している間、他方の実装ヘッドは待機していることになる。これでは各実装ヘッドが複数の実装ツールを備えたとしても、タクトタイムを十分に短縮することができない。さらに、左右の実装ヘッド43の実装位置を、左右それぞれに別の実装位置を設定したとしても、左右の実装ヘッド43による半導体チップの実装が終了するまで支持基板を移動させることができない。この場合にも、実装ヘッドの待機時間が発生するおそれがあり、タクトタイムの短縮が損なわれる。
実施形態の実装装置1においては、左右の実装ヘッド43がそれぞれ2つずつ備える合計4つの実装ツール43a、43bが、常に一定の実装ライン上で半導体チップtを実装していると共に、左右の実装ヘッド43の間隔を調整して左右の実装ヘッド43で同時に半導体チップの実装を可能にしている。また、一方の実装ヘッド43の一方の実装ツール43aで半導体チップtを実装した後、他方の実装ツール43bによる半導体チップtの実装は、実装ヘッド43を移動することにより実施している。従って、左右の実装ヘッド43で半導体チップtを実装する際の待機時間を短縮もしくは削減することができる。すなわち、左右の実装ヘッド43がそれぞれ備える実装ツール43a、43bによる半導体チップtの実装を、より効率よく実施することができる。これらによって、合計4つの実装ツール43a、43bによる半導体チップt等の電子部品の実装を効率良く実施することができ、さらに実装装置1全体としてのタクトタイムを短縮することが可能になる。
上述した実施形態の実装装置1は、図13に示すように、1つの実装領域MAに複数種類の半導体チップt1、t2、t3等を実装する場合、あるいは1種類または複数種類の半導体チップtとダイオードやコンデンサ等とを実装する場合に有効である。前述したように、1つの実装領域に複数種類の電子部品を実装する場合、1つの実装領域(パッケージ)内での複数の電子部品の相対的な位置ずれが生じるおそれがあるため、1つの実装領域(パッケージ)に1つの半導体チップを組み込むシングルチップパッケージに適用可能な実装誤差を露光時に修正するという技術を適用することが困難となる。このため、複数の電子部品の実装時の位置精度自体を高める必要がある。このような点に対して、実施形態の実装装置1は半導体チップtを含む電子部品個々の実装精度を高めることができるため、1つの実装領域内に複数の電子部品を実装する場合においても、1つの実装領域内における複数の電子部品の相対的な位置精度を高めることが可能になる。
なお、上述した実施形態においては、支持基板Wに対して一定の実装ライン上において半導体チップtを実装するものとして説明した。この一定の実装ラインは、実装装置1において常に変わらないY方向上の同じ位置に設定されるものであってもよいし、例えば支持基板Wの大きさ等の条件に応じてY方向上において設定変更が可能な位置であってもよい。X方向に沿って設定される実装ラインは、少なくとも実装対象となる電子部品の実装開始から実装完了までの間、一定に位置に保たれているものであればよい。
また、上述した実施形態において、ステージ21の移動誤差を補正するステージ補正データは、ステージ21の移動可能な範囲の全域で取得してもよいし、少なくとも支持基板W上の各実装領域を実装位置に位置付けるときにステージ21が移動する範囲内で取得するようにすればよい。また、実装ツール43a、43bの移動位置誤差を補正するツール補正データについても、同様に実装ツール43a、43bの移動可能な範囲の全域で取得してもよいし、少なくとも支持基板W上の各実装領域に半導体チップtを実装するときに実装ツール43a、43bが移動する範囲内で取得するようにすればよい。さらに、ステージ補正データおよびツール補正データは、ステージ21の移動位置誤差および実装ツール43a、43bの移動位置誤差の実測値そのものを用いてもよいし、移動位置誤差を打ち消す補正値等、実測値を加工したものであってもよい。要はステージ21および実装ツール43a、43bの移動位置誤差を補正するためのデータであればよい。
上述した実施形態の実装装置1では、支持基板W上に半導体チップtを、電極形成面(上面)が上を向く状態で実装するフェイスアップ実装の例を主として説明したが、これに限られるものではなく、支持基板W上に半導体チップtを、電極形成面が下を向く状態で実装するフェイスダウン実装にも適用可能である。
実施形態の実装装置1でフェイスダウン実装を実施する場合には、移載部30の吸着ノズル37a、37bで取り出した半導体チップtを中間ステージ31には載置せず、反転機構37e、37fによって吸着ノズル37a、37bを上下に反転させる。この状態で、中間ステージ31上に吸着ノズル37a、37bを移動させ、吸着ノズル37a、37bから実装部40の実装ツール43a、43bに半導体チップtを受け渡す。
実装ツール43a、43bに半導体チップtが受け渡された後の動作は、上述した工程(4)と同様にして行うことができる。なお、実装に先立つ半導体チップtの位置検出には、チップ認識カメラ44a〜44dを用いることもできるが、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtを下側から撮像するカメラを、中間ステージ31の近傍に配置、あるいは中間ステージ31に代えて配置するようにしてもよい。何故なら、フェイスダウンボンディングでは、半導体チップtが電極形成面を下に向けた状態で実装ツール43a、43bに吸着保持されるが、半導体チップtのアライメントマークは通常、電極形成面に設けられているので、チップ認識カメラ44a〜44dでは半導体チップtのアライメントマークを撮像することができない。
そこで、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtを下側から撮像するカメラを設けておけば、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtのアライメントマークを直接撮像することができる。チップ認識カメラ44a〜44dを用いる場合には、上下反転された吸着ノズル37a、37bに保持された状態で半導体チップtの電極形成面を撮像し、アライメントマークと半導体チップtの外形位置との位置関係を認識しておき、半導体チップtが実装ツール43a、43bに吸着保持された後、実装ツール43a、43bを通してチップ認識カメラ44a〜44dにより半導体チップtを撮像し、この撮像画像から取得した半導体チップtの外形位置と、認識しておいたアライメントマークと半導体チップtの外形位置との位置関係に基づいて、実装ツール43a、43bに吸着保持された半導体チップtの位置を検出するようにすればよい。
上述した実施形態において、左右の実装ヘッド43にそれぞれ2つの実装ツール43a、43bを設けた例を説明したが、これに限られるものではなく、実装ツールの数は3つ以上であってもよい。ただし、実装ツールの数が多くなるとその分だけ近接間隔が広くなることになるから、半導体チップtを実装する支持基板Wの大きさに応じで設定することが好ましい。本実施形態で例示した600×600mmの支持基板Wにおいては、1つの実装ヘッド43に対する実装ツールの数は2〜3個が好ましい。
また、上述した実施形態において、第1の実装ヘッドとして左側に1つの実装ヘッド43を配置し、第2の実装ヘッドとして右側に1つの実装ヘッド43を配置した例を説明したが、これに限られるものではなく、左右それぞれに複数の実装ヘッド43を配置してもよい。すなわち、第1および第2の実装ヘッドは、それぞれ単一の実装ヘッドで構成しなければならないものではなく、複数の実装ヘッドで構成してもよい。この場合、複数の実装ヘッドは、Y方向に並べて配置し、それぞれ独立してXYZθ方向に移動できるように構成するとよい。この場合、Y方向移動装置41aを支持する支持フレーム41は、複数の実装ヘッドで共用してもよいし、実装ヘッド毎に個別に設けてもよい。
さらに、上述した実施形態において、支持基板Wは実装領域毎に位置検出用のマークが設けられておらず、パッケージ部品の製造工程の過程で除去されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。実施形態の実装装置および実装方法によれば、例えば実装領域毎に位置検出用のマークがあり、パッケージ部品の一部として用いられるような基板に対しても、当然ながら位置検出用のマークに頼ることなく、精度よくかつ効率よく半導体チップ(電子部品)を実装することが可能であることは言うまでもない。
次に、本発明の実施例とその評価結果について述べる。
(実施例1)
上述した実施形態の実装装置1を用いて、以下の条件で支持基板上に半導体チップの実装を実際に行なった。目標実装精度は、±7μm以内、目標タクトタイムは、0.45秒以内とした。
<実装条件>
・半導体チップtのサイズ:4mm×4mm
・実装数(縦×横):1実装ヘッドあたり14個×7個(計98個)
1実装ツールあたり7個×7個(計49個)×4実装ツール
・実装ピッチ(縦×横):1実装ヘッドあたり12mm×60mm
1実装ツールあたり24mm×60mm
・ボンディング時間:0.1秒
・ボンディング荷重:5N(ニュートン)
図15は、支持基板W上に設定された実装領域を仮想的に示したものである。ただし、実際の支持基板Wにはグローバルマークが設けられているだけで、実装領域は視認できない。図15示すように、測定用の支持基板W上には、左右の実装ヘッド43の各実装ツール43a、43bに対して、それぞれX方向に7個所、Y方向に7個所の49個所ずつ実装領域を設定した。左側実装ヘッド43の左実装ツール43aの実装領域を符号A1〜A49で、左側実装ヘッド43の右実装ツール43bの実装領域を符号B1〜B49で、右側実装ヘッド43の左実装ツール43aの実装領域を符号C1〜C49で、右側実装ヘッド43の右実装ツール43bの実装領域を符号D1〜D49で示している。
また、左右の実装ヘッド43共に、左実装ツール43aの実装領域は白抜きの四角(□)で、右実装ツール43bの実装領域は黒塗りの四角(■)で示す。支持基板Wの左半分の領域に、左側実装ヘッド43の各実装ツール43a、43bの実装領域を設定し、右半分の領域に右側実装ヘッド43の各実装ツール43a、43bの実装領域を設定した。左右の実装ツール43a、43bの実装領域は、X方向において交互に配置するように設定した。実装領域の間隔は12mmに設定した。つまり、X方向に関しては、合計14個の実装領域を12mm間隔で設定した。Y方向に関しては、60mm間隔でそれぞれ7つの実装領域を設定した。
図15に示すように、左半部の領域および右半部の領域共に、左上の実装領域A1、C1を開始点として、図中に破線矢印で示すX方向に折り返す軌跡で、左右の実装ツール43a、43bによって交互に実装を行った。それぞれ、各実装ヘッド43の実装ツール43a、43bが1つ目の半導体チップtを吸着保持し、左側の実装ツール43aが1つ目の実装領域A1に向けて下降を開始した時点から、右側の実装ツール43bが最後(49個目)の半導体チップtの実装を完了して元の高さまで上昇が完了した時点までの経過時間(これを「実装に要した時間」と称する。)は、41.2秒であった。このようにして、支持基板Wに実装した98個の半導体チップtの実装位置ずれを、検査装置を用いて測定した。その結果を表1に示す。
表1においては、図15の実装領域の符号をアルファベットと数字に分けて示している。すなわち、実装ツール43a、43bに対応するアルファベット(A、B、C、D)は表の列として記載し、数字は表の行として記載した。各実装領域における半導体チップtのX方向およびY方向への位置ずれ量を実装ツール43a、43b毎に示している。なお、単位はマイクロメートル[μm]である。各実装ツール43a、43bによる半導体チップtの実装位置ずれのデータの下には、実装ツール43a、43b毎の位置ずれの平均値、最小値、最大値、最大値と最小値の幅、σ値、3σ値をそれぞれ記載し、その右側には全ての実装位置ずれのデータを対象とした同値を記載した。
Figure 0006781677
表1に示すように、半導体チップtのX方向における位置ずれの最大値は、右側実装ヘッド43の右実装ツール43bによる実装領域番号D1の3.1μmであり、最小値は右側実装ヘッド43の左実装ツール43aによる実装領域番号C35の−3.3μmであった。また、Y方向における位置ずれの最大値は、左側実装ヘッド43の右実装ツール43bによる実装領域番号B2の3.2μmであり、最小値は右側実装ヘッド43の右実装ツール43bによる実装領域番号D43の−2.8μmであった。196個の半導体チップtの実装精度は、いずれも目標の±7μm以内であることが確認された。実装に要した時間は、41.2秒であったので、1つの半導体チップtの実装に要する時間は41.2秒/98個=0.42秒であった。よって、タクトタイムは0.42秒であり、1時間当たりの生産数は約8570個(=3600秒/0.42秒)となる。
(比較例1)
ステージ補正データとツール補正データを用いないことを除いて、実施例1と同一条件で半導体チップtを支持基板Wの各実装領域に実装した。支持基板Wに実装した196個の半導体チップtの実装位置ずれを、検査装置を用いて測定した結果を表2に示す。
Figure 0006781677
表2に示すように、半導体チップtのX方向における位置ずれの最大値は、左側実装ヘッド43の右実装ツール43bによる実装領域番号B7の8.8μmであり、最小値は右側実装ヘッド43の左実装ツール43aによる実装領域番号C43の−27.0μmであった。Y方向における位置ずれの最大値は、右側実装ヘッド43の左実装ツール43aによる実装領域番号C23の23.7μmであり、最小値は右側実装ヘッド43の左実装ツール43aによる実装領域番号C45の−22.7μmであった。比較例1では、半導体チップtの実装精度が目標の±7以内をまったく満足できないことが確認された。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…実装装置、10…部品供給部、11…ウエーハリング、12…ウエーハリングホルダ、20…ステージ部、21…ステージ、22…XY移動機構、30,30A,30B…移載部、31…中間ステージ、37…移載ヘッド、40,40A,40B…実装部、41…支持フレーム、41a…Y方向移動装置、42a…X方向移動装置、43…実装ヘッド、43a,43b…実装ツール、43c、43d…Z方向移動装置、43f…基板認識カメラ、44…撮像ユニット、44a,44b,44c,44d…チップ認識カメラ、50…制御部、51…記憶部、W…支持基板、t…半導体チップ、T…半導体ウエーハ。

Claims (11)

  1. 支持基板に電子部品を実装する電子部品の実装装置であって、
    前記電子部品が実装される複数の実装領域を有する前記支持基板が載置されるステージと、水平方向に沿う一方向であるX方向とは直交するY方向に前記ステージを移動させるステージ移動機構とを備えるステージ部と、
    前記X方向に沿って配置され、前記電子部品を保持する複数の実装ツールをそれぞれ有する第1および第2の実装ヘッドと、前記複数の実装ツールにより前記電子部品を保持した前記第1および第2の実装ヘッドを前記X方向に沿って設定された実装ライン上に移動させる実装ヘッド移動機構とを備える実装部と、
    前記ステージ上に載置された前記支持基板の全体位置を認識する第1の認識部と、
    前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置を認識する第2の認識部と、
    前記ステージ移動機構による前記ステージの移動位置誤差を補正するステージ補正データと、前記実装ヘッド移動機構による前記実装ライン上における前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツール毎の移動位置誤差を補正するツール補正データとを記憶する記憶部と、
    前記第1の認識部により認識した前記支持基板の位置データ、前記記憶部に記憶された前記ステージ補正データ、前記第2の認識部により認識した前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置データ、および前記記憶部に記憶された前記ツール補正データに基づいて、前記支持基板における前記X方向に沿う前記実装領域の列を前記実装ライン上に順次配置すると共に、前記実装ラインに配置された複数の前記実装領域に前記電子部品を前記第1および第2の実装ヘッドで分担して実装するように、前記ステージ移動機構と前記実装ヘッド移動機構の動作を制御する制御部と
    を具備する電子部品の実装装置。
  2. 前記ステージは、前記第1および第2の実装ヘッドにおける前記X方向において外側に位置する前記実装ツール同士の近接間隔の2倍以上の前記X方向の寸法を有する前記支持基板を載置可能な大きさを有する、請求項1に記載の実装装置。
  3. 前記ステージは、300mm以上の前記X方向の寸法を有する前記支持基板を載置可能な大きさを有する、請求項1に記載の実装装置。
  4. 前記実装部は、前記支持基板の1つの前記実装領域に複数の前記電子部品を実装する、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の実装装置。
  5. さらに、前記電子部品を供給する部品供給部と、
    それぞれ前記部品供給部から前記電子部品を受け取り、前記第1または第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールに前記電子部品を受け渡す、第1および第2の移載ノズルを備える移載部とを具備する、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の実装装置。
  6. 支持基板に電子部品を実装する電子部品の実装方法であって、
    前記電子部品が実装される複数の実装領域を有する支持基板が載置されるステージの移動位置誤差を取得し、前記移動位置誤差を補正するステージ補正データを記憶部に記憶させる工程と、
    水平方向に沿う一方向であるX方向に沿って配置された第1および第2の実装ヘッドにそれぞれ設けられ、前記電子部品を保持する複数の実装ツールの移動位置誤差を、前記X方向に沿って設定された実装ライン上において取得し、前記移動位置誤差を補正するツール補正データを前記記憶部に記憶させる工程と、
    前記ステージ上に前記支持基板を載置すると共に、前記ステージ上に載置された前記支持基板の全体位置を認識する工程と、
    前記支持基板の位置認識工程により得た前記支持基板の位置データと前記ステージ補正データとに基づいて前記ステージの移動を補正しつつ、前記複数の実装領域における前記X方向に沿う前記実装領域の列を前記実装ラインに順に位置付けるように、前記ステージを移動させる工程と、
    前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールで前記電子部品を交互に受け取り、前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置を認識すると共に、認識した前記電子部品の位置データおよび前記ツール補正データに基づいて前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールの移動を補正しつつ、前記第1および第2の実装ヘッドを前記実装ライン上に移動させ、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールにより前記電子部品を、前記実装ラインに位置づけられた前記実装領域に前記第1および第2の実装ヘッドで分担して実装する工程と
    を具備する電子部品の実装方法。
  7. 前記支持基板は、前記第1および第2の実装ヘッドにおける前記X方向において外側に位置する前記実装ツール同士の近接間隔の2倍以上の前記X方向の寸法を有する、請求項6に記載の実装方法。
  8. 前記支持基板は、300mm以上の前記X方向の寸法を有する、請求項6に記載の実装方法。
  9. 前記実装工程は、前記支持基板の1つの前記実装領域に複数の前記電子部品を実装する工程を備える、請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の実装方法。
  10. 支持基板の複数の実装領域のそれぞれに電子部品を実装する工程と、前記複数の実装領域に実装された前記電子部品を一括して封止することにより疑似ウエーハまたは擬似パネルを形成する工程と、前記疑似ウエーハまたは擬似パネルの前記電子部品上に再配線層を形成することによりパッケージ部品を製造する工程とを具備するパッケージ部品の製造方法であって、
    前記電子部品の実装工程は、
    前記支持基板が載置されるステージの移動位置誤差を取得し、前記移動位置誤差を補正するステージ補正データを記憶部に記憶させる工程と、
    水平方向に沿う一方向であるX方向に沿って配置された第1および第2の実装ヘッドにそれぞれ設けられ、前記電子部品を保持する複数の実装ツールの移動位置誤差を、前記X方向に沿って設定された実装ライン上において取得し、前記移動位置誤差を補正するツール補正データを前記記憶部に記憶させる工程と、
    前記ステージ上に前記支持基板を載置すると共に、前記ステージ上に載置された前記支持基板の全体位置を認識する工程と、
    前記支持基板の位置認識工程により得た前記支持基板の位置データと前記ステージ補正データとに基づいて前記ステージの移動を補正しつつ、前記複数の実装領域における前記X方向に沿う前記実装領域の列を前記実装ラインに順に位置付けるように、前記ステージを移動させる工程と、
    前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールで前記電子部品を交互に受け取り、前記複数の実装ツールに保持された前記電子部品の位置を認識すると共に、認識した前記電子部品の位置データおよび前記ツール補正データに基づいて前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールの移動を補正しつつ、前記第1および第2の実装ヘッドを前記実装ライン上に移動させ、前記第1および第2の実装ヘッドの前記複数の実装ツールにより前記電子部品を、前記実装ラインに位置づけられた前記実装領域に前記第1および第2の実装ヘッドで分担して実装する工程と
    を具備する、パッケージ部品の製造方法。
  11. 前記電子部品の実装工程は、前記支持基板の1つの前記実装領域に複数の前記電子部品を実装する工程を備える、請求項10に記載のパッケージ部品の製造方法。
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