JP2007312013A - 画像処理装置、画像形成装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成装置の画像処理部10は、コントローラ11とプリンタエンジン制御部20とから成る。プリンタエンジン制御部20は、画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部21と、エッジ検出部21によってエッジ検出された画像情報に対して乱数を重畳する乱数部22と、乱数部22によって乱数が重畳された画像情報に対して階調補正を行う階調補正部23と、階調補正部23によって階調補正された画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部24と、変調部25とを備えている。
【選択図】図3
Description
その画像処理としては、二値の画像データで擬似的に中間階調を再現することを目的とするスクリーン処理がある。また、画質の向上を目的として、エッジ抽出、マーキングエンジンの階調の経時変動を補正する階調補正、階調の再現性を向上するために乱数を重畳するもの等がある。
エッジ抽出は、たとえば、画像データのエッジを検出フィルタで検出し、その結果に基づいてエッジ部分には高線数のスクリーン処理を行わせることでジャギーを目立たなくする(特許文献1参照)。
乱数重畳は、多値画像データに対してランダムな多値データを重畳し、これによって階調飛びを防いで滑らかな階調表現を可能とする(特許文献3参照)。
しかしながら、各画像処理の順序によっては、画像処理の効果が少なかったり、処理の干渉等によって、かえって画像不良を招いてしまう場合があった。
ここで、乱数部は、処理する画像オブジェクトに応じて、重畳する乱数レベルを切り替えて画像処理を行うように構成されていることを特徴とすることができる。
また、乱数部は、少なくとも同一の画像情報に対しては、乱数重畳を常に同じ位相で行うように構成されていることを特徴とすることができる。
ここで、乱数の重畳と、スクリーン処理とは、画像情報の開始点からそれぞれの処理を開始することを特徴とすることができる。
請求項2に係る発明の画像処理装置によれば階調補正によってビット落ちを生ずる前の画像情報に乱数を重畳できる。これにより、円滑な階調表現が可能となる。
請求項4に係る発明の画像処理装置によれば、乱数の重畳を、階調飛びの目立ちやすいグラデーションが多いグラフィックには強く、階調のない文字等には不要にするように構成できる。
請求項6に係る発明の画像形成装置によれば、乱数重畳によってエッジ検出精度の低下を招くことが無く、エッジ検出を高い精度で行うことができる。また、階調補正によってビット落ちを生ずる前の画像情報に乱数を重畳でき、円滑な階調表現が可能となる。その結果、エッジをくっきり、階調を円滑に表現した画像を形成できる。
請求項8に係る発明の画像処理方法によれば、画像情報に対して乱数重畳とスクリーン処理とを常に同じ位相で行うことができ、位相の違いによって形成画像に差を生ずることがない。
図1は、本実施の形態が適用されるプリンタシステムの全体構成を示した図である。ここでは、入力された電子文書の情報を画像展開して用紙上に印刷する画像形成装置1と、この画像形成装置1に対して電子文書を提供するホストコンピュータであるクライアントPC(パーソナルコンピュータ)2とが示されている。この画像形成装置1には、クライアントPC2以外の、図示しない画像読み取り装置などから画像データが入力される場合がある。
マーキングエンジン30は、水平方向に一定の間隔を置いて並列的に配置される複数の画像形成ユニット31Y,31M,31C,31K(以下、特に色毎に説明する必要がある場合以外は、画像形成ユニット31として説明する。)と、各画像形成ユニット31の感光体ドラム32を露光する露光装置34とを備えている。すなわち画像形成装置1はカラーの画像形成を行うものである。
露光装置34は、詳細な説明は省略するが、複数の発光点から成る発光点群を有する面発光レーザアレイチップから出射した複数のレーザビームを、一括して走査動作させてそれぞれ各画像形成ユニット31の感光体ドラム32に導くマルチビームの露光走査装置である。これによってたとえば2400dpiの解像度での画像形成が可能となっている。
さらに、マーキングエンジン30は、各画像形成ユニット31の感光体ドラム32と転写ロール36とによって形成される転写位置に対して記録用紙を搬送する用紙搬送ベルト37を備えている。また、用紙上に転写されたトナー像を定着させる定着器38を備えている。
なお、画像形成装置1の全体を含めるのではなく、画像処理部10だけを画像処理装置として把握することも可能である。
図2は、本実施の形態が適用される画像処理部10の構成を示すブロック図である。
画像処理部10は、大きくは受付手段としてのコントローラ11とプリンタエンジン制御部20とから成る。
図3はそのプリンタエンジン制御部20の構成を示すブロック図である。
なお、この構成例は、外部のパーソナルコンピュータ等(クライアントPC2)からPDL(ページ記述言語)形式の画像データを受け取ってマーキングエンジン30において画像を形成するものを示している。
以下、各処理作用部について順を追って説明する。各処理作用部の符号については図2及び図3参照のこと。
PDL解釈部11Aは、クライアントPC2から送られてくるPDL(ページ記述言語)をコマンド解釈する。
描画部11Bは、解釈されたPDLにより指定される色信号(RGB)を、マーキングエンジン30の色信号(YMCK)に変換する。この描画部11Bでは、描画する画像を写真(イメージ)、文字(フォント)、図表(グラフィック)といったオブジェクトに分類し、それぞれオブジェクトタグを付ける。また、描画の際には、画像データをエンジン解像度のラスタデータに変換する。
レンダリング部11Cは、画像データをプリンタエンジンに適合した画像データにレンダリングする。
エッジ検出部21は、エッジ検出ウィンドウによる濃度差分判定によって、画素毎にエッジ検出を行う。そして、エッジ部と非エッジ部とに分離してそれぞれにエッジ判別タグ(エッジ部タグ,非エッジ部タグ)を付す。
すなわち、図4(a)は、3×3画素のエッジ検出ウィンドウを示す。そして、図中中央の注目画素の周囲の濃度を、(b)に示すように縦横斜めの3画素ずつ比較演算して、その差:SH,SV,SR,SLを求め(濃度差分判定)、これらを予め定められたエッジ閾値と比較する。そして、それらの内のいずれか一つでもエッジ閾値以上であった場合にはエッジ部と判定し、それ以外の場合には非エッジ部とするものである。
図5は、その乱数列を発生させる一例を示し、(a)は、
H(x)=X8+X6+X5+X+1
の原始多項式によるDフリップフロップ回路を示す。
このような回路によって、(b)に出力例を示すようなM系列の乱数列を得るものである。
なお、乱数重畳は、この例に限らず、エッジ検出部21によって付されたエッジ判別タグに基づいて、エッジ部には行わず、非エッジ部のみ行うようにしても良いものである。
また、複数ビットを取り出す際に、シフトを所定単位内で行うことで回路が複雑化したり処理速度が間に合わない場合には、多項式の複数ビットから同時に必要ビット分取り出すようにしても良い。
また、階調補正部23は、経時や環境の変化に伴う階調特性の変化を、図3中に示すようにマーキングエンジン30からフィードバック入力される階調情報に基づいて逆補正して一定の色再現を保つ。たとえば、形成した画像を検知した階調濃度と目標濃度とを比較して階調補正ルックアップテーブルを作成し、これに基づいて画像データの階調補正を行う。
図6はこの階調補正の概念を示す。すなわち、経時に伴って(a)に示すように、階調特性(入力画像データに対する出力濃度)が変化(before→after)した場合には、(b)に示すような階調補正カーブの階調補正ルックアップテーブルを作成し、これに基づいて図中に示す目標階調に補正する。
図7は、スクリーン処理の一例を示す。
すなわち、図7に示すスクリーン処理は、(a)に示すような画像データを、(b)に示すセルサイズ5×2の閾値マトリクスを用い、循環マトリクス方式によって形成された(c)に示す閾値と比較して二値化する。これにより、(d)に示すようなドット分布の出力を得、これによって階調表現するものである。
変調部25は、スクリーン処理部24によってスクリーン処理された画像データにパルス幅変調を施し、マーキングエンジン30に画像信号を供給する。
図8は、クライアントPC2、画像処理部10、およびマーキングエンジン30によって実行される画像処理の流れを示したフローチャートである。ステップ102からステップ111までが、画像処理部10において実行される処理である。なお、各処理作用部の符号は図2及び図3参照のこと。
PDLの描画コマンドは、クライアントPC2から画像形成装置1に送られ、この画像形成装置1の画像処理部10では、PDL解釈部11Aにて、取得されるPDLのコマンドが解釈される(ステップ102)。
色変換後、描画部11Bとレンダリング部11Cにてエンジン解像度のラスター画像を形成する(ステップ104)。また、描画部11Bにて描画する際に、イメージ/文字/グラフィックにそれぞれオブジェクトタグを付す(ステップ105)。そして、画像データを、例えば8ビットの多値インタフェース(I/F)を介してプリンタエンジン制御部20に送る。
ついで、乱数部22によって、オブジェクトタグに基づいてイメージ/文字/グラフィックについてそれぞれ乱数を重畳する(ステップ107)。
ここで、乱数部22における乱数の発生は、画像データの始点から開始する。または、画像データの始点で乱数部22における乱数の発生をリセットする。図9はその処理の開始位置の説明図である。
そして、乱数が重畳された画像データに、階調補正部23で階調補正ルックアップテーブルに基づいて階調補正を施す(ステップ108)。
すなわち、処理領域内における形成画像の位置は画像毎に変動するため、図9(c),(d)に示すように処理領域の始点Saから処理を開始すると、同一の画像データに対して同じ閾値マトリクスを用いてスクリーン処理を行っても微視的には異なったドット配列となる。本構成では、図9(a),(b)に示すように形成画像の始点からスクリーン処理を開始することで同一画像を形成できる。さらに、乱数の重畳とスクリーン処理との位相の干渉に起因して画像上の差異が目立つことが起こり得るが、本構成では乱数部22によって各画素に重畳される乱数も同一であって乱数の重畳とスクリーン処理の位相は一致し、そのようなことは生じない。
画像データを取得したマーキングエンジン30は、図1に示すような各構成要素によって、記録用紙上にカラー画像を形成し、プリント出力する(ステップ112)。
これにより、エッジ検出部21によって高い精度でエッジ検出を行える。すなわち、乱数が重畳された画像データに基づいてエッジ検出を行うと、重畳された乱数が誤差となってエッジ検出精度が劣るが、乱数が重畳される前の画像データに基づいてエッジ検出を行う本構成ではそのようなことはない。
図10はその説明図である。図中、それぞれ、横軸が位置を、縦軸がドットの数(ドットの有無)を示している。(b)は乱数重畳を行わず階調補正によって階調飛びを生じた部位を示し、(a)は(b)に示す部位に対して階調補正前に乱数を重畳してスクリーン処理した例、(c)は(b)に示す部位に対して階調補正後に乱数を重畳してスクリーン処理した例である。
すなわち、(b)において図中左右に分かれて数の異なるドット群が団塊状に存在し、これら両ドット群の間にドットの存在しない部分が存在する。このドットの存在しない部分で階調が不連続の階調飛びを生じているものである。
一方、階調補正後に乱数を重畳した(c)では、階調飛び部分にドットが散見されて多少の改善が見られるものの、(a)には及ばない。
これは、階調補正前の情報量のある段階で乱数を重畳した方が、階調補正によって情報量が少なくなった(処理のビット落ちによる量子化誤差が生じた)段階で乱数を重畳するよりも、面積階調で階調の幅があり、階調段差が目立たなくなることによる。
ここで、一般に、階調表現が悪化する原因は、階調補正及びスクリーン処理による量子化誤差であり、多ビット(たとえば10ビット以上)とすることで改善することが可能と言われているが、ビット増加に伴ってコストが飛躍的に増大するため現実的でない。
たとえば、上記実施の形態では、エッジの検出、乱数の重畳、階調補正、スクリーン処理を、プリンタエンジン制御部20で行っているが、これらの処理をコントローラ11のレンダリング部11Cで行うようにして負荷分散しても良い。また、上記実施の形態はカラーの画像形成装置に本発明を適用した例であるが、モノクロの画像形成装置に適用しても良いことは言うまでもない。
Claims (8)
- 画像情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、
前記エッジ検出部によるエッジ検出後に前記画像情報に対して乱数を重畳する乱数部と、
前記エッジ検出部によるエッジ検出結果に基づいて、前記乱数部によって乱数が重畳された前記画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 画像情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた前記画像情報に対して乱数を重畳する乱数部と、
前記乱数部によって乱数が重畳された画像情報に対して階調補正を行う階調補正部と、
前記階調補正部によって階調補正された画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 画像情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、
前記エッジ検出部によるエッジ検出後に前記画像情報に対して乱数を重畳する乱数部と、
前記乱数部によって乱数が重畳された前記画像情報に対して階調補正を行う階調補正部と、
前記エッジ検出部によるエッジ検出結果に基づいて、前記階調補正部によって階調補正された前記画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記乱数部は、処理する画像オブジェクトに応じて、重畳する乱数レベルを切り替えて画像処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記乱数部は、少なくとも同一の前記画像情報に対しては、乱数重畳を常に同じ位相で行うように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 取得した画像情報に画像処理を施す画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理された画像情報に応じて記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え
前記画像処理部は、
前記画像情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた前記画像情報に対してエッジ検出を行うエッジ検出部と、
前記エッジ検出部によるエッジ検出後に前記画像情報に対して乱数を重畳する乱数部と、
前記乱数部によって乱数が重畳された前記画像情報に対して階調補正を行う階調補正部と、
前記エッジ検出部によるエッジ検出結果に基づいて、前記階調補正部によって階調補正された前記画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を施すスクリーン処理部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 画像情報に画像処理を施す画像処理方法であって、
画像情報を取得し、
受け付けられた前記画像情報に対してエッジ検出を行い、
前記エッジ検出後に前記画像情報に対して乱数を重畳し、
乱数が重畳された前記画像情報に対して階調補正を行い、
階調補正された前記画像情報に対して面積階調によるスクリーン処理を行うことを特徴とする画像処理方法。 - 前記乱数の重畳と、前記スクリーン処理とは、前記画像情報の開始点からそれぞれの処理を開始することを特徴とする請求項7に記載の画像処理方法。
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