JP3797407B2 - 画像形成装置および画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、デジタル複写機、コンピュータプリンタまたはネットワークプリンタなどの画像形成装置、およびそのような画像形成装置の画像処理部である画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在製品化されている、デジタル複写機、コンピュータプリンタまたはネットワークプリンタなどの、多くの画像形成装置では、画像出力部(画像出力装置)として、高品質の画像を高速で得ることができる電子写真方式が広く採用されている。
【0003】
電子写真方式では、現像手段として、絶縁性トナーと磁性粒子を現像器内で混合摩擦させることにより絶縁性トナーを帯電させ、現像ロール上に磁力により現像剤をブラシ状に形成し、現像ロールの回転により感光体上に現像剤を供給することによって、感光体上の静電潜像を現像する、二成分磁気ブラシ現像方式が広く用いられており、特にカラー画像形成装置では、より広く採用されている。
【0004】
しかし、この電子写真方式の画像出力部、特に二成分磁気ブラシ現像方式による画像出力部では、その非線形かつ非対称な出力特性によって、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するとき、中間調部の背景部と接する後方端部の濃度が低下する。
【0005】
すなわち、図21(A)に示すように、出力される画像が、感光体上における静電潜像形成用の光ビームの走査方向である主走査方向に対して直交する、用紙送り方向とは逆の方向である副走査方向に、中間調部1から背景部2に変化するとき、以下に示すような理由によって、中間調部1の背景部2と接する後方端部1Bの濃度が低下する。
【0006】
二成分磁気ブラシ現像方式による電子写真方式では、図22に示すように、感光体ドラム310の矢印311の方向の回転によって、感光体ドラム310が静電潜像形成用の帯電器320により帯電され、その帯電された感光体ドラム310上に、画像信号で変調されたレーザ光Lが照射されることにより、感光体ドラム310上に静電潜像が形成され、その静電潜像が形成された感光体ドラム310が、感光体ドラム310の線速度の2倍程度の線速度で矢印336の方向に回転する現像スリーブ335の表面の現像剤層337と接することにより、現像剤層337中のトナーが感光体ドラム310上の潜像部分に付着して、感光体ドラム310上の静電潜像がトナー像に現像される。
【0007】
図22(A)は、レーザ光Lの照射により感光体ドラム310上に中間調部1の潜像部3が形成されて、その前方エッジ3fが現像剤層337と接する瞬間を示し、同図(B)は、潜像部3の後方エッジ3bより幾分手前の部分が現像剤層337と接する瞬間を示し、同図(C)は、潜像部3の後方エッジ3bが現像剤層337と接する瞬間を示す。
【0008】
現像スリーブ335には、例えば−500Vの電位の現像バイアスが与えられる。感光体ドラム310は、帯電器320により例えば−650Vの電位に帯電され、中間調部1の潜像部3は、現像バイアス電位より低い例えば−200Vとされる。また、中間調部1の後方の背景部2に相当する部分4は、現像バイアス電位より高い帯電電位の−650Vとなる。
【0009】
図22(A)のように潜像部3の前方エッジ3fが現像剤層337と接する時、感光体ドラム310と現像剤層337とが接する位置Qに存在するトナーtqには、順方向の現像電界が印加されて、トナーtqが現像剤層337の表面に引き寄せられ、潜像部3上に付着される。しかし、同図(B)のように中間調部1の後方の背景部2に相当する部分4が現像剤層337に近付くと、現像剤層337の部分4と対向する部分に存在するトナーtbが、逆方向の現像電界により現像剤層337の表面から遠ざけられて、現像剤層337の奥深くに潜り込むようになる。
【0010】
そして、現像スリーブ335が矢印336の方向に回転することによって、そのトナーtbは、感光体ドラム310と現像剤層337とが接する位置Qに近付くとともに、潜像部3の低電位により現像剤層337の表面側に移動するが、現像剤層337の表面に達するのに時間的な遅れを生じる。そのため、同図(B)のように潜像部3の後方エッジ3bより幾分手前の部分が現像剤層337と接する時から、感光体ドラム310上に付着されるトナー量が減少し、上述したように中間調部1の背景部2と接する後方端部1Bの濃度が低下する。
【0011】
中間調部1の前方も背景部であるときには、図22(A)のように潜像部3の前方エッジ3fが現像剤層337と接する時にも、現像剤層337中のトナー中には、トナーtfで示すように、前方の背景部に相当する感光体ドラム310上の部分5によって現像剤層337の表面から遠ざけられるものが生じる。
【0012】
しかし、現像スリーブ335の矢印336の方向の回転によって、そのトナーtfは、感光体ドラム310と現像剤層337とが接する位置Qから急速に遠ざかるとともに、潜像部3の低電位によって現像剤層337の表面に引き寄せられたトナーtqが、位置Qに直ちに近付いて、潜像部3上に付着される。したがって、出力される画像が副走査方向に逆に背景部から中間調部1に変化しても、中間調部1の背景部と接する前方端部の濃度は低下しない。
【0013】
このように、二成分磁気ブラシ現像方式による電子写真方式では、現像スリーブ335上の現像剤層337の表面でのトナー濃度の、平均値からの部分的な低下によって、出力される画像が副走査方向に中間調部1から背景部2に変化するとき、中間調部1の背景部2と接する後方端部1Bの濃度が低下する。この明細書では、この濃度低下を、TED(Trail Edge Deletion)と称する。
【0014】
このTEDは、現像スリーブ335の線速度を感光体ドラム310のそれに近付けることによって、ある程度減少させることができる。しかし、現像スリーブ335の線速度を感光体ドラム310のそれと等しくしても、TEDを完全に無くすことは困難であり、十分なトナー量を現像することは困難である。
【0015】
そこで、特開平5−281790号および特開平6−87234号には、レーザ光により感光体上に静電潜像を書き込むレーザ光スキャナを高精度化し、その静電潜像を現像する現像手段のパラメータを調整することによって、現像電界のコントラストを高めて、上記のTEDのような濃度低下を防止する考えが示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静電潜像の書き込み手段であるレーザ光スキャナの高精度化によって現像電界のコントラストを高める方法は、画像出力部の大型化や高コスト化を招くことになる。しかも、出力画像の高解像度化のために画像出力部でスクリーン線数を増加させる場合には、現像電界のコントラストが低下して、TEDのような濃度低下が、より生じやすくなるため、出力画像の高解像度化を達成することとの両立が難しい。
【0017】
近年、コンピュータプリンタやネットワークプリンタの普及に伴い、パーソナルコンピュータなどのホストコンピュータ上で作成した図形画像を印刷する機会が増加する傾向にある。このような図形画像では、写真などの自然画像と比べて、TEDのような濃度低下が目につきやすい。そのため、コンピュータプリンタやネットワークプリンタなどの画像形成装置では、複写機などの画像形成装置に比べて、TEDのような濃度低下が、より問題となる。
【0018】
MTF特性のような、画像出力部の線形で対称な出力特性を補正する方法としては、デジタルフィルタ処理により入力画像データを補正する方式が広く用いられている。しかしながら、デジタルフィルタ処理では、対象とする領域が狭く、上述したように画像出力部の非線形かつ非対称な出力特性に基づいて副走査方向の広い範囲に渡って生じるTEDのような濃度低下を軽減ないし防止することは不可能である。
【0019】
そこで、出願人は、特開平10−65917号(特願平8−237255号、整理番号FN96−00327)によって、画像データを補正することによりTEDのような濃度低下を防止することを提案した。
【0020】
この方法では、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するエッジの画像データ値に基づいて中間調部の画像データ値を一次元的に補正するので、装置の大型化や高コスト化をきたすことなく、しかも出力画像の高解像度化を容易に達成できる状態で、TEDのような濃度低下を防止することができる。
【0021】
さらに、特開平10−65920号(特願平8−237258号、整理番号FN96−00437)では、特性記述手段に濃度変化の特性を記述し、画像出力部で出力された画像をもとに、その記述された特性を補正することによって、TEDの補正精度を向上させることを提案し、特願平9−185247号(整理番号FN97−00259)では、エッジ後の画像データ値を考慮することによって、TEDの補正精度を向上させることを提案した。
【0022】
しかしながら、これら先願の方法では、エッジないしエッジ後の画像データ値に基づいて、さらにエッジからの位置に応じて、中間調部の画像データに対する補正値を算出するため、補正処理としては少々規模が大きくなる。
【0023】
そこで、この発明は、画像形成装置ないし画像出力装置の大型化や高コスト化をきたすことなく、かつ簡易で小規模な処理によって、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、中間調部の背景部と接する後方端部での濃度低下を防止することができるようにしたものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の画像形成装置は、
記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置において、
記録色ごとの多値画像データ中の背景画像データの値を、所定値に変更する画像データ補正手段と、
その変更後の多値画像データを、入力値が前記所定値のときには、出力値を当該画像形成装置の画像再現開始点近傍の設定値とするように、階調変換する階調補正手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明の画像形成装置は、
記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置において、
記録色ごとの多値画像データを、入力値である当該多値画像データが0のときには、出力値である階調変換後の多値画像データを当該画像形成装置の画像再現開始点近傍の設定値とするように、階調変換する階調補正手段を備えることを特徴とする。
【0025】
この場合、上記の設定値をユーザが指定できるようにすることもできる。
【0026】
【作用】
上記のように構成した第1または第2の発明の画像形成装置では、記録色ごとの多値画像データ中の全ての背景画像データの値が、当該画像形成装置の画像再現開始点近傍の値に変更されるので、図21(A)に示したように、出力される画像が副走査方向に中間調部1から背景部2に変化するとき、その背景部2に相当する、図22に示す感光体ドラム310上の部分4には、現像されない程度の潜像が形成され、その部分4の電位は、現像スリーブ335に与えられる現像バイアス電位に近くなる。
【0027】
そのため、現像剤層337中のトナーに印加される逆電界が非常に小さくなって、現像剤層337中のトナーが逆電界により現像剤層337の表面から遠ざけられることがなくなる。そのため、中間調部1の背景部2と接する後方端部に相当する、感光体ドラム310上の潜像部3の後方端部が現像剤層337に接したとき、トナーが潜像部3の低電位による順方向の現像電界によって、時間的に遅れることなく感光体ドラム310の潜像部3上に付着される。
【0028】
したがって、中間調部1の背景部2と接する後方端部の濃度低下が防止される。しかも、第1または第2の発明では、このように濃度低下を防止するために、記録色ごとの多値画像データ中の全ての背景画像データの値を画像形成装置の画像再現開始点近傍の設定値に変更するだけで、エッジ抽出やエッジ検出を行わないので、簡易で小規模な処理で済む。
【0029】
第3または第4の発明の画像処理装置においても、同様に全ての背景画像データの値を設定値に変更することによって、同様に簡易で小規模な処理で、中間調部の背景部と接する後方端部の濃度低下を防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〔実施例1…図1〜図3、図9〜図11〕
図1は、この発明の画像処理装置に一例を搭載した、この発明の画像形成装置の一例としての、デジタルカラー複写機の全体構成を示す。
【0031】
この例の画像形成装置、すなわち複写機は、画像入力部100、画像処理部200および画像出力部300を備える。画像入力部100では、原稿上の画像が、CCDセンサなどからなるスキャナにより、例えば16画素/mm(400画素/インチ)の解像度で読み取られて、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色につき8ビット、256階調のデジタルデータからなる入力画像信号が得られる。
【0032】
画像処理部200は、この発明の画像処理装置の一例で、この画像処理部200では、画像入力部100からの入力画像信号から、画像出力部300での記録色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色につき8ビット、256階調のデジタルデータからなる画像記録信号が形成されるとともに、後述するように、その画像記録信号の画像データ値が補正される。
【0033】
図2は、その画像処理部200の第1の例を示し、画像入力部100からのRGB3色の信号Ri,Gi,Biが、透過中性濃度変換手段210により、透過中性濃度の信号Re,Ge,Beに変換され、その透過中性濃度の信号Re,Ge,Beが、色補正手段220により、透過中性濃度のYMC3色の信号Ye,Me,Ceに変換され、その透過中性濃度の信号Ye,Me,Ceが、墨版生成下色除去手段230により、下色除去されたYMC3色の信号Yei,Mei,Ceiと墨信号Keiに変換され、その信号Yei,Mei,Cei,Keiが、階調補正手段240により階調補正されて、YMCK4色の信号Yi,Mi,Ci,Kiからなる画像信号に変換される。
【0034】
この信号Yi,Mi,Ci,Kiが、入力画像データとして、データ補正部250に供給されて、後述するように画像データ値が補正される。また、この例では、コンピュータなどの外部機器からの色信号Scが、外部機器インタフェース260を通じて画像処理部200に取り込まれて、データ補正部250に供給され、信号Yi,Mi,Ci,Kiと同様に画像データ値が補正される。
【0035】
そして、データ補正部250からの画像データ値が補正されたYMCK4色の信号Yo,Mo,Co,Koが、画像処理部200からの出力画像データとして、画像出力部300に供給される。
【0036】
透過中性濃度変換手段210および階調補正手段240としては、例えば1次元のルックアップテーブルを用いる。色補正手段220としては、通常よく用いられる3×3の行列演算による線形マスキング法を利用することができるが、3×6,3×9などの非線形マスキング法を用いてもよい。また、墨版生成下色除去手段230としては、通常よく用いられるスケルトンUCR方式を用いることができる。ただし、いずれも、その他の公知の方法を用いてもよい。
【0037】
画像出力部300は、電子写真方式の、かつ二成分磁気ブラシ現像方式によるものである。図1および図2に示すように、画像出力部300はスクリーンジェネレータ390を有し、画像処理部200からの出力画像データは、このスクリーンジェネレータ390により、画像データ値に応じてパルス幅が変調された二値信号、すなわちスクリーン信号に変換される。
【0038】
図1に示すように、画像出力部300では、スクリーンジェネレータ390からのスクリーン信号により、レーザ光スキャナ380のレーザダイオード381が駆動されて、レーザダイオード381から、すなわちレーザ光スキャナ380から、レーザ光Lが得られ、そのレーザ光Lが感光体ドラム310上に照射される。
【0039】
感光体ドラム310は、静電潜像形成用の帯電器320により帯電され、レーザ光スキャナ380からのレーザ光Lが照射されることによって、感光体ドラム310上に静電潜像が形成される。
【0040】
その静電潜像が形成された感光体ドラム310に対して、回転現像器330のKYMC4色の現像器331,332,333,334が当接することによって、感光体ドラム310上に形成された各色の静電潜像がトナー像に現像される。
【0041】
そして、用紙トレイ301上の用紙が、給紙装置部302により転写ドラム340上に送られ、巻装されるとともに、転写帯電器341により用紙の背面からコロナ放電が与えられることによって、感光体ドラム310上の現像されたトナー像が、用紙上に転写される。出力画像が多色画像の場合には、用紙が2〜4回繰り返して感光体ドラム310に当接させられることによって、KYMC4色中の複数色の画像が多重転写される。
【0042】
転写後の用紙は、定着器370に送られ、トナー像が、加熱溶融されることによって用紙上に定着される。感光体ドラム310は、トナー像が用紙上に転写された後、クリーナ350によってクリーニングされ、前露光器360によって再使用の準備がなされる。
【0043】
具体的に、この例では、レーザ光スキャナ380として、レーザ光Lの主走査方向のビーム径および副走査方向のビーム径が、それぞれ64μmとなるものを用いた。また、現像剤として、平均粒経が7μmの絶縁性トナーと平均粒経が50μmの磁性粒子(フェライトキャリア)とを混合したものを用い、トナーの濃度を7%とした。
【0044】
マゼンタトナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、C.I.ピグメントレッド57:1顔料を4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。シアントナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、C.I.ピグメントブルー15:3顔料を4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。イエロートナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、C.I.ピグメントイエロー17顔料を4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。ブラックトナーとしては、ポリエステル系のメインバインダ100重量部に、カーボンブラック4重量部、帯電制御剤4重量部および外添剤を加えたものを用いた。
【0045】
上記の例の画像形成装置、すなわち複写機において、画像処理部200のデータ補正部250で後述する画像データ値の補正を行わなかった場合には、スクリーンジェネレータ390でのスクリーン線数を400ライン/インチとして、副走査方向に中間調部から背景部に変化する画像を出力させたとき、図21(B)の破線で示すように、中間調部1の背景部2と接する後方端部1Bの濃度が低下した。また、この濃度低下は、スクリーンジェネレータ390でのスクリーン線数を多くすると、より顕著になることが認められた。
【0046】
レーザ光スキャナ380をレーザ光Lの主走査方向のビーム径が20μmとなるものにしたところ、後方端部1Bの濃度低下が減少した。しかし、レーザ光スキャナ380の大型化および高コスト化をきたす。また、スクリーン線数を多くした場合には、レーザ光Lの主走査方向のビーム径を小さくしても、後方端部1Bの濃度低下を知覚できない程度に減少させることはできなかった。
【0047】
しかし、この例では、画像処理部200のデータ補正部250において、階調補正手段240からの入力画像データの画像データ値が補正される。図3は、そのデータ補正部250の、画像処理部200の図2に示した第1の例に対応する例を示し、そのデータ補正部250は、エッジ抽出手段251および画像データ補正手段252によって構成される。
【0048】
エッジ抽出手段251は、階調補正手段240からの入力画像データSiから、図21(A)に示したように、出力される画像が副走査方向に中間調部1から背景部2に変化するときの、その中間調部1の背景部2と接する後方エッジ1bを抽出する。
【0049】
画像データ補正手段252は、後述するように、階調補正手段240からの入力画像データSi中の、この後方エッジ1bの近傍の背景画像データの値を設定値に変更する。
【0050】
図22でTEDを生じる理由を示したところから明らかなように、中間調部1の濃度低下を生じる後方端部1Bの範囲、およびその後方端部1Bでの濃度低下量は、感光体ドラム310上の背景部2に相当する部分4の電位と現像バイアス電位との差によってトナーが受ける逆電界の強度、および逆電界を受けている時間によって決まる、トナーが現像剤層337の表面から遠ざけられる距離と、感光体ドラム310上の中間調部1の潜像部3の電位によりトナーが受ける順電界の強度との関係によって変化し、したがって、中間調部1の画像データ値、すなわち中間調部1の背景部2と接する後方エッジ1bの画像データ値と、背景部2の画像データ値とに依存する。
【0051】
そして、特開平10−65917号(特願平8−237255号、整理番号FN96−00327)の発明では、具体的に、図23(A)に示すように、中間調部の濃度低下を生じる後方端部の範囲に相当する補正対象画素数をa、後方エッジの画像データ値Cに対する補正量をbとし、副走査方向の画素位置をx、後方エッジの副走査方向の画素位置をxoとするとき、一次式、
y=(b/a)×{x−(xo−a)} …(1)
で表される補正量yを算出し、その補正量yをxo−a≦x≦xoの範囲の入力画像データSiに加算して補正後の出力画像データSoを得る。
【0052】
また、特願平9−185247号(整理番号FN97−00259)の発明では、図21(C)に示すように、後方エッジ1bで画像が中間調部1から背景部2に変化した直後に、再び中間調部7に変化する場合を考慮して、具体的に、図23(B)に示すように、一次式、
y=k×(b/a)×{x−(xo−a)} …(2)
で表される補正量yを算出し、その補正量yをxo−a≦x≦xoの範囲の入力画像データSiに加算して補正後の出力画像データSoを得る。
【0053】
ただし、kは補正係数で、後方エッジ後の一定期間(一定領域)dに渡って、副走査方向に連続する画素の画像データ値を観測して、その観測期間d中に図21(C)に示したように画像が背景部2から中間調部7に変化したときには、その期間dにおける画像データ値の平均値を後方エッジ後の画像データ値eとして算出し、観測期間d中に背景部2から中間調部7に変化しなかったときには、e=0として、
k=(C−e)/C …(3)
とする。
【0054】
しかし、上述したように、逆電界を受けなければトナーは現像剤層337の表面から遠ざかることがなく、したがって中間調部1での濃度低下も生じないことになる。
【0055】
上述したように、感光体ドラム310は、当初は帯電器320により例えば−650Vの電位に帯電され、レーザ光Lの照射により露光されて、その電位が現像バイアス電位、例えば−500Vより低い電位に変化したとき、現像が行われる。
【0056】
ここで、現像バイアスを超える露光量に相当する網点面積率を再現開始点として定義する。一般に、電子写真方式の画像形成装置では、画像再現の安定性を確保するために、再現開始点は網点面積率で5%程度に設定されている。したがって、網点面積率が5%より低ければ、画像は再現されずに背景領域となり、網点面積率が5%以上であれば、中間調として再現されることになる。
【0057】
図3のエッジ抽出手段251では、具体的に、副走査方向に画像データを観測して、画像データ値が所定の閾値を超えているときには中間調画像データと判断し、画像データ値が閾値以下に下がったときには、その下がる画素を中間調画像データから背景画像データに変化するエッジと判断する。
【0058】
すなわち、エッジ抽出手段251での上記の閾値を再現開始点である5%とすることによって、画像出力部300で再現される中間調部1の背景部2と接する後方エッジ1bは、すべて検出されることになる。
【0059】
したがって、ここでの中間調部1は、画像データ値が階調段階で再現開始点の5%から100%までの範囲のものであり、背景部2は、画像データ値が階調段階で0%から再現開始点の5%までの範囲のものである。
【0060】
なお、エッジ抽出手段251は、後方エッジ1bを検出できるものであれば、デジタルフィルタ処理によりグラディエントなどの画像の1次微分値を得るものや、パターンマッチングによるものなどの、他の方法によるものでもよい。
【0061】
そして、図3の画像データ補正手段252では、図9(A)に示すような中間調部1については、図10(A)に入力画像データSiとして示すように、画像データ値を変更せず、後方エッジ1b後の副走査方向にm画素の背景領域2cの画像データ値を、図10(A)に補正データScとして示すように、上記の閾値Dthより若干低い設定値Dcに変更する。
【0062】
ただし、図10(B)に示すように、入力画像データSiaで示す中間調部1の後方エッジ後の副走査方向にm画素の領域内に、入力画像データSibで示す画像データ値が閾値Dthより大きい中間調部、または画像データ値が設定値Dcより大きい背景部が存在する場合には、その部分の画像データ値は変更せず、補正データScとして示すように、中間調部1の後方エッジからその部分までのm’画素の領域の画像データ値のみを設定値Dcに変更する。
【0063】
設定値Dcは、閾値Dthが5%であれば、例えば、4%以上、5%未満の範囲に設定する。設定値Dcが閾値Dthに近いほど、上述した逆電界が弱くなって、TEDに対する抑止効果が高くなる。設定値Dcが低いと、逆電界が残るため、TEDの抑止効果は低下する。一方、設定値Dcが閾値Dthに近いと、環境の変化によって再現開始点、すなわち閾値Dthがずれた場合に、背景部が再現されてしまい、カブリといわれる現象を生じる。
【0064】
しかし、この例では、画像データ値を変更する領域を、後方エッジ1b後の副走査方向にm画素の背景領域2cに限定することによって、わずかにカブリが発生した場合にも視認されにくい利点がある。
【0065】
ただし、画像データ値を設定値Dcに変更する背景領域は、図9(B)に示すように、後方エッジ1b後の副走査方向にm画素の領域に、中間調部1の主走査方向のエッジ1eを後方エッジ1b後の副走査方向に延長したラインを中心に主走査方向にn画素の領域Eeを加えたものとしてもよい。または、図9(C)に示すように、後方エッジ1b後の副走査方向に(m/2)画素の領域に、後方エッジ1bの主走査方向の端点1gを中心に副走査方向にはm画素、主走査方向にはn画素の領域Egを加えたものとしてもよい。
【0066】
図21(B)は、入力網点面積率40%のパッチをスクリーン線数400ライン/インチでブラック単色で出力したときの濃度測定結果を示し、破線は、この発明によらない場合、すなわちデータ補正部250で背景画像データの値を変更しない場合であり、実線は、この発明による場合、すなわちデータ補正部250で上述したように背景画像データの値を設定値Dcに変更した場合である。
【0067】
なお、上記の例は、再現開始点がYMCK各色につき同一であるとして、画像データ補正手段252において、背景画像データの値をYMCK各色につき同一の設定値Dcに変更する場合であるが、各色ごとに異なる設定値に変更するようにしてもよい。また、画像出力部300でのスクリーン線数ごとに異なる設定値に変更するようにしてもよい。
【0068】
さらに、設定値Dcは、これによって補正した画像を出力した結果をもとに、操作パネルなどのユーザインタフェースによって、その値をユーザが指定できるようにすることができる。この場合、スクリーン線数やYMCK各色ごとに指定できるようにしてもよい。
【0069】
さらに、ユーザの操作によって、図11に示すように、スクリーン線数およびYMCK各色ごとに再現開始点付近の画像データでパッチ画像を出力し、ユーザが、その中から視認されない上限のパッチ画像を選択して、その番号を入力することによって、設定値Dcを指定できるようにすると、好適である。図11の例では、各色の画像データが0から255までの値の256階調のものとして、番号「0」が画像データ値が13のパッチ画像、番号「−1」が画像データ値が12のパッチ画像、番号「1」が画像データ値が14のパッチ画像で、例えば、スクリーン線数200ライン/インチのイエローについては、視認されない上限のパッチ画像の番号は「−2」である。
【0070】
上述した第1の実施例によれば、入力画像データを処理する画像処理装置において、またはそのような画像処理装置を画像処理部として備える画像形成装置において、画像出力装置または画像出力部の大型化や高コスト化をきたすことなく、かつ簡易で小規模な処理によって、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、中間調部の背景部と接する後方端部での濃度低下を防止することができる。また、出力画像の高解像度化のためにスクリーン線数を増加させる場合でも、上記の濃度低下を防止することができるので、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【0071】
〔実施例2…図1、図4、図5、図9〜図11〕
図4は、図1に示した画像処理部200の第2の例を示し、図2の第1の例では、階調補正手段240からの階調補正後の信号Yi,Mi,Ci,Kiを、図3のように入力画像データSiとしてデータ補正部250に供給して、上述したように背景画像データの値を変更するのに対して、この第2の例では、墨版生成下色除去手段230からの信号Yei,Mei,Cei,Keiを、データ補正部250に供給して、データ補正部250において、階調補正と背景画像データ値の変更とを行う。
【0072】
図5は、この場合のデータ補正部250の一例を示し、そのデータ補正部250は、階調補正手段240、エッジ抽出手段251および画像データ補正手段252によって構成される。
【0073】
階調補正手段240では、墨版生成下色除去手段230からの信号Sei(Yei,Mei,Cei,Kei)が階調補正される。エッジ抽出手段251では、墨版生成下色除去手段230からの信号Seiから、実施例1と同様に、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、その中間調部の背景部と接する後方エッジが抽出される。
【0074】
そして、画像データ補正手段252では、エッジ抽出手段251で抽出されたエッジ情報に基づいて、階調補正手段240からの階調補正後の信号Si(Yi,Mi,Ci,Ki)中の、対象となるエッジ近傍の背景画像データの値が設定値Dcに変更される。
【0075】
したがって、実施例1と同様に、TEDの発生を防止することができる。しかも、この実施例2では、図4に示す外部機器インタフェース260を通じて画像処理部200に取り込まれる外部機器からの色信号Scが、画像出力部300の階調特性に見合っていない場合でも、その色信号Scに応じてエッジ抽出手段251でのエッジ抽出レベルを設定することによって、外部機器からの色信号ScについてもTEDの発生を適切に防止することができる。
【0076】
〔実施例3…図1、図4、図6、図9、図10、図12〕
図6は、画像処理部200を図4のように構成する場合のデータ補正部250の他の例を示し、そのデータ補正部250は、エッジ抽出手段251、画像データ補正手段252および階調補正手段240によって構成される。
【0077】
エッジ抽出手段251では、墨版生成下色除去手段230からの信号Sei(Yei,Mei,Cei,Kei)から、実施例1,2と同様に、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、その中間調部の背景部と接する後方エッジが抽出される。
【0078】
画像データ補正手段252は、エッジ抽出手段251で抽出されたエッジ情報に基づいて、この例では、墨版生成下色除去手段230からの階調補正前の信号Sei中の、対象となるエッジ近傍の背景画像データの値を、上述した設定値Dcではなく、背景画像データ値である0より大きく、設定値Dcより小さい所定値、例えば1に変更する。
【0079】
そして、階調補正手段240では、この画像データ補正手段252からの、対象となるエッジ近傍の背景画像データ値が所定値、例えば1に変更された画像データSei’が階調補正されて、出力画像データSo(Yo,Mo,Co,Ko)が得られる。
【0080】
階調補正手段240としては、1次元のルックアップテーブルを用いる。一般に、階調補正手段を構成するルックアップテーブルは、入出力間の関係が不連続にならないように、入力値が0のときには出力値も0となるように設定される。
【0081】
この例でも、階調補正手段240を構成するルックアップテーブルは、図12に示すように、入力値Cinが0のときには出力値Coutも0となるように設定するが、入力値Cinが上記の所定値、例えば1のときには、出力値Coutが上述した設定値Dcとなるように設定する。
【0082】
したがって、対象となるエッジ近傍の背景画像データの値が最終的に設定値Dcに変換され、実施例1,2と同様に、TEDの発生を防止することができる。
【0083】
〔実施例4…図1、図4、図7、図12〕
図7は、画像処理部200を図4のように構成する場合のデータ補正部250のさらに他の例を示し、そのデータ補正部250は、画像データ補正手段252および階調補正手段240によって構成される。
【0084】
この例では、画像データ補正手段252において、墨版生成下色除去手段230からの階調補正前の信号Sei(Yei,Mei,Cei,Kei)中の、全ての背景画像データの値が、上述した設定値Dcではなく、背景画像データ値である0より大きく、設定値Dcより小さい所定値、例えば1に変更される。
【0085】
そして、階調補正手段240では、この画像データ補正手段252からの、全ての背景画像データ値が所定値、例えば1に変更された画像データSi’が階調補正されて、出力画像データSo(Yo,Mo,Co,Ko)が得られる。
【0086】
階調補正手段240としては、1次元のルックアップテーブルを用いる。そして、この例でも、実施例3と同様に、階調補正手段240を構成するルックアップテーブルを、図12に示すように、入力値Cinが0のときには出力値Coutも0となるが、入力値Cinが上記の所定値、例えば1のときには、出力値Coutが上述した設定値Dcとなるように設定する。
【0087】
したがって、全ての背景画像データの値が最終的に設定値Dcに変換され、TEDの発生を防止することができる。しかも、この例では、エッジ抽出を行わないので、TEDの発生を防止するための処理を大幅に簡略化することができる。
【0088】
ただし、この例では、副走査方向に中間調部から背景部に変化するエッジ近傍の背景画像データだけでなく、画像のない背景部の出力画像データも全て設定値Dcにされるので、調整や環境の変化により再現開始点が変化することによって、設定値Dcが再現開始点より大きくなってカブリを生じた場合に、その発生領域が広くなり、カブリが視認されやすくなる。
【0089】
しかし、電子写真方式の画像形成装置では、環境の変化によって出力特性が影響を受けることは周知であり、これに対しては、プロセスコントロールと呼ばれる方法が用いられている。これは、環境が変化したとき、または環境の変化が想定されるときに、複数の濃度の基準パッチを感光体上に形成して、その濃度をセンサで測定し、測定値が目標値に対してずれている場合には、露光量や帯電量などの条件を変化させて、出力画像の階調性を維持するものである。したがって、初期調整で設定値Dcを適切な値に設定すれば、環境の変化によってカブリが生じるのを防止できる状態で、TEDの発生を防止することができる。
【0090】
〔実施例5…図1、図4、図8、図13〕
図8は、画像処理部200を図4のように構成する場合のデータ補正部250のさらに他の例を示し、データ補正部250を階調補正手段240のみによって構成して、階調補正手段240で、墨版生成下色除去手段230からの信号Sei(Yei,Mei,Cei,Kei)を階調補正するとき、同時に、信号Sei中の全ての背景画像データの値を、上述した設定値Dcに変更する。
【0091】
階調補正手段240としては、1次元のルックアップテーブルを用い、そのルックアップテーブルを、図13に示すように、入力値Cinが背景画像データ値である0のときには、出力値Coutが上述した設定値Dcとなるように設定する。
【0092】
したがって、実施例4と同様に、全ての背景画像データの値が設定値Dcに変換され、TEDの発生を防止することができる。
【0093】
〔実施例6…図14〜図17〕
図14は、この発明の画像処理装置の一例を用い、この発明の画像形成装置の一例を用いたネットワークプリンタシステムの全体構成を示す。このネットワークプリンタシステムでは、ネットワーク400上に、クライアント装置500、印刷装置600および他の装置900が接続される。
【0094】
ネットワーク400は、例えばイーサネット(Ethernet:米国Xerox社商標)で、クライアント装置500、印刷装置600および他の装置900のアプリケーションに応じて、複数のプロトコルが動作するものとされる。
【0095】
クライアント装置500は、複数のクライアント装置501,502…からなるもので、それぞれのクライアント装置501,502…は、コンピュータやワークステーションなどからなり、それぞれ印刷装置600や他の装置900に対して、ページ記述言語(Page Discription Language:以下、PDLと称する)で記述された印刷情報を送出する。
【0096】
このネットワークプリンタシステムは、OPI(Open PrePerssInterface:米国Aldus社商標)システムに対応するもので、クライアント装置500からのPDLで記述された印刷情報、すなわちPDLコマンド/データには、OPIシステムに対応したOPIコマンドが含まれることがある。
【0097】
OPIシステムは、ネットワークを介してクライアント装置および複数の印刷装置が接続され、その複数の印刷装置の少なくとも1台は記憶装置部に高解像度のイメージデータを保持し、クライアント装置は上記の高解像度イメージデータに対応する低解像度情報により編集処理を行い、高解像度イメージデータを保持する印刷装置はクライアント装置からのページレイアウトプログラムの印刷情報に基づいて高解像度イメージデータを出力するシステムで、ネットワーク上のトラフィックを増大させることなく、かつクライアント装置の負荷を増大させることなく、イメージデータのページレイアウト処理をすることができるものである。
【0098】
印刷装置600は、この発明の画像形成装置の一例で、この例では、上記のOPIシステムに対応したものである。印刷装置600は、画像処理部700と画像出力部800からなり、画像処理部700は、この発明の画像処理装置の一例である。画像出力部800は、図1に示した実施例1〜5の画像出力部300と同様に、電子写真方式の、かつ二成分磁気ブラシ現像方式によるものである。画像処理部700と画像出力部800は、物理的に別個の装置とされてもよいし、画像処理部700が画像出力部800内に組み込まれて物理的には1個の装置とされてもよい。
【0099】
他の装置900は、印刷装置600以外の印刷装置や、プリントサーバ、ディスクサーバ、メイルサーバなどのサーバ装置などである。これら印刷装置やサーバ装置なども、それぞれ複数のものからなる。
【0100】
印刷装置600の画像処理部700は、通信制御部710、主制御部720、磁気ディスク装置部730、バッファメモリ740および出力部制御部750を備える。
【0101】
通信制御部710は、画像処理部700をネットワーク400を介してクライアント装置500および他の装置900に接続し、例えばイーサネットの制御方式として用いられるCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detect)によって通信を制御する。
【0102】
通信制御部710によりクライアント装置500や他の装置900から画像処理部700に入力された情報は、通信制御部710から主制御部720に渡され、主制御部720において、通信プロトコルの解析およびPDLの解釈・実行がなされて、画像出力部800で出力する画像データが展開されるとともに、後述するように、その画像データの値が補正され、その補正後の画像データがバッファメモリ740に書き込まれる。
【0103】
磁気ディスク装置部730には、通信制御部710、主制御部720、バッファメモリ740および出力部制御部750を含む画像処理部700全体、および画像出力部800を制御する、オペレーションシステム、デバイスドライバおよびアプリケーションソフトウエアがインストールされ、これらオペレーションシステムなどは、磁気ディスク装置部730から図では省略した主記憶装置部に随時、ロードされて実行される。
【0104】
また、磁気ディスク装置部730には、OPIシステムに対応した上記の高解像度イメージデータがストアされ、その高解像度イメージデータは、上記のOPIコマンドにより磁気ディスク装置部730から主制御部720に随時、読み出される。なお、磁気ディスク装置部730は、上記の主記憶装置部やバッファメモリ740の容量が不足した場合には、データの一時待避場所として利用される。
【0105】
上記のように、バッファメモリ740には主制御部720で得られた出力画像データが一時保存される。そして、出力部制御部750が画像出力部800と通信しながらバッファメモリ740を制御することによって、その出力画像データがバッファメモリ740から読み出されて画像出力部800に送出され、画像出力部800において出力画像が得られる。
【0106】
図15に示すように、主制御部720は、通信プロトコル解析制御部721、PDLコマンド/データ解析部722、イメージ展開部770、文字展開部724、色判定部725、情報結合部726および補正描画部790を有し、通信プロトコル解析制御部721が通信制御部710と接続され、補正描画部790がバッファメモリ740と接続される。なお、図15では図14に示した磁気ディスク装置部730を省略している。
【0107】
上記のようにクライアント装置500や他の装置900から通信制御部710に入力された情報は、通信制御部710から通信プロトコル解析制御部721に入力される。この通信プロトコル解析制御部721に入力される情報には、読み取り画像情報やコード情報が混在するPDLで記述された印刷情報、すなわちPDLコマンド/データが含まれる。また、そのPDLコマンド/データには、OPIコマンドが含まれることがある。
【0108】
通信プロトコル解析制御部721では、その入力された情報のプロトコルを解析して、入力された情報のうち、PDLコマンド/データは、PDLコマンド/データ解析部722に転送する。通信プロトコル解析制御部721は、上記の複数のプロトコルに対応するものとされ、例えばTCP/IP,AppleTalk(米国Apple社商標)、IPX/SPXをサポートするものとされる。
【0109】
画像処理部700からクライアント装置500や他の装置900に対して情報を送る場合には、通信プロトコル解析制御部721は、クライアント装置500や他の装置900に合わせた通信プロトコルの制御をして、その情報を通信制御部710に出力する。
【0110】
通信制御部710および通信プロトコル解析制御部721を介してPDLコマンド/データ解析部722に入力されたPDLコマンド/データは、PDLコマンド/データ解析部722で解析される。PDLコマンド/データ解析部722では、ポストスクリプト(PostScript:米国AdobeSystems社商標)やインタプレス(InterPress:米国Xerox社商標)などを含む複数のPDLを解析して、中間的なコードデータに変換する。
【0111】
PDLコマンド/データ解析部722で得られた、画像出力部800の解像度の情報や、輪郭、位置、回転角などの画像形状情報は、PDLコマンド/データ解析部722からイメージ展開部770に渡され、イメージ展開部770は、これら情報により、画像出力部800で出力する画像データを展開する。
【0112】
この場合、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータが文字情報を含んでいるときには、イメージ展開部770は、文字展開部724からアウトライン情報を取り入れて、文字についての画像データを展開する。また、イメージ展開部770は、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータに基づいて、データの圧縮・伸長、画像の拡大・縮小、回転・鏡像化、解像度変換などの処理をする。
【0113】
色判定部725では、PDLコマンド/データ解析部722で解析されたPDLコマンド/データの色情報に基づいて、イメージ展開部770で展開された画像データをYMCKの各色ごとの画像データに変換ためのパラメータを生成し、そのパラメータを情報結合部726に送出する。情報結合部726では、色判定部725からのパラメータによって、イメージ展開部770で展開された画像データがYMCK各色ごとの画像データに変換される。
【0114】
この情報結合部726からのYMCK各色ごとの画像データが、入力画像データとして補正描画部790に供給されて、補正描画部790において、後述するように入力画像データの画像データ値が補正され、その補正後のYMCK各色ごとの画像データが、出力画像データとしてバッファメモリ740に書き込まれる。バッファメモリ740からは、YMCK各色ごとに画像データが読み出され、その読み出された画像データが、画像出力部800に供給される。
【0115】
図16に示すように、画像出力部800は、画像信号制御部810、レーザ駆動部820および画像露光部830を備え、画像処理部700のバッファメモリ740から読み出された画像データが、画像信号制御部810によりレーザ変調信号に変換され、そのレーザ変調信号がレーザ駆動部820に供給されて、レーザ駆動部820により、画像露光部830のレーザダイオード831が駆動される。
【0116】
図16では省略しているが、画像出力部800では、このように画像信号制御部810からのレーザ変調信号により変調された、レーザダイオード831からのレーザ光が、感光体ドラム上を走査することによって、感光体ドラム上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像器によりトナー像に現像され、そのトナー像が転写器により用紙上に転写されることによって、用紙上に画像が出力される。
【0117】
図17は、主制御部720中のイメージ展開部770および補正描画部790などの要部の一例を示す。イメージ展開部770は、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータを、文字、線/図形および読み取り画像の3つの画像オブジェクトごとに画像データに展開して、描画を行う。
【0118】
すなわち、文字情報は、文字展開部724に送られてフォント展開されることにより、文字のビットマップデータが生成され、情報結合部726に渡される。読み取り画像情報は、読み取り画像変換部771において解像度変換などの画像変換処理がなされた上で、情報結合部726に渡される。
【0119】
線/図形の情報は、座標変換部773により、細線、線/面画および矩形に細分化されて、細線、線/面画および矩形ごとに、PDLに記述された画像として描画される。すなわち、細線部は、細線描画部774により描画されて、情報結合部726に渡され、線/面画の部分は、線/面画描画部775により描画されて、情報結合部726に渡され、矩形部は、矩形描画部776により描画されて、情報結合部726に渡される。
【0120】
また、線/面画描画部775の出力は、エッジ検出部777に供給されて、エッジ検出部777において、線/面画の画像の副走査方向の後方エッジが検出されるとともに、矩形描画部776の出力は、エッジ検出部778に供給されて、エッジ検出部778において、矩形の画像の副走査方向の後方エッジが検出される。
【0121】
情報結合部726では、各画像オブジェクトごとの画像を重ね合わせて、1ページの画像イメージを構成するとともに、オブジェクトごとに色判定部725から得られた情報をもとに色変換などの処理をする。
【0122】
補正描画部790は、エッジ蓄積部791、ページイメージ部792、濃度低下判定部794および背景再描画部795によって構成される。
【0123】
エッジ蓄積部791では、イメージ展開部770のエッジ検出部777および778からの後方エッジ情報をエッジリストとして蓄積する。ページイメージ部792では、情報結合部726から合成されたページイメージを得て、濃度低下判定部794および背景再描画部795に転送する。
【0124】
濃度低下判定部794は、ページイメージ部792からページイメージが転送されたとき、エッジ蓄積部791に蓄積されたエッジリストにあるエッジ情報とページイメージ上の画像データをもとに、副走査方向に中間調領域から背景領域に変化するエッジを判定し、その判定結果を背景再描画部795に送出する。
【0125】
背景再描画部795は、濃度低下判定部794からの判定結果を受けて、ページイメージ部792から転送されたページイメージの、対象となるエッジ近傍の背景領域の画像データを非再現域の画像データで再描画し、その再描画後のページイメージをバッファメモリ740に転送する。
【0126】
その再描画は、実施例1,2または3と同様に、エッジ後方の副走査方向にm画素の背景領域、またはエッジ後方の副走査方向にはm画素、主走査方向にはn画素の背景領域、またはエッジを中心に副走査方向にはm画素、主走査方向にはn画素の背景領域の画像データを非再現域の画像データ値Dcに置換する。
【0127】
したがって、この例においても、線/面画および矩形の画像の、副走査方向の後方端部の濃度低下が防止される。
【0128】
なお、上記の例は、補正描画部790の各機能をソフトウエアにより実現する場合であるが、高速化のために同等の機能を有するハードウエアにより補正描画部790を構成してもよい。
【0129】
この例によれば、PDLから画像データを展開する画像処理装置において、またはそのような画像処理装置を画像処理部として備える画像形成装置において、画像出力装置または画像出力部の大型化や高コスト化をきたすことなく、かつ簡易で小規模な処理によって、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、中間調部の背景部と接する後方端部での濃度低下を防止することができる。また、出力画像の高解像度化のためにスクリーン線数を増加させる場合でも、上記の濃度低下を防止することができるので、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【0130】
特に、この例によれば、クライアント装置で作成された、濃度低下を生じやすい図形画像などのグラフィックス画像の濃度低下を確実に防止することができる利点がある。
【0131】
〔実施例7…図14〜図16、図18〕
図18は、図14および図15に示した画像処理部700の主制御部720の要部の他の例を示す。
【0132】
この例では、図15の通信制御部710および通信プロトコル解析制御部721を介してPDLコマンド/データ解析部722に入力されたPDLコマンド/データは、PDLコマンド/データ解析部722で、画像情報の素性が解析されて、イメージ展開部770に引き渡される。
【0133】
イメージ展開部770では、その素性により、文字情報であれば、文字展開部724からアウトライン情報を取り入れて、文字についての画像データを展開し、その画像データIと、文字であることを示す情報を有するタグデータTとを、情報結合部726に出力する。
【0134】
線/図形の情報であれば、座標変換部773により、細線、線/面画および矩形に細分化して、細線描画部774、線/面画描画部775および矩形描画部776で、細線、線/面画および矩形についての画像データを展開し、その画像データIと、線/図形の素性および重なりの情報を含むタグデータTとを、情報結合部726に出力する。
【0135】
読み取り画像情報であれは、読み取り画像変換部771で、画像出力部800に対応する画像データを展開し、その画像データIと、読み取り画像であることを示す情報を有するタグデータTとを、情報結合部726に出力する。
【0136】
情報結合部726では、ページレイアウト情報、それぞれのタグデータT、および色判定部725からのパラメータに基づいて、それぞれの画像データIを合成し、YMCK各色ごとの画像データを生成する。また、それぞれのタグデータTから、それぞれの描画要素の素性および重なりの情報を含むタグデータT’を再生成して、画像データとともに、補正描画部790に引き渡す。
【0137】
この例では、補正描画部790は、ページイメージ部792、濃度低下判定部794および背景再描画部795によって構成され、ページイメージ部792では、情報結合部726から合成されたページイメージを得て、濃度低下判定部794および背景再描画部795に転送する。
【0138】
濃度低下判定部794では、情報結合部726からのタグデータT’とページイメージ部792からの画像データをもとに、副走査方向に中間調領域から背景領域に変化するエッジを判定し、その判定結果を背景再描画部795に送出する。この場合、副走査方向にタグデータT’を観測して、タグデータT’が変化する位置の前後の画像データから、対象となるエッジであるか否かを判断する。
【0139】
背景再描画部795は、図17の例と同様に、濃度低下判定部794からの判定結果を受けて、ページイメージ部792から転送されたページイメージの、対象となるエッジ近傍の背景領域の画像データを非再現域の画像データで再描画し、その再描画後のページイメージをバッファメモリ740に転送する。
【0140】
〔実施例8…図14〜図16、図19、図20〕
図19は、図14および図15に示した画像処理部700の主制御部720の要部の他の例を示す。この例は、イメージ展開部770に背景画像データを再描画する機能を持たせる場合である。
【0141】
イメージ展開部770は、PDLコマンド/データ解析部722からのコードデータを、文字、線/図形および読み取り画像の3つの画像オブジェクトごとに画像データに展開して、描画を行う。
【0142】
すなわち、文字情報は、文字展開部724に送られてフォント展開されることにより、文字のビットマップデータが生成され、情報結合部726に渡される。同時に、文字背景描画部781で、文字のサイズおよび位置の情報から、文字背景画像データが生成され、背景補正画像であることを示す情報が付加されて、情報結合部726に渡される。文字背景画像データは、図20(a)に付加背景データとして示すように、文字が配置される矩形領域の副走査方向における後方の領域の画像データとする。
【0143】
読み取り画像情報は、読み取り画像変換部771において解像度変換などの画像変換処理がなされた上で、情報結合部726に渡される。同時に、読み取り画像背景描画部785で、図20(b)または(c)に付加背景データとして示すように、画像変換処理後の読み取り画像領域を拡張した領域の背景画像データが生成され、背景補正画像であることを示す情報が付加されて、情報結合部726に渡される。
【0144】
線/図形の情報は、座標変換部773により、細線、線/面画および矩形に細分化されて、細線、線/面画および矩形ごとに、PDLに記述された画像として描画される。
【0145】
すなわち、細線部は、細線描画部774により描画されて、情報結合部726に渡され、線/面画の部分は、線/面画描画部775により描画されて、情報結合部726に渡され、矩形部は、矩形描画部776により描画されて、情報結合部726に渡される。
【0146】
同時に、細線背景描画部782で、図20(d)(e)(f)に示すように細線の画像領域を拡張した領域の、線/面画背景描画部783で、図20(d)〜(j)に示すように線/面画の画像領域を拡張した領域の、矩形背景描画部784で、図20(g)〜(j)に示すように矩形の画像領域を拡張した領域の、それぞれ背景画像データが生成され、それぞれ背景補正画像であることを示す情報が付加されて、情報結合部726に渡される。
【0147】
情報結合部726では、各画像オブジェクトごとの画像を重ね合わせて、1ページの画像イメージを構成するとともに、オブジェクトごとに色判定部725から得られた情報をもとに色変換などの処理をする。情報結合部726で画像を重ね合わせる際には、文字背景描画部781、細線背景描画部782、線/面画背景描画部783、矩形背景描画部784、および読み取り画像背景描画部785からの背景画像データは、いずれも最下層に配置される。また、これら画像に対応するYMCK各色の背景画像データの値は、再現開始点に対応させた設定値Dcとされる。
【0148】
この例によれば、実施例6,7と同様に、画像出力装置または画像出力部の大型化や高コスト化をきたすことなく、かつ簡易で小規模な処理によって、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、中間調部の背景部と接する後方端部での濃度低下を防止することができるとともに、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【0149】
特に、この例によれば、それぞれの描画要素について背景補正の画像データを生成し、それを通常の画像データと重ね合わせることによって、最終的な画像データを生成するので、不要な位置に補正画像が付加されることがない。重ね合わせ後の画像データからTED発生の判定を行う必要もなく、判定結果により改めて補正領域を設定する必要もない。それぞれの背景補正画像の生成も通常の描画処理をそのまま利用できるので、処理を大幅に削減することができる。
【0150】
【発明の効果】
上述したように、この発明によれば、画像形成装置ないし画像出力装置の大型化や高コスト化をきたすことなく、かつ簡易で小規模な処理によって、出力される画像が副走査方向に中間調部から背景部に変化するときの、中間調部の背景部と接する後方端部での濃度低下を防止することができる。また、出力画像の高解像度化のためにスクリーン線数を増加させる場合でも、上記の濃度低下を防止することができるので、出力画像の高解像度化を容易に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像形成装置の一例としてのデジタルカラー複写機の全体構成を示す図である。
【図2】図1の複写機の画像処理部の第1の例を示す図である。
【図3】図2の画像処理部のデータ補正部の一例を示す図である。
【図4】図1の複写機の画像処理部の第2の例を示す図である。
【図5】図4の画像処理部のデータ補正部の一例を示す図である。
【図6】図4の画像処理部のデータ補正部の他の例を示す図である。
【図7】図4の画像処理部のデータ補正部のさらに他の例を示す図である。
【図8】図4の画像処理部のデータ補正部のさらに他の例を示す図である。
【図9】図3、図5または図6の画像データ補正手段による背景画像データ値の変更領域を示す図である。
【図10】図3、図5または図6の画像データ補正手段による背景画像データ値の変更態様を示す図である。
【図11】ユーザが背景画像データの設定値を指定する場合の一方法の説明に供する図である。
【図12】図6または図7の階調補正手段の階調補正特性の一例を示す図である。
【図13】図8の階調補正手段の階調補正特性の一例を示す図である。
【図14】この発明の画像処理装置の一例を用いたネットワークプリンタシステムの全体構成を示す図である。
【図15】図14のシステムの画像処理部の一例を示す図である。
【図16】図14のシステムの画像出力部の一例を示す図である。
【図17】図15の画像処理部の主制御部の要部の第1の例を示す図である。
【図18】図15の画像処理部の主制御部の要部の第2の例を示す図である。
【図19】図15の画像処理部の主制御部の要部の第3の例を示す図である。
【図20】図19の例の背景補正画像の領域を示す図である。
【図21】この発明で問題とする濃度低下の態様と、それがこの発明で防止されることを示す図である。
【図22】この発明で問題とする濃度低下が生じる理由を示すための図である。
【図23】先願の発明の方法を示す図である。
【符号の説明】
1…中間調部
1B…後方端部
1b…後方エッジ
2…背景部
200…画像処理部
240…階調補正手段
250…データ補正部
251…エッジ抽出手段
252…画像データ補正手段
700…画像処理部
720…主制御部
722…PDLコマンド/データ解析部
724…文字展開部
726…情報結合部
770…イメージ展開部
790…補正描画部
794…濃度低下判定部
795…背景再描画部

Claims (11)

  1. 記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置において、
    記録色ごとの多値画像データ中の背景画像データの値を、所定値に変更する画像データ補正手段と、
    その変更後の多値画像データを、入力値が前記所定値のときには、出力値を当該画像形成装置の画像再現開始点近傍の設定値とするように、階調変換する階調補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置において、
    記録色ごとの多値画像データを、入力値である当該多値画像データが0のときには、出力値である階調変換後の多値画像データを当該画像形成装置の画像再現開始点近傍の設定値とするように、階調変換する階調補正手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記設定値は、ユーザが指定可能であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記設定値は、当該画像形成装置でのスクリーン線数ごとに設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記設定値は、前記記録色ごとに設定されていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記階調補正手段は、ルックアップテーブルからなることを特徴とする画像形成装置。
  7. ページ単位で画像を形成するための画像情報を処理する画像処理装置において、
    画像情報を含むページ記述言語を解釈して、文字、図形、読み取り画像などの複数種類の画像に分解する解釈分解手段と、
    それぞれの分解された画像をラスタ情報に展開する画像展開手段と、
    それぞれの展開された画像を合成する情報結合手段とを備え、
    前記画像展開手段は、それぞれの展開された画像につき、背景補正画像を生成して、背景補正画像であることを示す識別情報とともに前記情報結合手段に出力し、
    前記情報結合手段は、前記背景補正画像を、その画像データ値を当該画像処理装置からの画像データによって画像を形成する画像出力装置の画像再現開始点近傍の設定値として、最下層に配置することを特徴とする画像処理装置。
  8. ページ単位で画像を形成するための画像情報を処理する画像処理装置において、
    画像情報を含むページ記述言語を解釈して、文字、図形、読み取り画像などの複数種類の画像に分解する解釈分解手段と、
    それぞれの分解された画像をラスタ情報に展開する画像展開手段と、
    それぞれの展開された画像を合成する情報結合手段と、
    その合成後の画像データ中の背景画像データの値を、当該画像処理装置からの画像データによって画像を形成する画像出力装置の画像再現開始点近傍の設定値に変更する画像データ補正手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  9. 請求項7または8の画像処理装置において、
    前記設定値は、ユーザが指定可能であることを特徴とする画像処理装置。
  10. 請求項7または8の画像処理装置において、
    前記設定値は、前記画像出力装置でのスクリーン線数ごとに設定されていることを特徴とする画像処理装置。
  11. 請求項7または8の画像処理装置において、
    前記設定値は、前記画像出力装置の記録色ごとに設定されていることを特徴とする画像処理装置。
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