JP3841072B2 - 電気光学装置、および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタ(以下適宜、TFTと称す )駆動等によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置の駆動回路、該駆動回路を備えた電気光学装置、当該電気光学装置を用いた電子機器の技術分野に属し、特に、データ線または走査線の駆動回路に供給するクロック信号及び当該クロック信号と逆位相のクロック信号(以下、逆位相クロック信号と称す)の位相差補正手段を備えた電気光学装置の駆動回路、電気光学装置、及び電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
図18に従来のTFT駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置の一例を示す。図18において、縦横に夫々配列されたY1〜Ymの走査線31及びS1〜Snのデータ線35と、走査線31及びデータ線35の各交点に対応してトランジスタ30が形成され、該トランジスタ30に接続された多数の画素電極11が液晶装置用基板上に設けられている。そして、これらに加えて、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路301などのTFTを構成要素とする各種の周辺回路が、このような液晶装置用基板上に設けられている。
【0003】
前記データ線駆動回路101には、画像信号線304を介して供給される画像信号VIDをデータ線35に書き込ませるためのサンプリング回路301を制御するサンプリング回路駆動信号線306に駆動信号を順次転送するようにシフトレジスタが構成されている。また、前期走査線駆動回路104には、走査信号を順次走査線31に順次転送するようにシフトレジスタが構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成を有する液晶装置では、外部の制御回路から出力されるクロック信号CL(後述するデータ線駆動回路101を制御するためのクロック信号をCLXと表記し、走査線駆動回路104を制御するためのクロック信号をCLYと表記する)と、外部の制御回路にて反転された逆位相クロック信号CLINV(後述するデータ線駆動回路101を制御するための逆位相クロック信号をCLXINVと表記し、走査線駆動回路104を制御するための逆位相クロック信号をCLYINVと表記する)が、従来は、一例として図19(a)に示すような回路を用いて液晶装置用基板内に供給されている。そして、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVは、まず供給線P1,P1'を介して液晶装置用基板内のインバータI1,I3に供給され、次にインバータI2,I4を介して各駆動回路に供給されている。
【0005】
このような回路を用いた場合、図19(b)に示されるように供給線P1とP1'との間に位相差Tが発生してしまい、これはインバータI1,I3、更にはインバータI2,I4を経た後においても解消されることがない。即ち、図19(b)に示すように、インバータI1とインバータI2、及びインバータI3とインバータI4の間の接続線P2,P2'において、更には、インバータI2,I4の出力部に接続された供給線P3,P3'において、クロック信号CL及び該クロック信号CLに対して位相差Tを有する逆位相クロック信号CLINVが伝搬されることになってしまうのである。そのため、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104を構成するシフトレジスタにおいては、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVとの間に一旦位相差Tが発生すると、信号波形の劣化が生ずることになり、正常にスタート信号SP(後述するデータ線駆動回路101を制御するためのスタート信号をSPXと表記し、走査線駆動回路104を制御するためのクロック信号をSPYと表記する)を各段に転送することができず、誤動作が引き起こされるという問題がある。また、このような問題は、走査線駆動回路104のシフトレジスタにおいても同様である。
【0006】
さらに、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVを供給する供給線を液晶装置用基板上に引き回すと、クロック信号の供給線の容量によりクロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVが劣化し、適切な波形が得られず、その結果正常に前記駆動信号を各段へ転送することができず、誤動作が引き起こされるという問題がある。
【0007】
本発明は上述した問題点に鑑みなされたものであり、確実にクロック信号及び該クロック信号の逆位相クロック信号の位相差を補正して、走査線駆動回路及びデータ線駆動回路を良好に動作させることのできる電気光学装置の駆動回路、電気光学装置、及び電子機器を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明の電気光学装置の駆動回路は、前記課題を解決するために、画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、
前記各データ線及び前記各走査線に接続されたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に接続された画素電極とを備えた電気光学装置の駆動回路であって、
クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて、所定の信号の転送を行うシフトレジスタを有する駆動手段と、前記駆動手段に前記クロック信号及び前記逆位相のクロック信号を夫々供給する入力部からの入力はクロック信号位相差補正手段を介して前記駆動手段に供給されてなることを備えることを特徴とする。
また、本願発明の電気光学装置の駆動回路は、画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に電気的に接続された画素電極とを備えた電気光学装置であって、
前記走査線の両端にそれぞれ設けられ、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタをそれぞれ備える第1及び第2の走査線駆動回路と、
前記クロック信号が入力される端子及び前記逆位相クロック信号が入力される端子と、
前記クロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給するクロック信号線及び前記逆位相のクロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給する逆位相クロック信号線と、
前記端子と前記第1及び第2の走査線駆動回路との間に設けられるクロック信号位相差補正回路と、を有し、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記端子から引き出された後、前記画素電極が形成された領域の周囲において、前記第1の走査線駆動回路側を引き回された後、前記画素電極が形成された領域を挟んで前記端子と対向する側を引き回されて、前記第2の走査線駆動回路側に引き回され、
前記クロック信号位相差補正回路は、前記第1の走査線駆動回路の側であって、前記電気光学装置のコーナー部に配置され、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記クロック信号位相差補正回路から引き出されて前記第1の走査線駆動回路に引き回される第1配線と、前記クロック信号位相差補正回路から引き出された前記第1配線から分岐した後、前記画素電極が形成された領域及び前記第1の走査線駆動回路の周囲を引き回されて前記第2の走査線駆動回路に達する第2配線と、を含み、
前記第1配線または前記第2配線における、前記クロック信号線と前記逆位相クロック信号線との互いの長さが異なる部分は前記データ線と同一膜の低抵抗な膜で形成されることを特徴とする。
また、本願発明の電気光学装置は、画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に電気的に接続された画素電極とを備えた電気光学装置であって、
前記走査線の両端にそれぞれ設けられ、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタをそれぞれ備える第1及び第2の走査線駆動回路と、
前記クロック信号が入力される端子及び前記逆位相クロック信号が入力される端子と、
前記クロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給するクロック信号線及び前記逆位相のクロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給する逆位相クロック信号線と、
前記端子と前記第1及び第2の走査線駆動回路との間に設けられるクロック信号位相差補正回路と、を有し、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記クロック信号及び前記逆位相のクロック信号の端子から前記第1の走査線駆動回路に引き回される第1配線と、前記第1配線から分岐した後、前記画素電極が形成された領域を挟んで前記端子と対向する側であって、前記画素電極が形成された領域の周囲及び前記第1の走査線駆動回路の外側を引き回されて前記第2の走査線駆動回路に達する第2配線と、を含み、
前記第1配線及び第2配線はそれぞれ、前記第1及び第2の走査線駆動回路の直前にそれぞれ設けられた前記クロック信号位相差補正回路を経由して前記第1及び第2の走査線駆動回路に引き回され、前記クロック信号線と前記逆位相クロック信号線との互いの長さが異なる部分は前記データ線と同一膜の低抵抗な膜で形成され、
前記クロック信号位相差補正回路は、前記電気光学装置のコーナー部に配置されることを特徴とする。
また、本願発明の電気光学装置は、画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に電気的に接続された画素電極とを備えた電気光学装置であって、
前記走査線の両端にそれぞれ設けられ、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタをそれぞれ備える第1及び第2の走査線駆動回路と、
前記クロック信号が入力される端子及び前記逆位相クロック信号が入力される端子と、
前記クロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給するクロック信号線及び前記逆位相のクロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給する逆位相クロック信号線と、
前記端子と前記第1及び第2の走査線駆動回路との間に設けられるクロック信号位相差補正回路と、を有し、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記端子から引き出された後、前記画素電極が形成された領域の周囲において、前記第1の走査線駆動回路側を引き回された後、前記画素電極が形成された領域を挟んで前記端子と対向する側を引き回されて、前記第2の走査線駆動回路側に引き回され、
前記クロック信号位相差補正回路は、インバータで構成される一対の第1バッファー回路と、双安定回路と、前記双安定回路の後段に配置され、インバータで構成される一対の第2バッファー回路と、を備え、
前記第1バッファー回路と前記双安定回路と前記第2バッファー回路の各々のインバータを 1 回ずつ通る信号伝送経路の容量負荷と、前記第1バッファー回路と前記第2バッファー回路の各々のインバータを 1 回ずつ通り且つ前記双安定回路のインバータを通らない信号伝送経路の容量負荷とが同一となることを特徴とする。
【0009】
本発明の電気光学装置によれば、クロック信号及び逆位相のクロック信号は、夫々クロック信号の信号線及び該クロック信号の逆位相のクロック信号の信号線により走査線駆動回路に供給されるが、これらの間にはクロック信号位相差補正手段が備えられている。従って、当該クロック信号位相差補正回路は、例えば液晶装置の外部から入力されるクロック信号の入力部は、共通のクロック信号位相差補正回路を介して走査線駆動回路に供給されているため、走査線駆動回路のシフトレジスタの各段に対して夫々設ける必要がない。従って、電気光学装置の駆動回路の小型化を図ることができ、また画素の微細化が可能となり、高精細な電気光学装置を提供できる。さらには、走査線駆動回路には、位相差の補正されたクロック信号及び逆位相クロック信号が供給されることになり、シフトレジスタによる信号の転送が誤動作無く行われることになる。
【0010】
また、本発明の電気光学装置は、前記クロック信号位相差補正回路は、前記第1走査線駆動回路の側に配置され、前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記クロック信号位相差補正回路から引き出されて前記第1の走査線駆動回路に引き回される第1配線と、前記クロック信号位相差補正回路から引き出された前記第1配線から分岐した後、前記画素電極が形成されている領域の周囲を引き回されて前記第2の走査線駆動回路に達する第2配線と、を含むことを特徴とする。
また、前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記クロック信号及び前記逆位相のクロック信号の端子から前記第1の走査線駆動回路に引き回される第1配線と、前記第1配線から分岐した後、前記画素電極が形成されている領域の周囲を引き回されて前記第2の走査線駆動回路に達する第2配線と、を含み、前記第1配線及び第2配線はそれぞれ、前記第1及び第2の走査線駆動回路の直前にそれぞれ設けられた前記クロック信号位相差補正回路を経由して前記第1及び第2の走査線駆動回路に引き回されたこと、を特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、左右の走査線駆動回路から走査線へ供給される走査信号のタイミングのずれをより一層確実に防止することができる。
【0012】
また、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタを備えるデータ線駆動回路をさらに有し、クロック信号の入力部及び逆位相のクロック信号との入力部と、データ線駆動回路のとの間にクロック信号位相差補正回路が設けられる構成としてもよい。
【0026】
本発明の電気光学装置によれば、位相の揃ったクロック信号と逆位相クロック信号により、駆動手段のシフトレジスタを誤動作なく確実に動作させることができ、電気光学装置の一例である液晶装置等の表示を良好に実現することができる。更に、前記位相差を無くすためのクロック信号位相差補正回路は、シフトレジスタの各段に設けられるのではなく、クロック信号または逆位相クロック信号の供給部と、走査線駆動回路およびデータ線駆動回路との間に設けられているので、レイアウト面積を減少させることができ、その結果周辺回路の高集積化を図ることができる。従って、高精細で小型の電気光学装置が提供される。
【0027】
本発明の電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明の電子機器によれば、電子機器は、上述した本願発明の電気光学装置を備えており、位相の揃ったクロック信号と逆位相クロック信号に基づく良好な表示を実現することができる。更に、電気光学装置においては、位相の差を無くすためのクロック信号位相差補正手段が、シフトレジスタの各段に設けられるのではなく、クロック信号または逆位相クロック信号の入力部と、駆動回路との間に設けられているので、高精細な電気光学装置を有した超小型の液晶装置を搭載することにより、電子機器の小型化を実現することができる。
【0029】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(液晶装置の構成)
本発明による電気光学装置の一例である液晶装置の実施の形態の構成及び動作について、図1に基づいて説明する。図1は、液晶装置の複数の画素を示した等価回路図である。
【0032】
まず、本実施の形態による液晶装置の画面表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、図1に示すように、スイッチング素子として、例えばTFT30がマトリクス状に複数形成されており、画像信号を供給するデータ線35が当該TFT30のソースに電気的に接続されている。データ線35に書き込む画像信号は、夫々のデータ線35に対してS1,S2,‥‥,Snの順に線順次に供給しても構わないし、隣接する複数のデータ線35同士に対してグループ毎に供給するようにしても良い。また、前記TFT30のゲートには走査信号を供給する走査線31が電気的に接続されており、走査線31を構成する各走査線Y1,Y2,‥‥,Ymには、走査信号を所定のタイミングでパルス的に各走査線Y1,Y2,‥‥,Ymの順に線順次に印加するように構成されている。また、 TFT30のドレインには、画素電極11が電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線35から供給される画素信号が所定のタイミングで画素電極11に書き込まれる。この画素電極11を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号は、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルに応じて分子集団の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0033】
このような液晶装置用基板には、上述した構成要素に加えて、走査線駆動回路、データ線駆動回路、サンプリング回路などのTFTを備えた各種の周辺回路が設けられる場合がある。
【0034】
例えば、図1に示す例では、走査信号を走査線31に供給する走査線駆動回路104、サンプリング回路301に対して駆動信号を供給するデータ線駆動回路101、及びオン状態の時に画像信号をデータ線35に供給するサンプリング回路301が液晶装置用基板に設けられている。
【0035】
前記データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104には、各々シフトレジスタが備えられている。前記データ線駆動回路101は、画像信号を前記データ線35に書き込ませるための駆動信号が、シフトレジスタの各出力段から順次出力されるように構成されている。また、走査線駆動回路104は、前記走査線31に書き込ませる走査信号が、シフトレジスタの各出力段から順次出力されるように構成されている。
【0036】
これらのシフトレジスタは、後述するように、各段にクロックドインバータまたはトランスミッションゲート等のゲート手段を備えており、一段毎に交互にクロック信号または当該クロック信号と逆位相のクロック信号(逆位相クロック信号)を入力することにより、クロック信号の半周期に同期したタイミングで、前記データ線また走査線に対する駆動信号を順次転送するように構成されている。
【0037】
本実施の形態の液晶装置は、図1に示すように、さらにクロック信号及び逆位相クロック信号を供給する入力部であるCLX及びCLXINVとデータ線駆動回路101のシフトレジスタを有する駆動手段との間に、クロック位相差補正回路500が設けられており、前記外部の制御回路から供給されるクロック信号CLX及び逆位相クロック信号CLXINVの位相を、当該クロック位相差補正回路500によって合わせ、その後に前記データ線駆動回路101に供給するように構成している。
【0038】
同様に、走査線駆動回路104においても、CLY及びCLYINVと走査線駆動回路104のシフトレジスタを有する駆動手段との間に、クロック位相差補正回路500が設けられており、前記外部の制御回路から供給されるクロック信号CLY及び逆位相クロック信号CLYINVの位相を、当該クロック位相差補正回路500によって合わせ、その後に前記走査線駆動回路104に供給するように構成している。
【0039】
従って、前記データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104の誤動作を生じさせることなく各画素への良好な画像信号の書き込み動作が行われる。以下、本実施の形態のクロック信号位相差補正回路の構成及び動作について更に詳しく説明する。
【0040】
(クロック位相差補正回路の構成)
本実施の形態では、図1に示すように、双安定回路を有するクロック信号位相差補正回路500を、液晶装置用基板に設け、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVの位相を合わせるように構成されている。
【0041】
本実施の形態のクロック信号位相差補正回路500の基本構成は、図2(a)に示すように、第1バッファー回路501と、双安定回路502と、第2バッファー回路503とから構成されており、各回路はインバータ501a,501b,502a,502b,503a,503bにより構成されている。
【0042】
図2(b)に示すように、クロック信号CLが逆位相クロック信号CLINVに対し、R1及びR1の地点で期間Tだけ位相差が生じたとしても、本実施の形態における双安定回路502により、位相差が補正され、当該双安定回路502から出力した地点R3及びR3'では位相差が発生しない。
【0043】
前記クロック信号位相差補正回路500では、インバータ501a,501bから構成されるバッファー回路501において、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVを供給する回路におけるトランジスタは、の駆動能力を補うと共に、双安定回路502の一方のインバータ502aの出力を他方のインバータ502bの入力に、また他方のインバータ502bの出力を前記一方のインバータ502aの入力に夫々供給することによって、夫々のインバータ502a,502bの入力信号に正帰還をかけて前記位相差を無くす構成となっている。
【0044】
また、本実施の形態のクロック信号位相差補正回路500においては、双安定回路502の後に、第2バッファー回路503を設けており、この第2バッファー回路503の働きにより、双安定回路502の駆動能力の低下を防止している。つまり、双安定回路502からクロック信号線を引き回すことにより各駆動回路にクロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVを供給した場合には、クロック信号線の容量により、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVが劣化することが考えられる。しかし、本実施の形態においては、双安定回路502の駆動能力の低下は第2バッファー回路503により防止され、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVが良好に各駆動回路に供給されることになる。
【0045】
また、クロック信号線の容量に起因する信号劣化を防止するためには、シフトレジスタの各段にクロック信号位相差補正回路を設けることも考えられるが、本実施の形態のように双安定回路502の後に第2バッファー回路503を設けることにより、シフトレジスタを構成するラッチ回路の1段毎にクロック信号位相差補正回路を設けなくても、位相差の良好に補正されたクロック信号と逆位相クロック信号を駆動回路に供給することができる。従って、駆動回路のレイアウト面積を増大させず、液晶装置の小型化を実現することができる。
【0046】
上述のクロック位相差補正回路の構成の変形例を図3(a)、(b)を用いて説明する。
【0047】
図3(a),(b)の夫々の双安定回路502はNAND回路502c,502d、またはNOR回路502e,502fで構成されている点以外は図2に示した本実施の形態と構成は同じである。
【0048】
図3(a)に示すNAND回路502c,502dを用いた場合には、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVの位相差により、共にハイレベル信号となる期間、あるいは共にローレベル信号となる期間が存在しても、その後にクロック信号CLまたは逆位相クロック信号CLINVの極性が変化するタイミングにて、 NAND回路502c,502dの出力が同時に変化する。例えば、 NAND回路502cの入力信号d1がハイレベルで、d3がローレベルの時には、 NAND回路502cの出力信号d2はハイレベルとなり、これによってNAND回路502dの入力信号d4がハイレベルとなり、もう一方の入力信号d6がハイレベル信号であるとすると、 NAND回路502dの出力信号d5はローレベル信号となる。このような場合、NAND回路502c,502dの出力信号は、最初のこのような各信号の状態から、入力信号d6がローレベル信号に変化したとすると、 NAND回路502dの出力信号d5はハイレベルに変化し、これに伴ってNAND回路502cの入力信号d3もハイレベルに変化する。従って、 NAND回路502cの出力信号d2はローレベルに変化し、全ての信号の状態が安定する。このように、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVの位相差により、共にハイレベル信号となる期間、あるいは共にローレベル信号となる期間が存在しても、その後に何れかの信号の極性が反転するタイミングでNAND回路502c,502dの出力信号d2,d5が同時に変化し、入力段階で存在したクロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVの位相差を解消することができる。
【0049】
また、図3(b)に示すように、双安定回路をNOR回路502e,502fで構成した場合でも、NAND回路502c,502dと同様に動作することになる。
【0050】
このように、双安定回路502をNAND回路またはNOR回路で構成することにより、位相差の無いクロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVによりデータ線駆動回路101または走査線駆動回路104を駆動することができる、誤動作のない液晶装置を提供することができる。
【0051】
(クロック信号位相差補正回路500の詳細構成)
上述の本実施の形態のような構成を採った場合には、図4に示す第2バッファー回路503のインバータ回路503a,503bのオン抵抗は、できる限り低い値に設定するのが好ましい。なぜならば、最終段のインバータ回路503a,503bのオン抵抗が高いと、出力信号がなまり、シフトレジスタ401のクロックドインバータに印加される信号の電圧が低下して、シフトレジスタ401を駆動できなくなるためである。従って、第2バッファー回路503に電気的に接続されたクロック信号線の負荷と駆動周波数に対して、インバータ回路503a,503bが十分な駆動能力を有するように設計する必要がある。
【0052】
また、図4に示すインバータA,B,CまたはA',B',C'により構成される信号伝送経路の容量負荷と、インバータA,C'またはA',Cにより構成される信号伝送経路の容量負荷とが同じになるように設計することが好ましい。
従って、インバータA,A',B,B'のサイズはほぼ同じに設計することが好ましい。これは、どちらかの経路の電位が支配的にならないようにして、確実に位相差補正を行えるようにするためである。
【0053】
また、クロック信号位相差補正回路500の第2バッファー回路503を構成するインバータ回路503a,503bは1段でも良いし、クロック信号線及び逆位相クロック信号線に付加される容量が大きい場合には、例えば図5に示すように、何段かインバータ回路をカスケード接続した後、クロック信号線及び逆位相クロック信号線に接続するように構成しても良い。この際、カスケード接続されるインバータ回路は、前段のインバータ回路のサイズに対して約2〜4倍の大きさになるように設計する。CMOSのカスケードの場合に、自段のインバータ回路に対して電気的に接続される次段のインバータ回路のサイズを約e(2.72)倍になるようにすると、第2バッファー回路503の総遅延時間を最小にすることができる(e倍の定理)。例えば、図5の例では、インバータD(D')はインバータC(C')×e(2.72)倍のサイズに形成すると良い。また、インバータE(E')はインバータD(D')×e(2.72)倍のサイズに形成すると良い。更に、この時、最終段のインバータE(E')のオン抵抗はできるだけ小さくなるように形成するのが好ましい。
【0054】
(駆動回路の構成)
上述の実施の形態のクロック信号位相差補正回路と、当該クロック信号位相差補正回路に接続されるデータ線駆動回路との構成の一例について図6乃至図7を参照して説明する。
【0055】
図6に示すように、データ線駆動回路101は、シフトレジスタ401とバッファー回路402と、サンプリング回路駆動信号の選択回路403とを含んで構成される。
【0056】
本実施の形態では、シフトレジスタ401は、図6に示すAからBへ向かう方向に対応する転送方向で、シフトレジスタ401の各段からサンプリング回路駆動信号を順次出力し、選択回路403あるいはバッファー回路402を介してサンプリング回路301に供給する機能を有している。
【0057】
尚、走査線駆動回路104については図示を省略するが、データ線駆動回路101と同様なシフトレジスタと選択回路とバッファー回路等を備えて構成されている。
【0058】
またシフトレジスタ401は、例えば、図6に示すように、クロックドインバータ130,132と、インバータ131により構成されている。
【0059】
クロックドインバータ130は入力信号線107に供給されるスタート信号SPXをクロック信号CLXに同期して取り込む機能を有する。また、インバータ131は取り込んだ信号を出力信号線108から出力信号として伝搬させる機能を有し、更にクロックドインバータ132はクロック信号CLXと逆位相クロック信号CLXINVに同期してインバータ131からの出力信号をインバータ131の信号入力側に帰還させる機能を有している。
【0060】
シフトレジスタ401を構成するラッチ回路の各段は、以上のようなクロックドインバータとインバータを組み合わせた回路から構成されており、かつ、隣り合う段のクロックドインバータに入力されるクロック信号は前段のクロック信号と逆位相のクロック信号なので、1段目において図7に示すタイミングt0で取り込まれ、出力される信号は、2段目においてはクロック信号CLXの半周期ずれたタイミングt1において取り込まれ、2段目においてもスタート信号SPXと同じ幅の出力信号が得られる。以下、各段において次々にクロック信号CLXの半周期ずれたタイミングでの信号の取り込みと、クロック信号CLXの1周期分と同じ幅の信号の出力が行われるため、スタート信号SPXは、順次クロック信号CLXの半周期ずつずれたタイミングで転送されることになる。
【0061】
そして、以上のような各段から出力されるクロック信号CLXの半周期ずつずれたパルス信号は、選択回路403及びバッファ回路402を介してサンプリング回路駆動信号として波形成形される。選択回路403は、図6に示すようにNAND回路を備えており、対応するシフトレジスタ401の出力段からの出力信号と共に、次段の出力段の出力信号が前記NAND回路に入力されるように構成されている。従って、サンプリング回路301のTFT302に対しては、図7に示すように、隣り合う出力段の出力信号が共にハイレベルになる期間において、ハイレベルとなるパルス状の駆動信号がQ1〜Qmの順に順次出力されることになる。
【0062】
本実施の形態では、以上のようなデータ線駆動回路101を備えているため、たとえドット周波数が非常に高い場合でも、シフトレジスタ401に供給するクロック信号CLX及び逆位相クロック信号CLXINVの周波数を低減させつつ、サンプリング回路301の各TFT302には必要十分なサンプリング期間を与えることができ、画像信号VID1〜VID6のデータ線35に対する確実な書き込みを実現することができる。また、データ線駆動回路101と同様に構成される走査線駆動回路104においても、走査線31に対する走査信号の確実な書き込みを行うことができ、その結果、良好な表示動作を行うことができる。
【0063】
(液晶装置の構成)
次に、上述のクロック信号位相差補正500を備えた液晶装置の具体的な構成例について図8及び図9を用いて詳しく説明する。図8及び図9は、それぞれ液晶装置の実施の形態における液晶装置用基板上に設けられた各種配線、周辺回路等の構成を示すブロック図である。
【0064】
図8において、液晶装置10は、例えば石英基板、ハードガラス、シリコン基板等からなる液晶装置用基板1を備えている。液晶装置用基板1上には、マトリクス状に設けられた複数の画素電極11と、X方向に複数配列されており夫々がY方向に沿って伸びるデータ線35と、Y方向に複数配列されており夫々がX方向に沿って伸びる走査線31と、各データ線35と画素電極11との間に夫々介在すると共に該間における導通状態及び非導通状態を、走査線31を介して夫々供給される走査信号に応じて夫々制御する画素駆動手段の一例としての複数のTFT30とが形成されている。また、液晶装置用基板1上には、蓄積容量のための配線である容量線31'が、走査線31に沿ってほぼ平行に、あるいは前段の走査線下を利用して形成されている。
【0065】
液晶装置用基板1上には更に、複数のデータ線35に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して夫々供給するプリチャージ回路201と、画像信号をサンプリングして複数のデータ線35に夫々供給するサンプリング回路301と、データ線駆動回路101と、走査線駆動回路104とが形成されている。
【0066】
走査線駆動回路104は、シフトレジスタを備えて構成されており、外部制御回路(図示せず)から供給される正電源VDDY及び負電源VSSY、スタート信号SPY、基準クロック信号CLY及び逆位相のクロック信号CLYINV等に基づいて、走査線31に対し走査信号を所定タイミングで線順次に印加する。
【0067】
また、データ線駆動回路101も同様に、シフトレジスタを備えて構成されており、外部制御回路(図示せず)から供給される正電源VDDX及び負電源VSSX、基準クロック信号CLX及び逆位相のクロック信号CLXINV 、スタート信号SPX等に基づいて、画像信号VID1〜VID6をサンプリングするために、データ線35毎にサンプリング回路駆動信号をパルス的に線順次に印加する。このサンプリング回路駆動信号は、走査線駆動回路104が走査信号を印加するタイミングに合わせて、サンプリング回路駆動信号線306を介して供給される。
【0068】
また、共通電極電位信号LCCOMは後述するように、上下導通材106に供給され、上下導通材106を介して対向基板(図示せず)に形成される共通電極(図示せず)に印加される。
【0069】
次に、プリチャージ回路201は、TFT202を各データ線35毎に備えており、プリチャージ信号線204がTFT202のソース電極に接続されており、プリチャージ回路駆動信号線206がTFT202のゲート電極に接続されている。そして、プリチャージ信号線204を介して、外部電源からプリチャージ信号NRSを書き込むために必要な所定電圧の電源が供給され、プリチャージ回路駆動信号線206を介して、各データ線35について画像信号に先行するタイミングでプリチャージ信号NRSを書き込むように、外部制御回路からプリチャージ回路駆動信号NRGが供給される。プリチャージ回路201は、好ましくは中間階調レベルの画像信号に相当するプリチャージ信号(画像補助信号)を供給する。
【0070】
サンプリング回路301は、TFT302を各データ線35毎に備えており、TFT302のソース電極には、画像信号線304が接続されている。また、 TFT302のゲート電極には、サンプリング回路駆動信号線306が接続されている。従って、データ線駆動回路101からサンプリング回路駆動信号線306を介してサンプリング回路駆動信号が入力されたTFT302は導通状態となり、外部制御回路(図示せず)から画像信号線304を介して供給される画像信号VID1〜VID6が各データ線35に書き込まれることになる。
【0071】
そして、本実施の形態では、隣接する6つのTFT302のゲート電極に対して同時にサンプリング回路駆動信号を印加し、複数のデータ線35をグループ毎に順次選択するように構成している。また画像信号は、所定のドット周波数を有するシリアル信号として外部制御回路に入力され、当該外部制御回路において6相のパラレル信号に相展開され、6つの画像信号VID1〜VID6としてTFT302を介してデータ線35に供給される。
【0072】
このように複数の画像信号線304を用いて画像信号を相展開するのは、画像信号のドット周波数が速い場合でもシフトレジスタの駆動周波数を低減させるためである。シフトレジスタの駆動周波数を低減させることができれば、シフトレジスタにクロック信号を供給する外部制御回路の負荷を軽減することができ、また、シフトレジスタの消費電流を低く抑えることができる。更にはシフトレジスタを構成するTFTの寿命も延ばすことができる。
【0073】
画像信号の相展開数は、サンプリング回路301を構成するTFT302の書き込み能力で決定される。画像信号の相展開数には制約がないが、画像信号の相展開数が少ない方が外部制御回路に係るコストを低減できるという利点がある。また、同時に選択するTFT302の個数は、必ずしも画像信号の相展開数と等しくする必要はなく、相展開数より少ない個数としても良い。
【0074】
更に、画像信号の相展開数を3、6、12、18、24、‥‥といった3の倍数に設定すれば、画像信号線304が3の倍数で形成できるため、ビデオ表示する際に有利である。これは、カラー画像信号が3つの色(赤、緑、青)に係る信号からなることとの関係から、3の倍数であると、NTSC表示やPAL表示等のビデオ表示をする際に制御や回路を簡易化する上で好ましいからである。また、少なくとも画像信号の相展開数分だけ、画像信号線304が必要であることは言うまでもない。
【0075】
そして、以上のように構成された本実施の形態の液晶装置10においては、上述したような構成のクロック信号位相差補正回路500を、図8に示すように、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVの入力部と、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104との間に設けている。また、クロック信号位相差補正回路500の配置箇所は図8に示した例に限られるものではない。さらに、液晶装置の別の構成例を図9に示す。図9は図8とほぼ同じ構成を有するが、異なる点は、走査線駆動回路104が走査線31の両側に設けられており、一方の側の走査線駆動回路104とクロック信号CLYと逆位相クロック信号CLYINVの入力部との間にはクロック信号位相差補正回路500aを、他方の側の走査線駆動回路104とクロック信号CLYと逆位相クロック信号CLYINVの入力部との間にはクロック信号位相差補正回路500bを夫々設けている。このように構成することにより、左右の走査線駆動回路104から走査線31へ供給される走査信号のタイミングのずれをより一層確実に防止することができる。
【0076】
このようにクロック信号CLXとその逆位相クロック信号CLXINVの入力部とデータ線駆動回路101との間の一箇所、及びクロック信号CLYとその逆位相クロック信号CLYINVと走査線駆動回路104との間の一箇所にクロック信号位相差補正回路500を設けた構成においては、クロック信号位相差補正回路500とデータ線駆動回路101及び走査線駆動回路104との間にクロック信号線を長く引き回す場合には、クロック信号線の容量により信号が劣化することも考えられる。
【0077】
しかし、上述したように、本実施の形態のクロック信号位相差補正回路500には、双安定回路502の後段に第2バッファー回路503が備えられており、更に第2バッファー回路は適切なサイズで形成されているため、本実施の形態のようにクロック信号位相差補正回路500を配置した場合でも、クロック信号位相差補正回路500の駆動能力が低下せず、クロック信号の位相の合わせ込みを確実に行うことができる。以下、本実施の形態のクロック信号位相差補正回路500の詳細な構成について説明する。なお、図9に示すクロック信号位相差補正回路500a,500bもクロック信号位相差補正回路500と同様な構成である。
【0078】
また、パターンレイアウト時の例としては、クロック信号と逆位相のクロック信号の引き回し抵抗が変わってしまうと信号の位相差が生じるので、抵抗の高いポリシリコン膜(走査線と同一膜で形成)で引き回す配線はクロック信号及び逆位相クロック信号共に略同じ抵抗になるようにその線幅と長さを揃え、配線の長さが変わる部分は低抵抗なアルミニウム膜(データ線と同一膜で形成)で引き回すようにすることが好ましい。これにより、配線における抵抗差が生じないので、外部から入力されたクロック信号及び逆位相クロック信号の位相差をほぼ揃えることが可能となり、誤動作の生じない液晶装置を提供することができる。
【0079】
例えば、図10は、図11に示すクロック信号位相差補正回路500のパターンレイアウト例を示す図であるが、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVを各インバータA,A',B,B',C,C',D,D'に供給するための抵抗の高いポリシリコン膜(例えば、走査線と同一膜で形成)で引き回す配線a,a',b,b',c,c',d,d'は、各インバータ毎にその線幅と長さが揃えられており、クロック信号CLと逆位相クロック信号CLINVの引き回し抵抗を変えないように構成されている。また、配線の長さが変わる部分e1〜e8は低抵抗なアルミニウム膜(例えば、データ線と同一膜で形成)等で引き回すように構成されており、配線における抵抗差を生じさせることがない。
【0080】
また、各インバータのサイズについては、図10に示すように、インバータA,A',B,B'は幅w1、長さh1のサイズに形成されているが、次段のインバータC,C'は幅w1、長さh2(> h1)とインバータA,A',B,B'よりも大きなサイズに形成されている。更に次段のインバータD,D7'は幅w2(>w1)、長さh1と、インバータC,C'よりも大きなサイズに形成されている。このように、カスケード接続されるインバータ回路は、前段のインバータ回路のサイズに対して約2〜4倍の大きさになるように設計している。
【0081】
以上のような構成により、データ線駆動回路101または走査線駆動回路104とクロック信号と逆位相クロック信号の入力部との間にクロック信号位相差補正回路500を設けた場合でも、正帰還作用のためのインバータの駆動能力を低減させることがなく、図2(b)に示すように位相差Tが生じたクロック信号CL及び逆位相クロック信号CLINVが供給された場合でも、第2バッファー回路503側の供給線R3,R3'において互いに位相差の無いクロック信号及び逆位相クロック信号を出力することができる。
【0082】
さらに、クロック信号位相差補正回路500は、液晶装置10のコーナー部等に設置することができ、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104のレイアウト面積を増大させることなく、液晶装置10の小型化を実現することができる。特に、本実施の形態のクロック信号位相差補正回路のように、双安定回路により帰還をかける構成の場合には、相補型TFT構造のインバータ回路が必要となり、相補型TFT構造のインバータ回路は正電源と負電源を引き回す必要がある。しかし、本実施の形態においては、このように液晶装置用基板1上において比較的大きな占有面積を必要とする回路を、周辺回路の配置に影響を与えることのない液晶装置10のコーナー部等に設置することができ、周辺回路の高集積化を妨げることがない。従って、本実施の形態によれば、高集積化された周辺回路を内蔵した小型で誤動作の無い液晶装置を提供することができる。
【0083】
また、図9に示すように、両方の走査線駆動回路104の夫々にクロック信号位相差補正回路500a,500bによりクロック信号を供給した場合でも、何れのクロック信号位相差補正回路500a,500bも走査線駆動回路104の配置に影響を与えない位置に設けることができるので、走査線駆動回路104の高集積化を妨げることがない。
【0084】
また、走査線駆動回路104に限らず、複数の駆動回路へクロック信号を供給する場合には、各々の駆動回路の前で位相補正ができるように、本発明のクロック信号位相差補正回路を設ければ良い。これにより、各々の駆動回路から出力される信号のずれを防止することができる。
【0085】
なお、本実施の形態においては、夫々の駆動回路におけるシフトレジスタは夫々1系列であったが、複数の系列のシフトレジスタを用いる場合には、系列数に応じた個数のクロック信号位相差補正回路を設けることが必要である。つまり、N(N=1,2,‥‥)系列のシフトレジスタを用いる場合には、N個のクロック信号位相差補正回路を設けてもよい。このように構成することにより、全ての系列のシフトレジスタにおいて誤動作を防止することができる。
【0086】
また、本発明は、データ線駆動回路101あるいは走査線駆動回路のシフトレジスタ動作ばかりでなく、ある信号に対してその反転信号を使って駆動する回路に対して広く効果を発揮することができる。
【0087】
なお、以上に説明したようなクロック信号位相差補正回路、データ線駆動回路、サンプリング回路、又は走査線駆動回路は、夫々画素領域のTFT30と同一の薄膜形成工程で形成することができ、製造上有利である。
【0088】
(液晶装置の構成)
また、以上の液晶装置用基板と対向基板とを貼り合わせた液晶装置10の一例を図12及び図13に示す。図12は液晶装置全体の平面図であり、図13は図12のH−H'断面図である。図12及び図13に示されるように、プリチャージ回路201及びサンプリング回路301が、対向基板2に形成された遮光性の周辺見切り53に対向する位置において液晶装置用基板1上に設けられており、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104は、液晶層50に面しない液晶装置用基板1の狭く細長い周辺部分上に設けられている。
【0089】
図12及び図13において、液晶装置用基板1の上には、複数の画素電極11により規定される画面表示領域(即ち、実際に液晶層50の配向状態変化により画像が表示される液晶装置の領域)の周囲において両基板を貼り合わせて液晶層50を包囲する光硬化性樹脂からなるシール材52が、画面表示領域に沿って設けられている。そして、対向基板2上における画面表示領域とシール材52との間には、遮光性の周辺見切り53が設けられている。
【0090】
周辺見切り53は、後に画面表示領域に対応して開口が設けられた遮光性のケースに液晶装置用基板1が入れられた場合に、当該画面表示領域が製造誤差等により当該ケースの開口の縁に隠れてしまわないように、即ち、例えば液晶装置用基板1のケースに対する数百μm程度のずれを許容するように、画面表示領域の周囲に少なくとも500μm以上の幅を持つ帯状の遮光性材料から形成されたものである。このような遮光性の周辺見切り53は、例えば、Cr(クロム)やNi(ニッケル)などの金属材料を用いたスパッタリング、フォトリソグラフィ及びエッチングにより対向基板2に形成される。或いは、カーボンやTi(チタン)をフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどの材料から形成される。また、遮光性の周辺見切り53やの遮光層23を液晶装置用基板1上に形成しても良い。この様な構成を採れば、液晶装置用基板1と対向基板2の貼り合わせ精度を無視できるため、液晶装置の透過率がばらつかない利点がある。
【0091】
シール材52の外側の領域には、画面表示領域の下辺に沿ってデータ線駆動回路101及び外部からの信号入力等を行う実装端子102が設けられており、画面表示領域の左右の2辺に沿って走査線駆動回路104が画面表示領域の両側に設けられている。ここで、走査線31の駆動遅延が問題にならないような場合、走査線駆動回路104は走査線31に対して片側のみに形成しても良いし、データ駆動回路101を画面表示領域の上下の2辺に沿って両側に設けても良い。この際、例えば一方のデータ線駆動回路101には奇数列のデータ線を電気的に接続し、もう一方のデータ線駆動回路101には偶数列のデータ線を電気的に接続することで、上下から櫛歯状に駆動するようにしても良い。更に画面表示領域の上辺には、走査線駆動回路104に電源や駆動信号を供給するための複数の配線105が設けられている。また、対向基板2のコーナー部の少なくとも一箇所で、液晶装置用基板1と対向基板2との間で電気的導通をとるための上下導通材106が設けられている。そして、シール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板2が当該シール材52により液晶装置用基板1に固着されている。
【0092】
また、上述した各実施の形態においては、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104に対して、クロック信号あるいは画像信号等を出力する外部制御回路を、液晶装置の外部に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、当該制御回路を液晶装置内に設けるようにしても良い。
【0093】
特に、クロック信号については、クロック信号のみを外部制御回路から供給させ、液晶装置用基板上で逆位相クロック信号を生成する回路を設けるように構成しても良い。
【0094】
以上説明した液晶装置10は、カラー液晶プロジェクタ等に適用することができるが、この場合には、3つの液晶装置10がRGB用のライトバルブとして夫々用いられ、各パネルには夫々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が入射光として夫々入射されることになる。従って、各実施の形態では、対向基板2に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、液晶装置10においても遮光層23の形成されていない画素電極11に対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板2上に形成してもよい。このようにすれば、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に本実施の形態の液晶装置を適用できる。
【0095】
また、液晶装置に用いるスイッチング素子は、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTでも良いし、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、本実施の形態は有効である。
【0096】
更に、液晶装置においては、一例として液晶層50をネマティック液晶から構成したが、液晶を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、配向膜、並びに前述の偏光フィルム、偏光板等が不要となり、光利用効率が高まることによる液晶装置の高輝度化や低消費電力化の利点が得られる。
【0097】
尚、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104は、液晶装置用基板1の上に設ける代わりに、例えばTAB(テープオートメイテッドボンディング基板)上に実装された駆動用LSIに、液晶装置用基板1の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。
【0098】
なお、上述した実施の形態においては、走査線駆動回路104の構成については詳述していないが、特にシフトレジスタ部分についてはデータ線駆動回路101と同様の構成を採ることができる。
【0099】
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した液晶装置10を備えた電子機器の実施の形態について図14から図17を参照して説明する。
【0100】
先ず図14に、このように液晶装置10を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0101】
図14において、電子機器は、表示情報出力源1000、上述した外部表示情報処理回路1002、前述の走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101を含む表示駆動回路1004、液晶装置10、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、テレビ信号を同調して出力する同調回路等を含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に表示駆動回路1004に出力する。表示駆動回路1004は、走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101によって前述の駆動方法により液晶装置10を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置10を構成する液晶装置用基板の上に、表示駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0102】
このような構成の電子機器として、図15に示す液晶プロジェクタ、図16に示すマルチメディア対応のパーソナルコンピユータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などを挙げることができる。
【0103】
次に図15から図17に、このように構成された電子機器の具体例を夫々示す。
【0104】
図15において、電子機器の一例たる液晶プロジェクタ1100は、投射型の液晶プロジェクタであり、光源1110と、ダイクロイックミラー1113,1114と、反射ミラー1115,1116,1117と、入射レンズ1118,リレーレンズ1119,出射レンズ1120と、液晶ライトバルブ1122,1123,1124と、クロスダイクロイックプリズム1125と、投射レンズ1126とを備えて構成されている。液晶ライトバルブ1122,1123,1124は、上述した駆動回路1004が液晶装置用基板上に搭載された液晶装置10を含む液晶表示モジュールを3個用意し、夫々液晶ライトバルブとして用いたものである。また、光源1110はメタルハライド等のランプ1111とランプ1111の光を反射するリフレクタ1112とからなる。
【0105】
以上のように構成される液晶プロジェクタ1100においては、青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー1113は、光源1110からの白色光束のうちの赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー1117で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ1122に入射される。一方、ダイクロイックミラー1113で反射された色光のうち緑色光は緑色光反射のダイクロイックミラー1114によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ1123に入射される。また、青色光は第2のダイクロイックミラー1114も透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ1118、リレーレンズ1119、出射レンズ1120を含むリレーレンズ系からなる導光手段1121が設けられ、これを介して青色光が青色光用液晶ライトバルブ1124に入射される。各ライトバルブにより変調された3つの色光はクロスダイクロイックプリズム1125に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1126によってスクリーン1127上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0106】
図16において、電子機器の他の例たるラップトップ型のパーソナルコンピュータ1200は、上述した液晶装置10がトップカバーケース内に備えられた液晶ディスプレイ1206と、CPU、メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202が組み込まれた本体部1204とを有する。
【0107】
また、図17に示すように、液晶装置用基板1304を構成する2枚の透明基板1304a,1304bの一方に、金属の導電膜が形成されたポリイミドテーブ1322にICチップ1324を実装したTCP(Tape Carrier Package)1320を接続して、電子機器用の一部品である液晶装置として生産、販売、使用することもできる。
【0108】
以上、図15から図17を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダー型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が図14に示した電子機器の例として挙げられる。
【0109】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明は上述の各種の液晶装置の駆動に適用されるものに限らず、エレクトロルミネッセンス、プラズマディスプレ一装置にも適用可能である。
【0110】
以上説明したように、本実施の形態によれば、クロック信号と逆位相クロック信号との位相差を確実に無くすように補正しつつ、駆動回路のレイアウト面積の増大を防止することができる。従って、周辺駆動回路を画素TFTと同一基板内に内蔵した画素が微細で高精細な超小型の液晶装置、当該液晶装置を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電気光学装置の駆動回路によれば、クロック信号位相差補正手段を、少なくともクロック信号の供給線とデータ線または走査線の駆動手段との間に前記クロック信号位相差補正手段を設けたので、クロック信号と逆位相クロック信号との位相差を無くして前記駆動手段の誤動作を防ぐことができる。また、前記クロック信号位相差補正手段は、駆動手段のシフトレジスタの各段毎に設けるのではなく、少なくともクロック信号の供給線と前記駆動手段との間に設けられるので、周辺回路の高集積化を可能とし、高精細で小型な電気光学装置の駆動回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の液晶装置の複数の画素を示した等価回路図である。
【図2】 (a)は図1の液晶装置におけるクロック信号位相差補正回路の構成を示す回路図であり、(b)は(a)の回路における各位置の信号波形を示す図である。
【図3】 図1の液晶装置におけるクロック信号位相差補正回路の構成を示す回路図であり、(a)は全てインバータ回路で構成した場合、(b)は帰還部にNAND回路を用いた場合、(c)は帰還部にNOR回路を用いた場合の回路図である。
【図4】 クロック信号位相差補正回路における各信号経路の負荷容量を説明するための回路図である。
【図5】 クロック信号位相差補正回路において、第2バッファー回路を多段のインバータ回路で構成した場合の回路図である。
【図6】 図1の液晶装置におけるデータ線駆動回路の構成を示す回路図である。
【図7】 図6のデータ線駆動回路及びサンプリング回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 本発明の液晶装置用基板の一例における各種配線、周辺回路等のブロック図である。
【図9】 本発明の液晶装置用基板の他の例における各種配線、周辺回路等のブロック図である。
【図10】 図8の液晶装置のクロック信号位相差補正回路のパターンレイアウト例を示す図である。
【図11】 図9のパターンレイアウトにより構成されるクロック信号位相差補正回路を示す回路図である。
【図12】 図4の液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図13】 図4の液晶装置の全体構成を示す断面図である。
【図14】 本発明による電子機器の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図15】 電子機器の一例としての液晶プロジェクタを示す断面図である。
【図16】 電子機器の他の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図17】 電子機器の一例としてのTCPを用いた液晶表示装置を示す斜視図である。
【図18】 (a)は従来のクロック信号位相差補正回路の構成を示す回路図であり、(b)は(a)の回路における各位置の信号波形を示す図である。
【図19】 従来の液晶装置の複数の画素を示した等価回路図である。
【符号の説明】
1‥‥液晶装置用基板
2‥‥対向基板
10‥‥液晶装置
11‥‥画素電極
21‥‥共通電極
23‥‥遮光層
30‥‥TFT
31‥‥走査線
35‥‥データ線
50‥‥液晶層
52‥‥シール材
53‥‥周辺見切り
101‥‥データ線駆動回路
102‥‥実装端子
130、132‥‥クロックドインバータ
201‥‥プリチャージ回路
204‥‥プリチャージ信号供給線
206‥‥プリチャージ回路駆動信号線
301‥‥サンプリング回路
304‥‥画像信号線
306‥‥サンプリング回路駆動信号線
401‥‥シフトレジスタ
402‥‥バッファー回路
403‥‥選択回路
500‥‥クロック信号位相差補正回路
501‥‥第1バッファー回路
502‥‥双安定回路
503‥‥第2バッファー回路
Claims (7)
- 画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に電気的に接続された画素電極とを備えた電気光学装置であって、
前記走査線の両端にそれぞれ設けられ、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタをそれぞれ備える第1及び第2の走査線駆動回路と、
前記クロック信号が入力される端子及び前記逆位相クロック信号が入力される端子と、
前記クロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給するクロック信号線及び前記逆位相のクロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給する逆位相クロック信号線と、
前記端子と前記第1及び第2の走査線駆動回路との間に設けられるクロック信号位相差補正回路と、を有し、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記端子から引き出された後、前記画素電極が形成された領域の周囲において、前記第1の走査線駆動回路側を引き回された後、前記画素電極が形成された領域を挟んで前記端子と対向する側を引き回されて、前記第2の走査線駆動回路側に引き回され、
前記クロック信号位相差補正回路は、前記第1の走査線駆動回路の側であって、前記電気光学装置のコーナー部に配置され、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記クロック信号位相差補正回路から引き出されて前記第1の走査線駆動回路に引き回される第1配線と、前記クロック信号位相差補正回路から引き出された前記第1配線から分岐した後、前記画素電極が形成された領域及び前記第1の走査線駆動回路の周囲を引き回されて前記第2の走査線駆動回路に達する第2配線と、を含み、
前記第1配線または前記第2配線における、前記クロック信号線と前記逆位相クロック信号線との互いの長さが異なる部分は前記データ線と同一膜の低抵抗な膜で形成されることを特徴とする電気光学装置。 - 画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に電気的に接続された画素電極とを備えた電気光学装置であって、
前記走査線の両端にそれぞれ設けられ、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタをそれぞれ備える第1及び第2の走査線駆動回路と、
前記クロック信号が入力される端子及び前記逆位相クロック信号が入力される端子と、
前記クロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給するクロック信号線及び前記逆位相のクロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給する逆位相クロック信号線と、
前記端子と前記第1及び第2の走査線駆動回路との間に設けられるクロック信号位相差補正回路と、を有し、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記クロック信号及び前記逆位相のクロック信号の端子から前記第1の走査線駆動回路に引き回される第1配線と、前記第1配線から分岐した後、前記画素電極が形成された領域を挟んで前記端子と対向する側であって、前記画素電極が形成された領域の周囲及び前記第1の走査線駆動回路の外側を引き回されて前記第2の走査線駆動回路に達する第2配線と、を含み、
前記第1配線及び第2配線はそれぞれ、前記第1及び第2の走査線駆動回路の直前にそれぞれ設けられた前記クロック信号位相差補正回路を経由して前記第1及び第2の走査線駆動回路に引き回され、前記クロック信号線と前記逆位相クロック信号線との互いの長さが異なる部分は前記データ線と同一膜の低抵抗な膜で形成され、
前記クロック信号位相差補正回路は、前記電気光学装置のコーナー部に配置されることを特徴とする電気光学装置。 - 前記クロック信号位相差補正回路は、インバータで構成される一対の第1バッファー回路と、双安定回路と、前記双安定回路の後段に配置され、インバータで構成される一対の第2バッファー回路と、を備えることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 前記低抵抗な膜は、アルミニウム膜であることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 画像信号が供給される複数のデータ線と、走査信号が供給される複数の走査線と、前記データ線及び前記走査線の交差に対応して設けられたスイッチング手段と、前記スイッチング手段に電気的に接続された画素電極とを備えた電気光学装置であって、
前記走査線の両端にそれぞれ設けられ、クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタをそれぞれ備える第1及び第2の走査線駆動回路と、
前記クロック信号が入力される端子及び前記逆位相クロック信号が入力される端子と、
前記クロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給するクロック信号線及び前記逆位相のクロック信号を前記第1及び第2の走査線駆動回路に供給する逆位相クロック信号線と、
前記端子と前記第1及び第2の走査線駆動回路との間に設けられるクロック信号位相差補正回路と、を有し、
前記クロック信号線及び前記逆位相クロック信号線はそれぞれ、前記端子から引き出された後、前記画素電極が形成された領域の周囲において、前記第1の走査線駆動回路側を引き回された後、前記画素電極が形成された領域を挟んで前記端子と対向する側を引き回されて、前記第2の走査線駆動回路側に引き回され、
前記クロック信号位相差補正回路は、インバータで構成される一対の第1バッファー回路と、双安定回路と、前記双安定回路の後段に配置され、インバータで構成される一対の第2バッファー回路と、を備え、
前記第1バッファー回路と前記双安定回路と前記第2バッファー回路の各々のインバータを 1 回ずつ通る信号伝送経路の容量負荷と、前記第1バッファー回路と前記第2バッファー回路の各々のインバータを 1 回ずつ通り且つ前記双安定回路のインバータを通らない信号伝送経路の容量負荷とが同一となることを特徴とする電気光学装置。 - クロック信号と該クロック信号に対して逆位相のクロック信号とに基づいて所定の信号の転送を行うシフトレジスタを備えるデータ線駆動回路をさらに有し、前記クロック信号の端子及び前記逆位相のクロック信号との端子と、前記データ線駆動回路との間にクロック信号位相差補正回路が設けられことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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