JP3827187B2 - レベリングバルブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鉄道車両および自動車の懸架装置として車体と台車枠との間に装着した空気ばねが車体荷重の増減によってその高さが変わると、車体と台車枠との間隔の増減を自動的に調節して、車体を常に一定の高さに維持する空気ばねの高さ制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の空気ばねの高さを制御する懸架装置Dは、図6に示すように、車体11と台車枠12との間に装着され、車体11の荷重の増減による車体11の高さの変化を連結棒13、レバー14を介して高さ制御弁Vに伝えて、高さ制御弁Vよりの圧縮空気を空気ばね15に供給して、車体11と台車枠12との間に生じた高さの変化を自動的に調節し、常に車体11を一定の高さに維持させるようにしている。
【0003】
高さ制御弁Vは、主に中央部の緩衝ばね部a、上部のエアバルブ部b、下部のオイルダンパ部cとからなり、その詳細は、図7に示すように、緩衝ばね部aは、軸16に図示しないスイングアームが固定され、作動アーム18は、軸16に対して自由に回転し得るようになっており、軸16と同心に緩衝ばね19に初期荷重が与えられた状態で組み込まれ、スイングアームと作動アーム18に同時に接触している。
【0004】
エアバルブ部bは、バルブケース20内に納められたエアバルブv1,v2(給気弁、排気弁)が作動アーム18に対して設けられ、給気弁v1の低圧側と排気弁の高圧側(空気ばね側)とはバルブケース20内を貫通する図示しない通路により連絡され、その通路の中間に不還弁chが設けられている。
【0005】
オイルダンパ部cは、片利きダンパ形式を採用しているため、ピストン21内部にノンリタンバルブnvが設けてあり、車体11の変位は、作動アーム18の図示しないローラを介して伝えられ、ノンリタンバルブnvに設けられるオリフィスfの減衰抵抗により時間遅れを与えるようになっている。
【0006】
そして、車両が走行中に発生する上下動や振動により車体11と台車枠12に装着された空気ばね15が伸縮し、連結棒13、レバー14を介して自動高さ制御弁Vに変位が伝えられると、ノンリタンバルブnvに設けられたオリフィスfにより発生する油圧抵抗による時間遅れのため、車体11の上下動、振動変位を直接給排弁v1,v2に伝えられることなく緩衝ばね19のみが圧縮され、給排弁v1,v2は作動することなく、圧縮空気の出入りは行なわれない。
【0007】
そして、車体11の荷重が静的に増加した場合、空気ばね15が撓み、荷重と釣り合うまで車体11が沈下するため、レバー14が上方に押し上げられ、スイングアームが回転し、このため緩衝ばね19が捩れ、ばね19の復元力によりオイダンパ部cに発生する油圧抵抗と釣り合いながら、作動アーム18が回転し、一定時間後に給気弁v1が開き、図示しない空気溜めからの圧縮空気が不還弁chを開いて、バルブケース20に貫通している図示しない通路を通り、空気ばね15に供給され、空気ばね15が一定の高さに復元すると、レバー14がバルブケース20に対して中立位置に戻り、給気弁v1が閉じられ、圧縮空気の供給は停止するようになっている。
【0008】
さらに、車体1の荷重が静的に減少した場合、空気ばね15が伸び、車体11が上昇し、このため、レバー14が引き下げられ、荷重が増加した場合とは逆に一定時間後に排気弁v2が開かれ、空気ばね15内の圧縮空気が排気されて、空気ばね15が一定の高さに復元すると、レバー14がバルブケース20に対して中立位置に戻り、空気ばね15内からの圧縮空気の排気は停止するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の高さ制御弁にあっては、部品点数が多く、機構が複雑で、加工、組み立て工数が嵩み、コスト高となり、また、回路が複雑となっているために鋳物を使用しているが、鋳物による不良が多く、しかも、重量が重いと言う問題があり、さらに、弁の作動を安定化させるために不感帯、時間遅れ防止機構等を有しており、不感帯はシムで調整し、時間遅れは、シリコンオイルでダンピングさせるように調整するために、調整が大変面倒であり、また、連結棒からの入力をエアバルブの往復運動に変換しているため、機構が複雑になり、性能調整も難しいと言う問題があった。
【0010】
そこで、この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、機構を簡素化し、部品点数、加工、組み立て工数を低減して低コストが図れ、しかも、調整を必要とせずに高性能を維持できる空気ばねの高さを調節するレベンリングバルブを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する為、第1の発明では、車両の車体と台車枠との間に空気ばねと並列に装着し、車体の荷重の増減時に上記空気ばね内に圧縮空気を供給させ又は排出させて車体の高さを常に一定の高さに維持させるレベリングバルブにおいて、筒体と、筒体の前後を密封するよう締結される前後蓋と、前蓋に設けたシール部材及びベアリングと後蓋に設けたベアリングとに支承されて筒体の第1,2の小径部と大径部内を移動可能に嵌挿されて前蓋より突出するロッドと、ロッドの端に伸縮可能に取付けられる取付具と、ロッドに設けられる第1,2の拡径部と、第1の拡径部と第2の拡径部間にシール部材でシールされて摺動可能に嵌挿される第1,2の弁体と、第1の弁体と第2の弁体間に逆方向に付勢するように装着するばねと、第1の弁体と第2の弁体を着座させる筒体の第1,2の段部に装着するシート部材と、筒体の第1の小径部を外部の圧縮空気源に連通させる給気ポートと、第2の小径部を大気中に開放させる排気ポートと、大径部を上記空気ばね内に連通させる供給ポートとを備え、車体の重量の増加時におけるロッドの圧縮方向の移動にあっては第1の拡径部と第1の弁体がばねに抗して係合しながらシート部と第1の弁体とに開口を生じて給気ポートと供給ポートとを連通し、車体の重量の減少時におけるロッドの伸び方向の移動にあっては第2の拡径部と第2の弁体がばねに抗して係合しながらシート部と第2の弁体とに開口を生じて排気ポートと供給ポートとを連通するようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
第2の発明では、前記弁体をロッドの中立状態にあってロッドの拡径部に対して一定のオフセット量を設ける。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明するに、前記従来例と同一の構成要素に対しては同一の名称、符号を付して説明する。
【0014】
この実施の形態に関わる高さ制御弁であるレベリングバルブVを装着した空気ばね懸架装置Dは、図1に示すように、車体11と台車枠12との間に装着され、車体11の荷重の増減による車体11の高さの変化を直接レベリングバルブVに伝えて、レベリングバルブVにより空気ばね15内に圧縮空気を給排して、車体11と台車枠12との間に生じた高さの変化を自動的に調節し、車体を常に一定の高さに維持させるようにしてある。
【0015】
レベリングバルブVは、図2に示すように、1は、筒体で、2は、前蓋、3は後蓋で、筒体1の前後を前蓋2、後蓋3とで図示しないボルト等で締結、密閉されている。
【0016】
筒体1には、第1,2の小径部1a,1b、大径部1c及び第1,2の段部1d,1e等が成形されており、第1の小径部1aには給気ポートp1が、第2の小径部1bには排気ポートp2が、大径部1cには供給ポートp3とがそれぞれ通路1f,1g,1hを介して連通するように設けられ、また、第1,2の段部1d,1eには環状の凹溝1i,1kが設けられ、この環状の凹溝1i,1kに合成ゴム部材等からなる環状のシート部材4が嵌着されている。
【0017】
前蓋2に設けた貫通穴2aにはベアリング5a,シール部材6が、また、後蓋3の穴3aにはベアリング5bが設けられており、これ等のベアリング5a,5b、シール部材6に支承され、前記小径部1a,1b、大径部1c内を摺動自在にロッド7が嵌挿されて、前蓋2より突き出るようになっている。
【0018】
ロッド7には、第1、2の拡径部7a,7bとが設けられ、また、前蓋2より突出する一端側には伸縮自在なターンバックル構造を有する取付具7Aが装着してある。
【0019】
更に、ロッド7にはシール部材8でシールされ摺動可能な第1,2の弁体9a,9bが嵌挿されるとともに、第1の弁体9aと第2の弁体9bとを互いに逆方向に付勢するばね10が装着されており、ロッド7の圧縮方向の移動に伴い第1の拡径部7aと第1の弁体9aとが、また、ロッド7の伸び方向の移動に伴い第2の拡径部7bと第2の弁体9bとがばね10に抗してそれぞれが互いに係合するようになっている。
【0020】
第1の弁体9aは、筒体1の第1の段部1dに設けた環状の溝1iに装着したシート部材4にばね10で付勢され、面接触し、第1の拡径部7aに対して一定のオフセット量e(不感帯域)を保つように着座して、第1の小径部1aと大径部1cとの連通を遮断している。
【0021】
さらに、第2の弁体9bは、筒体1の第2の段部1eに設けた環状の溝1kに装着したシート部材4にばね10で付勢され、面接触し、第2の拡径部7bに対して一定のオフセット量e(不感帯域)を保つように着座して、第2の小径部1bと大径部1cとの連通を遮断している。
【0022】
筒体1に設ける給気ポートp1には、図示しないコンプレッサ等の圧縮空気源とが接続され、第1の小径部1a内に通路1fを介して圧縮空気が供給されるようになっており、また、供給ポートp3には、図示しない管等を介して空気ばね15に接続され、空気ばね15と大径部1cとを連通しており、さらに、排気ポートp2には、通路1gを介して第2の小径部1bと連通し、第2の小径部1bを常に大気中に開放するようにしてある。
【0023】
レベリングバルブVは、ロッド7の一端に設けたターンバックル構造を有する取付具7 Aを図示しないピン等で車体11側に、一方後蓋3にも設けた穴3bに図示しないピン等を嵌挿して台車枠12側に取り付け、中立位置になるように取付具7Aで調節できるようにしてある。
【0024】
次に、その作用について説明するが、今、仮に、車体重量が一定していて変化しない場合は、レベリングバルブVのロッド7は、図3に示すように、中立位置にあって、ロッド7に設けた第1の拡径部7aは第1の弁体9aと係わりなく、一定のオフセット量eを保った位置にあり、このため、第1の弁体9aは、ばね10に付勢されてシート部材4と接触し、着座しており、給気ポートp1に連通する第1の小径部1aと供給ポートp3に連通する大径部1cとの連通を遮断している。
【0025】
一方、ロッド7に設けた第2の拡径部7bは、第2の弁体9bと係わりなく一定のオフセット量eを保った位置にあり、このため、第2の弁体9bは、ばね10に付勢されてシート部材4と接触して着座しており、排気ポートp2に連通する第2の小径部1bと供給ポートp3に連通する大径部1cとの連通を遮断し
、ロッド7の微少な変位(オフセット量e)内にあっては、空気ばね15内の圧力は一定に保たれ、車体の高さを一定に維持している。
【0026】
そして、車体11の重量が増加した場合は、空気ばね15が撓み、荷重と釣り合うまで車体11が沈下して、ロッド7が図中右方向にオフセット量eを超えて移動すると、図4に示すように、ロッド7に設けた第2の拡径部7bは第2の弁体9bから離れ、第2の弁体9bは、ばね10に付勢されてシート部材4に密着したまま排気ポートp2に連通する第2の小径部1bと供給ポートp3に連通する大径部1cとの連通を遮断し続ける一方、ロッド7に設けた第1の拡径部7aは第1の弁体9aと係合し、ばね10に対抗して第1の弁体9aをシート部材4から離間させ、シート部4と第1の弁体9aとの間に開口を生じて、給気ポートp1に連通する第1の小径部1aと供給ポートp3に連通する大径部1cとを経由し、給気ポートp1よりの圧縮空気が空気ばね15に供給され、空気ばね15が変化した荷重に対応するにしたがって、車体11を元の位置に徐々に押上げると、ロッド7も車体11とともに追従して上昇し、ロッド7の第1の拡径部7aに係合した第1の弁体9aもばね10に付勢されながら逆方向に移動して、やがてシート部材4と再び接触して、シート部4と第1の弁体9aとの間に生じた開口を閉鎖するとともに、第1の拡径部7aは、第1の弁体9aから離れ、図3に示したように、第1の拡径部7aと第1の弁体9aとは、一定のオフセット量e内の中立位置に戻り、供給ポートp3と給気ポートp1とが遮断され、車体11の高さを元の一定の高さに保つようにしている。
【0027】
また、車体11の重量が減少した場合は、空気ばね15が変化した荷重に対応するにしたがって伸張し、荷重と釣り合うまで車体11が上昇し、ロッド7が図中左方向にオフセット量eを超えて移動すると、図5に示すように、ロッド7に設けた第1の拡径部7aは第1の弁体9aから一段と離れ、第1の弁体9aは、ばね10に付勢されてシート部材4に密着し、給気ポートp1に連通する第1の小径部1aと供給ポートp3に連通する大径部1cとの連通を閉鎖し続ける一方、ロッド7に設けた第2の拡径部7bは、第2の弁体9bに係合し、第2の弁9bをばね10に対抗してシート部材4から離間し、シート部4と第2の弁体9bとの間に開口を生じて、排気ポートp2に連通する第2の小径部1bと供給ポートp3に連通する大径部1cとを経由し、空気ばね15内の圧縮空気が大気中に排気されて、空気ばね15が変化した荷重に対応するにしたがって、車体11を元の位置に徐々に押し下げると、ロッド7も車体11とともに追従して下降し、ロッド7の第2の拡径部7bに係合した第2の弁体9bもばね10に付勢されながら逆方向に移動し、シート部材4と再び接触し、シート部4と第2の弁体9bとの間に生じた開口を閉鎖し、図3に示したように、第2の拡径部7bと第2の弁体9bとは、一定のオフセット量e内の中立位置に戻り、供給ポートp3と排気ポートp2との連通が遮断され、車体11の高さを元の一定の高さに保つようになっている。
【0028】
このように、筒体1の前後を密封するよう締結される前後蓋2,3と、前蓋2に設けたシール部材6,ベアリング5aと後蓋3に設けたベアリング5bとに支承されて筒体1の第1,2の小径部1a,1bと大径部1c内を移動可能に嵌挿されて前蓋2より突出するロッド7と、ロッド7の端に伸縮可能に取付けられる取付具7Aと、ロッド7に設けられる第1,2の拡径部7a,7bと、この第1の拡径部7aと第2の拡径部b間にシール部材8でシールされて摺動可能に嵌挿される第1,2の弁体9a,9bと、第1の弁体9aと第2の弁体9b間に逆方向に付勢するように装着するばね10と、第1の弁体9aと第2の弁体9bを着座させる筒体1の第1,2の段部1d,1eに装着するシート部材4と、筒体1の第1の小径部1aに連通する給気ポートp1と、第2の小径部1bに連通する排気ポートp2と、大径部1cに連通する供給ポートp3とを備え、ロッド7の圧縮方向の移動にあっては第1の拡径部7aと第1の弁体9aがばね10に抗して係合しながらシート部4と第1の弁体9aとに開口を生じて給気ポートp1と供給ポートp3とを連通し、ロッド7の伸び方向の移動にあっては第2の拡径部7bと第2の弁体9bがばね10に抗して係合しながらシート部4と第2の弁体9bとに開口を生じ、排気ポートp2と供給ポートp3とを連通するようにたから、部品点数が少なくなり、機構が大変簡素化でき、加工、組み立て工数が大幅に軽減でき、コストダウンが図れ、また、回路が単純となり、本体に鋳物を使用する必要がなくなり、重量も軽くなり、さらに、弁の作動を安定化させるための時間遅れ防止機構を要さないから、時間遅れを調節することもなくなり、また、車体11と台車枠12との相対変位を直接レベリンバルブVのロッド7の直線運動により変換するようにしたため、複雑なリンク機構も必要とせず、しかも、高性能を維持することができる。
【0029】
また、弁体9a,9bをロッドの中立状態にあって、ロッド7の拡径部7a、7bに対して一定のオフッセト量eを設けるようしたので、オフセット量e内でバランスを保てるようになり、安定した作動が得られる。
【0030】
そして、前記した実施の形態において、第1の拡径部7aおよび第2の拡径部7bの軸方向長さを、また、第1の拡径部7aが臨在する第1の小径部1aおよび第2の拡径部7bのが臨在する第2の小径部1bの軸方向長さが長短調整されることにより、いわゆる切換時に空気の流れを制限することが可能になり、切換時のショック発生を防止することが可能になる。
【0031】
前記したところは、この発明のレベリングバルブが車両における車高調整に利用されるものとして説明したが、この発明の意図するところからすれば、このレベリングバルブが防振台あるいは除振台などの空気圧で支持される産業用装置類に利用されるとしても良く、その場合に作用効果が異ならないことはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
第1の発明によれば、筒体の前後を密封するよう締結される前後蓋と、前蓋に設けたシール部材,軸受部材と後蓋に設けた軸受部材とに支承されて筒体の第1,2の小径部と大径部内を移動可能に嵌挿されて前蓋より突出するロッドと、ロッドの端に伸縮可能に取付けられる取付具と、ロッドに設けられる第1,2の拡径部と、ロッドの第1の拡径部と第2の拡径部間にシール部材でシールされて摺動可能に嵌挿される第1,2の弁体と、第1の弁体と第2の弁体間に逆方向に付勢するように装着するばねと、第1の弁体と第2の弁体を着座させる筒体の第1,2の段部に装着するシート部材と、筒体の第1の小径部に連通する給気ポートと、第2の小径部に連通する排気ポートと、大径部に連通する供給ポートとを有し、ロッドの圧縮方向の移動にあっては第1の拡径部と第1の弁体がばねに抗して係合しながらシート部と第1の弁体とに開口を生じ、給気ポートと供給ポートとを連通し、ロッドの伸び方向の移動にあっては第2の拡径部と第2の弁体がばねに抗して係合しながらシート部と第2の弁体とに開口を生じ、排気ポートと供給ポートとを連通するようにしたので、部品点数が少なくなり、機構が大変簡素化でき、加工、組み立て工数が大幅に減り、コストダウンが図れ、また、回路が単純となり、本体に鋳物を使用する必要がなくなり、重量も軽くなり、さらに、弁の作動を安定化させるための時間遅れ防止機構を要さないから、時間遅れを調節することもなくなり、また、車体と台車枠との相対変位を直接レベリンバルブのロッドの直線運動より変換するようにしたため、複雑なリンク機構も必要とせず、しかも、高性能を維持することができる効果がある。
更に、車体の荷重の増減による車体の高さの変化があった時空気ばね内に圧縮空気を給排して、車体と台車枠との間に生じた高さの変化を自動的に調節し、車体を常に一定の高さに維持させることができる。
【0033】
第2の発明によれば、弁体をロッドの中立状態にあってロッドの拡径部に対して一定のオフセット量を設けるようしたので、オフセット量内でバランスを保てるようになり、安定した作動が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すレベリングバルブを装着した懸架装置の正面要部断面図である。
【図2】同じく図1におけるレベリングバルブの正面要部の拡大断面図である。
【図3】同じくレベリングバルブの中立時を説明する正面要部の拡大断面図である。
【図4】同じくレベリングバルブの供給時を説明する正面要部の拡大断面図である。
【図5】同じくレベリングバルブの排気時を説明する正面要部の拡大断面図である。
【図6】従来例を示す空気ばね懸架装置の正面図である。
【図7】同じく図6の空気ばね懸架装置における高さ制御弁の正面断面図である。
【符号の説明】
1 筒体
1a 第1の小径部
1b 第2の小径部
1c 大径部
1d 第1の段部
1e 第2の段部
1f,1g,1h 通路
1i,1j 環状の溝
2 前蓋
2a 貫通穴
3 後蓋
3a 穴
3b 取付穴
4 シート部材
5a,5b ベアリング
6 シール部材
7 ロッド
7a 第1の拡径部
7b 第2の拡径部
7A 取付具
8 シール部材
9a 第1の弁体
9b 第2の弁体
10 ばね
11 車体
12 台車枠
15 空気ばね
p1 給気ポート
p2 排気ポート
p3 供給ポート
e オフセット量
D 懸架装置
V レベリングバルブ
Claims (2)
- 車両の車体と台車枠との間に空気ばねと並列に装着し、車体の荷重の増減時に上記空気ばね内に圧縮空気を供給させ又は排出させて車体の高さを常に一定の高さに維持させるレベリングバルブにおいて、筒体と、筒体の前後を密封するよう締結される前後蓋と、前蓋に設けたシール部材及びベアリングと後蓋に設けたベアリングとに支承されて筒体の第1,2の小径部と大径部内を移動可能に嵌挿されて前蓋より突出するロッドと、ロッドの端に伸縮可能に取付けられる取付具と、ロッドに設けられる第1,2の拡径部と、第1の拡径部と第2の拡径部間にシール部材でシールされて摺動可能に嵌挿される第1,2の弁体と、第1の弁体と第2の弁体間に逆方向に付勢するように装着するばねと、第1の弁体と第2の弁体を着座させる筒体の第1,2の段部に装着するシート部材と、筒体の第1の小径部を外部の圧縮空気源に連通させる給気ポートと、第2の小径部を大気中に開放させる排気ポートと、大径部を上記空気ばね内に連通させる供給ポートとを備え、車体の重量の増加時におけるロッドの圧縮方向の移動にあっては第1の拡径部と第1の弁体がばねに抗して係合しながらシート部と第1の弁体とに開口を生じて給気ポートと供給ポートとを連通し、車体の重量の減少時におけるロッドの伸び方向の移動にあっては第2の拡径部と第2の弁体がばねに抗して係合しながらシート部と第2の弁体とに開口を生じて排気ポートと供給ポートとを連通するようにしたことを特徴とするレベリングバルブ。
- 前記弁体をロッドの中立状態にあってロッドの拡径部に対して一定のオフセット量を設けるようしたことを特徴とする請求項1に記載のレベリングバルブ。
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1998
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