JP3828820B2 - フラーレン類の製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新しい炭素材料であるフラーレン類、中でもC60、C70、C76、C78、C82、C84の分子構造を有するフラーレン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1990年に炭素数60、70、84等の閉殻構造型のカーボンクラスター(球状の巨大分子)という新しいタイプの分子状炭素物質が合成され、注目されている。この特殊な分子構造を有するカーボンクラスターは、フラーレン類とも称され、その分子骨格を構成する炭素数によって、フラーレンC60、同C70、同C84などと呼ばれている(単に、C60、C70、C84等とも呼ばれる)。これらのフラーレン類は、新しい炭素材料であり、また特殊な分子構造から特異な物性を示すことが期待されるので、その性質及び用途開発についての研究が盛んに進められている。フラーレン類は例えば、ダイヤモンドコーティング、電池材料、塗料、断熱材、潤滑材、化粧品などの分野への利用が期待されている。
【0003】
フラーレン類の製造方法としては、(1)グラファイトなど炭素質材料から成る電極を原料としてこの電極間にアーク放電によって原料を蒸発させる方法(アーク放電法)、(2)炭素質原料に高電流を流して原料を蒸発させる方法(抵抗加熱法)、(3)高エネルギー密度のパルスレーザー照射によって炭素質原料を蒸発させる方法(レーザー蒸発法)、(4)ベンゼンなどの有機物を不完全燃焼させる方法(燃焼法)などが知られている。しかし、現状いずれの製造方法でも目的の単一フラーレン、あるいは有益なC60〜C84フラーレン類だけを製造することはできず、C60及びC70を主とする複数のフラーレンとその他多数の炭素化合物との混合物(燃焼生成物「煤」と呼ばれる)として生成する。煤中のフラーレン類の含有量は、効率的といわれるアーク放電法でも10〜30%程度で、C70:C60の生成比は約0.1である。したがって、高純度のフラーレンを得るためには煤からまずフラーレン類のみを分離する必要がある。
燃焼生成物「煤」からのフラーレン類の分離方法として、(1)フラーレン類はベンゼン、トルエン、二硫化炭素等の有機溶媒に溶解し、その他の不純物成分は溶解しにくいという性質を利用して、このような有機溶媒を用いて煤からフラーレン類を抽出する方法(溶媒抽出法)、(2)高真空下で煤を加熱し、フラーレン類を昇華させる方法(昇華法)が知られている。このうち昇華法は、たとえば400℃以上の高温、10-3Torr以下の高真空条件を必要とする特殊な分離方法であり、それに比べ溶媒抽出法は操作が容易なため広く用いられている。さらに抽出で得られたフラーレン類(主としてC60とC70の混合物)を含む溶液からの単一フラーレンの分離には、カラムクロマト分離、分別再結晶、フラーレンの包接化などの方法が適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述する溶媒抽出法により抽出されたフラーレン類を含む溶液から工業的に単一フラーレンを効率よく分離するためには、煤から抽出されたフラーレン類を含む溶液に含まれる不純物を選択的に除去することが重要である。不純物としては、主として煤残留物、フラーレンより分子量の小さい不純物(以下、前不純物という)、及びフラーレンより分子量の大きい不純物である高次のフラーレン類(以下、後不純物という)があり、不純物については製造法によらず、いずれのフラーレン含有煤状物質についても略同様と思われる。尚、C60酸化物については、フラーレン類に紛れて現れ、少量であるためフラーレン類に含まれていてもよい。
従来、C60純正品又はC60とC70の混合物を精製するためには、カラムクロマト分離が適用されてきたが、上述するように、多量の不純物が存在するため、カラムクロマト分離を多数回行う必要があり、カラムの寿命も短く、プロセスコストを上げる要因になっていた。
本発明は係る事情に鑑みてなされたもので、フラーレン含有煤状物質から不純物を選択的に除去し、高純度且つ収率よくフラーレン類を製造できるフラーレン類の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述した様な事情に鑑みて鋭意検討した。その結果、フラーレン含有煤状物質(煤)に、フラーレン類に溶解性の高い特定の溶媒である抽出溶媒と溶解性の低い特定の溶媒(貧溶媒)とを組み合わせて用いて、フラーレン含有煤状物質中の不純物及びフラーレン類の溶解度の違いにより、不純物あるいは有益フラーレンをそれぞれ分離する方法を見いだした。つまり、まず、抽出溶媒によって煤から抽出を行い、この段階で抽出溶媒に不溶の煤残留物等は溶媒中に浮遊あるいは沈澱し、次いで貧溶媒を追加することによって、抽出溶媒の溶解度を低下させ、抽出溶媒に対して低溶解性の分子量の大きい不純物(後不純物)を析出させ残留物と共に除去する。ついで貧溶媒を蒸発させて飛ばした後、抽出溶媒の一部を除去して濃縮し、及び/又は抽出溶液を冷却して抽出溶媒の溶解性を低下させ、前不純物を残した状態でフラーレン類を析出させることにより、高純度且つ収率よくフラーレン類を製造できることを見いだし本発明を完成させた。
また本発明の方法は操作が容易であり且つ精密な条件制御等を行わずとも、高純度且つ収率よくフラーレン類を製造でき、且つ溶媒回収を組み合わせることでプロセスコストを下げられることから、工業的規模のフラーレン類製造に極めて有利な製造方法となる。
【0006】
即ち、前記目的に沿う第1の発明に係るフラーレン類の製造方法は、フラーレン含有煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒と混合して抽出液を得る第1工程と、前記抽出液にフラーレン類の溶解度が0.01mg/mL以下の極性溶媒を前記抽出溶媒に対して0.1〜3重量倍量添加して生成した析出物を溶液(含極性溶媒濾過液)から分別除去する第2工程と、前記溶液(含極性溶媒濾過液)中の極性溶媒を除去あるいはその含有量を低減させる第3工程と、前記第3工程を経て得られた溶液(濾過液)から、前不純物を残した状態で、フラーレン類を析出させる第4工程とを有する。
【0007】
極性溶媒の添加量が0.1重量倍量より少ないと不純物が晶析せず、3重量倍量より多いと有益フラーレン類も不純物と一緒に晶析してしまう場合がある。
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記第3工程は前記溶液(含極性溶媒濾過液)を蒸留して前記極性溶媒を実質的に除去あるいは含有量を低減し、前記第4工程は、前記第3工程を経て得られた溶液(濾過液)を冷却して前記フラーレン類を析出させている。
【0008】
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1及び第2の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記第4工程は、前記第3工程を経て得られた溶液を濃縮後、冷却して前記フラーレン類を析出させている。
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記第4工程で、フラーレン類の種晶を前記溶液(濾過液)に入れている。
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、フラーレン含有煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒と混合して抽出液を得る第1工程と、前記抽出液にフラーレン類の溶解度が0.01mg/mL以下の極性溶媒を前記芳香族炭化水素を含む抽出溶媒に対して0.1〜3重量倍量添加して後不純物を析出させ、この析出物を溶液(含極性溶媒濾過液)から分別除去する第2工程と、前記第2工程にて得られた溶液(含極性溶媒濾過液)に、更に極性溶媒を添加して、前不純物を残した状態で、フラーレン類を析出させる第3工程とを有する
【0009】
前記第2工程で添加する極性溶媒の量が、前記芳香族炭化水素を含む抽出溶媒に対して0.1〜3重量倍量であるは、極性溶媒の添加量が0.1重量倍量より少いと、不純物が晶析せず、3重量倍量より多いと、有益フラーレン類も不純物と一緒に晶析してしまう場合があるからである。
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記第3工程で添加する極性溶媒の量が、前記芳香族炭化水素を含む抽出溶媒に対して3〜7重量倍量である。
これは、極性溶媒の添加量が3重量倍量より少いと、有益フラーレン類が晶析せず、7重量倍量より多いと、より溶解性の高い前不純物も一緒に晶析してしまう場合があるからである。
【0010】
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第5及び第6の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記第3工程で、フラーレン類の種晶を前記溶液に入れている。
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記フラーレン類がC60、C70、C76、C78、C82、及びC84のいずれか1又は2以上を主体とする。
の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記抽出溶媒が芳香族炭化水素を主体とし、しかも、該芳香族炭化水素はアルキルベンゼン及び/又はナフタレンの誘導体、特に好ましくは、トリメチルベンゼン及びテトラリンである。
10の発明に係るフラーレン類の製造方法は、第1〜第の発明に係るフラーレン類の製造方法において、前記極性溶媒が炭素数1〜6のアルコール類である。
【0011】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の詳細説明図、図2は同方法の具体的工程図、図3は本発明の第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の詳細説明図、図4は同方法の具体的工程図である。
【0012】
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法を詳細に説明する。以下、工程を順に説明する。
第1工程
フラーレン含有煤状物質11を抽出・結晶化槽12に入れ、これに抽出溶媒槽13より抽出溶媒を加え混合すると、フラーレン類等が抽出された抽出液を得る。
【0013】
ここで、フラーレン含有煤状物質11は、任意の方法によって得られたものを使用でき、グラファイト、カーボンブラック等を含んだフラーレンを含有する煤状の物質及び/又は、これらからフラーレン以外のグラファイトやカーボンブラック等を一部取り除いたフラーレン濃縮物である。
フラーレン濃縮物とは、フラーレン含有煤状物質から各種の方法でフラーレンを濃縮したもので、その濃縮方法は特に限定されないが、例としてフラーレン含有煤状物質から、昇華法によって得られたフラーレン昇華物、溶媒抽出法で得られたフラーレン溶液を蒸発乾固してできたフラーレン含有残渣のほか、フラーレン含有煤状物質をカラムクロマト分離して得られたフラーレン含有固体、及びこれらの混合物等が挙げられる。
フラーレン含有煤状物質11の製造方法は、先述の通り任意であり、従来公知の方法等、各種方法によって合成されたもの、あるいは複数の方法で得られた煤の混合物を使用することができる。
【0014】
また、抽出溶媒槽13より得るフラーレン類の抽出に用いる抽出溶媒は、芳香族炭化水素を含む、つまり芳香族炭化水素を主体とし、特に芳香族炭化水素としてアルキルベンゼン及び/又はナフタレン誘導体、更にテトラリン及びトリメチルベンゼンが好適である。
ここで、芳香族炭化水素とはベンゼン核を有する炭化水素化合物であり、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、シメン等のアルキルベンゼン類や、1−メチルナフタレン、テトラリン等のナフタレン誘導体などが挙げられる。
また、芳香族炭化水素の他に、更に脂肪族炭化水素や塩素化炭化水素等の有機溶媒を、単独又はこれらのうち2種以上を任意の割合で用いてもよい。
【0015】
脂肪族炭化水素としては、環式、非環式等、任意の脂肪族炭化水素が使用できる。環式脂肪族炭化水素の例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの単環式脂肪族炭化水素、その誘導体であるメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、n−プロピルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン,1,3,5−トリメチルシクロヘキサン、多環式としてデカリンなどが挙げられる。非環式脂肪族炭化水素の例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカンなどが挙げられる。
【0016】
塩素化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロフォルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレンなどが挙げられる。
工業的観点から、これらの抽出溶媒の中でも常温液体で沸点が100〜300℃、中でも120〜250℃のものが、フラーレン抽出溶媒として好適である。具体的には例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチシレン、1−メチルナフタレン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素などを用いることが好ましく、1種単独としても、あるいは2種以上の混合溶媒としても使用することができる。
【0017】
抽出装置としては撹拌混合槽が好適に使用でき、ここでは撹拌混合槽である抽出・結晶化槽12を用いたが、任意の装置が使用できる。抽出の際、容器内の圧力は特に制限はなく、常圧で実施すればよい。抽出・結晶化槽12における抽出時の温度としては例えば1〜90℃、好ましくは15〜40℃、特に25〜35℃の範囲とすることが、抽出効率向上の面から好ましいが、抽出効率は温度依存性が小さいのでエネルギーコスト的に常温程度で行うのが有利である。
また、抽出時間としては1〜60分、好ましくは20〜40分かけて行うとよいが長時間の必要は無く、抽出時間の抽出効率に対する影響は少ないため、適宜選択すればよい。更に必要に応じて、抽出液に超音波等を照射しながら抽出を行うと、抽出時間が短くなるので好ましい。
【0018】
本実施の形態で抽出溶媒として用いる芳香族炭化水素の量は、抽出に用いる抽出溶媒体積と、抽出前のフラーレン含有煤状物質重量とが以下の式を満たす範囲で有ればよい。
フラーレン含有煤状物質重量/抽出溶媒体積=2〜133[mg/mL]
中でもこの数値が、33〜133[mg/mL]であることが好ましい。
抽出溶媒体積が多すぎると抽出溶媒を大量に使いコストが上がるのみであり、逆に抽出溶媒体積が少なすぎるとフラーレン原料であるフラーレン含有煤状物質と抽出溶媒との接触が充分ではなく、抽出が充分に行われない場合がある。
【0019】
第1工程によって、フラーレン含有煤状物質中の前不純物、フラーレン類、及び高次のフラーレン類を含む後不純物は抽出溶媒によって抽出液中に抽出され、煤残留物は不純物として混濁あるいは沈澱する。
【0020】
第2工程
第1工程で前不純物、フラーレン類及び後不純物を抽出した抽出液に攪拌しながら貧溶媒槽14より極性溶媒を添加し後不純物を析出させ、この後不純物を溶液より分別除去する。尚、高次のフラーレン類を採集したい際には、得られた溶液は第3工程に供し、不溶物として分別したこの後不純物に高次のフラーレン類を多く含むため、除去せずに採取すればよい。
【0021】
極性溶媒としては、貧溶媒として働くものであれば任意の極性溶媒を使用でき、貧溶媒としてはフラーレン類の溶解度が0.01mg/mL以下のものが好ましい。具体的にはメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール等の炭素数1〜6のアルコール類、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトン、アセトニトリル、THF(テトラヒドロフラン)、DMSO(ジメチルスルホオキシド)、DMF(ジメチルホルムアルデヒド)等が挙げられる。中でもエタノール、メタノール、i−プロパノール、n−ブタノールが好ましく、特にi−プロパノール、n−ブタノールが好ましい。なおこれらは、1種単独としても、あるいは2種以上の混合物としても使用することができる。
【0022】
極性溶媒の添加量は、好ましくは第1工程にて用いた芳香族炭化水素1重量部に対して0.1〜3重量倍量、好ましくは0.5〜2重量倍量とする。添加量が少なすぎると不純物が不溶物として晶析せず、多すぎるとフラーレン類も一緒に晶析してしまう場合があるからである。添加の方法は任意だが、中でも徐々に、具体的には20〜200mL/min程度の速度で添加することが好ましい。
【0023】
極性溶媒を添加した後、不純物を含む溶液を必要に応じて静置してもよい。静置時間は1〜30分、好ましくは5〜15分である。静置によって、この析出物の分別(例えば濾別)が効率的に行えるので好ましい。
静置時間が短すぎると析出物の沈澱が不十分となり、この析出物の分別の際に、時間を要することがある。また逆に長すぎると、本発明のフラーレン類の製造方法プロセス全体に要する時間が長くなる。
静置後に行う析出物の分別手段は本実施の形態では、遠心分離機15によって析出物を分別した後に濾別したが、遠心分離だけでも、また濾過だけでもよく、分別方法は適宜選択すればよい。濾別する際には、開口径0.1〜1μm、好ましくは0.4〜0.6μmのフィルターを用いて濾別すればよい。この際、減圧又は加圧濾過とすることで効率的に濾別ができ、例えば減圧濾過の場合には0〜200mmHg、中でも50〜150mmHgまで減圧して減圧濾過を行うことが好ましい。減圧度が高い場合は高性能のポンプが必要でコストが上がり、減圧度が低い場合は濾過が進行しないため、不都合である。また加圧濾過の場合には、圧は1000〜4000mmHg、中でも1000〜2000mmHgであることが好ましい。圧力が高すぎると耐圧性の高い装置(容器)を使う必要があるのでコストが上がることがあり、また、低すぎると濾過が充分に進まないことがある。極性溶媒としてアルコール類を添加していると、系の粘度が下がり、濾過性は良好である。
この結果、フラーレン含有煤状物質から、抽出溶媒に非溶解性の煤残留物及び低溶解性の後不純物が不溶物として選択除去されたことになり、析出物の分別除去された溶液(含極性溶媒濾過液)には、フラーレン類と前不純物が溶解していることになる。
【0024】
第3工程
第2工程で得られた前記溶液を、貧溶媒分別機16で分別蒸留することによって極性溶媒を除去しする。ここで、貧溶媒分別機16は極性溶媒と抽出溶媒を沸点の差により分別蒸留する装置であり、例えばメス型フラスコ等を下から過熱する装置等の任意の装置が用いられる。分別蒸留は、蒸留温度を極性溶媒の沸点近傍、中でも50〜100℃で、常圧で行うことが好ましく、例えばメタノールの沸点は64℃であり、i−プロパノールのそれは84℃である。一方、テトラリンの沸点は約200℃であり、1、2、−トリメチルベンゼンのそれは約170℃であるため、簡単に極性溶媒を実質的に除去あるいは軽減することができる。除去した極性溶媒は回収精製し、貧溶媒槽14に戻し、前段の第2工程にて再使用することができる。なお、極性溶媒の除去の方法は任意であり、貧溶媒分別機16を使用せず、直接、次工程の回転式蒸留乾燥機17に溶液(含極性溶媒濾過液)をいれ、極性溶媒を飛ばしてもよい。以下、この様にして得られた溶液を濾過液と言う。
【0025】
第4工程
次に第3工程にて得られた濾過液を回転式蒸留乾燥機17に入れ、あるいは回転式蒸留乾燥機17で極性溶媒を飛ばした濾過液はそのまま、これに、種晶(例えばC60)を抽出フラーレン類の0を超えて10重量%以下、好ましくは0.1〜7重量%、中でも好ましくは0.1〜5重量%加える。種晶を投入しない場合も、本発明に含まれるが、少なすぎると晶析が進行しにくく、多すぎるとコストが上がってしまうので不都合である。
また、投入する種晶の種類、大きさ、量に依って目的物であるフラーレンの結晶の種類、大きさも変化するため、投入する結晶の大きさ、量、種類を目的に合わせて、適宜選択する。
【0026】
ついで濃縮方法の一例である減圧蒸発させて抽出液を飽和溶液にする。圧力は20mmHg以下、好ましくは5〜10mmHgとする。減圧度が低すぎると蒸発に時間がかかり、減圧度が高すぎると高性能ポンプが必要であり、コストが上がり不都合である。温度は70〜100℃、好ましくは80〜90℃である。低すぎると蒸発に時間がかかり、高すぎるとエネルギーコストがかかってしまい不都合である。
ついで、冷却晶析を行う。圧力は常圧でよい。温度は常温まで下げればよいが、蒸発時の温度との差が大きいほど溶解度の差が出るので好ましい。
濃縮・冷却により、抽出溶媒である芳香族炭化水素の溶解度が低下し、抽出溶媒に対する溶解性のより低いものから順に結晶化することになり、C60、C70、C76、C78、C82、C84を主体とするフラーレン類の結晶が析出する。これを遠心分離機18で遠心分離し、遠心分離した沈澱物を洗浄液で洗い、乾燥機19で乾燥することにより、フラーレン類の結晶が得られる。
洗浄液としては貧溶媒として使用した極性溶媒を使用するのが好ましい。同じ極性溶媒を使用することによって、回収して貧溶媒槽14に戻し、循環して使用できる。
遠心分離した分離液中には、抽出溶媒、洗浄液及び抽出溶媒に対する溶解性の高い前不純物が含まれているが、分離液を分別蒸留あるいは乾燥機で乾燥することによって、洗浄液、抽出溶媒はそれぞれ蒸発して回収あるいは除去され、前不純物は沈澱物となって析出する。この沈澱物は乾燥機20で乾燥させ、不純物として除去する。
蒸発した抽出溶媒である芳香族炭化水素は冷却機21によって、冷却され、液化され、貯留槽22に貯留した後、抽出溶媒槽13に戻され、循環して利用される。
以上の本発明の第1の実施の形態に係るフラーレンの製造方法によって、フラーレン含有煤状物質あるいはフラーレン濃縮物から高純度の有益フラーレン類を収率良く、しかも簡単な操作及び工程によって回収することができる。
【0027】
また、本実施の形態では、有益フラーレン類を遠心分離して、混合物として回収したが、第2、第4工程、特に第4工程におけるフラーレン類に対する抽出溶媒の溶解度のコントロール、つまり、濃縮条件、温度条件等をコントロールする事によって、有益フラーレン類であるC60、C70、C76、C78、C82、C84のいずれかを単一にあるいは混合して結晶化し、採取でき、この場合も本発明方法に含まれる。
また、種晶の種類、大きさ、量等を変化させることによって、回収する有益フラーレン類を調整することができる。
また、本実施の形態においては、全工程で用いる抽出溶媒、貧溶媒として用いる極性溶媒に、それぞれ同じものを用いることによって、循環して使用したが、各工程によって、異なる抽出溶媒、貧溶媒を用いる場合も本発明方法に含まれる。本実施の形態で回収したフラーレン類に、更に、カラムクロマト等の従来使用されている分別処理を加えることによって、従来の様にカラムを駄目にすることなく、容易に更に高純度の単一フラーレンに分別できる。
【0028】
なお、図2は前述した方法を具体例を用いて、簡単に説明したものであり、フラーレン含有煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒の一例であるテトラリンと混合して抽出液を得(第1工程)、前記抽出液に極性溶媒の一例であるメタノールを添加して後不純物を析出させ、析出した後不純物と不溶の煤残留物を溶液から分別除去し(第2工程)、前記溶液(含極性溶媒濾過液)中の極性溶媒を蒸留により実質的に除去し(第3工程)、前記第3工程を経て得られた溶液(濾過液)を冷却してフラーレン類を析出させる第4工程からなる。なお、図2において、CBは煤残留物、Riは後不純物、Fはフラーレン類、Fiは前不純物を示す。
【0029】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法について、図3を参照して説明する。第1の工程、第2の工程については、第1の実施の形態の方法と実質的に同一なので、その詳細な説明は省略する。
【0030】
第3工程
第2の工程によって得られた溶液(含極性溶媒濾過液)を回転式蒸留乾燥機17に入れ、更に貧溶媒槽14より貧溶媒である極性溶媒を添加する。添加する極性溶媒の量は抽出溶媒に対して、3〜7重量倍量とする。これによって、抽出溶媒の溶解性が低下し、目的物であるフラーレン類が結晶となって析出するが、少なすぎるとフラーレン類の結晶が析出しないし、多すぎるとコスト的に損である。これに、種晶(例えばC60)を抽出フラーレン類の0を超えて10重量%以下、好ましくは3〜7重量%加えてもよい。種晶を含極性溶媒濾過液の入った回転式蒸留乾燥機に投入しない場合でも、本発明に含まれるが、投入しない場合あるいは少なすぎると晶析が進行しにくく、多すぎるとコストが上がってしまうので不都合である。
また、投入する種晶の種類、大きさ、量に依って目的物であるフラーレンの結晶の種類、大きさも変化するため、投入する結晶の大きさ、量、種類を目的に合わせて、選択する。
析出したフラーレン類を洗浄液で洗浄し、遠心分離機18によって遠心分離して分離されたフラーレン類の結晶を乾燥機19で乾燥させ、フラーレン類の結晶を採取する。
遠心分離した分離液は抽出溶媒、極性溶媒、及び洗浄液等からなるが、洗浄液に同じ極性溶媒を使用することによって、回収して循環して使用できる。分離液中、極性溶媒はその沸点近傍まで沸騰させることにより、蒸発し、回収されて前述の貧溶媒槽14に戻され、第2、第3の工程で循環して利用される。
分離液中、抽出溶媒である芳香族炭化水素については、減圧、昇温によって、蒸発させ、冷却機21で冷却して液化し、貯留槽22に貯留後、抽出溶媒槽13に戻して再利用するのは、第1の実施の形態と同じである。
【0031】
なお、図4は前述した方法を具体例を用いて、簡単に説明したものであり、フラーレン含有煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒の一例であるテトラリンと混合して抽出液を得(第1工程)、前記抽出液に、極性溶媒の一例であるメタノールを添加し、溶液(含極性溶媒濾過液)と不溶物とに分別し(第2工程)、さらにメタノールを添加し、フラーレン類を析出させる第3工程からなる。図4においても、図2と同様、CBは煤残留物、Riは後不純物、Fはフラーレン類、Fiは前不純物を示す。
【0032】
本発明の第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法においても、フラーレン類は混合物として回収したが、第1の実施の形態と同様、第2、第3工程における抽出溶媒の溶解性のコントロールによって、あるいは第3工程における種晶の選択によって、結晶化して析出させるフラーレンの種類、量をコントロールする場合も本発明方法に含まれる。
これによって、フラーレン類の1あるいは2以上を析出させて採取できることになる。また、本発明方法にカラムクロマト分離、分別再結晶、フラーレンの包接化など更なる分離を加味することによって、単一フラーレンを従来になくより効率的に製造できることとなった。
また、前記第1、第2の実施の形態において、フラーレン類にフラーレン類の酸化物を含んだままで採集したが、この酸化物は別途の任意の方法により、フラーレン類から分別除去すればよく、分別しない場合も少量であるので、問題無い。
【0033】
以上、第2の実施の形態に係るフラーレンの製造方法によって、フラーレン含有煤状物質あるいはフラーレン濃縮物から高純度のフラーレンを収率良く、しかも簡単な操作及び工程によって回収する事ができる。さらに、抽出溶媒、貧溶媒共に、回収して循環して使用できるので、コスト的にも良い。
【0034】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
予めフラーレン及び煤等を用いて調整したフラーレン含有煤状物質(フラーレン類であるC60〜C80を1.13g、カーボンブラックを9.17g)10.3gを1リットルメス型フラスコに秤量し、テトラリンを286.16g添加し、攪拌しながら常温で30分超音波をかけながら抽出を行った。その後エタノールを399.6g攪拌しながら添加し、5分静置した。その後遠心管に76gずつ懸濁液を入れ、遠心分離を行った。その後0.45μmのフィルターで減圧濾過を行った。得られた液をロータリーエバポレーターにかけ、エタノールを蒸発させた。その後、減圧・昇温させ、液を飽和させるようテトラリンを蒸発させた。C60を種晶として0.0099g添加し、常温まで冷却させ、95.1754%のフラーレン混合物を得た。
本発明は前記した実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフラーレン類の製造方法を構成する場合にも本発明は適用される。
【0035】
【発明の効果】
請求項1〜及びこれらに従属する請求項10記載のフラーレン類の製造方法はフラーレン含有煤状物質を、フラーレン含有煤状物質に対して特定の溶媒を組み合わせて用いて、抽出・晶析を行い、次いで一方の溶媒を除去するか又はその含有量を低減する方法を採用する事で、高純度且つ収率よくフラーレン類を製造できる。
更に、請求項及びこれらに従属する請求項10記載のフラーレン類の製造方法はフラーレン含有煤状物質を、フラーレン含有煤状物質に対して特定の溶媒を組み合わせて用いて、抽出・晶析を行い、次いで一方の貧溶媒量を追加して、抽出溶媒の溶解度を低下させることにより、高純度且つ収率よくフラーレン類を製造できる。両方法共、操作が容易であり、且つ精密な条件制御等を行わずとも、高純度且つ収率よくフラーレン類を製造できることとなった。
また、請求項1〜10記載のフラーレン類の製造方法においては、溶媒回収を組み合わせることでプロセスコストを下げられることから、工業的規模のフラーレン類製造に極めて有利な製造方法が提供できることとなった。
更に、カラムクロマト分離、分別再結晶等の従来からの方法を組み合わせることによって、単一フラーレンを従来になく、より効率的に、低コストで製造できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の説明図である。
【図2】同フラーレン類の製造方法の具体的工程図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフラーレン類の製造方法の説明図である。
【図4】同フラーレン類の製造方法の具体的工程図である。
【符号の説明】
11:フラーレン含有煤状物質、12:抽出・結晶化槽、13:抽出溶媒槽、14:貧溶媒槽、15:遠心分離機、16:貧溶媒分別機、17:回転式蒸留乾燥機、18:遠心分離機、19:乾燥機、20:乾燥機、21:冷却機、22:貯留槽

Claims (10)

  1. フラーレン含有煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒と混合して抽出液を得る第1工程と、
    前記抽出液にフラーレン類の溶解度が0.01mg/mL以下の極性溶媒を前記抽出溶媒に対して0.1〜3重量倍量添加して生成した析出物を溶液から分別除去する第2工程と、
    前記溶液中の極性溶媒を除去あるいはその含有量を低減させる第3工程と、
    前記第3工程を経て得られた溶液から、フラーレン類よりも分子量の小さい不純物を残した状態で、フラーレン類を析出させる第4工程とを有することを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  2. 請求項記載のフラーレン類の製造方法において、前記第3工程は前記溶液を蒸留して前記極性溶媒を実質的に除去、あるいは含有量を低減し、前記第4工程は、前記第3工程を経て得られた溶液を冷却して前記フラーレン類を析出させることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  3. 請求項1又は2のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記第4工程は、前記第3工程を経て得られた溶液を濃縮後、冷却して前記フラーレン類を析出させることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記第4工程で、フラーレン類の種晶を前記溶液に入れることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  5. フラーレン含有煤状物質を、芳香族炭化水素を含む抽出溶媒と混合して抽出液を得る第1工程と、
    前記抽出液にフラーレン類の溶解度が0.01mg/mL以下の極性溶媒を前記芳香族炭化水素を含む抽出溶媒に対して0.1〜3重量倍量添加して生成した析出物を溶液から分別除去する第2工程と、
    前記第2工程にて得られた溶液に、更に極性溶媒を添加して、フラーレン類よりも分子量の小さい不純物を残した状態で、フラーレン類を析出させる第3工程とを有することを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  6. 請求項記載のフラーレン類の製造方法において、前記第3工程で添加する極性溶媒の量が、前記芳香族炭化水素を含む抽出溶媒に対して3〜7重量倍量であることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  7. 請求項5又は6記載のフラーレン類の製造方法において、前記第3工程で、フラーレン類の種晶を前記溶液に入れることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記フラーレン類がC60、C70、C76、C78、C82、及びC84のいずれか1又は2以上を主体とすることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記抽出溶媒が芳香族炭化水素を主体とし、しかも、該芳香族炭化水素はアルキルベンゼン及び/又はナフタレンの誘導体であることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載のフラーレン類の製造方法において、前記極性溶媒が炭素数1〜6のアルコール類であることを特徴とするフラーレン類の製造方法。
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