JP3845803B2 - 高性能熱電材料およびその調製法 - Google Patents

高性能熱電材料およびその調製法 Download PDF

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Description

[告知]
ここに記載の発明は、NASAの契約の下での作業の実施においてなされ、契約者が権原を保持することを選んだ公法第96−517条(合衆国法典第35章第202節)の条項に服する。
[関連する特許出願]
本特許出願は、1993年8月3日に出願された米国特許出願第08/101,901号の一部継続出願(特許弁理士の事件処理第17083-0118号)である。
[発明の技術分野]
本発明は、強化された熱電特性を有する半導体材料、およびそのような材料の調製に関する。
[発明の背景]
熱電デバイスの基礎理論および操作は、永年の間開発されてきた。そのようなデバイスは、加熱、冷却、温度安定化、発電および温度感知に用い得る。近代の熱電冷却装置は、一般的には、ペルチエ効果を用いることによって作動する一連の熱電対を有する。
熱電デバイスは、基本的には、ヒートポンプおよび発電機であって、機械的なヒートポンプ、冷凍機、または他のいかなる、熱エネルギーを変換するのに用いられる装置とも同じ方式で熱力学の法則に従う。主要な違いは、より伝統的な、機械的な/流体による加熱および冷却用の部品と比較して、熱電デバイスは、固体の電気部品(熱電対)で機能することである。一般に、熱電デバイスの効率は、その製作に用いた材料の熱電性能係数(ZT)に依存する因子によって減少する、それに付随するカルノーサイクルの効率に限定される。
無次元の性能係数ZTは、材料における電気効果と熱効果との間の結合を表し、
ZT=S2σT/κ (1)
[式中、S、σ、κおよびTは、それぞれ、ゼーベック係数、導電率、熱伝導率および絶対温度である]
として定義される。基本的な熱電効果はゼーベックおよびペルチエの効果である。ゼーベック効果は、熱エネルギーから電力への転換を裏付ける現象であり、熱電発電に用いられる。相補的効果、すなわちペルチエ効果は、熱電冷却に用いられる現象であり、2種類の異なる材料の接合部での電流の通過に伴う吸熱に関係する。
ZTは、等式:
ZT=S2T/ρκ (2)
ρ=電気抵抗率
σ=導電率
導電率=1/電気抵抗率、またはσ=1/ρ
によって示してもよい。
Bi2Te3、PbTeおよびBiSbという合金のような熱電材料は、30〜40年前に開発された。SiGeのような半導体合金も、熱電デバイスの製作に用いられている。商業的に入手できる熱電材料は、一般に、約1という最高ZT値を有して、200〜1300°Kの温度範囲での利用に限られる。そのような熱電デバイスの効率は、約5から8パーセント(5〜8%)のエネルギー転換効率では比較的低いままである。−1000〜+1000℃の温度範囲に対しては、現在の技術水準の熱電材料の最高ZTは、非常に狭い温度範囲で1.2というZTを達成し得るTe−Ag−Ge−Sb合金(TAGS)を除けば、約1という値に限定されたままである。深宇宙任務用の宇宙船に給電する熱電発電機に用いられるSi80Ge20合金のような熱電材料は、300〜1000℃で0.7にほぼ等しいZTを有する。
[発明の概要]
本発明によれば、熱電デバイスの製造に用いられる材料の従来の設計および調製に伴う短所や問題は、実質的に削減または除去されている。本発明は、スクッテルド鉱型結晶格子構造の材料を用いることによって、熱電デバイスから増大した効率、および該熱電デバイスの製作に望まれる熱電特性を得る可能性を提供する。本発明で用いるのに充分である半導体材料および合金の例は、限定はされないが、IrSb3、RhSb3、CoSb3、Co1-x-yRhxIrySb3[式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]および関連する合金を包含する。
本発明の一態様によれば、従来の熱電デバイスと比較して、実質的に強化された操作特性および改善された効率を有する熱電デバイスを製造するのに用いるためのP型半導体材料が、CoSb3、RhSb3、IrSb3またはCo1-x-yRhxIrySb3という合金から形成される。
本発明のもう一つの態様によれば、従来の熱電デバイスと比較して、実質的に強化された操作特性、および改善された効率を有する熱電デバイスを製造するのに用いるためのN型半導体材料が、CoSb3、RhSb3、IrSb3またはCo1-x-yRhxIrySb3という合金から形成される。
本発明の重要な技術的な利点は、IrSb3、RhSb3およびCoSb3のような半導体材料の調製に勾配凝固手法を用いることを包含する。本発明による勾配凝固手法の利用は、スクッテルド鉱の格子構造を有する半導体合金の巨大単結晶を生成する。本発明による半導体材料の調製に用いるために、ブリッジマン二帯域炉および密閉容器を改変した。
本発明のもう一つの重要な技術的利点は、IrSb3、RhSb3、CoSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3のような半導体材料の調製に液−固相焼結手法を用いることを包含する。本発明による液−固相焼結手法の利用は、スクッテルド鉱の格子構造を有する半導体合金の巨大多結晶性インゴットを生成する。本発明による半導体合金の調製に用いるために、等温炉および密閉容器を改変した。
本発明のもう一つの重要な技術的利点は、IrSb3やCo1-x-yRhxIrySb3のような半導体合金の調製に低温粉末焼結および/または熱間圧縮を用いることを包含する。本発明による粉末焼結および/または熱間圧縮の利用は、スクッテルド鉱の格子構造を有する半導体合金の巨大多結晶性ペレットを生成する。
本発明のもう一つの態様は、CoSb3、RhSb3、IrSb3またはCo1-x-yRhxIrySb3のような材料で形成されたP型熱電要素と、Bi−Sb合金、Bi2Te3系の合金、PbTe系の合金、β−FeSi2系の合金、Ga1-xInxSb系の合金またはSiGe合金で形成されたN型熱電要素とを有する熱電デバイスの製造を包含する。
本発明は、高いZT、およびそれに伴う増大した効率を有する、発電機、ヒータ、冷却器、熱電対および温度センサのような熱電エネルギー転換デバイスの製造を可能にする。本発明に従って調製されたIrSb3、RhSb3、CoSb3、Co1-x-yRhxIrySb3および関連する合金のような半導体合金を用いることによって、熱電デバイスの全体的効率を実質的に増大させ得る。スクッテルド鉱型結晶格子構造のIrSb3、RhSb3、CoSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3のような半導体材料から製作した熱電要素は、2というZTを示した。
もう一つの重要な技術的利点は、本発明に従って調製された半導体材料を放射性同位元素熱電発電機(RTG)の製造に用いて、得られるRTGの付随装置系の効率を倍増することを包含する。本発明に従って製作した半導体材料から製造されるその他の熱電デバイスは、廃熱回収装置系、自動車、遠隔発電機、温度センサ、および電界効果トランジスタのような進歩した電子部品のための冷却器に用い得る。
【図面の簡単な説明】
以下、本発明およびその利点の、より完全な理解のために、添付の図面と関連付けて下記の説明に言及するが、ここで:
図1は、本発明を組み込んだ材料から製造され得る熱電デバイスの等尺図である;
図2は、図1の熱電デバイスに付随する電気回路の概略図である;
図2aは、冷却器として機能する図1の熱電デバイスに付随する電気回路の概略図である;
図2bは、ヒートポンプとして機能する図1の熱電デバイスに付随する電気回路の概略図である;
図2cは、発電機として機能する図1の熱電デバイスに付随する電気回路の概略図である;
図3は、本発明に従って製作された半導体材料に付随するスクッテルド鉱型結晶格子構造の等尺表示である;
図4は、イリジウムアンチモンの相図である;
図5aは、本発明による勾配凝固手法を用いて半導体材料を調製するのに用い得るブリッジマン二帯域炉を示す立面および部分破砕断面での概略図である;
図5bは、本発明によるスクッテルド鉱の格子構造を有する半導体材料の成長中の巨大単結晶に付随する温度勾配を示すグラフである;
図6は、本発明によるスクッテルド鉱の格子構造を有する半導体材料の巨大多結晶性インゴットを調製するための液−固相焼結の際に用い得る等温炉を示す立面および部分破砕断面での概略図である;
図7は、本発明に従って調製した半導体材料に付随する代表的な電気抵抗率の値を温度の逆関数として示すグラフである;
図8は、本発明に従って調製した半導体材料に付随する代表的なホール移動度の値を温度の逆関数として示すグラフである;
図9は、本発明に従って調製した半導体材料に関する代表的なゼーベック係数の値を温度の関数として示すグラフである;
図10は、現在入手できる熱電材料と比較しての、本発明に従って調製した半導体材料に関する熱伝導率を温度の関数として示すグラフである;
図11は、従来から入手できるP型半導体材料と比較しての、本発明に従って調製したP型半導体材料に関するZTを温度の関数として示すグラフである;そして
図12は、従来から入手できる半導体材料から製作した多段階熱電冷却器と比較しての、部分的には本発明を組み込んだ半導体材料から製作した多段熱電冷却器の計算上の性能を示すグラフである;
図13は、本発明を組み込んだ熱電材料で製造し得る混成熱電子−熱電発電機の概略図である;そして
図14は、本発明を組み込んだ熱電材料で製造し得る実際の放射性同位元素熱電発電機の概略図である。
[発明の詳細な説明]
本発明の好適な実施態様およびその利点は、図1〜14の図面を参照することによって、最も良く理解される。なお、各種図面の同様の、そして対応する部分に対して同様の数字を用いてある。
図1および2に示したような熱電デバイス20は、本発明に従って調製した半導体材料および合金から製造され得る。そのような半導体材料の利用は、熱電デバイス20のエネルギー転換効率を実質的に上昇させると思われる。熱電デバイス20はヒータおよび/または冷却器として用いてよい。
熱電デバイス20は、好ましくは、冷板24と熱板26との間に配置された複数の熱電要素(ときには「熱電対」とも呼ばれる)22で製造する。それぞれ熱電デバイス20の低温側および高温側を部分的に画定する板24および26の製造には、セラミック材料を用いることが多い。
熱電デバイス20を直流電力の適切な電源に結合させるために、電力の接点28および29が与えられる。熱電デバイス20を熱電発電機として機能するよう設計し直すとすれば、電気接点28および29は、高温源と低温源(図示せず)との間で作動するそのような発電機からの出力端子を表すことになるであろう。そのような発電機は、廃熱回収装置系(図示せず)、宇宙電力装置系200および放射性同位元素熱電発電機300のような様々な用途に用いてよい。
図2は、熱電デバイス20に付随する電気回路30の概略図である。電気回路30は、加熱および/または冷却のために熱電要素もしくは熱電対22を用いることに伴う電気回路の代表的なものである。電気回路30は、熱電デバイス20のような一段熱電デバイスに用いられる代表的なものであって、一般に、N型熱電要素22aおよびP型熱電要素22bのような異なる2種類の材料を有する。熱電要素22は、一般的には、N型の要素をP型の要素と交互に配置するように配列される。多くの熱電デバイスでは、異なる特徴性を有する半導体材料を電気的には直列に、熱的には並列に接続する。
半導体材料に共通する特性は、2形式のキャリア:すなわちN型材料では電子、そしてP型材料では正孔によって電気を伝導できることである。結晶では、1個の原子が、より多くの価電子を有する別の電子に置き換えられると、余分の電子は結合する必要がなくなり、結晶中を自由に移動する。この形式の導電はn型と呼ばれる。ところが、ある原子が、より少ない電子を有する別の原子に置き換えられると、結合は空位のままとなり、この不足は正孔と呼ばれる。この形式の導電はP型と呼ばれる。N型半導体材料での余分な電子、およびP型半導体材料での余分な正孔は、「電荷担体」と呼ばれることが多い。熱は、電荷担体(電子または正孔)、および結晶格子構造の振動によって、熱電要素22の低温側(または冷板24)と高温側(または熱板26)との間を伝導され得る。そのような格子の振動は「フォノン」と呼ばれる。
熱電デバイス20では、N型半導体材料とP型半導体材料との交互の熱電要素22は、導体、例えば32、34および36によって、それらの末端が蛇行するように接続されている。導体32,34および36は、一般的には、板24および26の内側表面に形成された金属被覆である。商業的に入手できる熱電冷却器は、テルル化ビスマス合金からなるP型およびN型要素がセラミック板の間ではんだ付けされた、金属被覆された2枚の板を有することが多い。
電源38からの直流電力が、一連の熱電要素22を有する熱電デバイス20に供給されると、熱エネルギーは熱電要素22の低温側24に吸収される。熱エネルギーは、熱電要素22を通過し、高温側26で放散される。熱電デバイス20の熱板26にヒートシンク(ときには「ホットシンク」と呼ばれることもある:図示せず)を取り付けて、熱電要素22から隣接環境へと熱を放散するのを助けてもよい。同様にして、熱電デバイス20の低温側24にヒートシンク(ときには「コールドシンク」と呼ばれることもある:図示せず)を取り付けて、隣接環境から熱を除去するのを助けてもよい。
熱電デバイス20は、ときには熱電冷却器と呼ばれることもある。しかし、熱電デバイスはヒートポンプの一形式であるから、熱電デバイス20は、冷却器、ヒータまたは発電機のいずれとしても機能するよう設計してよい。図2a、2bおよび2cは、熱電デバイス20に関するこれらの代替的利用を示す概略図である。図2aでは、熱電要素22および電気回路30aは、熱電デバイス20を図2に示した回路30と類似の冷却器として機能させるよう配置されている。図2bは、スイッチ39の位置の変更が、本質的に同じ電気回路30aに熱電デバイス20を冷却器からヒータへと転換させることを示す。図2cでは、熱電デバイス20および電気回路20aは、熱電デバイス20を高温源(図示せず)と低温源(図示せず)との間に設置することによって、電気を発生するよう配置されている。
本発明によれば、半導体材料(ときには「半導体合金」とも呼ばれる)であるCoSb3、RhSb3、IrSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3が、図3に示したようなスクッテルド鉱の結晶格子構造40の巨大単結晶および多結晶性インゴットの形態で調製された。代表的なスクッテルド鉱の結晶格子構造は、式AB3を有する8個の成員による単位胞によって部分的に画定される。Aは、Co、RhおよびIrからなる群から選ばれてよい。BはSbであってよい。これらの元素の式Co1-x-yRhxIrySb3[式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]を有する合金も、本発明を用いて調製されている。
スクッテルド鉱型結晶格子構造40は、金属原子42の立方格子を含む。金属原子42は、好ましくは、コバルト、イリジウムおよび/またはロジウムからなる群から選ばれる。立方格子構造の内部には、非金属原子46の完全な四員環44が配置されている。完全な環44はそれぞれ、アンチモンの4個の原子を有するのが好ましい。金属原子42はそれぞれ、隣接する6個の原子42を有する。非金属原子46は、隣接する2個の非金属原子46および2個の金属原子42を有する。スクッテルド鉱型結晶格子構造40に伴う共有結合は、高い正孔移動度を与える。スクッテルド鉱型結晶に伴う複雑な構造および重い原子は、低い熱伝導率も生じる。
スクッテルド鉱型結晶格子構造40を有する半導体材料は、選ばれた不純物でドーピングして、N型熱電要素22aおよびP型熱電要素22bを形成し得る。ドーピングのレベルを最適化することによって、IrSb3半導体合金を用いて、400℃の温度で約2というZTを有するP型熱電要素を形成し得る。所望の場合、IrSb3から製作したP型熱電要素22bと、Bi−Sb合金、Bi2Te3系の合金、PbTe系の合金、β−FeSi2系の合金、Ga1-xInxSb系の合金、およびSiGe系の合金のような従来から入手できる半導体材料から製作したN型熱電要素22aとで、熱電デバイス20を製造してもよい。
本発明によれば、半導体合金の巨大単結晶が、勾配凝固手法を用いて調製された。本発明による半導体合金の巨大多結晶性インゴットを調製するには、液−固相焼結手法を用いた。図4に示したとおり、イリジウム−アンチモンについての相図は、望みのスクッテルド鉱型結晶格子構造のIrSb3は、得るのが非常に困難なことを示している。結晶成長は、狭い範囲の組成から開始するのが好ましい。その上、IrSb3を形成するアンチモンに富む領域での液相線は、比較的急角度であって、結晶化の歳の液相と固相とを分離することが更に困難になる。
半導体材料の望みの組成に応じて、勾配凝固手法、液−固相焼結手法、および熱間圧縮を伴うか、または伴わない低温粉末焼結のいずれかを用いて、望みのスクッテルド鉱型結晶格子構造での半導体合金を形成し得る。CoSb3、RhSb3、およびCo1-x-yRhxIrySb3のような何種類かの半導体材料に対しては、勾配凝固手法が、望みの巨大単結晶を形成している。勾配凝固手法による結晶成長は、得られる半導体材料を構成することになる元素に関する液−固相図に基づいて、非化学量論的な(アンチモンに富む)融液から開始するのが好ましい。
単一相のIrSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3のようなその他の半導体材料に対しては、液−固相焼結手法が、望みの巨大多結晶性インゴットを形成している。IrSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3のような半導体合金は、低温粉末焼結および/または熱間圧縮を用いて形成した。液−固相焼結、低温粉末焼結および熱間圧縮は、望みの元素の化学量論に近い(±2原子%)元素混合物(TSb3)から開始して、等温炉内で実施するのが好ましい。
液−固相焼結は、Co、Rh、Irの粉末とSbの小球とを用いて充分に実施し得る。低温粉末焼結法は、好ましくは、Co、IrおよびSbの粉末で開始する。いくつかの用途に対しては、IrSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3の粉末を巨大多結晶性ペレットへと合成してもよい。熱間圧縮は、低温供与体進入法の一部として含ませてよい。
望みのスクッテルド鉱格子構造40の半導体合金の巨大単結晶は、勾配凝固手法、および図5aに示したような炉50を用いることによって成長させ得る。炉50は、ブリッジマン二帯域炉と呼ばれることが多く、第一の、または上部のヒータ組立部品54、および第二の、または下部のヒータ組立部品56を備えたハウジング52を有する。ハウジング52は、室60を部分的に画定する。室60の中間の第一ヒータ組立部品54と第二ヒータ組立部品56との間に、熱そらせ板58を配置するのが好ましい。炉50を構成する各種の部品は、ハウジング52の室60内に垂直に配置するのが好ましい。
図5aに示したとおり、ハウジング52は、室60の上部を密閉する末端締切り62、および室60の下部を密閉する末端締切り64を有する。室60内には、石英ロッド66を垂直に配置してよい。ロッド66の、熱そらせ板58に隣接する一端に、容器68を固定するのが好ましい。
容器68の下部70は、ロッド66に対して尖らせるか、または先細にするのが好ましい。本発明では、様々な形式の容器68を充分に用い得る。密閉された石英のアンプルが、炉50で用いるのに充分であると判明している。所望の場合、ハウジング52および末端締切り64は、複数のロッド66および容器68を有するコンベヤ(図示せず)に炉50内を連続的に通過させるように改変してよい。
炉50を用いて望みの半導体合金を生成することになるCo、RhおよびSbのような元素は、好ましくは、減圧下で容器68内に密閉する。容器68の尖らせた、または先細の末端70を、石英ロッド66に取り付け、室60内に垂直に配置する。先細の末端70、およびロッド66へのその取付部は、望みの温度勾配を容器68内に保つよう協動する。次いで、炉50を加熱して、図5bに示したとおり、望みの温度勾配69、および制御された冷却67を確立する。望みの半導体合金を生成するため、容器68内に入れた元素に応じて様々な温度勾配を用いてよい。
本発明の一実施態様のために、アンチモンに富む非化学量論的融液72からCoSb3およびRhSb3の試料を指向的に結晶化させた。軸方向の約50℃/cmの温度勾配、および約1mm/日の成長率で、CoSb3およびRhSb3の結晶を成長させた。CoSb3およびRhSb3の結晶は、約10mmの長さ、および6mmの直径であった。CoSb3の結晶の平均密度を測定し、理論密度(7.69g/cm3)の99.7%であると判明した。RhSb3の結晶の平均密度を測定し、理論密度(7.96g/cm3)の99.5%であると判明した。IrxCo1-xSb3固溶体の結晶も、勾配凝固手法によって、炉50内のアンチモンに富む融液から好成績で成長させた。生成された試料は、室温で8000cm2・V-1・s-1という異例に高いP型ホール移動度をはじめとする良好な半導電特性を有した。
スクッテルド鉱の格子構造の半導体材料の巨大多結晶性インゴットも、液−固相焼結手法、および図6に示したような炉80を用いることによって、調製し得る。炉80は、異なる2温度帯域を有する炉50と比較して、等温炉と呼ばれ得る。炉80は、その中にヒータ組立部品84が配置されたハウジング82を有する。ハウジング82は、室90を部分的に画定する。炉80を構成する様々な部品は、ハウジング82の室90内に垂直に配置するのが好ましい。
図6に示したとおり、ハウジング82は、室90の上部を密閉する末端締切り92、および室90の下部を密閉する末端締切り94を有する。石英ロッド66は、室90内に垂直に配置するのが好ましい。容器68は、室90のほぼ中間点で末端締切り94および92の間にあって、室90に固定されるのが好ましい。本発明の一実施態様に関しては、振動ロッド66が焼結手法の収率を改良した。
容器68内には、望みの半導体材料を形成するのに用いられることになるIr、Rh、CoおよびSbのような元素を密閉してよい。容器68の下部70は、石英ロッド66に対して尖らせるか、または先細にしてよい。いくつかの用途のためには、容器68は比較的扁平な下部70を有し得る。下部70と石英ロッド66との関係は、スクッテルド鉱型結晶構造40の調製の際に、望みの温度を容器68内に保つよう協動する。本発明では、様々な形式の容器68を充分に用い得る。密閉した石英の結晶または結晶アンプルが、本発明で用いるのに充分であると判明している。炉50について前述のとおり、ハウジング82および末端締切り94は、コンベヤ(図示せず)が複数のロッド66および容器68を炉80内を連続的に通過させるように改変してもよい。
液−固相焼結手法が、半導体材料であるIrSb3、および(Ir1-x-yRhxCoy)Sb3の固溶体のいくつかの合金の巨大多結晶性インゴットを炉80および容器68を用いて調製するのに用いられた。インゴットは、長さ約10mm、直径6mmであった。
IrSb3および(Ir1-x-yRhxCoy)Sb3固溶体を形成するのに用いた液−固相焼結手法には、減圧下で密閉された容器68内に、元素のイリジウム、コバルトおよび/またはロジウムの粉末の第一の層98をアンチモンの小球の第二の層100とともに入れることが含まれた。固溶体(Ir1-x-yRhxCoy)Sb3の調製の場合、望みの比率でのイリジウム、コバルトおよびロジウムの粉末をプラスチック製の薬瓶に装填し、混合し、混合粉砕機(図示せず)で約30分間攪拌した。次いで、材料層98および100を詰めた容器68を、図6に示したような炉80内に垂直に定置し、加熱した。異なる数種類の反応時間および温度を試行した。いくつかの混合物については、1000℃の温度、24時間の反応時間で最良の結果が得られた。これらの条件下で、得られるインゴットは最も稠密であった。
前記の手順および装置を用いて調製したCoSb3、RhSb3および(Ir1-x-yRhxCoy)Sb3の試料で実施した輸送特性の測定は、優れた半導電および熱電特性を示した。例えば、スクッテルド鉱型結晶格子構造40の合金は、異例に高いP型ホール移動度を有した。RhSb3試料では、2.4x1018cm-3というドーピングレベルで7725cm2・V-1・s-1という高い室温値が測定された。この合金の特定の結晶構造に関連したものの、この高い値は、試料の良好な品質の結果でもある。例えば、熱間圧縮したRhSb3試料では、1500cm2・V-1・s-1という最大値のような、より低い移動度が測定された。P型のCoSb3の単結晶では、他の手順によって調製した試料についての290cm2・V-1・s-1という最大値と比較して、1732cm2・V-1・s-1という高い移動度が測定された。IrSb3の試料も、7.2x1018cm-3というドーピングレベルで1241cm2・V-1・s-1という高いP型ホール移動度を有した。
半導体合金および関連する固溶体は、化学量論に近い比率(±2原子%)でのイリジウム、コバルト、ロジウムおよびアンチモンの低温粉末焼結によっても調製されている。反応の完了は、600℃の温度で6時間という短時間内に達成された。得られるIrSb3合金、および(Ir1-x-yRhxCoy)Sb3固溶体の数種類の組成物の粉末を、黒鉛の押型容器に入れ、合金粉末の熱間圧縮に付して、望みの多結晶性ペレットを生成した。熱間圧縮は、通常、少なくとも650℃の温度で少なくとも30分間実施した。
これらの同じイリジウム、コバルト、アンチモンおよびロジウムの元素粉末も、特定の条件下で巨大ペレット(図示せず)へと好成績で熱間圧縮されている。元素の粉末の異なる数種類の混合物が、黒鉛押型(図示せず)で約15mmの長さ、6mmの直径の稠密な多結晶性ペレットへと好成績で熱間圧縮されている。得られる合金は異例の熱殿特性を示した。熱間圧縮は、通常、800℃で6時間実施した。
元素および合金の粉末のドーピングは、望みの量のドープ剤を最初の装填粉末に導入することによって達成できる。商業的に入手できる熱間プレスおよび黒鉛押型容器を用いることによって、この工程は、迅速かつ費用効果的になり、異なる組成およびドーピングレベルの大量の(Ir1-x-yRhxCoy)Sb3試料の工業的製造に容易に適合させ得る。
本発明に従って調製されたスクッテルド鉱型結晶格子構造40のCoSb3、RhSb3およびIrSb3の半導体合金は、下記の表Iに示す特性を示した。
Figure 0003845803
図7は、スクッテルド鉱型結晶格子構造40を有する半導体合金のCoSb3、RhSb3およびIrSb3についての代表的な電気抵抗率の値の、温度の逆数の関数としてのグラフ表示である。図8は、スクッテルド鉱型結晶格子構造40を有する半導体合金のCoSb3、RhSb3およびIrSb3についての代表的なホール移動度の値の、温度の逆数の関数としてのグラフ表示である。図9は、スクッテルド鉱型結晶格子構造40を有する半導体合金のCoSb3およびIrSb3についての代表的なゼーベック係数の値の、温度の関数としてのグラフ表示である。
図10は、従来から入手できる熱電材料であるSiGe合金およびPbTe合金と比較しての、本発明に従って調製した半導体材料のIrSb3およびIr0.75Co0.25Sb3についての熱伝導率の、温度の関数としての比較を示す。曲線110および112は、それぞれSiGe合金、およびPbTe系の合金について測定した熱伝導率を示す。曲線114および116は、それぞれ本発明に従って調製した半導体材料のIrSb3およびIr0.75Co0.25Sb3についての熱伝導率の測定に基づく。
図11は、異なるP型ドーピングレベルでの半導体材料IrSb3の3種類の試料(132a、132bおよび132c)についてのZTの様々な値を温度の関数として示すグラフである。図11は、従来から入手できるP型熱電材料についてのZTのグラフ表示も含む。Ni、Pd、Pt、Te、Se、Cu、AgおよびAuは、本発明に従って調製した半導体合金で用いるのに充分なドーピング不純物であると判明した。過剰量のSbおよび/またはIrも、本発明で用いるためのキャリア濃度に実質的な変化を生じることが判明した。
多段熱電冷却器(図示せず)は、通常、2個またはそれ以上の一段熱電デバイスを垂直に積み重ねることによって製作される。上向きの熱電デバイスはそれぞれ、より少数の熱電要素または熱電対を有すると思われる。そのため、多段熱電冷却器は、通常、ピラミッド状であるが、それは、この多段熱電冷却器によって冷却される物体から汲み出された熱に加えて、上段から放散される熱を輸送するために、下段の方がより多くの熱電要素を必要とするからである。高温で作動する電界効果トランジスタは、望ましいものであり、本発明に従って製作された熱電要素を有するそのような多段熱電冷却器を用いることによって、300℃から125℃まで冷却され得る。
本発明に従って調製したP型半導体材料のIrSb3は、多段熱電冷却器の熱電要素の一部を与えるのに用い得る。Bi2Te3またはその他の適切なすべてのN型半導体材料のような、現在入手できるN型半導体材料は、熱電要素の別の一部を与えるのに用いてよい。得られる組合せは、熱電デバイスの性能を実質的に高める。P型およびN型半導体材料のこの組合せは、100〜400℃の温度範囲で特に有用である。図12は、P型半導体材料のIrSb3の利用から得られる多段熱電冷却器の性能の向上を示すグラフ表示である。図12は、性能の係数(COPMAX)を各熱電冷却器の段数の関数として示す。
二段混成熱電子−熱電発電機200を図13に示す。発電機200は、好ましくは、汎用熱源204をその中に配置した保護ハウジング202を有する。熱源204に隣接して、熱電子デバイス206を配置する。熱電子デバイス206に隣接して、熱電デバイス220を配置し得る。熱電デバイス220は、好ましくは、本発明による熱電合金から製作した1個またはそれ以上の熱電要素(図示せず)を有することになる。ハウジング202の外部に、1個またはそれ以上のフィン型ラジエータ208を配置する。ラジエータ208は、熱源204と協動して、熱電子デバイス206および熱電デバイス220を横切る温度勾配を確立する。本発明に従って製作した熱電要素を用いることによって、熱電デバイス220のエネルギー転換効率は、実質的に高められる。また、本発明に従って製作した熱電要素から一段熱電デバイスを製造して、混成熱電子/熱電発電機の設計の全体的な実施可能性を改善することができる。
放射性同位元素熱電発電機300を図14に示す。放射性同位元素熱電発電機300は、核エネルギーを電気エネルギーに転換するのに用いられる。放射性同位元素熱電発電機300の主な部品は、支持構造302、複数の汎用熱源(放射性材料)304、複数の熱電デバイス320および冷却用組立部品308を包含する。熱電デバイス320は、好ましくは、本発明に従って製作した熱電合金から製造する。冷却用組立部品308は、熱源304と協動して、熱電デバイス320を横切る望みの温度勾配を確立し、熱源304と冷却用組立部品308との間の温度差の結果としての電力を生成する。複数のフィン310を用いて、熱エネルギーを周囲の環境に放散する。発電機200および300は、宇宙探査活動に用いるのに特に有益である。
本発明を詳細に説明してきたが、下記の請求項に定義されている限りでの本発明の精神および対象範囲から逸脱することなしに、様々な変化、置換および変更をここに実施できることが理解されなければならない。

Claims (41)

  1. 複数の熱電要素を有する熱電デバイスであって、その熱電要素の少なくとも1個が、熱電デバイスの効率を改良するスクッテルド鉱型結晶格子構造を有する第一の材料を含むものであり、その第一の材料が、8群のAB3(AがCo、RhおよびIrからなる群より選ばれた金属原子を含み、Bが非金属原子Sbを含む)からなる単位胞である、熱電デバイス。
  2. 第一の材料がIrSb3を更に含む請求項1記載の熱電デバイス。
  3. 第一の材料がCoSb3を更に含む請求項1記載の熱電デバイス。
  4. 第一の材料がRhSb3を更に含む請求項1記載の熱電デバイス。
  5. 第一の材料が、式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有する半導体合金を更に含む請求項1記載の熱電デバイス。
  6. 8群のAB3(Aが金属原子を含み、Bが非金属原子を含む)からなる単位胞によるスクッテルド鉱型結晶格子構造を有する第一の材料と、
    Bi−Sb合金、Bi2Te3系の合金、PbTe系の合金、β−FeSi2系の合金、Ga1-xInxSb系の合金、およびSiGe合金からなる群より選ばれる第二の材料と、
    を含む熱電デバイス。
  7. 複数の熱電要素を有する熱電デバイスであって、その熱電要素の少くとも1個が、式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有する第一の材料を含む熱電デバイス。
  8. 第一の材料が、スクッテルド鉱型結晶格子構造を更に含む請求項7記載の熱電デバイス。
  9. 式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有する第一の材料と、
    Bi−Sb合金、Bi2Te3系の合金、PbTe系の合金、β−FeSi2系の合金、Ga1-xInxSb系の合金、およびSiGe合金からなる群より選ばれる第二の材料と、
    を含む熱電デバイス。
  10. 少なくとも2形式の異なる半導体材料で形成された複数の熱電要素を有する熱電デバイスであって:
    スクッテルド鉱型結晶格子構造を有するP型半導体材料で形成された熱電要素からなる一部分;および
    式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有するP型半導体材料
    を含む熱電デバイス。
  11. Bi−Sb合金、Bi2Te3系の合金、PbTe系の合金、β−FeSi2系の合金、Ga1-xInxSb系の合金、およびSiGe合金からなる群より選ばれるN型半導体材料で形成された熱電要素からなる別の一部分を更に含む請求項10記載の熱電デバイス。
  12. 熱電要素を製作するのに用いる半導体合金を調製するために勾配凝固手法を用いる装置であって:
    第一のヒータおよび第二のヒータをその中に配置した室を有するハウジングによって部分的に画定され、該第一のヒータが該室内で該第二のヒータの上方に配置されている炉;
    該室内で害第一のヒータと該第二のヒータとの間に配置された熱そらせ板;
    該室内に配置され、該熱そらせ板に隣接する容器;
    該炉内で融解して望みの半導体合金を形成するために該容器内に配置された複数の元素の材料;
    を含み、ここで該容器内に配置された第一の元素の材料はイリジウム、ロジウムおよびコバルトからなる群より選ばれたものであり、該容器内に配置された第二の元素の材料はアンチモンを含むものである、装置。
  13. CoSb3、RhSb3およびCo1-x-yRhxIrySb3(ここで0≦x≦1かつ0≦y≦1である)からなる群より選ばれる半導体合金の単結晶を形成するために、容器内に急角度の温度勾配を形成するように協働する第一のヒータ、第二のヒータ、および熱そらせ板を更に含む請求項12記載の装置。
  14. 熱電要素を製作するのに用いる半導体合金を調製するために液−固相焼結手法を用いる装置であって:
    ヒータをその中に配置した室を有するハウジングによって部分的に画定される等温炉;および
    該室内に配置され、該室の内表面から中間的に距離をおいた密閉された容器;を含み、ここで多結晶性インゴットを形成するために該容器内には、Co、Rh、IrおよびSbからなる群より選ばれる元素の材料の化学量論的混合物が配置されている、
    装置。
  15. その中に真空が形成された密閉された該容器;および
    該容器がその一端に固定され、該容器の下部がその一端に向かって先細になっている、該室内に垂直に配置されたロッド
    を更に含む請求項14記載の装置。
  16. 該化学量論的混合物が、
    該容器の、該ロッドに隣接する下部内に配置されたイリジウム粉末の層;および
    該容器内で該イリジウム粉末の上方に配置されたアンチモンの層
    を含む2層の形で配置されている、請求項14記載の装置。
  17. 容器が第一の元素の材料層および第二の元素の材料層とともに密閉された器であり;そして
    該第一の元素の材料層は、該容器の下部内に配置され、該第二の元素の材料層は、該第一の材料層の上方に配置され;
    ここで該第一の元素の材料層は、イリジウム、ロジウムおよびコバルトからなる群より選ばれ、該第二の元素の材料層はアンチモンである、
    請求項第14記載の装置。
  18. 該化学量論的混合物が、式:
    Co1-x-yRhxIry
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有する1層の材料を更に含む請求項14記載の装置。
  19. 熱電要素を製作するのに用いるスクッテルド鉱型結晶格子構造を有する半導体合金を調製する方法であって;
    Ir、RhおよびCoからなる群より選ばれる第一の材料、ならびにアンチモンを含む第二の材料を容器に入れる段階;
    第二の材料を第一の材料の上方に垂直に配置した該容器を炉内に入れる段階;
    該炉を予め選ばれた温度まで加熱して、該第一の材料および該第二の材料の液−固相焼結を可能にする段階;ならびに
    該容器を予め選ばれた時間長だけ炉内に保持して、望みのスクッテルド鉱型結晶格子構造を有する半導体合金の多結晶性インゴットの形成を可能にする段階
    を含む方法。
  20. 一般式TSb3(ここでTは第一の材料によって与えられる)を有する元素混合物(該元素混合物が化学量論の±2原子%以内である)を形成する段階
    を更に含む請求項19記載の半導体合金を調製する方法。
  21. 第一および第二の材料層を容器中に入れた後に容器内に真空を形成する段階;および
    該容器の中に配置された該第一および第二の材料を真空下に密閉する段階
    を更に含む請求項19記載の半導体合金を調製する方法。
  22. 式:
    Co1-x-yRhxIry
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有するIr、CoおよびRhの混合物から第一の材料層を形成する段階を更に含む請求項21記載の半導体合金を調製する方法。
  23. 炉を少なくとも650℃の温度まで加熱する段階;および
    容器を該炉内に少なくとも30分間保持する段階を更に含む請求項19記載の半導体合金を調製する方法。
  24. スクッテルド鉱型結晶格子構造の成長の際に、容器中に配置した材料を攪拌するために、容器に取り付けたロッドを振動させる段階を更に含む請求項19記載の半導体合金を調製する方法。
  25. 熱電要素を製作するのに用いるスクッテルド鉱型結晶格子構造を有する半導体合金を調製する方法であって:
    Ir、RhおよびCoからなる群より選ばれる第一の材料、ならびにアンチモンを含む第二の材料を容器に入れる段階;
    該第一の材料および該第二の材料を垂直に配置した該容器を2個のヒータを有する炉内に入れる段階;
    該炉を加熱して、勾配凝固手法によって該第一および第二の材料を融解して液体を形成し、該液体から半導体結晶を成長させるために予め選ばれた温度勾配を確立する段階;ならびに
    望みのスクッテルド鉱型結晶格子構造を有する半導体合金の結晶を成長させるために予め選ばれた時間長だけ該容器を該炉内に保持する段階
    を含む方法。
  26. コバルト粉末から第一の材料を、そしてアンチモン粉末から第二の材料をアンチモンに富む原子比で形成する段階を更に含む請求項25記載の半導体合金を調製する方法。
  27. 第一および第二の材料をその中に入れた後に容器内に真空を形成する段階;および
    該容器の中に配置された該第一および第二の材料を真空下に密閉する段階
    を更に含む請求項26記載の半導体合金を調製する方法。
  28. 式:
    Co1-x-yRhxIry
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有するIr、CoおよびRhの混合物から第一の材料を形成する段階を更に含む請求項25記載の半導体合金を調製する方法。
  29. 炉内に垂直に配置したロッドに容器の一端を取り付ける段階を更に含む請求項25記載の半導体合金を調製する方法。
  30. ほぼ化学量論的な混合物から熱電要素を製作するのに用いる半導体合金を調製する方法であって:
    Ir、Rh、CoおよびSbからなる群より選ばれる元素の粉末を容器に入れて混合物を形成する段階;
    該混合物を有する該容器を等温炉内に入れる段階;および
    該容器および該混合物を予め選ばれた時間長だけ該等温炉内に保持して、スクッテルド鉱型結晶格子構造を有する半導体の合金化された粉末を形成させる段階
    を含む方法。
  31. 合金化された粉末を黒鉛の押型容器に入れる段階を更に含む請求項30記載の半導体合金を調製する方法。
  32. 容器を少なくとも650℃の温度で少なくとも30分間等温炉内に保持して、合金化された粉末を形成する段階をさらに含む請求項30記載の半導体合金を調製する方法。
  33. プレスを有する等温炉に合金化された粉末を入れる段階;
    該粉末に少なくとも30分間該プレスで圧力を印加して多結晶性ペレットを形成する段階;および
    該等温炉を少なくとも650℃の温度に保つ段階
    を更に含む請求項32記載の半導体合金を調製する方法。
  34. 式IrSb3を有する混合物を形成する段階を更に含む請求項30記載の半導体合金を調製する方法。
  35. 式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有する混合物を形成する段階を更に含む請求項30記載の半導体合金を調製する方法。
  36. ほぼ化学量論的な混合物から熱電要素を製作するのに用いる半導体合金を調製する方法であって:
    Ir、Rh、CoおよびSbからなる群より選ばれる元素の粉末を容器に入れて混合物を形成する段階;
    該混合物を有する該容器をプレスを有する等温炉内に入れる段階;および
    該等温炉の温度を少なくとも650℃の温度に保ちつつ、該混合物に少なくとも30分間該プレスで圧力を印加して、スクッテルド鉱型結晶格子構造を有する多結晶性ペレットを該混合物から形成する段階
    を含む方法。
  37. 混合物を黒鉛の押型容器に入れる段階を更に含む請求項36記載の半導体合金を調製する方法。
  38. 式IrSb3を有する混合物を形成する段階を更に含む請求項36記載の半導体合金を調製する方法。
  39. 式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有する混合物を形成する段階を更に含む請求項36記載の半導体合金を調製する方法。
  40. 熱電デバイスをそれらの間に配置した汎用熱源および冷却用組立部品を有する放射性同位元素熱電発電機であって:
    スクッテルド鉱型結晶格子構造を有するP型半導体材料で形成された熱電要素からなる一部分と、式:
    Co1-x-yRhxIrySb3
    [式中、0≦x≦1かつ0≦y≦1]
    を有するP型半導体材料とを含む少なくとも2形式の異なる半導体材料で形成された複数の熱電要素
    を含む放射性同位元素熱電発電機。
  41. Bi−Sb合金、Bi2Te3系の合金、PbTe系の合金、β−FeSi2系の合金、Ga1-xInxSb系の合金、およびSiGe合金からなる群より選ばれるN型半導体材料で形成された熱電要素からなる別の一部分を更に含む請求項40記載の放射性同位元素熱電発電機。
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