JP3839308B2 - チャッキング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、チャッキング装置に係り、特に、高速回転せしめられる回転軸の先端部に、所定の物品を、その外周部において把持した状態で固定せしめるのに好適に使用されるチャッキング装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
よく知られているように、金属製の工作物を加工して、所望の機械部品等を得る場合には、工作物に対する加工の種類に応じた工作機械を用い、この工作機械の回転軸(主軸)の先端部に設けられた取付穴内に、加工されるべき工作物、若しくは工作物に対する加工に適した工具を固定して、それら回転軸に固定された物品を回転軸の回転駆動に伴って回転せしめつつ、工作物に対する切削加工や研削加工等の所定の加工が実施されている。
【0003】
そして、このような工作機械を用いた工作物に対する加工の実施にあたって、工作物や工具等の物品を工作機械の回転軸の取付穴内に固定する際には、一般に、回転軸の取付穴内に挿入された物品を、その外周部において把持した状態で、取付穴内に固定せしめるチャッキング装置が、用いられており、また、このチャッキング装置として、コレットチャック方式を採用した構造のものが、従来から、多く採用されてきているのである。
【0004】
ところで、近年では、主にマシニングセンタ等の工作機械において、加工速度や加工精度の向上等を図るべく、回転軸の高速回転化が進められており、そのために、そのような回転軸の高速回転に対応出来る高性能なチャッキング装置が、求められている。
【0005】
ところが、従来から多く採用されるコレットチャック方式のチャッキング装置にあっては、毎分数万回転にも及ぶ高速回転時に生ずる極めて大きな遠心力に抗して、回転軸に固定されるべき工作物や工具等の物品を確実に把持し得る把持力を発揮せしめることが難しく、それ故に、それらの物品の把持位置が回転軸の高速回転に伴って変化してしまうことがあり、そうした場合には、回転軸に固定された物品における、回転軸の先端部からの突出量が工作物の加工途中で変化して、工作物の加工精度が著しく低下してしまうといった大きな問題が、惹起されていたのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、回転軸の取付穴内に挿入された物品を、回転軸の回転時において、その回転速度に拘わらず、十分に大きな把持力をもって確実に把持し得る状態で、取付穴内に固定することが出来ると共に、回転軸の回転下での、かかる物品の回転軸先端部からの突出量の変化を有利に防止することが出来るチャッキング装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、所定の回転軸の先端部に設けられる取付穴内に挿入された物品を、その外周部において把持した状態で、該取付穴内に固定せしめるチャッキング装置において、(a)棒状形態を有し、前記回転軸の取付穴内における前記物品の挿入部位よりも該回転軸の基部側において、該回転軸と同一軸心上に延出する状態で、該回転軸の軸心方向に移動可能に配置されるドロー・バーと、(b)該ドロー・バーを、前記回転軸の基部側に向かって引張して、移動せしめる引張機構と、(c)前記回転軸の取付穴内において、前記ドロー・バーにおける、前記取付穴内の物品挿入部位側の先端部を包囲した状態で、該回転軸の径方向外方に変位可能に配置される第一の包囲部材と、(d)該第一の包囲部材と前記ドロー・バーの先端部とを、前記回転軸の先端部に向かうに従って次第に大径化する、互いに対応したテーパ面同士において摺動可能に接触させて、前記回転軸の基部側へのドロー・バーの移動に伴って、該テーパ面同士を摺動させることにより、該第一の包囲部材を該回転軸の径方向外方に変位せしめる第一の楔機構と、(e)前記回転軸の取付穴内において、前記第一の包囲部材を更に包囲する一方、該取付穴における前記物品挿入部位の内周面に取り囲まれた状態で、該回転軸の軸心方向に変位可能に配置される第二の包囲部材と、(f)該第二の包囲部材と前記第一の包囲部材とを、前記回転軸の先端部に向かうに従って次第に大径化する、互いに対応したテーパ面同士において摺動可能に接触させて、該回転軸の径方向外方への該第一の包囲部材の変位に伴って、該テーパ面同士を摺動させることにより、該第二の包囲部材を該回転軸の基部側に変位せしめる第二の楔機構と、(g)前記回転軸の取付穴内の物品挿入部位において、前記第二の包囲部材に包囲されると共に、該取付穴内に挿入された前記物品の被挿入部位を包囲し得るように、該回転軸の軸心方向に並べられた状態下で、該回転軸の径方向内方に変位可能にそれぞれ配置される複数の第三の包囲部材と、(h)該複数の第三の包囲部材のそれぞれと前記第二の包囲部材とを前記回転軸の先端部に向かうに従って次第に小径化する、互いに対応したテーパ面同士においてそれぞれ摺動可能に接触させて、該回転軸の基部側への該第二の包囲部材の変位に伴って、該テーパ面同士を摺動させることにより、それら各第三の包囲部材を該回転軸の径方向内方にそれぞれ変位せしめて、前記取付穴内に挿入された前記物品の被挿入部位を、各第三の包囲部材にて把持せしめ得るようにした複数の第三の楔機構と、(i)前記回転軸の取付穴の底面と該取付穴内に挿入された前記物品の被挿入部位の端面との間において、それら底面と端面とに接触して介在せしめられるように、該取付穴内に配置されて、該取付穴の底面と該物品との間の距離が一定の距離よりも小さくなることを規制する規制部材とを含んで構成したことを特徴とするチャッキング装置を、その要旨とするものである。
【0008】
要するに、この本発明に従うチャッキング装置にあっては、回転軸に固定されるべき物品を、回転軸の取付穴内に挿入せしめた状態下で、引張機構にてドロー・バーを回転軸の基部側への移動せしめることにより、第一の包囲部材が回転軸の径方向外方に変位せしめられ、またそれに伴って、第二の包囲部材が回転軸の基部側に変位せしめられると共に、複数の第三の包囲部材が回転軸の径方向内方に変位せしめられ、以て、取付穴内に挿入された物品が、取付穴内への被挿入部位において、それら各第三の包囲部材により把持されて、取付穴内に固定されるようになっているのである。
【0009】
そして、そのようなチャッキング装置においては、特に、取付穴内に挿入された物品を把持する複数の第三の包囲部材が、取付穴内において、かかる物品の取付穴内への被挿入部位を包囲し得るように、回転軸の軸心方向に並べられて配置されているところから、取付穴内に挿入された物品が、複数の第三の包囲部材のそれぞれにより、それら各第三の包囲部材にて包囲された複数箇所において、所定の把持力をもってそれぞれ把持され得るのであり、その結果として、取付穴内に挿入された物品が、複数の第三の包囲部材の全部にて、より大きな把持力をもって把持せしめられつつ、取付穴内に固定され得ることとなるのである。
【0010】
また、かかる本発明に従うチャッキング装置にあっては、複数の第三の包囲部材が、それぞれのものに対応して、第二の包囲部材との間に設けられた複数の第三の楔機構により、回転軸の基部側への第二の包囲部材の変位に伴って、回転軸の径方向内方にそれぞれ変位せしめられるようになっているため、そのような第二の包囲部材の変位に伴う各第三の包囲部材の変位が、それら各第三の包囲部材の間で互いに影響を及ぼし合うことなく、それぞれ独立して行なわれ得るのである。それ故、例えば、複数の第三の楔機構において、各第三の包囲部材の側にそれぞれ設けられるテーパ面同士の間に寸法誤差が生じている場合にあっても、そのような寸法誤差に何等の影響を受けることなく、各第三の包囲部材が、回転軸の基部側への第二の包囲部材の変位に伴って、回転軸の径方向内方に、それぞれ確実に変位せしめられ得るのであり、それによって、取付穴内に挿入された物品が、各第三の包囲部材にて、十分な把持力をもって安定的に把持され得ることとなるのである。
【0011】
さらに、本発明に係るチャッキング装置においては、前述せる如く、第一の包囲部材が回転軸の径方向外方に変位せしめられるのに伴って、第二の包囲部材と複数の第三の包囲部材とが変位せしめられて、取付穴内に挿入された物品が、複数の第三の包囲部材にて把持されるようになっているところから、例えば、回転軸が高速回転せしめられる場合にあっても、その際に生ずる大きな遠心力の作用によって、第一の包囲部材が、回転軸の径方向外方に向かって更に変位せしめられ、それに伴って、回転軸の基部側への第二の包囲部材の変位量と、回転軸の径方向内方への複数の第三の包囲部材の変位量が、有利に大きく為され得ることとなり、その結果として、回転軸の回転速度の上昇に伴って、複数の第三の包囲部材により把持される物品に対する把持力が、効果的に増大せしめられ得るのである。
【0012】
しかも、本発明に従うチャッキング装置にあっては、取付穴の底面と、取付穴内に挿入された物品の被挿入部位に端面との間に、それらに当接して、取付穴の底面と物品との間の距離が一定の距離よりも小さくなることを阻止する規制部材が配置されているため、例えば、上述の如く、回転軸の高速回転により、第一の包囲部材が回転軸の径方向外方に更に変位せしめられた際に、複数の第三の包囲部材が、第二の包囲部材にて回転軸の基部側に押圧されて、それと同方向に変位せしめられるようなことがあっても、そのような複数の第三の包囲部材の回転軸基部側への変位に伴う、それら第三の包囲部材にて把持される物品の回転軸基部側への移動が、かかる物品に対して直接に当接せしめられる規制部材にて、第三の包囲部材による把持力の大きさとは無関係に規制乃至は阻止され、それによって、回転軸が高速回転せしめられる状態下で、取付穴内に挿入、固定された物品の回転軸先端部からの突出量が変化してしまうようなことが、有利に回避され得るのである。
【0013】
従って、かくの如き本発明に従うチャッキング装置にあっては、回転軸の取付穴内に挿入された物品を、回転軸の回転時において、その回転速度の高低に拘わらず、十分に大きな把持力をもって、確実に且つ安定的に把持し得る状態で、取付穴内に固定することが出来るのであり、また、回転軸の回転状態下での、かかる物品の回転軸先端部からの突出量の変化を極めて有利に防止することが出来るのである。そして、その結果として、近年の工作機械における回転軸の高速化に十分に対応可能な優れた把持特性が、有利に発揮され得て、そのような回転軸が高速回転せしめられる工作機械等に対して、極めて好適に使用され得ることとなるのである。
【0014】
なお、このような本発明に従うチャッキング装置の好ましい態様の一つによれば、前記第二の包囲部材が、前記回転軸の軸心方向に対向する分割面を有するように、前記複数の第三の包囲部材と同一の数で分割された複数の分割体にて構成され、それら各分割体と各第三の包囲部材との間に、前記第三の楔機構がそれぞれ設けられると共に、かかる複数の分割体のうち、該回転軸の最基部側に位置するものを除いた分割体が、それよりも基部側に位置する分割体との間で該第三の楔機構を形成する前記第三の包囲部材に係合せしめられて、該第三の包囲部材における該回転軸の基部側への変位に応じて、それと同方向に変位せしめられるように構成される。これによって、第二の包囲部材と複数の第三の包囲部材の取付穴内での組付性が、有利に高められ得て、より優れた使用性乃至は取扱性が効果的に確保され得るのである。
【0015】
また、本発明に従うチャッキング装置の別の望ましい態様の一つによれば、前記第一の包囲部材が、前記回転軸の周方向に対向する分割面を有するように分割された複数の分割体にて構成されると共に、それら複数の分割体が、該回転軸の周方向への各分割体の変位を規制する一方、該回転軸の径方向への各分割体の変位を案内する案内面を備えた案内部材に組み付けられた状態で、該回転軸の前記取付穴内に配置されるように構成される。
【0016】
このような構成を有するチャッキング装置にあっては、回転軸の径方向への第一の包囲部材の変位を阻害することなく、回転軸の回転により生ずる遠心力によって、第一の包囲部材が、回転軸の周方向に変位するようなことが有利に阻止され得るのであり、それによって、かかる回転軸の周方向への第一の包囲部材の変位に伴って生ずるこじれに起因して、回転軸の径方向外方への第一の包囲部材の変位量が小さくなってしまうようなことが、効果的に防止され得るのである。そして、その結果として、取付穴内に挿入される物品の把持力が、より十分に且つ安定的に確保され得るのである。
【0017】
なお、本発明に従うチャッキング装置において、第一の包囲部材が案内部材に組み付けられて、回転軸の取付穴内に配置される場合には、有利には、前記規制部材が、かかる案内部材を有して構成されることとなる。これによって、案内部材の配設に伴う部品点数の増加が有利に解消され得、以て、案内部材の配設により得られる優れた効果が、構造を複雑化を招くことなく、極めて有利に享受され得ることとなるのである。
【0018】
また、本発明に従うチャッキング装置の好ましい他の態様の一つによれば、前記複数の第三の包囲部材のうち、前記取付穴の開口部と対向して位置せしめられるものにおける該開口部との対向部位に、該回転軸の先端部に向かうに従って次第に大径化するテーパ面が形成される一方、該取付穴の開口部に、かかる第三の包囲部に形成されたテーパ面に対応したテーパ面が形成されて、それら第三の包囲部と取付穴の開口部のそれぞれのテーパ面にて、該第三の包囲部材における該回転軸の基部側への変位に伴って、該第三の包囲部を該回転軸の径方向内方に変位させる第四の楔機構が、更に設けられる。これによって、取付穴内に挿入された物品が、より大きな把持力をもって、複数の第三の包囲部材にて把持され得ることとなる。
【0019】
さらに、本発明に従うチャッキング装置の有利な別の態様の一つによれば、前記ドロー・バーの先端部と前記第二の包囲部材との間に、互いに係合し、該ドロー・バーの前記回転軸の先端部側への移動に伴って、それと同一の方向に該第二の包囲部材を変位せしめる係合部が、それぞれ設けられることとなる。
【0020】
このような構成を有するチャッキング装置にあっては、単に、ドロー・バーを回転軸の先端部側へ移動させるだけで、回転軸の先端部側への第二の包囲部材の変位に伴って、複数の第三の包囲部材を回転軸の径方向外方に変位させることが出来、それによって、取付穴内に挿入された物品の複数の第三の包囲部材による把持状態が、容易に解消せしめられて、かかる物品を取付穴内から容易に離脱させることが可能となるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係るチャッキング装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0022】
先ず、図1には、本発明に従う構造を有するチャッキング装置の一実施形態として、マシニングセンタの高速回転可能な主軸に工具を固定するためのチャッキング装置が、かかる主軸に取り付けられた状態において概略的に示されている。そこにおいて、10は、マシニングセンタの高速回転可能な、円柱状の主軸であって、先端部に、チャッキング装置12が取り付けられる取付穴14が設けられて、構成されている。また、この主軸10の取付穴14は、開口部が狭窄化されて、かかる開口部の内周面が主軸10の先端側(取付穴14の開口側)に向かって次第に大径化するテーパ面15とされている一方、開口部以外の内周面が、円筒面形状とされている。そして、ここでは、このような主軸10の取付穴14内に取り付けられたチャッキング装置12が、ドロー・バー16と、第一の包囲部材としての基部側くさび18と、規制部材としてのガイド20と、第二の包囲部材としての二つの外側くさび22,24と、第三の包囲部材としての二つの内側くさび26,28とを互いに組み付けてなる組付体にて、構成されているのである。なお、ここでは、これらチャッキング装置12の組付部品が、全て鉄鋼材料から形成されている。
【0023】
より具体的には、かかるチャッキング装置12の組付部品たるドロー・バー16は、図2及び図3に示される如く、所定長さを有し、先端側部位の一部が大径化された、中実の略段付丸棒形態を呈して構成されている。また、このドロー・バー16においては、先端側部位を段付けして、該先端側部位に、中間部乃至は基部側部位と同一の径を有する小径部と、それよりも径の大きな大径部とを形成する段付面が、先端側に向かって次第に大径化するテーパ面30とされており、更に、かかるテーパ面30よりも先端側の部分からなる先端側大径部の外周面には、所定の幅と高さをもって、径方向外方に突出する、矩形板状の複数(ここでは、6個)の係合突起32が、周方向に等間隔をおいて、一体的に形成されている。なお、かかる係合突起32は、それが一体形成されるドロー・バー16の先端側大径部が、前記主軸10の取付穴14内に、十分に余裕をもって挿入可能となるような突出高さをもって構成されている。
【0024】
また、基部側くさび18は、図1及び図4から明らかなように、ドロー・バー16の先端側小径部に外嵌可能で、且つ前記主軸10の取付穴14内に収容可能な、高さの低い略厚肉円筒体が、その周方向に対向する分割面を有するように分割された複数(ここでは、6個)の分割くさび34a〜fにて、構成されている。即ち、この基部側くさび18を構成する複数の分割くさび34a〜fは、それぞれ、内側面が、ドロー・バー16の先端側小径部の外径よりも所定寸法大きな径を有する内側円弧面とされ、且つ外側面が、取付穴14の円筒面状内周面の内径よりも所定寸法小さな径を有する外側円弧面とされたブロック形態を有しているのであり、それらが互いに組み付けられることによって、略厚肉円筒形態を呈する基部側くさび18が形成されるようになっているのである。
【0025】
そして、そのような複数の分割くさび34a〜fにあっては、基部側くさび18の取付穴14内への配置下で、主軸10の先端部側(図1中、右側)に位置せしめられる端部の内側面が、ドロー・バー16の先端部に設けられた前記テーパ面30と同一のテーパ角度をもって、主軸10の先端部側に向かって次第に大径化する内側テーパ面36とされている一方、基部側くさび18の取付穴14内への配置下で、主軸10の基部側(図1中、左側)に位置せしめられる端部の外側面は、ドロー・バー16のテーパ面30よりも大きなテーパ角度をもって、主軸10の先端部側に向かって次第に大径化する外側テーパ面38とされている。また、それら各分割くさび34a〜fにおいては、前記分割面を与える両側面の内側面側の一部を除く大部分が、それぞれ、互いに平行に延びる係合摺動面37,37とされており、更に、内側テーパ面36が形成される高さ方向一方側端部の外側面には、狭幅の溝39が、高さ方向に真っ直ぐに延びるように、それぞれ一つずつ形成されている。
【0026】
また、かくの如き基部側くさび18と共にチャッキング装置12を構成するガイド20は、図5及び図6に示される如く、略厚肉円環板形状を呈する大径リング部40と、かかる大径リング部40に対して、その板厚方向に所定距離をおいて同心的に配置された薄肉円環板状の小径リング部42と、それら大径リング部40と小径リング部42とを一体的に連結する複数(ここでは、6個)の連結部44と、小径リング部42の大径リング部40側とは反対側の面に、所定高さをもって一体的に立設された複数(ここでは、6個)の係合板部46とを有している。
【0027】
そして、図1及び図4からも明らかなように、かかるガイド20においては、大径リング部40と小径リング部42のそれぞれの中心孔48,50の内径が、前記ドロー・バー16の先端側大径部が挿通可能な大きさとされており、また、それら両リング部40,42の間の距離が、基部側くさび18の高さよりも僅かに大きくされている。更に、かかる大径リング40と小径リング部42とを連結する複数の連結部44は、両リング部40,42の中心孔48,50を取り囲む状態で、その周方向に等間隔をおいて一体的に設けられており、また、その間隔が、基部側くさび18を与える前記複数の分割くさび34a〜fの一つ一つがそれぞれ嵌め込まれ得る大きさとされていると共に、各連結部44の側面が、それら各分割くさび34a〜fの係合摺動面37,37に対応した案内面52とされている。
【0028】
更にまた、ガイド20にあっては、図1、図6、及び図7に示されるように、小径リング部42に一体的に立設された複数の係合板部46が、小径リング部42の中心孔50を取り囲む状態下で、その周方向に等間隔をおいて位置せしめられており、そして、その間隔が、前記ドロー・バー16の先端側大径部に設けられた複数の係合突起32が挿通可能な大きさとされていると共に、各係合板部46の側面が、それら各係合突起32の側面に対応した係合面54とされている。
【0029】
また、図1及び図4から明らかなように、二つの外側くさび22,24のうち、前記主軸10の取付穴14内への配置下で、主軸10の基部側に配置される第一の外側くさび22は、前記基部側くさび18に外嵌可能で、且つ取付穴14内に収容可能な、比較的に高さの高い円筒体が、その周方向に対向する分割面を有するように分割された複数(ここでは、6個)の分割くさび56a〜fにて、構成されている。即ち、この第一の外側くさび22を構成する複数の分割くさび56a〜fは、それぞれ、内側面が、基部側くさび18の外径よりも所定寸法大きな径を有する内側円弧面とされ、且つ外側面が、取付穴14の円筒面状内周面の内径よりも所定寸法小さな径を有する外側円弧面とされた形態を有しているのであり、それらが互いに組み付けられることによって、基部側くさび18よりも高さが高い円筒体形態を呈する第一の外側くさび22が形成されるようになっているのである。
【0030】
そして、そのような複数の分割くさび56a〜fにおいては、第一の外側くさび22の取付穴14内への配置下で、主軸10の先端部側(図1中、右側)に位置せしめられる端部の内側面が、該主軸10の先端部側に向かって小径化する先端部側テーパ面58とされている一方、第一の外側くさび22の取付穴14内への配置下で、主軸10の基部側(図1中、左側)に位置せしめられる端部の内側面が、前記基部側くさび18における各分割くさび34a〜fの外側テーパ面38に対応して、主軸10の先端部側に向かって次第に大径化する基部側テーパ面60とされている。また、かかる先端部側テーパ面58の形成側の端面には、矩形の嵌合突部59が、それぞれ、一つずつ一体形成されている。
【0031】
また、それら各分割くさび56a〜fの内側面には、それぞれの長さ方向の中間部(第一の外側くさび22の高さ方向の中間部)における先端部側テーパ面58の形成部位側に、所定高さをもって内方に突出し、且つ各分割くさび56a〜fの全幅に亘って連続して延びる先端部側突起62が、一体的に設けられており、更に、各分割くさび56a〜fの外側面の長さ方向の中間部における基部側テーパ面60の形成部位側には、所定の高さと幅をもって内方に突出し、且つ各分割くさび56a〜fの長さ方向に所定寸法だけ延びる基部側突起64が、一体形成されている。なお、それらの係合62,64のうち、先端部側突起62は、主軸10の取付穴14内への第一の外側くさび22の配置下で、前記ドロー・バー16の係合突起32の先端部側端面に対して係合可能な突出高さを有しており、また、基部側突起64は、主軸10の取付穴14内への第一の外側くさび22の配置下で、前記基部側くさび18の各分割くさび34a〜fに設けられた溝39内に嵌入可能な幅を有している。
【0032】
一方、図1及び図8に示されるように、二つの外側くさび22,24のうち、主軸10の取付穴14内への配置下で、主軸10の先端部側に配置される第二の外側くさび24も、基部側くさび18に外嵌可能で、且つ取付穴14内に収容可能な、高さの低い円筒体が、その周方向に対向する分割面を有するように分割された複数(ここでは、6個)の分割くさび66a〜fにて、構成されている。即ち、この第二の外側くさび24を構成する複数の分割くさび66a〜fは、それぞれ、内側面が、基部側くさび18の外径よりも所定寸法大きな径を有する内側円弧面とされ、且つ外側面が、取付穴14の円筒面状内周面の内径よりも所定寸法小さな径を有する外側円弧面とされた形態を有しているのであり、それらが互いに組み付けられることによって、高さの低い円筒体形態を呈する第二の外側くさび24が形成されるようになっているのである。
【0033】
そして、このような複数の分割くさび66a〜fにおいては、第二の外側くさび24の取付穴14内への配置下で、主軸10の先端部側(図1中、右側)に位置せしめられる端部の内側面が、前記第一の外側くさび22の各分割くさび56a〜fに設けられた先端部側テーパ面58と同一のテーパ角度をもって、主軸10の先端部側に向かって小径化する先端部側テーパ面68とされている一方、第二の外側くさび24の取付穴14内への配置下で、主軸10の基部側(図1中、左側)に位置せしめられる端部の内側面に、その周方向に連続して延びるように形成されて、第二の外側くさび24に対して周溝を与える凹溝70が、設けられている。また、かかる凹溝70の形成側の端面には、第一の外側くさび22における各分割くさび56a〜fの端面に設けられた嵌合突部59が嵌入可能で、且つその形状に対応した矩形の凹所72が、それぞれ、一つずつ形成されている。
【0034】
さらに、図1に示されるように、二つの内側くさび26,28は、主軸10の取付穴14内への配置下で、主軸10の基部側に配置される第一の内側くさび26と、主軸10の先端部側に配置される第二の内側くさび28とからなっている。そして、それら第一及び第二の内側くさび26,28にあっては、何れも、全体として、取付穴14内に挿入される工具74の、被挿入部位たるシャンク76に外嵌可能で、且つ取付穴14内に収容可能な略円筒形状を呈しており、また、取付穴14内への配置下で、第一の内側くさび26は、主軸10の基部側(図1中、左側)に位置せしめられる側にすり割り部78が、周方向に等間隔をおいてそれぞれ複数設けられていることによって、更に、第二の内側くさび28は、主軸10の基部側(図1中、左側)と先端部側(図1中、右側)に位置せしめられる両方の側に、すり割り部78が、周方向に等間隔をおいてそれぞれ複数設けられていることによって、各々コレット形態を有して、構成されているのである。
【0035】
また、そのようなコレット形態を有する二つの内側くさび26,28のうち、第一の内側くさび26は、すり割り部78の形成側の端部、つまり、取付穴14内の配置下で、主軸10の基部側に位置せしめられる端部の外周面が、前記第一の外側くさび22の各分割くさび56a〜fに設けられた先端部側テーパ面58と同一のテーパ角度をもって、主軸10の先端部側に向かって小径化するテーパ面80とされている一方、すり割り部78の形成側とは反対側の端部、つまり、取付穴14内の配置下で、主軸10の先端部側に位置せしめられる端部の外周面には、前記第二の外側くさび24において、各分割くさび66a〜fにそれぞれ設けられた凹溝70にて形成される周溝に突入可能な突条82が、周設されている。
【0036】
一方、第二の内側くさび28は、取付穴14内への配置下で、主軸10の基部側に位置せしめられる端部の外周面が、前記第二の外側くさび22の各分割くさび66a〜fに設けられた先端部側テーパ面68と同一のテーパ角度をもって、主軸10の先端部側に向かって小径化する基部側テーパ面84とされている一方、取付穴14内への配置下で、主軸10の先端部側に位置せしめられる端部の外周面が、取付穴14の開口部に設けられた前記テーパ面15と同一のテーパ角度をもって、主軸10の先端部側に向かって次第に大径化する先端部側テーパ面86とされている。
【0037】
而して、図1に示されるように、上述の如き構造とされたチャッキング装置12のドロー・バー16が、先端側小径部と先端側大径部とを、主軸10の取付穴14内において、工具74のシャンク76が挿入される部分よりも主軸10の基部側に挿入せしめると共に、それ以外の中間部乃至は基部を、主軸10の取付穴14の底面と基部側端面とにおいて開口する挿通孔88内に挿通せしめつつ、主軸10と同一軸心上に延出するように配置されている。そして、そのような配置状態下で、かかる主軸10の基部側に設けられた、引張機構としての、図示しない公知の油圧機構やばね機構等により、主軸10の軸心回りには回転不能とされているものの、その軸心方向に沿って、取付穴14内から引込移動され、若しくは取付穴14内へ突入移動せしめられるようになっている。
【0038】
また、ガイド20は、大径リング部40と小径リング部42の各中心孔48,50において、ドロー・バー16の先端部を挿通せしめた状態で、ドロー・バー16の先端部が挿入位置せしめられる、取付穴14内における主軸10の基部側に収容配置されている。そして、かかる収容状態下で、大径リング部40の小径リング部42側とは反対側の端面が取付穴14の底面に当接せしめられていることによって、取付穴14内での主軸10の基部側への移動が阻止せしめられており、また、小径リング部42に一体形成された複数の係合板部46同士の間に、ドロー・バー16の先端部に設けられた複数の係合突起32が、それぞれ、挿通されて、それら複数の係合板部46の側面からなる各係合面54が、ドロー・バー16の各係合突起32の側面に係合されることによって、主軸10の軸心回りの回転が阻止されるようになっているのである(図7参照)。
【0039】
さらに、基部側くさび18は、ガイド20と同様に、取付穴14内における主軸10の基部側に収容配置されており、また、かかる基部側くさび18を与える複数の分割くさび34a〜fが、それぞれ、係合摺動面37において、ガイド20の各連結部44の案内面52に摺動しつつ、周方向への変位は規制されるものの、径方向には変位せしめられ得る状態で、ガイド20の大径リング部40と小径リング部42との間における各連結部44同士の間にそれぞれ嵌め込まれて、ガイド20に組み付けられている。換言すれば、基部側くさび18は、それを与える複数の分割くさび34a〜fが、ガイド20の複数の案内面52にて、主軸10の軸心回りの回転が規制される一方、主軸10の径方向への変位が案内され得るように、ガイド20に組み付けられた状態で、取付穴14内に収容配置されているのである(図4参照)。このことから明らかなように、本実施形態では、ガイド20の各連結部44にて、案内部材が構成されている。
【0040】
そして、図1の上側半分から明らかなように、このようなガイド20に組み付けられて、取付穴14内に収容配置された基部側くさび18にあっては、各分割くさび34a〜fの内側テーパ面36を、取付穴14内に挿入せしめられた前記ドロー・バー16の先端部のテーパ面30に対して、その径方向に対向させるか、若しくは部分的に接触させつつ、該先端部を包囲するようにして、該先端部に外嵌せしめられており、それによって、ドロー・バー16の取付穴14内からの引込移動に伴って、該ドロー・バー16のテーパ面30と各分割くさび34a〜fの内側テーパ面36とが互いに摺動せしめられて、各分割くさび34a〜fが、主軸10の軸心回りの回転が阻止されつつ、主軸10の径方向外方に変位せしめられるようになっているのである。このことから明らかなように、本実施形態では、ドロー・バー16のテーパ面30と、基部側くさび18における各分割くさび34a〜fの内側テーパ面36とにて、第一の楔機構が構成されている。
【0041】
更にまた、二つの外側くさび22,24のうち、第一の外側くさび22は、各分割くさび56a〜fにおける基部側テーパ面60の形成側において、基部側くさび18やガイド20を包囲する一方、各分割くさび56a〜fの先端部側テーパ面58の形成側において、取付穴14の内周面における、工具74のシャンク76が挿入される部位に取り囲まれた状態で、取付穴14内に収容配置されている。
【0042】
そして、かかる第一の外側くさび22にあっては、各分割くさび56a〜fのそれぞれの基部側テーパ面60を、取付穴14内に収容配置された基部側くさび18の各分割くさび34a〜fの外側テーパ面38に接触させた状態で、基部側くさび18に外嵌せしめられており、それによって、基部側くさび18の各分割くさび34a〜fの径方向外方への変位に伴って、基部側くさび18における各分割くさび34a〜fの外側テーパ面38と第一の外側くさび22における各分割くさび56a〜fの基部側テーパ面60とが互いに摺動せしめられて、第一の外側くさび22の全体が、取付穴14内において、主軸10の基部側に向かって変位せしめられるようになっているのである。このことから明らかなように、ここでは、第一の外側くさび22における各分割くさび56a〜fの基部側テーパ面と、基部側くさび18の各分割くさび34a〜fの外側テーパ面38とにて、第二の楔機構が構成されている。
【0043】
なお、ここでは、第一の外側くさび22の基部側くさび18に対する外嵌状態下で、第一の外側くさび22の各分割くさび56a〜fの内側面に設けられた基部側突起64が、基部側くさび18の各分割くさび34a〜fの外側面に形成された溝39に、それぞれ嵌入されていることによって、第一の外側くさび22の基部側くさび18との相対回転が阻止せしめれ、以て、第一の外側くさび22が、主軸10の軸心回りに回転不能とされている(図4参照)。
【0044】
また、図1の下側半分から明らかなように、ドロー・バー16が、主軸10の先端部側に移動せしめられた際に、かかるドロー・バー16の先端部に一体形成された係合突起32の先端側端面が、第一の外側くさび22における各分割くさび56a〜fの内側面に一体形成された先端側突起62の基部側端面に接触、押圧され、以て、第一の外側くさび22が、主軸10の先端部側へのドロー・バー16の移動に伴って、それと同方向に変位せしめられるようになっている。そしてまた、そのような主軸10の先端部側へのドロー・バー16と第一の外側くさび22の移動乃至は変位に伴って、第一の外側くさび22の基部側テーパ面60と基部側くさび18の外側テーパ面38とが摺動せしめられて、基部側くさび18の各分割くさび34a〜fが、径方向内方に変位せしめられるようになっているのである。このことから明らかなように、ここでは、ドロー・バー16の各係合突起32と第一の外側くさび22の先端側突起62にて、係合部が構成されているのである。
【0045】
一方、第二の外側くさび24は、取付穴14の内周面における、工具74のシャンク76が挿入される部位に取り囲まれるようにして、取付穴14内に収容配置されている。そして、かかる第二の外側くさび24にあっては、それを与える複数の分割くさび66a〜fの基部側端面に各々設けられた凹所72内に対して、第一の外側くさび22における各分割くさび56a〜fの先端部側端面に一体形成された嵌合突部59が嵌入せしめられて、第一の外側くさび22との相対回転が不能とされていることによって、第一の外側くさび24と同様に、主軸10の軸心回りに回転不能とされているのである。
【0046】
また、二つの内側くさび26,28のうち、第一の内側くさび26は、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76の基部側部分を包囲すると共に、テーパ面80の形成側において、第一の外側くさび22における各分割くさび56a〜fの先端部側テーパ面58の形成側に包囲され、更に、突条82の形成側において、第二の外側くさび24における各分割くさび66a〜fの凹溝70の形成側に包囲された状態で、取付穴14内に収容配置されている。一方、第二の内側くさび28は、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76の先端部側部分を包囲すると共に、基部側テーパ面84の形成側において、第二の外側くさび24における各分割くさび66a〜fの先端部側テーパ面68の形成側に包囲され、更に、先端部側テーパ面86の形成側において、取付穴14の開口部に包囲された状態で、取付穴14内に収容配置されている。つまり、第一の内側くさび26と第二の内側くさび28は、取付穴14内における工具74のシャンク76が挿入される部位において、かかるシャンク76を包囲しつつ、主軸10の軸方向に並べられて、位置せしめられているのである。
【0047】
そして、かかる第一の内側くさび26にあっては、テーパ面80を、第一の外側くさび22の各先端部側テーパ面58に接触させた状態で、第一の外側くさび22に内嵌せしめられていると共に、突条82を、第二の外側くさび24の各凹溝70内に突入させ、且つそれら各凹溝70に対して基部側の側面同士を接触させて、位置せしめられている。また、第二の内側くさび28は、基部側テーパ面84を、第二の外側くさび24の各先端部側テーパ面68に接触させると共に、先端部側テーパ面86を、取付穴14の開口部のテーパ面15に接触させた状態で、第二の外側くさび24に内嵌せしめられている。
【0048】
かくして、図1の上側半分に示されるように、主軸10の基部側への第一の外側くさび22の変位に伴って、第一の外側くさび22の先端部側テーパ面58と第一の内側くさび22のテーパ面80とが互いに摺動せしめられて、第一の内側くさび26が、主軸10の基部側へ僅かに変位せしめられつつ、テーパ面80の形成部位において、そこ設けられたすり割り部78の隙間を狭くして、縮径するように、径方向内方に向かって変位せしめられ、以て、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76における基部側部分が、第一の内側くさび26にて把持され得るようになっているのである。
【0049】
また、ここでは、第一の内側くさび26と第二の外側くさび24とが、それらに設けられた突条82と凹溝70の基部側側面において互いに接触せしめられているため、主軸10の基部側への第一の外側くさび22の変位に伴って、それと同一方向に、第一の内側くさび26が変位せしめられるのに伴って、第二の外側くさび24が主軸10の基部側に変位せしめられるようになっている。そして、その際に、第二の外側くさび22の先端部側テーパ面68と第二の内側くさび28の基部側テーパ面84とが互いに摺動せしめられて、第二の内側くさび28が、主軸10の基部側へ僅かに変位せしめられつつ、基部側テーパ面84の形成部位において、そこ設けられたすり割り部78の隙間を狭くして、縮径するように、径方向内方に向かって変位せしめられる。また、主軸10の基部側への第二の内側くさび28の変位に伴って、第二の内側くさび28の先端部側テーパ面86と取付穴14の開口部のテーパ面15とが互いに摺動せしめられて、先端部側テーパ面84の形成部位においても、そこ設けられたすり割り部78の隙間を狭くして、縮径するように、径方向内方に向かって変位せしめられる。そして、これによって、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76の先端側部分が、第二の内側くさび28にて、より大きな力で把持され得るようになっているのである。これらのことから明らかなように、本実施形態では、第一の外側くさび22の先端部側テーパ面58と第一の内側くさび22のテーパ面80、及び第二の外側くさび24の先端部側テーパ面68と第二の内側くさび28の基部側テーパ面84とにて、第三の楔機構が、それぞれ構成されているのである。
【0050】
なお、上述せるように、第一の内側くさび26と第二の内側くさび28が径方向内方に変位せしめられる際には、主軸10の基部側に僅かに変位せしめられるため、かかる第一及び第二の内側くさび26,28の径方向内方への変位によってシャンク76が把持される工具14が、それら第一及び第二の内側くさび26,28の主軸10の基部側への変位に伴って、それと同一方向に変位せしめられることとなるが、ここでは、かかる工具14の変位時に、シャンク76の端面が、主軸10の基部側への変位が阻止せしめられた状態で、取付穴14内に配置された前記ガイド20の複数の係合板部46の各先端面に当接せしめられるようになっており、以て、第一及び第二の内側くさび26,28による把持力に拘わらず、工具74の主軸10の基部側への移動が、有利に規制され得るようになっている。
【0051】
また、図1の下側半分に示されるように、前述せる如くして、主軸10の先端部側へのドロー・バー16の移動に伴って、第一の外側くさび22が、それと同方向に変位せしめられる際には、第二の外側くさび24が、第一の外側くさび22にて押圧されて、主軸10の先端部側へ変位せしめられることとなり、以て、第一及び第二の内側くさび26,28におけるテーパ面80と基部側テーパ面84のそれぞれの形成部位における径方向外方への変位が許容される状態となって、それらの形成部位による工具74のシャンク76に対する把持力が緩められるようになっている。
【0052】
このように、かくの如き構造とされた本実施形態のチャッキング装置12にあっては、工具74のシャンク76を主軸10の取付穴14内に挿入せしめた状態下で、ドロー・バー16が、油圧機構やばね機構等にて、取付穴14内から主軸10の基部側に向かって引込移動せしめられることにより、基部側くさび18が、主軸10の径方向外方に変位せしめられ、またそれに伴って、第一の外側くさび22が主軸10の基部側に変位せしめられると共に、第一の内側くさび26が主軸10の径方向内方に変位せしめられて、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76の基部側部分が、第一の内側くさび26により把持され、更に、かかる第一の内側くさび26の径方向内方への変位に伴って、第二の外側くさび24が主軸10の基部側に変位せしめられると共に、第二の内側くさび28が主軸10の径方向内方に変位せしめられて、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76の先端部側部分が、第二の内側くさび28により把持されるようになっているのである。
【0053】
それ故、かかる本実施形態のチャッキング装置12にあっては、工具74のシャンク76を、取付穴14内で、二つの内側くさび26,28により、二箇所において把持することが出来、以て、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76に対する把持力を、より十分に大きく為すことが可能となるのである。
【0054】
また、この本実施形態のチャッキング装置12においては、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76を二箇所において把持する二つの内側くさび26,28が、互いに独立した別個の部材たる第一の内側部材26と第二の内側部材28とにて構成されており、そして、それら両内側部材26,28のそれぞれに設けられたテーパ面80,84に対して、それに対応した、第一及び第二の外側くさび22,24のテーパ面58,68が接触せしめられた状態下で、それら第一及び第二の外側くさび22,24が主軸10の基部側に変位せしめられることによって、第一の内側部材26と第二の内側部材28とが径方向内方に変位せしめられて、工具74のシャンク76が把持されるようになっているため、例えば、第一及び第二の外側くさび22,24の各テーパ面58,68に接触する、第一及び第二の内側くさび26,28の各テーパ面80,84の間に寸法誤差が生じていても、そのような寸法誤差に関係なく、それらのテーパ面同士が確実に接触して、第一及び第二の内側くさび26,28が、十分な量で、径方向内方に変位せしめられ得るのであり、その結果として、工具74のシャンク76に対する十分な把持力が、安定的に発揮され得ることとなるのである。
【0055】
さらに、かかるチャッキング装置12においては、基部側くさび18が主軸10の径方向外方に向かって変位せしめられることにより、第一及び第二の内側くさび26,28にて、取付穴14内に挿入された工具74のシャンク76が把持されるようになっているところから、主軸10が高速回転せしめられる際に、大きな遠心力の作用にて、基部側くさび18が主軸10の径方向外方に更に変位せしめられることとなり、それによって、第一の内側くさび26と第二の内側くさび28とによる工具74のシャンク76に対する把持力が、主軸10の回転数の上昇に伴って、効果的に増大せしめられ得るのである。
【0056】
しかも、本実施形態のチャッキング装置12においては、取付穴14の底面に接触して、主軸10の基部側への移動が阻止されたガイド20に一体形成された複数の係合板部46の端面に、工具74のシャンク76が端面が当接せしめられて、取付穴14内に挿入された工具74の主軸10の基部側への移動が規制されるようになっているところから、主軸10の高速回転に伴って、基部側くさび18を径方向外方へ変位させると共に、第一及び第二の内側くさび26,28を主軸10の径方向内方と基部側に向かって変位させる作用力が増大せしめられる場合にあっても、それに応じて、第一及び第二の内側くさび26,28にて把持される工具74の、主軸10の基部側への移動が阻止され得るのであり、その結果として、主軸10の高速回転で、主軸10の先端部からの工具74の突出量が変化するようなことが、効果的に回避され得るのである。
【0057】
従って、かくの如き本実施形態のチャッキング装置12にあっては、主軸10の取付穴14内に挿入された工具74を、主軸10の回転速度に拘わらず、大きな把持力をもって確実に且つ安定的に把持し得ると共に、主軸10の高速回転下での工具74の位置精度を十分に確保し得るといった極めて優れた把持特性をもって、高速回転せしめられる主軸10に対して、良好に固定され得るのである。
【0058】
また、本実施形態のチャッキング装置12においては、第一及び第二の内側くさび26,28を主軸10の径方向内方に変位せしめるための部材が、それぞれ独立した別個の部材たる第一の外側くさび22と第二の外側くさび24からなり、しかも、それら第一及び第二の外側くさび22,24が、それぞれ、複数の分割くさび56a〜f,66a〜fにて構成されているため、第一及び第二の内側くさび26,28と、それらを径方向内方に変位せしめる第一及び第二の外側くさび22,24とが、何れも、互いにテーパ面にて接触せしめられるように組み付けられた状態で、取付穴14内に容易に配置され得るのである。
【0059】
さらに、本実施形態のチャッキング装置12にあっては、複数の分割くさび34,56,66にてそれぞれ構成された基部側くさび18と第一及び第二の外側くさび22,24とが、何れも、主軸10の軸心回りへの回転が阻止せしめられるようになっているところから、主軸10の回転時に生ずる遠心力の作用にて、基部側くさび18と第一及び第二の外側くさび22,24のそれぞれを構成する複数の分割くさび34,56,66が、主軸10の周方向に位置ズレを起こして、互いに干渉し合うようなことが有利に解消され得、それによって、主軸10の径方向や軸心方向への変位量が小さくなってしまうことが、効果的に防止され得るのである。
【0060】
更にまた、本実施形態のチャッキング装置12においては、基部側くさび18を与える複数の分割くさび34a〜fが、ガイド20の各連結部44の案内面52にて、主軸10の径方向への変位が案内されるようになっているため、それら複数の分割くさび34a〜fの、ドロー・バー16の引込移動に伴う主軸10の径方向外方への変位がスムーズに為され得ることとなり、以て、主軸10の取付穴14内に挿入された工具74に対する把持力が、より安定的に確保され得るのである。
【0061】
また、本実施形態のチャッキング装置12にあっては、基部側くさび18を与える複数の分割くさび34a〜fの、主軸10の径方向への変位を案内する案内面52を備えた連結部44が、取付穴14内に挿入された工具74の、主軸10の基部側への移動を阻止するガイド20に設けられているところから、部品点数を増やすことなく、主軸10の基部側への工具74の移動を阻止しつつ、基部側くさび18の各分割くさび34a〜fを径方向外方にスムーズに変位させることが可能となり、それによって、構造の複雑化を抑えつつ、より優れた把持特性を確保することが出来るのである。
【0062】
さらに、本実施形態のチャッキング装置12にあっては、ドロー・バー16が主軸10の先端部側に移動せしめられた際に、ドロー・バー16の係合突起32と第一の外側くさび22の先端側突起62との係合により、第一の外側くさび22が、主軸10の先端部側に変位せしめられ、それに伴って、基部側くさび18が主軸10の径方向外方に変位せしめられると共に、第一及び第二の内側くさび26,28のテーパ面80と基部側テーパ面84のそれぞれの形成部位における径方向外方への変位が許容される状態となって、それらの形成部位による工具74のシャンク76に対する把持力が緩められるようになっているところから、単に、ドロー・バー16を主軸10の先端部側へ移動させるだけで、工具74の取付穴14内への固定状態が容易に解消され得るのであり、従って、主軸10の軸心方向への移動に伴って、取付穴14内に挿入された工具74の固定とその解除とを容易に行なうことが出来るといった、極めて優れた使用性が確保され得ることとなるのである。
【0063】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0064】
例えば、前記実施形態では、第三の包囲部材たる二つの内側くさび26,28が、第二の包囲部材としての二つの外側くさび22,24における、主軸10の基部側への変位に伴って、それぞれ、主軸10の径方向内方に変位せしめられるようになっていたが、それら二つの外側くさび22,24を一体化せしめて、一つの部材と為し、かかる一つの外側くさびにて、二つの内側くさび26,28を主軸10の径方向内方に変位させる第二の包囲部材を構成しても、何等差し支えないのである。
【0065】
また、前記実施形態では、第二の包囲部材たる二つの外側くさび22,24が、周方向に対向する分割面を有する複数の分割くさび56,66にて、それぞれ構成されていたが、それら各外側くさび22,24を、何等分割されていない、全体として円筒形態を呈する一体品にて構成することも、勿論可能である。
【0066】
さらに、前記実施形態では、第三の包囲部材たる二つの内側くさび26,28のそれぞれが、複数のすり割り部78を有するコレット形態を有して構成されていたが、それら各内側くさび26,28を、周方向に対向する分割面を有する複数の分割体にて、構成しても良いのである。
【0067】
また、そのような第三の包囲部材としての内側くさび26,28の取付穴14内への配置個数も、複数個であれば、前記実施形態に示されるものに、何等限定されるものではなく、それらの配置個数が三個以上であっても良いのである。なお、第三の包囲部材の取付穴内への配置三個以上と為す場合には、第二の包囲部材の取付穴内への配置個数を、それと同数としても良い。
【0068】
さらに、前記実施形態では、取付穴14内に挿入された工具74の、主軸10の基部側への移動を規制する規制部材が、ガイド20にて構成されていたが、かかる規制部材は、取付穴14の底面と工具74の端面との間に、それらに接触して介在せしめられることにより、主軸10の基部側への工具74の移動を規制し得るものであれば、その構造や形状、配設個数等が、特に限定されるものでないことは、勿論である。
【0069】
更にまた、前記実施形態では、ドロー・バー16と、第一の包囲部材たる基部側くさび18と、第二の包囲部材たる外側くさび22,24と、第三の包囲部材たる内側くさび26,28のそれぞれの外周面や内周面に、テーパ面30,36,38,58,60,68,80,84が形成され、それらのテーパ面同士の間で、第一、第二、及び第三の楔機構が構成されていたが、ドロー・バー16と基部側くさび18との間や、基部側くさび18と外側くさび22,24との間、外側くさび22,24と内側くさび26,28との間に、それぞれ所定のテーパ面を有する楔機構構成部材を介在せしめることにより、第一、第二、及び第三の楔機構を形成するように為すことも、可能である。
【0070】
加えて、前記実施形態では、本発明を、マシニングセンタの高速回転可能な主軸に工具を固定するためのチャッキング装置に適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、マシニングセンタ以外の工作機械の回転軸に、工具や工作物を固定するためのチャッキング装置の何れに対しても、有利に適用され得ることは、勿論である。
【0071】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従うチャッキング装置にあっては、回転軸の取付穴内に挿入された物品を、回転軸の回転時において、その回転速度の高低に拘わらず、十分に大きな把持力をもって、確実に且つ安定的に把持し得る状態で、取付穴内に固定することが出来、しかも、回転軸の回転状態下での、かかる物品の回転軸先端部からの突出量の変化を極めて有利に防止することが出来るといった、近年の工作機械における回転軸の高速化に十分に対応可能な優れた把持特性が、有利に発揮され得るのであり、以て、そのような回転軸が高速回転せしめられる工作機械等に対して、極めて好適に使用され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有するチャッキング装置の一例を示す縦断面説明図であって、上半分は、ドロー・バーを主軸の取付穴内から引込移動せしめることにより、取付穴内に挿入された工具を把持せしめて、固定した状態を示し、下半分は、ドロー・バーを主軸の取付穴内に向かって突入移動せしめて、取付穴内に挿入された工具の把持力を緩めて、固定状態を解消した状態を示している。
【図2】図1に示されたチャッキング装置を構成するドロー・バーの正面説明図である。
【図3】図2におけるIII矢視説明図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面説明図である。
【図5】図1に示されたチャッキング装置を構成するガイドの拡大正面説明図である。
【図6】図5におけるVI矢視説明図である。
【図7】図1におけるVII−VII断面説明図である。
【図8】図1におけるVIII−VIII断面説明図である。
【符号の説明】
10 主軸 12 チャッキング装置
14 取付穴 16 ドロー・バー
18 基部側くさび 20 ガイド
22,24 外側くさび 26,28 内側くさび
30,80 テーパ面 32 係合突起
36 内側テーパ面 38 外側テーパ面
44 連結部 52 案内面
58,68,86 先端部側テーパ面 60,84 基部側テーパ面
74 工具 76 シャンク

Claims (6)

  1. 所定の回転軸の先端部に設けられる取付穴内に挿入された物品を、その外周部において把持した状態で、該取付穴内に固定せしめるチャッキング装置にして、
    棒状形態を有し、前記回転軸の取付穴内における前記物品の挿入部位よりも該回転軸の基部側において、該回転軸と同一軸心上に延出する状態で、該回転軸の軸心方向に移動可能に配置されるドロー・バーと、
    該ドロー・バーを、前記回転軸の基部側に向かって引張して、移動せしめる引張機構と、
    前記回転軸の取付穴内において、前記ドロー・バーにおける、前記取付穴内の物品挿入部位側の先端部を包囲した状態で、該回転軸の径方向外方に変位可能に配置される第一の包囲部材と、
    該第一の包囲部材と前記ドロー・バーの先端部とを、前記回転軸の先端部に向かうに従って次第に大径化する、互いに対応したテーパ面同士において摺動可能に接触させて、前記回転軸の基部側へのドロー・バーの移動に伴って、該テーパ面同士を摺動させることにより、該第一の包囲部材を該回転軸の径方向外方に変位せしめる第一の楔機構と、
    前記回転軸の取付穴内において、前記第一の包囲部材を更に包囲する一方、該取付穴における前記物品挿入部位の内周面に取り囲まれた状態で、該回転軸の軸心方向に変位可能に配置される第二の包囲部材と、
    該第二の包囲部材と前記第一の包囲部材とを、前記回転軸の先端部に向かうに従って次第に大径化する、互いに対応したテーパ面同士において摺動可能に接触させて、該回転軸の径方向外方への該第一の包囲部材の変位に伴って、該テーパ面同士を摺動させることにより、該第二の包囲部材を該回転軸の基部側に変位せしめる第二の楔機構と、
    前記回転軸の取付穴内の物品挿入部位において、前記第二の包囲部材に包囲されると共に、該取付穴内に挿入された前記物品の被挿入部位を包囲し得るように、該回転軸の軸心方向に並べられた状態下で、該回転軸の径方向内方に変位可能にそれぞれ配置される複数の第三の包囲部材と、
    該複数の第三の包囲部材のそれぞれと前記第二の包囲部材とを前記回転軸の先端部に向かうに従って次第に小径化する、互いに対応したテーパ面同士においてそれぞれ摺動可能に接触させて、該回転軸の基部側への該第二の包囲部材の変位に伴って、該テーパ面同士を摺動させることにより、それら各第三の包囲部材を該回転軸の径方向内方にそれぞれ変位せしめて、前記取付穴内に挿入された前記物品の被挿入部位を、各第三の包囲部材にて把持せしめ得るようにした複数の第三の楔機構と、
    前記回転軸の取付穴の底面と該取付穴内に挿入された前記物品の被挿入部位の端面との間において、それら底面と端面とに接触して介在せしめられるように、該取付穴内に配置されて、該取付穴の底面と該物品との間の距離が一定の距離よりも小さくなることを規制する規制部材とを、
    含んで構成したことを特徴とするチャッキング装置。
  2. 前記第二の包囲部材が、前記回転軸の軸心方向に対向する分割面を有するように、前記複数の第三の包囲部材と同一の数で分割された複数の分割体にて構成され、それら各分割体と各第三の包囲部材との間に、前記第三の楔機構がそれぞれ設けられると共に、かかる複数の分割体のうち、該回転軸の最基部側に位置するものを除いた分割体が、それよりも基部側に位置する分割体との間で該第三の楔機構を形成する前記第三の包囲部材に係合せしめられて、該第三の包囲部材における該回転軸の基部側への変位に応じて、それと同方向に変位せしめられるようになっている請求項1に記載のチャッキング装置。
  3. 前記第一の包囲部材が、前記回転軸の周方向に対向する分割面を有するように分割された複数の分割体にて構成されると共に、それら複数の分割体が、該回転軸の周方向への各分割体の変位を規制する一方、該回転軸の径方向への各分割体の変位を案内する案内面を備えた案内部材に組み付けられた状態で、該回転軸の前記取付穴内に配置されるようになっている請求項1又は請求項2に記載のチャッキング装置。
  4. 前記規制部材が、前記案内部材を有している請求項3に記載のチャッキング装置。
  5. 前記複数の第三の包囲部材のうち、前記取付穴の開口部と対向して位置せしめられるものにおける該開口部との対向部位に、該回転軸の先端部に向かうに従って次第に大径化するテーパ面が形成される一方、該取付穴の開口部に、かかる第三の包囲部に形成されたテーパ面に対応したテーパ面が形成されて、それら第三の包囲部と取付穴の開口部のそれぞれのテーパ面にて、該第三の包囲部材における該回転軸の基部側への変位に伴って、該第三の包囲部を該回転軸の径方向内方に変位させる第四の楔機構が、更に設けられている請求項1乃至請求項4の何れかに記載のチャッキング装置。
  6. 前記ドロー・バーの先端部と前記第二の包囲部材との間に、互いに係合し、該ドロー・バーの前記回転軸の先端部側への移動に伴って、それと同一の方向に該第二の包囲部材を変位せしめる係合部が、それぞれ設けられている請求項1乃至請求項5の何れかに記載のチャッキング装置。
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