JP3844538B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3844538B2
JP3844538B2 JP09342596A JP9342596A JP3844538B2 JP 3844538 B2 JP3844538 B2 JP 3844538B2 JP 09342596 A JP09342596 A JP 09342596A JP 9342596 A JP9342596 A JP 9342596A JP 3844538 B2 JP3844538 B2 JP 3844538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
atmosphere
argon
silicon oxide
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09342596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09260682A (ja
Inventor
あかね 村上
孝幸 矢野
邦彦 福地
亮子 面川
順一 竹山
英臣 須沢
舜平 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP09342596A priority Critical patent/JP3844538B2/ja
Publication of JPH09260682A publication Critical patent/JPH09260682A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3844538B2 publication Critical patent/JP3844538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本明細書で開示する発明は、半導体装置に利用される絶縁膜の構成、およびその作製方法に関する。特に、薄膜トランジスタの活性層の下地膜に利用される酸化珪素膜とゲイト絶縁膜に利用される酸化珪素膜に関する。またその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス基板や石英基板上に形成される薄膜トランジスタが注目されている。これは、ガラス基板や石英基板上に珪素薄膜をプラズマCVD法や減圧熱CVD法で成膜し、この珪素薄膜を利用して構成される。
【0003】
また、薄膜トランジスタは、多層構造を有する集積回路にも利用することが考えられている。即ち、従来からの単結晶シリコンウエハーを利用した集積回路上に重ねてさらに適当な絶縁膜を介して薄膜トランジジスタを作製する構成が考えられている。即ち、薄膜トランジスタを利用して、3次元に集積化された構成を実現することが考えられている。
【0004】
薄膜トランジスタの種類としては、非晶質珪素膜を用いたものが実用化されている。しかし、非晶質珪素膜を利用したものは、その特性が低く、またPチャネル型が作製できない(特性が低すぎ、実用にならない)という問題がある。
【0005】
この問題を解決するために、結晶性を有する珪素薄膜(結晶性珪素膜と称する)を利用した薄膜トランジスタの開発が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタには、以下のような問題がある。まず第1にOFF電流値が大きいという問題がある。OFF電流値とは、薄膜トランジスタがOFF動作時にソース/ドレイン間を流れてしまう電流のことである。
【0007】
一般にOFF電流値は、ゲイト電極に逆バイアスを印加した状態において流れるドレイン電流として計測される。
【0008】
また、結晶性珪素膜を用いた薄膜トランジスタは、特性の経時変化が大きいという問題がある。さらに多数の薄膜トランジスタを同時に作製した場合、特性のばらつきが大きいという問題がある。
【0009】
本明細書で開示する発明は、これらの問題を解決することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、上記薄膜トランジスタにおける諸問題には、活性層(薄膜トランジスタを構成するソース/ドレイン領域やチャネル形成領域が形成される島状の半導体薄膜)の下面および上面における絶縁膜との界面における固定電荷や界面準位の存在が大きく関係していることが判明している。
【0011】
即ち、上記の固定電荷や界面準位が存在することによって、電気的な特性の経時変化や特性の劣化が生じることが判明している。
【0012】
また、OFF電流も上記の固定電荷や界面準位の存在に大きく関係することが分かっている。
【0013】
即ち、OFF動作時においては、上記の準位を介してキャリアが移動することによりOFF電流が生じるのである。
【0014】
特に通常利用されるアルゴン雰囲気中でのスパッタリングによる酸化珪素膜の成膜では、成膜中において膜の表面に高エネルギーを有したアルゴンイオンが衝突し、この衝突したアルゴンイオンに起因して固定電荷が準位が形成されてしまう。
【0015】
こような知見に鑑み、本明細書で開示する発明においては、活性層の上面または下面に接する絶縁膜に酸素100%雰囲気(またはそれに近い雰囲気)中でのスパッタリングによって得られた酸化珪素膜を用いる。
【0016】
酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングによって成膜された酸化珪素膜は、非常に緻密な膜質を有し、内部に含まれる不純物や欠陥の密度が非常に少ないという特徴がある。固定電荷や準位は、不純物や欠陥が存在することで形成されるので、これらの密度が小さいことは非常に重要である。
【0017】
また酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングによって成膜された酸化珪素膜は、その表面における欠陥の密度が小さい。これは、低い界面準位を実現するためには有用なものとなる。
【0018】
しかし、酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングで成膜される酸化珪素膜は、その成膜速度が小さいという問題がある。具体的には、アルゴン100%の雰囲気中でスパッタリングを行なう場合に比較して、酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングは、10倍以上も成膜レートが遅い。
【0019】
具体的な成膜レートは、成膜条件や成膜装置によって異なるものであるが、一例として示すならば、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行った場合の酸化珪素膜の成膜レートは25Å/mimである。おして、流量比でアルゴン:酸素=3:1の場合の成膜レートは133Å/minである。そして、アルゴン100%雰囲気中での成膜レートは500Å/minである。
【0020】
成膜レートの遅さは、半導体装置の生産性の低下きたし、コストを高くする大きな要因となる。
【0021】
そこで本明細書で開示する発明においては、膜質が大きく問われる活性層との界面近傍を構成する酸化珪素膜の成膜を酸素100%雰囲気中(または酸素100%も見なせる雰囲気中)でのスパッタリングで行い、他の部分は酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングで成膜する構成とする。
【0022】
このようにすることにより、酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングで成膜される酸化珪素膜を用いる有用性を得られると同時に、絶縁膜の形成に際する成膜時間を短いものとすることができる。即ち、高い生産性を同時に得ることができる。
【0023】
なお、アルゴン100%雰囲気中でのスパッタリングは、高い成膜レートを得ることができるが、酸化珪素膜の膜質が悪いので、酸素を混合させた方が好ましい。
【0024】
本明細書で開示する発明の一つは、
酸化珪素膜上に形成された薄膜半導体を有し、
前記酸化珪素膜の上層におけるアルゴン原子の密度分布は、下層におけるものより低いことを特徴とする。
【0025】
こような構成は、酸化珪素膜の成膜に際し、まず酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングを行い、ついて酸素雰囲気でのスパッタリングを行う結果として得られる。また、酸化珪素膜の成膜に際し、まず酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングを行い、ついて雰囲気の酸素濃度を高くしてスパッタリングを行う結果として得られる。
【0026】
他の発明の構成は、
酸化珪素膜でなるゲイト絶縁膜を有し、
前記ゲイト絶縁膜の表面及び裏面におけるアルゴン原子の密度分布は、前記ゲイト絶縁膜の中央付近(膜厚方向における中央付近)に比較して低いことを特徴とする。
【0027】
このよううな構成は、ゲイト絶縁膜を構成する酸化珪素膜を成膜する際に、まず酸素雰囲気でのスパッタリングを行い、ついで酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングを行い、ついて酸素雰囲気でのスパッタリングを行う結果として得られる。
【0028】
ゲイト絶縁膜を構成する酸化珪素膜を成膜する際に、まず酸素雰囲気でのスパッタリングを行い、ついで雰囲気中にアルゴンを含有させてスパッタリングを行い、ついて再度酸素雰囲気でのスパッタリングを行う結果として得られる。
【0029】
他の発明の構成は、
基板上にアルゴンと酸素とを含有した雰囲気中でのスパッタリングにより第1の酸化珪素膜を成膜する工程と、
前記酸化珪素膜上に酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングにより第2の酸化珪素膜を成膜する工程と、
前記第2の酸化珪素膜上に半導体薄膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
【0030】
他の発明の構成は、
半導体薄膜上にゲイト絶縁膜を成膜する工程と、
前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成する工程と、
を有し、
前記ゲイト絶縁膜を成膜する工程は、
酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングにより第1の酸化珪素膜を成膜する工程と、
アルゴンと酸素とを含有した雰囲気中でのスパッタリングにより第2の酸化珪素膜を成膜する工程と、
酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングにより第3の酸化珪素膜を成膜する工程と、
でなることを特徴とする。
【0031】
他の発明の構成は、
半導体薄膜上にゲイト絶縁膜を成膜する工程と、
前記ゲイト絶縁膜上にゲイト電極を形成する工程と、
を有し、
前記ゲイト絶縁膜を成膜する工程は、
酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングにより酸化珪素膜を成膜する工程と、
該工程に引き続いて雰囲気中にアルゴンを連続的または段階的に添加し、酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングに移行する工程と、
該工程に引き続いて雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的または段階的に減少させ酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングに移行する工程と、
を有することを特徴とする。
【0032】
他の発明の構成は、
スパッタリングにより酸化珪素膜を成膜する工程を有し、
成膜中においてスパッタリング雰囲気を酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンとの混合雰囲気とに切り換えること、または酸素とアルゴンとの混合雰囲気から酸素の濃度がより高い雰囲気へと切り換えること、
を特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
薄膜トランジスタの活性層の下地として形成される酸化珪素膜の作製工程において以下のような構成を採用する。即ち、まず酸素とアルゴンとの混合雰囲気でのスパッタリングによって、比較的高い成膜レートでもって酸化珪素膜を成膜する。
【0034】
そして最後に酸素100%の雰囲気中においてスパッタリングを行い、膜質の優れた酸化珪素膜を成膜する。
【0035】
このようにすることで、活性層との界面特性が重要視される下地酸化珪素膜の表面を膜質の優れた酸化珪素膜とすることができる。また最初、酸素とアルゴンの混合雰囲気中においてスパッタリングを行うことで、成膜レートをかせぐことができ、高い生産性を確保することができる。
【0036】
またゲイト絶縁膜を構成する酸化珪素膜の成膜の際に、まず酸素100%の雰囲気中においてスパッタリングを行い、次に酸素とアルゴンとの混合雰囲気でスパッタリングを行い、さらに最後に酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングを行う。
【0037】
このようにすることにより、ゲイト絶縁膜を構成する酸化珪素膜において、高い界面特性が要求される活性層に接する面とゲイト電極に接する面とを良好な膜質を有する膜質とすることができる。また、酸素とアルゴンとの混合雰囲気でのスパッタリングを用いることで、成膜レートを早め、高い生産性を確保することができる。
【0038】
【実施例】
〔実施例1〕
図1に本実施例の作製工程を示す。図1に示すのは、ガラス基板上に形成されるNチャネル型の薄膜トランジスタの作製工程である。
【0039】
まず、ガラス基板101上に下地膜としての酸化珪素膜をスパッタリング法で成膜する。本実施例においては、この酸化珪素膜を実質的に2層構造を有するものとして構成する。
【0040】
まず、雰囲気を酸素とアルゴンの混合雰囲気としたスパッタリングを行い、102で示される酸化珪素膜でなる層を形成する。ここでは、アルゴンと酸素の流量比を3:1としてスパッタリング雰囲気を形成する。この酸化珪素膜102は、2800Åの厚さに成膜する。
【0041】
このスパッタリングが高周波マグネトロンスパッタ装置を用い、ターゲントとして人工石英を用いる。
【0042】
次にスパッタリング装置のチャンバー内の雰囲気を酸素100%に置換し、酸素100%雰囲気内でのスパッタリングを行う。この工程で103で示される酸化珪素膜の層が形成される。この酸化珪素膜103の膜厚は200Åとする。
【0043】
こうして102と103で示される厚さ3000Åの酸化珪素膜をガラス基板101上に成膜する。(図1(A))
【0044】
この2層構造でなる酸化珪素膜は、高い成膜レートを有し、かつ上層の活性層と接する表面は、緻密で固定電荷密度の低い膜質とすることができる。
【0045】
また得られた2層でなる酸化珪素膜は、下層がアルゴン元素の含有濃度が高いものとなる。即ち、102で示される層中にアルゴン濃度は103で示される層中のアルゴン濃度に比較して高いものとなる。
【0046】
なお、上記成膜方法において、雰囲気を段階的に変化させたり、連続的に変化させるようにしてもよい。
【0047】
また、下地膜を構成する酸化珪素膜の成膜工程いおいて、雰囲気中に微量のハロゲン元素を添加してもよい。ハロゲン元素は、膜中の固定電荷の固定化に寄与させることができる。
【0048】
次に後に薄膜トランジスタの活性層を構成することとなる図示しない非晶質珪素膜を減圧熱CVD法で1000Åの厚さに成膜する。減圧熱CVD法以外の成膜方法としては、プラズマCVD法を利用することができる。
【0049】
図示しない非晶質珪素膜を成膜したら、加熱処理またはレーザー光の照射を行うことにより、非晶質珪素膜を図示しない結晶性珪素膜に変成する。
【0050】
そしてこの結晶性珪素膜をパターニングすることにより、図1(B)に示す島状のパターン104を得る。この島状のパターン104が薄膜トランジスタの活性層となる。
【0051】
次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜の成膜を行う。まず最初に酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い105で示される酸化珪素膜の層を形成する。ここでは、酸化珪素膜105を100Åの厚さに成膜する。
【0052】
次に雰囲気を酸素とアルゴンの混合雰囲気に切り換え、この混合雰囲気中でのスパッタリングにより、106で示される酸化珪素膜の層を800Åの厚さに成膜する。ここでは、アルゴンを雰囲気中に含有させることにより、成膜レートを高める。
【0053】
次に雰囲気を酸素100%に切り換え、スパッタリングを行う。こうして、107で示される酸化珪素膜の層を成膜する。この酸化珪素膜107の膜厚は、100Åとする。
【0054】
こうして、高い膜質を有した層で挟まれた酸化珪素膜を得る。即ち、実質的に105〜107で示される3層構造を有する酸化珪素膜を得る。(図1(C))
【0055】
図1(C)に示す状態を得たら、ゲイト電極を構成する図示しないアルミニウム膜を4000Åの厚さにスパッタ法で成膜する。このアルミニウム膜中には、後の工程においてヒロックやウィスカーが発生することを抑制するためにスカンジウムを0.1 重量%含有させる。スカンジウム以外にはイットリウムを利用することができる。
【0056】
ヒロックやウィスカーというのは、加熱に従うアルミニウムの異常成長により形成される針状あるいは刺状の突起物のことをいう。
【0057】
図示しないアルミニウム膜を成膜したら、このアルミニウム膜を陽極として陽極酸化を行い、図示しない陽極酸化膜を形成する。ここでは、電解溶液として3%の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液をアンモニアで中和したものを用い、この電解溶液中において、アルミニウム膜を陽極、白金を陰極としてアルミニウム膜の表面に陽極酸化膜を形成する。
【0058】
この図示しない陽極酸化膜は、100Å程度の厚さに成膜する。膜厚は、印加電圧によって制御することができる。この陽極酸化膜は緻密な膜質を有し、後に配置されるレジストマスク108の密着性を高める効能を有している。
【0059】
陽極酸化膜を形成した後、レジストマスク108を配置する。そして、このレジストマスク108を用いてパターニングを行い、ゲイト電極110の原型となるパターンを形成する。
【0060】
次に第2の陽極酸化を行う。ここでは、アルミニウムパターンを陽極とした陽極酸化を行う。ここでは、電解溶液として、3%のシュウ酸を含んだ水溶液を用いる。この工程においては、多孔質状(ポーラス状)の陽極酸化膜109が形成される。
【0061】
この多孔質状の陽極酸化膜は、レジストマスク108が存在する関係でアルミニウムパターンの側面に選択的に形成される。この多孔質状の陽極酸化膜の膜厚は、陽極酸化時間で制御することができる。
【0062】
ここでは、この多孔質状の陽極酸化膜109を5000Åの厚さに成膜する。この膜厚の分でもって後に低濃度不純物領域(LDD領域)を形成することができる。
【0063】
こうして図1(D)に示す状態を得る。この状態において、不純物イオンの注入を行う。ここでは、P(リン)イオンの注入をプラズマドーピング法でもって行う。
【0064】
この工程において、112と114で示される領域にPイオンの注入が行われる。また、113で示される領域には、Pイオンの注入は行われない。
【0065】
次にレジストマスク108を専用の剥離液で除去する。なお、レジストマスク108の除去後に上記のPイオンの注入を行ってもよい。この方法を採用した場合、不純物イオンの衝撃によるレジストマスクの炭化等の問題を回避することができる。
【0066】
次に3度目の陽極酸化を行う。この工程では、緻密な膜質を有する1度目の陽極酸化工程と同様な条件で陽極酸化膜の形成を行う。この工程では、電解溶液が多孔質状の陽極酸化膜の内部に侵入するので、ゲイト電極となるパターン110の周囲表面に緻密な膜質を有する陽極酸化膜111が形成される。
【0067】
ここでは印加電圧を制御することにより、111で示される緻密な膜質を有する陽極酸化膜の膜厚を1000Åとする。この陽極酸化膜111は、ゲイト電極110を電気的および機械的に保護する役割を有している。
【0068】
緻密な膜質を有する陽極酸化膜111の形成後、多孔質状の陽極酸化膜109を除去する。こうして図1(E)に示す状態を得る。
【0069】
この状態で再度のPイオンの注入を行う。この工程においては、先のPイオンの注入条件よりも1桁程度低いドーズ量でもってPイオンの注入を行う。
【0070】
この工程において、低濃度にPイオンが注入された低濃度不純物領域115と117が形成される。また116で示されるチャネル形成領域が画定する。
【0071】
次に層間絶縁膜として酸化珪素膜118をプラズマCVD法でもって7000Åの厚さに成膜する。層間絶縁膜としては、窒化珪素膜と酸化珪素膜との積層膜を利用することができる。また、酸化珪素膜や窒化珪素膜と樹脂膜との積層膜を用いることができる。
【0072】
層間絶縁膜を成膜した後、コンタクトホールの形成を行い、さたに金属膜でなるソース電極119とドレイン電極120を形成する。ここでは、ソース電極119及びドレイン電極120として、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜との3層膜を用いる。各膜の成膜はスパッタ法を用いて行う。
【0073】
こうして図1(E)に示す状態を得る。最後に350℃の水素雰囲気中で1時間の加熱処理を行い薄膜トランジスタを完成させる。
【0074】
本実施例に示す作製工程で作製された薄膜トランジスタは、活性層が酸素100%のスパッタリングで形成された酸化珪素膜で挟まれた構成を有している。
【0075】
酸素100%のスパッタリング法で成膜された酸化珪素膜は、成膜レートが遅いという欠点があるが、固定電荷の存在密度が低い、緻密な膜質を有している。
【0076】
従って、本実施例に示すような構成を採用することで、活性層の上面および下面における界面特性を高めることができ、それら界面付近の電気的な不安定性に起因する問題を抑制することができる。例えば、薄膜トランジスタの特性の経時変化や劣化を抑制することができる。さらにまた、OFF電流値を低減させることができる。
【0077】
〔実施例2〕
本実施例は、実施例1に示す薄膜トランジスタの作製工程において、102と103でなる下地酸化珪素膜の成膜後にプラズマ処理を行う場合の例を示す。
【0078】
このプラズマ処理は、下地膜の表面に付着した有機物を除去するために行われる。このプラズマ処理は、水素と酸素との混合減圧雰囲気中で高周波エネルギーによりプラズマを発生させることによって行われる。
【0079】
水素を用いるのは、水素イオンのエネルギーにより、有機物を分解するためである。そして分解された有機物は、酸素と結びつき、炭化物気体として除去される。
【0080】
このプラズマ処理を行うことで、下地膜の表面に付着した有機物に起因するトラップ準位の密度を低くすることができる。
【0081】
そして、活性層の下面近傍のトラップ準位を経由して伝導するキャリアを抑制することができ、OFF電流値を低減することができる。
【0082】
また、活性層を構成する非晶質珪素膜の成膜時に下地膜の表面に付着した有機物が再放出されることを抑制できるので、非晶質珪素膜中に含有される不純物濃度を低減させることができる。
【0083】
〔実施例3〕
本実施例は、図1に示す実施例1の薄膜トランジスタの作製工程において、ゲイト絶縁膜の成膜前に活性層の表面に対して有機物除去のためのプラズマ処理を行う例に関する。
【0084】
本実施例では、図1(B)の状態を得た後に酸素と水素との混合減圧雰囲気中でプラズマ処理を行う。プラズマ処理を行う装置には、通常の平行平板型の電極を有したプラズマCVD装置を利用することができる。
【0085】
このプラズマ処理においても活性層の表面に存在する有機物を除去し、後に形成されるゲイト電極との界面において固定電荷が存在してしまうことを抑制することができる。
【0086】
図2に示すのは、上記プラズマ処理の示す実験データである。このデータは、単結晶珪素ウエハーに対して上記プラズマ処理を行ったものと行わなかった試料を用意し、その表面に酸化珪素膜をスパッタリング法で成膜した際におけるSIMS(2次イオン分析)データである。
【0087】
図2(A)に示すのは、酸素と水素との混合雰囲気中でのプラズマ処理を行った場合のデータである。図2(B)に示すのは、酸素と水素との混合雰囲気中でのプラズマ処理を行わなかった場合のデータである。なお、通常行う洗浄工程を省略してあるので、炭素濃度の絶対値は大きなものとなっている。
【0088】
両図を比較すれば明らかなように、プラズマ処理を行うことにより、炭素成分の濃度分布が酸化珪素膜の厚さ方向の全域において、半減することが分かる。特に、珪素との界面付近においては、1桁近く低減できることが分かる。
【0089】
実施例4
実施例は、実施例1に示す構成を簡略化したものである。ゲイト絶縁膜と活性層との界面、およびゲイト絶縁膜とゲイト電極との界面、とを比較した場合、より重要なのは前者である。即ち、ゲイト絶縁膜と活性層との界面の特性が薄膜トランジスタの特性に与える影響は大きなものとなる。
【0090】
そこで、本実施例に示す構成は、ゲイト絶縁膜の構成を以下のようにする。即ち、ゲイト絶縁膜を構成する酸化珪素膜を2層構造とする。具体的には、下層を酸素100%のスパッタリング法で成膜した酸化珪素膜とし、上層を酸素とアルゴンとの混合雰囲気でのスパッタリングで成膜した酸化珪素膜とする。
【0091】
このようにすることにより、実施例1に示す構成に比較して、ゲイト絶縁膜とゲイト電極との間の界面特性の向上を計ることはできないが、作製工程の手間を省いたものとすることができる。即ち、高い生産性を得ることができる。
【0092】
〔実施例
本実施例は、本明細書に開示する発明を利用してPチャネル型とNチャネル型の薄膜トランジスタを同時に作製する例である。図3以下に本実施例の作製工程を示す。
【0093】
まず、図3(A)に示すように、ガラス基板501上に下地膜502として酸化珪化膜をスパッタ法によって3000Åの厚さに成膜する。
【0094】
この工程は、まず酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングによって、厚さ2800Åの酸化珪素膜を成膜する。ついで、酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングによって200Åの酸化珪素膜を成膜する。こうして厚さ3000Åの酸化珪素膜を成膜する。
【0095】
次に図示しない非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法でもって500Åの厚さに成膜する。
【0096】
そして加熱処理とレーザー光の照射を行うことにより、この非晶質珪素膜を結晶化させ、図示しない結晶性珪素膜を得る。さらにこの結晶性珪素膜をパターニングすることにより、Pチャネル型の薄膜トランジスタの活性層503とNチャネル型の薄膜トランジスタの活性層504を形成する。
【0097】
図では、2つの薄膜トランジスタの活性層が形成されているのみであるが、実際には必要する数でもって薄膜トランジスタの活性層が形成される。
【0098】
活性層を形成したら、それを覆うようにゲイト絶縁膜505を成膜する。ここでは、まず200Å厚の第1の層を構成する酸化珪素膜を酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングによって成膜し、さらに700Å厚の第2の層を構成する酸化珪素膜を酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングによって成膜し、さらに100Å厚の第3の層を構成する酸化珪素膜を酸素100%の雰囲気中でのスパッタリングによって成膜する。こうして3層の酸化珪素膜でなるゲイト絶縁膜505を成膜する。
【0099】
ゲイト絶縁505を成膜したら、ゲイト電極を構成するための図示しないアルミニウム膜をスパッタ法でもって5000Åの厚さに成膜する。このアルミニウム膜中には、アルミニウムの異常成長を抑制するためにスカンジウムを0.1 重量%含有させる。そしてこの図示しないアルミニウム膜の表面に極薄い緻密な膜質を有する陽極酸化膜を形成する。(この陽極酸化膜は507と508で示される)
【0100】
この陽極酸化工程は、3%の酒石酸を含んだエチレングルコール溶液をアンモニア水で中和したものを電解溶液として用いて行われる。陽極酸化はこの電解中において、アルミウム膜を陽極とし、白金を陰極として行う。ここで形成される陽極酸化膜はその膜厚を印加電圧によって制御することができる。
【0101】
この陽極酸化膜は、後に形成されるレジストマスクの密着性を高めるために機能する。
【0102】
次にレジストマスク509と510を配置し、アルミニウムでなるパターン506と500を形成する。このアルミニウムパターンが後にゲイト電極を構成する原型となる。(図3(A))
【0103】
図3(A)において、507と508が先に形成された極薄い緻密な膜質を有する陽極酸化膜である。
【0104】
図3(A)に示す状態を得たら、再度の陽極酸化を行う。この工程では、電解溶液として3%のしゅう酸水溶液を用いる。この工程で形成される電解溶液は、多孔質状(ポーラス状)を有するものとなる。
【0105】
この多孔質状の陽極酸化膜は、緻密な陽極酸化膜507と508、さらにレジストマスク509と510とが存在するために511や512で示されるようにアルミニウムパターンの側面に形成される。(図3(B))
【0106】
結果としてアルミニウムパターン513の側面に多孔質状の陽極酸化膜511が形成される。またアルミニウムパターン514の側面に多孔質状の陽極酸化膜512が形成される。
【0107】
この多孔質状の陽極酸化膜511と512は、その厚さを5000Åとする。この多孔質状の陽極酸化膜の膜厚は、陽極酸化時間によって制御することができる。またこの多孔質状の陽極酸化膜の膜厚でもって、後に低濃度不純物領域(LDD領域)を形成することができる。
【0108】
ここでアルミニウムパターン513がPチャネル型の薄膜トランジスタのゲイト電極となる。また、アルミニウムパターン514がNチャネル型の薄膜トランジスタのゲイト電極となる。
【0109】
こうして図3(B)に示す状態を得る。次に専用の剥離液でレジストマスク509と510を除去する。こうして図3(C)に示す状態を得る。
【0110】
次に緻密な膜質を有する陽極酸化膜を形成する条件で再度の陽極酸化膜の形成を行う。この工程においては、多孔質状の陽極酸化膜511と512の内部に電解溶液が侵入するので、図3(D)の515や516で示されるように緻密な膜質を有する陽極酸化膜が形成される。即ち、ゲイト電極513と514を覆うように緻密な陽極酸化膜505と516が形成される。
【0111】
この陽極酸化膜515と516は、最初の緻密な陽極酸化膜507や508と一体化してしまう。この陽極酸化膜515と516の膜厚は1000Åとする。この緻密な膜質を有する陽極酸化膜の膜厚の制御は陽極酸化時の印加電圧の制御で行うことができる。
【0112】
図3(D)に示す状態を得たら、全面にP(リン)イオンの注入を行う。この工程において、517と519と520と522で示される領域にPイオンが注入される。(図3(E))
【0113】
次に酢酸とリン酸とショウ酸とを混合した混酸を用いて多孔質状の陽極酸化膜511と512とを除去する。こうして図4(A)に示す状態を得る。
【0114】
次に図5(E)におけるドーピングよりもライトドーピングの条件で再度Pイオンの注入を行う。(図4(B))
【0115】
このPイオンの注入工程によって、523と525、さらに526と528の領域がN- 型で表記される弱いN型領域(低濃度不純物領域)となる。また、524と527の領域がPイオンの注入されないI型の領域となる。なお、524の領域がPチャネル型の薄膜トランジスタのチャネル形成領域となる。また527の領域がNチャネル型の薄膜トランジスタのチャネル形成領域となる。(図4(B))
【0116】
次にNチャネル型の薄膜トランジスタとなる領域をレジストマスク529で覆う。そして、B(ボロン)イオンの注入を行う。この工程においては、先にPイオンが注入されることによってN型化した領域を反転させるドーズ量でもってBイオンの注入を行う。(図4(C))
【0117】
このBイオンの注入工程の結果、P型領域530、531、さらに533、534が自己整合的に形成される。また、チャネル形成領域となる532で示される領域が自己整合的に形成される。
【0118】
こうして左側のPチャネル型の薄膜トランジスタと右側のNチャネル型の薄膜トランジスタとの原型が形成される。
【0119】
図4(C)に示すBイオンの注入が終了したら、レジストマスク529を除去し、図5(A)に示す状態を得る。そしてレーザー光の照射を行い、不純物イオンの注入によって損傷した領域のアニールと注入された不純物イオンの活性化とを行う。
【0120】
次に層間絶縁膜535として、窒化珪素膜と酸化珪素膜との積層膜をプラズマCVD法でもって成膜する。こうして図5(B)に示す状態を得る。
【0121】
そしてコンタクトホールの形成を行い、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜との積層膜でもって、Pチャネル型の薄膜トランジスタのソース電極536とドレイン電極527とを形成する。また同時にNチャネル型の薄膜トランジスタのソース電極539とドレイン電極528とを形成する。(図5(C))
【0122】
ここで、Pチャネル型の薄膜トランジスタのドレイン電極537とNチャネル型の薄膜トランジスタのドレイン電極538とを接続すれば、相補型に構成されたCMOS回路が得られる。
【0123】
図5(C)に示す構成は、Nチャネル型の薄膜トランジスタのみに低濃度不純物領域526と528が形成されている。ここで、ドレイン領域520側の低濃度不純物領域526が一般にLDD(ライトドープドレイン)領域と称されている。
【0124】
このLDD領域を配置すると、OFF電流値の低減、ホットキャリアによる劣化の抑制、移動度の低下、といった作用が得られる。
【0125】
〔実施例
本実施例は、逆スタガー型の薄膜トランジスタの作製工程を示す。まず、ガラス基板601上に下地膜として酸化珪素膜602を3000Åの厚さに成膜する。
【0126】
この酸化珪素膜602は、基板表面の平坦性を補正し、さらに基板からの不純物の侵入(上方の活性層への侵入)を防ぐために形成される。また、この酸化珪素膜は、活性層に接するものでないから、その界面特性の良さは特に要求されない。従って、ここでは酸化珪素膜602を酸素とアルゴンとの混合雰囲気でのスパッタリングのみによって成膜する。
【0127】
こうして602で示される3000Åの厚さの酸化珪素膜を成膜する。次にゲイト電極603を構成する図示しない金属材料でなる薄膜を3000Åの厚さに成膜する。ここでは、金属材料としてMo(モリブデン)を利用する。
【0128】
そして図示しないモリブデンでなる金属材料薄膜をパターニングすることにより、ゲイト電極603を形成する。ゲイト電極603は、ゲイト配線から延在して形成される。こうして図6(A)に示す状態を得る。
【0129】
次にゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜604を1000Åの厚さに成膜する。ここでは、まず酸素100%雰囲気中でのスパッタリングによって、200Å厚さに第1層の酸化珪素膜を成膜する。さらに引き続いて、酸素とアルゴンとの混合雰囲気中でのスパッタリングによって、600Å厚の第2層の酸化珪素膜を成膜する。さらに引き続いて、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングによって、200Å厚の第3層の酸化珪素膜を成膜する。
【0130】
こうして3層でなる604で示されるゲイト絶縁膜として機能する酸化珪素膜が成膜される。
【0131】
次に活性層を構成する珪素膜を成膜する。ここでは、まず非晶質珪素膜605をプラズマCVD法または減圧熱CVD法でもって500Åの厚さに成膜する。こうして図6(B)に示す状態を得る。
【0132】
非晶質珪素膜605を成膜したらレーザー光の照射により、非晶質珪素膜605を結晶化させる。レーザー光としては、KrFエキシマレーザー(波長248nm)を用いることができる。
【0133】
非晶質珪素膜605を結晶化させたら、それをパターニングして606で示される島状の領域を形成する。606が薄膜トランジスタの活性層となる。
【0134】
次に図示しない窒化珪素膜を3000Åの厚さにプラズマCVD法でもって成膜する。この窒化珪素膜をパターニングして607で示されるパターンを形成する。このパターン607は、ソース/ドレイン領域を自己整合的に形成するためのマスクとなる。(図6(C))
【0135】
図6(C)に示す状態を得たら、不純物イオンの注入を行う。ここでは、Nチャネル型の薄膜トランジスタを形成するためにP(リン)イオンの注入を行う。なお、Pチャネル型の薄膜トランジスタを形成するのであれば、B(ボロン)イオンの注入を行う。
【0136】
この不純物イオンの注入を行うことで、608と610で示される領域にPイオンが注入される。また609の領域には、マスクパターン607がマスクとなることによってPイオンが注入されない。(図6(D))
【0137】
この不純物イオンの注入を行うことにより、ソース領域608、チャネル形成領域609、ドレイン領域610が自己整合的に形成される。
【0138】
上記不純物イオンの注入後、レーザー光を照射し、注入された不純物イオンの活性化と不純物イオンの注入の衝撃によって損傷した領域(ソース/ドレイン領域)のアニールとを行う。
【0139】
次にチタン膜とアルミニウム膜とチタン膜との積層膜でもって、ソース電極611、とドレイン電極612とを形成する。こうして逆スタガー型の薄膜トランジスタが完成する。(図6(E))
【0140】
〔実施例
本実施例は、スパッタリングによる酸化珪素膜の成膜の際に、雰囲気を連続的または段階的に変化させる場合の例に関する。
【0141】
このような構成とする場合、予め設定したプログラムに従い、酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ、または酸素とアルゴンの混合雰囲気から酸素100%雰囲気へ、と移行する。
【0142】
この際、成膜条件等が所定のものとなるように、混合流量比は予め設定しておく。
【0143】
このような構成とすると、膜質的には多層構造を有する酸化珪素膜の成膜を連続した1つの成膜工程とすることができる。
【0144】
【発明の効果】
本明細書で開示する発明を利用することにより、特性の経時変化が小さく、またOFF電流値の小さい薄膜トランジスタを得ることができる。
【0145】
また多数の薄膜トランジスタを同時に作製した場合において、各薄膜トランジスタの特性のばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図2】 単結晶シリコンウエハー上に形成された酸化珪素膜中における炭素成分の濃度分布を示す図。
【図3】 Pチャネル型とNチャネル型の薄膜トランジスタを同時に作製する工程を示す図。
【図4】 Pチャネル型とNチャネル型の薄膜トランジスタを同時に作製する工程を示す図。
【図5】 Pチャネル型とNチャネル型の薄膜トランジスタを同時に作製する工程を示す図。
【図6】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【符号の説明】
101 ガラス基板
102 下地膜を構成する下層の酸化珪素膜
103 下地膜を構成する上層の酸化珪素膜
104 結晶性珪素膜でなる活性層
105 ゲイト絶縁膜を構成する第1の酸化珪素膜
106 ゲイト絶縁膜を構成する第2の酸化珪素膜
107 ゲイト絶縁膜を構成する第3の酸化珪素膜
108 レジストマスク
109 多孔質状の陽極酸化膜
110 ゲイト電極
111 緻密な膜質を有する陽極酸化膜
112 ソース領域
113 不純物イオンが注入されない領域
114 ドレイン領域
115 低濃度不純物領域
116 チャネル形成領域
117 低濃度不純物領域(LDD領域)
118 層間絶縁膜
119 ソース電極
120 ドレイン電極

Claims (7)

  1. 基板上に第1の酸化珪素膜を形成し、前記第1の酸化珪素膜上に接する半導体薄膜を形成し、前記半導体薄膜上に接する第2の酸化珪素膜を形成し、前記第2の酸化珪素膜上にゲイト電極を形成する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1の酸化珪素膜は、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成され、
    前記第2の酸化珪素膜は、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気にアルゴンを添加して雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に増加させることにより酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 基板上に第1の酸化珪素膜を形成し、前記第1の酸化珪素膜上に接する半導体薄膜を形成し、前記半導体薄膜上に接する第2の酸化珪素膜を形成し、前記第2の酸化珪素膜上に接するゲイト電極を形成する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1の酸化珪素膜は、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成され、
    前記第2の酸化珪素膜は、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気にアルゴンを添加して雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に増加させることにより酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素とアルゴンの混合雰囲気から酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成されことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 基板上に第1の酸化珪素膜を形成し、前記第1の酸化珪素膜上に接する半導体薄膜を形成し、前記半導体薄膜上に接する第2の酸化珪素膜を形成し、前記第2の酸化珪素膜上にゲイト電極を形成する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1の酸化珪素膜は、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成され、
    前記第1の酸化珪素膜の形成後に前記第1の酸化珪素膜の表面に対してプラズマ処理を行うことにより、前記第1の酸化珪素膜の表面に存在する有機物を除去し、
    前記第2の酸化珪素膜は、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気にアルゴンを添加して雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に増加させることにより酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 基板上に第1の酸化珪素膜を形成し、前記第1の酸化珪素膜上に接する半導体薄膜を形成し、前記半導体薄膜上に接する第2の酸化珪素膜を形成し、前記第2の酸化珪素膜上に接するゲイト電極を形成する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1の酸化珪素膜は、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸 素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成され、
    前記第1の酸化珪素膜の形成後に前記第1の酸化珪素膜の表面に対してプラズマ処理を行うことにより、前記第1の酸化珪素膜の表面に存在する有機物を除去し、
    前記第2の酸化珪素膜は、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気にアルゴンを添加して雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に増加させることにより酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素とアルゴンの混合雰囲気から酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 基板上に第1の酸化珪素膜を形成し、前記第1の酸化珪素膜上に接する半導体薄膜を形成し、前記半導体薄膜上に接する第2の酸化珪素膜を形成し、前記第2の酸化珪素膜上にゲイト電極を形成する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1の酸化珪素膜は、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成され、
    前記第2の酸化珪素膜の形成前に前記半導体薄膜の表面に対してプラズマ処理を施すことにより、前記半導体薄膜の表面に存在する有機物を除去し、
    前記第2の酸化珪素膜は、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気にアルゴンを添加して雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に増加させることにより酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  6. 基板上に第1の酸化珪素膜を形成し、前記第1の酸化珪素膜上に接する半導体薄膜を形成し、前記半導体薄膜上に接する第2の酸化珪素膜を形成し、前記第2の酸化珪素膜上に接するゲイト電極を形成する半導体装置の作製方法であって、
    前記第1の酸化珪素膜は、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成され、
    前記第2の酸化珪素膜の形成前に前記半導体薄膜の表面に対してプラズマ処理を施すことにより、前記半導体薄膜の表面に存在する有機物を除去し、
    前記第2の酸化珪素膜は、酸素100%雰囲気中でのスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気にアルゴンを添加して雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に増加させることにより酸素100%雰囲気から酸素とアルゴンの混合雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中でスパッタリングを行い、酸素とアルゴンの混合雰囲気中のアルゴン含有比率を連続的に減少させることにより酸素とアルゴンの混合雰囲気から酸素100%雰囲気へ移行しながらスパッタリングを行い、酸素100%雰囲気中でスパッタリングを行うことによって形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 請求項3乃至6のいずれか一項において、
    前記プラズマ処理は、水素と酸素の混合雰囲気中で行うことを特徴とする半導体装置の作製方法。
JP09342596A 1996-03-22 1996-03-22 半導体装置の作製方法 Expired - Fee Related JP3844538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09342596A JP3844538B2 (ja) 1996-03-22 1996-03-22 半導体装置の作製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09342596A JP3844538B2 (ja) 1996-03-22 1996-03-22 半導体装置の作製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09260682A JPH09260682A (ja) 1997-10-03
JP3844538B2 true JP3844538B2 (ja) 2006-11-15

Family

ID=14081956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09342596A Expired - Fee Related JP3844538B2 (ja) 1996-03-22 1996-03-22 半導体装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3844538B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4476390B2 (ja) 1998-09-04 2010-06-09 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
JP2001035808A (ja) 1999-07-22 2001-02-09 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 配線およびその作製方法、この配線を備えた半導体装置、ドライエッチング方法
JP2004327649A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Nec Corp 半導体装置、薄膜トランジスタおよび半導体装置の製造方法
JP2017123427A (ja) * 2016-01-08 2017-07-13 株式会社ジャパンディスプレイ 薄膜トランジスタ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09260682A (ja) 1997-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3193803B2 (ja) 半導体素子の作製方法
TW403972B (en) Method of fabricating mis semiconductor device
JP3277892B2 (ja) ディスプレイ基板の製造方法
KR19980016968A (ko) 셀프얼라인 박막트랜지스터 제조방법
JP3869189B2 (ja) 薄膜トランジスタの作製方法
JP3527009B2 (ja) 半導体装置およびその作製方法
US6140164A (en) Method of manufacturing a semiconductor device
JP3844538B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JPH03194937A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JP3352744B2 (ja) Mis型半導体装置の作製方法
KR100509660B1 (ko) 피막제조방법
KR20040010237A (ko) 박막 트랜지스터의 제조 방법
JP4001649B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4286738B2 (ja) 絶縁ゲイト型電界効果半導体装置の作製方法
JP3431653B2 (ja) Mis型半導体装置の作製方法
JP4104891B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPS5825266A (ja) Mos型半導体装置およびその製造方法
JP3181901B2 (ja) 薄膜トランジスタ
JP4321828B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2000133811A (ja) 薄膜トランジスタの製造方法
JPH0951098A (ja) 薄膜トランジスタおよびその製造方法
JP3316203B2 (ja) 半導体素子の作製方法
KR100301852B1 (ko) 박막트랜지스터제조방법
JP3181817B2 (ja) 薄膜トランジスタ
JP2000315802A (ja) 半導体素子の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060816

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090825

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100825

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110825

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120825

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130825

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees