JP3843419B2 - インターホンシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通話制御装置を介して集合玄関機、管理人室機及び住戸機の間で通話を行うとともに、各住戸等を防災又は防犯上から監視する機能を備えたインターホンシステム、特に集合玄関機、管理人室機及び住戸機の存在/不存在のデータベースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
集合住宅等に装備されるインターホンシステムに防災又は防犯管理機能を更に具備した場合には、そのシステムに対応して階数及び部屋数を設定しておいて、その階数及び部屋数に応じた端末機器を定期的に監視する必要がある。そして、この階数及び部屋数の設定はシステムの立ち上げの際に人手によって行われるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、集合住宅は、その建物によって階数及び部屋数が異なっている場合が多く、例えば或る建物の階数が64階・部屋数が100室、他の建物の階数が18階・部屋数が50室というように異なっており、従って、集合玄関機、管理人室機及び住戸機の設置個数も異なったものとなっている。また、特定の建物について見ても、階数は変更がないものの、住戸機が取り外されたりして、当初は監視対象として存在した住戸機が、後になって不存在として扱われなければならないものもある。このような端末機器の設定、変更は従来の人手によっていたので、その作業が煩わしいという課題があった。
【0004】
本発明は、このような課題を解決する為になされたものであり、集合玄関機、管理人室機及び住戸機の存在/不存在についてのデータベースを自動的に作成し、そして、その内容を自動的に更新することを可能にしたインターホンシステムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るインターホンシステムは、集合玄関機、各住戸に設けられた住戸機及び通話制御装置を含み、通話制御装置を介して集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機の間で通話を行う機能を備えたインターホンシステムにおいて、前記集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機は、その存在/不存在を問う信号を受信すると、その存在を示す信号を返信する手段をそれぞれ備えており、そして、前記通話制御装置は、前記集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機の存在/不存在についてのデータを含むデータベースと、前記集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機に対してその存在/不存在を問う信号を定期的に送出し、送信先からの返信信号に基づいてデータベースを作成するとともに、その内容を更新する演算手段とを備えたものであって、前記通話制御装置の演算手段は、前記送信先からの返信信号として受信した、前記送信先からの自己の存在を示す信号が正常か異常かを判定し、前記自己の存在を示す信号が正常であると判断したときは、前記自己の存在を示す信号の送信先を存在として前記データベースに記憶し、前記自己の存在を示す信号が異常であると判断したときには、所定回数連続して前記自己の存在を示す信号が異常であった場合に、その前記自己の存在を示す信号が異常である送信先を不存在として前記データベースに記憶するものである。
また、本発明に係るインターホンシステムにおいて、前記通話制御装置の演算手段は、前記自己の存在を示す信号が異常であると判断したときは、前記自己の存在を示す信号が異常である送信先が前回存在として前記データベースに記憶されているかどうかを判定し、前記自己の存在を示す信号が異常である送信先が、前回存在していない場合には、その前記自己の存在を示す信号が異常である送信先を不存在として前記データベースに記憶するものである。
また、本発明に係るインターホンシステムにおいて、前記通話制御装置の演算手段は、上記のデータベースの存在/不存在のデータから最大階数及び各階の最大部屋数を求めて上記のデータベースに格納するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図8は本発明が適用される集合住宅のインターホンシステムの全体構成図である。図8において、TCは通話制御装置、VCは映像制御装置、EP1,EPkはマンションなどの集合住宅の集合玄関に設けられる集合玄関機(集合玄関インターホン)、P1,P2は集合住宅の管理室或いは管理人住戸に設けられる管理人室機(管理人インターホン)である。SMPは通話制御装置TCと管理人室機P1とを1つのケースに収容した管理人親機である。J1〜Jnは集合住宅の各住戸に設けられた住戸機(住戸インターホン)に更に防犯・防災機能を備えた住戸情報盤(以下住情盤という)である。また、L11〜L13は制御線、L21〜L23は第1通話線、L31〜L33は第2通話線、L41〜L43は第1映像線、L51〜L53は第2映像線である。
【0007】
また、図8のDP1〜DPnは各住戸の玄関の外に設けられ、その住戸の住情盤J1〜Jnに接続されたドアホン、SE1は監視線LS21〜LS2nによって住情盤J1〜Jnに接続された各住戸の玄関の防犯センサ、SE2〜SEnは監視線LS21〜LS2nによって住情盤J1〜Jnに接続された各住戸の玄関以外の部分(例えばベランダに面した窓など)に設けられた防犯センサである。尚、図8の例では防犯センサSE1〜SEnは監視線LS21〜LS2nに接続しているが、各住戸の玄関部分に設けられた防犯センサSE1は監視線LS21〜LS2nとは別系統の監視線LS11〜LS1nに接続して玄関以外の部分に設けられた防犯センサSE2〜SEnとは別の監視動作をさせるようにしてもよい。
【0008】
また、図8の住情盤J1〜Jnはインターホンのハンドセット(送受話器)、インタホンの呼出音、管理室からの放送、警報音などを流すスピーカ、集合玄関機EP1,EPkのテレビカメラから送られてくる訪問者の映像を映すLCD等のモニタテレビ、各種表示灯、各種スイッチ(例えば玄関のオートドアロックを解錠するための解錠スイッチ)を備えており、更にまた、火災感知器等の防災機器が取り付けられているものとする。
【0009】
また、図8の通話制御装置TCは、集合玄関機EP1,EPkと住戸機J1〜Jnと管理人室機P1,P2のとの間での通話に介在するものであるが、その他に、防災監視装置としての機能も果たしている(この点の詳細は後述する)。
【0010】
ここで、図8のシステムの概要を、インターホンの通話制御という観点から説明する。
訪問者が例えば集合玄関機EP1のテンキーを操作して訪問すべき部屋番号例えば「102」を入力し、次に呼出スイッチを押すと、集合玄関機EP1から制御線L11を介して通話制御装置TCに、集合玄関機EP1のアドレスと、「102」号室の部屋コード(アドレス)と呼出コードからなる呼出信号が送出される。通話制御装置TCは集合玄関機EP1から呼出信号を受信すると、空いている通話線、映像線を調べ、第2通話線と第2映像線とが使用中であれば、呼出信号と第1通話線L22及び第1映像線L42の通話・映像線指定命令を制御線L12を介して102号室の住情盤J2に送出すると共に、第1映像線L41の映像線指定命令を制御線L11を介して集合玄関機EP1に送出する。また、制御線L61を介して映像制御装置VCに映像線L41とL42を接続する命令を送出する。集合玄関機EP1では、送受信回路11を介して上記の映像線指定命令を受信し、これにより、テレビカメラを起動するとともに、テレビカメラの出力を第1映像線L41に接続し、第1映像線L41に訪問者の映像信号を送出する。
【0011】
また、102号室の住情盤J2は、制御線L12を通じて受信した呼出信号と第1通話線L22および第1映像線L42の通話・映像線指定命令が自機のアドレスに合致しているとき、図示しない通話用と映像用の各接続スイッチを制御して第1通話線L22及び第1映像線L42をそれぞれ接続する。また、スピーカから呼出音を発し、ロビー灯を点灯し、モニタテレビを起動して第1映像線L42により送られてくる映像信号による映像を放映する。
【0012】
住情盤J2でハンドセットが取り上げられると、住情盤J2から通話制御装置TCに制御線L12を介してフックオン信号が送出される。通話制御装置TCは住情盤J2からフックオン信号を受信すると、集合玄関機EP1に対し第1通話線L21の通話線指定命令を送出し、この命令を受け取ると、集合玄関機EP1は第1通話線L21と接続する。これにより集合玄関機EP1と住情盤J2との間の通話路が形成され、訪問者と102号室の居住者との間で通話が行われる。
【0013】
そして、集合玄関に配置されている入出館用の自動ドアは、住情盤J2の解錠スイッチを操作すると、制御線L12、L11を介して集合玄関機EP1に解錠信号が送られ、オートドアロック(図示せず)が解錠されて開放される。
【0014】
また、通話が終了して住情盤J2のハンドセットを元に戻すと、住情盤J2から制御線L12を介して通話終了信号が通話制御装置TCに送られ、通話制御装置TCは住情盤J2と集合玄関機EP1並びに映像制御装置VCに終了命令を送出する。これにより、集合玄関機EP1はテレビカメラをオフすると共に、第1通話線L21と第1映像線L41の接続スイッチを開放し、住情盤J2はモニタテレビをオフするとともに、第1通話線L22と第1映像線L42の各接続スイッチを開放し、映像制御装置VCは第1通話線L21と第1映像線L41の接続を解放する。この結果、第1通話線と第1映像線とは解放される。
【0015】
図8のインターホンシステムにおいて通話制御の概要が明らかになったところで、次に本実施形態おいて特有な存在/不存在のポーリング処理について説明する。
【0016】
図1は図8のインターホンシステムを存在/不存在のポーリング処理に着目して、それに関連した要素を抽出して図示したブロック図である。通話制御装置TCには、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)2と、電流を制御し直流電源24Vを出力する電流制御回路3と、マイコン2からの信号を例えば住情盤J1〜Jn等に制御線L12を介して送信する送信回路4と、制御線L12を介して送られてきた信号を受信してマイコン2に出力する受信回路5とを備えている。この通話制御装置TCは、さらに、住情盤J1〜Jn等の存在/不存在及びデータ受信の有無等についてのデータベースが格納されるメモリ6を備えており(なお、このメモリ6はマイコン2に内蔵されたものを用いてもよい)、住情盤等の存在/不存在を、存在/不存在のポーリング処理により定期的に監視してデータベースを生成するとともに更新する。このメモリ6としては例えば電気的に書き換え可能な不揮発性メモリEEPROMを用いるとよい。
【0017】
また、通話制御装置TCのマイコン2は、各住情盤J1〜Jnが防犯等の異常を検知したかどうかを監視しており、何れかの住情盤が異常を検知したときは、その住情盤を特定する制御に入り、また、上述のように、呼出があったときは送信元と受信先を接続する制御を行うようになっている。
【0018】
管理人室機P1,P2は、通話制御装置TCのマイコン2から住情盤J1〜Jn等の端末機器の異常の通知を受けたときは、例えば、その旨が表示されたランプを点灯すると共に、警報音を鳴動させ、また、受信データの異常の通知を受けたときは、その旨が表示されたランプを点灯すると共に、警報音を鳴動させて管理者に知らせる。尚、この場合、端末機器の異常の通知を受けたときの警報音の音色と、受信データの異常の通知を受けたときの警報音の音色とが異なるようにして、各々の警報音が区別されるようにしてもよい。
【0019】
また、住情盤J1〜Jnは、通話制御装置TCからの所定のデータを受信したときはそれぞれ所定のタイミングで自己の存在を知らせるデータを送信する機能を有するマイコン12と、制御線L12を介して送られたきた信号を受信してマイコン12に出力する受信回路13と、マイコン12からの信号を制御線L12を介して通話制御装置TCに送信する送信回路14とを備えている。
【0020】
ここで、存在/不存在のポーリング処理において、通話制御装置TCから住情盤J1〜Jnに対して送られる信号と住情盤J1〜Jnからの返信信号との関係について説明する。図2は存在/不存在のポーリング処理を行う際のデータを示すフォーマット図である。このデータは、アドレスを書き込むブロックAS1,2と、コマンドを書き込むブロックCMと、データを書き込むブロックDA1,2と、このデータの誤りの有無を判別させるためのブロックSM1,2とからなっている。各住情盤J1〜Jnに対しては、自己の存在を通知できるようタイムスロット(返送タイミング)が設定されており、図2の例では8住戸分のタイムスロットがそれぞれ設定されている。
【0021】
次に、図1のインターホンシステムの動作を図3及び図4に基づいて説明する。図3及び図4は端末機器の存在/不存在を確認するためのポーリング処理を示すフローチャートである。なお、この動作説明は住情盤に対してのみとし、管理人室機P1,P2及び集合玄関機EP1,EPkに対する制御動作は各住情盤と基本的に同じであるため省略する
【0022】
通話制御装置TCは、住情盤J1〜Jn(以下、住情盤Jという)の監視に入ってから所定時間経過すると、住情盤Jの存在/不存在を確認するためのポーリングを行う。まず、送信可能時間の測定を開始してその時間内までに送信可能かどうかを制御線L12をセンシングして判定する(S1〜S3)。送信可能時間を経過しても送信できないとき、即ち制御線L12が使用されているときは測定時間をクリアして再び時間の測定を開始するが(S4,S1)、送信可能時間内に送信できることをセンシングを通じて検知したときは、1階の8住戸(101〜108号室)に対しタイムスロットを設定したデータを送信してポーリングを行う(S5)。このデータを送信した際、待機時間の測定を開始して、タイムアップするまで待機する(S6,S7)。
【0023】
この時、101〜108号室の各住情盤Jは、そのデータを受信すると、それぞれに設定されたタイムスロットで自己の存在を知らせるデータを通話制御装置TCに送信する。一方、通話制御装置TCは、待機時間のタイムアップを確認すると、測定時間をクリアして、住情盤Jからのデータ受信があったかどうかを判定する(S8,S9)。受信データが無いときは、ポーリングを行う住戸グループ(8住戸)が終了したかどうかを判定するが(S10)、データの受信を検知したときは、順次に取り込んでデータが正常かどうかを判定する(S12)。
【0024】
最初のデータ、即ち101号室の住情盤Jのデータが正常なときは、その住情盤Jの存在をメモリ6のデータベースに記録し(S13)、次に、8住戸分の住情盤Jの存在/不存在の検索が終了したかどうかを判定する(S25)。この場合は終了していないので、次の102号室の住情盤Jのデータが正常かどうかを判定し(S12)、正常な場合には、前記と同様にその住情盤Jの存在をメモリ6のデータベースに記録する(S13)。
【0025】
また、処理S12において103号室の住情盤Jのデータが異常であると判断したときは、まず、データの有無を判定する(S14)。データが無かったときは、その住情盤Jが前回存在としてメモり6のデータベースに記録されているかどうかを判定する(S15)。この前回存在とは、前回ポーリングを行ったときに住情盤Jの存在を確認してメモリ6に記録した結果であり、前回から存在していなかったときはその住情盤Jの不存在をメモリ6のデータベースに記録し(S20)、前回存在していたときであって3回連続して上記データが無かった場合には(S16)、その住情盤Jを不存在としてメモリ6のデータベースに記録する(S17)。そして、103号室の住情盤Jの異常表示と警報音の鳴動を管理人室機に行わせる(S18)。他方、前回存在していたときであって3回連続して上記データが無かった場合に該当しないときには(S16)、データ無しをカウントする(S19)。即ち、例えばメモリ6のデータベースに当該カウントを記録する。
【0026】
一方、処理S14においてデータ有りと判断したときはデータが読めなかったと判断して、この状態が3回連続して繰り返されたかどうかを判定する(S21)。その状態が3回未満のときは103号室の住情盤Jが存在するとしてメモリ6のデータベースに記録する(S24)。また、データが読めなかった状態が3回連続して繰り返された場合は、データが重複していると認識して、103号室の住情盤Jのデータ異常表示と警報音の鳴動を管理人室機P1,P2に行わせる(S22,S23)。尚、通話制御装置TCにデータ異常表示と警報音機能を持たせると、管理人室機がないインターホンシステムの場合でも異常の表示や警報を発することができる。また、管理人室機がある場合でも、この管理人室機にデータ異常表示スイッチ及び警報音機能スイッチを設け、これらのスイッチをオフにして、データ異常表示及び警報音の発生を通話制御装置TCのみに行わせることができる。このようにすれば、データ異常表示及び警報音の発生を管理人室機と通話制御装置TCに重複して行わせないようにすることができる。
【0027】
このように8住戸分が終了するまで受信データに基づいて住情盤Jの存在/不存在の検索を行い、終了したときは、前述したように処理S10において住戸グループが終了したかどうかを判定する。住戸グループが終了していないときは次の住戸グループ(109〜116号室)を選択して(S11)、そのグループに対し再びデータを送信して存在/不存在のポーリングを行う。住戸グループが終了しているときはこの住情盤Jの存在/不存在の処理を終了して通常の監視に入る。そして、所定時間が経過すると、住情盤Jの存在/不存在の処理に再び入る。
【0028】
以上にように本実施形態においては、所定時間毎に、8住戸分のタイムスロットを設けたデータを送信して住情盤Jの状態を監視してデータベースを生成するとともに更新し、そして、異常時にはその旨を管理人室機P1,P2に表示するようにしたので、人手による住情盤Jの点検が不要になり、しかも、異常の住情盤Jに対して速やかに対処して防災システムの機能を維持できるという効果がある。
【0029】
図5は以上の処理により作成・更新されたデータベースの説明図である。ここでは、例えば一般的な集合住宅として当初階数が64階、各階には24室があるという前提で上述のポーリング処理を行う。そして、その結果、階数が18階、1階の部屋数は16室、……、18階の部屋数は8室である、というデータが得られる。従って、図5のデータベースを更に書き換えると、図6に示されるように最大階数及び各階の部屋数が得られる。このようなデータが得られると、次回からの存在/不存在のポーリング処理においても、図6の階数及び部屋数の範囲内おいて行えば良いことが分かる。
【0030】
上記のメモリ6のデータベース(図5及び図6)は、インターホンシステムにおける通話制御(映像制御)、すなわち、接続されていない住情盤の読み出し禁止等に用いられ、また、防災監視機能も有する場合には、防災(防犯、火災、ガス漏れ等)監視のために行われる緊急ポーリング及び階ポーリングの処理において用いられる。その概要を簡単に説明する。
【0031】
通話制御装置TCが緊急ポーリングを行うときは、まず受信回路5を通じて制御線L12をセンシングし、送信可能時間内で送信可能なときは、予め分けられたグループ毎にポーリングする。このポーリングは、図7(a)に示すようなフォーマットからなり、最初のポーリングには、1階〜16階と17階〜32階とにそれぞれタイムスロット(防災系、コール系、故障系)が設定される。なお、標準の建物が64階であるとしてシステムの設定がされていても、上述のように、この建物は18階であることから(図6参照)、次のポーリングの33階〜64階の分は省略されることになる。
【0032】
このポーリングにより異常内容を示すデータが受信されたときは、その受信データのタイムスロットから階グループ(1階〜16階、17階〜32階の何れか一つ)を判別すると共に、受信データから防災系、コール系又は故障系の何れかを特定する。故障系を確認したときは、それを発した住情盤Jが応答できるように故障関係の階ポーリングを行い、コール系を確認したときはコール関係の階ポーリングを行い、防災系の場合には、それを発した住情盤Jが応答できるように防災関係の階ポーリングを行う。また、受信データから防災系とコール系を確認したときは、危険度の高い防災系を選択して防災関係の階ポーリングを行い、コール系と故障系を確認したときは、故障系より危険度の高いコール系を選択してコール関係の階ポーリングを行う。
【0033】
この階ポーリングは、例えば、図7(b)に示すようなフォーマットからなり、異常内容を通知した住情盤Jが階を通知できるようタイムスロット(8階分)がそれぞれ設定されている。グループ毎に行った緊急ポーリングにより、例えば17階〜32階の階グループを特定した場合は、まず17階〜24階の階グループに対して階ポーリング(防災、コール又は故障関係)を行う。
【0034】
この階ポーリングによりデータが受信されたときは、その受信データのタイムスロットから階を判別して、その階に対して号室ポーリングを行う。この場合、階ポーリングが防災関係であったときはそれに引き続いて防災関係の号室ポーリングで行い、コール関係のときはその関係の号室ポーリングで行い、故障関係のときはその関係の号室ポーリングで行う。この号室ポーリングは、例えば、図2に示されるのと同様なフォーマットからなり、階を通知した住情盤Jが号室を通知できるようタイムスロット(8号室分)がそれぞれ設定されている。階ポーリングにより例えば18階を特定した場合は、まず、1801号室〜1808号室に対して号室ポーリングを行い、この号室ポーリングによりデータが受信されたときは、その受信データのタイムスロットから居室の住情盤Jを特定し、その住情盤Jとの間でセレクティングを行って異常内容の情報を収集する。
【0035】
上記の説明から明らかなように、防災について緊急ポーリング、階ポーリング及び居室ポーリングを行う際に、メモり6のデータベース(図5,図6)を参照することで無駄なくポーリング処理を行うことができる。そして、このメモり6のデータベースは定期的に更新されるので、その信頼性は極めて高いものとなっている。
【0036】
尚、上記の実施形態においては、集合玄関機、管理人室機及び住戸機の存在/不存在についてのデータを含むデータベースの作成及びその更新について例を挙げて説明したが、本発明のデータベースはこれに限定されず、例えば集合玄関機、管理人室機及び住戸機の配置についてのデータベースの作成及びその更新についても含むものである。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、集合玄関機、管理人室機及び住戸機の存在/不存在についてのデータを含むデータベースを作成するとともに定期的に更新するようにしたことから、人手による設定データの変更が不要になり、システムの立ち上げが迅速となり、また、防災等の監視範囲が自動的に設定されることから、監視範囲を不必要に超えて監視することがなく、効率よく監視することが可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインターホンシステムを存在/不存在のポーリング処理に着目して、それに関連した要素を抽出して図示したブロック図である。
【図2】端末機器の存在/不存在を確認するポーリングのデータを示すフォーマット図である。
【図3】端末機器の存在/不存在を確認する制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3に続くフローチャートである。
【図5】図1のデータベースの説明図である。
【図6】図5の存在/不存在のデータベースから得られる各階数の部屋数及び最大階数のデータベースの説明図である。
【図7】図5及び図6のデータベースを利用した緊急ポーリング及び階ポーリングの信号のフォーマットを示す図である。
【図8】本発明が適用される集合住宅のインターホンシステムの全体構成図である。
【符号の説明】
TC 通話制御装置、2 マイコン、3 電流制御回路、4 送信回路、
5 受信回路。
J1〜Jn 住情盤、12 マイコン、13 受信回路、14 送信回路。
L12 制御線。
Claims (3)
- 集合玄関機、各住戸に設けられた住戸機及び通話制御装置を含み、通話制御装置を介して集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機の間で通話を行う機能を備えたインターホンシステムにおいて、
前記集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機は、その存在/不存在を問う信号を受信すると、その存在を示す信号を返信する手段をそれぞれ備えており、そして、
前記通話制御装置は、
前記集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機の存在/不存在についてのデータを含むデータベースと、
前記集合玄関機及び各住戸に設けられた住戸機に対してその存在/不存在を問う信号を定期的に送出し、送信先からの返信信号に基づいてデータベースを作成するとともに、その内容を更新する演算手段とを備えたものであって、
前記通話制御装置の演算手段は、
前記送信先からの返信信号として受信した、前記送信先からの自己の存在を示す信号が正常か異常かを判定し、前記自己の存在を示す信号が正常であると判断したときは、前記自己の存在を示す信号の送信先を存在として前記データベースに記憶し、前記自己の存在を示す信号が異常であると判断したときには、所定回数連続して前記自己の存在を示す信号が異常であった場合に、その前記自己の存在を示す信号が異常である送信先を不存在として前記データベースに記憶する
ことを特徴とするインターホンシステム。 - 前記通話制御装置の演算手段は、
前記自己の存在を示す信号が異常であると判断したときは、
前記自己の存在を示す信号が異常である送信先が前回存在として前記データベースに記憶されているかどうかを判定し、
前記自己の存在を示す信号が異常である送信先が、前回存在していない場合には、その前記自己の存在を示す信号が異常である送信先を不存在として前記データベースに記憶する
ことを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。 - 前記通話制御装置の演算手段は、上記のデータベースの存在/不存在のデータから最大階数及び各階の最大部屋数を求めて上記のデータベースに格納することを特徴とする請求項1又は2記載のインターホンシステム。
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