JP3832521B2 - 画像形成装置および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル複写機、コンピュータプリンタまたはネットワークプリンタなどの画像形成装置、およびそのような画像形成装置の画像処理部である画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在製品化されている、デジタル複写機、コンピュータプリンタまたはネットワークプリンタなどの、多くの画像形成装置では、画像出力部(画像出力装置)として、高品質の画像を高速で得ることができる電子写真方式が広く採用されている。
【0003】
電子写真方式では、現像手段として、絶縁性トナーと磁性粒子を現像器内で混合摩擦させることにより絶縁性トナーを帯電させ、現像ロール上に磁力により現像剤をブラシ状に形成し、現像ロールの回転により感光体上に現像剤を供給することによって、感光体上の静電潜像を現像する、二成分磁気ブラシ現像方式が広く用いられており、特にカラー画像形成装置では、より広く採用されている。
【0004】
しかし、この電子写真方式の画像出力部、特に二成分磁気ブラシ現像方式による画像出力部では、その非線形かつ非対称な出力特性によって、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するとき、低濃度部の高濃度部と接する後方端部の濃度が低下する。また、出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するとき、低濃度部の高濃度部と接する端部の濃度が低下する。
【0005】
すなわち、一つには、図15(A)に示すように、出力される画像が、感光体上における静電潜像形成用の光ビームの走査方向である主走査方向に対して直交する、用紙送り方向とは逆の方向である副走査方向に、低濃度部12Lから高濃度部13Hに変化するとき、以下に示すような理由によって、低濃度部12Lの高濃度部13Hと接する後方端部12Wの濃度が低下する。
【0006】
もう一つには、同図(B)に示すように、出力される画像が、主走査方向に、低濃度部16Lと高濃度部15H,17Hとの間で変化するとき、以下に示すような理由によって、低濃度部16Lの高濃度部15H,17Hと接する端部16F,16Bの濃度が低下する。
【0007】
二成分磁気ブラシ現像方式による電子写真方式では、図16に示すように、感光体ドラム310の矢印311の方向の回転によって、感光体ドラム310が静電潜像形成用の帯電器320により帯電され、その帯電された感光体ドラム310上に、画像信号で変調されたレーザ光Lが照射されることにより、感光体ドラム310上に静電潜像が形成され、その静電潜像が形成された感光体ドラム310が、感光体ドラム310の線速度の2倍程度の線速度で矢印336の方向に回転する現像スリーブ335の表面の現像剤層337と接することにより、現像剤層337中のトナーが感光体ドラム310上の潜像部分に付着して、感光体ドラム310上の静電潜像がトナー像に現像される。
【0008】
図16(A)は、レーザ光Lの照射により感光体ドラム310上に低濃度部12Lの潜像部32Lが形成されて、その前方エッジ32fが現像剤層337と接する瞬間を示し、同図(B)は、潜像部32Lの後方エッジ32bが現像剤層337と接する瞬間を示し、同図(C)は、潜像部32Lの後方エッジ32bより幾分後方側の、高濃度部13Hの潜像部33Hが現像剤層337と接する瞬間を示す。
【0009】
現像スリーブ335には、例えば−500Vの電位の現像バイアスが与えられる。感光体ドラム310は、帯電器320により、現像バイアス電位より絶対値が大きい、例えば−650Vの電位に帯電され、低濃度部12Lの潜像部32Lは、現像バイアス電位より絶対値が小さい、例えば−300Vとされる。また、低濃度部12Lの後方の高濃度部13Hの潜像部33Hは、低濃度部12Lの潜像部32Lの電位より絶対値が小さい、例えば−200Vとされる。
【0010】
図16(A)のように潜像部32Lの前方エッジ32fが現像剤層337と接する時、感光体ドラム310と現像剤層337とが接する位置Qに存在するトナーtaには、順方向の現像電界が印加されて、トナーtaが潜像部32L上に付着される。以後、同図(B)のように潜像部32Lの後方エッジ32bが現像剤層337と接する時まで、低濃度部12Lの潜像部32Lにはトナーが付着される。トナーtcは、低濃度部12Lの高濃度部13Hと接する後方端部12Wに相当する、潜像部32Lの潜像部33Hと接する後方端部に付着されたトナーである。
【0011】
しかし、同図(B)の時点以降においては、高濃度部13Hの潜像部33Hが現像剤層337と接するようになる。そして、潜像部33Hの電位は潜像部32Lの電位より絶対値が小さく、潜像部33Hと現像剤層337との間には順方向のより大きな現像電界が印加されるので、潜像部33Hには多量のトナーが付着される。
【0012】
そのため、現像剤層337中の、感光体ドラム310と現像剤層337とが接する位置Qの近傍部分においては、トナーで覆われていた磁性粒子が露呈されて、その磁性粒子の電位によって、同図(B)のように一旦は潜像部32Lの潜像部33Hと接する後方端部に付着されたトナーtcが、現像剤層337中に引き戻されてしまう。
【0013】
そのため、同図(C)にトナーが存在しない部分として示すように(必ずしも全くなくなるわけではなく、図は簡略化したものである)、潜像部32Lの潜像部33Hと接する後方端部のトナー量が減少し、図15(A)に示したように陸地の高濃度部13Hと接する後方端部12Wの濃度が低下する。なお、高濃度部13Hの潜像部33Hに付着されるトナーteは、低濃度部12Lの潜像部32Lに付着されるトナーtaより多くなるが、図16(C)では便宜上、同量のものとして示した。
【0014】
このように、低濃度部12Lの高濃度部13Hと接する後方端部12Wでの濃度低下は、低濃度部12Lの潜像部32Lと高濃度部13Hの潜像部33Hとの間の電位差によって生じる。実際上、低濃度部12Lと高濃度部13Hとの間の濃度差が、網点面積率で10%以上あるときには、上記のようなトナーの引き戻しによって、低濃度部12Lの高濃度部13Hと接する後方端部12Wの濃度が低下する。また、その濃度差が大きいほど、後方端部12Wでの濃度低下が大きくなるとともに、濃度低下を生じる後方端部12Wの範囲も広くなる。
【0015】
また、この低濃度部12Lの後方端部12Wでの濃度低下、すなわち潜像部32Lの後方端部でのトナー量の減少は、低濃度部12Lの直後に続く高濃度部13Hの潜像部33Hの絶対値の小さい電位によって、潜像部32Lの後方端部に付着されたトナーが現像剤層337中に引き戻されることにより生じるので、出力される画像が副走査方向に、逆に高濃度部から低濃度部に変化しても、低濃度部の高濃度部と接する前方端部の濃度は低下しない。
【0016】
もう一つの、図15(B)に示したように、出力される画像が主走査方向に、低濃度部16Lと高濃度部15H,17Hとの間で変化する場合は、図16には示していないが、感光体ドラム310上において、低濃度部16Lの絶対値が相対的に大きい潜像部と、高濃度部15H,17Hの絶対値が相対的に小さい潜像部とが、感光体ドラム310の軸方向、すなわち図16の紙面に垂直な方向に隣接する場合である。
【0017】
この場合には、高濃度部15Hから低濃度部16Lに変化するときにも、逆に低濃度部16Lから高濃度部17Hに変化するときにも、一旦、低濃度部16Lの潜像部の高濃度部15H,17Hの潜像部と接する端部に付着したトナーが、現像剤層337中に引き戻されることによって、低濃度部16Lの潜像部の高濃度部15H,17Hの潜像部と接する端部のトナー量が減少し、図15(B)に示したように、低濃度部16Lの高濃度部15H,17Hと接する端部16F,16Bの濃度が低下する。
【0018】
このように、二成分磁気ブラシ現像方式による電子写真方式では、感光体ドラム310上に付着されたトナーが現像剤層337中に引き戻されることによって、出力される画像が副走査方向に低濃度部12Lから高濃度部13Hに変化するとき、低濃度部12Lの高濃度部13Hと接する後方端部12Wの濃度が低下し、また、出力される画像が主走査方向に低濃度部16Lと高濃度部15H,17Hとの間で変化するとき、低濃度部16Lの高濃度部15H,17Hと接する端部16F,16Bの濃度が低下する。この明細書では、この濃度低下を、starvationと称する。
【0019】
特開平5−281790号および特開平6−87234号には、レーザ光により感光体上に静電潜像を書き込むレーザ光スキャナを高精度化し、その静電潜像を現像する現像手段のパラメータを調整することによって、現像電界のコントラストを高めて、上記のstarvationのような濃度低下を防止する考えが示されている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静電潜像の書き込み手段であるレーザ光スキャナの高精度化によって現像電界のコントラストを高める方法は、画像出力部の大型化や高コスト化を招くことになる。しかも、出力画像の高解像度化のために画像出力部でスクリーン線数を増加させる場合には、現像電界のコントラストが低下して、starvationのような濃度低下が、より生じやすくなるため、出力画像の高解像度化を達成する場合との両立が難しい。
【0021】
近年、コンピュータプリンタやネットワークプリンタの普及に伴い、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ上で作成した図形画像を印刷する機会が増加する傾向にある。このような図形画像では、写真などの自然画像と比べて、starvationのような濃度低下が目につきやすい。そのため、コンピュータプリンタやネットワークプリンタなどの画像形成装置では、複写機などの画像形成装置に比べて、starvationのような濃度低下が、より問題となる。
【0022】
MTF特性のような、画像出力部の線形で対称な出力特性を補正する方法としては、デジタルフィルタ処理により入力画像データを補正する方式が広く用いられている。しかしながら、デジタルフィルタ処理では、上述したように画像出力部の非線形かつ非対称な出力特性に基づくstarvationのような濃度低下を軽減ないし防止することは不可能である。
【0023】
そこで、この発明は、画像形成装置ないし画像出力装置の大型化や高コスト化をきたすことなく、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときの低濃度部の濃度低下、または出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときの低濃度部の濃度低下を、防止することができるようにしたものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1または9の発明は、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときの低濃度部の濃度低下を防止するものである。
【0025】
請求項1の発明の画像形成装置は、
光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像形成装置において、
画素ごとに記録媒体上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
その入力画像データの画素値が前記記録媒体上での副走査方向において低濃度画素値から高濃度画素値に変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの前記低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする
【0026】
請求項9の発明の画像処理装置は、
光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像出力装置に供給する出力画像データを得るために、ページ単位で画像を形成するための画像情報を処理する画像処理装置において、
画素ごとにページ上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
その入力画像データの画素値が前記ページ上での副走査方向において低濃度画素値から高濃度画素値に変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの前記低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする
【0027】
請求項14または15の発明は、出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときの低濃度部の濃度低下を防止するものである。
【0028】
請求項14の発明の画像形成装置は、
光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像形成装置において、
画素ごとに記録媒体上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
その入力画像データの画素値が前記記録媒体上での主走査方向において低濃度画素値と高濃度画素値との間で変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする
【0029】
請求項15の発明の画像処理装置は、
光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像出力装置に供給する出力画像データを得るために、ページ単位で画像を形成するための画像情報を処理する画像処理装置において、
画素ごとにページ上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
その入力画像データの画素値が前記ページ上での主走査方向において低濃度画素値と高濃度画素値との間で変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする
【0030】
【作用】
上記のように構成した、請求項1の発明の画像形成装置、または請求項9の発明の画像処理装置においては、装置の画像取得手段に、画素ごとに記録媒体上またはページ上での位置情報と画素値情報とを有する入力画像データが入力され、または装置の画像取得手段に画像情報が入力されて、その画像情報が画像取得手段において、画素ごとに記録媒体上またはページ上での位置情報と画素値情報とを有する入力画像データに展開される。
【0031】
そして、装置のエッジ抽出手段において、その画像取得手段で取得された入力画像データの画素値が記録媒体上またはページ上での副走査方向において低濃度画素値から高濃度画素値に変化するエッジ画素が検出され、装置の補正手段において、その検出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、入力画像データの前記低濃度画素値を有する画素の画素値が補正される。
【0032】
したがって、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するとき、低濃度部においては、その画素の画素値が補正されることなく記録媒体上に出力されたときに生じる濃度低下が防止されるように、その画素の画素値が補正されて、その補正後の画素値が、装置内の画像出力部または装置外の画像出力装置において記録媒体上に出力されることになる。したがって、低濃度部の濃度低下が防止される。
【0033】
上記のように構成した、請求項14の発明の画像形成装置、または請求項15の発明の画像処理装置においては、装置の画像取得手段に、画素ごとに記録媒体上またはページ上での位置情報と画素値情報とを有する入力画像データが入力され、または装置の画像取得手段に画像情報が入力されて、その画像情報が画像取得手段において、画素ごとに記録媒体上またはページ上での位置情報と画素値情報とを有する入力画像データに展開される。
【0034】
そして、装置のエッジ抽出手段において、その画像取得手段で取得された入力画像データの画素値が記録媒体上またはページ上での主走査方向において低濃度画素値と高濃度画素値との間で変化するエッジ画素が検出され、装置の補正手段において、その検出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、入力画像データの低濃度画素値を有する画素の画素値が補正される。
【0035】
したがって、出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するとき、低濃度部においては、その画素の画素値が補正されることなく記録媒体上に出力されたときに生じる濃度低下が防止されるように、その画素の画素値が補正されて、その補正後の画素値が、装置内の画像出力部または装置外の画像出力装置において記録媒体上に出力されることになる。したがって、低濃度部の濃度低下が防止される。
【0036】
【発明の実施の態様】
〔実施例1…図1〜図10〕
図1は、この発明の画像処理装置の一例を搭載した、この発明の画像形成装置の一例としての、デジタルカラー複写機の全体構成を示す。この例の画像形成装置、すなわち複写機は、画像入力部100、画像処理部200および画像出力部300を備える。画像入力部100では、原稿上の画像が、CCDセンサなどからなるスキャナにより、例えば16画素/mm(400画素/インチ)の解像度で読み取られて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色につき8ビット、256階調のデジタルデータからなる入力画像信号が得られる。
【0037】
画像処理部200は、この発明の画像処理装置の一例で、この画像処理部200では、画像入力部100からの入力画像信号から、画像出力部300での記録色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色につき8ビット、256階調のデジタルデータからなる画像記録信号が形成されるとともに、後述するように、その画像記録信号の画素値が補正される。
【0038】
すなわち、図2は画像処理部200の一例を示し、画像入力部100からのRGB3色の信号Ri,Gi,Biが、透過中性濃度変換手段210により、透過中性濃度の信号Re,Ge,Beに変換され、その透過中性濃度の信号Re,Ge,Beが、色補正手段220により、透過中性濃度のYMC3色の信号Ye,Me,Ceに変換され、その透過中性濃度の信号Ye,Me,Ceが、墨版生成下色除去手段230により、下色除去されたYMC3色の信号Yei,Mei,Ceiと墨信号Keiに変換され、その信号Yei,Mei,Cei,Keiが、階調補正手段240により階調補正されて、YMCK4色の信号Yi,Mi,Ci,Kiからなる画像信号に変換される。
【0039】
この信号Yi,Mi,Ci,Kiが、入力画像データとして、データ補正部250に供給されて、後述するように画素値が補正される。また、この例では、コンピュータなどの外部機器からの色信号Scが、外部機器インタフェース260を通じて画像処理部200に取り込まれて、データ補正部250に供給され、信号Yi,Mi,Ci,Kiと同様に画素値が補正される。
【0040】
そして、データ補正部250からの画素値が補正されたYMCK4色の信号Yo,Mo,Co,Koが、画像処理部200からの出力画像データとして、画像出力部300に供給される。
【0041】
透過中性濃度変換手段210および階調補正手段240としては、例えば1次元のルックアップテーブルを用いる。色補正手段220としては、通常よく用いられる3×3の行列演算による線形マスキング法を利用することができるが、3×6,3×9などの非線形マスキング法を用いてもよい。また、墨版生成下色除去手段230としては、通常よく用いられるスケルトンUCR方式を用いることができる。ただし、いずれも、その他の公知の方法を用いてもよい。
【0042】
画像出力部300は、電子写真方式の、かつ二成分磁気ブラシ現像方式によるものである。図1および図2に示すように、画像出力部300はスクリーンジェネレータ390を有し、画像処理部200からの出力画像データは、このスクリーンジェネレータ390により、画素値に応じてパルス幅が変調された二値信号、すなわちスクリーン信号に変換される。
【0043】
図1に示すように、画像出力部300では、スクリーンジェネレータ390からのスクリーン信号により、レーザ光スキャナ380のレーザダイオード381が駆動されて、レーザダイオード381から、すなわちレーザ光スキャナ380から、レーザ光Lが得られ、そのレーザ光Lが感光体ドラム310上に照射される。
【0044】
感光体ドラム310は、静電潜像形成用の帯電器320により帯電され、レーザ光スキャナ380からのレーザ光Lが照射されることによって、感光体ドラム310上に静電潜像が形成される。
【0045】
その静電潜像が形成された感光体ドラム310に対して、回転現像器330のKYMC4色の現像器331,332,333,334が当接することによって、感光体ドラム310上に形成された各色の静電潜像がトナー像に現像される。この点は、図16に示して上述したところである。
【0046】
そして、用紙トレイ301上の用紙が、給紙装置部302により転写ドラム340上に送られ、巻装されるとともに、転写帯電器341により用紙の背面からコロナ放電が与えられることによって、感光体ドラム310上の現像されたトナー像が、用紙上に転写される。出力画像が多色画像の場合には、用紙が2〜4回繰り返して感光体ドラム310に当接させられることによって、KYMC4色中の複数色の画像が多重転写される。
【0047】
転写後の用紙は、定着器370に送られ、トナー像が、加熱溶融されることによって用紙上に定着される。感光体ドラム310は、トナー像が用紙上に転写された後、クリーナ350によってクリーニングされ、前露光器360によって再使用の準備がなされる。
【0048】
具体的に、この例では、レーザ光スキャナ380として、レーザ光Lの主走査方向のビーム径および副走査方向のビーム径が、それぞれ64μmとなるものを用いた。また、現像剤として、平均粒経が7μmの絶縁性トナーと平均粒経が50μmの磁性粒子(フェライトキャリア)とを混合したものを用い、トナーの濃度を7%とした。
【0049】
マゼンタトナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、C.I.ピグメントレッド57:1顔料を4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。シアントナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、C.I.ピグメントブルー15:3顔料を4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。イエロートナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、C.I.ピグメントイエロー17顔料を4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。ブラックトナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、カーボンブラック4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。
【0050】
上記の例の画像形成装置、すなわち複写機において、画像処理部200のデータ補正部250で後述する画素値の補正を行わないで、スクリーンジェネレータ390でのスクリーン線数を400ライン/インチとして、図10(A)に示すように、副走査方向には低濃度部12Lで示し、主走査方向には低濃度部16Lで示す矩形の、入力網点面積率が40%の低濃度領域が、高濃度部11H,13H,15Hおよび17Hからなる枠状の、入力網点面積率が100%の高濃度領域で囲まれたパッチを、マゼンタ単色で出力させた。
【0051】
その結果、副走査方向には、同図(A)に領域12Wとして示し、同図(B)に破線で示すように、低濃度部12Lの高濃度部13Hと接する後方端部12Wの濃度が低下し、主走査方向には、同図(A)に領域16F,16Bとして示し、同図(C)に破線で示すように、低濃度部16Lの高濃度部15H,17Hと接する端部16F,16Bの濃度が低下した。ただし、同図(B)は、同図(A)の縦方向の鎖線矢印の位置での濃度を測定し、同図(C)は、同図(A)の横方向の鎖線矢印の位置での濃度を測定したものである。
【0052】
この場合、副走査方向での後方端部12Wの方が、主走査方向での端部16F,16Bよりも、濃度低下の範囲が広く、濃度低下の程度も大きかった。また、これら濃度低下は、スクリーンジェネレータ390でのスクリーン線数を多くすると、より顕著になることが認められた。
【0053】
レーザ光スキャナ380をレーザ光Lの主走査方向のビーム径が20μmとなるものにしたところ、副走査方向での後方端部12Wおよび主走査方向での端部16F,16Bの濃度低下が減少した。しかし、レーザ光スキャナ380の大型化および高コスト化をきたす。また、スクリーン線数を多くした場合には、レーザ光Lの主走査方向のビーム径を小さくしても、後方端部12Wおよび端部16F,16Bの濃度低下を知覚できない程度に減少させることはできなかった。
【0054】
しかし、この例では、画像処理部200のデータ補正部250において、階調補正手段240からの入力画像データの画素値が補正される。図3は、そのデータ補正部250の具体例を示し、データ補正部250は、データ蓄積手段256、エッジ抽出手段251、補正対象判定手段254、特性記述手段252および画素値補正手段253によって構成される。
【0055】
データ蓄積手段256では、階調補正手段240からの入力画像データSiが1ページ分蓄積され、蓄積後、最初に、主走査方向に1画素ずつ1ページ分の画像データが読み出され、その読み出された画像データがエッジ抽出手段251および画素値補正手段253に供給される。次に、副走査方向に1画素ずつ1ページ分の画像データが読み出され、その読み出された画像データがエッジ抽出手段251および画素値補正手段253に供給される。ただし、主走査方向および副走査方向に、1画素ずつ数ライン分の画像データが読み出されるようにしてもよい。
【0056】
エッジ抽出手段251は、データ蓄積手段256から主走査方向に読み出された画像データの画素値が、規定の画素数内で規定の画素値以上、変化する点を、主走査方向のエッジ画素として抽出するとともに、データ蓄積手段256から副走査方向に読み出された画像データの画素値が、規定の画素数内で規定の画素値以上、変化する点を、副走査方向のエッジ画素として抽出する。
【0057】
例えば、主走査方向に読み出された画像データの画素値が、図4に示すように変化するとき、点E1〜E8が、主走査方向のエッジ画素として抽出され、副走査方向に読み出された画像データの画素値が、図5に示すように変化するとき、点E1〜E8が、副走査方向のエッジ画素として抽出される。
【0058】
この場合、エッジ抽出手段251は、その変化する点の相対的に低濃度側の画素をエッジ画素として、その画素位置xoを検出するとともに、低濃度側の画素値(エッジ画素の画素値)Lおよび高濃度側の画素値Hを検出する。さらに、エッジ抽出手段251は、エッジ画素を含む低濃度部の画素数Dを検出するとともに、高濃度部の画素値安定部分の画素数Wを検出する。
【0059】
そして、エッジ抽出手段251は、エッジ画素の画素位置xo、低濃度部画素値L、高濃度部画素値H、低濃度部の画素数D、および高濃度部の画素値安定部分の画素数Wを、補正対象判定手段254に送出する。
【0060】
補正対象判定手段254は、エッジ抽出手段251からの、低濃度部画素値L、高濃度部画素値H、および高濃度部の画素値安定部分の画素数Wから、エッジ抽出手段251で抽出されたエッジ画素のうち、上述したように低濃度部で濃度低下を生じ、したがって低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素を判定し、検出する。
【0061】
具体的に、主走査方向のエッジ画素については、(1)低濃度部画素値Lが規定値Ls以上である、(2)高濃度部画素値Hと低濃度部画素値Lとの差(H−L)が規定値HLs以上である、(3)高濃度部の画素値安定部分の画素数Wが規定画素数Ws以上である、の3つの条件を満たしている場合に、そのエッジ画素は、低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素と判定する。
【0062】
また、副走査方向のエッジ画素については、(1)低濃度部画素値Lが規定値Ls以上である、(2)高濃度部画素値Hと低濃度部画素値Lとの差(H−L)が規定値HLs以上である、(3)高濃度部の画素値安定部分の画素数Wが規定画素数Ws以上である、(4)低濃度部から高濃度部に変化する点のエッジ画素である、の4つの条件を満たしている場合に、そのエッジ画素は、低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素と判定する。
【0063】
電子写真方式の画像形成装置では、一般に網点面積率が5%未満の画素は画像出力部で再現することが困難である。したがって、低濃度部の画素値が網点面積率で5%未満のときには、低濃度部の濃度低下を問題にする必要性に乏しい。そのため、上記(1)の条件が設定される。したがって、規定値Lsは、画素値の階調段階で5%とされる。
【0064】
また、上述したように、高濃度部と低濃度部との間の濃度差が、網点面積率で10%以上あるときに、感光体ドラム310上から現像剤層337中へのトナーの引き戻しを生じ、低濃度部の高濃度部と接する端部の濃度が低下する。そのため、上記(2)の条件が設定される。したがって、規定値HLsは、画素値の階調段階で10%とされる。
【0065】
したがって、画素値を補正すべき低濃度部とは、画素値が階調段階で5〜90%であるものであり、高濃度部とは、画素値が階調段階で15〜100%であるものである。
【0066】
上記(3)の条件が設定されるのは、高濃度部の画素値安定部分の画素数Wが、ある画素数以下であるときには、高濃度部の潜像電位の影響が小さく、トナーの引き戻しをほとんど生じず、低濃度部の濃度低下をほとんど生じないからである。
【0067】
上記(4)の条件が設定されるのは、上述したように、出力される画像が副走査方向に高濃度部から低濃度部に変化するときの、低濃度部の高濃度部と接する前方端部では、濃度低下を生じないからである。
【0068】
図4の場合についてみると、点E1および点E8はそもそも(1)の条件を、点E2および点E3は(2)の条件を、点E6および点E7は(3)の条件を、それぞれ満たさないので、低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素として判定検出されない。点E4および点E5のみが、(1)〜(3)の条件をすべて満たすので、低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素として判定検出される。
【0069】
また、図5の場合についてみると、点E1および点E8はそもそも(1)の条件を、点E2および点E3は(2)の条件を、点E6および点E7は(3)の条件を、そして点E5は(4)の条件を、それぞれ満たさないので、低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素として判定検出されない。点E4のみが、(1)〜(4)の条件をすべて満たすので、低濃度部の画素値を補正すべきエッジ画素として判定検出される。
【0070】
補正対象判定手段254は、このように補正対象として判定検出したエッジ画素についての、画素位置xoおよび低濃度部の画素数Dを、画素値補正手段253に、低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hを、特性記述手段252に、それぞれ送出する。
【0071】
特性記述手段252は、主走査方向の補正用および副走査方向の補正用のルックアップテーブル(以下、LUTと称する)により構成されて、あらかじめ、主走査方向の補正用のLUTには、出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときに低濃度部で生じる濃度低下の特性が記述され、副走査方向の補正用のLUTには、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときに低濃度部で生じる濃度低下の特性が記述される。
【0072】
上述したように、主走査方向での低濃度部の濃度低下と、副走査方向での低濃度部の濃度低下とは、濃度低下の範囲および量が異なる。また、低濃度部の濃度低下は、感光体ドラム310上における低濃度部の潜像電位と高濃度部の潜像電位とに起因し、低濃度部の画素値または高濃度部の画素値のいずれか一方のみでは一意的に決まらず、低濃度部の画素値および高濃度部の画素値の双方に左右される。
【0073】
そこで、特性記述手段252には、上記のように主走査方向の補正用のLUTと副走査方向の補正用のLUTが設けられるとともに、それぞれには、エッジ画素の前後の低濃度部画素値(エッジ画素の画素値)Lおよび高濃度部画素値Hに対する、補正対象画素数aおよび画素値補正量bの関係が格納される。
【0074】
補正対象画素数aは、低濃度部の濃度低下を生じる範囲に相当し、画素値補正量bは、低濃度部に属するエッジ画素での濃度低下量に対応するものである。画素値補正量bは、図16に示した感光体ドラム310上から現像スリーブ335の表面の現像剤層337中に引き戻されるトナー量に基づいて決定される。具体的には、現像スリーブ335の回転方向における所定回転角ごとに決まる部分現像剤層ごとに、感光体ドラム310上から現像剤層337中に引き戻されるトナー量に基づいて決定される。
【0075】
そして、主走査方向の補正の際には、主走査方向の補正用のLUTが参照され、副走査方向の補正の際には、副走査方向の補正用のLUTが参照されるとともに、補正対象判定手段254からの低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hによって、対応するLUTから、低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対応する補正対象画素数aおよび画素値補正量bが読み出され、その読み出された補正対象画素数aおよび画素値補正量bが画素値補正手段253に供給される。
【0076】
具体例として、副走査方向の補正用のLUTとしては、図6(A)に示すように、低濃度部画素値L(網点面積率)のそれぞれの値ごとに、高濃度部画素値H(網点面積率)に対する補正対象画素数aを示したLUTと、同図(B)に示すように、低濃度部画素値L(網点面積率)のそれぞれの値ごとに、高濃度部画素値H(網点面積率)に対する画素数補正量b(網点面積率)を示したLUTとを設け、主走査方向の補正用のLUTとしても、同様にする。
【0077】
ただし、低濃度部画素値Lのすべての値につき、LUTを設ける場合には、データ量が膨大となる。そこで、図7に示すように、低濃度部画素値Lの例えば5%おきごとの値につき、高濃度部画素値Hに対する補正対象画素数aまたは画素値補正量bを示したLUTを設け、低濃度部画素値LのLUTが存在しない値については、前後の値についてのLUTから、高濃度部画素値Hによって読み出した補正対象画素数aおよび画素値補正量bを補間することによって、補正対象判定手段254からの低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対応する補正対象画素数aおよび画素値補正量bを求めるようにしてもよい。
【0078】
また、低濃度部の濃度低下は、隣接する低濃度部と高濃度部との潜像電位の差、すなわち低濃度部と高濃度部とに対する露光エネルギーの差に応じたものとなる。そこで、図8(A)に示すように、画素値と露光エネルギー(電位)との関係を記述したLUTと、同図(B)および(C)に示すように、露光エネルギー差と補正対象画素数aおよび画素値補正量bとの関係を記述したLUTを用意するようにしてもよい。
【0079】
この場合、補正対象判定手段254からの低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hのそれぞれにつき、同図(A)のLUTから露光エネルギーを求め、両者の差から、同図(B)および(C)のLUTにより、補正対象画素数aおよび画素値補正量bを求める。このようにすることによって、わずか2組、6面のLUTによって、低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対応する補正対象画素数aおよび画素値補正量bを求めることができる。
【0080】
特性記述手段252で得られた補正対象画素数aおよび画素値補正量bは、画素値補正手段253に送出される。
【0081】
画素値補正手段253は、データ蓄積部256から読み出されて画素値補正手段253に供給された画像データの画素値を、補正対象判定手段254から供給された画素位置xoおよび低濃度部の画素数D、および特性記述手段252から供給された補正対象画素数aおよび画素値補正量bによって、主走査方向の補正であるか、副走査方向の補正であるかに応じ、かつ低濃度部の画素数Dが補正対象画素数a以上であるか否かに応じて、以下のように補正する。
【0082】
図10(B)に示したように、低濃度部での濃度低下量は、濃度低下を生じる範囲で、ほぼ直線的に変化する傾向にある。そこで、画素値補正手段253では、以下のように、一次式によって画素値を補正する。
【0083】
第1に、主走査方向の低濃度部から高濃度部に変化するエッジ画素についての補正、または副走査方向のエッジ画素(副走査方向については補正対象は低濃度部から高濃度部に変化するエッジ画素のみである)についての補正で、かつ低濃度部の画素数Dが補正対象画素数a以上である場合には、図4のエッジ画素E4の位置、または図5のエッジ画素E4の位置に、それぞれ破線で示すように、主走査方向または副走査方向の画素位置をx、上記のようにエッジ画素の画素位置をxoとするとき、一次式、
y=(b/a)×{x−(xo−a)}
=(b/a)×x−xo+a) ………(1)
で表される補正量yを算出し、その算出した補正量yを、xo−a≦x≦xoの範囲の補正対象画素の元の画素値に加算する。
【0084】
したがって、データ蓄積手段256から画素値補正手段253に供給される画像データが、副走査方向には、図9の実線の入力画像データSiとして示すような値であるとき、画素値補正手段253での画素値の補正後の画像データは、副走査方向には、同図の出力画像データSoとして示すように、xo−a≦x≦xoの範囲では破線で示すような値となる。
【0085】
第2に、主走査方向の低濃度部から高濃度部に変化するエッジ画素についての補正、または副走査方向のエッジ画素についての補正で、かつ低濃度部の画素数Dが補正対象画素数aより少ない場合には、一次式、
y=(b/a)×x−xo+D) ………(2)
で表される補正量yを算出し、その算出した補正量yを、xo−D≦x≦xoの範囲の補正対象画素の元の画素値に加算する。すなわち、この場合には、補正対象画素を低濃度部の画素数Dの範囲に止めるとともに、それに応じて補正量yを上記の第1の場合より減じる。
【0086】
第3に、主走査方向の高濃度部から低濃度部に変化するエッジ画素についての補正で、かつ低濃度部の画素数Dが補正対象画素数a以上である場合には、図4のエッジ画素E5の位置に破線で示すように、主走査方向の画素位置をx、エッジ画素の画素位置をxoとするとき、一次式、
y=b−(b/a)×x−xo) ………(3)
で表される補正量yを算出し、その算出した補正量yを、xo≦x≦xo+aの範囲の補正対象画素の元の画素値に加算する。
【0087】
第4に、主走査方向の高濃度部から低濃度部に変化するエッジ画素についての補正で、かつ低濃度部の画素数Dが補正対象画素数aより少ない場合には、一次式、
y=(b/a)D−(b/a)×x−xo) ………(4)
で表される補正量yを算出し、その算出した補正量yを、xo≦x≦xo+Dの範囲の補正対象画素の元の画素値に加算する。すなわち、この場合には、補正対象画素を低濃度部の画素数Dの範囲に止めるとともに、それに応じて補正量yを上記の第3の場合より減じる。
【0088】
画素値補正手段253では、最初に、データ蓄積手段256から主走査方向に読み出された1ページ分の画像データの画素値が補正されて、その画素値補正後の画像データがデータ蓄積手段256に再び蓄積される。その後、データ蓄積手段256から副走査方向に読み出された、主走査方向の補正後の1ページ分の画像データの画素値が補正されて、その画素値補正後の画像データがデータ蓄積手段256に転送され、さらに出力画像データSoとしてデータ蓄積手段256からスクリーンジェネレータ390に供給される。
【0089】
そして、このように主走査方向の補正後、副走査方向の補正を行うことによって、図10(A)に示すように主走査方向の画像エッジと副走査方向の画像エッジが交差する部位で、過分の補正がなされるのを回避することができる。
【0090】
上記の例の画像形成装置、すなわち複写機において、画像処理部200のデータ補正部250で上述した画素値の補正を行って、スクリーンジェネレータ390でのスクリーン線数を400ライン/インチとして、図10(A)に示したパッチを、マゼンタ単色で出力させた。その結果、同図(B)および(C)に実線で示すように、低濃度部12Lおよび16Lにおいて濃度低下を生じなかった。
【0091】
上記の例は、補正量yを式(1)〜(4)で表される一次式により算出する場合であるが、低濃度部での濃度低下の特性に応じて、補正量yを他の関数式により算出するようにしてもよい。
【0092】
また、上記の例は、特性記述手段252にYMCKの各色につき共通の補正対象画素数aおよび画素値補正量bを記述する場合であるが、各色ごとの補正対象画素数aおよび画素値補正量bをストアしたLUTを用意するようにしてもよい。また、画像出力部300でのスクリーン線数ごとに異なる補正対象画素数aおよび画素値補正量bを記述するようにしてもよい。
【0093】
さらに、特性記述手段252にLUTを用いずに、図6に示したような低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対する補正対象画素数aおよび画素値補正量bの関係を関数式で表現したときの、関数式の係数を特性記述手段252に保持しておいて、その係数を用いて補正対象画素数aおよび画素値補正量bを算出するようにしてもよい。
【0094】
なお、エッジ抽出手段251は、上記のようにエッジ画素を抽出できるものであれば、デジタルフィルタ処理によりグラディエントなどの画像の1次微分値を得るものや、パターンマッチングによるものなどの、他の方法によるものでもよい。
【0095】
この例によれば、入力画像データを処理する画像処理装置において、またはそのような画像処理装置を画像処理部として備える画像形成装置において、画像出力装置または画像出力部の大型化や高コスト化をきたすことなく、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときの低濃度部での濃度低下、および出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときの低濃度部での濃度低下を、防止することができる。また、出力画像の高解像度化のためにスクリーン線数を増加させる場合でも、上記の濃度低下を防止することができるので、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【0096】
なお、一般的には、出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときの低濃度部での濃度低下は、その範囲および量が小さい。したがって、場合によっては、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときの低濃度部での濃度低下のみを防止するように画素値を補正してもよい。
【0098】
〔実施例2…図11〜図14〕
図11は、この発明の画像処理装置の一例を用い、この発明の画像形成装置の一例を用いたネットワークプリンタシステムの全体構成を示す。このネットワークプリンタシステムでは、ネットワーク400上に、クライアント装置500、印刷装置600および他の装置900が接続される。
【0099】
ネットワーク400は、例えばイーサネット(Ethernet:米国Xerox社商標)で、クライアント装置500、印刷装置600および他の装置900のアプリケーションに応じて、複数のプロトコルが動作するものとされる。
【0100】
クライアント装置500は、複数のクライアント装置501,502…からなるもので、それぞれのクライアント装置501,502…は、コンピュータやワークステーションなどからなり、それぞれ印刷装置600や他の装置900に対して、ページ記述言語(Page Discription Language:以下、PDLと称する)で記述された印刷情報を送出する。
【0101】
このネットワークプリンタシステムは、OPI(Open PrePressInterface:米国Aldus社商標)システムに対応するもので、クライアント装置500からのPDLで記述された印刷情報、すなわちPDLコマンド/データには、OPIシステムに対応したOPIコマンドが含まれることがある。
【0102】
OPIシステムは、ネットワークを介してクライアント装置および複数の印刷装置が接続され、その複数の印刷装置の少なくとも1台は記憶装置部に高解像度のイメージデータを保持し、クライアント装置は上記の高解像度イメージデータに対応する低解像度情報により編集処理を行い、高解像度イメージデータを保持する印刷装置はクライアント装置からのページレイアウトプログラムの印刷情報に基づいて高解像度イメージデータを出力するシステムで、ネットワーク上のトラフィックを増大させることなく、かつクライアント装置の負荷を増大させることなく、イメージデータのページレイアウト処理をすることができるものである。
【0103】
印刷装置600は、この発明の画像形成装置の一例で、この例では、上記のOPIシステムに対応したものである。印刷装置600は、画像処理部700と画像出力部800からなり、画像処理部700は、この発明の画像処理装置の一例である。画像出力部800は、実施例1の画像出力部300と同様に、電子写真方式の、かつ二成分磁気ブラシ現像方式によるものである。画像処理部700と画像出力部800は、物理的に別個の装置とされてもよいし、画像処理部700が画像出力部800内に組み込まれて物理的には1個の装置とされてもよい。
【0104】
他の装置900は、印刷装置600以外の印刷装置や、プリントサーバ、ディスクサーバ、メイルサーバなどのサーバ装置などである。これら印刷装置やサーバ装置なども、それぞれ複数のものからなる。
【0105】
印刷装置600の画像処理部700は、通信制御部710、主制御部720、磁気ディスク装置部730、バッファメモリ740および出力部制御部750を備える。
【0106】
通信制御部710は、画像処理部700をネットワーク400を介してクライアント装置500および他の装置900に接続し、例えばイーサネットの制御方式として用いられるCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detect)によって通信を制御する。
【0107】
通信制御部710によりクライアント装置500や他の装置900から画像処理部700に入力された情報は、通信制御部710から主制御部720に渡され、主制御部720において、通信プロトコルの解析およびPDLの解釈・実行がなされて、画像出力部800で出力する画像データが展開されるとともに、後述するように、その画像データの画素値が補正され、その補正後の画像データがバッファメモリ740に書き込まれる。
【0108】
磁気ディスク装置部730には、通信制御部710、主制御部720、バッファメモリ740および出力部制御部750を含む画像処理部700全体、および画像出力部800を制御する、オペレーションシステム、デバイスドライバおよびアプリケーションソフトウエアがインストールされ、これらオペレーションシステムなどは、磁気ディスク装置部730から図では省略した主記憶装置部に随時、ロードされて実行される。
【0109】
また、磁気ディスク装置部730には、OPIシステムに対応した上記の高解像度イメージデータがストアされ、その高解像度イメージデータは、上記のOPIコマンドにより磁気ディスク装置部730から主制御部720に随時、読み出される。なお、磁気ディスク装置部730は、上記の主記憶装置部やバッファメモリ740の容量が不足した場合には、データの一時待避場所として利用される。
【0110】
上記のように、バッファメモリ740には主制御部720で得られた出力画像データが一時保存される。そして、出力部制御部750が画像出力部800と通信しながらバッファメモリ740を制御することによって、その出力画像データがバッファメモリ740から読み出されて画像出力部800に送出され、画像出力部800において出力画像が得られる。
【0111】
図12に示すように、主制御部720は、通信プロトコル解析制御部721、PDLコマンド/データ解析部722、イメージ展開部770、文字展開部724、色判定部725、情報結合部726および補正描画部790を有し、通信プロトコル解析制御部721が通信制御部710と接続され、補正描画部790がバッファメモリ740と接続される。なお、図12では図11に示した磁気ディスク装置部730を省略している。
【0112】
上記のようにクライアント装置500や他の装置900から通信制御部710に入力された情報は、通信制御部710から通信プロトコル解析制御部721に入力される。この通信プロトコル解析制御部721に入力される情報には、読み取り画像情報やコード情報が混在するPDLで記述された印刷情報、すなわちPDLコマンド/データが含まれる。また、そのPDLコマンド/データには、OPIコマンドが含まれることがある。
【0113】
通信プロトコル解析制御部721では、その入力された情報のプロトコルを解析して、入力された情報のうち、PDLコマンド/データは、PDLコマンド/データ解析部722に転送する。通信プロトコル解析制御部721は、上記の複数のプロトコルに対応するものとされ、例えばTCP/IP,AppleTalk(米国Apple社商標)、IPX/SPXをサポートするものとされる。
【0114】
画像処理部700からクライアント装置500や他の装置900に対して情報を送る場合には、通信プロトコル解析制御部721は、クライアント装置500や他の装置900に合わせた通信プロトコルの制御をして、その情報を通信制御部710に出力する。
【0115】
通信制御部710および通信プロトコル解析制御部721を介してPDLコマンド/データ解析部722に入力されたPDLコマンド/データは、PDLコマンド/データ解析部722で解析される。PDLコマンド/データ解析部722では、ポストスクリプト(PostScript:米国AdobeSystems社商標)やインタプレス(InterPress:米国Xerox社商標)などを含む複数のPDLを解析して、中間的なコードデータに変換する。
【0116】
PDLコマンド/データ解析部722で得られた、画像出力部800の解像度の情報や、輪郭、位置、回転角などの画像形状情報は、PDLコマンド/データ解析部722からイメージ展開部770に渡され、イメージ展開部770は、これら情報により、画像出力部800で出力する画像データを展開する。
【0117】
この場合、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータが文字情報を含んでいるときには、イメージ展開部770は、文字展開部724からアウトライン情報を取り入れて、文字についての画像データを展開する。また、イメージ展開部770は、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータに基づいて、データの圧縮・伸長、画像の拡大・縮小、回転・鏡像化、解像度変換などの処理をする。
【0118】
色判定部725では、PDLコマンド/データ解析部722で解析されたPDLコマンド/データの色情報に基づいて、イメージ展開部770で展開された画像データをYMCKの各色ごとの画像データに変換するためのパラメータを生成し、そのパラメータを情報結合部726に送出する。情報結合部726では、色判定部725からのパラメータによって、イメージ展開部770で展開された画像データがYMCKの各色ごとの画像データに変換される。
【0119】
この情報結合部726からのYMCKの各色ごとの画像データが、入力画像データとして補正描画部790に供給されて、補正描画部790において、後述するように入力画像データの画素値が補正され、その補正後のYMCKの各色ごとの画像データが、出力画像データとしてバッファメモリ740に書き込まれる。バッファメモリ740からは、YMCKの各色ごとに画像データが読み出され、その読み出された画像データが、画像出力部800に供給される。
【0120】
図13に示すように、画像出力部800は、画像信号制御部810、レーザ駆動部820および画像露光部830を備え、画像処理部700のバッファメモリ740から読み出された画像データが、画像信号制御部810によりレーザ変調信号に変換され、そのレーザ変調信号がレーザ駆動部820に供給されて、レーザ駆動部820により、画像露光部830のレーザダイオード831が駆動される。
【0121】
図13では省略しているが、画像出力部800では、このように画像信号制御部810からのレーザ変調信号により変調された、レーザダイオード831からのレーザ光が、感光体ドラム上を走査することによって、感光体ドラム上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像器によりトナー像に現像され、そのトナー像が転写器により用紙上に転写されることによって、用紙上に画像が出力される。
【0122】
図14は、主制御部720中のイメージ展開部770および補正描画部790などの要部の具体的構成を示す。イメージ展開部770は、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータを、文字、線/図形および読み取り画像の3つの画像オブジェクトごとに画像データに展開して、描画を行う。
【0123】
すなわち、文字情報は、文字展開部724に送られてフォント展開されることにより、文字のビットマップデータが生成され、情報結合部726に渡される。読み取り画像情報は、読み取り画像変換部771において解像度変換などの画像変換処理がなされた上で、情報結合部726に渡される。
【0124】
線/図形の情報は、座標変換部773により座標変換されて、細線、線/面画および矩形ごとに、PDLに記述された画像として描画される。すなわち、細線部は、細線描画部774により描画されて、情報結合部726に渡され、線/面画の部分は、線/面画描画部775により描画されて、情報結合部726に渡され、矩形部は、矩形描画部776により描画されて、情報結合部726に渡される。
【0125】
また、線/面画描画部775の出力は、エッジ検出部777に供給されて、エッジ検出部777において、線/面画の画像のエッジ画素が検出されるとともに、矩形描画部776の出力は、エッジ検出部778に供給されて、エッジ検出部778において、矩形の画像のエッジ画素が検出される。
【0126】
情報結合部726では、各画像オブジェクトごとの画像を重ね合わせて、1ページの画像イメージを構成するとともに、オブジェクトごとに色判定部725から得られた情報をもとに色変換などの処理をする。
【0127】
補正描画部790は、エッジ蓄積部791、ページイメージ部792、特性記述部793、濃度低下判定部794およびエッジ再描画部795によって構成される。
【0128】
エッジ蓄積部791では、イメージ展開部770のエッジ検出部777および778からのエッジ情報をエッジリストとして蓄積する。ページイメージ部792では、情報結合部726から合成されたページイメージを得て、濃度低下判定部794およびエッジ再描画部795に転送する。
【0129】
特性記述部793には、線/面画および矩形の画像につき、実施例1の特性記述手段252と同様に、図6(A)(B)に示したような、低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対応した補正対象画素数aおよび画素値補正量bが、あらかじめ記述される。また、線/面画および矩形の画像の低濃度部の濃度低下を生じる条件が、あらかじめ記述される。
【0130】
特性記述部793は、濃度低下判定部794からの要求によって、その濃度低下を生じる条件を、濃度低下判定部794に送出するとともに、濃度低下判定部794から低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hが供給されたとき、その低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対応した補正対象画素数aおよび画素値補正量bを、エッジ再描画部795に送出する。
【0131】
濃度低下判定部794は、ページイメージ部792からページイメージが転送されたとき、エッジ蓄積部791に蓄積されたエッジリストと、自身の要求により特性記述部793から得た上記の条件とに基づいて、低濃度部において濃度低下を生じると予想される画像のエッジ画素を判定し、その判定結果をエッジ再描画部795に送出する。
【0132】
エッジ再描画部795は、濃度低下判定部794からの判定結果と、特性記述部793からの補正対象画素数aおよび画素値補正量bとによって、ページイメージ部792から転送されたページイメージの、線/面画および矩形の画像の濃度低下を生じると予想される低濃度部を再描画し、その再描画後のページイメージをバッファメモリ740に転送する。その再描画は、実施例1と同様に、式(1)〜(4)で表される一次式により補正量yを算出して、その算出した補正量yを元の画素値に加算することによって行う。
【0133】
したがって、この例においても、線/面画および矩形の画像が、副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときの低濃度部の濃度低下、および主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときの低濃度部の濃度低下が防止される。
【0134】
なお、この例においても、特性記述部793として、図7に示したように、低濃度部画素値Lの例えば5%おきごとの値につき、高濃度部画素値Hに対する補正対象画素数aまたは画素値補正量bを示したLUTを設け、低濃度部画素値LのLUTが存在しない値については、前後の値についてのLUTから、高濃度部画素値Hによって読み出した補正対象画素数aおよび画素値補正量bを補間することによって、濃度低下判定部794からの低濃度部画素値Lおよび高濃度部画素値Hに対応する補正対象画素数aおよび画素値補正量bを求めるようにしてもよい。
【0135】
また、図8(A)に示したように、画素値と露光エネルギー(電位)との関係を記述したLUTと、同図(B)および(C)に示したように、露光エネルギー差と補正対象画素数aおよび画素値補正量bとの関係を記述したLUTによって、特性記述部793を構成することもできる。
【0136】
また、上記の例は、補正描画部790の各機能をソフトウエアにより実現する場合であるが、高速化のために同等の機能を有するハードウエアにより補正描画部790を構成してもよい。
【0137】
この例によれば、PDLから画像データを展開する画像処理装置において、またはそのような画像処理装置を画像処理部として備える画像形成装置において、画像出力装置または画像出力部の大型化や高コスト化をきたすことなく、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときの低濃度部の濃度低下、および出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときの低濃度部の濃度低下を防止することができる。また、出力画像の高解像度化のためにスクリーン線数を増加させる場合でも、上記の濃度低下を防止することができるので、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【0138】
特に、この例によれば、クライアント装置で作成された、濃度低下を生じやすい図形画像などのグラフィックス画像の濃度低下を確実に防止することができる利点がある。
【0140】
【発明の効果】
この発明によれば、画像形成装置ないし画像出力装置の大型化や高コスト化をきたすことなく、出力される画像が副走査方向に低濃度部から高濃度部に変化するときに低濃度部の濃度が低下し、または出力される画像が主走査方向に低濃度部と高濃度部との間で変化するときに低濃度部の濃度が低下するのを、防止することができる。
【0141】
また、出力画像の高解像度化のためにスクリーン線数を増加させる場合でも、上記の濃度低下を防止することができるので、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像形成装置の一例としてのデジタルカラー複写機の全体構成を示す図である。
【図2】図1の複写機の画像処理部の一例を示す図である。
【図3】図2の画像処理部のデータ補正部の一例を示す図である。
【図4】図3のデータ補正部のエッジ抽出手段で抽出されるエッジ画素の説明に供する図である。
【図5】図3のデータ補正部のエッジ抽出手段で抽出されるエッジ画素の説明に供する図である。
【図6】図3のデータ補正部の特性記述手段に記述される内容の一例を示す図である。
【図7】図3のデータ補正部の特性記述手段に記述される内容の一例を示す図である。
【図8】図3のデータ補正部の特性記述手段に記述される内容の一例を示す図である。
【図9】図3のデータ補正部の画素値補正手段で画素値が補正される態様の一例を示す図である。
【図10】この発明で問題とする濃度低下の態様と、それがこの発明で防止されることを示す図である。
【図11】この発明の画像処理装置の一例を用いたネットワークプリンタシステムの全体構成を示す図である。
【図12】図11のシステムの画像処理部の一例を示す図である。
【図13】図11のシステムの画像出力部の一例を示す図である。
【図14】図12の画像処理部の主制御部の要部の一例を示す図である。
【図15】この発明で問題とする濃度低下の態様を示す図である。
【図16】この発明で問題とする濃度低下が生じる理由を示すための図である。
【符号の説明】
12L,16L 低濃度部
13H,15H,17H 高濃度部
12W 後方端部
16F,16B 端部
100 画像入力部
200 画像処理部
250 データ補正部
251 エッジ抽出手段
252 特性記述手段
253 画素値補正手段
254 補正対象判定手段
256 データ蓄積手段
300 画像出力部
310 感光体ドラム
320 帯電器
330 回転現像器
335 現像スリーブ
337 現像剤層
700 画像処理部
720 主制御部
722 PDLコマンド/データ解析部
770 イメージ展開部
790 補正描画部
791 エッジ蓄積部
792 ページイメージ部
793 特性記述部
794 濃度低下判定部
795 エッジ再描画部

Claims (15)

  1. 光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像形成装置において、
    画素ごとに記録媒体上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
    その入力画像データの画素値が前記記録媒体上での副走査方向において低濃度画素値から高濃度画素値に変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
    その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの前記低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記補正手段は、前記エッジ画素の位置、および前記高濃度画素値と前記低濃度画素値との差から、画素値を補正すべき補正対象画素を決定する補正対象画素決定部と、前記高濃度画素値と前記低濃度画素値との差から、前記補正対象画素決定部で決定された補正対象画素に対する画素値補正量を決定する補正量決定部とを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1の画像形成装置において、
    前記補正手段は、前記高濃度画素値と前記低濃度画素値との差に応じた補正対象画素数および画素値補正量を保持した情報記憶部を備え、この情報記憶部に保持された情報に基づいて、補正対象画素およびそれぞれの補正対象画素に対する画素値補正量を決定することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1の画像形成装置において、
    前記低濃度画素値は、当該画像形成装置で再現可能な最低濃度値以上であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1の画像形成装置において、
    前記低濃度画素値は、画素値の階調段階で5〜90%であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1の画像形成装置において、
    前記高濃度画素値は、画素値の階調段階で15〜100%であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1の画像形成装置において、
    前記補正手段での画素値補正量は、前記感光体上から前記現像剤層中に引き戻されるトナー量に基づいて決定されていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置において、
    前記補正手段での画素値補正量は、前記回転現像スリーブの回転方向における所定回転角ごとに決まる部分現像剤層ごとに、前記感光体上から前記現像剤層中に引き戻されるトナー量に基づいて決定されていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像出力装置に供給する出力画像データを得るために、ページ単位で画像を形成するための画像情報を処理する画像処理装置において、
    画素ごとにページ上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
    その入力画像データの画素値が前記ページ上での副走査方向において低濃度画素値から高濃度画素値に変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
    その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの前記低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項9の画像処理装置において、
    前記補正手段は、前記エッジ画素の位置、および前記高濃度画素値と前記低濃度画素値との差から、画素値を補正すべき補正対象画素を決定する補正対象画素決定部と、前記高濃度画素値と前記低濃度画素値との差から、前記補正対象画素決定部で決定された補正対象画素に対する画素値補正量を決定する補正量決定部とを有することを特徴とする画像処理装置。
  11. 請求項9の画像処理装置において、
    前記補正手段は、前記高濃度画素値と前記低濃度画素値との差に応じた補正対象画素数および画素値補正量を保持した情報記憶部を備え、この情報記憶部に保持された情報に基づいて、補正対象画素およびそれぞれの補正対象画素に対する画素値補正量を決定することを特徴とする画像処理装置。
  12. 請求項9の画像処理装置において、
    前記低濃度画素値は、画素値の階調段階で5〜90%であることを特徴とする画像処理装置。
  13. 請求項9の画像処理装置において、
    前記高濃度画素値は、画素値の階調段階で15〜100%であることを特徴とする画像形成装置。
  14. 光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像形成装置において、
    画素ごとに記録媒体上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
    その入力画像データの画素値が前記記録媒体上での主走査方向において低濃度画素値と高濃度画素値との間で変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
    その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  15. 光ビームの照射によって静電潜像が形成される感光体、および表面に現像剤層を保持する回転現像スリーブ形式の二成分磁気ブラシ現像器を備える電子写真方式の画像出力装置に供給する出力画像データを得るために、ページ単位で画像を形成するための画像情報を処理する画像処理装置において、
    画素ごとにページ上での位置情報と画素値情報とを有する、多数画素についての入力画像データを取得する画像取得手段と、
    その入力画像データの画素値が前記ページ上での主走査方向において低濃度画素値と高濃度画素値との間で変化するエッジ画素を抽出するエッジ抽出手段と、
    その抽出されたエッジ画素が有する位置情報および画素値情報に基づいて、前記入力画像データの低濃度画素値を有する画素の画素値を補正する補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
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