JP4894488B2 - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、面積階調法を用いて階調表現する画像信号を生成する画像処理装置および画像処理方法に関する。
電子写真方式やインクジェット方式等を用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置では、入力された画像情報に、描画ドットの有無の二値で擬似的に中間階調を再現するスクリーン処理を施し、出力装置によって出力する。
このような画像形成装置によって作成されるドキュメントには、画質の観点から様々なオブジェクトがあり、写真などのイメージ、グラデーションやパッチなどのグラフィック、文字・線などがある。
スクリーン処理を代表するパラメータとして、線数(1インチあたりに同じパターンがどれだけ含まれるか)があるが、前述の画像オブジェクトに対し最適な線数が画像オブジェクトによって異なる。
たとえば、イメージは人間の視覚特性上200線以上が好ましいが、線数が高いとマーキングエンジンの応答性の関係で、階調性や粒状性が悪くなり、低いとスクリーン構造が見えたり質感がなくなったりするため、170〜230線が用いられることが多い。
グラフィックは、さらに階調性や粒状性が重視されるので、150〜200線くらいが多く、ジャギーや途切れがないことが望ましい文字や線は300線以上が多く用いられる。
つまり、文字や線等を滑らかに表現するためにはできるだけ高線数が望ましいが、あまり高いと階調性や粒状性が劣化する。
このため、それぞれのオブジェクトに対応して異なる線数でスクリーン処理することが行われている。つまり、線数の異なる複数の閾値マトリクスを保持し、それらの閾値マトリクスを用いてオブジェクトに応じて異なる線数でスクリーン処理するものである。
ここで、画像特性に最適なスクリーンをページ内で切り替える方式として、大きく分けて下記の二つの方式が知られている。
(1)アプリケーションから送られてくるコマンドを解釈して、オブジェクトに分類してスクリーンを切り替える方式。
(2)ラスタライズされた画像データをエッジ検出ウィンドウによりエッジ検出して、エッジ領域のみスクリーンを高線数化する方式(特許文献1および2参照)。
エッジ検出してスクリーンを切り替える後者(2)の方式は、ワークフローとしてラスタ画像(例:Tiff画像)による出カをしているユーザーにも対応でき、多種多様の画像に対して有効であるため、汎用性の観点から好ましい。
さらに、(1)と(2)とを合わせ、オブジェクトに応じてスクリーンを切り替えると共に、エッジ検出して、エッジ領域のみスクリーンを高線数化するものもある。
なお、たとえば、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の4色を用いてカラー画像を形成する画像形成装置では、それぞれの色毎に各閾値マトリクスを備えている。その際、色ズレを目立たなくするために色毎のスクリーンの角度を異ならせるいわゆるローテーションが行われる。
特開昭62−50979号公報 特開平5−167811号公報
本発明は、スクリーン処理の異なる境界領域における画像品質の劣化を抑制できる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本願発明の画像処理装置は、画像情報を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた画像情報からエッジ領域を検出するエッジ検出部と、エッジ検出部による検出結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、スクリーン処理部は、エッジ検出部によって検出されたエッジ領域に対しては、エッジ領域以外の非エッジ領域に施すスクリーン処理と等しいスクリーン角度で、且つ、非エッジ領域に施すスクリーン処理の整数倍の線数でスクリーン処理を行うことを特徴とする。
ここで、スクリーン処理部は、非エッジ領域のスクリーン処理に用いる非エッジ部閾値マトリクスを格納する格納部と、非エッジ部閾値マトリクスを参照して、エッジ領域に対するスクリーン処理に用いるエッジ部閾値マトリクスを作成するマトリクス変換部と、を備えることを特徴とすることができる。
また、本願の他の発明の画像処理装置は、画像情報を受け付ける受付手段と、受付手段によって受け付けられた画像情報のエッジ領域を検出するエッジ検出部と、エッジ検出部による検出結果に基づいて画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、スクリーン処理部は、エッジ検出部で検出されたエッジ領域以外の非エッジ領域のスクリーン処理に用いる非エッジ部閾値マトリクスを格納する格納部と、非エッジ部閾値マトリクスを参照して、エッジ領域に対するスクリーン処理に用いるエッジ部閾値マトリクスを作成するマトリクス変換部と、を備えることを特徴とする。
ここで、スクリーン処理部は、エッジ領域に対してエッジ部閾値マトリクスを用い、非エッジ部閾値マトリクスを用いた非エッジ領域に対するスクリーン処理と等しいスクリーン角度で、且つ、整数倍の線数でスクリーン処理を行うことを特徴とすることができる。
また、マトリクス変換部は、非エッジ部閾値マトリクスから、閾値を所定間隔で間引くことによってエッジ部閾値マトリクスを作成することを特徴とすることができる。
本願発明の画像処理方法は、画像情報を受け付け、画像情報からエッジ領域を検出し、エッジ領域以外の非エッジ領域に対しては、所定の非エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行い、エッジ領域に対しては、非エッジ領域に施すスクリーン処理と等しいスクリーン角度で、且つ、非エッジ領域に施すスクリーン処理の整数倍の線数でスクリーン処理を行うことを特徴とする。
また、本願の他の発明の画像処理方法は、画像情報を受け付け、画像情報からエッジ領域を検出し、エッジ領域以外の非エッジ領域に対しては、予め定められた非エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行い、エッジ領域に対しては、非エッジ部閾値マトリクスを参照してエッジ部閾値マトリクスを作成し、エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行うことを特徴とする。
ここで、エッジ部閾値マトリクスを用いたエッジ領域に対するスクリーン処理は、非エッジ部閾値マトリクスを用いた非エッジ領域に行うスクリーン処理と等しいスクリーン角度で、且つ、非エッジ領域に行うスクリーン処理の整数倍の線数で行うことを特徴とすることができる。
請求項1に記載の発明の画像処理装置によれば、スクリーン処理の異なる境界領域において、周期性の濃淡が生じてもその周期は非エッジ領域のスクリーン線数以上とはならず、画像品質の劣化を抑制できる。
請求項2に記載の発明の画像処理装置によれば、画像品質の劣化を抑制できると共に、スクリーン処理に用いる閾値マトリクスを格納するためのメモリ容量の増加を抑制でき、画像品質の劣化を抑制できるエッジ部閾値マトリクスを、非エッジ部閾値マトリクスから作成することができる
請求項3に記載の発明の画像処理装置によれば、スクリーン処理に用いる閾値マトリクスを格納するためのメモリ容量の増加を抑制できる。
請求項4に記載の発明の画像処理装置によれば、スクリーン処理に用いる閾値マトリクスを格納するためのメモリ容量の増加を抑制できると共に、スクリーン処理の異なる境界領域において周期性の濃淡が生じても、その周期は非エッジ領域のスクリーン線数以上とはならず、画像品質の劣化を抑制できる。
請求項に記載の発明の画像処理方法によれば、スクリーン処理の異なる境界領域において、周期性の濃淡が生じてもその周期は非エッジ領域のスクリーン線数以上とはならず、画像品質の劣化を抑制できる。
請求項に記載の発明の画像処理方法によれば、スクリーン処理に用いる閾値マトリクスを格納するためのメモリ容量の増加を抑制できる。
請求項に記載の発明の画像処理方法によれば、スクリーン処理に用いる閾値マトリクスを格納するためのメモリ容量の増加を抑制できると共に、画像品質の劣化を抑制できる。
以下、添付図面を参照し、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用されるプリンタシステムの全体構成を示した図である。ここでは、入力された電子文書の情報を画像展開して用紙上に印刷する画像形成装置1と、この画像形成装置1に対して電子文書を提供するホストコンピュータであるクライアントPC(パーソナルコンピュータ)2とが示されている。この画像形成装置1には、クライアントPC2以外の、図示しない画像読み取り装置などから画像データが入力される場合がある。
画像形成装置1は、たとえばクライアントPC2から出力された電子文書の画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部10と、電子写真方式を利用した所謂タンデム型のデジタルカラープリンタである画像形成部としてのマーキングエンジン30とを備えている。
マーキングエンジン30は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数の画像形成ユニット31Y,31M,31C,31K(以下、特に色毎に説明する必要がある場合以外は、画像形成ユニット31として説明する。)と、各画像形成ユニット31の感光体ドラム32を露光する露光装置34とを備えている。すなわち画像形成装置1はカラーの画像形成を行うものである。
画像形成ユニット31Y,31M,31C,31Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成し、記録媒体としての記録用紙上に順次、転写するようになっている。
露光装置34は、詳細な説明は省略するが、複数の発光点から成る発光点群を有する面発光レーザアレイチップから出射した複数のレーザビームを、一括して走査動作させてそれぞれ各画像形成ユニット31の感光体ドラム32に導くマルチビームの露光走査装置である。これによってたとえば2400dpiの解像度での画像形成が可能となっている。
4つの画像形成ユニット31は、それぞれ、静電潜像を形成してトナー像を保持させる像保持体(感光体)である感光体ドラム32、感光体ドラム32の表面を一様に帯電する帯電器33、露光装置34によって形成された静電潜像を現像する現像器35を備えている。また、感光体ドラム32の表面上に形成されたトナー像を記録用紙に転写させる転写ロール36を備えている。
さらに、マーキングエンジン30は、各画像形成ユニット31の感光体ドラム32と転写ロール36とによって形成される転写位置に対して記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト37を備えている。また、用紙上に転写されたトナー像を定着させる定着器38を備えている。
なお、画像形成装置1の全体を含めるのではなく、画像処理部10だけを画像処理装置として把握することも可能である。
各画像形成ユニット31は、現像器35に収納されたトナーの色以外は、ほぼ同様な構成要素を備えている。クライアントPC2から入力された画像データは、画像処理部10によって画像処理が施され、所定のインタフェースを介してマーキングエンジン30に供給される。マーキングエンジン30では、図示しない画像出力制御部から供給された同期信号等の制御信号に基づいて動作する。まず、イエロー(Y)の画像形成ユニット31Yは、帯電器33により帯電された感光体ドラム32の表面に、画像処理部10から得られた画像信号に基づいて露光装置34によって静電潜像を形成する。その静電潜像に対して現像器35によってイエロー(Y)のトナー像を形成し、形成されたイエロー(Y)のトナー像は、図の矢印方向に回動する用紙搬送ベルト37上の記録用紙に転写ロール36を用いて転写される。同様にして、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が各々の感光体ドラム32上に形成され、用紙搬送ベルト37上の記録用紙に転写ロール36を用いて多重転写される。多重転写された記録用紙上のトナー像は、定着器38に搬送されて、熱および圧力によって用紙に定着される。
なお、図1に示す画像形成装置1のマーキングエンジン30は、搬送される記録用紙上にトナー像を順次、転写する構成を採用しているが、用紙搬送ベルト37の代わりに所謂中間転写ベルトを採用し、この中間転写ベルト上にトナー像を多重転写させた後に、一括して記録用紙上に二次転写をする所謂二次転写方式の画像形成装置を採用することも可能である。
つぎに、本実施の形態における特徴的な構成である画像処理部10について説明する。
図2は本実施の形態が適用される画像処理部10の構成を示すブロック図である。
画像処理部10は、大きくは受付手段としてのコントローラ11とプリンタエンジン制御部20とから成る。
なお、この構成例は、外部のパーソナルコンピュータ等(クライアントPC2)からPDL(ページ記述言語)形式の画像データを受け取ってマーキングエンジン30において画像を形成するものを示している。
以下、各作用処理部について説明する。説明中における各作用処理部の符号については図2参照のこと。
コントローラ11は、PDL解釈部11Aと、描画部11Bと、レンダリング部11Cとを備えている。
PDL解釈部11Aは、クライアントPC2から送られてくるPDL(ページ記述言語)をコマンド解釈する。
描画部11Bは、解釈されたPDLにより指定される色信号(RGB)を、マーキングエンジン30の色信号(YMCK)に変換する。また、この描画部11Bでは、イメージ等のラスタデータはエンジン解像度へ解像度変換し、文字/グラフィックは画像データをエンジン解像度のラスタデータに変換する。また、描画する際に、各画素毎にそれぞれラスタ/文字/グラフィックのオブジェクトタグを付ける。
レンダリング部11Cは、画像データをプリンタエンジンに適合した画像データにレンダリングする。
プリンタエンジン制御部20は、エッジ検出部21と、スクリーン処理部22と、パルス幅変調部23とを備えている。なお、これらの作用部は、全く同様の構成が各色信号(YMCK)毎にそれぞれ設けられているものである。
エッジ検出部21は、エッジ検出ウィンドウによる濃度差分判定によって、画素毎にエッジ検出を行う。そして、エッジ領域と非エッジ領域とに分離してそれぞれにエッジ判別タグ(エッジ部タグ,非エッジ部タグ)を付す。
図3は、エッジ検出部21によるエッジ検出の一例の説明図である。
すなわち、図3(a)は、3×3画素のエッジ検出ウィンドウを示す。そして、図中中央の注目画素の周囲の濃度を、(b)に示すように縦横斜めの3画素ずつ比較演算して、その差:SH,SV,SR,SLを求め(濃度差分判定)、これらを予め定められたエッジ閾値と比較する。そして、それらの内のいずれか一つでもエッジ閾値以上であった場合にはエッジ領域とし、それ以外の場合には非エッジ領域とするものである。
スクリーン処理部22は、面積階調法によってスクリーン処理(二値化処理)を行う。本実施の形態では、網点法によって階調を表現する。
図4は、スクリーン処理部22で用いる閾値マトリクスのユニットセル(単位閾値マトリクス)の一例を示す図である。
スクリーン処理部22は、低線数でスクリーン処理を行う通常処理部22Aと、高線数でスクリーン処理を行うエッジ処理部22Bとを備えている。また、スクリーン処理に用いる閾値マトリクスを格納する格納部としてのメモリ22Mと、その格納する閾値マトリクスを変換する閾値変換部22Cとを備えている。
メモリ22Mには、通常処理部22Aにおいて、オブジェクトに応じて異なる線数や角度でスクリーン処理するための複数の閾値マトリクス(非エッジ部閾値マトリクス)が格納されている。非エッジ部閾値マトリクスは、たとえば、文字・線については300線、イメージについては200線、グラフィックについては150線でスクリーン処理するように設定されている。ここで、非エッジ部閾値マトリクスは、本実施の形態では、図4(a)に示すような閾値マトリクスのユニットセルを循環マトリクス法等によって展開したスクリーンマトリクスの状態でメモリ22Mに格納されている。図4(a)に示す例は、16×16ドットのユニットセルである。この一つのユニットセルは、濃度に応じて成長する一つの網点を形成する。このようなユニットセルを展開したスクリーンマトリクスを用いてスクリーン処理した画像情報を2400dpiで描画すると150線となる。
閾値変換部22Cは、メモリ22Mに格納された各オブジェクトに対応する非エッジ部閾値マトリクスを参照して、高線数の閾値マトリクス(エッジ部閾値マトリクス)を作成する。ここで、エッジ部閾値マトリクスは、その基となる非エッジ部閾値マトリクスの整数倍の線数となるように設定される。このようなエッジ部閾値マトリクスは、非エッジ部閾値マトリクスから所定数毎に閾値を間引くことで作成できる。たとえば、図4(a)に示す16×16ドットのユニットセルの閾値を、一つ置きに間引いて、図4(b)に示すような8×8ドットのユニットセルとすれば、2400dpiで2倍の300線となる。
また、エッジ部閾値マトリクスのスクリーン角度は、非エッジ部閾値マトリクスのスクリーン角度と等しく設定される。本実施の形態のように、閾値マトリクスのユニットセルを展開したスクリーンマトリクスとしてメモリ22Mに格納されている場合には、非エッジ部閾値マトリクスの閾値を間引いてエッジ部閾値マトリクスを作成すれば等しいスクリーン角度となるが、ユニットセルの状態でメモリ22Mに格納され、このユニットセルを逐次展開してスクリーン処理する構成の場合には、等しいスクリーン角度に展開する。
そして、スクリーン処理部22は、エッジ検出部21によって付されたエッジ判別タグに基づいて、非エッジ領域に対しては通常処理部22Aでスクリーン処理を行い、エッジ領域に対してはエッジ処理部22Bでスクリーン処理を行う。
通常処理部22Aは、オブジェクト毎に異なった線数(及び又は角度)でスクリーン処理を行う。すなわち、コントローラ11の描画部11Bで付されたオブジェクトタグに基づいて、メモリ22Mに格納された複数の非エッジ部閾値マトリクスの中から、オブジェクトと対応する非エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行う。
エッジ処理部22Bは、オブジェクトと対応する非エッジ部閾値マトリクスを基に、閾値変換部22Cによって作成されたエッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行う。これにより、エッジ領域に対しては非エッジ領域より高線数でのスクリーン処理が行われ、エッジ領域のジャギーが目立たなくなる。
ここで、エッジ部閾値マトリクスによるスクリーンの線数は、前述のごとく、非エッジ部閾値マトリクスによるスクリーンの線数の整数倍に設定されている。また、両者のスクリーン角度は等しく設定されている。これらの構成により、両者のスクリーンの境界部分におけるスクリーンの干渉による周期的な濃度変化を抑えることができ、また、濃度変化が生じても目立たなくすることができる。以下、その理由について説明する。
図5は、エッジ部分のスクリーン処理におけるスクリーン角度の影響を説明する図である。また、図6は、スクリーンの境界部分の周期性を説明する図である。
すなわち、図5(a)は、画像情報のエッジ部分を概念的に示し、図中左側の網点で示す領域が濃度31%での描画領域で、その図中右側の白(無ドット)の領域との境界部分がエッジである。このエッジを形成する濃度31%の枡目が、エッジ領域である。なお、図中1つの枡目が600dpiにおける1ドットである。図5(b)および(c)はそのような画像情報を2400dpiで、非エッジ領域は300線(1ユニットセル=8×8ドット)、エッジ領域は600線(1ユニットセル=4×4ドット)のスクリーンを用いて描画した例である。(b)は、非エッジ領域、エッジ領域共に等しい角度(90度)としたもの、(c)は、非エッジ領域とエッジ領域のスクリーン角度が異なり、非エッジ領域は67度、エッジ領域は90度としたものである。これらの図から解るように、(c)に示すようにスクリーンの角度が異なる場合には、図中Xで示すように非エッジ領域の網点とエッジ領域の網点が連続する(接する)部位が周期的に生じ、この部位がダマとして視認されて見苦しくなるという問題がある。これに対して、(b)に示す本構成例のようにスクリーンの角度を等しくしたものでは、非エッジ領域を描く網点と、エッジ部分を描く網点の位置関係が全て揃う。従って、スクリーンの境界部分において周期性の濃度変化を生ずることがなく、画像不良を防ぐことができる。
また、図6は非エッジ領域を212線、エッジ領域をその2倍の424線でスクリーン処理した例である。この例では、図中Yで示すように、非エッジ領域の網点にエッジ領域の網点が1線置きに連続する。つまり、スクリーンの境界部分において濃度の周期性が生ずる。しかし、エッジ領域の線数が非エッジ領域の線数の整数倍(2倍)であるため、その周期は非エッジ領域のスクリーン周期より長くなることはなく、従って、目視で目立つことはない。つまり、画像不良を抑制することができる。
パルス幅変調部23は、スクリーン処理部22によってスクリーン処理された画像データにパルス幅変調を施し、マーキングエンジン30に画像信号を供給する。
つぎに、画像処理部10全体の作用を、工程を追って説明する。
図7は、クライアントPC2、画像処理部10、およびマーキングエンジン30によって実行される画像処理の流れを示したフローチャートである。ステップ102からステップ109までが、画像処理部10において実行される処理である。なお、各作用処理部の符号は図2参照のこと。
まず、クライアントPC2のプリンタドライバにて、アプリケーションからのコマンドをプリンタの描画コマンドであるPDL(ページ記述言語)に変換する(ステップ101)。
PDLの描画コマンドは、クライアントPC2から画像形成装置1に送られ、この画像形成装置1の画像処理部10では、PDL解釈部11Aにて、取得されたPDLのコマンドを解釈する(ステップ102)。
その後、描画部11Bは、解釈されたPDLにより指定される色信号(RGB)を、マーキングエンジン30の色信号(YMCK)に変換する(ステップ103)。色変換後、描画部11Bとレンダリング部11Cにてエンジン解像度のラスタ画像を形成する(ステップ104)。また、描画部11Bにて描画する際に、イメージ/文字/グラフィックにそれぞれオブジェクトタグを付す(ステップ105)。そして、画像データを、例えば8ビットの多値インタフェース(I/F)を介してプリンタエンジン制御部20に送る。
プリンタエンジン制御部20では、エッジ検出部21で画素毎にエッジ検出を行って、エッジ領域と非エッジ領域とにそれぞれエッジ判別タグ(エッジ部タグ,非エッジ部タグ)を付す(ステップ106)。
その後、スクリーン処理部22によって、閾値マトリクスを用いてエッジ領域と非エッジ領域とで異なる線数でスクリーン処理を実行する(ステップ107)。
すなわち、エッジ検出部21によって付されたエッジ判別タグに基づいて、非エッジ領域には通常処理部22Aによってスクリーン処理を行い、エッジ領域にはエッジ処理部22Bによってより高線数のスクリーン処理を行う。これについては、後に別途詳述する。
その後、別個にスクリーン処理された非エッジ領域のオブジェクト毎の画像データと、エッジ領域の画像データとはマージされてパルス幅変調部23に入力され、パルス幅変調部23では、スクリーン処理部22にてスクリーン処理された画像データを、パルス信号に変調する(ステップ108)。
そして、パルス変調された画像データは、マーキングエンジン30へ出力される(ステップ109)。
画像データを取得したマーキングエンジン30は、図1に示すような各構成要素によって、記録用紙上にカラー画像を形成し、プリント出力する(ステップ110)。
図8は、スクリーン処理部22における作用フローである。
すなわち、スクリーン処理部22は、画像データを受け付けた(ステップ201)後、画素毎にエッジ判別タグに基づいてエッジ領域と非エッジ領域とを分別する(ステップ202)。
そして、非エッジ領域については、通常処理部22Aで、オブジェクトタグに基づいて対応する非エッジ部閾値マトリクスをメモリ22Mから読み出して(ステップ203)、オブジェクト毎に異なる線数(及び又は角度)でスクリーン処理を行う(ステップ204)。
一方、エッジ領域については、オブジェクトタグに基づいて対応する非エッジ部閾値マトリクスをメモリ22Mから読み出してこれを閾値変換部22Cにてエッジ部閾値マトリクスに変換し(ステップ205)、そのエッジ部閾値マトリクスを用いて、オブジェクト毎に異なる高線数(及び又は角度)でスクリーン処理を行う(ステップ206)ものである。
なお、本発明は上記実施の形態に限るものではなく、適宜変更可能なものである。
たとえば、上記実施の形態はカラーの画像形成装置に本発明を適用した例であるが、モノクロの画像形成装置に適用しても良い。
本実施の形態が適用されるプリンタシステムの全体構成を示した図である。 画像処理部の構成を示すブロック図である。 エッジ検出部によるエッジ検出の一例の説明図である。 スクリーン処理部で用いる閾値マトリクスの一例を示す図である。 スクリーン処理におけるスクリーン角度の影響を説明する図である。 スクリーンの境界部分の周期性を説明する図である。 画像処理の流れを示したフローチャートである。 スクリーン処理部の作用フローである。
符号の説明
1…画像形成装置、10…画像処理部(画像処理装置)、11…コントローラ(受付手段)、20…プリンタエンジン制御部、21…エッジ検出部、22…スクリーン処理部、22C…閾値変換部、22M…メモリ(格納部)

Claims (7)

  1. 画像情報を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段によって受け付けられた画像情報からエッジ領域を検出するエッジ検出部と、
    前記エッジ検出部による検出結果に基づいて前記画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、
    前記スクリーン処理部は、
    前記エッジ検出部によって検出されたエッジ領域に対しては、当該エッジ領域以外の非エッジ領域に施すスクリーン処理の整数倍の線数でスクリーン処理を行うとともに、当該非エッジ領域に施すスクリーン処理と等しいスクリーン角度でスクリーン処理を行うことで当該非エッジ領域を描く網点とエッジ部分を描く網点の位置関係を揃わせることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記スクリーン処理部は、
    前記非エッジ領域のスクリーン処理に用いる非エッジ部閾値マトリクスを格納する格納部と、
    前記エッジ領域に対するスクリーン処理に用いるエッジ部閾値マトリクスを前記非エッジ部閾値マトリクスから閾値を所定間隔で間引くことによって作成するマトリクス変換部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 画像情報を受け付ける受付手段と、
    前記受付手段によって受け付けられた画像情報のエッジ領域を検出するエッジ検出部と、
    前記エッジ検出部による検出結果に基づいて前記画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備え、
    前記スクリーン処理部は、
    前記エッジ検出部で検出されたエッジ領域以外の非エッジ領域のスクリーン処理に用いる非エッジ部閾値マトリクスを格納する格納部と、
    前記エッジ領域に対するスクリーン処理に用いるエッジ部閾値マトリクスを前記非エッジ部閾値マトリクスから閾値を所定間隔で間引くことによって作成するマトリクス変換部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記スクリーン処理部は、
    前記エッジ領域に対して前記エッジ部閾値マトリクスを用い、前記非エッジ部閾値マトリクスを用いた前記非エッジ領域に対するスクリーン処理と等しいスクリーン角度で、且つ、整数倍の線数でスクリーン処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 画像情報を受け付け、
    前記画像情報からエッジ領域を検出し、
    前記エッジ領域以外の非エッジ領域に対しては、所定の非エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行い、
    前記エッジ領域に対しては、当該エッジ領域以外の非エッジ領域に施すスクリーン処理の整数倍の線数でスクリーン処理を行うとともに、当該非エッジ領域に施すスクリーン処理と等しいスクリーン角度でスクリーン処理を行うことで当該非エッジ領域を描く網点とエッジ部分を描く網点の位置関係を揃わせることを特徴とする画像処理方法。
  6. 画像情報を受け付け、
    前記画像情報からエッジ領域を検出し、
    前記エッジ領域以外の非エッジ領域に対しては、予め定められた非エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行い、
    前記エッジ領域に対しては、エッジ部閾値マトリクスを前記非エッジ部閾値マトリクスから閾値を所定間隔で間引くことによって作成し、当該エッジ部閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
  7. 前記エッジ部閾値マトリクスを用いた前記エッジ領域に対するスクリーン処理は、前記非エッジ部閾値マトリクスを用いた前記非エッジ領域に行うスクリーン処理と等しいスクリーン角度で、且つ、当該非エッジ領域に行うスクリーン処理の整数倍の線数で行うことを特徴とする請求項に記載の画像処理方法。
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