JP3834066B2 - 液体栄養剤の物理的安定性を改善するためのゲランガム - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は液体製剤、より詳細には栄養的に完全であり、改善された物理的安定性をもつ液体製剤に関する。
発明の背景
液体栄養産業は年商数十億ドルの産業である。乳児用製剤と医療用栄養剤がこの産業の大部分を占める。乳児用製剤や医療用栄養剤等の「完全栄養」剤は必要レベルのミネラル、ビタミン、タンパク、炭水化物及び脂肪を許容可能な容量で人体に提供するように、有意レベルのこれらの栄養素を含んでいることが必要である。これらの完全栄養剤は製剤摂取者の単独栄養源を構成することができる。カルシウムやリン等の所定のミネラルの存在は栄養剤の効力に極めて重要である。しかし、これらの高レベルのミネラル、タンパク及び脂肪の存在は、これらの製剤の製造及び使用に多数の重大な問題を生じる。
完全栄養液体製剤はクリーム化と沈殿の問題に悩まされてきた。クリーム化は液体栄養剤中の脂肪球が製品の上部に浮遊するときに生じる。これらの脂肪球は硬化し、供給チューブやニップルを詰まらせる恐れがある。沈殿では、液体栄養剤の種々の不溶性成分が製品容器の底部に沈殿する。特に問題となるのは、カルシウム、リン、繊維及びフレーバー末(例えばココア)の沈殿である。ココア末は特に沈殿し易く、沈殿すると再分散しにくい。沈殿が硬化し、「非分散性沈殿」として知られるセメント型物質になると、これらの成分の沈殿は一層悪化する。非分散性沈殿の問題は3点あり、(1)非分散性沈殿は容器を震盪しても再溶解しないことが多いので、液体栄養剤が栄養不足になり、(2)沈殿は供給チューブ又はニップルを塞ぎ、(3)製品外観が悪化し、例えば消費者には「腐っている」ように見える。
液体栄養産業は従来、主にカラゲナンやセルロース等の安定剤の使用により沈殿の低減に努めてきた。従来技術の安定剤系を使用すると非分散性沈殿の形成は遅れるが、防止するには至っていない。本発明の1つの特徴は、ゲランガムが沈殿を完全に防ぐ訳ではないとしても、有意量の非分散性沈殿を形成せずに震盪後に沈殿を再分散できるという知見にある。
完全栄養剤の沈殿とクリーム化の問題に対処するために多数の安定化系が提案されている。しかし、これらの手段は成果が限られている。従来公知の安定化系はミネラル、繊維及びフレーバー末の懸濁時間を延ばすことはできるが、最終的に溶解することはできない。不溶分の安定化系又は懸濁剤としては、イナゴマメガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、λ−カラゲナン、コンニャク粉等が一般に使用されている。これらの安定剤は「非ゲル化」又は「弱ゲル化」型として知られている。これらの安定剤は許容可能な懸濁レベルに達するにはかなり高い添加率(1200ppm以上)が必要であり、その結果、高粘度(>50+cps又は0.05Pa.s)になる。
完全栄養液体製剤の物理的安定性に関連する問題に対処するために、液体栄養剤に加える塩類又はミネラルの微粉化も検討されている。微粉化では塩類及び/又はミネラルを約1μm(10-6m又は「ミクロン」)以下の粒度に粉砕する。塩類及び/又はミネラルの粒度を小さくすると沈殿しにくくなると考えられる。しかし、このアプローチは費用がかかり、一旦沈殿が生じると、一般には容器を震盪しても再分散できない。
カラゲナン、カルボキシメチルセルロース及びグアーガム等の安定剤の使用は固体食品に関して周知である。しかし、固体食品では沈殿やクリーム化は液体栄養剤に比べると殆ど問題にならない。また、カラゲナン及び/又はヒドロコロイドを使用すると、液体栄養剤の所望粘度及び流動性に影響がある。
種々のレベルの剪断応力下の液体経腸栄養剤の粘度は非常に重要な特徴である。高レベルの剪断応力下で高粘度の製品(>0.05Pa.s又は50cps)は経管供給やニップル供給には有効ではない。本明細書及び請求の範囲において「低粘度」なる用語は室温及び60rpmで#1スピンドルを使用するブロックフィールド粘度計で測定した場合に約0.05Pa.s(50cps)未満の粘度をもつ液体栄養剤を意味する。「降伏応力」の面も重要である。降伏応力とは、剪断(dyn/cm2として測定される力)を加えると、製品が経管又はニップル供給に許容できるように流動することを意味する。本発明の1側面は、10〜500ppmのゲランガムが0.1〜1.0dyn/cm2の実測降伏応力値を維持しながら沈殿を減らすという知見に関する。「実測降伏応力」なる用語は、数値モデルから誘導した値でなく、直接測定した値を意味する。
Hwangらの米国特許第5,416,077号は、50〜1,000ppmのι−カラゲナンと場合によりκ−カラゲナンを含有する液体栄養組成物を開示している。しかし、同特許はゲランガムの使用と、完全栄養液体食品でゲランガムを使用することにより実現可能な予想外の結果については開示又は示唆していない。
ClarkのWO94/24887はゲランガムとカルボキシメチルセルロースのブレンドである飲料安定化系を開示している。同出願は、ゲランガム/カルボキシメチルセルロース系が飲料製品に適した弱い安定化ゲル構造を提供することを開示している。同出願は安定化したチョコレートミルクとフルーツジュースを開示しているが、ゲランガムとカルボキシメチルセルロース(CMC)を併用する必要がある。更に、ゲランガムは単独では沈殿を防止するために十分な構造を提供しないと述べている。CMCとゲランガムの飲料安定化ブレンドは約3:1〜20:1の重量比であると開示している。
Colegroveのヨーロッパ特許出願第045437382号は、ゲル化塩浴への押出により製造した包帯や生理用品等のゲランガム繊維の使用を開示している。更に、有用な繊維を製造するために他のガムをゲランガムと同時押出してもよいと開示している。
Clareらの米国特許第5,190,778号及び5,196,220号は、改善された泡安定性と望ましいアルコール分、粘り及び透明度をもつ発酵麦芽飲料(ビール)を開示している。5〜400重量ppmのゲランガムを加えることにより飲料を安定化することを開示している。しかし、これらの特許は完全栄養液体製剤中のカルシウム、リン、不溶性繊維及びフレーバー末(例えばココア)の沈殿に関連する問題を解決するためにゲランガムを使用することについては示唆又は開示していない。
Tangらの論文“Mechanical Properties of Gellan Gels in Relation to Divalent Cations”,Journal of Food Science,Vol.60,No.4,(1995)は種々のポリマー及びカチオン濃度を含むゲランガムの機械的性質について記載している。同論文は、所与のゲランガム濃度でゲルは臨界カチオンレベル未満で伸長性であり、このレベルを越えると脆いと述べている。しかし、この論文は完全栄養液体製剤の安定化に関連する特殊な問題の解決方法や、10〜500ppmのゲランガムの添加によりこのような製剤が改善されることについては示唆又は開示していない。
Hanniganは、Food−Engineering,55(1),52〜53頁にPseudomonas elodeaの制御下の発酵と脱アセチル化により製造されるゲランガムについて記載している。ゲランガムはゲル化にカチオン、好ましくはカルシウムを必要とすると開示している。ゲランガムは食品製造で使用されている数種の商用ゲル化剤の代用として提案されている。用途としては、ゼリー、デザート、レトルト及び超高温(UHT)処理固体食品、飲料及び乳製品(アイスクリーム、チーズ、ヨーグルト等)が挙げられている。
ゲランガムはKelco Division of Merck & Co.からKelcoGel(登録商標)のブランド名で販売されている。ゲランガムは食品、ペットフード、身体ケア製品及び工業用の多機能ゲル化剤として知られている。ゲランガムは米国食品医薬品局により食品での使用を認可され、特にパンフィリング、糖菓、アイシング、フロスティング、グレーズ、ジャム、ゼリー、プディング及び身体ケア製品用に開発されている。
ゲランガムはPseudomonas elodea培養菌ATCC31461の発酵により産生される高分子量細胞外へテロ多糖である。発酵中は、酸素、温度及びpHを厳密に制御する。発酵が完了したらゲランガムをアルコール抽出によりブロスから単離し、乾燥する。ゲランガムは多種多様のカチオン、特にカルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)及び酸からの水素イオン(H+)とゲルを形成することが知られている。これらのカチオンはゲラン分子を会合させ、ゲルを形成する。カルシウムとマグネシウムはナトリウム又はカリウムよりも著しく有効なゲル形成剤であることが知られている。
歴史的に、カルシウムとリンを懸濁させ、沈殿と沈殿凝集を減らすためにカラゲナンが使用されている。高レベルのカルシウム、リン、食物繊維及び他の不溶性物質(例えばココア末)を含む製品は特に沈殿し易く、慣用安定化系は問題が多い。更に、カラゲナンの使用は高レベルのこの安定剤を含有する製品の摂取者の腸刺激原であることがわかっており、全世界では食品でのカラゲナンの使用を許可していない国もある。
従って、カラゲナンの使用を低減又は全廃しながら完全栄養低粘度製剤の物理的安定性を改善する必要がある。本発明の液体栄養剤は乳児用製剤及び医療用栄養剤に特に適しているが、本発明は沈殿の問題を生じていた任意液体栄養剤にも有用であると予想される。
発明の開示
完全栄養液体製剤に理想的な安定剤は少なくとも以下の流動プロフィルを示すことが好ましい。(1)貯蔵中にカルシウム等の不溶性物質を懸濁するように、静置条件下で高粘度をもつゲルとして挙動する。(2)注下又は経管供給時に「水様に流れる」(高い疑似塑性度)。(3)震盪後に撹乱せずにおくと、元の特徴にできるだけ近いゲルを再形成する。本発明はこれらの流動性を示す完全栄養剤の新規安定剤を開示する。
改善された物理的安定性をもつ完全栄養液体製剤が開示され、前記液体製剤は10〜500ppmの濃度のゲランガムを含み、前記濃度は前記液体製剤が約0.1〜約1.0dyn/cm2の実測降伏応力値をもつために十分低く且つ最小限の沈殿でミネラル、繊維及びフレーバー剤(例えばココア末)を懸濁するために十分高い濃度である。
本明細書及び請求の範囲で使用する「百万分率」又は「ppm」なる用語は重量に基づく。
約5〜約35重量%の濃度の懸濁ミネラルを含有する液体栄養混合物を含む液体栄養組成物も開示される。上述のように、液体栄養剤は単独栄養源としてその摂取患者に必要な食物ミネラルの全量を供給しなければならないという点が特殊である。完全栄養剤は5〜35重量%のミネラル(即ちカルシウム、リン等)、より特定的には10〜30重量%、更に特定的には15〜25重量%の食物ミネラルを含み得る。このように高いミネラル含量も、これらの製品に沈殿の問題を生じる一因となっている。
別の態様では、本発明は完全栄養液体製剤の安定剤系としてカルボキシメチルセルロース、カラゲナン及びゲランガムを含み、ゲランガムの濃度は安定系(ゲランガム+カラゲナン+カルボキシメチルセルロース)の合計濃度の5重量%未満である。
沈殿の少ない液体完全栄養食品も開示され、前記液体食品は少なくとも1:4のゲランガム対カラゲナンの重量比でゲランガムとカラゲナンを含み、前記ゲランガムは10〜500ppmの濃度であり、前記液体食品は0.05Pa.s(50cp)未満の粘度をもつ。より好ましい態様では、ゲランガムとカラゲナンの重量比は少なくとも1:5であり、粘度は0.04Pa.s(40cp)未満である。
本発明による液体栄養剤はゲランガムを単独安定剤として使用することが好ましい。ゲランガムは10〜500ppmの濃度が好ましく、より好ましくは20〜400ppm、最も好ましくは50〜100ppmである。
懸濁ミネラルを含み、前記懸濁ミネラルを含めた総固形分が約5〜約35重量%である液体栄養混合物と、10〜500ppmの濃度で液体栄養組成物中に存在するゲランガムから構成される安定化系を含む液体栄養組成物も提供される。
(a)(i)懸濁ミネラル(但し懸濁ミネラルを含めた栄養混合物の総固形分は約10〜約35重量%とする)と、(ii)ゲランガムを含む液体栄養混合物を製造する段階と、(b)混合物を殺菌処理する段階と、(c)組成物が実質的に沈殿しないように液体栄養組成物を無菌パッケージングする段階を含む液体栄養組成物の製造方法も開示される。
(a)約50〜90重量%のタンパク水解物と約500重量%以下の1種以上の無傷のタンパクから構成されるタンパク系と、(b)脂肪源と、(c)炭水化物系と、(d)175〜350ppmの濃度のゲランガムを含む安定剤系を含む液体栄養剤も開示される。
完全栄養液体製剤へのゲランガムの添加方法も開示され、該方法は、(a)(i)ゲランガムの水中分散液又は(ii)ゲランガムと糖の水中分散液を形成する段階と、(b)段階(a)で形成した分散液に金属イオン封鎖剤を加え、溶液を形成する段階と、(c)付加成分を加え、完全栄養液体製剤を形成する段階を含む。
更に、約500cal/l〜約2000cal/lの熱量をもち、約10〜20%タンパク、25〜40%脂肪及び40〜60%炭水化物の熱量分布をもつ液体栄養組成物も開示される。
本発明の別の側面は、約0.1〜1.0dyn/cm2の実測降伏応力(流動が開始する臨界応力)をもつ完全栄養液体製剤を提供する。降伏応力とは、流動変形を開始するために静止流体に加えることが必要な最小剪断応力又は力を意味する。本発明の1側面は、ゲランガムを使用する降伏応力をもつ完全栄養液体製剤が得られるという知見に関係する。本明細書及び請求の範囲で使用する「実測降伏応力」なる用語は、数値モデルから誘導した降伏応力ではなく、物理的測定により測定した静止試料の降伏応力を意味する。降伏応力をもつ利点は、力が加えられるまで栄養剤が移動(流動)しないという点にある。従って、ミネラルはゲル構造により沈殿ないし沈降しないが、製品に(注下、震盪又はポンピングにより)力が加えられると、ゲル構造は容易に壊れ、易流動性液体となる。降伏応力をもつ物質の例はケチャップ、マスタード、練り歯磨き、マヨネーズ及び種々のポリマー溶液である。本発明の1側面は、製品が注下又は消費時の剪断速度で自由に流動するように剪断減粘性である完全栄養液体製剤にある。ゲランガムと液体栄養剤の成分の相互作用により、弱い三次元網目構造が形成されると考えられる。この網目構造は製品エマルション及び懸濁液の安定性を維持する。
食物繊維、大豆多糖及びココア末を含む群から選択される少なくとも1種の材料を含む改善された物理的安定性をもつ完全栄養液体製剤が開示される。この液体製剤は、液体製剤が約0.1〜約1.0dyn/cm2の降伏応力をもつために十分低い濃度である175〜350ppmの濃度のゲランガムを含む安定化系を含む。
完全栄養液体製剤の沈殿低減方法も開示される。本方法は、(1)ゲランガムを緩衝系で水和する段階と、(2)水和したゲランガムをタンパクスラリー、炭水化物スラリー、脂肪スラリー及びその混合物から選択されるスラリーと混合し、ゲランガムスラリーを形成する段階と、(3)ゲランガムスラリーを1種以上のスラリー及び/又はプレミックスと混合し、約10〜約35重量%の総固形分を含み、約0.1〜約1.0dyn/cm2の降伏応力をもつ完全栄養液体製剤を形成する段階を含む。
栄養産業は医療用及び乳児用栄養剤に特殊な問題を解決するために多大な労力を費やしている。これらの完全栄養液体製剤の問題は特殊である。ヨーグルト等の他の食品は平均的ヒトに必要なビタミン、ミネラル、脂肪及びタンパクの全部又は相当部分を送達する必要はない。従って、沈殿及びクリーム化の問題の解決は、この非常に特殊な産業における長年の懸案を満足することになろう。
本発明の他の側面及び利点は、以下の説明、実施例及び請求の範囲に明示される。
発明の詳細な説明
ゲランガムの一次構造は線状四糖反復構造から構成される。各反復単位は、1,3−β−−グルコース、1,4−β−−グルクロン酸、1,4−β−−グルコース及び1,4−α−−ラムノースの4個の糖単位を含む。ゲランガムの分子量は約4×105〜約6×105ダルトンであり得る。これらのガムは約10〜15重量%の水分を含むさらさらした粉末として供給される。
本明細書及び請求の範囲で使用する「ゲランガム」なる用語は、生物Pseudomonas elodeaの発酵により産生される高分子量細胞外へテロ多糖を意味する。Pseudomonas elodeaの発酵が完了したら、粘性ブロスを殺菌し、ガムの回収前に生菌を殺す。ブロスから直接回収すると、その天然形態又は高アシル形態のガムが得られる。アルカリ処理による脱アシル化後に回収すると、その低アシル形態のガムが得られる。アシル基はゲル特性に影響を与えることが知られている。
現在、3形態のゲランガムがKelco Division of Merck & Co.,San Diego,Californiaから市販されている。第1の形態は産業用非清澄形態のゲランガムであるK9A50である。第2の形態は食品及び産業用のKelcoGel(登録商標)ゲランガムである。第3の形態は微生物培地、植物組織培養及び医薬用のGelrite(登録商標)ゲランガムである。本発明の好ましい態様では、KelcoGel(登録商標)形態のゲランガムは商品名KelcoGel(登録商標)、KelcoGel F(登録商標)、KelcoGel BF.BF−10(登録商標)、KelcoGel JJ(登録商標)、KelcoGel IF(登録商標)及びKelcoGel CF.CF−10(登録商標)で市販されている製品である。最適なゲランガムはKelcoGel F(登録商標)である。例えばパイフィリング、ゼリー、ジャム、ヨーグルト等の多くの固体食品はゲランガムを使用している。本発明者らの努力の結果、完全栄養液体製剤に単独ではないとしても主にゲランガムを添加すると優れた成果を達成できることが判明した。ι−カラゲナンが存在する場合には、カラゲナンとカラゲナンの重量比は1:4以上でなければならない。
本発明で有用なカラゲナンの例は、FMC Corporationから商品名Viscarin(登録商標)SA−359で販売されているι−カラゲナンである。Viscarin(登録商標)SA−359は比較的弱いゲル化カラゲナンである。当業者に自明の通り、本発明で有用な種々の形態のゲランガム及びカラゲナンは多数の製造業者から市販されている。
ゲランガム安定剤系を栄養剤に添加する時機は、従来の安定剤を例えばタンパクスラリー、炭水化物スラリー、脂肪スラリーに添加していた任意時点でもよいし、製造終点(パッケージングの直前)でもよい。試行錯誤の結果、ゲランガムの好ましい添加地点は炭水化物/ミネラルスラリーであるがことが判明した。医療用栄養剤は一般に種々の調製スラリー及びプレミックスを混合することにより製造される。ゲランガムはカルシウム等のミネラルカチオンの添加前に緩衝系(即ちクエン酸ナトリウム)で完全に水和すべきである点に留意されたい。例えば0.004重量%といった比較的低濃度でカチオンが存在すると、ゲランガムが水和する温度が高くなる。カチオンに暴露する前にゲランガムを適正に水和すると、適正なレベルの降伏応力が得られ、完全栄養液体製剤でゲランガムの特性が得られる。
完全栄養液体製剤で低濃度のゲランガムを使用すると、栄養マトリックス中にミネラルと脂肪球を有効に保持する比較的弱い三次元網目構造が形成されることが判明した。この弱い三次元網目構造にミネラルを保持することにより、沈殿、クリーム化及び沈降が減る。
ゲランガムの具体的濃度は製品マトリックスの特定型、種類及び他の安定剤の添加に依存して10〜500ppmであり得る。液体栄養剤には多少の流動性が必要である。例えば、製品は約0.1dyn/cm2を上回り、好ましくは1.0dyn/cm2を下回る降伏応力(流動が開始する臨界応力)をもつ。比較として、水は約0.0の降伏応力値をもつ。更に、ゲランガムは液体栄養剤を著しく剪断減粘性にし、製品が注下又は消費時の剪断速度で自由に流動するようにできる。
実施例I
医療用栄養剤におけるゲランガム
呼吸不全患者に栄養は重大な問題である。慢性呼吸疾患患者や呼吸不全入院患者は栄養不良の発生率が高い。人工呼吸器を付けた患者には、呼吸不全患者の特殊要求を満たす医療用栄養剤を投与することが多い。
Pulmocare(登録商標)はRoss Products Division of Abbott Laboratories,Columbus,Ohioから市販されている栄養剤である。Pulmocare(登録商標)は肺病患者の総食物要求を満たすように意図された高脂肪、低炭水化物経腸製剤である。この医療用栄養剤は普通食の補助栄養としても利用できるが、長期人工呼吸患者に経管供給するほうが多い。
本発明によるゲランガムの使用の効果を評価するために、安定化系の存在下及び不在下でPulmocare(登録商標)型医療用栄養剤を調製した。基本製剤は、安定化系を添加しない点を除き、参考資料として本明細書の一部とする米国特許第5,223,285号に記載の方法と同様の方法で調製した。本実施例ではこの製剤を対照として使用する。実験製剤にはKelco Division of Merck & Co.の製品であるKelcoGel F(登録商標)ゲランガム75ppmを加えた。
対照及び実験製剤を0.23kg(8オンス)ガラスびん又は金属缶に充填し、密閉し、撹拌機付きレトルト加熱器で滅菌した。滅菌後の対照及び実験試料を6カ月間静置保存した。
6カ月間保存後に試料の沈殿、粘度、結合沈殿及び非結合沈殿を試験した。沈殿は不溶性のミネラル粒子、変性タンパク等が製剤容器の底に沈降して層を形成する製剤相分離現象である。製剤が老化するにつれ、沈殿は更に沈降して固まり、一層分散しにくくなる。
震盪すると、沈殿は製剤容器の底に止まるか、又は沈殿の分散性に依存して移動し、(場合によりばらばらに)再懸濁する。再懸濁した沈殿粒子又はフレークは数分以内の静置ですぐに懸濁できなくなる。震盪すると再懸濁できるが、静置するとすぐに粒子又はフレークとして再び沈殿する沈殿を「非結合」沈殿と呼ぶ。製剤容器の底に止まる沈殿を「結合」沈殿と呼ぶ。「結合」及び「非結合」沈殿の存在は製剤の機能性、官能性及び栄養品質を悪化させるので極めて有害である。
本発明を評価するために使用した「結合」及び「非結合」沈殿試験は、まず震盪した試料全量を沈殿試験容器に注ぎ、2種の沈殿を分離させた後、以下に記載するような等級に従って各沈殿を目視採点することにより実施した。
「結合」沈殿の等級は実際に沈殿で覆われた元の製剤容器の底の割合に基づいて決定した。容器の底がどの程度結合沈殿に覆われているかに応じて1〜6の数値を割り当てた。
「非結合」沈殿の等級は、試料を移してから最初の2分以内の静置で沈殿試験容器の底に再沈殿した沈殿粒子又はフレークの粒度と分布密度に基づいて決定した。非結合沈殿粒子又はフレークの分布密度も測定した。非結合沈殿の等級では、1〜6の数値を使用して粒子分布密度のレベルを表した。更に、A〜Fの大文字を使用して最大非結合沈殿粒子又はフレークの粒度範囲を表した。数値等級とアルファベット等級を総合して非結合沈殿を評価した。
試料中の結合及び非結合沈殿の分布は試料の震盪度に左右される。従って、再現可能な結果が得られるように機械を使用して試料を均質に震盪した。
結合沈殿の等級
等級説明
1:沈殿なし。
2:容器の底の1/8までが沈殿で覆われている。
3:容器の底の1/8〜1/4が沈殿で覆われている。
4:容器の底の1/4〜1/2が沈殿で覆われている。
5:容器の底の全部ではないが、1/2以上が沈殿で覆われている。
6:容器の底が完全に沈殿で覆われている。
非結合沈殿の等級
等級説明
1:沈殿粒子又はフレークなし。
2:A〜C沈殿粒子又はフレーク2.0個/cm2未満、但し合計C粒子6個以下。
3:A〜D沈殿粒子又はフレーク2.0〜3.9個/cm2、但し合計D粒子2個以下。
4:A〜E沈殿粒子又はフレーク4.0〜7.9個/cm2、但し合計E粒子2個以下。
5:A〜F沈殿粒子又はフレーク8.0〜12個/cm2、但し合計F粒子2個以下。
6:沈殿粒子又はフレーク>12個/cm2、又は合計F粒子>2、又は試料を移してから最初の2分以内の静置で容器の底が沈殿で完全に覆われる。
粒度範囲は以下のよう定義する。
A=0.2〜1.0mm
B=1.1〜2.0mm
C=3.1〜4.0mm
D=4.1〜10.0mm
E=10.1〜20.0mm
F>20.0mm。
試料を機械震盪し、各容器を横に倒して水平位置に置いた。次段階で液体を移すために開けるまで試料容器をその位置に維持した。試料液体を震盪してから移すまでの時間は3.5分以内とした。
蓋を全部外して容器を開け、すぐに適当な寸法の円筒形沈殿試験容器に液体を注いだ。空になった元の試料容器を逆さにしてタオル等に載せ、その後の結合沈殿採点を容易にするために残留液を排出吸収させた。
試料を移してから最低2分間液体試料を入れた円筒形試験容器を静置し、次の非結合沈殿採点に備え、移動再懸濁した沈殿粒子又はフレークを容器の底に沈降させた。
次に、実際に結合沈殿で覆われた試料容器の底の割合を概算することにより、元の試料容器の底に付着したままの結合沈殿を目視採点し、等級数を割り当てた。
試料を移してから2分〜1時間の静置中に円筒形沈殿試験容器の底の非結合沈殿を採点した。面積指標用テンプレート、適正な照明及び沈殿試験容器を使用することにより、粒度>0.2mm(テンプレートの1個の格子の内側)の非結合沈殿粒子又はフレークの数を計数した。格子当たり(cm2当たり)の平均粒子数を計算し、これを使用して非結合沈殿等級を決定した。
室温でRV#1スピンドルを使用するブルックフィールド粘度計で粘度を測定した。
0時及び6カ月に実施した物理的安定性試験の結果を表1に示す。
Figure 0003834066
上記データから明らかなように、製剤の粘度は同等であるが、ゲランガムを加えた製剤のほうが沈殿が著しく少ない。更に、実験製剤は結合及び非結合沈殿のいずれも市販Pulmocare(登録商標)製品に比較して6カ月後の安定性が改善された。カラゲナン等の他の安定剤は沈殿を減らし、粉末添加剤を多少懸濁できるが、許容不能な高粘度となる。高粘度は許容不能な喉ごしと不良な流動性をもたらす。従って、ゲランガムが最低限の粘度増加で物理的安定性を改善できることは特筆に値する。
実施例II
カルシウム及びリン送達
上述のように、医療用栄養剤は意識不明患者又は食物を経口摂取できない患者の単独栄養源であることが多い。これらの患者は一般に鼻腔栄養チューブ又は胃瘻チューブから医療用栄養剤を摂取する。患者に経管供給する場合には、長期間にわたって栄養剤を投与するために経腸ポンプを使用することも一般的である。一般に、約1リットルの医療用栄養剤を24時間にわたってポンプで投与する。栄養剤の貯蔵及び投与中に沈殿が生じると、ミネラル(例えばカルシウム及びリン)の投与量が不十分になり、供給チューブが更に詰まる恐れがある。
本実験では、機械的震盪機を使用して対照及び実験製剤を激しく震盪し、供給チューブポンプセット、8フレンチ経腸供給チューブ及び経腸供給ポンプを接続した経腸供給容器に入れた。模擬8時間供給で30cc/時を送達するようにポンプを設定した。8時間後に各装置から全送達試料を収集し、激しく撹拌して沈殿物質を分散させた。次に、試料のアリコートをカルシウムとリンについて分析した。
表IIは本実験の結果を示す。各成分の強化レベルと強化回収%を記載する。「強化レベル」とは、各成分を製造時に医療用栄養剤に添加するレベルである。強化回収百分率とは、供給チューブを介して送達される各成分の強化レベルの百分率を表す。
Figure 0003834066
上記データは、ゲランガムが8時間供給期間にわたってカルシウムとリンの実質的送達を助長するのに有効であることを明白に示している。更に、0時及び6カ月(0m及び6m)の対照はカルシウム及びリン送達が実質的に低いことも本実験から明らかである。この同一試験を使用したPulmocare(登録商標)製品(40ppmカラゲナン)の先行試験によると、OMの強化回収百分率はカルシウムでは60〜69%であった(4回試験)。4Mの製品値は、カルシウムでは28〜58%であり、リンでは71〜89%であった。これに対して、ゲランガムを使用すると0時及び6カ月貯蔵後のいずれも良好なレベルの送達と安全性が得られる。対照試料及び市販製品中のミネラルは供給されていなかったので、チューブ内に堆積しているか、結合又は非結合沈殿として容器に止まっていると予想される。
実施例III
対照試料に350ppmのι−カラゲナンを加えた以外は、実施例Iの手順と同様に操作した。初期安定性試験の結果を表IIIに示す。
Figure 0003834066
本実施例は、ゲランガムが商業的に使用されているι−カラゲナンに比較して粘度を増加せずに沈殿を抑えるのに非常に有効であることを十分に立証するものである。更に、ゲランガムの添加レベルはιレベルの約20%であった。最も重要な点として、ゲランガムを使用すると結合沈殿量が著しく減少した。
結合沈殿は激しく撹拌しても一般に分散できず、従って、容器の底にトラップされた栄養(Ca、P)は消費者に利用できず、安定剤の不在では製剤が栄養不良になるので、ゲランガムが結合沈殿評点を優位に改善するという事実は重要である。
更に、ゲランガム製剤は貯蔵寿命にわたって付加的クリーム化を生じなかった。
実施例IV
繊維を含有する医療用栄養剤
繊維を摂取する生理的利点が明らかになるにつれ、食物繊維を栄養剤に加えることが近年著しく好まれるようになった。繊維摂取の利点は、下痢の抑制、腸機能の増進及び腸内ビフィダス菌数の改善などである。
医療用栄養剤への食物繊維添加に伴う主要な問題の1つとして、例えば大豆多糖等の多数の望ましい食物繊維源は不溶性であることが多く、元々沈殿や相分離を生じ易い液体栄養剤に加えると、問題が悪化するだけである。典型的な医療用栄養剤は約0.5〜約5.0重量%の大豆多糖等の食物繊維を含む。
医療用栄養産業は疾病固有製品に向かう傾向もある。疾病固有製品の1例は呼吸系機能低下患者を対象とした上述のPulmocare(登録商標)経腸栄養剤である。疾病固有製品の別の例はヒト免疫不全ウイルス感染患者(AIDS)を対象としたAdvera(登録商標)経腸栄養剤である。Advera(登録商標)はRoss Products Division of Abbott Laboratories,Columbus,Ohioから製造販売されている。
この医療用栄養剤は水解大豆タンパクと無傷のタンパクの混合物からなるタンパク系を含む。医療用栄養剤での水解タンパクの使用に伴う問題の1つは製剤の物理的安定性に関係する。タンパクは加水分解中に分解するので、乳化剤として作用する能力が低下する。従って、Advera(登録商標)等の製品には製品安定性の点で(1)不溶性食物繊維と、(2)水解タンパクという2つの未解決の問題がある。
水解タンパクと無傷のタンパクを含む経腸栄養剤の試験はDeWilleらの米国特許第5,514,655号にも記載されている。同特許は沈殿の問題に対する従来技術の試みについても記載している。米国特許第5,514,655号の教示は参考資料として本明細書の一部とする。
Copeらの米国特許第5,403,826号にはAdvera(登録商標)の製造方法が記載されている。米国特許第5,403,826号の教示は参考資料として本明細書の一部とする。
本実験では、50ppmκ−カラゲナンと300ppmι−カラゲナンを含む現行Advera(登録商標)製品を対照組成物として使用した。実験製剤は175、225、275及び350ppmのKelcoGel F(登録商標)ゲランガムを加えた。対照及び実験製剤を繊維沈殿、流速及びカルシウムとリンの送達について評価した。
実施例IIに記載した手順を使用した処、全実験試料はカルシウムとリンの両者とも効能表示レベルの少なくとも125%を送達することが判明した。275ppmゲランガムを加えた実験試料は最良であり、効率は>150%てあった。実験試料の重力流速はゲランガム175ppmの562ml/から、350ppmの318ml/時まで低下した。対照の重力流速は789ml/時であった。Pulmocare(登録商標)製品で観察されるように、ゲランガムの弱いゲル構造は製品を安定化し、カルシウム等の不溶性ミネラルを懸濁するように機能するが、高レベルで使用すると粘度がやや増加し、重力流速が低下することがある。重力供給は一般にAdvera(登録商標)では推奨されていないが、ゲランガムを加えた製剤は剪断減粘性により経腸ポンプ送達が非常に良好であった。ポンピング中に加えられる最小剪断は製剤の粘度を低下させ、適正な流動を可能にするために十分であることが判明した。
全実験試料から回収されたカルシウム及びリンが24時間ポンピング試験で効能表示レベルを上回ることも判明した。試料を透明容器に入れて目視検査した処、対照は1週間以内に認識可能な相分離を生じた。不溶性繊維が沈殿し始めると、認識可能な相分離は非常に明白になった。この欠陥はゲランガムを加えた実験製剤よりも対照製剤のほうが著しく顕著であった。Advera(登録商標)型製品におけるゲランガムの許容レベルは225〜275ppmであり得る。試験した製剤のうちで最良の製剤は約275ppmのゲランガムを加えたものであった。この実験の結果、ゲランガムを加えることによりAdvera(登録商標)型製品を有意に改善できることが判明した。ゲランガムは大豆多糖等の食物繊維と有利に相互作用し、液体栄養剤へのその懸濁を著しく増進すると思われる。更に、ゲランガムは許容可能な流動性に達するために最小限の剪断しか必要としない剪断減粘性軟質ゲルを形成する。
実施例V
1%ココア末を添加し、チョコレートフレーバー入りPulmocare(登録商標)型製剤を調製した以外は実施例Iの手順を使用した。ココア末等のフレーバー末は非常に沈殿し易く、一旦不溶化すると、再分散しにくい硬質沈殿を形成する傾向があるので、医療用栄養剤の物理的安定性を一層悪化させる。典型的医療用栄養剤は、約0.5〜約5.0重量%のココア末等のフレーバー末を含有している。
本実施例の対照製剤は40ppmのκ−カラゲナンを加え、実験製剤は75ppmのゲランガムを加えた。
表IVは初期物理的安定性の結果を示す。
Figure 0003834066
対照及び実験製剤のカルシウム及びリン送達はいずれも約100%強化にほぼ等しかった。
本実施例は、安定剤としてゲランガムを使用すると、結合及び非結合沈殿等級が有意に改善されることを示す。ゲランガムは非常に好ましいカルシウム及びリン送達も実現する。実験(75ppmゲランガム)製剤は更にやや高いゲル評点をもつが、軟質ゲル構造の形成はゲランガムの安定化効果に不可欠であるのでこのような評点は好ましいと予想される。ゲランガムを加えた製剤は貯蔵寿命(12カ月)にわたってクリーム化欠陥が観察されなかった。この試験によると、約75ppmまでのゲランガムを製剤に使用すると、優れた物理的安定性と低粘度(0.05Pa.s未満)をもつチョコレートフレーバー入り医療用栄養剤を製造できると結論することができる。
剪断速度を増しながら各試料の降伏応力値と粘度を測定する追加試験もこれらの試料で実施した。実験製剤は降伏応力0.5677dyn/cm2であり、対照製剤は0.3981dyn/cm2であった。実験製剤の粘度は剪断速度1.292/秒で0.04393Pa.sであった。表Vは剪断レベルの増加に伴う各製剤の粘度を示す。
Figure 0003834066
このデータは本明細書に記載するように本発明を使用した栄養剤の剪断減粘性を立証するものである。本発明による製剤は剪断を加えるとすぐに低下する高い初期粘度をもつことに留意されたい。ゲランガムのこの特性は、本発明が医療用栄養産業の長年の懸案を満足し、医療用栄養剤分野の最新技術を前進するのに加担するものである。更に、本発明の剪断減粘性は栄養剤の喉ごしをよくし、経管供給を助長する。
経管供給又は注下等の実際の使用条件下では剪断減粘性製剤の粘度はかなり低いと思われるので、13往復秒の剪断速度でのブルックフィールド粘度に基づく製品の評価が誤認となる場合もあることも上記データから明らかである。注下(100往復秒)又は経管供給中の粘度は実際に製品性能の特に重要な物理的特徴である。
実施例VI
Ensure(登録商標)はRoss Products Division of Abbott Laboratories,Columbus,Ohioから製造販売されている。上述のように、完全栄養液体製剤でココア末を使用すると、物理的安定性の問題が悪化するだけである。同じく上述のように、これらの組成物中に繊維が存在すると、これらの製剤中の結合及び非結合沈殿の形成が更に増長する。
本実験では、チョコレート風味Ensure(登録商標)の2つのバッチを調製した。対照にはPhiladelphia,Pennsylvaniaに所在のFMCの製品であるViscarin(登録商標)SA−359(ι−カラゲナン)350ppmを加えた。実験製剤には75ppmのゲランガム(KelcoGel F(登録商標))を加えた。試料を802(ml)ガラスびんにパッケージングした後、末端を滅菌した。3、6、9及び12カ月に貯蔵寿命試験を実施した。
どちらの試料も約21重量%固形分、約3.5〜3.6重量%脂肪及び3.7〜3.8重量%タンパクとした。
実施例Iに記載したように結合及び非結合沈殿試験を実施した。物理的安定性試験のデータを表VIに示す。
Figure 0003834066
このデータは、ゲランガムが商業的に受け入れられているカラゲナンの濃度のほぼ5分の1の濃度で非結合沈殿の形成を著しく減らすことを明白に示す。12カ月貯蔵の実験製剤の3Bという等級は、びん変動及び/又は試験者の未熟によると思われる。いずれにせよ、ゲランガム試料の3Bという等級は対照の2倍良好であった。6に対する3という等級は、ゲランガム試料のフレーク又は粒子数が対照の2分の1であることを意味し、Dに対するBという等級は、ゲランガム粒子の粒度が対照粒子の2分の1であることを意味する。更に、3カ月データによると、ゲランガムを加えた実験製剤は2分間静置後に粒子又はフレークが存在しない(非結合沈殿等級1)が、カラゲナンを加えた対照は等級6E(沈殿粒子又はフレーク粒度10.1〜20.0mm)であった。
実施例VII
本実験では、ゲランガムの単独使用をゲランガムと他の市販安定剤の併用及び市販安定剤の単独使用と比較した。基本製剤は製剤237ml当たり食物繊維ブレンド3.8gを含有する繊維入りバニラ風味Ensure(登録商標)とした。繊維ブレンドは24.2%重量オートムギ繊維と75.8重量%大豆多糖とした。対照試料には安定剤系を加えず、実験試料VIIA〜VIIEには表VIIに示すような種々の安定剤を加えた。
対照及び実験製剤を調製し、237mlプラスチック容器に無菌パッケージングした。殺菌処理及びパッケージングに関する情報はPasternakらの米国特許第5,303,325号に記載されている。米国特許第5,303,325号の教示は参考資料として本明細書の一部とする。試料を6カ月間貯蔵した後、実施例Iに記載したように物理的安定性を評価した。6カ月安定性試験の結果を表VIIに示す。
Figure 0003834066
本実験から明らかなように、ゲランガムを単独使用又は他の慣用安定剤と併用すると、無菌充填した完全栄養液体製剤に好ましい安定性が得られる。実際に、ゲランガムを約100ppmで単独使用すると、この種の製品で推奨されている慣用安定剤(Recodan(登録商標))を500ppm添加した場合よりも良好な安定性が栄養剤に提供される。この驚くべき結果は、ゲランガムを単独使用することにより原料及び加工費用を節約できることを意味する。更に、ゲランガムにはカラゲナンや微結晶セルロースで報告されている医療及び規制上の問題がない。
実施例VIII
ゲランガムの添加
本実験では、完全栄養液体製剤の製造中のゲランガムの添加点を検討した。KelcoGel F(登録商標)をゲランガムとして使用して以下に記載するような多数の実験を実験室規模で実施した。
まず、pH2.20のクエン酸を加えた熱水(180°F)にゲランガムを加えた。ガム粉末は溶液に分散したが、溶解はしなかった。KOHを分散液に加え、pHを約12.0にした。約12.0のpHでは、ゲランガムは完全に溶解した。
次の実験では、粉末ガム2gを熱(190°F)コーン油約400gに加えた。温和な撹拌下でガムは分散したが、溶解(水和)はしなかった。
次の試験ではpH7.0の熱水(約185°F)にゲランガムを加えた。約2gのガムを温和な撹拌下に加えると、分散できず、「フィッシュアイ」を形成した。フィッシュアイは凝集(凝集塊を形成)して分散液中に魚の眼に似て見えるゲル球を形成するゲランガム粒子である。分散液のpHを3.0に下げるか、pHを約12に上げると、ガムは溶解しなかった。
次の実験では冷水にゲランガムを加えた後、分散液を175〜185°Fまで加熱した。ガムは容易に分散し、凝集又はフィッシュアイ形成は観察されなかった。次にクエン酸ナトリウム2.02gを加えると、溶液は透明になり、ゲランガムが溶解(水和)したことを示した。
本実験から明らかなように、ゲランガムは凝集塊を形成せずに冷水に加えることができ、クエン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤を加えるとガムは溶解又は水和する。
次の実験ではリン酸三カルシウムの熱水溶液を形成した。次に、温和な撹拌下にゲランガムを加えた。ガムは分散せず、フィッシュアイを形成した。この添加方法は商業的生産には許容できないと思われる。
次の実験では、ゲランガムをスクロースと1:100及び1:10の比(ゲランガム4g:スクロース40g及びゲランガム0.4g:スクロース4g)でドライブレンドし、熱水に加えた。すぐに分散液が形成され、クエン酸ナトリウム2.02gを加えると、ゲランガムは溶解した。1:20の比が最適であることが判明した。
これらの試験の結果、市販品で完全栄養液体製剤にゲランガムを添加する方法は、(a)(i)ゲランガムの水中分散液又は(ii)ゲランガムとスクロース等の糖の水中分散液を形成する段階と、(b)段階(a)で形成した分散液に金属イオン封鎖剤を加え、溶液を形成する段階と、(c)付加成分を加え、完全栄養液体製剤を形成する段階を含むことが判明した。好ましい態様では、ゲランガムを1:20〜1:10の重量比でスクロースとドライブレンドした後、熱水に加えて分散液を形成する。その後、ゲランガム/スクロース分散液にクエン酸ナトリウム等の金属イオン封鎖剤を加えた後、付加成分を加える。完全栄養剤でこの安定剤の完全な利点を実現するためには、ゲランガムのほぼ完全な水和が必要である。
産業上の利用可能性
以上のデータから明らかなように、本発明により製造した液体栄養剤はクリーム化と沈殿に関して改善された物理的安定性をもつ。医療用及び乳児用栄養産業が良好な貯蔵寿命(製品安定性)を示す製品を製造する際に遭遇する問題は特殊である。これらの製品は固形分(例えばミネラル、ビタミン、フレーバー及び繊維)の含量が高く、粘度が高いため、栄養産業はこの長年の懸案を満足する低粘度溶液を提供するには未だ至っていない。本発明に開示する知見により、栄養産業は沈殿の問題のない液体栄養剤を製造供給できるようになった。より詳細には、ゲランガムはカルシウムとリンの送達により測定した場合に十分な不溶性栄養素(例えばミネラル)の送達を助長すると共に、好ましい粘度、良好な流動性及び沈殿の低減を実現すことが判明した。ゲランガムはココア末等のフレーバー末の凝集を防ぎ、不溶性繊維の懸濁性を改善することも立証された。認識可能な相分離は製品が腐ったように見える恐れがあり、クリーム化はタンパクや脂質等の栄養素の適正な送達を悪化させる恐れがあるので、この点は特に重要である。更に、ゲランガムの弱いゲル構造は低剪断条件下で分解し易いので、摂取に好都合である。更に、ゲランガムは入手し易く、生理的悪影響がない。
完全栄養剤でゲランガムを使用する重要な利点の1つは、カルシウムとリンを含む製剤の過剰強化を減らし、これらのミネラルの送達を1日必要摂取量及び/又は効能表示に一致できるという点にある。完全栄養剤の過剰強化レベルを低くすることができるので、経済点利点が得られる。
本明細書に記載する液体栄養剤及びその製造方法は本発明の好適態様を構成するが、本発明はこの特定製剤に限定されず、請求の範囲に記載する本発明の範囲内で種々の変更が可能であると理解すべきである。

Claims (10)

  1. a)懸濁した不溶性のミネラルを含み、懸濁した不溶性のミネラルを含めた総固形分が5〜35重量%である液体栄養混合物と、
    b)10〜500ppmの濃度で完全栄養液体製剤中に存在するゲランガムから主に構成される安定化系を含む完全栄養液体製剤
  2. 前記ゲランガムの前記濃度が10〜100ppmである請求項1に記載の完全栄養液体製剤
  3. a)懸濁した不溶性のミネラル(但し懸濁した不溶性のミネラルを含めた総固形分は10〜30重量%とする)と、
    b)175〜350ppmの濃度で完全栄養液体製剤中に存在するゲランガムから構成される安定化系と、
    c)食物繊維、大豆多糖及びココア末を含む群から選択される少なくとも1種の材料を含む請求項1に記載の完全栄養液体製剤
  4. 大豆多糖を含む食物繊維が0.5〜5重量%存在しており、ココア末が0.5〜5重量%存在している請求項3に記載の完全栄養液体製剤
  5. 前記完全栄養液体製剤が500cal/l〜2000cal/lの熱量をもつ請求項1に記載の完全栄養液体製剤
  6. 前記完全栄養液体製剤が10〜20%タンパク、25〜40%脂肪及び40〜60%炭水化物の熱量分布をもつ請求項1に記載の完全栄養液体製剤
  7. 改善された物理的安定性をもつ完全栄養液体製剤であって、前記液体製剤が安定化系を含み、前記安定化系は前記液体製剤が0.1〜1.0dyn/cm2の実測降伏応力値をもつに充分低く且つ最小限の沈殿で不溶性のミネラル、繊維及びフレーバー剤を懸濁するに充分高い濃度である10〜500ppmの濃度のゲランガムを含む前記製剤。
  8. 5〜35重量%の濃度で懸濁した不溶性のミネラルを含む請求項7に記載の完全栄養液体製剤。
  9. 懸濁した不溶性のミネラルが10〜30重量%の濃度で存在する請求項8に記載の完全栄養液体製剤。
  10. 懸濁した不溶性のミネラルを含む完全栄養液体製剤の沈殿低減方法であって、
    a)ゲランガムを緩衝系で水和する段階と、
    b)タンパクスラリー、炭水化物スラリー、脂肪スラリー及びその混合物から選択されるスラリーと前記水和ゲランガムを混合し、ゲランガムスラリーを形成する段階と、
    c)前記ゲランガムを1種以上のスラリー及び/又はプレミックスと混合し、懸濁した不溶性のミネラルを含む10〜35重量%の総固形分を含み、かつ、0.1〜1.0dyn/cm2の降伏応力をもつ、懸濁した不溶性のミネラルを含む完全栄養液体製剤を形成する段階を含む前記方法。
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