JP3830845B2 - ピボットヒンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、開き戸の扉と枠体に装着されるピボットヒンジの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ピボットヒンジは扉及び枠体上下に目立たずに装着されるので、外観がスマートで好ましく、多用されている。しかし、建物内等に設けられる扉は隣接する部屋を密閉すると空気の流通が遮断され空調を適切に行うことが困難となるので、扉と枠体との間の間隙は上部は狭く例えば3〜5mm程度、下部は広目例えば5〜20mmにとられている。この場合、上方のピボットヒンジは扉側に固着される扉取付材の上下厚みを薄くとり、下方のピボットヒンジの扉取付材の上下厚みを厚くとることによって間隙の調整に対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のピボットヒンジは、扉取付材の上下が異なる仕様のものを準備する必要があり汎用性がなく、多様な施工現場に合わせるためには多種のものを在庫しておくことが必要であった。
これに対し本発明は、ヒンジ本体部は上下共互換性のある同じものを用い、下方に付加される隙間調整部により所望する扉及び枠体の間の間隙の調整を容易に行い、下側の間隙を上側より広目とすることができるピボットヒンジを得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、
請求項1の発明にあっては、少なくとも水平部(31)を有する支持部(3) と、前記水平部(31)に固着され軸支孔(21a) を有する支承部(2) と、扉取付材(51)に立設されたスリーブ(52)と該スリーブ(52)に挿着されるピボット軸(53)とを有し該ピボット軸(53)の先端軸(53c) が該ピボット軸(53)に装着されたばね(57)により突出し前記軸支孔(21a) に摺動可能とされているピボット部(5) とを備えた一対のピボットヒンジであって、
イ)一方の前記ピボットヒンジの扉取付材(51)を扉上隅部に固着し、前記支持部(3) を枠体上隅部に固着し、
ロ)他方の前記ピボットヒンジの扉取付材(51)を扉下隅部に固着し、前記支持部(3) を枠体下隅部に固着し、所望の前記扉及び枠体間の下側間隙に対応して隙間調整部(6) を選択し、
ハ)前記隙間調整部(6) は板又はブロック状の調整材(61)で、前記調整材(61)表面の一方端部には小突起(61e) が突設され、前記調整材(61)表面の他方端部には座ぐり部(61a) が設けられ、前記水平部(31)の一方端部に穿設された回止め孔(31b) に前記小突起(61e) を嵌着して一方の位置決めをし、前記水平部(31)の他方端部に突出する支承部(2) の下端部を前記座ぐり部(61a) に嵌着して他方の位置決めをして該水平部(31)及び調整材(61)を固着し、
ニ)前記扉及び枠体間の下側間隙を上側間隙より広目に調整可能としたピボットヒンジにより解決した。
請求項2の発明にあっては、隙間調整部(6) は水平部(31)に沿った二個の板又はブロック状の調整材(61 、62) の組合わせで、
イ)上側の前記調整材(61)表面の一方端部には小突起(61e) が突設され、他方端部には座ぐり部(61a) が設けられ、前記調整材(61)裏面の前記小突起(61e) と対向する位置に小凹部(61f) が設けられ、
ロ)下側の前記調整材(62)表面の一方端部には小突起(62d) が突設され、他方端部には座ぐり部(62a) が設けられ、前記調整材(62)裏面の前記小突起(62d) と対向する位置に小凹部(62e) が設けられ、
ハ)下側の前記小突起(62d) を上側の前記小凹部(61f) に嵌着し、上側及び下側の前記各調整材(61 、62) を重合わせて固着し、水平部(31)の一方端部に穿設された回止め孔(31b) に上側の前記小突起(61e) を嵌着して一方の位置決めをし、水平部(31)の他方端部下方に突出する支承部の下端部を上側の前記座ぐり部(61a) に嵌着して他方の位置決めし該水平部(31)と各調整材(61 、62) を固着可能とした請求項1に記載のピボットヒンジとすることができる。
請求項3の発明にあっては、各調整材(61 、62) の互いの固着を、小突起(61e、 62d) 及び座ぐり部(61a、 62a) と重ならない位置の中部に該各調整材(61 、62) を通ずる固着孔(61c、 62c) を穿設し、前記固着孔(61c、 62c) に固着具(63)を挿着してなす請求項2に記載のピボットヒンジとすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づき以下詳細に説明する。
図1は、本発明の一例のピボットヒンジの扉及び枠体との装着関係を示す概略正面図である。
図2は、本発明の一例のピボットヒンジの各構成要素の分解及び組立て斜視図である。
図3は、図1、2のピボットヒンジの隙間調整部の、三態様の組立て斜視図及び縦断斜視図である。
図4は、図1、2の下方のピボットヒンジによる隙間調整を説明する概略正面図である。
各構成要素の位置関係は図1に示す開き戸の使用状態で、扉Aが移動する側を外側とし、その反対側を内側とし、外側から内側にみて前後、左右、上下とし、扉Aが吊込まれる各枠体は縦B1及びB2、上B3、下B4として説明する。ここでの下枠体B4は床面によって兼ねているが、別の枠体を用いてもよい。11は把手である。
図2において、扉下方に用いられる本発明の一例のピボットヒンジ1は、支承部2と、支持部3と、ベース部4と、ピボット部5と、隙間調整部6とを有しているが、ベース部4は選択的構成要素であり、隙間調整部6を除く他の構成要素のヒンジ本体部は以下に詳述する構成のものに限定されない。
ここで扉上方に用いられるピボットヒンジ10は、ピボットヒンジ1の隙間調整部6を除くヒンジ本体部の各構成要素を上下を逆にして用いるだけであり、詳細説明は省略する。
支承部2は、基盤21と嵌合突起22と溶着材23とを有している。基盤21は円板状で後述するピボット軸53の先端軸53cが摺動可能な円形の軸支孔21aが該基盤21の軸芯に穿設されている。嵌合突起22は、通常円形で基盤21の裏面に基盤21の軸芯に合わせ下方に突設され、後述する支持部3の水平部31に穿設された嵌合孔31aに嵌着される。溶着材23は、例えば熱可塑性プラスチック材で、嵌合突起22を囲繞し加熱することにより嵌合孔31a周囲に溶着し基盤21を水平部31に固着するための固着手段でリング状に形成されていが、こでの固着手段は溶着材23による固着に代えて基盤21と水平部31とを接着、溶接等によって固着してもよい。
【0006】
支持部3は、水平部31と、該水平部31の一端部(図1例では右後)に立設された略方形板状の垂直部32とを有している。
水平部31は板状で略L形の先端部が略長円形又は略方形に形成され、他方端左右中央部(図1例では前端)に嵌合突起22が嵌着可能な円形状の嵌合孔31aが穿設され、一方端左右中央部(図1例では後端)に貫通する回止め孔31bが設けられている。
垂直部32は略方形板状で、上下中央部に縦長の長円孔32aと、上下端部に方形溝32b、32bと、方形溝32b、32bと長円孔32aの中間位置に横長の長円孔32c、32cとが穿設されている。
ベース部4は、基部41と,偏心カム42と,固着具43と,カバー44とを有している。基部41は、垂直部32より僅かに前後幅が広く該垂直部32を被覆可能な略方形板状の基板41dの下面を除く三方端部が小フランジ41fで囲繞され、中央部の円孔41aと、上下端部の横長の方形突起41b、41bと、方形突起41b、41bと円孔41aとの中間位置に円孔41c、41cとが穿設されている。偏心カム42は、円盤42aと該円盤42a裏面(図1例では右側)に軸芯を偏心させて突出した円形の回動軸42bと、円盤42aに回動軸42b軸芯部の対応位置にドライバー、ジグ等が挿着可能な調整溝42cが設けられている。調整溝42cに代えて僅かに突出する多角形状の調整片を設けてもよい。長円孔32aを通して回動軸42bは円孔41aに回動可能且つ飛出し不能に嵌着可能で、円盤42aと長円孔32aとによって枠カムが形成され、調整溝42cを通して回動軸42bを回動すると基部41は枠カムによって前後に移動調整可能である。固着具43は、上下の長円孔32c、32cに挿通され、ベース部4の円孔41c、41cを通して枠体に固着するための一対の例えば頭付ボルトである。カバー44は、略方形板状で基部41の側面の小フランジ41f、41fに嵌着可能な突出片44a、44aが両側縁に突設され、下側縁に僅かな切欠44bが設けられカバー44を基部41に組立てたときに三方端部の小フランジ41fと基板41dで囲まれた空間に基板32が強固に収納保持可能なように平面部31と垂直部32の境の間隙に落込めるようにされている。カバー44は必須のものではないが、美観、ごみ対策上から設けるのが好ましい。
【0007】
ピボット部5は、扉取付材51と、スリーブ52と、ピボット軸53と、調整ねじ54と、キャップ55と、固着具56と、ばね57とを有している。
扉取付材51は略L字形の板材で、一方片にスリーブ52下端が挿着可能な丸孔51aと他方片に点在する複数個(本例では3個)の下面座付き固着孔51bが穿設されている。扉取付材51は板材に限定されず、ブロック状、棒状又は取付ける扉部に合わせた異形状とすることもできる。
スリーブ52は、円筒状本体52aと、図示しない本体52a下底面に穿設された小径丸孔の小径部と該小径部の上方にこれより大径の雌ねじ部52bとが同軸で設けられ、本体52a外面下端部を扉取付材51の丸孔51aに嵌着し、かしめ、溶着等によって扉取付材51にスリーブ52を固着立設可能とする嵌合部52cと、嵌合部52cより僅かに上方外周方向に後述するキャップ55の小突起が嵌着可能な凹溝52dとを有している。スリーブ52と扉取付材51とは別体とし互いに固着するのでなく、当初より一体に形成して立設させてもよい。
ピボット軸53は、上方よりフランジ部53a、中間軸53b、先端軸53cと順次小径に同軸に連設され、フランジ部53a及び中間軸53b軸芯部に上端面より下方に後述するばね57が装着可能なめくら孔53dが設けられている。ここで、フランジ部53aは雌ねじ部52bに抵抗なく上下摺動可能な直径の平滑側面とし、中間軸53bはスリーブ52の小径部と上下摺動可能で、先端軸53cは軸支孔21aと摺動可能な大きさにとられている。
調整ねじ54は、下端側面に円形フランジ状で雌ねじ部52bに螺合可能な雄ねじ部54aが設けられ、雄ねじ部54aの上方軸芯ボス部に回止めとして異形軸54cが突設され、異形軸54c軸芯部に前記調整溝42cと同様の調整溝54dが設けられている。異形軸54cは柱状で、正多角形若しくは角部にアールを付けた実質的正多角形又は平行する二面で囲まれた形状であるが、コスト、調整面から四角形とするのが好ましい。又本例では雄ねじ部54aと異形軸54cの間には断面開口上向き略コ字形の溝54bが形成されているが、これは材料節減、型抜き等の便宜のためのもので必須のものではない。
キャップ55は、ピボット部5の他部材の組立て完了時に上方よりスリーブ52全体を被覆可能な上端密閉蓋と下端開口部をもち平面視略U字形筒状体55aと、筒状体55aの内部に詳細の図示省略するが円筒状の空洞部を有し、筒状体55a内面下端水平方向にスリーブ52の凹溝52dに嵌着可能な小突起が左右に設けられ、筒状体55aの上端密閉蓋下面より円筒状の軸芯に中心を合わせ前記異形軸54cと実質的に同形状にとられ着脱可能な異形孔をもった回止め軸が垂下されている。本例では筒状体55aの前側U字形部分と後側平坦部分としているが、これは少なくとも平坦部分を設けこれを組立て時において扉Aと向合う方向にしてキャップ55をピボット部5の他部材に装着することにより、扉Aと当たり不慮の回止めを確実に防止することができる。又前側U字形部分は密閉され、後側は平坦部分は一部が遮蔽され残余部分は開放状態とされているが、平坦部分を全面密閉としてもよい。
固着具56は、固着孔51bに挿通して扉Aに扉取付材51を固着するための固着孔51bと同数の通常頭付ボルトである。
ばね57は、下方はピボット軸53の上面よりめくら孔53dに装着され、上方は調整ねじ54下面に当接してピボット軸53を突出方向に付勢可能な板ばね、コイルばね等であるが、コイルばねが最も使い勝手がよい。
【0008】
図2、3を参照して隙間調整部6を説明するが、隙間調整部6は上下厚みの異なる複数の調整材よりなる。通常は本例に示す通り、2個の調整材61、62と、固着具63とを有している。尚、図2では調整材61のみを示し、図3では調整材61、調整材62及び固着具63を示している。
図2(a)及び図3(a)(b)に示す調整材61は、上下厚みT1の薄手の板又はブロック状で、平面視において水平部31の形状に合わせて例えば本例では略長円形にとられ支持部3の水平部31下面に固着され、他方端左右中央部(図2、3の例では前端)に嵌合孔31aと重なる位置に溶着材23外径と同じ座ぐり部61aが設けられている。又調整材61の中部左右中央部には、座ぐり部61bと、軸芯部に固着具63が挿着可能な皿座ぐり部61cと、固着具63より僅かに小径の固着孔61dとが同軸で設けられている。更に調整材61の一方端左右中央部(図2、3の例では後端)には、表面側に回止め孔31bに嵌着可能な小突起61eが突設され、調整材61の裏面側の小突起61eと対向する位置に後述する小突起62dが嵌着可能な小凹部61fが設けられている。本例では、上下厚みT1は5.5mmにとられている。
次に、図3(c)(d)に示す調整材62は、上下厚みT2の厚手の板又はブロック状で、平面視において水平部31及び調整材61の形状に合わせて例えば本例では略長円形にとられ、他方端左右中央部(図2、3の例では前端)に嵌合孔31a及び座ぐり部61aと重なる位置に座ぐり部61aと同径の座ぐり部62aが設けられている。又調整材62の中部左右中央部には、座ぐり61bと重なる位置に同径の座ぐり部62bと、軸芯部に固着孔61dと重なる位置に固着孔61dと同径の固着孔62cとが同軸で設けられている。更に調整材62の一方端左右中央部(図2、3の例では後端)には、表面側に小凹部61fに嵌着可能な小突起62dが突設されている。調整材が2個より多い場合には、調整材62の裏面側で小突起62dと対向する位置に小凹部61fと同様の小凹部62eを設ける必要があるが、2個の場合は設けなくてもよい。本例では、上下厚みT2は10.5mmにとられている。
ここで、固着孔61d、62cは固着具63より僅かに小径の通し孔であるが、調整材61、62の材質によって固着具63の雄ねじが螺入困難なときは予め固着孔61d、62cに雌ねじを設けておく。
固着具63は、雌ねじ孔61d、62dに螺合して調整材61、62を互いに固着するための通常皿頭付ボルトである。ここで固着具63を用いず調整材61と62とを直接溶着、溶接、接着等によって固着してもよい。
【0009】
隙間調整部6の組立て及び選択について説明する。
図1はピボットヒンジ1、10を扉A及び枠体B1乃至B4に装着する場合の相互関係を示し、扉Aの右下隅部と枠体Blの左下隅部とを向合わせるようにして装着される扉A下方用のピボットヒンジ1と、扉Aの右上隅部と枠体B1の左上隅部とを向合わせるようにして装着される扉A上方用のピボットヒンジ10とによって、扉Aを枠体B1乃至B4への吊込み完了時の状態である。上方のピボットヒンジ10は、図2について詳述したピボットヒンジ1の隙間調整部6を除くヒンジ本体部の各構成要素を上下を逆にして用い、扉Aの上縁と上枠体B3の下縁の間隙Xは最小限の例えば3〜5mm程度に保持され、下方のピボットヒンジ1は、隙間調整部6を用いて扉Aの下縁と下枠体B4の上縁の間隙Yは広目例えば5〜20mm程度に保持され、X<Yとされる。
前記間隙X、Yに対応する隙間調整部6の組立てを図2乃至4について説明する。
(イ)調整材を使用しない場合
図4(a)に示す通り、隙間調整部6を除くピボットヒンジ1を後述する順序によって組立てたときの状態で、間隙Y1は最小値の例えば5mmにとられる。ピボットヒンジ10は、この状態で上下逆向きにして用いる。
(ロ)調整材61単独使用の場合
図3(a)(b)、図4(b)に示す通り、隙間調整部6として厚みT1の薄手の調整材61を用い、回止め孔31bに小突起61eを嵌着して後端の位置決めをし、嵌合突起22を囲繞し嵌合孔31a周囲に溶着している溶着材23を座ぐり部61aに嵌着し前端の位置決めをして、水平部31と調整材61とを固着する。この調整材61を用いてピボットヒンジ1を組立てたときの間隙Y2は、中間の小値例えば10mmにとられる。
(ハ)調整材62単独使用の場合
図3(c)(d)、図4(c)に示す通り、隙間調整部6として厚みT2の厚手の調整材62を用い、回止め孔31bに小突起62dを嵌着して後端の位置決めをし、溶着材23を座ぐり部62aに嵌着し位置決めして、水平部31と調整材62とを固着する。この調整材62を用いてピボットヒンジ1を組立てたときの間隙Y3は中間の大値例えば15mmにとられる。
(ニ)調整材61及び62併用の場合
図3(e)(f)、図4(d)に示す通り、先ず隙間調整部6として調整材61及び62を用い、調整材61を上側に調整材62を下側にして重ね合わせ、調整材61の小凹部61fに調整材62の小突起62dを嵌着し、固着孔61d及び62cを重ね合わせて上方より固着具63を螺入させ調整材61及び62を互いに固着する。
次いで、前記(ロ)調整材61単独使用の場合と同様に、回止め孔31bに上側の調整材61の小突起61eを嵌着して後端の位置決めをし、溶着材23を座ぐり部61aに嵌着し前端の位置決めをして、水平部31と調整材61とを固着する。このとき、ピボットヒンジ1を組立てたときの間隙Y4は最大値例えば20mmにとられる。
水平部31と調整材61又は62との固着は、本例の如く後端及び前端の2箇所の位置決めによらず、水平部31と調整材61又は62を直接接着、溶着、かしめ等によってもよいが、使い勝手に面からは複数の調整材の中からを選択して用いる場合を含めて本例の構成とするのが好ましい。
【0010】
次に図1乃至4を参照して、ピボットヒンジ1、10全体の組立てについて順次説明する。
先ず扉下方に用いられるピボットヒンジ1について説明する。支持部3の水平部31の嵌合孔31aに支承部2の嵌合突起22を嵌着し、溶着材23で嵌合突起22を囲繞し加熱することにより嵌合孔31a周囲に溶着し支持部3に支承部2を固着し、軸支孔21aの位置を定め、前記隙間調整部6の組立て及び選択について説明した(ロ)乃至(ニ)の記載に従い調整材を選択し、回止め孔31bに小突起61e又は62dを嵌着して後端の位置決めをし、溶着材23を座ぐり部61a又は62aに嵌着し前端の位置決めをして、水平部31と調整材61とを固着する。
次いでピボット部5を組立てる。扉取付材51の丸孔51aにスリーブ52下端を嵌着しかしめによってスリーブ52を扉取付材51に固着立設する。スリーブ52に上からピボット軸53を挿着し、めくら孔53dにばね57を装着し、更に上より調整ねじ54を挿着し雌ねじ部52bに雄ねじ部54aを螺合させ、先端軸53cをスリーブ52下端から最少の突出状態にあるようにすなわち基盤21表面と向合うスリーブ52端部との間隔が僅少であるように調整ねじ54位置を出来るだけ上方においておく。これは扉及び枠体との吊込みにおいて現場合わせでの調整代を残しておくためである。これでピボット部5の組立はキャップ55の嵌着を残して完了する。
扉Aと扉取付材51との固着は、扉Aの右下隅部に扉取付材51の略L字形の固着孔51bが点在する部分の外周に合わせた切込みを設け、この切込みに扉取付材51を丸孔51a部分が見えるように置いて固着具56を固着孔51bに挿通して扉Aに固着する。
ベース部4と枠体B1との固着は、枠体B1の左下隅部に基部41の外周に合わせた切込みを設け、この切込みに基部41の方形突起41bが左の開放側にあるように置いて固着具43を固着孔41cに挿通して枠体B1に固着する。
支持部3にベース部4を装着する。垂直部32の各方形溝32bに基部41の各方形突起41bを嵌着し、円孔41aと長円孔32aを合わせ左側より偏心カム42の回動軸42bを円孔41aに挿通し右側の突出端をかしめなどによって、回動軸42bを円孔41aに回動可能且つ飛出し不能に嵌着しこれにより円盤42aを長円孔32a沿って回動可能とし、偏心カム42の調整によってベース部4に対する支持部3の位置を決めた状態で各固着具43を各円孔41cに固着する。カバー44は通常最終調整後に突出片44aを嵌着して被覆する。
一方扉上方に用いられるピボットヒンジ10は、前記隙間調整部6の組立て及び選択について説明した(イ)に記載の調整材を固着しない支持部3を用い、その他のヒンジ本体部の各構成要素は上下を逆に配置されているだけで、スリーブ52の雌ねじ部52bに下からピボット軸53の先端軸53cを上向きにして挿着し雌ねじ部52bにねじ部54aを螺合させ先端軸53cをスリーブ52上端から突出状態としておき、その他は前記ピボットヒンジ1の組立てと同様であり詳細説明は省略する。
ここで、軸支孔21aの軸芯位置は、ピボットヒンジ1、10共略同一鉛直線上にあるように調整しておく。
軸支孔21aを基盤21の偏心位置におき、この偏心位置を変えることによりピボットヒンジ1、10の支承部2による取付け位置を前後左右に調整可能とすることもできる。
【0011】
次に、扉Aの枠体B1乃至B4への吊込みについて説明する。
扉下方用のピボットヒンジ1は扉Aの右下隅部と枠体B1の左下隅部とを向合わせとなるようにし、扉Aを枠体B1乃至B4の間の空間部に吊込むが、基盤21の軸支孔21aに向けてスリープ52下端から突出状態にあるピボット軸53の先端軸53cを嵌着する。基盤21表面に接触すると扉Aの重量によって先端軸53cが押圧されてばね57は上方へ圧縮され突出状態がなくなっているので抵抗なく先端軸53cと軸支孔21aの軸芯が合い、ばね57の反発力によって先端軸53cはスリーブ52下端から突出し軸支孔21aに容易に嵌着され摺動可能にセットされる。
上記扉Aの下方への吊込みの後、扉A上方を吊込むが扉Aの右上隅部と枠体B1の左上隅部とを向合わせとなるようにし.ピボットヒンジ10のスリーブ52上端と面一状態にあるように上向き先端軸53cに対し作用するばね57の反発力をドライバー、ジグ等により押えつつ軸支孔21aに向けて扉A上方を吊込む。その後、先端軸53cの押えを取外すと、前記ピボットヒンジ1の吊込みと同様に先端軸53cはばね57の反発力によってスリーブ52上端から突出し、軸支孔21aに容易に嵌着し摺動可能にセットされる。
ここで僅か上方へ突出状態にある調整ねじ54の調整溝54dに上又は下からドライバー等を挿着して現場合わせで下方又は上方の位置を調整する。
最後にキャップ55の異形孔に上又は下向きにして調整ねじ54の異形軸54cを嵌着し、キャップ55の小突起とスリーブ52の凹溝52dを嵌着し、キャップの後側平坦部分を扉Aと向合う方向とし、調整ねじ54の回止めとスリープ52の被覆をし扉Aの枠体B1乃至B4への吊込みが完了する。
扉Aを枠体B1乃至B4から取外すときは前記とは逆に、上方のピボットヒンジ10を図5の状態からキャップ55を取り、先端軸53cを押えながら取外し、下方のピボットヒンジ1を取外せばよい。
【0012】
図1に示す通り、扉上方に装着されるピボットヒンジ10は、上記(イ)調整材を使用しない場合のピボットヒンジ1のヒンジ本体部を上下逆向きにして用い、扉Aと上枠B3 の間隔Xを最小値にとり、扉下方に装着されるピボットヒンジ1は、上記(ロ)乃至(ニ)に記載のピボットヒンジ1のいずれかを施工現場の要求に合わせて選択し、扉Aと下枠B4 の間隔Yを間隔Xに対し容易に広目にとることができる。
【0013】
前記したピボットヒンジ1、10において、ベース部4の偏心カム42による扉Aと枠体B1との取付け位置の前後の調整について説明する。前記した偏心カム42の調整溝42cにドライバー、ジグ等を挿着し円盤42aを長円孔32a沿って回動せしめることにより、枠体B1に固着されているベース部4に対し支持部3を前後に移動させて取付け位置の調整をするが、ここでは基板41dが垂直部32より前後幅が僅かに広いのを用いて、前及び後側に変位した状態が得られる。偏心カム42による調整終了後に各長円孔32cに各固着具43を挿通し各円孔41cに固着し、カバー44を嵌着して被覆する。この偏心カム42による前後の調整は段階なく可能であるが、前記したように選択的構成要素である。
【0014】
以上詳述したピボットヒンジ1、10において、隙間調整部6を除くヒンジ本体部の各構成要素は上記したのものに限定されず、各種形式のものを用いることができる。最も単純化した簡易な形式の場合には、扉A側に固着される扉取付材を有するピボット部と、水平部と縦枠体B1側に固着される垂直部とをもったと支持部と、軸支孔が穿設された支承部とを備え、ピボット部のスリーブ下端から突出状態にあるピボット軸の先端軸を軸支孔に摺動とした構成であればよい。
又支持部の垂直部をなくして、水平部の一端部に略L字形となるように水平部の延長面をなす張出し部を設け、該張出し部に固着具が挿着可能な複数個の丸孔又は長円孔を穿設し前記扉取付板と類似する構成とし、上枠体B3及び下枠体B4に固着することとしてもよい。この場合は、縦枠体B1が例えばガラス製等の如く取付けのための加工困難な場合等に用いられ、縦枠体B1でなく上枠体B3及び下枠体B4に張出し部を固着具33により固着する。
下方のピボットヒンジは上記簡易形式の水平部に合わせて前記隙間調整部6と同様に調整材を選択して組合わせ、上方のピボットヒンジは隙間調整部を除いて用いることにより、ピボットヒンジ1、10と同様に扉及び枠体との間の上下空隙の調整を容易行うことができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明のピボットヒンジによれば、ヒンジ本体部は上下共互換性のある同じものを用い、下方に付加される簡易な構成の隙間調整部の選択により所望する扉及び枠体の間の間隙の調整を行い、下側の間隙を上側より広目とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のピボットヒンジの扉及び枠体との装着関係を示す概略正面図である。
【図2】本発明の一例のピボットヒンジの各構成要素の(a)分解斜視図、(b)組立て斜視図である。
【図3】図1、2のピボットヒンジの隙間調整部の、(a)(c)(e)は三態様の組立て斜視図、(b)(d)(f)は三態様の縦断斜視図である。
【図4】図1、2の下方のピボットヒンジによる隙間調整を説明する概略正面図である。
【符号の説明】
1、10 ピボットヒンジ
2 支承部
3 支持部
4 ベース部
42 偏心カム
5 ピボット部
51 扉取付材
52 スリーブ
53 ピボット軸
54 調整ねじ
55 キャップ
57 ばね
6 隙間調整部
61、62 調整材
61a、61b、62a、62b 座ぐり部
61c 皿座ぐり部
61d、62c 固着孔
61e、62d 小突起
61f、62e 小凹部
A 扉
B1〜B4 枠体
X、Y、Y、Y1〜Y4 間隙
Claims (3)
- 少なくとも水平部(31)を有する支持部(3) と、前記水平部(31)に固着され軸支孔(21a) を有する支承部(2) と、扉取付材(51)に立設されたスリーブ(52)と該スリーブ(52)に挿着されるピボット軸(53)とを有し該ピボット軸(53)の先端軸(53c) が該ピボット軸(53)に装着されたばね(57)により突出し前記軸支孔(21a) に摺動可能とされているピボット部(5) とを備えた一対のピボットヒンジであって、
イ)一方の前記ピボットヒンジの扉取付材(51)を扉上隅部に固着し、前記支持部(3) を枠体上隅部に固着し、
ロ)他方の前記ピボットヒンジの扉取付材(51)を扉下隅部に固着し、前記支持部(3) を枠体下隅部に固着し、所望の前記扉及び枠体間の下側間隙に対応して隙間調整部(6) を選択し、
ハ)前記隙間調整部(6) は板又はブロック状の調整材(61)で、前記調整材(61)表面の一方端部には小突起(61e) が突設され、前記調整材(61)表面の他方端部には座ぐり部(61a) が設けられ、前記水平部(31)の一方端部に穿設された回止め孔(31b) に前記小突起(61e) を嵌着して一方の位置決めをし、前記水平部(31)の他方端部に突出する支承部(2) の下端部を前記座ぐり部(61a) に嵌着して他方の位置決めをして該水平部(31)及び調整材(61)を固着し、
ニ)前記扉及び枠体間の下側間隙を上側間隙より広目に調整可能としたことを特徴とするピボットヒンジ。 - 隙間調整部(6) は水平部(31)に沿った二個の板又はブロック状の調整材(61 、62) の組合わせで、
イ)上側の前記調整材(61)表面の一方端部には小突起(61e) が突設され、他方端部には座ぐり部(61a) が設けられ、前記調整材(61)裏面の前記小突起(61e) と対向する位置に小凹部(61f) が設けられ、
ロ)下側の前記調整材(62)表面の一方端部には小突起(62d) が突設され、他方端部には座ぐり部(62a) が設けられ、前記調整材(62)裏面の前記小突起(62d) と対向する位置に小凹部(62e) が設けられ、
ハ)下側の前記小突起(62d) を上側の前記小凹部(61f) に嵌着し、上側及び下側の前記各調整材(61 、62) を重合わせて固着し、水平部(31)の一方端部に穿設された回止め孔(31b) に上側の前記小突起(61e) を嵌着して一方の位置決めをし、水平部(31)の他方端部下方に突出する支承部の下端部を上側の前記座ぐり部(61a) に嵌着して他方の位置決めし該水平部(31)と各調整材(61 、62) を固着可能としたことを特徴とする請求項1に記載のピボットヒンジ。 - 各調整材(61 、62) の互いの固着を、小突起(61e、 62d) 及び座ぐり部(61a、 62a) と重ならない位置の中部に該各調整材(61 、62) を通ずる固着孔(61c、 62c) を穿設し、前記固着孔(61c、 62c) に固着具(63)を挿着してなすことを特徴とする請求項2に記載のピボットヒンジ。
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