JP4647377B2 - フラーレンの分離方法 - Google Patents

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本発明は、フラーレン混合物から特定のフラーレンを分離する方法に関する。
1985年に発見されたフラーレン(Fullerene)は、60個あるいはそれ以上の炭素原子が球状に結合した第3の炭素同素体である(例えば、特許文献1参照)。C60(フラーレンC60)、C70(フラーレンC70)に代表されるフラーレンは、その特異な分子形状(分子構造)から電子材料部品、ダイヤモンドコーティング、電池材料、塗料、断熱材、潤滑材、医薬品、又は化粧品等の新規機能材料として高く注目されている。
フラーレンの製造方法としては、(1)グラファイト等炭素質材料からなる電極を原料としてこの電極間にアーク放電によって原料を蒸発させる方法(アーク放電法)、(2)炭素質原料に高電流を流して原料を蒸発させる方法(抵抗加熱法)、(3)高エネルギー密度のパルスレーザー照射によって炭素質原料を蒸発させる方法(レーザー蒸発法)、(4)ベンゼン等の有機物を不完全燃焼させる方法(燃焼法)等が知られている。例えば、特許文献2には、炭素化合物を燃焼させてフラーレンを含む煤状物質を製造する方法が提案され、現在ではベンゼン等の芳香族炭化水素と酸素含有ガスを反応炉に導き、減圧下で不完全燃焼させてフラーレンを含む煤状物質を製造する方法も提案されている。
燃焼法等によって製造したフラーレンを含む煤状物質には、C60、C70、及び炭素数70を超える高次フラーレン(C76、C78、C82、C84、C90、C96、C120等)のいずれか2以上を有するフラーレン混合物と、煤残留物(例えば、アセナフチレン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、ベンゾ[b]フルオレン、ベンゾ[c]フェナントレン、ベンゾ[a]アントラセン、トリフェニレン、ベンゾピレン等の多環状芳香族炭化水素、グラファイト構造を有する炭素、グラファイト構造を骨格とする炭化水素、及びカーボンブラック等の炭素系高分子のいずれか1又は2以上)が含まれている。煤状物質にフラーレンが可溶な溶媒を接触させて、溶媒にフラーレンを溶解させ、溶媒に不溶な煤残留物を除去して、フラーレン混合物を得る溶媒抽出法も知られている。
フラーレン混合物は、それ自体でも有用な組成物であるが、特定の、あるいは限定された範囲の炭素数のフラーレンに分離すれば、吸収波長やバンドギャップが制御されるなど、さらに興味深い特性が発揮されるため、フラーレンの分離方法を確立することは非常に重要である。
フラーレン混合物から特定のフラーレンを分離する方法としては、活性炭等の分離材を充填したカラムによる分離方法が知られている。また、カリックスアレーン又は環状フェノール硫化物(硫黄原子を有するカリックスアレーン)等のホスト化合物と特定のフラーレン(ゲスト化合物)とを接触させて包接化合物を形成させ、包接されないフラーレンと分離する方法も知られている(例えば、特許文献3及び4参照)。
特許第2802324号公報 特表平6−507879号公報 特許第2654918号公報 特開平11−240705号公報
しかしながら、カラム(クロマトグラフィ)による特定のフラーレンの分離では、多量の溶媒が必要であり、分離材と相互作用の強いフラーレンが分離材に吸着して、フラーレンが回収できないという問題がある。また、ホスト化合物による特定のフラーレンの分離では、使用する溶媒の量は比較的少ないが、ホスト化合物であるカリックスアレーンが、高度に設計された化合物で価格も高く、特定のフラーレンの分離コストも高くなるという問題がある。更に、生成した包接化合物から、特定のフラーレンとホスト化合物を分離するために、溶媒系を変更しなければならず操作が煩雑となるという問題もある。
そこで、本発明者は、特願2003−349911において、フラーレン混合物と、2個以上の窒素原子を有するアミン化合物(例えば、アミジン構造を持つ1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)とを溶媒中で接触させて、フラーレン混合物中の特定のフラーレン(所定の炭素数のフラーレン及び限定された範囲の炭素数を有するフラーレンのいずれでもよい)とアミン化合物との錯体を形成させ、生成した錯体と錯体を形成しないフラーレンが溶解した溶液とを分離する方法を開発した。この方法は、市販のアミン化合物及び溶剤を使用でき、しかも、単位操作が単純であり、カラムを用いる方法やホスト化合物を用いる方法に比べて、簡便かつ低いコストで所定のフラーレンを分離することが可能であるが、実用的な時間で錯体化を完了させるためには、反応を低温、例えば、0℃以下で行う必要があると共に、C60の収率が72%と比較的低いという問題点がある(例えば、Chemistry Letters 、日本化学会、2005年、34巻、178ページ参照)。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、フラーレン混合物から特定のフラーレンを簡便かつ低コストで、しかも、10〜30℃程度の常温域において高い収率で分離可能なフラーレンの分離方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係るフラーレンの分離方法は、C60、C70、及び炭素数70を超える高次フラーレンのいずれか2以上を有するフラーレン混合物と、2個以上の窒素原子を有するアミン化合物とを溶媒中で接触させて、前記フラーレン混合物中の特定のフラーレンと前記アミン化合物との錯体を形成させ、該錯体と該錯体を形成しないフラーレンの溶解した溶液とを分離するフラーレンの分離方法であって、前記錯体を形成させる際に水酸基を有する化合物を混合する。
フラーレン混合物としては、燃焼法によって製造されたフラーレンを含む煤状物質からグラファイトやカーボンブラック等を一部取り除いたフラーレン濃縮物を使用するのが好ましく、煤状物質からグラファイトやカーボンブラック等を全て取り除き、フラーレンのみからなるフラーレン濃縮物を使用するのが更に好ましい。フラーレン濃縮物とは、煤状物質から各種の方法でフラーレンを濃縮したもので、その濃縮方法は特に限定されないが、例として煤状物質から、昇華法によって得られたフラーレン昇華物、溶媒抽出法で得られたフラーレン溶液を蒸発乾固してできたフラーレン含有残渣のほか、煤状物質をカラムクロマト分離して得られたフラーレン含有固体、又はこれらの混合物等が挙げられる。
また、溶媒としては、フラーレンが可溶である溶媒、例えば、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素等があり、それらは環式及び非環式のいずれでもよく、また、これらの溶媒を単独又は2種類以上を任意の割合で用いてもよい。
ここで、芳香族炭化水素としては、分子内に少なくとも1つのベンゼン核を有する炭化水素化合物であり、例えば、アルキルベンゼン類(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラメチルベンゼン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、シメン等)、アルキルナフタレン類(例えば、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン等)、テトラリン等がある。
また、脂肪族炭化水素は、環式及び非環式のいずれも使用できる。環式の脂肪族炭化水素としては、単環式脂肪族炭化水素(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等)と、その誘導体(例えば、メチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2−ジメチルシクロヘキサン、1,3−ジメチルシクロヘキサン、1,4−ジメチルシクロヘキサン、イソプロピルシクロヘキサン、n−プロピルシクロヘキサン、tert−ブチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、イソブチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン等)と、多環式脂肪族炭化水素(例えば、デカリン等)とがある。非環式の脂肪族炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカン等がある。
更に、塩素化炭化水素としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等がある。
また、溶媒として、炭素数6以上のケトン、炭素数6以上のエステル類、炭素数6以上のエーテル類、及び二硫化炭素等のいずれか1又は2以上を使用してもよい。
ここで、工業的観点から、これらの溶媒の中でも常温液体で沸点が100〜300℃、中でも120〜250℃のものが、フラーレンの溶媒として好適である。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、メチシレン、1−メチルナフタレン、1,2,3,5−テトラメチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素を用いることが好ましく、1種単独としても、あるいは2種以上の混合溶媒としても使用することができる。
アミン化合物としては、2個以上の窒素原子を含み、特定のフラーレンと錯体を形成できるものであればよく、脂溶性及び水溶性のものがある。アミン化合物は、より電子受容性の高い炭素数70を超える高次フラーレンと優先的に錯体を形成し易いと考えられる。
脂溶性のアミン化合物としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1,8-diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene。以下、DBUともいう)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−メチル−2−イミダゾリン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−メチル−2−イミダゾリン、2−アルキルアミジン(例えば、アルキル基は、メチル基、エチル基等である。以下、同様である)、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン、1−アルキル−1,2,3−トリアゾリン等がある。また、水溶性のアミン化合物としては、例えば、2−アミノピリジン、グアニジン等がある。
水酸基を有する化合物としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール等)、及びフェノール類(例えば、フェノール、カテコール等)等のいずれか1又は2以上を用いることが可能である。
本発明に係るフラーレンの分離方法において、前記水酸基を有する化合物は水であるのが好ましい。
本発明に係るフラーレンの分離方法において、前記水酸基を有する化合物の使用量は、前記アミン化合物の量に対して、0.01等量以上かつ2等量以下の範囲であるのが好ましい。
水酸基を有する化合物の使用量が、アミン化合物の量に対して、0.01等量未満の場合には、錯体の形成が遅く、2等量を超えた場合には、過剰であり錯体の形成が妨げられ無駄である。
本発明に係るフラーレンの分離方法において、前記アミン化合物は、(1)式で表されるアミジン構造を有するのが好ましく、特に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンのいずれか1であるのが好ましい。
Figure 0004647377
請求項1〜5に記載のフラーレンの分離方法においては、C60、C70及び炭素数70を超える高次フラーレンのいずれか2以上を有するフラーレン混合物中の特定のフラーレンと2個以上の窒素原子を有するアミン化合物との錯体を形成させ、錯体と錯体を形成しないフラーレンの溶解した溶液とを分離するので、フラーレン混合物から特定のフラーレンと錯体を形成しないフラーレンとを分離することができる。これにより、特定のフラーレンを簡便で、低コストで分離することができる。更に、錯体を形成させる際には、水酸基を有する化合物を混合するので、錯体形成時に発生するラジカルを安定化し、室温程度の温和な条件において、高い収率で特定のフラーレンを分離できる。
特に、請求項2記載のフラーレンの分離方法においては、水酸基を有する化合物が水であるので、安価で、しかも、高い収率でフラーレンを分離できる。
請求項3記載のフラーレンの分離方法においては、水酸基を有する化合物の使用量が、アミン化合物の量に対して、0.01等量以上かつ2等量以下の範囲にあるので、錯体が速やかに形成される。
請求項4記載のフラーレンの分離方法においては、アミン化合物がアミジン構造を有するので、フラーレンと優先的に錯体を形成できる。
請求項5記載のフラーレンの分離方法においては、アミジン構造を有するアミン化合物が、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンのいずれか1であるので、フラーレンとより優先的に錯体を形成できる。
本発明の一実施の形態に係るフラーレンの分離方法について説明する。
まず、例えば、燃焼法によって製造された煤状物質からグラファイトやカーボンブラック等を全て取り除いたフラーレン濃縮物を準備して、これをC60、C70、及び炭素数70を超える高次フラーレンを有するフラーレン混合物として使用する。このフラーレン混合物を、溶媒の一例である1,2,4−トリメチルベンゼン(以下、TMBという)に溶解した後、この溶液に水酸基を有する化合物の一例である水を添加する。更に、液温を10℃から30℃の範囲(常温域)、例えば、20℃に保持して、よく撹拌しながら、2個以上の窒素原子を有するアミン化合物の一例であり、アミジン構造を有する1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(以下、DBUという)を徐々に添加する。ここで、水の使用量は、DBU1モルに対して、0.01等量以上かつ2等量以下としている。
これらを混合した溶液中では、DBUと、フラーレン混合物中の高次フラーレン及びC70とが、優先的に錯体を形成する。ここで、錯体が沈降性であるので、濾過又はデカンテーション等によって錯体を除去し、非常に純度の高いC60を含有するTMBを得ることができる。また、得られた錯体は、酸等を作用させることによって、フラーレン(高次フラーレン及びC70)とDBUとに解離させることができる。なお、生成する錯体がTMBに可溶な場合には、晶析等により、錯体を形成しないフラーレンと錯体を分離することが可能である。
本実施の形態では、反応温度(液温)が、常温域であるので、大掛かりな温度調節装置が不要である。また、TMBに溶解したフラーレン混合物に水を添加した後、DBUを加えているので、錯体化(錯体の生成)が速やかに進行する。
実施例1として、フラーレン混合物(C60:63重量%、C70:24重量%、高次フラーレン:13重量%の組成を持つ。以下、同様である)2.50gをTMB97.5gに溶解し、水0.20gを加え、液温を20℃に保ちながら、DBU3.30g(分子量152、0.022モル)を10分かけて徐々に添加した。ここで、水の使用量は、DBU1モルに対して0.5等量、すなわち0.011モルとした。この溶液を6時間撹拌し、沈降性の錯体を生成させた。なお、実施例2及び3として、水の使用量を0.004g(0.01等量)及び0.80g(2等量)とし、実施例1と同様に錯体を形成した。
実施例1〜3において、6時間撹拌後の溶液中のC60の純度を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。、実施例1〜3では、それぞれ99%、90%、及び97%であった。ここで、C60の純度は、(2)式で定義される。
C60の純度=溶液中のC60の濃度/溶液中の総フラーレンの濃度×100・・・(2)
次に、濾過により、錯体を分離した後、溶液を中性になるまで脱塩水(イオン交換水)で洗浄した。実施例1〜3において、洗浄後の溶液には、HPLCによる測定の結果、C60がそれぞれ1.24g、1.16g、1.18g含有し、フラーレン混合物中のC60(1.57g)の79%、74%、及び75%の収率となった。これらの溶液からTMBを除去して、固体のC60を得ることも可能である。
また、比較例1及び比較例2として、錯体を生成する際に水を添加していない点が実施例と異なるフラーレンの分離を行った。比較例1及び比較例2では、フラーレン混合物2.50gを、TMB97.5gに溶解し、それぞれ20℃、0℃に保ち、次にDBU3.30gを10分かけて徐々に添加した。更に、これらの溶液をそれぞれ6時間撹拌し、沈降性の錯体を生成させた。比較例1では、溶液中のC60の純度が87%であり、高純度のC60を得ることは出来なかった。また、比較例2では、溶液中のC60の純度が99%であり、更に錯体を濾過で分離した後、得られた溶液を中性になるまで脱塩水で洗浄した。この溶液に含まれるC60の量は、1.13gであり、フラーレン混合物中のC60に対して収率が72%となった。
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記した実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフラーレンの分離方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、前記実施の形態のフラーレンの分離方法において、水酸基を有する化合物としては、水を使用したが、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、及びフェノール、カテコール等のフェノール類のいずれか1又は2以上を用いることができる。
また、フラーレン混合物として、燃焼法によって製造された煤状物質からグラファイトやカーボンブラック等を全て取り除き、C60、C70、及び炭素数70を超える高次フラーレンを有するフラーレン濃縮物を使用したが、C60、C70、及び炭素数70を超える高次フラーレンのいずれか2以上を有するフラーレン混合物であればよい。
アミン化合物として、DBUを使用したが、2個以上の窒素原子を含み、特定のフラーレンと錯体を形成できるものであればよく、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−メチル−2−イミダゾリン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1−メチル−2−イミダゾリン、2−アルキルアミジン(例えば、アルキル基は、メチル基、エチル基等である。以下、同様である)、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン、1−アルキル−1,2,3−トリアゾリン、2−アミノピリジン、及びグアニジンのいずれか1又は2以上を使用してもよい。
また、本実施の形態では、フラーレン混合物をTMBに溶解した後、水を添加し、更にDBUを加えたが、これらを添加する順序は特に限定されない。

Claims (5)

  1. C60、C70、及び炭素数70を超える高次フラーレンのいずれか2以上を有するフラーレン混合物と、2個以上の窒素原子を有するアミン化合物とを溶媒中で接触させて、前記フラーレン混合物中の特定のフラーレンと前記アミン化合物との錯体を形成させ、該錯体と該錯体を形成しないフラーレンの溶解した溶液とを分離するフラーレンの分離方法であって、
    前記錯体を形成させる際に水酸基を有する化合物を混合することを特徴とするフラーレンの分離方法。
  2. 請求項1記載のフラーレンの分離方法において、前記水酸基を有する化合物は水であることを特徴とするフラーレンの分離方法。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載のフラーレンの分離方法において、前記水酸基を有する化合物の使用量は、前記アミン化合物の量に対して、0.01等量以上かつ2等量以下の範囲にあることを特徴とするフラーレンの分離方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレンの分離方法において、前記アミン化合物は、(1)式で表されるアミジン構造を有することを特徴とするフラーレンの分離方法。
    Figure 0004647377
  5. 請求項4記載のフラーレンの分離方法において、前記アミジン構造を有するアミン化合物は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンのいずれか1であることを特徴とするフラーレンの分離方法。
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