JP3828810B2 - ガス漏れ警報装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は一過性ガスによるガス漏れを判定した時に、ガス漏れ警報の発生を延長する機能を備えたガス漏れ警報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のガス漏れ警報装置として、図6にその概略構成を示す装置がある。ガス漏れ検知の対象ガスはLPG、ブタンガスであり、ガスセンサとして接触燃焼式ガスセンサを用いている。
この装置の構成としては、商用電源電圧であるAC100Vを12V程度に降圧する電源入力回路1、この降圧した12Vを直流変換した後にガスセンサSEを含むブリッジ回路から成るガス検出回路3に印加する電源回路2、ガス検出回路3の出力電圧のレベルに基づいて、ガス漏れ警報を行うかを判定する警報判定機能4、警報判定機能4によるガス漏れ警報判定結果に基づいて図示しないガスメータのガス供給用の弁に遮断信号を出力する外部出力回路5を備えている。
警報判定機能4はその機能をマイコンにより実施する。
【0003】
このガス漏れ警報装置は、図7に示すように電源を投入すると同時に約30分間の点検モードとなり、この点検モードの開始より約40秒間(初期遅延時間)はガスセンサSEや回路の動作を安定化させるための時間であり、この時間中にガスを検知してもガス漏れ警報を発令しない。
点検モードにおいては、点検用ガスがガスセンサSEに吹き付けられて擬似的なガス漏れを検知してから警報遅延時間T1を経てから警報ブザーの鳴動、更に外部出力遅延時間T2を経てから遮断開始信号を外部出力回路5に出力し、図示しないガスメータのガス供給用の弁に遮断信号を出力する。
【0004】
点検モードより30分の後に通常モードとなり通常のガス漏れ監視を行う。
通常モードにおいては、ガス漏れ判定時におけるセンサ出力が一時的に上昇した際にガス漏れ警報の誤報を避けるために、ガス漏れを検知してから警報遅延時間T1’を経てから警報ブザーの鳴動、更に外部出力遅延時間T2’を経てから遮断開始信号を外部出力回路5に出力し、図示しないガスメータのガス供給用の弁に遮断信号を出力する。
【0005】
ガス漏れ警報装置は家庭で使用されるプロパンガス(検知対象ガス)に反応する。しかし、殺虫時に使用される殺虫剤の主成分はブタンガスとなっており検知対象ガスと同一成分である。そのため、ガスセンサSEに殺虫剤が吹き付けられた場合にガス漏れ警報の誤報を防止するが必要である。そこで、ガス漏れ警報装置は、ガス検出回路3からの出力に対して警報発生を遅延し、遅延時間T1’+T2’中にわたってガスセンサSEがガスを検出し、ガス検出回路3からセンサ出力を出しているときに、初めて警報を発生し、更に遮断開始信号を外部出力回路5に出力する構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来装置は殺虫剤の様な一過性のガスであっても一旦ガスを検知するとガス濃度が予め設定された濃度以下になるまで警報を発報し続ける。そこでガスセンサを収納するケースを、殺虫剤等の一過性ガスが警報遅延時間以上に渡って滞留しにくい構造にしてガス漏れ警報を行わないようにしたり、例えガス漏れ警報がなされても早期に警報を解除させるようにした。
しかし、装置本体の薄型、小型、軽量化を計る中で、ケースの構造だけではガスの滞留時間を短くしてガス漏れ警報を早期に解除することができず、滞留したガスの濃度が低下するまで誤警報を出し続けることになる。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたものであり、一過性ガスを検知した場合は、ガス漏れ警報を発生させるまでの時間を極力引き伸ばし、誤警報発生の機会を減らすことができるガス漏れ警報装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るガス漏れ警報装置は、図1の基本構成図に示すように、ガスセンサを含むガス検出手段1−1と、このガス検出手段1−1の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段1−2と、前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れ判定を行うガス漏れ判定手段1−3と、前記ガス漏れ判定の結果、警報遅延手段1−4で設定された遅延時間後にガス漏れ警報を発生する警報発生手段1−5と、前記センサ出力値が所定値以下に低下した時に前記警報発生手段1−4に対して警報を解除する警報解除手段1−6と、前記ガス漏れ判定手段1−3によるガス漏れ判定時に、前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスであるかを判定する一過性ガス判定手段1−7と、前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスでないと前記一過性ガス判定手段1−7により判定された時に、低濃度のプロパンガス等のガス漏れに対応した警報発生遅延時間を前記遅延時間として設定すると共に、前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスであると前記一過性ガス判定手段1−7により判定された時に、一過性ガス判定時の警報発生遅延時間を前記遅延時間として設定することで、一過性ガスであることが判定された時に警報遅延手段1−4で設定された遅延時間を延長して前記警報発生手段1−4からの警報発生を延長させる遅延時間変更手段1−8とを備えている。
【0009】
請求項1の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−7に判定されたならば、遅延時間変更手段1−8を機能させ警報遅延手段1−4に対して警報発生を遅延させることで、一過性ガス検知によるガス漏れの誤警報の機会を減らす。
【0010】
請求項2の発明に係るガス漏れ警報装置の一過性ガス判定手段1−7は、前記センサ出力値が予め設定したガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間を所定時間以内で上昇した時に一過性ガスであることを判定する。
【0011】
請求項2の発明によれば、一過性ガスは高濃度でありセンサ出力値は急峻に上昇するため、ガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間をセンサ出力値が所定時間以内で上昇した時に一過性ガスを判定する。
【0012】
請求項3の発明に係るガス漏れ警報装置の遅延時間変更手段1−8は、警報発生手段1−5に対して警報発生動作を無効にする。
【0013】
請求項3の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−7にて判定されたならば、遅延時間変更手段1−8は警報遅延手段1−4に対して警報発生までの時間を無限にして設定して警報発生動作を無効にすることで一過性ガス検知によるガス漏れの誤警報を防止する。
【0014】
請求項4の発明に係るガス漏れ警報装置の遅延時間変更手段は、警報発生遅延時間中に前記センサ出力値が所定値以下に低下した時に前記警報発生手段1−5に対して警報発生動作を無効にする。
【0015】
請求項4の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−6にて判定されたならば、遅延時間変更手段1−8は設定された警報発生遅延時間の間にセンサ出力値が所定値以下に低下した時に警報発生動作を無効にする。
【0016】
請求項5の発明に係るガス漏れ警報装置の遅延時間変更手段1−8は、遅延時間を任意に変更する。
【0017】
請求項5の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−6にて判定されたならば、遅延時間変更手段1−8は警報発生までの時間を任意に設定することで、警報発生時点より一過性ガスの検知を判断することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態.
以下、本発明に係るガス漏れ警報装置の実施の形態を、各添付図面を参照して説明する。図2は本実施の形態に係るガス漏れ警報装置の概要を示す図である。尚、図中、図6と同一符号は同一または相当部分を示す。
本実施の形態におけるマイコン回路6は、検知したガスの濃度レベルの一過性の上昇あるいは低下によるチャタリングに起因するガス漏れ警報あるいは警報解除の繰り返しを防止するためセンサ出力低下判定用にヒステリシスレベルを設定する誤報防止機能6b、装置の点検モードとガス漏れ検出通常モードとにおける警報遅延時間T1,T1’と外部出力遅延時間T2,T2’とを切り替え設定し、一過性ガス判定時間T1’’および一過性ガスの判定時にガス漏れ警報発生までの遅延時間T2’’を設定する警報判定機能6c、ガス漏れ判定時に表示回路(ランプ)7を点滅させるスイッチング機能6a、ガス漏れ判定時に、設定された警報遅延時間T1,T1’後に鳴動開始信号を出力する警報遅延機能6e、鳴動開始信号を入力してブザー回路(警報ブザー)8を鳴動させるブザー発振機能6f、同じくガス漏れ判定時に、設定された外部出力遅延時間T2,T2’後に外部出力信号を外部出力回路5へ出力する外部出力遅延機能6d、外部出力回路5を通してガスメータより入力された弁遮断信号、弁復帰信号に基づきスイッチング機能6aおよびブザー発振機能6fを動作させ、表示回路7およびブザー回路8を、ガス漏れ判定時と異なる報知形態で動作させるメータ信号判別機能6h、電源を投入した通電初期の鳴動動作を防止する通電時鳴動防止機能6gを備える。マイコン回路6はマイコン電源回路2aより安定化電圧が供給されている。
【0019】
誤報防止機能6bはチャタリング防止のために、ガス漏れ警報を判定する警報判定レベルに対して10%〜20%低いヒステリシスレベル△L1を設定する。
尚、外部出力回路5は外部出力信号を入力してガスメータにガス供給用の弁遮断開始信号を出力し、且つ、ガスメータより入力された弁遮断信号、弁復帰信号をメータ信号判別機能6hに出力する。
【0020】
即ち、本実施の形態に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性は図3示す様に、一過性ガスはガス漏れ検知対象ガスに比べて高濃度であるため、センサ出力は、例えば警報設定レベル(約45mV)L1に至ってから警報遅延判定レベルL2に数秒で上昇し、更に約5、6秒程度でピーク値である約80mVに至り、その後ガス漏れ検知対象ガスを対象に設定した警報解除レベル(40mV程度)L1’に4秒程度で低下する。
【0021】
そこで、センサ出力が警報設定レベルL1より警報遅延判定レベルL2にまで数秒で上昇したことを警報判定機能6cで判定したならば、検知したガスは一過性ガスであると判定し、警報発生をセンサ出力がほぼガス無検出時のレベルに低下するまでの時間に延長することで、一過性ガス判定時における警報発生の機会を減らす。
【0022】
図4は図3のセンサ出力特性を、通常ガス判定時の警報発生時期と一過性ガス判定時の警報発生時期との説明を容易にするために書き換えたセンサ出力特性図である。
通常モードにおいては、ガス漏れを判定するセンサ出力のレベルを警報設定レベルL1とし、警報解除レベルL1’を警報設定レベルL1より10%〜20%低いヒステリシスレベル△L1分以下のレベルに設定する。
また、一過性ガスに対しては、そのガスの判定レベルを警報遅延判定レベルL2(>L1)とする。
【0023】
このレベル設定により、警報判定機能6cは、通常モードにおいてセンサ出力が警報判定レベルL1を越し、予め設定した一過性ガス判定時間T1’’(2秒)以内に警報遅延判定レベルL2に至ったことを判定したならば、検知したガスを一過性ガスと判定し、センサ出力が警報遅延判定レベルL2に至った時点から警報発生遅延時間T2’’後に警報を発生する。
【0024】
次に、本実施の形態のマイコン回路6に係る早期警報解除処理を図5のフローチャートに従って説明する。
先ず、装置の電源ONが判定されると(ステップS1)、初期化処理として図4に示す様に、警報設定レベルL1を45mV程度、通常モード時の警報解除レベルL1’を警報設定レベルL1よりヒステリシスレベル△L1以下の40mV程度、一過性ガス判定時の警報遅延判定レベルL2を55mV程度、一過性ガス判定時間T1’’を2秒程度、一過性ガス判定時の警報発生遅延時間T2’’を18秒程度、通常モード時の警報発生遅延時間T1’を10秒程度に設定する(ステップS3)。
【0025】
次に、図7に示すように点検モードより通常モードに移行するまでの30分を計時する(ステップS5)。30分経過したか否かを判定し(ステップS7)、経過していなければ点検モードとする(ステップS9)。この点検モードの間はガスセンサSEに点検用ガスを吹き付けてガス漏れを疑似的に発生させて装置の警報動作を点検することができる。
【0026】
30分の経過により点検モード期間が終わり通常モード移行したならば、警報判定機能6cはガス検出回路3よりセンサ出力レベルLsを読み込み、センサ出力レベルLs≧警報設定レベルL1か否かを判定する(ステップS13)。ここで、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1より小さいと判定されたならば、ガス漏れは発生していないと判断しステップS11に戻、ガス漏れ検知を続行する。
【0027】
センサ出力レベルLsを読み込み、センサ出力レベルLs≧警報設定レベルL1であると判定されたならば(ステップS13)、一過性ガス判定時間T1’’に向けて計時動作を行いながら(ステップS15)、センサ出力レベルLs≧ヒステリシス解除レベルL2か否かを判定する(ステップS17)。センサ出力レベルLsがヒステリシス解除レベルL2より小さいと判定されたならば、ステップS11に戻り再度計時動作およびセンサ出力レベルLsと警報遅延判定レベルL2との比較を繰り返す。
【0028】
センサ出力レベルLs≧警報遅延判定レベルL2であることが判定されたならば、計時結果Tを読みだし、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1より警報遅延判定レベルL2に至った時間が一過性ガス判定時間T1’’より短いか否かを判定する(ステップS19)。
【0029】
ここで、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時間T1’’以上の時間をかけて警報遅延判定レベルL2に至ったと判定されたならば、低濃度のプロパンガス等のガス漏れを判定し、警報解除レベルL1’を設定する共に警報発生遅延時間T1’を設定する(ステップS21)。次にスイッチング機能6aを動作させてランプ7を点滅表示させる。
【0030】
点滅表示が開始されたならば、計時動作を行い(ステップS23)、計時された時間Tが警報発生遅延時間T1’に至ったかを判定し(ステップS25)、この時、今だにセンサ出力レベルが警報設定レベルL1を越えていたならば、ブザー発振機能6fを動作させてランプ点滅と共に、警報ブザー8を断続鳴動さて警報を発生し(ステップS27)、更に外部出力遅延時間T2’後に外部出力遅延機能6dから外部出力回路5へ外部出力信号を出力してその動作をONさせ、ガスメータに弁遮断開始信号を出力する。
【0031】
警報発生後、センサ出力レベルLsを読み込み(ステップS29)、センサ出力レベルLS≦警報解除レベルL1’か否かを判定する(ステップS31)。ここで、センサ出力レベルLsが警報解除レベルL1’より大きいことが判定されたならば、警報を発生し続け、更にセンサ出力レベルLsを読み込む(ステップS29)。最終的にガスメータの弁が遮断されてガス供給の停止により、センサ出力レベルLs≦警報解除レベルL1’であることが判定されたならば警報を解除する(ステップS33)。
【0032】
しかし、ステップS19において、センサ出力レベルLsが警報設定レベルL1から警報遅延判定レベルL2に一過性ガス判定時間T1’’以内に至ったと判定されたならば、高濃度の一過性ガスがガスセンサSEに吹き付けられたものと判定し、一過性ガス判定時の警報発生遅延時間T2’’を設定する(ステップS35)。
【0033】
一過性ガス判定時の警報発生遅延時間T2’’を設定後に、計時動作を行い(ステップS37)、計時された時間Tが一過性ガス判定時の警報発生遅延時間T2’’に至ったか否かを判定し、至っていなければステップS37へ戻る。しかし、至ったことが判定されたならば、警報を発生する(ステップS41)。
【0034】
この様に検知されたガスが一過性ガスの場合は、ガス漏れ誤警報の機会を延ばす。
尚、上記説明では、一過性ガス判定時点より一過性ガス判定時の警報発生遅延時間T2’’を経過した時点で警報を発生させたが、センサ出力レベルLsが一過性ガス判定時の警報発生遅延時間T2’’に至るまでにガス無検出レベル(エアーベース)である30mVに低下したときに警報発生動作を無効としてもよい。
また、一過性ガス判定時には警報発生までの時間を無限に遅延して警報発生動作を無効としてもよい。
更に、一過性ガス判定時における警報発生までの時間を任意に設定してもよい。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ガスセンサを含むガス検出手段1−1と、このガス検出手段1−1の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段1−2と、前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れ判定するガス漏れ判定手段1−3と、前記ガス漏れ判定の結果、警報遅延手段1−4で設定された遅延時間後にガス漏れ警報を発生する警報発生手段1−5と、前記センサ出力値が所定値以下に低下した時に前記警報発生手段1−4に対して警報を解除する警報解除手段1−6と、前記ガス漏れ判定手段1−3によるガス漏れ判定時に、前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスであるか判定する一過性ガス判定手段1−7と、前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスでないと前記一過性ガス判定手段1−7により判定された時に、低濃度のプロパンガス等のガス漏れに対応した警報発生遅延時間を前記遅延時間として設定すると共に、前記ガス検出手段1−1が検出したガスが一過性のガスであると前記一過性ガス判定手段1−7により判定された時に、一過性ガス判定時の警報発生遅延時間を前記遅延時間として設定することで、一過性ガスであることが判定された時に警報遅延手段1−4で設定された遅延時間を延長して前記警報発生手段1−4からの警報発生を延長させる遅延時間変更手段1−8とを備えたことで、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−7に判定されたならば、遅延時間変更手段1−8を機能させ警報遅延手段1−4に対して警報発生を遅延させることで、一過性ガス検知によるガス漏れの誤警報の機会を減らすことで、誤警報を聞かされる煩わしさを低減できるという効果がある。
【0036】
請求項2の発明によれば、一過性ガスは高濃度でありセンサ出力値は急峻に上昇するため、ガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間をセンサ出力値が所定時間以内で上昇した時に一過性ガスを判定することで、ガス漏れ検知対象ガスと一過性ガスとの弁別を早期に、しかも容易に行える共に、警報の早期解除処理へ早期に移行できるという効果がある。
【0037】
請求項3の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−7にて判定されたならば、遅延時間変更手段1−8は警報遅延手段1−4に対して警報発生動作を無効にし、一過性ガス検知によるガス漏れの誤警報を防止することで、警報動作に対する装置の信頼性が向上するという効果がある。
【0038】
請求項4の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−7にて判定されたならば、遅延時間変更手段1−8は設定された警報発生遅延時間の間にセンサ出力値が所定値以下に低下した時に警報発生動作を無効にすることで、警報動作および警報解除処理を省くことができるため装置全体の処理を簡素化できるという効果ある。
【0039】
請求項5の発明によれば、検知したガスが一過性ガスであることが一過性ガス判定手段1−7にて判定されたならば、遅延時間変更手段1−8は警報発生までの時間を任意に設定することで、警報発生時点から一過性ガスの検知を判断することができるため、検知対象のガス漏れ判定による警報と一過性ガス検知による警報とを容易に区別できる使い勝手に優れた装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係るガス漏れ警報装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明に係るガス漏れ警報装置の概要を示す図である。
【図3】図3は本発明に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性を示した図である。
【図4】図4は図3に示すセンサ出力特性を、本発明の実施の形態1に係るガス漏れ警報装置のセンサ出力特性に各設定レベルを付加して書き換えたセンサ出力特性を示す図である。
【図5】図5は本実施の形態1のガス漏れ警報装置におけるガス漏れ警報解除処理を説明するフローチャートである。
【図6】図6は従来のガス漏れ警報装置の概要を示す図である。
【図7】図7は点検モード時における各遅延時間の配分を示したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1−1 ガス検出手段
1−2 センサ出力演算手段
1−3 ガス漏れ判定手段
1−4 警報遅延手段
1−5 警報発生手段
1−6 警報解除手段
1−7 一過性ガス判定手段
1−8 警報解除手段
Claims (5)
- ガスセンサを含むガス検出手段と、
このガス検出手段の検出信号よりセンサ出力値を演算するセンサ出力演算手段と、
前記演算されたセンサ出力値よりガス漏れ判定するガス漏れ判定手段と、
前記ガス漏れ判定の結果、警報遅延手段で設定された遅延時間後にガス漏れ警報を発生する警報発生手段と、
前記センサ出力値が所定値以下に低下した時に前記警報発生手段に対して警報を解除する警報解除手段と、
前記ガス漏れ判定手段によるガス漏れ判定時に、前記演算されたセンサ出力値の変化率より前記ガス検出手段が検出したガスが一過性のガスであるかを判定する一過性ガス判定手段と、
前記ガス検出手段が検出したガスが一過性のガスでないと前記一過性ガス判定手段により判定された時に、低濃度のプロパンガス等のガス漏れに対応した警報発生遅延時間を前記遅延時間として設定すると共に、前記ガス検出手段が検出したガスが一過性のガスであると前記一過性ガス判定手段により判定された時に、一過性ガス判定時の警報発生遅延時間を前記遅延時間として設定することで、一過性ガスであることが判定された時に前記警報遅延手段で設定された遅延時間を延長して前記警報発生手段からの警報発生を延長させる遅延時間変更手段とを備えたことを特徴とするガス漏れ警報装置。 - 一過性ガス判定手段は、前記センサ出力値が予め設定したガス漏れ判定用の第1の設定値とこの第1の設定値より高く設定した第2の設定値との間を所定時間以内で上昇した時に一過性ガスであることを判定することを特徴とする請求項1に記載のガス漏れ警報装置。
- 前記遅延時間変更手段は、警報発生手段に対して警報発生動作を無効にすることを特徴とする請求項1に記載のガス漏れ警報装置。
- 前記遅延時間変更手段は、警報発生遅延時間中に前記センサ出力値が所定値以下に低下した時に前記警報発生手段に対して警報発生動作を無効にすることを特徴とする請求項1に記載のガス漏れ警報装置。
- 前記遅延時間変更手段は、遅延時間を任意に変更することを特徴とする請求項1に記載のガス漏れ警報装置。
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