JP3597220B2 - 工作物取付治具 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の属する技術分野
この発明は,中空状工作物の内面を加工することができる工作物取付治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作物用コレットチャックとしては、例えば、実開昭63−91311号公報に開示されたものがある。該工作物用コレットチャックは、基体に対し進退摺動自在に装着されたコレットスリーブと、コレットスリーブに進退摺動自在に貫挿されたコレットと、基体に対しコレットを前進方向に付勢する前進用ばねと、コレットを閉じるようにコレットに対しコレットスリーブを前進方向に付勢するクランプ用ばねとから構成され、コレットスリーブとコレットとの間にはコレットに対しコレットスリーブをクランプ用ばねに抗して後退し得るコレット開閉スペースとコレットスリーブの後退時に両者が互いに係合する係合手段とが具備されている。そして、回転主軸の先端には偏心位置に駆動ピンが弾性的に突出して取り付けられ、該駆動ピンが工作物に形成した孔に弾性的に挿入されて工作物を回転させ、また、工作物の軸部の一端をクランプレストにばねとねじで取り付けると共に、他端をコレットのばね力で押圧して取り付けたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような工作物用コレットチャックでは、中空部を持つ工作物をコレットチャックで保持して切削加工する場合に、該工作物の両端部における中空内面、或いは長尺の工作物を長手方向に沿って切削加工する必要がある時には、工作物の一方の端部内面を加工した後、工作物をコレットチャックから一旦取り外し、工作物の支持端部を逆側端部の把持に換え、工作物の反対側端部をコレットチャックで再び把持して工作物の他端部側から中空内面を切削加工しなければならない。そのため、工作物のコレットチャックによる一回目のチャッキングと二回目のチャッキングとの間にチャッキング誤差が発生し、工作物の中空内面の切削加工の同軸度が零にならず、加工誤差が発生するという問題がある。
【0004】
そこで、この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、中空状工作物の中空内径に対する旋削加工において、前加工工程で旋削仕上加工された外径及び工作物のフランジ部端面の加工基準を本加工工程での加工基準とし、工作物をコレットによってチャッキングして工作物の中空内径を仕上加工するものであり、工作物の中空内径を切削加工する時に、コレットでの工作物のチャッキングを一回のチャッキングで済ませ、工作物の両端側からの中空内径の旋削加工を可能にし、工作物のつかみ換えに伴うチャッキング誤差の発生を無くし、工作物の旋削加工における同軸度を維持して加工誤差の発生を無くし、工作物の中空内径の超精密加工を可能にした工作物取付治具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は,ケーシングに軸受を介して回転可能に支持され且つ回転駆動手段で回転駆動される中空状主軸,前記主軸内で摺動可能に嵌合され且つ中空内面にテーパ面を備えた中空状作動筒,前記作動筒を前記主軸内で摺動可能に移動させる作動筒移動手段,前記作動筒内に嵌合され且つ前記作動筒の摺動によって前記作動筒の前記テーパ面で押圧されて縮径して前記工作物を支持する工作物支持部を有するコレット,前記コレットの前記端面が当接する前記工作物のフランジ部,及び前記フランジ部における加工基準面を押圧して第1面板を介して前記主軸に固定されるクランプを有し,前記作動筒の摺動によって前記作動筒が前記コレットを押し付けて前記コレットの前記端面と前記クランプとの間に前記工作物の前記フランジ部が挟持され且つ前記コレットの前記工作物支持部が前記工作物を支持することを特徴とする工作物取付治具に関する。
【0006】
更に、この工作物取付治具は、前記作動筒内に嵌合されて前記主軸の他端部に固定される第2面板を介して取り付けられた内筒、及び前記内筒と前記コレットとの内面側に跨がって延び且つ前記工作物の一部を収容できる中空状保護筒を有している。
【0007】
また,この工作物取付治具において,前記工作物を前記コレットに嵌合して前記工作物の前記フランジ部を前記コレットの前記端面に当接させると共に前記フランジ部の前記加工基準面に前記クランプを当接させることによって,前記工作物の長手方向の位置決めが達成できるものである。
【0008】
また、この工作物取付治具において、前記作動筒移動手段で前記作動筒を軸方向に移動させて前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの外面を押圧して前記工作物支持部の内径を縮径させて前記コレットの内面を前記工作物の外面に設けた加工基準面に押圧することによって、前記工作物の径方向の位置決めが達成できるものである。
【0009】
また,この工作物取付治具において,前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの前記外面のテーパ面を押圧して前記コレットの前記工作物支持部の内径を縮径させるための前記作動筒移動手段は,前記作動筒を前記コレット側へばね力で摺動させる前記作動筒と前記第2面板との間に配置されたスプリングである。また,前記スプリングのばね力に抗して前記作動筒の前記テーパ面を前記コレットの前記外面の前記テーパ面から離脱させるコレット解放シフターを有している。
【0010】
また,この工作物取付治具において,前記コレットの前記内面には前記保護筒の外面の一部が一体構造に固着され,前記保護筒が前記コレットから延び出しているものである。
【0011】
この工作物取付治具は,上記のように構成されているので,前記工作物を一回のチャッキングによって前記工作物の中空内径を旋削加工することができる。従って,前記コレットによる前記工作物のつかみ換えを行う必要なく,前記工作物の同軸度を維持した状態で前記工作物の旋削加工が可能になり,超精密加工を可能にする。
【0012】
また,この工作物取付治具は,前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの外面のテーパ面を押圧して前記コレットの前記工作物支持部の内径を縮径させるための前記作動筒移動手段は,前記作動筒を前記コレット側へばね力で摺動させる前記作動筒と前記第2面板との間に配置されたスプリングであるので,前記工作物をクランプする力は前記スプリングであり,前記スプリングは前記第2面板前記作動筒の間に内封されており,前記スプリングのばね力には外部からの力が作用することがなく,前記工作物には振動等が発生ず或いは振動等が伝達されずに,前記工作物に対する精密加工が可能になる。
【0013】
発明の実施の形態
以下,図面を参照して,この発明による工作物取付治具の一実施例を説明する。図1はこの発明による工作物取付治具の一実施例を示す断面図,図2は図1の工作物取付治具によってチャッキングされる工作物の一例を示し且つ図3の線C−Cにおける断面図,図3は図2の工作物を示す端面図,図4は図1の工作物取付治具におけるコレットの一実施例を示す断面図,及び図5は図4のコレットを示す端面図である。
【0014】
この工作物取付治具は、中空状の工作物2の中空部2Hの内径を旋削加工するため、旋削加工する工作物2をチャッキングすることができる旋盤の主軸台である。この工作物取付治具に取り付けられる中空状の工作物2は、例えば、図2及び図3に示すように、長手方向に貫通した中空部2Hが形成されていると共に、その外面にフランジ部17を備えたものである。工作物2は、この工作物取付治具に取り付けられるのに先立って、フランジ部17の両側面即ち両端面24,31とフランジ部17に隣接した外周面21,32を他の加工機によって加工基準面として予め旋削したものである。この工作物取付治具に工作物2をチャッキングして取り付け、工作物2は中空部2Hの内径、例えば、内径33,34,35,36が旋削加工される。なお、工作物2のフランジ部17には、他の部品への取付孔30が形成されている。
【0015】
この工作物取付治具は、ベース等に設置されたケーシング1、ケーシング1に一対の軸受11を介して回転可能に支持された中空状主軸3、中空状主軸3にキー26によって固定されたプーリ18、及び中空状主軸3を回転駆動するためにプーリ18に掛けられた駆動ベルト19を有している。一方の軸受11はケーシング1と主軸3との間に直接配置され、他方の軸受11はケーシング1に配置された支持部材29と主軸3との間に直接配置されている。主軸3の端面には、工作物2を保持するクランプ7を取り付けるために第1面板である面板12を介して一対のクランプ7(図1では上下のクランプ)がボルト28でそれぞれ固定されている。コレット5の端面には面板12が係合する段部44が形成され、該段部44に面板12が係合することによってコレット5が一次的に係止されている。面板12と支持部材29及び軸受11との間にはドレン穴41を形成するように中間部材42が介在しており、中間部材42と面板12には、カバー25が取り付けられている。主軸3の他端面には、第2面板である面板13がボルト51で固定され、面板13と軸受11及びケーシング1との間に中間部材43が介在され、中間部材43と面板13には、カバー38が取り付けられている。
【0016】
この工作物取付治具は、特に、主軸3内で長手方向に摺動可能に嵌合された中空状作動筒4、工作物2をチャッキングするため作動筒4によって縮径される工作物支持部50を有しているコレット5、及びコレット5に嵌合した工作物2のフランジ部17の端面31即ち加工基準面を押圧する各クランプ7を有している。更に、この工作物取付治具は、作動筒4内に嵌合されて主軸3の他端部に固定される第2面板13を介して取り付けられた内筒6、及び内筒6とコレット5との内面側に跨がって延びる中空状保護筒8を有している。工作物2は、その加工基準面がコレット5に嵌合し、その他の部分は保護筒8内に遊嵌した状態で収容して設定される。保護筒8は、ゴム、合成樹脂等で作製することができ、作動筒4の摺動移動がスムースに行えるように、旋削可能で発生する切粉等の異物が作動筒4側に侵入するのを防止するため設けられているものである。
【0017】
この工作物取付治具では、工作物2は、そのフランジ部17によってコレット5の端面23と上下のクランプ7の各端面39とで挟持して把持される。作動筒4は、その端部の中空内面14が端面側に拡開するテーパ面に形成されている。また、コレット5の工作物支持部50の外面15は、作動筒4のテーパ面に対応した形状を有するテーパ面に形成されている。この工作物取付治具において、コレット5は、主軸3の一端部にボルト28で固定された面板12によって抜け出さないように、作動筒4内に嵌合されて主軸3に取り付けられている。コレット5の工作物支持部50には、コレット5の外面15が作動筒4のテーパ面で押圧されてコレット5の内径が弾性変形して縮径されるように、長手方向に延び且つ周方向に隔置して複数のスリット37が形成され、コレット5の工作物支持部50は弾性を有する部材で作製されている。また、クランプ7は、面板12に対向して配置され、ボルト27によって面板12を介して主軸3に固定されるものである。
【0018】
この工作物取付治具では、作動筒4は、主軸3内でコレット5と保護筒8との外面とに跨がって延び、そこで長手方向に摺動移動できるように組み込まれている。作動筒4と第2面板13との間には、スプリング10が配置されている。スプリング10の一端部が作動筒4の端部の複数箇所に形成された切欠き49に収容された状態で配置されている。スプリング10は、符号Bで示すように、そのばね力で作動筒4をコレット5側へばね力で摺動させ、作動筒4がコレット5側へ押し付けられ、作動筒4のテーパ面(内面14)でコレット5の外面15のテーパ面を押圧してコレット5の工作物支持部50の内径を縮径させることができる。
【0019】
また、この工作物取付治具において、コレット5は、面板12による押圧力で作動筒4に把持されるものではなく、スプリング10のばね力によって工作物2と共に作動筒4とクランプ7とで挟持されるものである。即ち、コレット5は作動筒4で図1の右方向(B方向)に押し付けられ、コレット5の端面23が工作物2の加工基準面即ちフランジ部17の端面24に押し付けられ、それによってフランジ部17の端面31がクランプ7の端面39に当接し、コレット5と工作物2とは作動筒4とクランプ7とで挟持されて固定され、工作物2の位置決めが達成される。
【0020】
また、第2面板13で主軸3に固定された内筒6には、コレット解放シフター16が摺動可能に取り付けられている。コレット解放シフター16は、アクチュエータによって内筒6上を摺動可能に作動されるものであり(図示せず)、コレット解放シフター16には、第2面板13の貫通孔に嵌合したカラー9内を通じて作動筒4の端部に形成されたねじ孔に螺入されたねじ22を有している。即ち、コレット解放シフター16におけるねじ22をねじ孔に螺入してコレット解放シフター16に作動筒4を固定されている。コレット解放シフター16をアクチュエータの作動によってスプリング10のばね力に抗して作動筒4を符号Aで示す方向に移動させ、作動筒4のテーパ面をコレット5の外面15のテーパ面から離脱させることによって、工作物2はコレット5から解放される。
【0021】
この工作物取付治具は、上記のように構成されているので、工作物2を作動筒4に嵌合するには、工作物2のフランジ部17が上下のクランプ7の干渉を避けるように工作物2を作動筒4に挿入すればよい。また、工作物2をコレット5とクランプ7とで把持するには、工作物2をコレット5に嵌合して工作物2のフランジ部17をコレット5の端面23に当接させ、次いで工作物2のフランジ部17がクランプ7の端面39に対向するように工作物2を回転させる。次いで、スプリング10のばね力で作動筒4をB方向に移動させ、コレット5の端面23を工作物2のフランジ部17の端面24にばね力で押圧して工作物2のフランジ部17の端面31をクランプ7の端面39に当接させ、工作物2をコレット5とクランプ7とで挟持して把持する。即ち、フランジ部17の加工基準面31にクランプ7の端面39を当接させてフランジ部17を挟持することによって、工作物2の長手方向の位置決めを達成することができる。また、作動筒4を軸方向に移動させて、作動筒4のテーパ面(内面14)でコレット5の外面15のテーパ面を押圧し、工作物支持部50の内径を縮径させて、コレット5の内面20を工作物2の外面21に設けた加工基準面に押圧することによって、工作物2の径方向の位置決めを達成することができる。
【0022】
この発明による工作物取付治具は、工作物2をコレット5に取り付けるに際し、工作物2の内径の同軸度を2μm以下の精度、好ましくは±0であることを要求されるものに適用して好ましいものである。また、この工作物取付治具では、工作物2の径方向の加工基準は工作物2の外径である外周面21であり、また、工作物2の長手方向の加工基準は工作物2のフランジ部17の端面31、従って、コレット5の端面23に当接する端面24である。この工作物取付治具では、工作物2の内径33,34,35に対する加工はクランプ7側から旋削加工を行い、工作物2の内径36に対する加工はコレット解放シフター16側から旋削加工を行うものである。従って、従来の旋削加工で行っていた一方向からの加工、即ち、フランジ部17側からの旋削加工では、加工長さLと加工径Dとの比L/Dが超精密加工での許容限度を超えていたが、この工作物取付治具を使用すれば、許容限度を超えることがない超精密加工を達成できる。
【0023】
この工作物取付治具に設定する工作物2については、加工基準は、例えば、次のようにして精密仕上加工で形成される。工作物2のフランジ部17の反対側の外径の外面48を加工機のクランプ(図示せず)にチャッキングし、フランジ部17側の内径35を利用してセンタ支持する。この支持状態で、内径旋削のための加工基準面となる工作物2の外径即ち外周面21,32を旋削加工すると共に、加工基準面となるフランジ部17の両端面24及び31を旋削加工する。これらの旋削加工は、加工機のクランプの一回のチャッキングで旋削加工を完了し、工作物2のつかみ換えは行わず、つかみ換えによる同軸度の振れは発生せず、同軸度を0で達成できる。
【0024】
この発明による工作物取付治具は、上記のように構成されているので、工作物2の内径33〜36を次のような手順で旋削加工することができる。まず、作動シリンダ、フォーク45等で構成されているアンクランプ用アクチュエータ46を作動し、コレット解放シフター16をコレット5から離れる方向(図1の左方向)に移動させる。コレット解放シフター16の左方向の移動によって、ねじ22でコレット解放シフター16に固着されている作動筒4が左方向(符号Aで示す方向)に移動する。作動筒4がA方向に移動すれば、作動筒4の内面14のテーパ面がコレット5の外面15のテーパ面から外れることになり、コレット5は弾性変形で縮径している状態が解放され、拡径した解放状態になる。
【0025】
工作物2には対向する二方向にフランジ部17が延びているので、工作物2のフランジ部17をクランプ7の爪部(端面39に対応する部分)を避けてコレット5に嵌入し、次いで、工作物2を回転させてフランジ部17をクランプ7の爪部即ち端面39に係止させる。工作物2をコレット5に嵌入して配置した後に、アンクランプ用アクチュエータの作動を停止し、コレット解放シフター16の左方向への移動から解放する。コレット解放シフター16からスプリング10のばね力に抗する力が解放されると、スプリング10のばね力によって作動筒4が図1の右方向(B方向)に摺動移動する。
【0026】
作動筒4のB方向の移動によって作動筒4の内面14のテーパ面がコレット5の外面15のテーパ面を押圧し、コレット5の工作物支持部35を半径方向内向きに弾性変形させて縮径してコレット5は工作物2を把持すると共に、コレット5を僅かにB方向に移動させてコレット5の端面23を工作物2のフランジ部17の端面24に押し付け、工作物2はクランプ7側に押し付けられる。従って、工作物2のフランジ部17の端面24はコレット5の端面23に当接され且つフランジ部17の端面31はクランプ7の端面39に当接し、工作物2は長手方向の位置決めが達成される。更に、コレット5の工作物支持部50は半径方向内向きに弾性変形して縮径し、工作物2の外面21がコレット5の内面20によって挟持され、工作物2の径方向の位置決めが達成される。
【0027】
この工作物取付治具では、上記のように工作物2がコレット5とクランプ7とで把持されて長手方向の位置決めと径方向の位置決めが行われた状態で、モータ(図示せず)で駆動ベルト19を駆動し、プーリ18を介して主軸3が回転される。主軸3の回転によって工作物2が回転される。そこで、工作物2のクランプ7側からバイト(図示せず)が挿入され、該バイトによって工作物2の内径33,34,35が旋削仕上加工されると共に、工作物2のコレット解放シフター16側からバイト(図示せず)が挿入され、該バイトによって工作物2の内径36が旋削仕上加工される。工作物2に対して所定の旋削仕上加工を行うと、それぞれのバイトは後退する。そこで、駆動ベルト19を通じて回転している主軸3の回転が停止し、主軸3を割り出し、次いで、アンクランプ用アクチュエータ46を作動し、コレット解放シフター16を図1の左方向に移動させる。コレット解放シフター16の左方向の移動によって、作動筒4がA方向に移動する。作動筒4がA方向に移動すれば、作動筒4はコレット5を解放し、工作物2をクランプ7の爪部から離れる位置に回転させて工作物2はコレット5から取り出される。この工作物取付治具では、以上の作動を繰り返して工作物2に対して所定の旋削加工を行うことができる。
【0028】
次に,図6及び図7を参照して,工作物取付治具におけるコレットの別の例を示す。図6はコレットの別の例を示し且つ図7の線D−Dにおける断面図,及び図7は図6のコレットを示す端面図である。コレット5の工作物支持部50に形成されたスリット37を埋めるため収縮可能な弾性部材40が固着されている以外は図4に示すコレットと同一の構成であるので同一部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する。コレット5のスリット37に弾性部材40を埋め込むことによってコレット5と作動筒4,或いはコレット5と工作物2との隙間に切粉が侵入することを防止できる。弾性部材40としては,可撓性で耐油性のシリコンゴム等で作製できる。しかも,弾性部材40は,コレット5が作動して工作物2を把持する時には圧縮され,また,コレット5が工作物2を解放する時には伸びるので,コレット5によて工作物2に対する作用に障害は発生しない。
【0029】
また、図8を参照して、この工作物取付治具の別の実施例を説明する。図8は図1の工作物取付治具におけるコレットの他の実施例を示す断面図である。この実施例は、コレット5の内面に保護筒47の外面が固着され、コレット5と保護筒47とが一体構造に構成されている以外は、図6に示すものと同一の構成を有するので同一部材には同一の符号を付して重複する説明を省略する。保護筒47は、弾性部材40と同様に、可撓性で耐油性のシリコンゴム等で作製できる。また、保護筒47は、コレット解放シフター16まで延びる構造に構成でき、その時には、保護筒47の端部を小口が拡開した形状に構成でき、その部分をコレット解放シフター16に固着するように構成することもでき、保護筒47によるシール性をアップすることができる。
【0030】
【発明の効果】
この発明による工作物取付治具は、上記のように構成されているので、次のような効果を有する。即ち、この工作物取付治具は、上記のように主軸内で摺動可能に嵌合された作動筒によってコレットを工作物に対して係脱可能に構成し、工作物の加工基準面を工作物の外周面と工作物のフランジ部の端面とに形成し、外周面の加工基準面に対してコレットの内周面で径方向の位置決めをし、また、フランジ部の端面の加工基準面に対してクランプで長手方向の位置決めをしたので、工作物の工作物取付治具への位置決めがワンタッチで容易に達成できる。しかも、バイトは工作物の両側から工作物内へそれぞれ挿入して工作物の内径を旋削加工できるので、工作物が長尺物であったとしても、旋削加工のため工作物のつかみ換えを行う必要がなく、一回の工作物のチャッキングで旋削加工が完了するので、同軸度を可及的に0に近づけることができ、工作物に対して超精密加工を可能にすることができる。
【0031】
また、この工作物取付治具は、前記作動筒内に嵌合された内筒、及び前記内筒と前記コレットとの内面側に跨がって延び且つ前記工作物の一部を収容できる中空状保護筒を有しているので、前記工作物を旋削加工した時に発生する切粉が前記作動筒の摺動面に入り込むことがなく、前記作動筒の作動をスムースに行うことができる。また、前記工作物の長手方向の位置決めは、前記工作物を前記コレットに嵌合して前記工作物の前記フランジ部を前記コレットの端面に当接させると共に前記フランジ部の前記加工基準面に前記クランプを当接させて前記フランジ部を挟持させることによって簡単に且つ正確に達成できる。更に、前記工作物の径方向の位置決めは、前記作動筒移動手段で前記作動筒を軸方向に移動させて前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの外面を押圧して前記工作物支持部の内径を縮径させて前記コレットの内面を前記工作物の外面に設けた加工基準面に押圧することによって簡単に且つ正確に達成できる。
【0032】
また、この工作物取付治具において、前記作動筒を前記コレット側へばね力で摺動させる前記作動筒と前記第2面板との間に配置されたスプリングによって、前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの外面のテーパ面を押圧して前記コレットの前記工作物支持部の内径を縮径させることができ、前記スプリングのばね力を適正に設定しておけば、該ばね力によって前記工作物を把持すると共に、前記工作物の長手方向の位置決め及び径方向の位置決めを直ちに且つ的確に達成できる。また、コレット解放シフターの作動によって前記スプリングのばね力に抗して前記作動筒の前記テーパ面を前記コレットの外面のテーパ面から離脱させることができ、前記工作物に対する前記コレットの係脱が良好に達成できる。
【0033】
ところで、従来の工作物取付治具のように、工作物をフォーク等のアクチュエータで保持した場合には、主軸が旋削加工をしている間は常にシフターを押し付けていなければならない。このようなシフターは、一般に円板形状であり、主軸と共に回転しているので、シフターを工作物の把持のため押圧し続けると、フォークにローラ等を使用した機構であっても、シフターとフォークとの接触部分に発生する振動が工作物に対する加工精度に悪影響を与えることになる。しかも、シフターとフォークとが接触部分が径年変化によって荒れてきて振動は一層大きく成る要因になる。また、アクチュエータの作動音、即ち、シリンダ等を利用しているアクチュエータはシリンダへ与える圧力変動に伴って発生する振動音も、工作物の精密加工に悪影響を与えるという問題があった。
【0034】
しかしながら、この発明による工作物取付治具は、前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの外面のテーパ面を押圧して前記コレットの前記工作物支持部の内径を縮径させるための前記作動筒移動手段は、前記作動筒を前記コレット側へばね力で摺動させる前記作動筒と前記第2面板との間に配置されたスプリングであるので、前記工作物をクランプする力は前記スプリングであり、前記スプリングのばね力は前記第2面板ト前記作動筒の間に内封されており、外部からの力が作用しておらず、振動等が発生せず、工作物に対する精密加工が可能になる。
【0035】
また、前記コレットの前記工作物支持部には周方向に隔置して長手方向に延びるスリットが形成されているので、前記コレット自体は良好な可撓性で且つ弾性を有することになり、前記工作物の把持を前記作動筒の作動でワンタッチで行うことができる。或いは、前記コレットの内面には前記保護筒の外面の一部が一体構造に固着され、前記保護筒が前記コレットから一体的に延び出しているので、前記作動筒に対する切粉の侵入を一層確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による工作物取付治具の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の工作物取付治具によってチャッキングされる工作物の一例を示し且つ図3の線C−Cにおける断面図である。
【図3】図2の工作物を示す端面図である。
【図4】図1の工作物取付治具におけるコレットの一例を示す断面図である。
【図5】図4のコレットを示す端面図である。
【図6】図1の工作物取付治具におけるコレットの別の例を示し且つ図7の線D−Dにおける断面図である。
【図7】図6のコレットを示す端面図である。
【図8】図1の工作物取付治具におけるコレットの別の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 工作物
3 主軸
4 作動筒
5 コレット
6 内筒
7 クランプ
8,47 保護筒
9 カラー
10 スプリング
11 軸受
12,13 面板
14 作動筒の内面(テーパ面)
15 コレットの外面(テーパ面)
16 コレット解放シフター
17 工作物のフランジ部
20 コレットの内面
21,32 工作物の外面(加工基準面)
23 コレットの端面
24,31 フランジ部の端面(加工基準面)
33,34,35,36 工作物の内径
39 クランプの端面
40 弾性部材

Claims (7)

  1. ケーシングに軸受を介して回転可能に支持され且つ回転駆動手段で回転駆動される中空状主軸,前記主軸内で摺動可能に嵌合され且つ中空内面にテーパ面を備えた中空状作動筒,前記作動筒を前記主軸内で摺動可能に移動させる作動筒移動手段,前記作動筒内に嵌合され且つ前記作動筒の摺動によって前記作動筒の前記テーパ面で押圧されて縮径して前記工作物を支持する工作物支持部を有するコレット,前記コレットの前記端面が当接する前記工作物のフランジ部,及び前記フランジ部における加工基準面を押圧して第1面板を介して前記主軸に固定されるクランプを有し,前記作動筒の摺動によって前記作動筒が前記コレットを押し付けて前記コレットの前記端面と前記クランプとの間に前記工作物の前記フランジ部が挟持され且つ前記コレットの前記工作物支持部が前記工作物を支持することを特徴とする工作物取付治具。
  2. 前記作動筒内に嵌合されて前記主軸の他端部に固定される第2面板を介して取り付けられた内筒,及び前記内筒と前記コレットとの内面側に跨がって延び且つ前記工作物の一部を収容できる中空状保護筒を有していることを特徴とする請求項1に記載の工作物取付治具。
  3. 前記工作物を前記コレットに嵌合して前記工作物の前記フランジ部を前記コレットの前記端面に当接させると共に前記フランジ部の前記加工基準面に前記クランプを当接させることによって,前記工作物の長手方向の位置決めが達成できることを特徴とする請求項1又は2に記載の工作物取付治具。
  4. 前記作動筒移動手段で前記作動筒を軸方向に移動させて前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの外面を押圧して前記工作物支持部の内径を縮径させて前記コレットの内面を前記工作物の外面に設けた加工基準面に押圧することによって,前記工作物の径方向の位置決めが達成できることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の工作物取付治具。
  5. 前記作動筒の前記テーパ面で前記コレットの前記外面のテーパ面を押圧して前記コレットの前記工作物支持部の内径を縮径させるための前記作動筒移動手段は,前記作動筒を前記コレット側へばね力で摺動させる前記作動筒と前記第2面板との間に配置されたスプリングであることを特徴とする請求項4に記載の工作物取付治具。
  6. 前記スプリングのばね力に抗して前記作動筒の前記テーパ面を前記コレットの前記外面の前記テーパ面から離脱させるコレット解放シフターを有していることを特徴とする請求項5に記載の工作物取付治具。
  7. 前記コレットの前記内面には前記保護筒の外面の一部が一体構造に固着され,前記保護筒が前記コレットから延び出していることを特徴とする請求項〜6のいずれかに記載の工作物取付治具。
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