JP5869366B2 - レベリングバルブ - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に用いられる空気ばねの高さを調整するレベリングバルブに関するものである。
鉄道車両の空気ばねに圧縮空気を供給し、あるいは空気ばねから圧縮空気を排出することで、鉄道車両の車体を一定の高さに維持するレベリングバルブが特許文献1に開示されている。
この種のレベリングバルブは、車体の荷重が増加して車体が台車に対して沈み込むと、コンプレッサから空気ばねに圧縮空気を供給して車体の高さを上昇させる。一方、車体の荷重が減少して車体が台車から浮き上がると、空気ばねの圧縮空気を大気中に排出することで、車体の高さを下降させる。
鉄道車両は台車に対する車体の相対変位に応じて回動するレバーを備えている。レベリングバルブは、空気ばねに連通する空気ばね通路をレバーの回動方向に応じてコンプレッサ又は排気通路に選択的に接続する。
ところで、鉄道車両の線路の曲線区間では、車両に加わる遠心力を打ち消すために、軌道にカントと呼ばれる傾斜が付けられており、外側のレールが内側のレールよりも高くなっている。傾斜の付いた曲線区間と平坦な直線区間との間には、軌道の傾斜量が徐々に変化する緩和曲線区間が存在する(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−179717号公報 特開2007−269076号公報
緩和曲線区間の出口側では、軌道の傾斜量が徐々に小さくなっているため、車両外側の台車の高さは軌道に沿って徐々に低くなる。これにより、車両外側では台車と車体の相対変位が大きくなるため、車両外側に設置された空気ばねのレベリングバルブが作動して空気ばねから空気が排出される。このため、車両外側では、車輪に作用する垂直方向の荷重である輪重が小さくなる。
特に、車両が曲線区間を低速で走行する場合には、空気ばねから空気が排出され易く、輪重が極端に小さくなる輪重抜けが発生し易い。輪重抜けが発生すると、車両の横方向に作用する横力が相対的に大きくなるため、脱線し易い状態となる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、輪重抜けの発生を防止することができるレベリングバルブを提供することを目的とする。
本発明は、鉄道車両の車体と台車の間に設けられる空気ばねの高さを調整するレベリングバルブであって、前記台車に対する前記車体の相対変位に応じて回転する作動アームと、前記空気ばねに連通して形成され、前記作動アームの回転方向に応じて圧縮空気源又は排気通路に選択的に接続される空気ばね通路と、前記作動アームが中立位置から一方向へ所定角度以上回転することによって開弁して前記空気ばね通路に前記圧縮空気源を接続する給気弁と、前記作動アームが中立位置から他方向へ所定角度以上回転することによって開弁して前記空気ばね通路に前記排気通路を接続する排気弁と、を備え、前記排気弁は、前記作動アームの回転に伴って移動して開弁する第1弁体と、前記作動アームの回転に伴って移動して前記第1弁体の開弁後に開弁する第2弁体と、前記第1弁体と直列にかつ前記第2弁体と並列に設けられ、通過する空気の流れに抵抗を付与する絞り通路と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、排気弁は時間差で開弁する第1弁体と第2弁体を備えるため、排気弁の開弁初期段階では、空気ばねの空気は絞り通路を通過して第1弁体から排出される。したがって、緩和曲線区間の出口側にて、車両外側の車体と台車の相対変位が大きくなる場合であっても、空気ばねから空気が一気に排出されることがなく、輪重抜けの発生を防止することができる。
本発明の実施形態に係るレベリングバルブの取付図である。 本発明の実施形態に係るレベリングバルブの断面図である。 排気弁の拡大図である。 給気弁及び排気弁の流量特性を示すグラフ図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るレベリングバルブ100の概要について説明する。
レベリングバルブ100は、鉄道車両の車体1と台車2の間に設けられる空気ばね3の高さを調整して、車体1を一定の高さに維持する機能を有するものである。
レベリングバルブ100は車体1と台車2の間に亘って装着される。具体的には、レベリングバルブ100は、車体1に取り付けられ、レバー4と連結棒5を介して台車2に連結される。車体1の荷重変化により空気ばね3が伸縮して車体1の高さが変化すると、この変化が連結棒5及びレバー4を介してレベリングバルブ100に伝えられる。
車体荷重が増加して空気ばね3がたわんだ場合には、レバー4が中立位置から上方に押し上げられ(図1中矢印A方向への回転)、それに伴ってレベリングバルブ100の給気弁31(図2参照)が開弁し、空気ばね3に連通する空気ばね通路6と圧縮空気源としてのコンプレッサ7が連通する。これにより、コンプレッサ7からの圧縮空気が空気ばね3へ供給される。空気ばね3が一定の高さに復元すると、レバー4が中立位置に戻ってレベリングバルブ100の給気弁31が閉弁し、圧縮空気の供給が遮断される。
一方、車体荷重が減少して空気ばね3が伸びた場合には、レバー4が中立位置から下方に引き下げられ(図1中矢印B方向への回転)、それに伴ってレベリングバルブ100の排気弁32(図2参照)が開弁し、空気ばね通路6と排気通路8が連通する。排気通路8は大気に連通しているため、空気ばね3の圧縮空気は大気へ排出される。空気ばね3が一定の高さに復元すると、レバー4が中立位置に戻ってレベリングバルブ100の排気弁32が閉弁し、圧縮空気の排出が遮断される。
このように、レベリングバルブ100は、車体1と台車2の間に生じた相対変位を自動的に調節して、車体1を一定の高さに維持する。
次に、主に図2及び図3を参照して、レベリングバルブ100について詳しく説明する。
レベリングバルブ100は、中央部に配置される緩衝ばね部20と、上部に配置される給気弁31及び排気弁32と、下部に配置されるダンパ60とを備える。
緩衝ばね部20は、軸21に固定されるスイングアーム(図示せず)と、軸21に対して回転自由な作動アーム22と、軸21に同心に初期荷重が与えられた状態で組み込まれスイングアームと作動アーム22に同時に接触して配置された緩衝ばね23とを備える。レバー4の回転は、スイングアーム及び緩衝ばね23を介して作動アーム22に伝達される。つまり、作動アーム22はレバー4の回転に伴って回転する。
給気弁31と排気弁32は、作動アーム22の先端側を中心として対称に配置され、バルブケース11内に納められる。レベリングバルブ100は、空気ばね3に対する圧縮空気の給排が禁止される不感帯を設けるために、作動アーム22が中立位置から回転しても給気弁31及び排気弁32が直ぐには開弁されないように、作動アーム22と給気弁31,排気弁32との間に隙間を有している。これにより、作動アーム22の所定角度未満の回転に対して、空気ばね3に対する圧縮空気の給排を禁止することができるため、給気弁31及び排気弁32のハンチングを防止することができる。
ダンパ60は、作動アーム22の基端側にローラを介して連結され作動アーム22の回転に伴って移動するピストン61を備える。ピストン61は、バルブケース11内に形成された油室12中に浸漬して配置される。油室12内には一対のシリンダ部62a,62bが対向して形成され、ピストン61の両端部はそれぞれシリンダ部62a,62bに摺動自在に挿入される。バルブケース11にはシリンダ部62bに連通する開口部11aが形成され、開口部11aはキャップ13にて閉塞される。
ピストン61の両端部には円筒部63a,63bが形成され、円筒部63a,63bとシリンダ部62a,62bとによって第1ダンパ室64a,第2ダンパ室64bが画成される。
ピストン61には、第1ダンパ室64a及び第2ダンパ室64bの内部と油室12とを連通する連通路65a,65bが形成される。第1ダンパ室64a及び第2ダンパ室64bのそれぞれの内部には、通過する作動油の流れに抵抗を付与するオリフィス69a,69bが形成されたノンリターンバルブ66a,66bと、円筒部63a,63bの内周面に支持されたリング状のばね受け部材67a,67bと、ノンリターンバルブ66a,66bとばね受け部材67a,67bとの間に圧縮して配置され連通路65a,65bを閉じる方向にノンリターンバルブ66a,66bを付勢するスプリング68a,68bとが設けられる。
バルブケース11には、ピストン61の移動に応じて油室12と第1ダンパ室64a,第2ダンパ室64bとを連通する逃がし通路70a,70bが形成される。逃がし通路70a,70bは、作動アーム22が中立位置にある場合には、ピストン61の円筒部63a,63bによって閉じられる。
作動アーム22が図2中矢印A方向に回転するのに伴ってピストン61が図2中右側に向かって移動すると、第2ダンパ室64bは収縮するため、内部の作動油がノンリターンバルブ66bのオリフィス69bを通じて油室12へ排出され、その際に油圧抵抗が発生する。一方、第1ダンパ室64aは膨張して内部が負圧となるため、ノンリターンバルブ66aがスプリング68aの付勢力に抗して移動して開き、油室12から連通路65aを通じて作動油が第1ダンパ室64a内に補給される。このようにしてピストン61は移動する。
また、作動アーム22が中立位置に戻るのに伴ってピストン61が図2中左側に向かって移動する際には、収縮する第1ダンパ室64a内の作動油は逃がし通路70aを通じて油室12へ排出されるため、ピストン61は抵抗なく移動する。
このように、ダンパ60は、作動アーム22が中立位置から回転する際には作動アーム22の回転動作に抵抗を付与する一方、作動アーム22が中立位置に戻る際には作動アーム22に抵抗を付与しない。
次に、給気弁31及び排気弁32について説明する。
給気弁31と排気弁32の構成は同じであるため、以下では主に排気弁32について説明する。なお、給気弁31と排気弁32における同一の構成には同一の符号を付す。
バルブケース11には、一端がバルブケース11の外面に開口すると共に他端が油室12に開口する一対のバルブ収納孔11bが形成される。給気弁31及び排気弁32のそれぞれはバルブ収納孔11bに収納される。
排気弁32は、バルブ収納孔11b内に締結される略円筒状のスリーブ33と、スリーブ33内に摺動自在に配置され作動アーム22の回転に伴って移動する第1弁体34と、スリーブ33内に摺動自在に配置され作動アーム22の回転に伴って移動し第1弁体34の開弁後に開弁する第2弁体35とを備える。
図3に示すように、スリーブ33の軸心には、油室12側から順に、第1穴33a、第1穴33aと比較して大径の第2穴33b、第2穴33bと比較して大径の第3穴33cと、第3穴33cと比較して大径の第4穴33dと、第4穴33dと比較して大径の第5穴33eとが直列に連通して形成される。
スリーブ33の外周面の一部にはおねじ部33fが形成され、このおねじ部33fをバルブ収納孔11bの内周に形成されためねじ部11cに螺合させることによって、スリーブ33はバルブ収納孔11b内に締結される。また、スリーブ33の外周には、径方向に延びる鍔部33gが形成され、この鍔部33gがバルブケース11の外周面にワッシャ15を介して当接することによって、スリーブ33はバルブ収納孔11b内に位置決めされる。
スリーブ33におけるバルブケース11からの突出部の外周には、ねじ部33hが形成される。排気弁32のねじ部33hには空気ばね通路6が締結され、給気弁31のねじ部33hにはコンプレッサ7に連通する連通路9(図1参照)が締結される。
第2穴33bと第3穴33cの境界段部には第1弁体34が着座又は離間する第1弁座36aが形成され、第3穴33cと第4穴33dの境界段部には第2弁体35が着座又は離間する第2弁座36bが形成される。
第1弁体34は、スリーブ33の第1穴33aに沿って摺動する摺動部34aと、摺動部34aと比較して大径に形成され第1弁座36aを開閉する弁体部34bとからなる。摺動部34aと弁体部34bとの境界段部には、第1弁座36aに着座して圧縮空気の流れを遮断する一方、第1弁座36aから離間して圧縮空気の流れを許容するシート部34cが第1弁体34の径方向に平らに形成される。
スリーブ33の第3穴33cの内周面には、リング状のばね受け部材38が支持される。ばね受け部材38と第1弁体34の弁体部34bとの間には、第1弁体34を閉弁方向に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング39が圧縮状態で設けられる。なお、ばね受け部材38とコイルスプリング39との間にはリング状のワッシャ40が介装され、ワッシャ40の厚さ又は個数によって、コイルスプリング39の初期荷重が設定される。弁体部34bは、ワッシャ40及びばね受け部材38を挿通し、端部が第2弁体35に対峙する。
第1弁体34の摺動部34aは、一部が油室12中に突出し、シート部34cが第1弁座36aに着座した状態では、先端部が作動アーム22と所定の隙間を有して対峙する。作動アーム22が中立位置から所定角度以上回転した場合には、作動アーム22が摺動部34aの先端部に当接する。そして、第1弁体34は、作動アーム22の回転に伴ってコイルスプリング39の付勢力に抗して移動してシート部34cが第1弁座36aから離間することによって開弁する。
第2弁体35は、スリーブ33の第4穴33dに沿って摺動する略円筒状の摺動部35aと、第2弁座36bを開閉する平板状の弁体部35bとからなる有底筒状部材である。弁体部35bの底面35cは第2弁体35の径方向に平らに形成され、底面35cの外周縁は、第2弁座36bに着座して圧縮空気の流れを遮断する一方、第2弁座36bから離間して圧縮空気の流れを許容するシート部35dとして形成される。
スリーブ33の第5穴33eには、軸心に貫通路42aを有するばね受け部材42が圧入され、ばね受け部材42は第4穴33dと第5穴33eの境界の段部に係合して設けられる。ばね受け部材42と第2弁体35の弁体部35bとの間には、第2弁体35を閉弁方向に付勢する付勢部材としてのコイルスプリング43が圧縮状態で設けられる。
第2弁体35は、作動アーム22の回転に伴う第1弁体34の移動に伴って移動して開弁する。しかし、第1弁体34及び第2弁体35の閉弁状態では、第1弁体34の弁体部34bと第2弁体35の底面35cとの間には所定の隙間が存在する。したがって、作動アーム22の回転に伴って第1弁体34が移動を開始しても第2弁体35は直ぐには移動しない。第2弁体35は、第1弁体34が所定距離移動することによって第1弁体34に押圧され、コイルスプリング43の付勢力に抗して移動してシート部35dが第2弁座36bから離間することによって開弁する。
スリーブ33内には、第2穴33bと第1弁体34の摺動部34aとで区画された第1気室45と、第3穴33cと第1弁体34の弁体部34bと第2弁体35の弁体部35bとで区画された第2気室46と、第4穴33dと第2弁体35の外周とで区画された第3気室47と、第4穴33dと第2弁体35とばね受け部材42とで区画された第4気室48と、ばね受け部材42の貫通路42aを通じて第4気室48と連通し空気ばね通路6を通じて空気ばね3と常時連通している第5気室49とが設けられる。なお、給気弁31の第5気室49は、コンプレッサ7に常時連通している。
第2弁体35の摺動部35aには、第4気室48と第3気室47とを連通する連通路51が形成される。
スリーブ33には、第3気室47に連通する高圧ポート52と、第2気室46に連通する絞り通路としての絞りポート53と、第1気室45に連通する低圧ポート54とが、スリーブ33の内外周面を貫通して形成される。絞りポート53は、第1弁体34と直列にかつ第2弁体35と並列に設けられ、通過する空気の流れに抵抗を付与する。
高圧ポート52と絞りポート53は、バルブケース11に形成された第1環状通路56を通じて常時連通している。低圧ポート54は、バルブケース11に形成された第2環状通路57に常時連通している。
給気弁31の第2環状通路57と排気弁32の第1環状通路56とは、バルブケース11に形成された連絡通路(図示せず)を通じて連通している。つまり、給気弁31の低圧ポート54と排気弁32の高圧ポート52とは、連絡通路を通じて連通している。その連絡通路の途中には、給気弁31の低圧ポート54から排気弁32の高圧ポート52への圧縮空気の流れのみを許容する逆止弁(図示せず)が設けられる。また、排気弁32の第2環状通路57は排気通路8に連通している。
次に、図4も参照して、レベリングバルブ100の動作について説明する。図4は、給気弁31及び排気弁32の流量特性を示すグラフ図であり、横軸はレバー4の回転角度、縦軸は空気ばね3に対する圧縮空気の給排流量である。レバー4の回転角度はマイナス(−)側が車体荷重の増加時(レバー4の図1中矢印A方向への回転時)を示し、プラス(+)側が車体荷重の減少時(レバー4の図1中矢印B方向への回転時)を示す。
車両の走行中に発生する振動により車体1と台車2の間に設けられる空気ばね3が伸縮し、連結棒5及びレバー4を介して車体1の振動変位がレベリングバルブ100に伝えられると、ダンパ60のノンリターンバルブ66a,66bのオリフィス69a,69bにて発生する油圧抵抗による作動遅れのため、緩衝ばね23のみが圧縮され、車体1の振動変位が作動アーム22から給気弁31及び排気弁32に伝えられることはない。このように、車体1の荷重が動的に変化した場合には、給気弁31及び排気弁32は作動することなく、空気ばね3に対する圧縮空気の給排は行われない。
車体1の荷重が静的に減少した場合には、空気ばね3が伸び、車体1が上昇する。これに伴い、レバー4が図1中矢印B方向に回転し、スイングアームが回転する。これにより、緩衝ばね23が捩れ、緩衝ばね23の復元力によりダンパ60にて発生する油圧抵抗と釣り合いながら作動アーム22が図2中矢印B方向に回転する。そして、所定時間後に、作動アーム22が摺動部34aの先端部に当接して排気弁32の第1弁体34が開弁する(図4のレバー回転角度:+α°)。
このように、排気弁32は、ダンパ60の作用によってレバー4への変位入力から所定時間後に開弁し、レバー4への変位入力から所定の作動遅れ時間をもって作動する。つまり、ダンパ60は、作動アーム22の回転動作に抵抗を付与し、台車2に対する車体1の相対変位に対して排気弁32に作動遅れを発生させる。作動遅れ時間は、ダンパ60のオリフィス69aの径を調節することによって設定される。
排気弁32が開弁するまでのレバー4の中立位置からの回転角度(図4のレバー回転角度:+α°)は、スリーブ33の鍔部33gとバルブケース11との間に介装されるワッシャ15の厚さ又は個数を調整し、作動アーム22と第1弁体34の先端部との隙間を調節することによって設定される。つまり、排気弁32の不感帯は、ワッシャ15にて設定される。
作動アーム22の回転に伴って排気弁32の第1弁体34が開弁すると、空気ばね3の圧縮空気は、空気ばね通路6、第5気室49、貫通路42a、第4気室48、第2弁体35の連通路51、第3気室47、高圧ポート52、第1環状通路56、絞りポート53、及び第2気室46を通じて第1気室45へと流入し、低圧ポート54、第2環状通路57、及び排気通路8を通じて大気へ排出される。なお、排気弁32の高圧ポート52は給気弁31の低圧ポート54と連絡通路を通じて連通しているが、連絡通路に設けられる逆止弁によって、空気ばね3の圧縮空気が給気弁31側へと流入することはない。
排気弁32の第1弁体34が作動アーム22の回転に伴って所定距離移動すると、第2弁体35が第1弁体34に押圧されて開弁する。第2弁体35が開弁すると、第3気室47と第2気室46が連通するため、空気ばね3の圧縮空気は、絞りポート53を迂回して大気へ排出される。
このように、排気弁32は、時間差で開弁する第1弁体34と第2弁体35を備えると共に、第1弁体34と直列にかつ第2弁体35と並列に設けられた絞りポート53を備えるため、空気ばね3の圧縮空気は、第1弁体34の開弁時には絞りポート53を通じて大気へ排出される一方、第2弁体35の開弁時には絞りポート53を迂回して大気へ排出される。したがって、第2弁体35が開弁するまでは(図4のレバー回転角度:+β°)、絞りポート53にて圧縮空気の流れが制限されるため、排気弁32を通じて排出される排気流量はゆっくり増加する。そして、第2弁体35の開弁後は、絞りポート53を迂回して圧縮空気が流れるため、排気弁32を通じて排出される排気流量は急激に増加する。このように、レバー4のレバー回転角度が+β°を境にして、レバー4の変位入力に対する排気流量の増加割合が大きくなる。つまり、排気流量はレバー4の変位入力に対して2段階で変化し、排気弁32の開弁初期段階では排気が制限される。
第1弁体34が開弁してから第2弁体35が開弁するまで(図4のレバー回転角度:+α°〜+β°の間)の流量特性は、絞りポート53の径を調節することによって設定される。
ここで、第2弁体35及び絞りポート53を有さない従来の排気弁では、図4に点線で示すように、開弁直後から大流量の圧縮空気が流れる。このような特性を有する排気弁では、車両が緩和曲線区間の出口側を走行して車両外側の車体1と台車2の相対変位が大きくなる場合には、空気ばね3の圧縮空気は排気弁の開弁直後に一気に排出される。そのため、車輪に作用する垂直方向の荷重である輪重が極端に小さくなる輪重抜けが発生するおそれがある。輪重抜けが発生すると、車両の横方向に作用する横力が相対的に大きくなるため、脱線し易い状態となる。車両が緩和曲線区間の出口側を高速で走行する場合には、レバー4への変位入力に対する排気弁32の作動遅れによって空気ばね3の圧縮空気は抜け難いが、作動遅れ時間が無視されるような低速で走行する場合には、空気ばね3の圧縮空気が抜け易く、輪重抜けが発生し易い。
しかし、本実施の形態では、排気弁32の開弁初期段階では排気が制限されるため、車両が緩和曲線区間の出口側を走行して車両外側の車体1と台車2の相対変位が大きくなる場合であっても、空気ばね3の圧縮空気はゆっくりと排出されるため、空気ばね3内の圧力が保持される。したがって、輪重抜けの発生が防止されるため、車両の横方向に作用する横力が相対的に大きくなることが防止され、脱線し易い状態が起こり難い。
排気弁32を通じて空気ばね3の圧縮空気が排出されて空気ばね3が一定の高さに復元すると、レバー4が中立位置に戻る。これにより、コイルスプリング39及びコイルスプリング43の付勢力によって第1弁体34及び第2弁体35がそれぞれ第1弁座36a及び第2弁座36bに着座して排気弁32が閉弁し、圧縮空気の排出が遮断される。
上述のように、ダンパ60は作動アーム22が中立位置に戻る際には作動アーム22に抵抗を付与しないため、空気ばね3が一定の高さに復元する速度に対して排気弁32は速やかに閉弁する。
車体1の荷重が静的に増加した場合には、空気ばね3がたわみ、車体1の荷重と空気ばね3が釣り合うまで車体1が沈下する。これに伴い、レバー4が図1中矢印A方向に回転し、スイングアームが回転する。これにより、緩衝ばね23が捩れ、緩衝ばね23の復元力によりダンパ60にて発生する油圧抵抗と釣り合いながら作動アーム22が図2中矢印A方向に回転する。そして、所定時間後に、作動アーム22が摺動部34aの先端部に当接して給気弁31の第1弁体34が開弁する(図4のレバー回転角度:−α°)。
給気弁31も、排気弁32と同様に、レバー4への変位入力から所定の作動遅れ時間をもって作動する。また、給気弁31の不感帯も、排気弁32と同様に、ワッシャ15にて設定される。
作動アーム22の回転に伴って給気弁31の第1弁体34が開弁すると、コンプレッサ7の圧縮空気は、第5気室49、貫通路42a、第4気室48、第2弁体35の連通路51、第3気室47、高圧ポート52、第1環状通路56、絞りポート53、及び第2気室46を通じて第1気室45へと流入し、低圧ポート54、第2環状通路57から連絡通路の逆止弁を押し開いて、排気弁32の第1環状通路56、高圧ポート52、第3気室47、第2弁体35の連通路51、第4気室48、貫通路42a、第5気室49、及び空気ばね通路6を通じて空気ばね3へ供給される。
給気弁31の第1弁体34が作動アーム22の回転に伴って所定距離移動すると、第2弁体35が第1弁体34に押圧されて開弁する。第2弁体35が開弁すると、第3気室47と第2気室46が連通するため、コンプレッサ7の圧縮空気は、絞りポート53を迂回して空気ばね3へ供給される。
このように、給気弁31も、排気弁32と同様に、時間差で開弁する第1弁体34と第2弁体35を備えると共に、第1弁体34と直列にかつ第2弁体35と並列に設けられた絞りポート53を備えるため、レバー4のレバー回転角度が−β°を境にして、レバー4の変位入力に対する排気流量の増加割合が大きくなる。図4に示すように、給気弁31の流量特性は、排気弁32の流量特性と同様である。
以上の実施の形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
排気弁32は時間差で開弁する第1弁体34と第2弁体35を備えると共に、第1弁体34と直列にかつ第2弁体35と並列に設けられた絞りポート53を備えるため、排気弁32の開弁初期段階では、空気ばね3の圧縮空気は絞りポート53を通過して第1弁体34から排出される。したがって、緩和曲線区間の出口側にて、車両外側の車体1と台車2の相対変位が大きくなる場合であっても、空気ばね3から圧縮空気が一気に排出されることがなく、輪重抜けの発生を防止することができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明に係るレベリングバルブは、鉄道車両の車体を一定の高さに維持する車高調整装置に適用することができる。
100 レベリングバルブ
1 車体
2 台車
3 空気ばね
4 レバー
5 連結棒
6 空気ばね通路
7 コンプレッサ
8 排気通路
11 バルブケース
22 作動アーム
31 給気弁
32 排気弁
33 スリーブ
34 第1弁体
35 第2弁体
36a 第1弁座
36b 第2弁座
52 高圧ポート
53 絞りポート(絞り通路)
54 低圧ポート
60 ダンパ
69a,69b オリフィス

Claims (5)

  1. 鉄道車両の車体と台車の間に設けられる空気ばねの高さを調整するレベリングバルブであって、
    前記台車に対する前記車体の相対変位に応じて回転する作動アームと、
    前記空気ばねに連通して形成され、前記作動アームの回転方向に応じて圧縮空気源又は排気通路に選択的に接続される空気ばね通路と、
    前記作動アームが中立位置から一方向へ所定角度以上回転することによって開弁して前記空気ばね通路に前記圧縮空気源を接続する給気弁と、
    前記作動アームが中立位置から他方向へ所定角度以上回転することによって開弁して前記空気ばね通路に前記排気通路を接続する排気弁と、を備え、
    前記排気弁は、
    前記作動アームの回転に伴って移動して開弁する第1弁体と、
    前記作動アームの回転に伴って移動して前記第1弁体の開弁後に開弁する第2弁体と、
    前記第1弁体と直列にかつ前記第2弁体と並列に設けられ、通過する空気の流れに抵抗を付与する絞り通路と、
    を備えることを特徴とするレベリングバルブ。
  2. 前記第2弁体は、前記第1弁体が前記作動アームの回転に伴って所定距離移動することによって前記第1弁体に押圧されて開弁し、
    前記第2弁体を通過した空気は、前記絞り通路を迂回して前記排気通路へ排出されることを特徴とする請求項1に記載のレベリングバルブ。
  3. 内部に前記第1弁体及び第2弁体が摺動自在に配置されたスリーブをさらに備え、
    前記第1弁体は、先端部が前記作動アームと所定の隙間を有して対峙し前記スリーブに沿って摺動する摺動部と、前記スリーブに形成された第1弁座を開閉する弁体部と、を備え、
    前記第2弁体は、前記スリーブに沿って摺動する摺動部と、前記第1弁体の前記弁体部と所定の隙間を有して配置され前記スリーブに形成された第2弁座を開閉する弁体部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のレベリングバルブ。
  4. 前記第1弁体が開弁してから前記第2弁体が開弁するまでの流量特性は、前記絞り通路の径を調節することによって設定されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一つに記載のレベリングバルブ。
  5. 前記作動アームの回転動作に抵抗を付与し、前記台車に対する前記車体の相対変位に対して前記給気弁及び前記排気弁に作動遅れを発生させるダンパをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一つに記載のレベリングバルブ。
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