JP7016865B2 - Il-10およびインスリンを安定的に発現する遺伝子改変された細菌 - Google Patents
Il-10およびインスリンを安定的に発現する遺伝子改変された細菌 Download PDFInfo
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Description
本出願は、2016年9月2日に出願された米国仮特許出願第62/383,079号の出願日の利益を主張する。
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含有し、この配列表は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。2017年8月30日に作成された前記ASCIIコピーは、205350_0032_WO_567020_ST25.txtという名称であり、43,027バイトの大きさである。
本開示は、インターロイキン-10(IL-10)ポリペプチドをコードする外因性核酸、およびプロインスリン(PINS)ポリペプチドなどのT1D特異的抗原をコードする外因性核酸を含有し、IL-10ポリペプチドをコードする外因性核酸およびT1D特異的抗原(例えば、PINSポリペプチド)をコードする外因性核酸の両方が染色体に組み込まれている、すなわち、細菌染色体に組み込まれている(または細菌染色体上に位置する)、微生物、例えば、乳酸菌(lactic acid bacterium)(LAB)などのグラム陽性菌を提供する。
(A)染色体に組み込まれたプロモーター>>分泌シグナル>>治療用タンパク質(インターロイキン、抗原、または酵素など)、
(B)染色体に組み込まれたプロモーター>>分泌シグナル>>任意選択で第2の治療用タンパク質、
(C)トレハロースの蓄積を促進し、胆汁塩および乾燥に対するLABの生存能力を増進させる、変異および挿入の組合せ
を含む、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である。該変異は、
(i)トレハロースの取込みのための、llmg_0453および/またはllmg_0454などの、染色体に組み込まれたトレハローストランスポーター(PhllA>>トランスポーター1>>遺伝子間領域>>トランスポーター2など)、
(ii)トレハロース-6-リン酸のトレハロースへの変換を促進する、usp45(遺伝子ID:4797218)の下流に位置する、染色体に組み込まれたトレハロース-6-リン酸ホスファターゼ遺伝子(otsB;遺伝子ID:1036914)、
(iii)(例えば、遺伝子の欠失を通じて)不活性化されたトレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP;遺伝子ID:4797140)、および
(iv)不活性化されたセロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(遺伝子ID:4796893)ptcC(例えば、446のうちコドン位置30のtga;tga30)
から選択される。
LABはまた、thyAなどの、生物学的封じ込めのための栄養要求性変異を含有してもよい。
(A)LABから成熟hIL-10を分泌するための、染色体に組み込まれたプロモーター>>分泌シグナル>>hIL-10(PhllA>>SSusp45>>hIL-10など)、
(B)LABから成熟PINSを分泌するための、染色体に組み込まれたプロモーター>>分泌シグナル>>PINS(PgapB>>gapB>>遺伝子間領域>>SSusp45>>PINSなど)(遺伝子間領域は、例えばrpmDであってよい)、
(C)トレハロースの蓄積を促進し、胆汁塩および乾燥に対するLABの生存能力を増進させる、変異および挿入の組合せ
を含む、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である。該変異は、
(i)トレハロースの取込みのための、llmg_0453および/またはllmg_0454などの、染色体に組み込まれたトレハローストランスポーター(PhllA>>トランスポーター1>>遺伝子間領域>>トランスポーター2など)、
(ii)トレハロース-6-リン酸のトレハロースへの変換を促進する、usp45(遺伝子ID:4797218)の下流に位置する、染色体に組み込まれたトレハロース-6-リン酸ホスファターゼ遺伝子(otsB;遺伝子ID:1036914)、
(iii)(例えば、遺伝子の欠失を通じて)不活性化されたトレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP;遺伝子ID:4797140)、および
(iv)不活性化されたセロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(遺伝子ID:4796893)ptcC(例えば、446のうちコドン位置30のtga;tga30)
から選択される。
LABはまた、thyAなどの、生物学的封じ込めのための栄養要求性変異を含有してもよい。
(A)生物学的封じ込めのための、thyAの変異、
(B)LABから成熟hIL-10を分泌するための、染色体に組み込まれたPhllA>>SSusp45>>hIL-10、
(C)LABから成熟PINSを分泌するための、染色体に組み込まれたPgapB>>gapB>>遺伝子間領域>>SSusp45>>PINS(遺伝子間領域は、rpmDから選択される)、
(D)トレハロースの取込みのための、llmg_0453および/またはllmg_0454などの、染色体に組み込まれたトレハローストランスポーター(PhllA>>トランスポーター1>>遺伝子間領域>>トランスポーター2など)、
(E)(例えば、遺伝子の欠失を通じて)不活性化されたトレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP;遺伝子ID:4797140)、
(F)トレハロース-6-リン酸のトレハロースへの変換を促進する、usp45(遺伝子ID:4797218)の下流に位置する、染色体に組み込まれたトレハロース-6-リン酸ホスファターゼ遺伝子(otsB;遺伝子ID:1036914)、および
(G)不活性化されたセロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(遺伝子ID:4796893)ptcC(例えば、446のうちコドン位置30のtga;tga30)
を含む、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である。
本開示は、それを必要とする対象においてT1Dを治療する方法をさらに提供する。例示的な方法は、治療有効量の本明細書に開示される微生物(例えば、LAB)(例えば、上記実施形態のいずれかによるLAB)、本明細書に開示される組成物、または本明細書に開示される医薬組成物を対象に投与することを含む。これらの実施形態のいずれかによる一部の例では、対象は、ヒト、例えばヒト患者である。これらの実施形態のいずれかによる一部の例では、方法は、免疫調節剤(例えば、抗CD3抗体)を対象に投与することをさらに含む。例えば、免疫調節剤(例えば、抗CD3抗体)は、併用療法レジメンを使用して対象に投与され、すなわち、対象(例えば、ヒト)は、抗CD3抗体などの別の免疫調節剤を併用して治療される。したがって、一部の例では、本開示は、それを必要とするヒト対象においてT1Dを治療する方法を提供する。例示的な方法は、治療有効量の本明細書に開示されるLAB(例えば、上記実施形態のいずれかによるLAB)、本明細書に開示される組成物、または本明細書に開示される医薬組成物をヒト対象に投与することを含み、ヒト対象は、抗CD3抗体またはその断片をさらに投与される(例えば、抗CD3抗体を併用して治療される)。
本開示は、本明細書に開示される遺伝子改変された微生物(例えば、LABを調製する方法をさらに提供する。例示的な方法は、(i)微生物(例えば、LAB)を、IL-10ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させること、および(ii)微生物(例えば、LAB)を、T1D特異的抗原(例えば、PINS)ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させることを含み、IL-10ポリペプチドをコードする外因性核酸およびT1D特異的抗原(例えば、PINS)ポリペプチドをコードする外因性核酸は、染色体に組み込まれている(すなわち、微生物、例えばLABの染色体に組み込まれている)。核酸が微生物(例えば、細菌)のゲノム、例えば染色体に組み込まれている場合、遺伝子改変された微生物(例えば、LAB)が形成される。本方法の遺伝子改変に供される微生物(例えば、LAB)は、任意の微生物株であってよく、例えば、野生型細菌株であってよく、または、それを、IL-10ポリペプチドをコードする外因性核酸およびT1D特異的抗原(例えば、PINS)ポリペプチドをコードする外因性核酸と接触させる前に遺伝子改変されてもよい。
本開示は、医薬組成物を調製する方法をさらに提供する。例示的な方法は、本明細書に開示される微生物(例えば、LAB)(例えば、上記実施形態のいずれかによるLAB)の培養物を少なくとも1つの安定化剤(例えば、凍結保存剤)と接触させ、それによって微生物(例えば、細菌)混合物を形成することを含む。一部の例では、少なくとも1つの安定化剤は、少なくとも1つの凍結保存剤を含む。一部の例では、微生物(例えば、LAB)は、インターロイキン-10(IL-10)ポリペプチドをコードする外因性核酸を含有し、かつT1D特異的抗原(例えば、PINS)ポリペプチドをコードする外因性核酸をさらに含有し、IL-10ポリペプチドをコードする外因性核酸およびT1D特異的抗原(例えば、PINS)ポリペプチドをコードする外因性核酸の両方は、染色体に組み込まれており、すなわち、微生物(例えば、細菌)の染色体に組み込まれている(または該染色体上に位置する)。
したがって、本開示は、本開示の微生物(例えば、LAB)、本開示の乾燥組成物(例えば、本開示の凍結乾燥組成物)、または本開示の医薬組成物を含む単位剤形をさらに提供する。一部の例では、単位剤形は、錠剤、カプセル剤(例えば、粉末を含有するか、またはマイクロペレットもしくはマイクロ顆粒を含有するカプセル剤)、顆粒剤、またはサシェ剤(例えば、経口投与用に液体に懸濁するための乾燥細菌を含有する)などの、経口剤形である。一部の実施形態では、剤形中に含有される非病原微生物(例えば、LAB)は、乾燥粉末形態またはその圧縮形態である。
本開示は、(1)本明細書に開示される実施形態のいずれかによる微生物(例えば、LAB)、本明細書に記載される実施形態のいずれかによる微生物(例えば、LAB)を含有する組成物、本明細書に記載される実施形態のいずれかによる微生物(例えば、LAB)を含有する医薬組成物、または本明細書に記載される実施形態のいずれかによる微生物(例えば、LAB)を含有する単位剤形、および(2)微生物(例えば、LAB)、組成物、医薬組成物、または単位剤形を哺乳動物、例えばヒト(例えば、ヒト患者)に投与するための説明書を含有するキットをさらに提供する。
対象においてT1Dを治療し、かつ/またはT1D特異的抗原(すなわち、PINS)に対する寛容を回復させるための組成物および方法が提供される。
本明細書および実施形態において使用される場合、文脈が明らかにそうでないことを規定しない限り、単数形「a」、「an」および「the」は、複数への言及を包含する。例えば、「細胞」(a cell)という用語は、その混合物などの、複数の細胞を包含する。同様に、本明細書に記載される治療または医薬の調製のための「化合物」(a compound)の使用は、文脈が明らかにそうでないことを規定しない限り、そのような治療または調製のために1つまたは複数の本発明の化合物を使用することを想定する。
「抗CD3抗体」は、T細胞の表面上のCD3受容体に結合する任意の抗体であってよく、例えば、CD3のイプシロン鎖(CD3E)を標的化する抗体である。「抗CD3抗体」という用語は、Fab断片、単一ドメイン抗体、ナノボディなどの、そのような抗体の任意の断片を包含する。一部の例では、抗CD3抗体またはその断片は、モノクローナル抗体である。他の例では、抗CD3抗体は、ヒト化モノクローナル抗体、例えば、キメラまたはヒト化ハイブリッド抗体である。一部の例では、抗CD3抗体は、単一ドメイン抗体またはナノボディである。他の例では、抗CD3抗体は、ムロモナブ-CD3である。他の公知のモノクローナル抗CD3抗体としては、オテリキシズマブ、テプリズマブおよびビジリズマブ、およびこれらの断片が挙げられる。これらの抗体は、クローン病、潰瘍性大腸炎および1型糖尿病のような状態の治療(例えば、Herold K.C. and Taylor L.; “Treatment of Type 1 diabetes with anti-CD3 monoclonal antibody: induction of immune regulation?”. Immunologic Research 2003, 28 (2): 141-50を参照)および免疫寛容の誘導について研究されている。例えば、Bisikirska et al. “TCR stimulation with modified anti-CD3 mAb expands CD8+ T cell population and induces CD8+CD25+ Tregs” (2005)、およびBisikirska et al., “Use of Anti-CD3 Monoclonal Antibody to Induce Immune Regulation in Type 1 Diabetes”. Annals of the New York Academy of Sciences 2004, 1037: 1-9を参照。一部の例では、抗CD3抗体は、エフェクターT細胞(例えば、インスリン産生性ベータ細胞を攻撃し、壊す)の機能を阻害し、かつ/または制御性T細胞を刺激する。したがって、一部の例では、抗CD3抗体は、エフェクターT細胞による損傷から対象を保護し、例えば、インスリンを産生するベータ細胞の能力を守る。一部の例では、抗CD3抗体は、ヒトへの投与のために好適であり、例えば、臨床試験の対象であるか、または規制機関によって既に認可されている。一部の例では、抗CD3抗体は、オテリキシズマブまたはテプリズマブである。
本発明者らは、ある特定の最小量の残留ベータ細胞機能を有する対象が、本明細書に記載される治療方法に特によく反応することを発見した。残留ベータ細胞機能は、当該技術分野で認識され本明細書に記載される方法にしたがって測定することができる。しかしながら、充分な残留ベータ細胞機能は、典型的に、対象のベータ細胞を標的化する有害な自己免疫機能への長すぎる曝露を受けていない対象において見出される。したがって、一部の実施形態では、上記方法における哺乳動物対象は、T1Dを有すると診断された直後の対象である。例えば、そのような対象は、「発症直後のT1D」または「新規発症T1D」(本明細書において交換可能に使用される)を有すると称することができる。これらの実施形態による一部の例では、対象は、本開示による組成物を投与する前の12カ月以内、18カ月以内、または24カ月以内にT1Dを有すると診断された対象である。他の例では、対象は、約12週未満、約8週未満、約6週未満、または約4週未満にわたってインスリンを用いて治療された対象である。他の例では、上記実施形態のいずれかによれば、対象は、少なくとも1つの自家抗体についての試験で陽性、例えば、インスリン自己抗体(IAA)、膵島細胞自家抗体、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(例えば、GAD65)自家抗体、および/またはICA512抗体についての試験で陽性であった対象である。他の例では、上記実施形態のいずれかによれば、対象は、約100mg/dLより高い、または約120mg/dLより高い、または約126mg/dLより高い空腹時血漿グルコースレベルを有する。他の例では、上記実施形態のいずれかによれば、対象は、約180~約250mg/デシリットル(mg/dL)、または約10mmol/L~約14mmol/Lの空腹時血漿グルコースレベルを有する。他の例では、上記実施形態のいずれかによれば、対象は、約100~約500mg/dLの血漿グルコースレベルを有する。他の例では、上記実施形態のいずれかによれば、対象は、約8カ月未満、約6カ月未満、または約4カ月未満にわたって多尿症であった対象である。
「プロモーター」は、一般に、RNAポリメラーゼが結合して転写を開始させる、核酸分子上、例えばDNA分子上の領域を意味する。プロモーターは、例えば、プロモーターが転写を制御する配列の上流、すなわち5’に位置する。プロモーターは、追加の天然調節配列または領域、例えばオペレーターに関連してもよいことを当業者は理解するであろう。発現のために必要とされる調節領域の精密な性質は生物ごとに異なることがあるが、一般に、原核生物において、(RNA転写の開始を導く)プロモーターの他に、RNAに転写された時に、タンパク質合成の開始のシグナルを送るDNA配列の両方を含有するプロモーター領域を含む。そのような領域は、通常、プリブノーボックス(TATAボックスを参照)、シャイン・ダルガノ配列などの、転写および翻訳の開始に関与する5’-非コーディング配列を含む。
「発現カセット」または「発現ユニット」という用語は、当該技術分野において一般に認められる意味にしたがって使用され、1つまたは複数の遺伝子および該1つまたは複数の遺伝子の発現を制御する配列を含有する核酸を指す。例示的な発現カセットは、少なくとも1つのプロモーター配列および少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含有する。
「ポリシストロン性発現カセット」、「ポリシストロン性発現ユニット」または「ポリシストロン性発現システム」という用語は、当該技術分野において一般に認められる意味にしたがって本明細書において交換可能に使用される。それらは、2つまたはそれより多くの遺伝子の発現が、プロモーター、オペレーターなどの共通の調節機構によって調節される核酸配列を指す。本明細書で使用されるポリシストロン性発現ユニットという用語は、マルチシストロン性発現ユニットと同義である。ポリシストロン性発現ユニットの例は、2シストロン性、3シストロン性、4シストロン性の発現ユニットであるが、これらに限定されない。タンパク質、ポリペプチドおよび/またはペプチドなどの個々の発現産物をコードする、2つまたはそれより多く(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、またはそれより多く)のオープンリーディングフレームまたはコーディング領域を含む任意のmRNAは、ポリシストロン性という用語に包含される。ポリシストロン性発現カセットは、少なくとも1つのプロモーター、および該プロモーターによって制御された少なくとも2つのオープンリーディングフレームを含み、該2つのオープンリーディングフレームの間に遺伝子間領域が配置されてもよい。
本明細書で使用される場合、「遺伝子間領域」という用語は、「遺伝子間リンカー」または「遺伝子間スペーサー」と同義である。遺伝子間領域は、隣接する(すなわち、同じポリ核酸配列上に位置する)遺伝子、オープンリーディングフレーム、シストロンまたはコーディング配列の間のポリ核酸配列として定義される。拡張により、遺伝子間領域は、前記遺伝子間領域によって連結された5’の遺伝子の終止コドンおよび/または3’の遺伝子の開始コドンを含み得る。本明細書で定義される通り、遺伝子間領域という用語は、ポリシストロン性発現ユニット中の隣接する遺伝子間の遺伝子間領域に特に関する。例えば、本明細書で定義される遺伝子間領域は、オペロン中の隣接する遺伝子間に見出すことができる。したがって、一実施形態では、本明細書で定義される遺伝子間領域は、オペロンの遺伝子間領域である。
「対象」は、例えば本開示の方法にしたがって、本開示の組成物を投与されることから利益を得る可能性がある生物である。対象は、哺乳動物(「哺乳動物対象」)であり得る。例示的な哺乳動物対象としては、ヒト、農用動物(ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)、愛玩動物または家畜動物(イヌ、ネコ、およびウサギなど)、および、マウス、ラット、および霊長目動物などの他の動物が挙げられる。一部の例では、哺乳動物対象は、ヒト患者である。
本開示の少なくとも1つの微生物は、少なくとも1つの疾患特異的(すなわち、T1D特異的)自己抗原遺伝子をコードする外因性核酸を含有し、発現のために充分な条件下でそのような遺伝子を発現することができる。例示的なT1D特異的自己抗原としては、ベータ細胞破壊プロセスに関連する膵島抗原が挙げられる。一部の実施形態では、上記組成物および方法のいずれかにおいて、T1D特異的抗原は、T1Dに関連する公知の自家抗原から選択され、プロインスリン(PINS);インスリン(INS);グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)(例えば、GAD65、GAD67、またはGAD2);インスリノーマ関連タンパク質2(膵島抗原-2;IA-2)(タンパク質チロシンホスファターゼ受容体型N(protein tyrosine phosphatase, receptor type, N)(PTPRN)、チロシンホスファターゼ様タンパク質、またはICA512とも称される)、(例えば、Long et al., Diabetes 2013, 62 (6), 2067-2071を参照);膵島特異的グルコース-6-ホスファターゼ触媒性サブユニット関連タンパク質(IGRP)、亜鉛トランスポーター8(ZnT8)が挙げられる。他の例としては、クロモグラニンA、(プレプロ)膵島アミロイドポリペプチド(ppIAPP)、ペリフェリン、シトルリン化グルコース調節タンパク質(例えば、GRP78)などの、ベータ細胞によって発現される分子(例えば、Rondas et al., Diabetes 2015; 64(2):573-586、およびYe et al., Diabetes 2010, 59(1):6-16を参照)、およびこれらの抗原の2つまたはそれより多くの組合せが挙げられる。他の実施形態では、上記組成物および方法において、T1D特異的抗原は、PINS、GAD65、またはIA-2である。他の実施形態では、上記組成物および方法において、T1D特異的抗原は、PINSである。様々な実施形態では、T1D特異的抗原は、全長(例えば、野生型)遺伝子より短いバリアント核酸配列によってコードされ、そのため、「切除」型は、多くの場合に、使用される微生物(例えば、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis))によってより効率的に発現および/または分泌される。分泌はより効率的であるが、多くの「切除」型は、それらの生物学的活性の全て(または実質的部分)を保持し、例えば、充分なTreg刺激および/または寛容誘導能力を保持する。
本明細書で使用される「治療」、「治療する」などの用語は、疾患または状態、例えばT1Dの特徴的な症状または外徴を改善しまたは軽減することを意味する。例えば、T1Dの治療は、対象において抗原特異的免疫寛容の回復または誘導を結果としてもたらし得る。他の例では、治療は、自己免疫糖尿病を阻止すること、または自己免疫糖尿病を後退させることを意味する。本明細書で使用される場合、これらの用語はまた、疾患もしくは状態または疾患もしくは状態に関連する症状の発症を予防しまたは遅延させることを包含し、これには、疾患もしくは状態の重篤度または前記疾患もしくは状態に罹患する前にそれに関連する症状を低減させることが含まれる。罹患前のそのような予防または低減は、投与時において疾患または状態に罹患していない患者に本発明の化合物または組成物を投与することを指す。「予防する」はまた、例えば、改善期間後の、疾患もしくは状態またはそれに関連する症状の再発を予防することまたはぶり返しの防止を包含する。「それを必要とする」対象の治療は、対象が疾患または状態を有し、本発明の治療方法が特定の疾患または状態を治療する意図的な目的で行われることを表す。
一部の実施形態では、本開示の方法を使用して治療される対象は、有意な(例えば、測定可能な)残留ベータ細胞機能を有する。そのような状況下、対象は、治療が中断または完全に中止された後でさえ、疾患の寛解を維持し得る。新規に診断された患者は、多くの場合、診断時に残留するある特定の最小数の膵島ベータ細胞(ベータ細胞)を有するため、そのような患者は、ある特定の最小量の内因性のインスリンを産生することができる。そのような患者集団は、本開示の組成物および方法(例えば、IL-10およびPINS療法)で治療された時に特によく利益を得ることができる。本明細書に記載される治療は、ベータ細胞のさらなる破壊を予防することができ、したがって、疾患の寛解を誘導することがある。予想外なことに、本発明者らは、初期ベータ細胞量が治療の有効性にとって重要であり得ることを見出した。しかしながら、対象のベータ細胞が一旦破壊されると、そのような対象は、記載された治療から同じようにはもはや利益を得ることができない可能性がある。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、望ましい治療レジメンにしたがって投与された時に所望の治療効果または反応を誘発する本開示の非病原微生物または組成物の量を指す。一部の場合には、化合物または組成物は、1日あたり1回または複数回投与された時に治療有効量と同等の活性成分の量を含有する単位剤形、例えば錠剤またはカプセル剤として提供される。
「粘膜」(mucosa)または「粘膜」(mucous membrane)という用語は、その当該技術分野で認識される意味にしたがって本明細書で使用される。「粘膜」は、口腔粘膜、直腸粘膜、胃粘膜、腸粘膜、尿道粘膜、膣粘膜、眼粘膜、頬粘膜、気管支または肺粘膜、および鼻または嗅覚粘膜などの、身体中に見られる任意の粘膜であり得る。
「免疫調節化合物」または免疫モジュレーター」という用語は、それらの当該技術分野で認識される意味にしたがって本明細書で使用される。免疫調節化合物は、当業者に公知の任意の免疫調節化合物であり得る。
本発明は、少なくとも1つの微生物の使用に関する。一部の実施形態では、微生物は、非病原性かつ非浸潤性の細菌である。他の実施形態では、微生物は、非病原性かつ非浸潤性の酵母である。
本発明では、微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)は、意図する部位、すなわち粘膜にIL-10ポリペプチドおよびT1D特異的抗原(例えば、PINS)を送達する。例えば、微生物(例えば、LAB)はIL-10ポリペプチドを発現し、(分泌形態のIL-10が使用された場合)その後にIL-10ポリペプチドは分泌される。したがって、具体的な実施形態では、L.ラクチス(L. lactis)などの微生物(例えば、LAB)は、意図する粘膜の部位、例えば胃腸管中でIL-10およびPINSを発現する。
本開示の一部の方法では、IL-10ポリペプチドおよびT1D特異的抗原(例えば、PINS)は、IL-10ポリペプチドおよびT1D特異的抗原(例えば、PINS)ポリペプチドの両方を産生する微生物(例えば、LAB)を使用して対象(例えば、ヒトT1D患者)に投与(送達)される。
微生物(例えば、本明細書に記載されるLABなどの細菌)は、純粋形態、他の活性成分との組合せ、および/または薬学的に許容される(すなわち、非毒性の)添加剤または担体との組合せで投与することができる。「薬学的に許容される」という用語は、その当該技術分野で認識される意味にしたがって本明細書で使用され、医薬組成物の他の成分と適合し、かつそのレシピエントにとって有害でない担体を指す。
本開示は、食品グレードのまたは薬学的に許容される担体との組合せであってもよいある特定の量の非病原微生物を含む単位剤形をさらに提供し、前記非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)は、IL-10ポリペプチドをコードする外因性核酸、および1型糖尿病(T1D)特異的抗原(例えば、PINS)をコードする外因性核酸を含む。例示的な単位剤形は、約1×103~約1×1014コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)を含有する。他の例示的な単位剤形は、約1×104~約1×1013コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)、または約1×104~約1×1012コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)を含有する。他の実施形態では、単位剤形は、約1×105~約1×1012コロニー形成単位(cfu)、または約1×106~約1×1012コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)を含む。他の実施形態では、単位剤形は、約1×108~約1×1012コロニー形成単位(cfu)、または約1×109~約1×1012コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)を含む。さらに他の実施形態では、単位剤形は、約1×109~約1×1011コロニー形成単位(cfu)、または約1×109~約1×1010コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)を含む。さらに他の実施形態では、単位剤形は、約1×107~約1×1011コロニー形成単位(cfu)、または約1×108~約1×1010コロニー形成単位(cfu)の非病原微生物(例えば、非病原性グラム陽性菌)を含む。
hPINSおよびhIL10を分泌する臨床グレードのラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)の構築
ヒトPINSおよびヒトIL10を分泌するラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)株(sAGX0407)は、以前に記載された方法を使用してMG1363親株中の染色体に位置するチミジル酸シンターゼ(thyA)遺伝子をヒトPINSおよびIL10用の発現カセットと置換することによって生成した。例えば、Steidler L. et al., Nat. Biotechnol. 2003; 21:785-789、およびSteidler L, Rottiers P; Annals of the New York Academy of Sciences 2006; 1072:176-186を参照。L.ラクチス(L. lactis)染色体に変化を導入する方法は、二重相同組換えを使用する。pORI19に由来し、エリスロマイシン選択マーカーを含有する条件複製型キャリアープラスミドは、repA+ L.ラクチス(L. lactis)株LL108中で構築した。細菌染色体上の野生型配列に隣接するものと同一の最大1kbの交差(XO)区画の間に目的のカーゴがクローニングされるように、キャリアープラスミドを設計した。このプラスミドをMG1363またはいずれかのその誘導株(repA-)中に導入した。エリスロマイシンを含有する寒天プレート上で耐性コロニーを選択し、5’標的部位または3’標的部位のいずれかにおける第1の相同組換えをPCRスクリーニングによって検証した。エリスロマイシン選択の解放は、5’標的部位または3’標的部位のいずれかにおける、第2の相同組換えによる細菌染色体からのキャリアープラスミドの除去を可能とした。臨床グレード株の最終遺伝子構造をSangerおよびIlluminaの両方の全ゲノムシークエンシングによって大規模に記録した。最終臨床株中にはプラスミドまたは残留エリスロマイシン抵抗性は存在しない。例えば、Steidler, L., et al., Nat. Biotechnol. 2003, 21(7): 785-789を参照。
・チミジル酸シンターゼ遺伝子(thyA;遺伝子ID:4798358)が存在せず、環境的封じ込めを保証する(Steidler, L., et al., Nat. Biotechnol. 2003, 21(7): 785-789)。
・thyAが欠失された、HU様DNA結合タンパク質遺伝子の構成的プロモーター(PhllA;遺伝子ID:4797353)の下流の位置において、ヒトインターロイキン-10(hIL-10;UniProt:P22301、aa 19~178、バリアントP2A;Steidler, L., et al., Nat. Biotechnol. 2003, 21(7): 785-789)をコードするhil-10遺伝子に融合させた未同定分泌45kDaタンパク質遺伝子(usp45;遺伝子ID:4797218;SSusp45)の分泌リーダーをコードする遺伝子が挿入されて、hIL-10の発現および分泌を可能としている。
・トレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP;遺伝子ID:4797140)が存在せず、外因的に加えられたトレハロースの蓄積を可能とする。
・トレハロース-6-リン酸ホスファターゼ遺伝子(otsB;遺伝子ID:1036914)がusp45(遺伝子ID:4797218)の下流に位置して、トレハロース-6-リン酸のトレハロースへの変換を促進する。高発現されるL.ラクチス(L. lactis)MG1363の50Sリボソームタンパク質L30遺伝子(rpmD;遺伝子ID:4797873)に先行する遺伝子間領域(IR)の使用によって、otsB発現ユニットがusp45に転写上および翻訳上連結された。
・HU様DNA結合タンパク質遺伝子の構成的プロモーター(PhllA;遺伝子ID:4797353)がトレハロースオペロン中の推定上のホスホトランスフェラーゼ遺伝子(trePTS;llmg_0453およびllmg_0454;それぞれ、遺伝子ID:4797778および遺伝子ID:4797093)に先行して、トレハロースの取込みを増強する。
・セロビオース特異的PTS系IICコンポーネントをコードする遺伝子(遺伝子ID:4796893)ptcCが破壊されていた(446のうちのコドン位置30のtga;tga30)。この変異は蓄積後のトレハロースの保持を確実にする。
・ヒトプロインスリン(PINS;UniProt:P01308、アミノ酸25~110)をコードするpins遺伝子とのusp45分泌リーダー(SSusp45)の融合物をコードする遺伝子がグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(gapB;遺伝子ID:4797877)の下流に位置して、PINSの発現および分泌を可能とする。pins発現ユニットは、IRrpmDの使用によってgapBに転写上および翻訳上連結された。
・PINSおよびhIL-10の構成的な分泌。
・増殖および生存のための、外因的に加えられたチミジンに対する厳格な依存性。
・トレハロースを蓄積および保持する能力、およびしたがって胆汁酸の毒性に抵抗する能力を獲得する。
トレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP;遺伝子ID:4797140)の欠失;トレハロースオペロン中の推定上のホスホトランスフェラーゼ遺伝子(trePTS;llmg_0453およびllmg_0454;ptsIおよびptsII;それぞれ、遺伝子ID:4797778および遺伝子ID:4797093)に先行するHU様DNA結合タンパク質遺伝子の構成的プロモーター(PhllA;遺伝子ID:4797353)の挿入、ptsIとptsIIとの間の高発現されるL.ラクチス(L. lactis)MG1363 50Sリボソームタンパク質L30遺伝子(rpmD;遺伝子ID:4797873)に先行する遺伝子間領域の挿入(図13A、図13B、および図13C)。
未同定分泌45kDaタンパク質遺伝子(usp45;遺伝子ID:4797218)の下流のトレハロース-6-リン酸ホスファターゼ遺伝子(otsB;遺伝子ID:1036914)の挿入。usp45とotsBとの間の高発現されるL.ラクチス(L. lactis)MG1363 50Sリボソームタンパク質L30遺伝子(rpmD;遺伝子ID:4797873)に先行する遺伝子間領域の挿入。(図14Aおよび図14B)。
446のうちのコドン位置30におけるtga(tga30)の挿入と共に、その傍らの、セロビオース特異的PTS系IICコンポーネントをコードする遺伝子(ptcC;遺伝子ID:4796893)を破壊するためのEcoRI制限部位の導入(図15Aおよび図15B)。
高発現されるグリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(gapB;遺伝子ID:4797877)の下流の、ヒトプロインスリン(PINS;UniProt:P01308、アミノ酸25~110)をコードする、pins遺伝子とのusp45分泌リーダー(SSusp45)の融合物をコードする遺伝子の挿入。gapBとpinsとの間の高発現されるL.ラクチス(L. lactis)MG1363 50Sリボソームタンパク質L30遺伝子(rpmD;遺伝子ID:4797873)に先行する遺伝子間領域の挿入(図12A、図12B、および図16)。
チミジル酸シンターゼ遺伝子(thyA;遺伝子ID:4798358)の欠失。HU様DNA結合タンパク質遺伝子の構成的プロモーター(PhllA;遺伝子ID:4797353)の下流に、ヒトインターロイキン-10(hIL-10;UniProt:P22301、aa 19~178、バリアントP2A、Steidler et al., Nat. Biotechnol. 2003, 21(7): 785-789)をコードするhil-10遺伝子とのSSusp45の融合物をコードする遺伝子の挿入物を挿入してhIL-10の発現および分泌を可能にする(図17)。
マウスにおける糖尿病の治療
尿中のグルコースレベル(Diastix(登録商標)試薬ストリップ、Bayer、Leverkusen、Germany)および静脈血(AccuCheck(登録商標)、Roche Diagnostics、Vilvoorde、Belgium)を評価することによって糖尿病の発症についてNODマウスをスクリーニングした。糖尿を有しかつ2回の連続的な血中グルコース測定値が200mg/dlを超えている時にマウスを糖尿病と診断した。糖尿病と判定したら、NODまたはNODトランスジェニックマウスをハムスター抗マウスCD3抗体(クローン145-2C11、BioXCell、West Lebanon、NH)を用いて5日連続で静脈内(i.v.)(0~4日目;2.5μg/マウス)処置した。この治療は、6週間の週に5回のプラスミド駆動または臨床グレードのL.ラクチス(L. lactis)株(2×109cfu)のいずれかの経口投与と組み合わせて与えた。対照マウスは未処置のままとした。治療の開始時の個々の血中グルコース濃度を記録した。体重および血中グルコース状態について週に3回マウスを試験した。寛解は、糖尿がなくかつ正常な血中グルコース濃度への復帰として定義した。実験動物を治療の中止後に直ちにまたは長い時間の後に屠殺した(治療開始の6または14週後)。末梢血、リンパ器官および膵臓を回収し、Supplemental Research Design and Methodsに記載された表現型解析について単一細胞を評価した。血中グルコース濃度が2回の連続的な測定において600mg/dlを超えた時にマウスを14週のエンドポイント以前に試験から除外した。
屠殺の1または2週間前に腹腔内耐糖能試験(IPGTT)を行った。マウスを16時間絶食させ、グルコース(2g/kg)を腹腔内(i.p.)注射し、0、15、30、60、90および120分時に血中グルコース濃度を測定した。
治療無作為化の前および治療中止時に新規発症糖尿病NODマウスからヘパリン化血漿を回収し、Robert S. et al., Diabetes 2014, 63: 2876-2887に記載の通りにUF Department of Pathology、Immunology and Laboratory Medicine、College of Medicine、Gainesville、FloridaにおいてIAAを解析した。
L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療によって寛容化されたマウスに治療停止後に以下の投与レジメンでCTLA4(クローンUC10-4F10、Bioceros)およびTGF-β(クローン1D11.16.8、BioXCell)に対するブロッキング抗体を腹腔内(i.p.)注射した:CTLA4について1および3日目に250μg、次いで6、8、10、13および18日目に100μg;TGF-βについて3週間にわたって週に3回200μg。最初の注射後に25日まで連日血中グルコース濃度を測定した。
Teff細胞の糖尿病誘発能力を評価するために、新規発症糖尿病対照、L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療のレスポンダーおよびノンレスポンダーの脾臓からの全T細胞(1×107細胞)を6~8週齢の免疫不全NOD-scidマウスの尾静脈にi.v.(静脈内)移入した。細胞移入の100日後まで糖尿病の発症についてレシピエントマウスを週に2回モニターした。
NOD.Foxp3.DTRマウス(Foxp3転写制御エレメントの制御下でヒトジフテリア毒素受容体(DTR)を発現する)は、DT(ジフテリア毒素)投与によるFoxp3+ T細胞の枯渇を可能とする。例えば、Feuerer M. et al., How punctual ablation of regulatory T cells unleashes an autoimmune lesion within the pancreatic islets. Immunity 2009; 31:654-664を参照。Treg枯渇のために、NOD.Foxp3.DTRマウス(L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療の中止後に未処理または寛容化)に1、2、4、および7日目に40μg/kg体重のDT(Sigma)を腹腔内注射し、8日目に調べた。DT注射後に、マウスの体重、尿および血中グルコース状態をモニターした。記載された通りに、フローサイトメトリーおよび組織学によってそれぞれ末梢血および膵臓中のFoxp3+ T細胞をモニターした。例えば、Tian L. et al., Foxp3(+) regulatory T cells exert asymmetric control over murine helper responses by inducing Th2 cell apoptosis. Blood 2011; 118:1845-1853を参照。
P60(FOXP3に結合してそれを阻害できる15-merの合成ペプチド、腹腔内に1日あたり50μg/投与、14回までの投与)を以前に記載された通りにL.ラクチス(L. lactis)ベースの治療の開始時に与えた。例えば、Casares N. et al., A peptide inhibitor of FOXP3 impairs regulatory T cell activity and improves vaccine efficacy in mice. Journal of Immunology 2010, 185:5150-5159を参照。
ホルマリン固定のパラフィン包埋膵臓組織からの6μmの切片を切断し、100μmの間隔で回収した後、ヘマトキシリン・エオシンで染色した。膵島を光顕微鏡法で20×または40×で観察し、独立した研究者により盲検で数え上げ、グレード付けした。膵臓試料あたり少なくとも25個の膵島を膵島浸潤について以下の通りにスコア付けした:0、浸潤なし;1、膵島周囲炎;2、50%未満の面積にリンパ球浸潤を伴う膵島、3、50%より多くの面積にリンパ球浸潤を伴う、または完全に破壊された膵島。
膵臓組織を99%の2-メチル-ブタン中でスナップ冷却し、12μmの組織切片に切断した。Foxp3+ T細胞の検出は記載された通りに行った。例えば、Takiishi T. et al., Reversal of autoimmune diabetes by restoration of antigen-specific tolerance using genetically modified Lactococcus lactis in mice. J. Clin. Invest. 2012, 122:1717-1725を参照。
全てのデータはGraphPad Prism 6(Graphpad Prism、La Jolla、CA)を使用して解析した。カプラン・マイヤー検定を用いて生存曲線を算出し、ログランク検定と比較した。ダンの多重比較またはマン・ホイットニーのU検定を適宜用いてANOVA(ノンパラメトリックなクラスカル・ウォリス検定)によって群を解析した。エラーバーはSEMを表す。別に指し示さない限り、差は有意でない(ns)。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.0001。
L.ラクチス(L. lactis)-pT1NXは、エンプティベクターpT1NXを含有するMG1363株であり、対照として働く。プラスミド駆動L.ラクチス(L. lactis)株(プラスミドにコードされたヒトPINSおよび染色体に組み込まれたIL10を分泌するsAGX0328)を以前に記載された通りに培養した。例えば、Takiishi T. et al., J. Clin. Invest. 2012, 122:1717-17253を参照。thyA-欠損L.ラクチス(L. lactis)株の増殖および生存は増殖培地中のチミジンの存在に依存するので、臨床グレードのL.ラクチス(L. lactis)(染色体に組み込まれたヒトPINSおよびIL10を分泌する)をGM17T、すなわち、0.5%のグルコース(Merck KGaA、Darmstadt、Germany)および200μMのチミジン(Sigma、St. Louis、MO)を添加したM17ブロス(BD、Franklin Lakes、NJ)中で培養した。胃内接種のために、ストック懸濁液を増殖培地で1000倍に希釈し、30℃で16時間インキュベートして2×109cfu/mlの飽和密度とした。細菌を遠心分離によって回収し、BM9培地で10倍に濃縮した。治療用量は100μlのこの細菌懸濁液からなるものであった。胃内接種のために、ストック懸濁液を増殖培地で1000倍に希釈し、30℃で16時間インキュベートして2×109cfu/mlの飽和密度とした。細菌を遠心分離によって回収し、BM9培地で10倍に濃縮した。治療用量は100μlのこの細菌懸濁液からなるものであった。
末梢血および特定の器官を治療開始の6週後に回収し、加工し、フローサイトメトリー解析のための蛍光色素標識抗体またはマッチングアイソタイプ対照と共にインキュベートした。Tregを20分間氷上で抗マウスCD3(145-2C11)、CD4(GK1.5)、CD8a(53-6.7)、CD25(PC61.5または7D4(BD、Erembodegem、Belgium))、およびFR4(eBio12A5)(記載がなければ全てeBioscience、San Diego、CAより)で染色した。Foxp3(FJK-16s)およびCTLA4(UC10-4B9)に対する細胞内染色抗体はeBioscienceのものであり、製造者の説明書にしたがって使用した。抗マウスCD3(145-2C11)、CD4(GK1.5)、CD8a(53-6.7)、CD44(IM7)、CD62L(MEL-14)、CD69(H1.2F3)、およびCCR7(4B12)で染色することによってナイーブ、エフェクターメモリーおよびセントラルメモリーT細胞を決定した。Kaluza(Beckman Coulter、Suarlee、Belgium)またはFlowJoソフトウェア(Treestar、Ashland、OR)を用いてGallios(商標)フローサイトメーターで細胞を解析した。
CD25、CD8α、B220、CD11c、CD11b、MHCクラスII、およびヒツジ抗ラットIgG Dynabeadsに対する抗体(Invitrogen、Merelbeke、Belgium)を使用して陰性選択によって10週齢NODマウスの脾臓細胞から病原性CD4+CD25- Teff細胞を単離した。NOD.Foxp3.hCD2マウスのプールされたリンパ節および脾臓細胞(内因性foxp3遺伝子座の3’非翻訳領域中に、内部リボソーム進入部位と共にヒトCD2-CD52融合タンパク質を宿す)からCD4+CD25+Foxp3+およびCD4+CD25-Foxp3+ Tregを単離した。例えば、Culina S. et al., Clin. Dev. Immunol. 2011; 2011:286248を参照。簡潔に述べれば、細胞試料を70μmの細胞ストレイナーに通し、RPMI1640培地中に懸濁し、1,500rpmで5分間遠心分離し、RPMI1640培地中に懸濁した。結果として得られた細胞懸濁液を数え、洗浄し、最初にCD8α+、B220+、CD11c+、CD11b+およびMHCクラス+、および接着細胞をパニングによって枯渇させ、ビオチンコンジュゲート化抗CD4および抗hCD2抗体で染色した。次いで、細胞を抗ビオチンマイクロビーズ(Miltenyi Biotec B. V.、Leiden、The Netherlands)と共にインキュベートし、LSまたはMSカラム(Miltenyi Biotech)で分離した。結果として得られたhCD2+またはhCD2-細胞を、抗CD25抗体を用いてさらに精製した。in vitroでのポリクローナルサプレッサーアッセイを実行した。無細胞上清中のサイトカイン(IFN-γ、IL10およびTGF-β)を記載された通りにマルチプレックスイムノアッセイ(Mesoscale Discovery、Rockville、MA)またはフローサイトメトリービーズアレイ(Bender MedSystems FlowCytomix(商標)、eBioscience)によって測定した。例えば、Ludvigsson J. et al., GAD65 antigen therapy in recently diagnosed type 1 diabetes mellitus. N. Engl. J. Med. 2012, 366:433-442を参照。
低用量の抗CD3と組み合わせた臨床グレードの自制型(self-contained)L.ラクチス(L. lactis)ワクチンはNODマウスにおいて新規発症糖尿病を安定的に後退させ、残留ベータ細胞機能を保存し、膵島炎の進行を停止させた
治療用量未満の抗CD3抗体と組み合わせてIL10と共にヒトPINSを分泌する臨床グレードの自制型L.ラクチス(L. lactis)株を使用して、疾患発症後少なくとも14週にわたって66%(35匹のうちの23匹)のマウスが正常血糖に戻り、これは抗CD3単独で治療されたマウスでの43%よりも統計的に有意に優れていた(図1A)。未処置のままとした動物(n=20)またはエンプティベクターの細菌株L.ラクチス(L. lactis)-pT1NXで処置した動物(n=9)は高血糖のままであり、それらの開始時の体重の20%が失われた時に屠殺した。PINSおよびIL-10を分泌する臨床グレードまたはプラスミド駆動L.ラクチス(L. lactis)株での単剤療法は、抗CD3との組合せよりも有意に効果が低かった(それぞれ0%(n=8)および17%(n=8))(図1A)。
L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療についての治療の成功に対してマウスの年齢または性別の影響は観察されなかった。しかしながら、治療の開始時の血糖濃度は成功を予測し、開始時血糖が350mg/dlより高いマウス(n=13)での38%と比べて、350mg/dlより低い血糖で開始したマウスの82%が治癒された(n=22)(図2A)。加えて、加入時のIAAの陽性性は治療の成功と相関しているようであった(図2B)。興味深いことに、治療開始時に血中グルコース濃度<350mg/dlかつIAA陽性のマウスは、血中グルコースレベル>350mg/dlかつIAA陰性のマウス(33%;n=5;P=0.07)よりも糖尿病寛解率が明確に優れていた(89%、n=8)(図2C)。さらに、L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療は、特に治療に対して反応性のマウスにおいて、IAAレベルを有意に減少させた(図2D)。
介入に対して反応性または非反応性のマウスにおける治療的な免疫効果を分けることによって、L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療によって誘導される疾患寛解の基礎となる機序を調べた。末梢血(図3A)、膵臓の灌流リンパ節(図3B)、および膵臓(図3C)において観察されたCD4+Foxp3+(CD25+およびCD25-の両方)T細胞のパーセンテージは、非治療対照と比較してL.ラクチス(L. lactis)ベースの治療で治療されたマウスにおいて有意に高いことが分かった。興味深いことに、CD4+Foxp3+ T細胞の増加頻度は、膵臓の灌流リンパ節および膵臓では、ノンレスポンダーよりもレスポンダーにおいて著明でなかったが、末梢血ではそうではなかった。多色フローサイトメトリーを使用して、ほとんどのCD4+Foxp3+ TregはCTLA4陽性であること、およびこの阻害性マーカーの発現は非治療対照と比べて治療マウスの膵臓の灌流リンパ節(レスポンダーおよびノンレスポンダーの両方)および膵臓(レスポンダーのみ)において有意に高いことを特定した(図8Bおよび図8C)。興味深いことに、非治療対照と比べて治療マウスの末梢血ではCD4+Foxp3+CTLA4+ T細胞のパーセンテージの差異は観察されなかった(図3D)。ナイーブ(CD44-CD62L+CCR7+)、エフェクターメモリー(CD44+CD62L-CCR7-)およびセントラルメモリー(CD44+CD62L+CCR7+)CD4+ T細胞のパーセンテージは、治療の成功または失敗に関していずれのレシピエント群においても変化しなかった。L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療のレスポンダーおよびノンレスポンダーからの脾臓細胞の移入は、非治療の新規発症糖尿病対照から単離された脾臓細胞の移入と類似の疾患動態を伴う糖尿病をNOD-scidレシピエントにおいて引き起こし、これは、循環性の糖尿病誘発細胞が治療マウスから枯渇されなかったことを示唆する(図9)。
L.ラクチス(L. lactis)ベースの治療によって治療されたNOD.Foxp3.hCD2マウスを使用して、in vitroでの機能的な研究のためのCD4+CD25+Foxp3+ T細胞を単離することができ、該研究において、該細胞は病原性CD4+CD25- Teff細胞の増殖、CD69活性化およびIFN-γ産生を抑制した。これらのTregは、NOD-scid γc -/- マウスから単離された脾臓抗原提示細胞(APC)の存在下で抗CD3抗体と共培養して刺激された時に、IL-10(およびTGF-β)を産生した(図4)。治療レスポンダーとノンレスポンダーとの間でCD4+CD25-Foxp3+ T細胞の調節能力において差異は見られなかった。
疾患を阻む介入の手段としての経口寛容は、T1Dを含む自己免疫疾患の動物モデルにおいて調べられている。例えば、Commins SP, Pediatr. Clin. North. Am. 2015; 62:1523-1529を参照。
想起されるであろう。本明細書に記載される発明の実施形態に対して様々な代替手段が本発明の実施において用いられることが理解されるべきである。
本発明は以下の態様を含み得る。
[1]
ヒトインターロイキン-10(hIL-10)をコードする外因性核酸、およびヒトプロインスリン(hPINS)をコードする外因性核酸を含み、hIL-10をコードする前記外因性核酸およびhPINSをコードする前記外因性核酸が、染色体に組み込まれている、乳酸菌(LAB)。
[2]
ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である、請求項1に記載のLAB。
[3]
前記hIL-10が、シグナルペプチドを含まない成熟hIL-10として分泌された時に、2位においてプロリン(Pro)の代わりにアラニン(Ala)を含む、請求項1に記載のLAB。
[4]
前記hIL-10が、配列番号1に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、または、IL-10をコードする前記外因性核酸が、配列番号2に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載のLAB。
[5]
hIL-10をコードする前記外因性核酸が、hIL-10に連結された分泌配列をさらにコードし、前記分泌配列が、未同定分泌45kDaタンパク質(Usp45)(SSusp45)である、請求項4に記載のLAB。
[6]
hIL-10をコードする前記外因性核酸が、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)のhllAプロモーター(PhllA)などのhllAプロモーター(PhllA)の3’に位置する、請求項4に記載のLAB。
[7]
hIL-10に連結されたSSusp45を転写するhllAプロモーターを含む発現カセットを含み、前記発現カセットが、thyA遺伝子座において染色体に組み込まれている、請求項4に記載のLAB。
[8]
前記hPINSが、配列番号3に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有し、または、hPINSをコードする前記外因性核酸が、配列番号4に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有する、請求項1に記載のLAB。
[9]
hPINSをコードする前記外因性核酸が、hPINSに連結された分泌配列をさらにコードし、前記分泌配列が、未同定分泌45kDaタンパク質(Usp45)(SSusp45)である、請求項8に記載のLAB。
[10]
hPINSをコードする前記外因性核酸が、gapB遺伝子の5’に位置するgapBプロモーター、hPINS分泌配列、およびhPINSをコードする前記外因性核酸を含む第1のポリシストロン性発現カセットを含む、請求項8に記載のLAB。
[11]
前記gapB遺伝子と前記PINS分泌配列との間の、rpmDなどの、遺伝子間領域をさらに含む、請求項10に記載のLAB。
[12]
前記SSusp45が、配列番号11または配列番号12のヌクレオチド配列を有する、請求項5または9に記載のLAB。
[13]
前記hIL-10および前記hPINSを構成的に発現しかつ分泌する、請求項1に記載のLAB。
[14]
大腸菌(Escherichia coli)OtsBなどの、トレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする外因性核酸をさらに含む、先行請求項のいずれか1項に記載のLAB。
[15]
トレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸が、未同定分泌45kDaタンパク質遺伝子(usp45)の3’において染色体に組み込まれている、請求項14に記載のLAB。
[16]
usp45プロモーター、前記usp45、およびトレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする外因性核酸、および任意選択で、前記usp45とトレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸との間の、rpmDなどの、遺伝子間領域を含む第2のポリシストロン性発現カセットをさらに含む、請求項14に記載のLAB。
[17]
llmg_0453またはllmg_0454などの、1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする1つまたは複数の遺伝子をさらに含む、請求項1に記載のLAB。
[18]
hllAプロモーター(PhllA)によって転写調節される、前記PhllAの3’に位置する2つのトレハローストランスポーターを含み、前記トレハローストランスポーターをコードする前記遺伝子が、rpmDなどの、遺伝子間領域によって隔てられている、請求項17に記載のLAB。
[19]
さらに、トレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP)が、前記LABにおいて破壊または不活性化されている、請求項1に記載のLAB。
[20]
セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント遺伝子(ptcC)が、前記LABにおいて破壊または不活性化されている、請求項1に記載のLAB。
[21]
染色体に挿入された、
a.hIL-10に連結されたSSusp45を転写するhllAプロモーターを含み、thyA遺伝子座において染色体に組み込まれている発現カセット、
b.gapB遺伝子の5’に位置するgapBプロモーター、hPINS分泌配列、およびhPINSをコードする前記外因性核酸を含む第1のポリシストロン性発現カセット、
c.大腸菌(Escherichia coli)otsB、
d.usp45プロモーター、usp45、およびトレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする外因性核酸、および任意選択で、前記usp45とトレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸との間の、rpmDなどの、遺伝子間領域を含む第2のポリシストロン性発現カセット、
e.hllAプロモーター(PhllA)の3’に位置する、トレハローストランスポーターllmg_0453およびllmg_0454を含む第3のポリシストロン性発現カセット、
f.trePPの不活性化、および
g.ptcCの不活性化
を有するラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である、請求項1に記載のLAB。
[22]
先行請求項のいずれか1項に記載のLABを含む組成物。
[23]
1型糖尿病(T1D)の治療における、請求項1から21に記載のLAB、または、請求項22に記載の組成物の使用。
[24]
T1Dの治療用の医薬を調製するための、請求項1から21に記載のLAB、または、請求項22に記載の組成物の使用。
[25]
それを必要とする対象においてT1Dを治療する方法であって、治療有効量の先行請求項のいずれか1項に記載のLAB、および、オテリキシズマブなどの、CD3に対する抗体を前記対象に投与することを含む方法。
[26]
前記LABを前記投与することおよび前記抗CD3抗体を前記投与することが、
a.抗CD3抗体単独で治療された対応する対象と比べた時に、または前記LABおよび前記抗CD3抗体を投与されていない対応する対象と比べた時に、正常血中グルコースレベルを維持するために前記対象が必要とするインスリンの量を低減させ、
b.Cペプチドレベルによる測定で、少なくとも約2カ月にわたって前記対象において初期ベータ細胞機能を保存し、
c.少なくとも約2カ月にわたって前記対象において正常血糖を維持し、
d.少なくとも約2カ月にわたって前記対象において正常ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルを維持し、または
e.任意のこれらの組合せである、
請求項25に記載の方法。
1.インターロイキン-10(IL-10)をコードする外因性核酸、およびプロインスリン(PINS)をコードする外因性核酸を含み、IL-10をコードする前記外因性核酸およびPINSをコードする前記外因性核酸が、染色体に組み込まれている、乳酸菌(LAB)。
2.ラクトコッカス(Lactococcus)種の細菌である、実施形態1のLAB。
3.ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である、実施形態2のLAB。
4.ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)亜種クレモリス(cremoris)である、実施形態3のLAB。
5.ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)株MG1363である、実施形態4のLAB。
6.前記IL-10が、ヒトIL-10(hIL-10)である、実施形態1~5のいずれか1つのLAB。
7.前記hIL-10が、シグナルペプチドを含まない成熟hIL-10として分泌された時に、2位においてプロリン(Pro)の代わりにアラニン(Ala)を含む、実施形態6のLAB。
8.前記IL-10が、配列番号1に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する、実施形態1~7のいずれか1つのLAB。
9.IL-10をコードする前記外因性核酸が、配列番号2に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有する、実施形態1~8のいずれか1つのLAB。
10.前記PINSが、ヒトPINS(hPINS)である、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
11.前記PINSが、配列番号3に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
12.PINSをコードする前記外因性核酸が、配列番号4に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
13.前記IL-10を構成的に発現する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
14.前記IL-10を分泌する、実施形態13のLAB。
15.前記PINSを構成的に発現する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
16.前記PINSを分泌する、実施形態15のLAB。
17.前記IL-10および前記PINSを構成的に発現しかつ分泌する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
18.IL-10をコードする前記外因性核酸が、hllAプロモーター(PhllA)の3’に位置する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
19.前記PhllAが、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)のPhllAである、実施形態18のLAB。
20.IL-10をコードする前記外因性核酸が、前記PhllAによって転写調節される、実施形態18のLAB。
21.hllAプロモーター、IL-10分泌配列、およびIL-10をコードする前記外因性核酸を含む発現カセットを含む、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
22.前記発現カセットが、染色体に組み込まれている、実施形態21のLAB。
23.前記発現カセットが、thyA遺伝子座において染色体に組み込まれている、実施形態22のLAB。
24.前記IL-10分泌配列が、未同定分泌45kDaタンパク質(Usp45)の分泌リーダー(SSusp45)をコードするヌクレオチド配列である、実施形態21~23のいずれか1つのLAB。
25.PINSをコードする前記外因性核酸が、gapBプロモーターの3’に位置する、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
26.PINSをコードする前記外因性核酸が、前記gapBプロモーターによって転写調節される、実施形態25のLAB。
27.gapB遺伝子の5’に位置するgapBプロモーター、PINS分泌配列、およびPINSをコードする前記外因性核酸を含む第1のポリシストロン性発現カセットを含む、実施形態25または26のLAB。
28.前記gapB遺伝子と前記PINS分泌配列との間の遺伝子間領域をさらに含む、実施形態27のLAB。
29.前記遺伝子間領域が、配列番号8または配列番号9を有するrpmDである、実施形態28のLAB。
30.前記gapBプロモーターおよび前記gapB遺伝子が、前記LABに対して内因性である、実施形態27~29のいずれか1つのLAB。
31.前記第1のポリシストロン性発現カセットが、染色体に組み込まれている、実施形態27~30のいずれか1つのLAB。
32.前記PINS分泌配列が、SSusp45をコードするヌクレオチド配列である、実施形態27~31のいずれか1つのLAB。
33.前記SSusp45が、配列番号11または配列番号12のヌクレオチド配列を有する、実施形態32のLAB。
34.トレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする外因性核酸をさらに含む、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
35.前記トレハロース-6-リン酸ホスファターゼが、大腸菌(Escherichia coli)OtsBである、実施形態34のLAB。
36.トレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸が、染色体に組み込まれている、実施形態34または35のLAB。
37.トレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸が、未同定分泌45kDaタンパク質遺伝子(usp45)の3’において染色体に組み込まれている、実施形態36のLAB。
38.usp45プロモーター、前記usp45、およびトレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸を含む第2のポリシストロン性発現カセットを含む、実施形態37のLAB。
39.前記第2のポリシストロン性発現カセットが、前記usp45とトレハロース-6-リン酸ホスファターゼをコードする前記外因性核酸との間の遺伝子間領域をさらに含む、実施形態38のLAB。
40.前記遺伝子間領域が、配列番号8または配列番号9を有するrpmDである、実施形態39のLAB。
41.トレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ遺伝子(trePP)が、前記LABにおいて破壊または不活性化されている、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
42.前記trePPが、前記trePPまたはその断片を除去することによって不活性化されている、実施形態41のLAB。
43.前記trePPが、終止コドンの挿入によって破壊されている、実施形態41のLAB。
44.trePP活性を欠いている、実施形態41~43のいずれか1つのLAB。
45.セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント遺伝子(ptcC)が、前記LABにおいて破壊または不活性化されている、先行する実施形態のいずれか1つのLAB。
46.前記ptcCが、終止コドンを挿入することによって破壊されている、実施形態45のLAB。
47.前記ptcCが、前記ptcCまたはその断片を除去することによって不活性化されている、実施形態45のLAB。
48.ptcC活性を欠いている、実施形態45~47のいずれか1つのLAB。
49.1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする1つまたは複数の遺伝子をさらに含む、先行する実施形態のいずれかのLAB。
50.1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする前記1つまたは複数の遺伝子が、前記LABに対して内因性である、実施形態49のLAB。
51.前記1つまたは複数のトレハローストランスポーターを過剰発現する、実施形態49または50のLAB。
52.1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする前記1つまたは複数の遺伝子が、hllAプロモーター(PhllA)の3’に位置する、実施形態49~51のいずれか1つに記載のLAB。
53.1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする前記1つまたは複数の遺伝子が、前記PhllAによって転写調節される、実施形態52のLAB。
54.1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする前記1つまたは複数の遺伝子が、llmg_0453、llmg_0454、および任意のこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態47~51のいずれか1つのLAB。
55.1つまたは複数のトレハローストランスポーターをコードする前記1つまたは複数の遺伝子が、2つのトレハローストランスポーターをコードする2つの遺伝子を含み、遺伝子間領域が、前記2つの遺伝子の間に位置する、実施形態54のLAB。
56.前記遺伝子間領域が、配列番号8または配列番号9を有するrpmDである、実施形態55のLAB。
57.先行する実施形態のいずれか1つのLABを含む組成物。
58.実施形態1~56のいずれか1つのLAB、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
59.1型糖尿病(T1D)の治療において使用するための、実施形態1~56のいずれか1つのLAB、実施形態57の組成物、または実施形態58の医薬組成物。
60.T1Dの治療用の医薬の調製において使用するための、実施形態1~56のいずれか1つのLAB、実施形態57の組成物、または実施形態58の医薬組成物。
61.前記T1Dが、発症直後のT1Dである、実施形態60のLAB、組成物、または医薬組成物。
62.それを必要とする対象においてT1Dを治療する方法であって、治療有効量の実施形態1~56のいずれか1つのLAB、実施形態57の組成物、または実施形態58の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法。
63.前記T1Dが、発症直後のT1Dである、実施形態62の方法。
64.前記対象が、ヒトである、実施形態62または63の方法。
65.治療有効量の抗CD3抗体を前記対象に投与することをさらに含む、実施形態62~64のいずれか1つの方法。
66.前記抗CD3抗体が、モノクローナル抗体である、実施形態65の方法。
67.前記抗CD3抗体が、オテリキシズマブまたはテプリズマブである、実施形態65または66の方法。
68.前記抗体が、併用療法レジメンを使用して前記対象に投与される、実施形態65~67のいずれか1つの方法。
69.前記LABを前記投与することおよび前記抗CD3抗体を前記投与することが、
(i)抗CD3抗体単独で治療された対応する対象と比べた時に、または前記LABおよび前記抗CD3抗体を投与されていない対応する対象と比べた時に、正常血中グルコースレベルを維持するために前記対象が必要とするインスリンの量を低減させ、
(ii)Cペプチドレベルによる測定で、少なくとも約2カ月にわたって前記対象において初期ベータ細胞機能を保存し、
(iii)少なくとも約2カ月にわたって対象において正常血糖を維持し、
(iv)少なくとも約2カ月にわたって前記対象において正常ヘモグロビンA1c(HbA1c)レベルを維持し、または
(v)任意のこれらの組合せである、
実施形態65~68のいずれか1つの方法。
70.前記対象におけるインスリン自己抗体(IAA)を測定することをさらに含む、実施形態62~69のいずれか1つの方法。
71.(i)LABを、IL-10をコードする外因性核酸と接触させること、および(ii)前記LABを、PINSをコードする外因性核酸と接触させることを含み、IL-10をコードする前記外因性核酸、およびPINSをコードする前記外因性核酸が、染色体に組み込まれる、遺伝子改変されたLABを調製する方法。
72.IL-10をコードする前記外因性核酸およびPINSをコードする前記外因性核酸が、相同組換えを使用して染色体に組み込まれる、実施形態71の方法。
73.前記LABを、IL-10をコードする外因性核酸と前記接触させることが、前記LABを、PINSをコードする外因性核酸と前記接触させることの前に行われる、実施形態71または72の方法。
74.前記LABを、IL-10をコードする外因性核酸と前記接触させることが、前記LABを、PINSをコードする外因性核酸と前記接触させることの後に行われる、実施形態71または72の方法。
75.前記遺伝子改変されたLABの培養物を少なくとも1つの安定化剤と合わせて細菌混合物を形成することをさらに含む、実施形態71~74のいずれか1つの方法。
76.前記細菌混合物から水を除去して乾燥組成物を形成することをさらに含む、実施形態75の方法。
77.前記細菌混合物を凍結乾燥して凍結乾燥組成物を形成することを含む、実施形態76の方法。
78.前記少なくとも1つの安定化剤が、少なくとも1つの凍結保存剤を含む、実施形態77の方法。
79.前記遺伝子改変されたLAB、前記乾燥組成物、または前記凍結乾燥組成物を薬学的に許容される担体と合わせて医薬組成物を形成することをさらに含む、実施形態71~78のいずれか1つの方法。
80.前記乾燥組成物、前記凍結乾燥組成物または前記医薬組成物を医薬剤形に配合することをさらに含む、実施形態76~79のいずれか1つの方法。
81.実施形態71~80のいずれか1つの方法によって調製された、遺伝子改変された細菌。
82.実施形態1~56のいずれか1つのLABの培養物を少なくとも1つの安定化剤と接触させて細菌混合物を形成することを含む、医薬組成物を調製する方法。
83.前記細菌混合物から水を除去し、それによって乾燥組成物を形成することをさらに含む、実施形態82の方法。
84.前記細菌混合物を凍結乾燥し、それによって凍結乾燥組成物を形成することを含む、実施形態82または83の方法。
85.前記少なくとも1つの安定化剤が、少なくとも1つの凍結保存剤を含む、実施形態82~84のいずれか1つの方法。
86.前記凍結乾燥組成物を薬学的に許容される担体と接触させて医薬組成物を形成することをさらに含む、実施形態84または85の方法。
87.前記凍結乾燥組成物を医薬剤形に配合することをさらに含む、実施形態84~86のいずれか1つの方法。
88.前記医薬剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、およびサシェ剤からなる群から選択される、実施形態87の方法。
89.実施形態1~56のいずれか1つのLAB、実施形態57の組成物、または実施形態58の医薬組成物を含む単位剤形。
90.経口剤形である、実施形態89の単位剤形。
91.前記経口剤形が、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、およびサシェ剤からなる群から選択される、実施形態90の単位剤形。
92.約1×106~約1×1012コロニー形成単位(cfu)の前記LABを含む、実施形態89~91のいずれか1つの単位剤形。
93.約1×108~約1×1011cfuを含む、実施形態92の単位剤形。
94.(1)実施形態1~56のいずれか1つに記載のLAB、実施形態57に記載の組成物、実施形態58の医薬組成物、または実施形態89~93のいずれか1つの単位剤形、および(2)前記LAB、前記組成物、前記医薬組成物、または前記単位剤形を哺乳動物に投与するための説明書を含むキット。
95.前記哺乳動物が、ヒトである、実施形態94のキット。
96.実施形態1~56のいずれか1つのLAB、溶媒、および安定化剤を含む細菌懸濁液。
97.前記溶媒が、水、油、および任意のこれらの組合せから選択される、実施形態96の細菌懸濁液。
Claims (21)
- 染色体に組み込まれた2つの外因性核酸を含み、第1の外因性核酸が、ヒトインターロイキン-10(hIL-10)をコードし、第2の外因性核酸が、ヒトプロインスリン(hPINS)をコードする、組換え乳酸菌(LAB)であって、前記組換えLABが:
(a)前記hIL-10および前記hPINSを構成的に発現しかつ分泌し;
(b)トレハロース-6-リン酸ホスホリラーゼ(TrePP)活性を欠き;および
(c)セロビオース特異的PTS系IICコンポーネント(PtcC)活性を欠き;
前記第1の外因性核酸が:
(i)配列番号2に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む;
(ii)hllAプロモーター(PhllA)によって転写調節される;および
(iii)前記組換えLABのthyA遺伝子座において染色体に組み込まれている;
から選択される少なくとも1つの特徴を有し;および
前記hIL-10が、成熟hIL-10の2位においてプロリン(Pro)からアラニン(Ala)への置換を含む、前記組換えLAB。 - 組換えラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)である、請求項1に記載の組換えLAB。
- 前記hIL-10が:
a)Usp45分泌リーダー(SSusp45)を含む融合タンパク質として発現する;
および
b)配列番号1に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む;
から選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項1または2に記載の組換えLAB。 - 前記第2の外因性核酸が:
a)配列番号4に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を含む;および
b)gapBプロモーター、gapB遺伝子、Usp45分泌リーダー(SSusp45)をコードする核酸配列、および第2の外因性核酸を5’から3’の順に含む第1のポリシストロン性発現カセットに挿入され、前記第1のポリシストロン性発現カセットが、Usp45分泌リーダー(SSusp45)を含むhPINS融合タンパク質を発現する;
から選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の組換えLAB。 - 前記第1のポリシストロン性発現カセットが、前記gapB遺伝子と前記第2の外因性核酸との間の、rpmD遺伝子のすぐ5’にある遺伝子間領域をさらに含む、請求項4に記載の組換えLAB。
- 前記hPINSが:
a)配列番号3に対して少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む;および
b)Usp45分泌リーダー(SSusp45)を含む融合タンパク質として発現される;
から選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換えLAB。 - 前記組換えLABが:
a)外因性のトレハロース-6-リン酸ホスファターゼを発現する;および
b)少なくとも1つのトレハローストランスポーターをコードする遺伝子を構成的に過剰発現する;
から選択される少なくとも1つの特徴をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えLAB。 - 前記トレハロース-6-リン酸ホスファターゼが、大腸菌(Escherichia coli)のOtsBであり;
前記少なくとも1つのトレハローストランスポーターが、ptsI遺伝子およびptsII遺伝子によりコードされ;
前記組換えLABが内因性の不活性化trePPを含むために、前記組換えLABがTrePP活性を欠き;および
前記組換えLABが内因性の不活性化ptcCを含むために、前記組換えLABがPtcC活性を欠く;
請求項7に記載の組換えLAB。 - a)Usp45分泌リーダー(SSusp45)をコードする核酸配列および前記第1の外因性核酸を転写するhllAプロモーター(PhllA)を含み、前記hIL-10が前記SSusp45を含む融合タンパク質として発現する、前記組換えLABのthyA遺伝子座において染色体に組み込まれている発現カセット;
b)gapBプロモーター、gapB遺伝子、Usp45分泌リーダー(SSusp45)をコードする核酸配列および前記第2の外因性核酸を5’から3’の順に含み、前記hPINSが前記SSusp45を含む融合タンパク質として発現する、染色体に組み込まれている第1のポリシストロン性発現カセット;
c)usp45プロモーター、usp45遺伝子、rpmD遺伝子のすぐ5’にある遺伝子間領域および大腸菌(Escherichia coli)のOtsBをコードする第3の外因性遺伝子を5’から3’の順に含む、染色体に組み込まれている第2のポリシストロン性発現カセット;
d)hllAプロモーター(PhllA)およびpstI遺伝子とpstII遺伝子を含む核酸を5’から3’の順に含む、第3のポリシストロン性発現カセット;
e)不活性化された内因性のtrePP遺伝子であって、前記trePP遺伝子は遺伝子の欠失により不活性化されることにより、前記組換えLABがTrePP活性を欠く、前記不活性化された内因性のtrePP遺伝子;および
f)不活性化された内因性のptcC遺伝子であって、前記ptcC遺伝子は未成熟終止コドンを挿入することによって不活性化されることにより、前記組換えLABがPtcC活性を欠く、前記不活性化された内因性のptcC遺伝子;
を含む、請求項2に記載の組換えLAB。 - 請求項1~9のいずれか1項に記載の組換えLABおよび薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
- ヒトにおける1型糖尿病(T1D)の治療用の医薬を調製するための、請求項1から9に記載の組換えLABの使用。
- ヒトにおける1型糖尿病(T1D)を治療するための、請求項1~9のいずれか1項に記載の組換えLABまたは請求項10に記載の医薬組成物。
- 前記組換えLABまたは前記医薬組成物が、経口投与されるものである、請求項12に記載の医薬組成物。
- 前記ヒトが、発症直後のT1Dを有する、請求項12または13記載の医薬組成物。
- 前記ヒトの血液が、インスリン自己抗体(IAA)、膵島細胞自家抗体、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD65)自家抗体およびICA512抗体からなる群から選択される自家抗体について陽性である、請求項12~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 前記ヒトの血液が、インスリン自己抗体(IAA)について陽性である、請求項12~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 前記治療が、前記ヒトの血液中のインスリン自己抗体(IAA)の量を測定することをさらに含む、請求項12~16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 前記ヒトの血液中の前記IAAの量が、T1Dの疾患進行または前記T1D治療の転帰の指標である、請求項17に記載の医薬組成物。
- 前記IAAの量の測定が:
a)前記T1D治療の転帰を予測するために、前記組換えLABまたは前記医薬組成物を投与する前に行われる;または
b)前記T1D治療の転帰をモニターし、測定するために、前記組換えLABまたは前記医薬組成物を投与した後に行われる;
請求項17に記載の医薬組成物。 - 前記治療が、免疫調節剤を前記ヒトに投与することをさらに含む、請求項12~19のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 前記免疫調節剤が、抗CD3抗体である、請求項20に記載の医薬組成物。
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