JP3828811B2 - ガス漏れ警報装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は一過性ガスによるガス漏れを判定した時に、ガス漏れ警報を早期に解除する機能を備えたガス漏れ警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス漏れ警報装置として、図8にその概略構成を示すものがある。ガス漏れ検知の対象ガスはLPG、ブタンガスであり、ガスセンサとして接触燃焼式ガスセンサSEを用いている。
この装置の構成としては、商用電源電圧であるAC100Vを12V程度に降圧する電源入力回路1、この降圧した12Vを直流変換した後にガスセンサSEを含むブリッジ回路から成るガス検出回路3に印加する電源回路2、ガス検出回路3の出力電圧のレベルに基づいて、ガス漏れ警報を行うかを判定する警報判定機能4、警報判定機能4によるガス漏れ警報判定結果に基づいて図示しないガスメータのガス供給用の弁に遮断信号を出力する外部出力回路5を備えている。警報判定機能4はマイコンにより実施される。
【0003】
このガス漏れ警報装置は、図9に示すように電源を投入すると同時に約30分間の点検モードとなり、この点検モードの開始より約40秒間(初期遅延時間)は、ガスセンサSEや回路の動作を安定化させる時間であり、ガスを検知してもガス漏れ警報を発令しない。30分の後に通常モードとなり通常のガス漏れ監視を行う。
【0004】
この、通常モードにおいては、ガス漏れ判定時におけるセンサ出力が一時的に上昇した際にガス漏れ警報の誤報を避けるために、ガス漏れを判定してから警報遅延時間T1’を経てから警報ブザーの鳴動、更に外部出力遅延時間T2’を経てから遮断開始信号を出力を外部出力回路5に出力し、図示しないガスメータのガス供給用の弁に遮断信号を出力する。
警報ブザーの鳴動および遮断開始信号出力録のタイミングは点検モードにおいても同様であり、ガス漏れを判定してから警報遅延時間T1を経てから警報ブザーの鳴動、更に外部出力遅延時間T2を経てから遮断開始信号を出力を外部出力回路5に出力し、図示しないガスメータのガス供給用の弁に遮断信号を出力する。
【0005】
ガス漏れ警報装置は家庭で使用されるプロパンガス(検知対象ガス)に反応するが、殺虫時に使用される殺虫剤の主成分はブタンガスとなっており検知対象ガスの成分と同一である。そのため、ガスセンサSEに殺虫剤が吹き付けられた場合にガス漏れ警報の誤報を防止する必要がある。そこで、ガス漏れ警報装置は、ガス検出回路3からの出力に対して警報発生を遅延し、この遅延時間中にわたってガスセンサSEがガスを検出し、ガス検出回路3からセンサ出力を出しているときに、初めて警報を発生する構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置は殺虫剤の様な一過性のガスであっても一旦ガスを遅延時間中にわたって検知するとガス濃度が予め設定された濃度以下になるまで警報を発報し続ける。そこでガスセンサを収納するケースを、殺虫剤等の一過性ガスが遅延時間中に渡って滞留しにくい構造にして警報を早期に解除させるようにした。
しかし、装置本体の薄型、小型、軽量化を計る中で、ケースの構造だけではガスの滞留時間を短くしてガス漏れ警報を早期に解除することができず、滞留したガスの濃度が低下するまで誤警報を出し続けることになる。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、一過性ガスの検知によるガス漏れ警報を早期に解除できるガス漏れ警報装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1及び請求項2の発明に係るガス漏れ警報装置は、図1の基本構成図に示すように、ガスセンサを含むガス検出手段1−1と、このガス検出手段1−1の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段1−2と、前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れ判定を行うガス漏れ判定手段1−3と、前記ガス漏れ判定の結果よりガス漏れ警報を発生する警報発生手段1−4と、前記センサ出力値が所定値以下に低下した時にガス漏れ警報を解除する警報解除手段1−5と、前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスであるかを判定する一過性ガス判定手段1−6と、一過性ガスであることが判定された時に前記警報解除手段1−5に対して早期に警報を解除する早期警報解除手段1−7を備えたものである。
【0009】
請求項1及び請求項2の発明によれば、一旦、ガス漏れを検知し警報発生手段1−4よりガス漏れ警報が発生している間に、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−6にて判定されたならば、早期警報解除手段1−7を機能させて警報解除手段1−5に対して警報解除を早めさせることで、一過性ガス検知によるガス漏れの誤警報を早期に解除する。
【0010】
また、請求項1及び請求項2の発明に係るガス漏れ警報装置の一過性ガス判定手段1−6は、前記センサ出力値が予め設定したガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間を所定時間以内で上昇した時に一過性ガスであることを判定する。
【0011】
請求項1及び請求項2の発明によれば、一過性ガスは高濃度であるためセンサ出力値は急峻に上昇するため、ガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間をセンサ出力値が所定時間以内で上昇した時に一過性ガスを判定する。
【0012】
そして、請求項1の発明に係るガス漏れ警報装置の警報解除手段1−5は、前記センサ出力値が前記第1の設定値より低い第3の設定値に低下すると警報発生手段1−4に警報解除信号を出力し、且つ、前記一過性ガス判定手段1−6による一過性ガス判定時に、前記センサ出力値が前記第1の設定値と同値の第4の設定値に低下すると警報発生手段1−4に警報解除信号を出力する。
【0013】
請求項1の発明によれば、ガス漏れ検知対象ガスを検知した時にはセンサ出力値が前記第1の設定値より低い第3の設定値に低下するまで警報が解除されないのに対して、一過性ガスを判定した時は、センサ出力値が第1の設定値と同値に設定されている第4の設定値を低下した時に警報解除手段1−5より警報発生手段1−4に対して警報解除信号を出力することで警報を早期に解除する。
【0014】
また、請求項2の発明に係るガス漏れ警報装置の警報解除手段1−5は、前記センサ出力値が前記第1の設定値より低い第3の設定値に至ると前記警報発生手段1−4に警報解除信号を出力し、且つ、前記一過性ガス判定手段1−6による前記一過性ガス判定時に、前記センサ出力値が前記第1の設定値と同値の第4の設定値より高い値に設定した第5の設定値以下に低下すると警報発生手段1−4に警報解除信号を出力する。
【0015】
請求項2の発明によれば、ガス漏れ検知対象ガスを検知した時には、センサ出力値が前記第1の設定値より低い第3の設定値に低下するまで警報が解除されないのに対して、一過性ガスを判定した時は、センサ出力値が第4の設定値より高く設定されている第5の設定値を低下した時に警報解除手段1−5より警報発生手段1−4に警報解除信号を出力することで警報を早期に解除する。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明に係るガス漏れ警報装置の実施の形態1を、各添付図面を参照して説明する。図2は本実施の形態に係るガス漏れ警報装置の概要を示す図である。
尚、図中、図8と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施の形態1におけるマイコン回路6は、検知したガスの濃度レベルが一時的に上昇あるいは低下することによるチャタリングに起因するガス漏れ警報あるいは警報解除の繰り返しを防止するためにガス濃度低下を判定するヒステリシスレベルを設定する誤報防止機能6b、ガス漏れ点検モード時と、ガス漏れ検出通常モード時とで警報遅延時間T1’,T1’’と外部出力遅延時間T2’,T2’’とを切り換え設定および一過性ガスの判定時におけるガス漏れ警報解除レベルを設定する警報判定機能6c、ガス漏れ判定時に表示回路(ランプ)7を点滅させるスイッチング機能6a、ガス漏れ判定時に設定された警報遅延時間T1’,T1’’後に鳴動開始信号を出力する警報遅延機能6e、鳴動開始信号を入力してブザー回路(警報ブザー)8を鳴動させるブザー発振機能6f、同じくガス漏れ判定時に設定された外部出力遅延時間T2’,T2’’後に外部出力信号を外部出力回路5へ出力する外部出力遅延機能6d、外部出力回路5を通してガスメータより入力された弁遮断信号、弁復帰信号に基づきスイッチング機能6aおよびブザー発振機能6fを動作させ、表示回路7およびブザー回路8を、ガス漏れ判定時と異なる報知形態で動作させるメータ信号判別機能6h、電源を投入した通電初期の鳴動動作を防止する通電時鳴動防止機能6gを備える。
マイコン回路6はマイコン電源回路2aより安定化電圧が供給されている。
【0017】
誤報防止機能6bはチャタリング防止のためにガス漏れ警報を判定する警報判定レベルに対して10%〜20%低いレベルのヒステリシスレベル△L1を設定する。
尚、外部出力回路5は外部出力信号を入力してガスメータにガス供給用の弁遮断開始信号を出力し、且つ、ガスメータより入力された弁遮断信号、弁復帰信号をメータ信号判別機能6hに出力する。
【0018】
即ち、本実施の形態に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性は図3に示す様に、一過性ガスはガス漏れ検知対象ガスに比べて高濃度であるため、センサ出力が、例えば警報設定レベル(約45mV)L1に至ってからよりヒステリシス解除レベルL2に数秒で上昇し、更に約5、6秒程度でピーク値である約80mVに至り、その後ガス漏れ検知対象ガスを対象に設定した警報解除レベル(40mV程度)L1’に4秒程度で低下する。
【0019】
そこで、センサ出力が警報設定レベルL1よりヒステリシス解除レベルL2にまで数秒で上昇したことを警報判定機能6cで判定したならば、センサ出力がピーク値に至り、警報設定レベルL1と同レベルである一過性ガス判定時警報解除までに低下した時点で警報を解除させる。即ち、センサ出力が警報設定レベルL1よりヒステリシスレベルだけ低く設定した警報解除レベルL1’に至る前に警報を解除させることで、早期に警報が解除される。
【0020】
図4は図3のセンサ出力特性を、通常ガス判定時警報解除時間と一過性ガス判定時警報解除時間との説明を容易にするために書き換えたセンサ出力特性である。
通常モードにおいてはガス漏れを判定するセンサ出力レベルを警報設定レベルL1とし、警報解除レベルL1’を警報設定レベルL1より10%〜20%低いヒステリシスレベル△L1分以下の40mV程度のレベルに設定する。
また、一過性ガスに対しては、そのガスを判定するセンサ出力レベルをヒステリシス解除レベルL2(>L1)とし、一過性ガスに対する警報解除レベルを警報設定レベルL1と同レベルの一過性ガス判定時解除レベルL2’とする。
【0021】
これらレベル設定により、警報判定機能6cは、通常モードにおいてセンサ出力レベルが警報判定レベルL1を越し、予め設定した一過性ガス判定時間(2秒)T以内にヒステリシス解除レベルL2に至ったことを判定したならば、検知したガスを一過性ガスと判断し、ガス漏れ警報を解除するセンサ出力低下レベルを一過性ガス判定時解除レベルL2’とする。即ち、一過性ガスの濃度によるセンサ出力レベルが一過性ガス判定時解除レベルL2’に低下するとガス漏れ警報を解除する。
【0022】
次に、本実施の形態1のマイコン回路6に係る早期警報解除処理を図6のフローチャートに従って説明する。
先ず、装置の電源ONが判定されると(ステップS1)、初期化処理として警報設定レベルL1を45mV程度、通常モード時の警報解除レベルL1’をヒステリシスレベル△L1以下の40mV程度、一過性ガス判定によるヒステリシス解除レベルL2を55mV程度、一過性ガス判定時間を2秒程度、一過性ガス判定時解除レベルL2’を警報設定レベルL1と同レベルの45mV程度に設定する(ステップS3)。
【0023】
次に、図9に示すように点検モードより通常モードに移行するまでの30分を計時する(ステップS5)。30分経過したか否かを判定し(ステップS7)、経過していなければ点検モードとする(ステップS9)。この点検モードの間はガスセンサに点検用ガスを吹き付けてガス漏れを疑似的に発生させて装置の警報動作を点検することができる。
【0024】
30分の経過により点検モード期間が終わり通常モード移行したならば、警報判定機能6cはガス検出回路3よりセンサ出力レベルLsを読み込み、センサ出力レベルLs≧警報設定レベルL1か否かを判定する(ステップS13)。ここで、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1より小さいと判定されたならば、ガス漏れは発生していないと判断しステップS11に戻り、ガス漏れ検知を続行する。
【0025】
読み込んだセンサ出力レベルLsが、センサ出力レベルLs≧警報設定レベルL1と判定されたならば(ステップS13)、スイッチング機能6aを動作させてランプ7を点滅表示させ、所定時間後にブザー発振機能6fを動作させてランプ点滅と共に、警報ブザー8を断続鳴動させて警報を発生し(ステップS15)、更に所定時間後に外部出力遅延機能6dから外部出力回路5へ外部出力信号を出力してその動作をONさせ、ガスメータに弁遮断開始信号を出力する。
【0026】
警報発生後、一過性ガス判定時間Tに向けて計時動作を行いながら(ステップS17)、センサ出力レベルLs≧ヒステリシス解除レベルL2か否かを判定する(ステップS19)。ここで、センサ出力レベルLsがヒステリシス解除レベルL2より小さいと判定されたならば、ステップS11に戻り再度計時動作およびセンサ出力レベルLsとヒステリシス解除レベルL2との比較を繰り返す。
【0027】
センサ出力レベルLs≧ヒステリシス解除レベルL2であることが判定されたならば、計時結果を読みだし、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1よりヒステリシス解除レベルL2に至った時間が一過性ガス判定時間Tより短いか否かを判定する(ステップS21)。
【0028】
ここで、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時間T以上の時間をかけてヒステリシス解除レベルL2に至ったと判定されたならば、低濃度のプロパンガス等のガス漏れを判定し、警報解除レベルL1’を設定する。
【0029】
警報発生後、センサ出力レベルLsを読み込み(ステップS29)、センサ出力レベルLs≦警報解除レベルL1’であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、センサ出力レベルLsが警報解除レベルL1’より低下していないことが判定されたならば、警報を発生し続け、更にセンサ出力レベルLsを読み込む(ステップS29)。最終的にガスメータの弁遮断によりガス供給が停止され、センサ出力レベルLsが警報解除レベルL1’より低下したことが判定されたならば警報を解除する(ステップS33)。
【0030】
しかし、ステップS21において、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時間T以内にヒステリシス解除レベルL2に至ったと判定されたならば、高濃度の一過性ガスがガスセンサSEに吹き付けられたものと判定し、警報解除レベルを警報解除レベルL1’と同レベルの一過性ガス判定時警報解除レベルL2’に設定する。
【0031】
警報発生後、センサ出力レベルLsを読み込み(ステップS23)、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’より低下したか否かを判定する(ステップS25)。ここで、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’より低下していないことが判定されたならば、警報を発生し続け、更にセンサ出力レベルLsを読み込む(ステップS23)。最終的にセンサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’より低下したことが判定されたならば警報を解除する(ステップS27)。
【0032】
この様に検知されたガスが一過性ガスの場合は、ヒステリシスレベルを0とし、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’を低下したときに警報を解除することで、一過性ガスに対するガス漏れ警報が早期に解除される。
【0033】
実施の形態2.
上記実施の形態1は、センサ出力レベルLsが警報解除レベルL1’と同レベルの一過性ガス判定時警報解除レベルL2’を下回った時に警報を解除することで、一過性ガス検知により発生した警報を早期に解除するようにした。本実施の形態2では一過性ガス検知により発生した誤警報をより早期に解除するようにした。
【0034】
そこで本実施の形態2は、検知したガスが一過性のガスであることが判定されたならば、図5のセンサ出力特性図に示すように一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’を警報設定レベルL1より逆ヒステリシスレベル△L2分高いレベル(51mV程度)に設定する。また、通常のプロパンガス漏れ検知に対しては実施の形態1と同様に警報設定レベルL1よりヒステリシスレベル△L1分低い40mV程度の警報解除レベルL1’を設定する。
【0035】
次に本実施の形態2の動作を図7のフローチャートを参照して説明する。
本実施の形態2に係るガス漏れ警報装置の構成は図2に示すガス漏れ警報装置と同様である。
先ず、装置の電源ONが判定されると(ステップS1)、初期化処理として警報設定レベルL1を45mV程度、通常モード時の警報解除レベルL1’を40mV程度、ヒステリシス解除レベルL2を55mV程度、一過性ガス判定時間を2秒程度、一過性ガス判定時解除レベルL2’’を51mV程度に設定する(ステップS3)。
【0036】
次に、図9に示すように点検モードより通常モードに移行するまでの30分を計時する(ステップS5)。30分経過したか否かを判定し(ステップS7)、経過していなければ点検モードとする(ステップS9)。この点検モードの間はガスセンサに点検用ガスを吹き付けてガス漏れを疑似的に発生させて装置の警報動作を点検することができる。
【0037】
30分の経過により点検モード期間が終わり通常モード移行したならば、警報判定機能6cはガス検出回路3よりセンサ出力レベルLsを読み込み、センサ出力レベルLs≧警報設定レベルL1であるか否かを判定する(ステップS13)。ここで、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1より小さいと判定されたならば、ガス漏れは発生していないと判断しステップS11に戻り、ガス漏れ検知を続行する。
【0038】
読み込んだセンサ出力レベルLsが、センサ出力レベルLs≧警報設定レベルL1と判定されたならば(ステップS13)、スイッチング機能6aを動作させてランプ7を点滅表示させ、所定時間後にブザー発振機能6fを動作させてランプ点滅と共に、警報ブザー8を断続鳴動させて警報を発生し(ステップS15)、更に所定時間後に外部出力遅延機能6dから外部出力回路5へ外部出力信号を出力してその動作をONさせ、ガスメータに弁遮断開始信号を出力する。
【0039】
警報発生後、一過性ガス判定時間Tに向けて計時動作を行いながら(ステップS17)、センサ出力レベルLs≧ヒステリシス解除レベルL2であるか否かを判定する(ステップS19)。ここで、センサ出力レベルLsがヒステリシス解除レベルL2より小さいと判定されたならば、ステップS11に戻り再度計時動作およびセンサ出力レベルLsとヒステリシス解除レベルL2との比較を繰り返す。
【0040】
センサ出力レベルLs≧ヒステリシス解除レベルL2と同レベルあることが判定されたならば、計時結果を読みだし、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1よりヒステリシス解除レベルL2に至った時間が一過性ガス判定時間Tより短いか否かを判定する(ステップS21)。
【0041】
ここで、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時間T以上の時間をかけてヒステリシス解除レベルL2に至ったと判定されたならば、低濃度のプロパンガス等のガス漏れを判定し、警報解除レベルL1’を設定する。
【0042】
警報発生後、センサ出力レベルLsを読み込み(ステップS29)、センサ出力レベルLs≦警報解除レベルL1’であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、センサ出力レベルLsが警報解除レベルL1’より低下していないことが判定されたならば、警報を発生し続け、更にセンサ出力レベルLsを読み込む(ステップS29)。最終的にセンサ出力レベルLsが警報解除レベルL1’より低下したことが判定されたならば警報を解除する(ステップS33)。
【0043】
センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時間T以内にヒステリシス解除レベルL2に至ったと判定されたならば、高濃度の一過性ガスがガスセンサに吹き付けられたものと判定し、警報解除レベルを警報解除レベルL1’より高いレベルの一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’を設定する。
【0044】
警報発生後、センサ出力レベルLsを読み込み(ステップS23)、センサ出力レベルLs≦一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’であるか否かを判定する(ステップS25)。ここで、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’より低下していないことが判定されたならば、警報を発生し続け、更にセンサ出力レベルLsを読み込む(ステップS23)。最終的にセンサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’より低下したことが判定されたならば警報を解除する(ステップS27)。
【0045】
この様に検知されたガスが一過性ガスの場合は、一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’をヒステリシス解除レベルL2付近に設定し、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時警報解除レベルL2’’を低下したときに警報を解除することで、一過性ガスに対するガス漏れ警報が更に早期に解除される。
【0046】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2の発明によれば、ガスセンサを含むガス検出手段1−1と、このガス検出手段1−1の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段1−2、前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れを判定するガス漏れ判定手段1−3と、前記ガス漏れ判定の結果よりガス漏れ警報を発生する警報発生手段1−4と、センサ出力値が所定値以下に低下した時にガス漏れ警報を解除する警報解除手段1−5と、前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性ガスか否かを判定する一過性ガス判定手段1−6と、一過性ガスであることが判定された時に前記警報解除手段1−5に対して警報解除を早める早期警報解除手段1−7を備え、一旦、ガス漏れを検知し警報発生手段1−4よりガス漏れ警報が発生している間に、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−6に判定されたならば、早期警報解除手段1−7を機能させて警報解除手段1−5に対して警報解除を早めさせることで、一過性ガス検知によるガス漏れの誤警報を早期に解除することができるという効果がある。
【0047】
また、請求項1及び請求項2の発明によれば、ガス漏れ検知対象ガスを検知した時にはセンサ出力値が前記第1の設定値より低いヒステリシスレベルである第3の設定値に低下するまで警報が解除されないのに対して、一過性ガスを検知したときには、センサ出力値が第4の設定値より高く設定されている第5の設定値を低下した時に警報解除手段1−5より警報発生手段1−4に警報解除信号を出力されることで誤警報を更に早期に解除できるという効果がある。
【0048】
また、請求項1の発明によれば、ガス漏れ検知対象ガスを検知した時にはセンサ出力値が前記第1の設定値より低いヒステリシスレベルである第3の設定値に低下するまで警報が解除されないのに対して、一過性ガスを検知した時には、センサ出力値が第1の設定値と同値に設定されている第4の設定値を低下した時に警報解除手段1−5より警報発生手段1−4に警報解除信号を出力することで誤警報を早期に解除できるという効果がある。
【0049】
また、請求項2の発明によれば、一過性ガスは高濃度であるためセンサ出力値は急峻に上昇するため、ガス漏れ警報判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間をセンサ出力値が所定時間以内で上昇した時に一過性ガスを判定することで、ガス漏れ検知対象ガスと一過性ガスとの弁別を早期に、しかも容易に行えると共に、警報の早期解除処理へ早期に移行できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係るガス漏れ警報装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明に係るガス漏れ警報装置の概要を示す図である。
【図3】図3は本発明に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性を示した図である。
【図4】図4は図3に示すセンサ出力特性を、本発明の実施の形態1に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性に各設定レベルを付加して書き換えたセンサ出力特性を示す図である。
【図5】図5は図3に示すセンサ出力特性を、本発明の実施の形態2に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性に各設定レベルを付加して書き換えたセンサ出力特性を示す図である。
【図6】図6は実施の形態1のガス漏れ警報装置におけるガス漏れ警報解除処理を説明するフローチャートである。
【図7】図7は実施の形態2のガス漏れ警報装置におけるガス漏れ警報解除処理を説明するフローチャートである。
【図8】図8は従来のガス漏れ警報装置の概要を示す図である。
【図9】図9は点検モード時における各遅延時間の配分を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1−1 ガス検出手段
1−2 センサ出力演算手段
1−3 ガス漏れ判定手段
1−4 警報発生手段
1−5 警報解除手段
1−6 一過性ガス判定手段
1−7 早期警報解除手段
L1 警報設定レベル(第1の設定値)
L1’ 警報解除レベル:ヒステリシスレベル(第3の設定値)
L2 ヒステリシス解除レベル(第2の設定値)
L2’ 一過性ガス判定時警報判定レベル(第4の設定値)
L2’’ 一過性ガス判定時警報判定レベル:逆ヒステリシスレベル(第5の設定値)
Claims (2)
- ガスセンサを含むガス検出手段と、
このガス検出手段の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段と、
前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れ判定するガス漏れ判定手段と、
前記ガス漏れ判定の結果よりガス漏れ警報を発生する警報発生手段と、
前記センサ出力値が所定値以下に低下した時にガス漏れ警報を解除する警報解除手段と、
前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段が検出したガスが一過性ガスであるかを判定する一過性ガス判定手段と、
一過性ガスであることが判定された時に前記警報解除手段に対して早期に警報を解除する早期警報解除手段とを備え、
前記一過性ガス判定手段は、前記センサ出力値が予め設定したガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間を所定時間以内で上昇した時に一過性ガスであることを判定し、
前記警報解除手段は、前記センサ出力値が前記第1の設定値より低い第3の設定値に低下すると警報発生手段に警報解除信号を出力し、且つ、前記一過性ガス判定手段による一過性ガス判定時に、前記センサ出力値が前記第1の設定値と同値の第4の設定値に低下すると警報発生手段に警報解除信号を出力する、
ことを特徴とするガス漏れ警報装置。 - ガスセンサを含むガス検出手段と、
このガス検出手段の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段と、
前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れ判定するガス漏れ判定手段と、
前記ガス漏れ判定の結果よりガス漏れ警報を発生する警報発生手段と、
前記センサ出力値が所定値以下に低下した時にガス漏れ警報を解除する警報解除手段と、
前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段が検出したガスが一過性ガスであるかを判定する一過性ガス判定手段と、
一過性ガスであることが判定された時に前記警報解除手段に対して早期に警報を解除する早期警報解除手段とを備え、
前記一過性ガス判定手段は、前記センサ出力値が予め設定したガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間を所定時間以内で上昇した時に一過性ガスであることを判定し、
前記警報解除手段は、前記センサ出力値が前記第1の設定値より低い第3の設定値に至ると前記警報発生手段に警報解除信号を出力し、且つ、前記一過性ガス判定手段による前記一過性ガス判定時に、前記センサ出力値が前記第1の設定値と同値の第4の設定値より高い値に設定した第5の設定値以下に低下すると警報発生手段に警報解除信号を出力する、
ことを特徴とするガス漏れ警報装置。
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