JP5020188B2 - 除振機構におけるレベリングユニット - Google Patents

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Description

本発明は、除振機構におけるレベリングユニットに係り、特に、水平方向の振動入力に対して有利に対応することの出来る、除振機構におけるレベリングユニット構造に関するものである。
従来から、半導体の製造設備を始めとして、加工機械や測定装置、検査装置等の振動を嫌う精密機器、所謂嫌振機器においては、外部からの振動を可及的に充分に遮断したり、内部で発生する振動を減衰したりする必要があり、そのために、そのような嫌振機器を搭載したテーブル乃至は定盤の下部に、バネ系等の緩衝手段乃至は除振マウントを利用した除振乃至は制振機構(ダンパー)の各種のものが提案され、外部入力振動や内部発生振動を減衰せしめて、定盤の揺れを速やかに収束させ、以て、その変動レベルを収束して、規定レベルに保持し得るようになっている。
そして、そのような除振機構においては、所定の嫌振機器が搭載される定盤を所定の設定レベルの水平状態に保持すべく、各種のレベリングユニットが、かかる定盤とそれが除振マウントにて制振支持せしめられるベース乃至は基台との間に、複数、一般には、3個或いはそれ以上の割合において配設されており、例えば、特開2001−271878号公報(特許文献1)においては、防振台の位置決め装置として、定盤とベースとの間に配設されて、定盤の高さ位置を圧縮空気の給排操作によって変化させる空気圧保持機構と、かかる定盤の高さ変化に従って、空気圧保持機構に対する圧縮空気の給排を制御するバルブ手段とを備え、定盤の高さ位置を調整するようにしたレベリングユニットが、明らかにされている。
しかしながら、かかるレベリングユニットにおける空気圧保持機構からなる空気圧アクチュエータにて昇降作動せしめられて、定盤の高さ位置を変化させる昇降部材たるブロック(ピストン)は、定盤に対して固定されており、そのために、鉛直方向の振動と共に、或いはそれとは別に、水平方向の振動が入力せしめられる場合にあっては、別途に設けられた除振マウントによる定盤の水平方向の除振性能に少なからぬ影響を及ぼし、その性能劣化を惹起する問題を内在するものであった。
また、定盤の高さ変化によって、空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排、換言すれば供給と排出を制御するバルブ手段にあっても、そのバルブ作動を、定盤の高さ変化に対応して機械的に行なう場合にあっては、バルブ手段の構造が複雑となったり、定盤からの振動の絶縁を充分に行ない難い等の問題を内在しているのであり、更に、そのような機械的な制御方式に代えて、例えば、特開2006−177435号公報(特許文献2)や特開2007−146899号公報(特許文献3)等に明らかにされている如く、定盤の高さ位置を各種センサーを用いて検出し、その検出結果に応じて、制御装置により空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排を制御せしめるようにした方式にあっては、精密なセンサーとそのフィードバック系が必要となり、そのために、装置コストが高価となる等の問題が内在している。
特開2001−271878号公報 特開2006−177435号公報 特開2007−146899号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、水平面内において振動が入力しても、有効な水平方向移動許容機構の存在により、定盤とベースとの間に配設される除振マウントの水平方向の性能劣化を効果的に回避することの出来るレベリングユニット構造を提供することにある。
そして、本発明は、上記した課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにて採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載及び図面に記載の発明思想に基づいて認識され得るものであることが理解されるべきである。
(1) 定盤を除振マウントにてベース上に制振支持せしめるようにした除振機構において、該定盤と該ベースとの間に配設されて、該定盤の高さ位置を圧縮空気の給排操作によって変化させる空気圧アクチュエータと、該定盤の高さ変化に従って該空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排を制御するバルブ手段とを備えて、該定盤の高さ位置を調整するレベリングユニットにして、該空気圧アクチュエータと該定盤との間に、該定盤に当接せしめられる上側の軌道盤と、該空気圧アクチュエータにおける圧縮空気の給排によって上下方向に昇降せしめられる昇降部材に固定された下側の軌道盤と、それら軌道盤間において同一円周上に配された複数個の鋼球と、それら複数個の鋼球をそれぞれ別個に自由に転動可能に保持するリテーナとを有する水平方向移動許容機構を配して、前記二つの軌道盤の相対的な水平方向における自由な移動を許容させると共に、前記上側の軌道盤、前記リテーナ及び前記下側の軌道盤の対応する中心部位に、それぞれ第一、第二及び第三の永久磁石を配し、それら三つの永久磁石の相互の磁極間吸引力によって、該上側の軌道盤、該リテーナ及び該下側の軌道盤の自由な離間を阻止しつつ、水平方向に相対的に移動した該上側の軌道盤、該リテーナ及び該下側の軌道盤を相互にセンタリングして、同心的に位置せしめ得るように構成したことを特徴とする除振機構におけるレベリングユニット。
(2) 前記第一、第二及び第三の永久磁石がそれぞれの円環形状において形成され、且つ同心的に前記上側の軌道盤、前記リテーナ及び前記下側の軌道盤に取り付けられていることを特徴とする上記態様(1)に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
(3) 前記バルブ手段が、(a)全体として筒体形状を呈する筒内に、圧縮空気の供給室と排出室とを、それらの室を連通せしめる、それらの室よりも小径の連通室を介して、軸方向に連設すると共に、該供給室に圧縮空気を外部の圧縮空気源から導く供給ポートと、該排出室から外部に圧縮空気を排出せしめる排出ポートと、前記空気圧アクチュエータに接続されて、圧縮空気を該連通室から該空気圧アクチュエータに導く出力ポートとを、それぞれ配設してなるバルブ本体と、(b)それぞれ脚部よりも大径とされ且つ前記連通室よりも小径とされた頭部を有する供給ピストン部材と排出ピストン部材とから構成され、それらピストン部材が、前記供給室及び排出室を貫通するようにして且つそれぞれの頭部が前記連通室において対向位置するようにして、同軸的にそれぞれ配設された、前記定盤の高さ変化によって軸方向に一体的に移動可能とされている作動ピストンと、(c)スリーブ内径が前記供給ピストン部材の頭部の外径よりも小さなフランジ付きスリーブ形状を呈し、そのスリーブ部位において、該供給ピストン部材の脚部に外挿される一方、供給スプリングの付勢力によって、そのフランジ部が前記連通室の前記供給室側開口部の周縁部に当接せしめられることにより、該供給室と該連通室との間の連通を遮断する供給弁部材と、(d)スリーブ内径が前記排出ピストン部材の頭部の外径よりも小さなフランジ付きスリーブ形状を呈し、そのスリーブ部位において、該排出ピストン部材の脚部に外挿される一方、排出スプリングの付勢力によって、そのフランジ部が前記連通室の前記排出室側開口部の周縁部に当接せしめられることにより、該連通室と該排出室との間の連通を遮断する排出弁部材と、(e)前記供給ピストン部材の頭部と前記排出ピストン部材の頭部との間に設けられ、それら頭部を相互に連結すると共に、それら頭部間の距離を調節せしめる間隔調節機構と、を有することを特徴とする上記態様(1)又は(2)に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
(4) 前記間隔調節機構が、前記供給ピストン部材及び前記排出ピストン部材の少なくとも何れか一方の頭部に同軸的に螺入せしめられるネジ部材を有し、該ネジ部材とそれが螺入される前記ピストン部材との間の相対的な回動によって、前記二つのピストン部材の頭部間の距離が調節されることを特徴とする上記態様(3)に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
(5) 前記ネジ部材が螺入せしめられるネジ孔が、前記少なくとも一方のピストン部材を軸方向に貫通して、その脚部の端面に開口せしめられ、更に該ネジ孔を通じて止めネジが螺入されて、該ネジ部材に当接させられることによって、該ネジ部材の移動が阻止されるようになっていることを特徴とする上記態様(4)に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
(6) 前記作動ピストンと前記定盤との間に、(a)中心部位に上部永久磁石が配設されて、該上部永久磁石にて前記定盤に磁着せしめられる上盤と、(b)該上盤の下方に同心的に位置して、該上部永久磁石に対応した中心部位に下部永久磁石が配設された、前記作動ピストンの上端部に固設される下盤と、(c)該上部永久磁石と該下部永久磁石との間の磁極間吸引力にて、該上盤と該下盤との間に保持されて、それら上盤と下盤の相対的な水平方向の移動を許容する、同一円周上に配された複数個の鋼球と(d)を備えたベアリング装置が設けられていることを特徴とする上記態様(1)乃至(5)の何れか一つに記載の除振機構におけるレベリングユニット。
(7) 前記上盤が、円柱状乃至は円盤状の前記上部永久磁石と、該上部永久磁石の周りに設けた円環状の制振材と、該制振材の下部に一体的に設けられて、前記複数個の鋼球に接する円環状の金属板とを含んで構成されていることを特徴とする上記態様(6)に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
(8) 前記ベアリング装置が、前記上盤と前記下盤に跨がるようにして、それらの外周面を被包した熱収縮チューブを有していることを特徴とする上記態様(6)又は(7)に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
このように、本発明に従う除振機構におけるレベリングユニットにあっては、空気圧アクチュエータと定盤との間に、水平方向移動許容機構を配し、この水平方向移動許容機構における上側の軌道盤と下側の軌道盤とが、円形に配した複数個の鋼球を介して、水平方向において、相対的に自由に移動可能とされていると共に、それら軌道盤やリテーナの中心部位にそれぞれ配した永久磁石の相互の磁極間吸引力によって、それら軌道盤及びリテーナの自由な離間を阻止しつつ、それら軌道盤及びリテーナのセンタリングが行なわれるようになっているところから、水平方向に振動入力があっても、かかる定盤と空気圧アクチュエータとの間の水平方向の変位は、そのような水平方向移動許容機構にて吸収され、一方から他方に伝達されることがないところから、定盤とベースとの間に配設される除振マウントの水平方向の除振性能が悪影響を受けるようなことが、有利に回避され得ることとなるのである。
また、そのような水平方向移動許容機構における上側及び下側の軌道盤とそれらの間に配されるリテーナの中心部位には、それぞれ、永久磁石が配されて、相互に磁極間吸引力を作用せしめているところから、それら軌道盤やリテーナの間には、相互にセンタリング作用が生じ、そのために、水平方向の入力振動によって、上側の軌道盤と下側の軌道盤とが水平方向に相対的に変位しても、自動的に、それら軌道盤やリテーナの芯合わせが行なわれることとなり、ズレが発生するようなことがないようになっている。
さらに、上記した態様(3)の如き構成のバルブ手段を用いることによって、空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排を、比較的簡単な構造において、機械的に行なうことが出来ると共に、定盤の高さ位置の変化に応じて、軸方向に移動せしめられる作動ピストンのストロークの遊びを可及的に低減せしめることが可能となるのであり、これによって、空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排作動を迅速に行なうことが出来る特徴が発揮されることに加えて、そのようなバルブ手段の中立状態、換言すれば空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排が遮断されている状態が、有利に形成され、そのようなバルブ手段の設置作業を有効に行なうことが出来る利点も有している。
更にまた、上記した態様(6)に示される如きベアリング装置を、作動ピストンと定盤との間に設けることにより、バルブ手段は、定盤を転がりで受けることとなるところから、水平方向の振動が入力しても、定盤とバルブ手段との間の水平方向の変位が効果的に吸収され、以て、そのような水平方向の振動入力に基づくところの各種の問題の発生が、効果的に回避されることとなる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う除振機構におけるレベリングユニットの一例が、空気圧アクチュエータの部分を縦断面形態として、概略的に示されている。そこにおいて、レベリングユニットは、空気圧アクチュエータ2と、バルブ手段としての切換えバルブ装置4とを含んで構成されており、所定の嫌振機器が搭載される定盤6と基台乃至はベース8との間に配設されている。なお、かかる定盤6は、一般に、矩形の板状形態を呈するものであって、良く知られているように、図示しない除振マウントを介して、ベース8上に制振支持せしめられることにより、除振機構を構成している。そして、空気圧アクチュエータ2と切換えバルブ装置4にて構成されるレベリングユニットは、そのような定盤6の高さを所定の設定レベルに維持して、定盤6の水平状態を確保し得るようになっている。ここでは、そのようなレベリングユニットの一つが示されているが、定盤6の水平状態を維持するために、3つ或いはそれ以上の個数で設けられることとなることは、従来と同様である。
そして、空気圧アクチュエータ2は、図1に示される如く、内部に空気室10が形成される有底円筒形状のハウジング12と、その開口部を閉塞するように設けられたダイヤフラム14と、このダイヤフラム14に取り付けられて、上下方向に昇降せしめられる昇降部材である昇降ブロック16とを含んで構成される、従来と同様な構造を有するものであって、ハウジング12の筒壁を貫通して設けられた給排ポート18を通じて、切換えバルブ装置4から所定圧力の圧縮空気が空気室10内に供給されたり、或いは空気室10内の圧縮空気が排出せしめられることによって、昇降ブロック16を上下方向に昇降させ、以て定盤6の高さ位置を調整し得るようになっている。
なお、かかる空気圧アクチュエータ2におけるハウジング12は、ベース8上に位置固定に設置された支持筒20内に収容されると共に、その支持筒20の開口部に回転可能に設けられた円環状のダイヤル22に対して螺合せしめられ、かかるダイヤル22の回転によって、ハウジング12が支持筒20に対して上下方向に移動せしめられることにより、空気圧アクチュエータ2の上下方向の基本的な高さが設定され得るようになっている。また、そのようなダイヤル22の回転によるハウジング12の上下移動のために、ハウジング12と支持筒20との間に回り止め24が設けられている。
また、空気圧アクチュエータ2の昇降ブロック16には、水平方向移動許容機構である転動装置30が取り付けられており、この転動装置30が、緩衝ゴムシート28を介して、定盤6の下面に当接せしめられ得るようになっている。具体的には、かかる転動装置30は、基本的には、単式スラスト球軸受け構造を呈するものであって、図2に示される如く、上側軌道盤32と、下側軌道盤34と、複数の鋼球36と、リテーナ38とを含んで構成されている。
そこにおいて、上側軌道盤32は、中心部に貫通孔32aを有するアルミ円板等からなる基板32bの下面に、硬質の鋼板等からなる円環板形状の摺接板32cが一体的に取り付けられ、更に、貫通孔32aの下部の周縁部に位置するように、ネオジム磁石等からなる円環形状の第一の永久磁石40が、上下方向に磁極が対向位置する形態において、一体的に設けられている。なお、基板32bの上面には、緩衝ゴムシート28が固着せしめられ、この緩衝ゴムシート28を介して、上側軌道盤32が、定盤6の下面に当接せしめられ得るようになっているのである。
また、下側軌道盤34は、中心部に貫通孔34aを有するアルミ円板等からなる基板34bの上面外周側に、硬質の鋼板等からなる円環板形状の摺接板34cが一体的に固着せしめられて、構成されており、更にその中心部の貫通孔34aの上部周縁部に位置するように、ネオジム磁石等からなる円環形状の第三の永久磁石44が、配置されている。この第三の永久磁石44においても、その磁極は、図において、上下方向にN極とS極が対向位置するように構成されている。そして、このような下側軌道盤34は、図示の如く、その貫通孔34aに挿通させた止めピン46の下部に設けた係合爪46aを、昇降ブロック16の係止孔16aに嵌入せしめることによって、第三の永久磁石44と共に、昇降ブロック16上に固定せしめられるようになっている。
そして、それら上側の軌道盤32と下側の軌道盤34との間において、それぞれの摺接板32c、34cに接するように、複数個の鋼球36が、同一円周上に配されると共に、それら複数個の鋼球36が、従来と同様な構造のリテーナ38によって、その収容部38b内に収容されて、それぞれ、別個に自由に転動可能に保持されるようになっている。また、このリテーナ38も、中心部に貫通孔38aを有しており、この貫通孔38aに対して、リテーナ38の下側から、円環形状のネオジム磁石等からなる第二の永久磁石42が嵌め込まれて、一体的に固定せしめられている。勿論、この第二の永久磁石42にあっても、その磁極が図において上下方向に対向位置するように構成されており、それぞれ上方及び下方に位置せしめられる第一の永久磁石40及び第三の永久磁石44との間において、相互に磁極間の吸引力が惹起せしめられ得るようになっている。
従って、かくの如き構成の上側軌道盤32と複数個の鋼球36を保持したリテーナ38と下側の軌道盤34とを重ね合わせると、それぞれに固定された第一、第二及び第三の永久磁石40、42、44が相互に吸引力を及ぼすことによって、図1に示される如き一体的な重ね合わせ構造が実現され、以て、転動装置30として機能することとなるのである。即ち、それら3つの永久磁石40、42、44の相互の磁極間吸引力によって、上側軌道盤32、リテーナ38、下側軌道盤34の自由な離間が阻止される一方、上側軌道盤32と下側軌道盤34とは、リテーナ38に保持された複数個の鋼球36の転がりにより、水平方向に自由に移動せしめられ得るのである。そして、そのように水平方向に相対的に移動した上側軌道盤32、リテーナ38、下側軌道盤34は、また、上記した3つの永久磁石40、42、44の相互の磁極間吸引力によって、センタリング作用が発揮され、それによって、それら3つの部材32、38、34が同心的に位置され得るようになるのである。
かくして、かくの如き機能を有する転動装置30を介して、空気圧アクチュエータ2の作動によって、定盤6の高さ位置を調整するようにしたレベリングユニットにあっては、水平方向乃至は横方向の振動が入力しても、定盤6は、転動装置30の転がりによって、空気圧アクチュエータ2にて受けることとなるところから、そのような水平方向の振動入力が存在しても、定盤6をベース8に対して制振支持する除振マウント(図示せず)に作用することが有利に回避され、それにおける水平方向の性能劣化を効果的に抑制乃至は回避することが出来るのである。
ところで、かかる空気圧アクチュエータ2と共に、レベリングユニットを構成する切換えバルブ装置4としては、例えば、図3に示される如き構造のものが、好適に用いられることとなる。
そこにおいて、切換えバルブ装置4は、全体として筒体形状を呈するバルブ本体52を有している。そして、かかるバルブ本体52には、その軸方向中央部位に、筒壁が厚肉とされて、内孔が狭窄されてなる形態の小径の連通室54が設けられていると共に、この連通室54の軸方向両側に、連通室54よりも大径の内孔にて与えられる供給室56及び排出室58がそれぞれ連設されており、それら供給室56と排出室58とが、連通室54にて連通せしめられるようになっている。また、供給室56に対して、外部の圧縮空気圧源から圧縮空気を導く供給ポート60が、バルブ本体52の筒壁を貫通して設けられ、更に、連通室54から圧縮空気を空気圧アクチュエータ2に導く出力ポート62が、バルブ本体52の厚肉の筒壁を貫通して設けられ、更にまた、排出室58から圧縮空気を外部に排出せしめる排出ポート64が、バルブ本体52の筒壁を貫通して設けられている。要するに、供給ポート60が圧縮空気圧源に接続される一方、出力ポート62が空気圧アクチュエータ2の給排ポート18に接続されて、圧縮空気源からの圧縮空気が、切換えバルブ装置4の切換え作動によって、給排ポート18を通じて、空気室10内に導かれる一方、空気室10内の圧縮空気が、給排ポート18から切換えバルブ装置4に導かれ、その切換え作動によって、排出ポート64から外部に排出せしめられるようになっているのである。なお、かかる筒状のバルブ本体52の上下の開口部には、上部キャップ66及び下部キャップ68が、それぞれ螺着せしめられており、それによって、バルブ本体52内に、排出室58及び供給室56がそれぞれ画成されている。
一方、作動ピストン70は、それぞれ独立して形成された、供給室56側に配置せしめられる供給ピストン部材72と、排出室58側に配置される排出ピストン部材74とから構成されている。そして、それら二つのピストン部材72、74は、それぞれ、大径の頭部72a、74aと小径の脚部72b、74bとを有し、そしてそれらの頭部72a、74aは、それぞれ、脚部72b、74bよりも大径とされ、且つ連通室54よりも小径となる寸法において設けられている。また、それら供給ピストン部材72と排出ピストン部材74とは、それらの頭部72a、74aを突き合わせた形態において、連通室54内で対向位置するように、同軸上に配設せしめられると共に、それぞれの脚部72b、74bが、それぞれ、供給室56、下部キャップ68及び排出室58、上部キャップ66を貫通して、外方に突出するように配設されている。しかも、それら供給ピストン部材72と排出ピストン部材74には、それぞれ、その軸方向に貫通するネジ孔72c、74cが設けられ、そして、それらネジ孔72c、74cに螺入せしめられるネジ部材76によって、二つのピストン部材72、74が一体的に連結せしめられ得るようになっている。そして、ここでは、供給ピストン部材32の頭部32aと排出ピストン部材34の頭部
34aの軸方向合計長さは、連通室18の軸方向長さ以下となるように構成されている。なお、それらピストン部材72、74のネジ孔72c、74c内には、レンチ穴80aを有する止めネジ80が、反対側の端部からそれぞれ螺入されて、ネジ部材76の端面に当接せしめられることによって、一方のピストン部材側(ここでは、排出ピストン部材74側)に固定された後、他方のピストン部材(72)側において固定せしめられ、以てそれら二つのピストン部材72、74間の緩み(間隙の変化)が生じないようになっている。
かくして、かかる作動ピストン70は、図示の如く、バルブ本体52を軸方向に貫通して配設されることとなると共に、そのような作動ピストン30に対する軸方向の外力として、後述するように、定盤6の高さ方向における変化が入力として作用せしめられることによって、バルブ本体52に対して、その軸方向に一体的に移動せしめられ得るようになっているのである。
また、供給室56内には、供給弁部材82が配設されている。この供給弁部材82は、円筒状のスリーブ部82aとその軸方向一端部に設けられたフランジ部82bとからなるフランジ付きスリーブ形状を呈するものであって、そのスリーブ内径が、供給ピストン部材72の頭部72aの外径よりも小さいが、脚部72bの外径よりも大きな内径となるように形成されている。そして、そのような内径を有する内孔内に、供給ピストン部材72の脚部72bが挿入されて、かかる供給弁部材82が、供給ピストン部材72の脚部72bに、その軸方向に相対的に移動可能に外挿されてなる形態において、配置されている。また、そのような供給弁部材82のフランジ部82bの端面(上面)が、連通室54の供給室56側開口部の周縁部に当接せしめられるように、下部キャップ68との間に、コイルバネからなる供給スプリング84が配設されて、所定の付勢力を作用せしめ得るようになっており、これによって、連通室52と供給室56との間が、通常は遮断されるようになっている。
さらに、排出室58内にも、供給弁部材82と同様な構成の排出弁部材86が配設されている。即ち、この排出弁部材86は、スリーブ部86aとフランジ部86bとを有するフランジ付きスリーブ形状を呈し、そのスリーブ部86aが排出ピストン部材74の頭部74aの外径よりも小さいが、脚部74bの外径よりも大きな内径を有しており、それによって、排出弁部材46が、排出ピストン部材74の脚部74bに、その軸方向に相対的に移動可能に外挿されている一方、そのスリーブ部86bの端面(下面)において、連通室54の排出室58側の開口部の周縁部に当接せしめられ得るようになっている。具体的には、そのような排出弁部材86のフランジ部86bと上部キャップ66との間に配設されたコイルスプリングからなる排出スプリング88の付勢力によって、排出弁部材86が、排出室58に開口する連通室54の周縁部、換言すれば、排出室58の連通室54周りの内面に押し付けられ、当接せしめられることにより、連通室54と排出室58との間の連通が、通常は遮断され得るようになっているのである。
なお、それら供給弁部材82や排出弁部材86の連通室54の開口周縁部周りの当接による、連通室54と供給室56との間の連通の遮断や、連通室54と排出室58との間の連通の遮断をより一層効果的に行なうべく、連通室54の軸方向両側のそれぞれの開口周縁部(供給室56側の開口周縁部や排出室58側の開口周縁部)には、所定厚さの緩衝ゴムシート90、92がそれぞれ固着せしめられており、また、作動ピストン70の周りの気密性を確保するために、公知のYパッキンやVパッキン等のパッキング部材54が、作動ピストン70の周りに配設されている。
そして、このような構造の切換えバルブ装置4にあっては、定盤6の高さ変化に基づいて、作動ピストン70を上下方向、換言すれば軸方向に移動せしめ、以て、目的とする設定レベルの高さとなるように、空気圧アクチュエータ2を作動せしめるべく、圧縮空気の給排を行なうために、図4に示される如き構成のベアリング装置100が、切換えバルブ装置4における作動ピストン70(ここでは、排出ピストン部材74)の上端部に取り付けられて、このベアリング装置100を介して、定盤6の下面に連結せしめられるようになっているのである。
具体的には、かかるベアリング装置100は、中心部位に上部永久磁石102が配設されてなる円板状の上盤104と、この上盤104の下方に同心的に位置して、かかる上部永久磁石102に対応した中心部位に、下部永久磁石106が収容配置されてなる有底円筒形状の下盤108と、それら上部永久磁石102と下部永久磁石106との間の磁極間吸引力にて、上盤104と下盤108との間に保持されて、それら上盤104と下盤108の相対的な水平方向の移動を許容する、同一円周上に配された複数個の鋼球110とを含んで構成されている。そして、上盤104は、取付け磁石112を介して、定盤6の下面に吸着(磁着)せしめられることによって、定盤6に連結されており、また下盤108は、その底部を挿通せしめた皿ネジ114の脚部が前記した切換えバルブ装置4における作動ピストン70の排出ピストン部材74のネジ孔74cの上端部から螺入されることによって、排出ピストン部材74の脚部74bの上端部に固定せしめられており、以て、作動ピストン74がベアリング装置100を介して、定盤6に対して連結せしめられるようになっている。
より具体的には、上盤104は、円環形状の円環板116の環内に、円柱形状の上部永久磁石102が挿通されて、一体的に固定保持されていると共に、かかる円環板116の下面に、鋼球110に接する円環板形状の摺接板118が固設せしめられてなる形態とされている。また、下盤108にあっては、その筒内において、その中心部に位置するように円柱状の下部永久磁石106が配置され、その周りに、円環板形状の摺接板120が収容され、更にその上に、同一円周上となるように載置される鋼球110に接するような形態とされている。そして、鋼球110は、図4に示される如く、上部永久磁石102と下部永久磁石106とが密着しないように、それらの間に所定の間隙が形成されるような大きさとされ、上盤104の摺接板118と下盤108の摺接板120に接した状態において、また下部永久磁石106に磁着した形態において、上部永久磁石102と下部永久磁石106との間に僅かな間隙が形成されるようになっている。なお、鋼球110が接する摺接板118や120には、鋼板の如き硬質の金属板、例えば、焼入れ円板等が用いられることとなる。
また、上部永久磁石102や下部永久磁石106は、何れも、円柱状乃至は円盤状を呈する永久磁石であって、例えば、ネオジム磁石等の強力な磁石が用いられ、その軸方向に磁極(N極、S極)が配列されたものであって、それによって、それらの間の磁極間吸引力にて、相互に強く引き合う力が発揮され得るようになっている。また、取付け磁石112にあっても、それら上部磁石102や下部永久磁石106と同様な円板状の永久磁石であって、その軸方向(図において上下方向)に磁極が配列されて、定盤6と上盤104とを連結せしめ、以て、定盤6の上下方向の変位、換言すれば高さ変化に対応して、ベアリング装置100を介して切換えバルブ装置4における作動ピストン70(排出ピストン部材74)に対する外力として作用し、以て、その軸方向の移動が惹起せしめられるようになっている。
なお、かかるベアリング装置100にあっては、上盤104と下盤108に跨がるようにして、それらの外周面を被包する熱収縮チューブ122が設けられており、これによって、鋼球110が転動する上盤104と下盤108との間の間隙の防塵が図られていると共に、上盤104と下盤108との間の離間を阻止し、上下の摺接板118、120と鋼球110との間の接触を維持し得るようになっている。ここで、熱収縮チューブ112の材質としては、例えば、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、フッ素系エラストマー、ポリオレフィン、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴム、ラテックスゴム、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー等の各種エラストマー又はそれらの二種以上を組み合わせたものが、用いられることとなる。
また、上盤104は、定盤6に直接的に連結されるものであるところから、制振作用を有していることが望ましく、そのために、ここでは、上盤104を構成する円環板116が制振材にて構成されている。また、そのような制振材としては、エポキシ樹脂系やネオプレンゴム系等の粘弾性体の如き公知の材料からなるものが、用いられることとなる。上盤104は、そのような制振材料を用いて、二つの永久磁石102、112と摺接板118とを所定の位置に配置せしめた状態において、キャスティング成形することによって、一体的な形態において得ることが可能である。
従って、かくの如き構成のベアリング装置100を用い、それを、切換えバルブ装置4の作動ピストン70を構成する排出ピストン部材74の上端部に取り付けて、定盤6の下面に磁着させて、連結せしめることにより、定盤6の高さ位置の変化は、作動ピストン70(排出ピストン部材74)の軸方向の変化として、伝えられることとなるのである。このため、空気圧アクチュエータ2のハウジング12に固定された切換えバルブ装置4が圧縮空気の給排をしない中立位置において、定盤6が水平状態となる設定レベルにおいて、かかる定盤6に連結されることにより、定盤6の高さ位置の変化に対応した作動ピストン70の軸方向の変化(移動)によって、後述せるように、圧縮空気が空気圧アクチュエータ2に対して供給され、或いはそれから排気されることにより、定盤6が押し上げられたり、或いはその下降が許容されたりして、定盤6の高さ位置が設定レベルとなるように調整されることとなるのである。
そして、そのような定盤6の高さ変化を切換えバルブ装置4における作動ピストン70の軸方向の移動に変換する際に、図4に示される如きベアリング装置100が定盤6との間に介在させられているところから、水平方向(横方向)の振動が入力されても、上盤104と下盤108とが、鋼球110の転がりにより、相対的な水平方向の移動として吸収され、定盤6には、そのような水平方向の振動入力による悪影響、換言すれば、ベース8に対して、制振支持している除振マウント(図示せず)の除振性能に悪影響をもたらすようなことが、効果的に抑制乃至は阻止され得ることとなるのである。なお、そのように、水平方向に相対的に移動した上盤104と下盤108とは、上部永久磁石102と下部永久磁石106との間の磁極間吸引力により、同心的な復元力が作用し、以て、自動的にセンタリングされて、同心的に位置せしめられるようになっている。
また、かくの如く、定盤6の高さ位置の変化が、作動ピストン70の軸方向の移動として伝えられる切換えバルブ装置4にあっては、作動ピストン70を構成する供給ピストン部材72と排出ピストン部材74との間の間隔調整が、供給ピストン部材72のネジ孔72cに対する排出ピストン部材74に固定されたネジ部材76の螺入の程度によって実現されるようになっている。即ち、ここでは、ネジ部材76とネジ孔72cとによって、間隔調節機構が構成され、それらによって、供給ピストン部材72の頭部72aと排出ピストン部材74の頭部74aとが相互に連結されると共に、それら頭部72a、74a間の距離が、調節され得るようになっているのである。
従って、排出ピストン部材74のネジ孔74cに固定されて、その頭部74aから所定長さ下方に突出せしめたネジ部材76を、供給ピストン部材72のネジ孔72cに対して、相対的に回転せしめて、図5に示されるように、供給ピストン部材72及び排出ピストン部材74の、それぞれの頭部72a、74aの内側端面、換言すれば脚部72b、74b側の端面に、それぞれ、供給弁部材82及び排出弁部材86のフランジ部82b、86bの内周縁部に当接させた状態において、作動ピストン70を軸方向に作動せしめるようにすれば、図3において示される如き作動ピストン70におけるストロークの遊び(不感帯)を可及的に低減することが出来ることとなるのであり、これによって、作動ピストン70の軸方向の動きに対して、図6や図7に示される如く、供給弁部材82や排出弁部材86を迅速に軸方向に移動させることが出来、以て、それら弁部材82、86の開閉作動を有利に行なわしめることが可能となる。
なお、図6に示される切換えバルブ装置4の作動状態は、図5に示される三方遮断の中立状態から、作動ピストン70に対して、図において軸方向下方に向かう力が、定盤6から入力されて、供給弁部材82が、供給ピストン部材72の頭部72aにて、供給スプリング84の付勢力に抗して押し下げられ、以て開弁状態とされていることを示しており、そしてこれによって、供給室56と連通室54とが連通せしめられることにより、供給ポート60を通じて供給される圧縮空気が、出力ポート62から空気圧アクチュエータ2の供給ポート18を通じて、空気室10内に供給され、以て、昇降ブロック16が上昇せしめられることにより、定盤6が押し上げられて、所定の設定レベルとなるように、その高さ位置が調整されることとなる。
また、図7は、定盤6が、その設定レベルよりも高さが高くなることにより、作動ピストン70に対して、図において、上方に向かう引き上げ力(外力)が作用した際の状態を示しており、そこでは、そのような作動ピストン70の上方への移動によって、排出ピストン部材74の頭部74aにて、それに係止された排出弁部材86が、排出スプリング88の付勢力に抗して、上方に移動せしめられることにより、開弁されて、排出室58と連通室54との間が連通されることとなる。そして、空気圧アクチュエータ2の給排ポート18に接続された出力ポート62を介して、空気圧アクチュエータ2の空気室10内の圧縮空気が、連通室54から排出室58に導かれ、そして排出室58から排出ポート64を通じて外部に排出せしめられるようになっている。これにより、空気圧アクチュエータ2における空気室10内の圧力が低下することによって、昇降ブロック16が降下して、定盤6がその高さの設定レベルに低下せしめられるのである。
かくして、かくの如き構造の切換えバルブ装置4を用いることによって、定盤6の高さ位置の変化に基づくところの作動ピストン70に対する軸方向の動きの如何によって、図5、図6及び図7に示される状態に、応答性良く、迅速に移行させられ得ることとなるのであるが、また、そのような作動ピストン70に対して、定盤6の高さ位置が設定レベルにあるときには、作動ピストン70に対する軸方向の動きは何等惹起されず、その状態では、図3や図5に示される中立の作動形態となるところから、供給ポート60、出力ポート62及び排出ポート64の何れもが相互に非連通とされた三方遮断状態乃至は中立状態が、有利に維持されることとなるのであり、そして、そのような状態を標準状態として、切換えバルブ装置4を設置することが出来るのであってみれば、定盤6の高さ位置を設定レベルの状態にした形態において、かかる切換えバルブ装置50の設置作業を簡単に且つ容易に行なうことが出来るという特徴も発揮することが出来るのである。
以上、本発明の代表的な実施形態について詳述して来たが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、定盤6をベース8上に制振支持せしめる除振マウントとしては、ここでは、具体的な構造が示されていないが、それを図示するまでもなく、従来から公知のものがそのまま用いられ、そして従来と同様にして、定盤6とベース8との間に配設されることとなる。具体的には、パッシブ型やアクティブ型と称される公知の除振マウントが、定盤6とベース8との間に一つ又は複数設置されて、かかる定盤6が、制振支持せしめられるのである。
また、空気圧アクチュエータ2にあっても、定盤6の高さ位置を圧縮空気の給排操作によって変化させるようにした構造の装置であれば、特に例示のものに限定されることなく、公知の各種の構造の装置を適宜に用いることが出来る。そして、そのような空気圧アクチュエータ2における圧縮空気の給排によって上下方向に昇降せしめられる昇降部材と定盤6との間に、本発明に従う水平方向移動許容機構(30)が、設けられることとなるのである。
さらに、本発明に従う水平方向移動許容機構である転動装置30において、上側軌道盤32とリテーナ38と下側軌道盤34とを一体的に連結している3つの永久磁石40、42、44にあっても、それらの軸方向(上下方向)に磁極(N極、S極)が配列されて、相互に磁極間吸引力が作用せしめられ得る限りにおいて、例示の如き円環板形状の他、円柱状形状等の他の形状のものも、採用可能であり、更に、下側軌道盤34の昇降ブロック16に対する固定構造にあっても、公知の各種の固定方式が適宜に採用され得ることは、勿論である。
更にまた、切換えバルブ装置4においては、供給ピストン部材72と排出ピストン部材74との間の間隙を調節せしめる間隔調節機構として、排出ピストン部材74側に固定されたネジ部材76と供給ピストン部材72に設けられたネジ孔72cとを含む構成が採用されているが、そのような間隔調節機構としては、供給ピストン部材72の頭部72aと排出ピストン部材74の頭部74aとの間に設けられ、それら頭部72a、74aを相互に連結すると共に、それら頭部間の距離を調節せしめ得る機構であれば、公知の各種の構造のものを採用することが可能である。
例えば、ネジ部材(76)を排出ピストン部材74の頭部74aに同軸的に一体的に設けて、供給ピストン部材72のネジ孔72cに螺入せしめるようにした構造も、同様に採用可能である。
加えて、切換えバルブ装置4の作動ピストン70の上端部と定盤6との間に配設されるベアリング装置100において、取付け磁石112を介することなく、上部永久磁石102が直接に定盤6の下面に吸着するようにした構造も採用可能であり、更に加えて、それら取付け磁石112と上部永久磁石102とを、一体の永久磁石にて構成することも可能である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、そして、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従うレベリングユニットの一例を示す部分縦断面説明図であって、そのようなレベリングユニットが定盤とベースとの間に配設されてなる形態を示している。 図1における空気圧アクチュエータと定盤との間に設けられる転動装置を分解して示す拡大断面説明図である。 図1に示されるレベリングユニットに用いられている切換えバルブ装置の一例を示す縦断面説明図である。 図3に示される切換えバルブ装置の作動ピストンと定盤との間に配設されるベアリング装置の一例を示す断面説明図である。 図3に示される切換えバルブ装置において、作動ピストンのストロークの遊びを可及的に低減せしめてなる状態を示す図3に対応する断面説明図である。 定盤の下降により、作動ピストンが下方に移動せしめられることによって、図5に示される状態から供給弁部材が開弁されて、供給室と連通室とが連通されてなる状態を示す断面説明図である。 定盤の高さ位置が上昇することによって、作動ピストンが上方に移動することにより、図5に示される状態から、排出弁部材が開弁され、排出室と連通室とが連通されてなる状態を示す断面説明図である。
符号の説明
2 空気圧アクチュエータ 4 切換えバルブ装置
6 定盤 8 ベース
10 空気室 12 ハウジング
14 ダイヤフラム 16 昇降ブロック
16a 係止孔 18 給排ポート
20 支持筒 22 ダイヤル
24 回り止め 28 緩衝ゴムシート
30 転動装置 32 上側軌道盤
32a 貫通孔 32b 基板
32c 摺接板 34 下側軌道盤
34a 貫通孔 34b 基板
34c 摺接板 36 鋼球
38 リテーナ 38a 収容部
40 第一の永久磁石 42 第二の永久磁石
44 第三の永久磁石 46 止めピン
46a 係合爪 50 切換えバルブ装置
52 バルブ本体 54 連通室
56 供給室 58 排出室
60 供給ポート 62 出力ポート
64 排出ポート 66 上部キャップ
68 下部キャップ 70 作動ピストン
72 供給ピストン部材 72a 頭部
72b 脚部 72c ネジ孔
74 排出ピストン部材 74a 頭部
74b 脚部 74c ネジ孔
76 ネジ部材 80 止めネジ
80a レンチ穴 82 供給弁部材
82a スリーブ部 82b フランジ部
84 供給スプリング 86 排出弁部材
86a スリーブ部 86b フランジ部
88 排出スプリング 90、92 緩衝ゴムシート
100 ベアリング装置 102 上部永久磁石
104 上盤 106 下部永久磁石
108 下盤 110 鋼球
112 取付け磁石 114 皿ネジ
116 円環板 118、120 摺接板
122 熱収縮チューブ

Claims (8)

  1. 定盤を除振マウントにてベース上に制振支持せしめるようにした除振機構において、該定盤と該ベースとの間に配設されて、該定盤の高さ位置を圧縮空気の給排操作によって変化させる空気圧アクチュエータと、該定盤の高さ変化に従って該空気圧アクチュエータに対する圧縮空気の給排を制御するバルブ手段とを備えて、該定盤の高さ位置を調整するレベリングユニットにして、
    該空気圧アクチュエータと該定盤との間に、該定盤に当接せしめられる上側の軌道盤と、該空気圧アクチュエータにおける圧縮空気の給排によって上下方向に昇降せしめられる昇降部材に固定された下側の軌道盤と、それら軌道盤間において同一円周上に配された複数個の鋼球と、それら複数個の鋼球をそれぞれ別個に自由に転動可能に保持するリテーナとを有する水平方向移動許容機構を配して、前記二つの軌道盤の相対的な水平方向における自由な移動を許容させると共に、前記上側の軌道盤、前記リテーナ及び前記下側の軌道盤の対応する中心部位に、それぞれ第一、第二及び第三の永久磁石を配し、それら三つの永久磁石の相互の磁極間吸引力によって、該上側の軌道盤、該リテーナ及び該下側の軌道盤の自由な離間を阻止しつつ、水平方向に相対的に移動した該上側の軌道盤、該リテーナ及び該下側の軌道盤を相互にセンタリングして、同心的に位置せしめ得るように構成したことを特徴とする除振機構におけるレベリングユニット。
  2. 前記第一、第二及び第三の永久磁石がそれぞれの円環形状において形成され、且つ同心的に前記上側の軌道盤、前記リテーナ及び前記下側の軌道盤に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
  3. 前記バルブ手段が、
    全体として筒体形状を呈する筒内に、圧縮空気の供給室と排出室とを、それらの室を連通せしめる、それらの室よりも小径の連通室を介して、軸方向に連設すると共に、該供給室に圧縮空気を外部の圧縮空気源から導く供給ポートと、該排出室から外部に圧縮空気を排出せしめる排出ポートと、前記空気圧アクチュエータに接続されて、圧縮空気を該連通室から該空気圧アクチュエータに導く出力ポートとを、それぞれ配設してなるバルブ本体と、
    それぞれ脚部よりも大径とされ且つ前記連通室よりも小径とされた頭部を有する供給ピストン部材と排出ピストン部材とから構成され、それらピストン部材が、前記供給室及び排出室を貫通するようにして且つそれぞれの頭部が前記連通室において対向位置するようにして、同軸的にそれぞれ配設された、前記定盤の高さ変化によって軸方向に一体的に移動可能とされている作動ピストンと、
    スリーブ内径が前記供給ピストン部材の頭部の外径よりも小さなフランジ付きスリーブ形状を呈し、そのスリーブ部位において、該供給ピストン部材の脚部に外挿される一方、供給スプリングの付勢力によって、そのフランジ部が前記連通室の前記供給室側開口部の周縁部に当接せしめられることにより、該供給室と該連通室との間の連通を遮断する供給弁部材と、
    スリーブ内径が前記排出ピストン部材の頭部の外径よりも小さなフランジ付きスリーブ形状を呈し、そのスリーブ部位において、該排出ピストン部材の脚部に外挿される一方、排出スプリングの付勢力によって、そのフランジ部が前記連通室の前記排出室側開口部の周縁部に当接せしめられることにより、該連通室と該排出室との間の連通を遮断する排出弁部材と、
    前記供給ピストン部材の頭部と前記排出ピストン部材の頭部との間に設けられ、それら頭部を相互に連結すると共に、それら頭部間の距離を調節せしめる間隔調節機構と、
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
  4. 前記間隔調節機構が、前記供給ピストン部材及び前記排出ピストン部材の少なくとも何れか一方の頭部に同軸的に螺入せしめられるネジ部材を有し、該ネジ部材とそれが螺入される前記ピストン部材との間の相対的な回動によって、前記二つのピストン部材の頭部間の距離が調節されることを特徴とする請求項3に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
  5. 前記ネジ部材が螺入せしめられるネジ孔が、前記少なくとも一方のピストン部材を軸方向に貫通して、その脚部の端面に開口せしめられ、更に該ネジ孔を通じて止めネジが螺入されて、該ネジ部材に当接させられることによって、該ネジ部材の移動が阻止されるようになっていることを特徴とする請求項4に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
  6. 前記作動ピストンと前記定盤との間に、
    中心部位に上部永久磁石が配設されて、該上部永久磁石にて前記定盤に磁着せしめられる上盤と、
    該上盤の下方に同心的に位置して、該上部永久磁石に対応した中心部位に下部永久磁石が配設された、前記作動ピストンの上端部に固設される下盤と、
    該上部永久磁石と該下部永久磁石との間の磁極間吸引力にて、該上盤と該下盤との間に保持されて、それら上盤と下盤の相対的な水平方向の移動を許容する、同一円周上に配された複数個の鋼球と
    を備えたベアリング装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の除振機構におけるレベリングユニット。
  7. 前記上盤が、円柱状乃至は円盤状の前記上部永久磁石と、該上部永久磁石の周りに設けた円環状の制振材と、該制振材の下部に一体的に設けられて、前記複数個の鋼球に接する円環状の金属板とを含んで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
  8. 前記ベアリング装置が、前記上盤と前記下盤に跨がるようにして、それらの外周面を被包した熱収縮チューブを有していることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の除振機構におけるレベリングユニット。
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