JP3845974B2 - プラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレーパネルの背面ガラス板には、プラズマ放電の位置を定めるためのアドレス電極と、電極保護用の誘電体層が形成される。誘電体層上には、放電のセルを仕切るために隔壁が形成され、またセル内には、赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体が塗布されており、プラズマ放電を起こして紫外線を発生させることにより、蛍光体が刺激されて発光する仕組みになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで隔壁には、500〜600℃の焼成で緻密に焼結することが必要であるが、最近、デバイスの性能を高めるために輝度を上げる努力がなされており、このため隔壁材料についても、輝度の向上に寄与する材料の開発が求められている。
【0004】
本発明の目的は、輝度向上に寄与する隔壁を形成することができるプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は種々の実験を行った結果、上記目的を達成するためには隔壁の反射率を上げればよいこと、及びそのためには隔壁材料中に特定の粒度分布を有する酸化チタン粉末を添加することにより、上記目的が達成できることを見いだし、本発明として提案するものである。
【0006】
即ち、本発明のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料は、ガラス粉末60〜95重量%、酸化チタン粉末5〜40重量%の組成を有し、酸化チタン粉末は50%粒子径D50が0.1〜2μmおよび最大粒子径D MAX が1〜10μmの粒度分布を有することを特徴とする。
【0007】
【作用】
本発明のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成用材料は、ガラス粉末と酸化チタン粉末を主成分として含有する。
【0008】
ガラス粉末は、緻密な隔壁を形成するための基本材料であり、その含有量は60〜95重量%、好ましくは65〜90重量%である。ガラス粉末が60重量%より少なくなると焼結性が低下し、緻密な隔壁が得られなくなる。一方、95重量%より多くなると相対的に酸化チタン粉末が少なくなるために十分な反射率を有する隔壁が得られない。ガラス粉末としては、重量百分率でPbO 50〜75%(好ましくは55〜70%)、B2 O3 2〜30%(好ましくは5〜25%)、SiO2 2〜35%(好ましくは3〜31%)、ZnO 0〜20%(好ましくは0〜10%)の組成を有するガラスや、重量百分率でPbO 30〜55%(好ましくは40〜50%)、B2 O3 10〜40%(好ましくは15〜35%)、SiO2 1〜15%(好ましくは2〜10%)、ZnO 0〜30%(好ましくは10〜30%)、BaO+CaO+Bi2 O3 0〜30%(好ましくは3〜20%)の組成を有するガラスや、重量百分率でZnO 25〜45%(好ましくは30〜40%)、Bi2 O3 15〜35%(好ましくは20〜30%)、B2 O3 10〜30%(好ましくは17〜25%)、SiO2 0.5〜8%(好ましくは3〜7%)、CaO+SrO+BaO 8〜24%(好ましくは10〜20%)の組成を有するガラスが、500〜600℃の焼成で良好な流動性を示し、また絶縁特性に優れるとともに安定であるために好適である。
【0009】
酸化チタン粉末は、白色度が高いために隔壁の反射率を著しく高める効果があり、その含有量は5〜40%、好ましくは10〜40%である。酸化チタン粉末が5%より少ないと高い反射率を有する隔壁を形成することができず、40%より多くなると焼結性が低下してしまう。
【0010】
また酸化チタン粉末は、50%粒子径D50が2μmより大きくなると粗粒が多くなって光の散乱が減少し、高い反射率を有する隔壁を形成することができなくなる。なお酸化チタン粉末の粒度は小さいほど光が散乱して反射率が高くなるため好ましいが、50%粒子径D50が0.1μmより小さい場合は可視光の波長よりも粒子径が小さくなって透過率が高くなる結果、反射率が低下し易くなる。また酸化チタン粉末の最大粒子径DMAX は10μm以下であることが好ましく、10μmを超えると粗粒が多くなるため光が散乱し難くなる。なお最大粒子径DMAX は小さいほど好ましいが、1μmより小さい場合は可視光の波長よりも粒子径が小さくなり、反射率が低下し易くなる。
【0011】
本発明の材料は上記成分以外にも、反射率を高めたり、焼結時の収縮を防止したり、熱膨張係数や焼結強度を調整する目的でセラミック粉末を40重量%以下、好ましくは35%以下添加することができる。このようなセラミック粉末としてアルミナ、酸化ジルコニウム、ジルコン、酸化亜鉛等を単独或いは混合して使用することができる。しかしながらセラミック粉末が40重量%より多くなると焼結が不十分となり、緻密な隔壁を形成することが困難になる。
【0012】
また本発明の材料は、軟化点より10℃高い温度で焼成してガラス膜としたときに、分光光度計で積分球を用いて測定した反射率が膜厚15μmで、波長460nmにおいて60%以上、波長550nmにおいて55%以上、及び波長620nmにおいて50%以上となるようにすることが好ましい。これらの条件を満たすガラス膜となるように調整することにより、デバイスの輝度を大きく向上させることができる。
【0013】
なお本発明の材料を用いて隔壁を形成するには、アドレス電極保護用誘電体層が形成された背面ガラス板上に、バインダー及び有機溶剤と混練してペースト状にした材料をスクリーンを介して印刷積層した後に焼成する方法や、ペーストを塗布、乾燥させ、ドライフィルムを密着させて露光、現像した後、或いは熱可塑性樹脂や可塑剤を添加してグリーンシート状に成型した材料を熱圧着した後に、サンドブラストし、焼成する方法等がある。
【0014】
【実施例】
以下、本発明のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0015】
表1は本実施例で使用するガラス粉末(試料A〜D)を示している。
【0016】
【表1】
【0017】
各ガラス粉末は以下のようにして作製した。まず表に示す酸化物組成となるようにガラス原料を調合し、均一に混合した後、白金ルツボに入れ、1250℃で2時間溶融し、成形した。次に得られたガラス粉末をアルミナボールミルで粉砕し、目開き53μmの篩で分級してガラス粉末を得た。
【0018】
表2及び3は、本発明の実施例(試料No.1〜7)及び比較例(試料No.8〜10)を示している。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
No.1〜10の各試料は以下のようにして作製した。
【0022】
まず上記ガラス粉末、酸化チタン粉末、セラミック粉末を表の割合で混合し、エチルセルロースのターピネオール溶液と混練してペーストにした。なお酸化チタン粉末は、表に示す粒度分布を有するものを使用し、その他のセラミック粉末は、50%粒子径D50が2μm以下及び最大粒子径DMAX が10μm以下のものを使用した。次いでスクリーン印刷法にてガラス板上にペーストを塗布した後、表に示す温度で10分間焼成し、膜厚15μmのガラス膜を得た。なお酸化チタン粉末及びその他のセラミック粉末の50%粒子径D50及び最大粒子径DMAX は、日機装株式会社製のレーザー回折式粒度分布計「マイクロトラックSPA」を用いて測定したものである。
【0023】
こうして得られた各試料について、460nm、550nm及び620nmにおけるガラス膜の反射率について評価した。結果を表に示す。
【0024】
表から明らかなように、本発明の実施例であるNo.1〜8の試料は、ガラス膜の反射率が460nmにおいて62%以上、550nmにおいて58%以上、620nmにおいて55%以上であった。一方、酸化チタン粉末を含まない試料No.9及び10は、ガラス膜の反射率が460nmにおいて50%以下、550nmにおいて45%以下、620nmにおいて40%以下と低かった。また粒度の大きい酸化チタン粉末を用いた試料No.8は、ガラス膜の反射率が460nmにおいて58%、550nmにおいて55%、620nmにおいて50%であり、粒度の小さい酸化チタン粉末を用いた試料No.7に比べて各反射率が約10%も低かった。
【0025】
なおガラス膜の反射率は、分光光度計で積分球を使用して測定した。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の隔壁形成材料は、反射率の高い隔壁を形成することができるため、デバイスの輝度向上に寄与することができる。
Claims (5)
- ガラス粉末60〜95重量%、酸化チタン粉末5〜40重量%の組成を有し、酸化チタン粉末は50%粒子径D50が0.1〜2μmおよび最大粒子径D MAX が1〜10μmの粒度分布を有することを特徴とするプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料。
- ガラス粉末が、重量百分率でPbO 50〜75%、B2O3 2〜30%、SiO2 2〜35%、ZnO 0〜20%の組成を有することを特徴とする請求項1のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料。
- ガラス粉末が、重量百分率でPbO 30〜55%、B2O3 10〜40%、SiO2 1〜15%、ZnO 0〜30%、BaO+CaO+Bi2O3 0〜30%の組成を有することを特徴とする請求項1のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料。
- ガラス粉末が、重量百分率でZnO 25〜45%、Bi2O3 15〜35%、B2O3 10〜30%、SiO2 0.5〜8%、CaO+SrO+BaO 8〜24%の組成を有することを特徴とする請求項1のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料。
- 軟化点より10℃高い温度で焼成したときに形成されるガラス膜は、分光光度計を用いて測定された反射率が膜厚15μmで、波長460nmにおいて60%以上、波長550nmにおいて55%以上、及び波長620nmにおいて50%以上であることを特徴とする請求項1〜4のプラズマディスプレーパネル用隔壁形成材料。
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1997
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