JP4185485B2 - 振動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、減衰させるべき振動の方向と逆方向の振動を積極的に付与することで除振を行うアクティブ型の除振装置に関する。
電子顕微鏡などの高精度なスペックが要求される精密機器では、機器側に伝わり得る外来振動の絶縁を目的としてその精密機器の設置に例えばアクティブ型の除振装置などが利用されている(例えば特許文献1参照)。
アクティブ型の除振装置には、除振の対象物が搭載される除振台を移動可能に支持するために空気バネなどを適用したアクチュエータが一般に設けられている。このアクチュエータは、外部から加わる応力がバランスする状態になって初めて本来の位置制御機能を発揮するものであるが、それ自体としては作用力の平衡機能を有していない。
したがって、このようなアクチュエータに支持される除振台において、重力のような平衡力を利用できない水平方向の位置制御を行う場合には、参照バイアス、つまり除振台を平衡状態に移行させるための誘発力を積極的に空気バネなどに付与し初期圧縮を行う必要がある。
特開平5−33826号公報
すなわち、上記したアクティブ型の除振装置では、実際の除振の開始時にアクチュエータをスタンバイ状態にセッティングするためには、参照バイアスを入力してから除振台が平衡状態に移行するまでに一定の時間を要するので、このセッティング時間の短縮化を図り装置の利便性を向上させることへの要請がある。
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、除振を開始するためのセットアップ動作を迅速に完了させることができる除振装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る除振装置は、鉛直方向からみて矩形状に形成された除振台と、前記除振台を水平方向に移動させるための駆動力を発生させることが可能であって、かつ除振装置本体のセットアップ動作時に前記駆動力を、前記除振台を平衡状態へ移行させるための誘発力として発生させる始動機能を有する二つで一組の第1のアクチュエータと、前記除振台を水平方向に移動させるための駆動力を発生させることが可能であって、かつ前記始動機能を持たない二つで一組の第2のアクチュエータと、前記セットアップ動作時に前記一組の第1のアクチュエータを制御し、互いの絶対量が等しく且つ相対する方向に対の駆動力を発生させ、前記被除振部材に第1の方向に働くモーメントを付与する第1の制御手段と、前記第1の制御手段により制御される前記一組の第1のアクチュエータを通じて駆動された前記被除振部材の変位を検出するセンサと、前記センサによる検出結果に基づいて前記第1及び第2の全てのアクチュエータを個別に制御して、前記第1の方向に働くモーメントと相対する第2の方向に働くモーメントを前記被除振部材に付与し、この被除振部材を平衡状態でバランスさせる第2の制御手段と、を備え、前記一組の第1のアクチュエータは、鉛直方向からみて、前記除振台の一方の対角線上の位置で、かつ前記除振台の重心に対して互いに点対称の位置でそれぞれ駆動力を発生させ、前記一組の第2のアクチュエータは、鉛直方向からみて、前記除振台の他方の対角線上の位置で、かつ前記除振台の重心に対して互いに点対称の位置でそれぞれ駆動力を発生させる、ことを特徴とする。
すなわち、この発明によれば、除振を開始(始動)するにあたって、除振台を平衡状態に移行させるための誘発力として参照バイアスを入力する場合に、除振台には、軸力方向(並進方向)に応力が作用することなく、回転方向に力を伝えるモーメントのみが作用することになるので、所定の加重が加わった状態でバランスする除振台の初期の平衡状態への移行時間が短縮され、セットアップ動作を迅速に完了させることができる。
このように、本発明によれば、除振を開始するためのセットアップ動作を迅速に完了させることが可能な除振装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る除振装置を示す斜視図、図2は、この除振装置が複数備えるアクチュエータとセンサとがユニット化された制振機構を示す断面図、図3は、この除振装置の主要部の構成を機能的に示す図、図4は、この除振装置の除振台に加わる作用を説明するための平面図である。なお、図1においては、除振装置の構造を視覚的に把握し易くするために、本除振装置によって支持される被除振部材のみを二点鎖線で示している。
図1〜図4に示すように、この実施形態の除振装置1は、アクティブ型の除振装置であって、床面へ固定された支持台3と、被除振部材としての除振台2と、中空ゴム体37を有するアクチュエータK、Q、R、S、11、12、13、14と、センサ21、22、23、25、26、27、28と、アンプ35、比較器34及び空圧弁38などを有し各部を統括的に制御する制御装置36とを主に備える。ここで、本実施形態では、除振の対象となる被除振部材として除振台2を例にとって説明を行うが、無論、被除振部材は、当該除振台2、電子顕微鏡などの除振対象の機器本体、及び/又はこの機器の脚部を直接的に支持するために機器側に設けられた定盤などの支持台で構成されていてもよい。
アクチュエータK、11及びセンサ25と、アクチュエータQ、12及びセンサ21、26と、アクチュエータR、13及びセンサ22、27と、アクチュエータS、14及びセンサ23、28とは、それぞれユニット化された4つの制振機構を構成している。これらユニットされた制振機構の底部は、上面が矩形(四角形)状に形成されることの多い支持台3上の四隅に底部プレート16を介して固定され、これらの制振機構の上部は、上部プレート15を通じて除振台2を下方から支持するようにこの除振台2の四隅に固定されている。なお、上記した支持台3を除振装置1が必ずしも備える必要はなく、例えば支持台3を除振装置1の構成部品から削除し、上記制振機構の底部プレート16を床面に直接固定するようにしてもよい。
アクチュエータK、Q、R、Sは、図1及び図4に示すように、この除振台2を、水平方向(除振台2における除振対象物の搭載面に沿った方向:±x及び±y方向)に移動可能に支持する。また、アクチュエータK、Q、R、Sは、図4に示すように、除振台2の重心Gに対し鉛直方向からみて点対称の位置(除振台2の重心Gを水平方向から挟む位置)に少なくとも一組(本実施形態では二組)配置されている。一方、アクチュエータ11、12、13、14は、除振台2を、鉛直方向(除振台2における除振対象物の搭載面と直交する方向:Z方向)に移動可能に支持する。センサ21、22、23は、除振台2の水平方向の変位(変位量)を検出する。また、センサ25、26、27、28は、除振台2の鉛直方向の変位(変位量)を検出する。制御装置36は、センサ25、26、27、28の検出結果に基づき、鉛直方向において除振台2を所定の位置及び姿勢に定位させるようにアクチュエータ11、12、13、14を個別に駆動制御する。
また、制御装置36は、センサ21、22、23の検出結果に基づき、水平方向において除振台2を所定の位置及び姿勢に定位させるようにアクチュエータK、Q、R、Sを個別に駆動制御する。すなわち、除振台2を水平方向に移動させる外力が加わると、除振台2の水平方向の変位が、センサ21、22、23によって水平変位量として検出される。また、この検出された水平変位量は、図3に示すように、比較器34にて0点(基準位置)の基準電位と比較され、この比較結果として得られた制御信号(後記空圧弁の開閉量を制御する信号)が、アンプ35で増幅された後、空圧弁38に出力される。したがって、アクチュエータK、Q、R、Sは、このような制御に対応した駆動力(移動量)で駆動(移動)制御される。
除振台2の水平方向への移動制御について詳述すると、アクチュエータK、Q、R、Sのうち、アクチュエータK、Rの組は、除振装置1本体のセットアップ動作を開始させるための始動機能付(参照バイアス入力機能付)アクチュエータであって、図4に示すように、除振台2を+θ方向(図4中の反時計方向)に回転させる駆動力を発生させ、また、アクチュエータQ、Sの組は、除振台2を−θ方向(図4中の時計方向)に回転させる駆動力を発生させる。さらに詳細には、アクチュエータK単体は、図4中の除振台2のポイントKを−x方向に押す駆動力を発生させることが可能であり、また、アクチュエータR単体は、図4中の除振台2のポイントRをx方向に押す駆動力を発生させることが可能である。さらに、アクチュエータQ単体は、図4中の除振台2のポイントQを+y方向に押す駆動力を発生させることが可能であり、また、アクチュエータS単体は、図4中の除振台2のポイントSを−y方向に押す駆動力を発生させることが可能である。
制御装置36は、センサ21、22、23による除振台2の水平方向の変位の検出結果に基づいて、除振台2に対し+θ方向又は−θ方向に働くモーメントを演算により求める。また、制御装置36は、センサ21、22、23による検出結果、すなわち、演算により求めた除振台2に加わるモーメントに基づいて、全てのアクチュエータK、Q、R、Sを個別に制御して、この除振台2に対して+θ方向又は−θ方向に働くモーメントを除振台2に付与し、この後、アクチュエータK、Q、R、Sによる四方向から所定の荷重が加わった除振台2を平衡状態でバランスさせる。
ここで、外来振動が除振台2に加わり、除振台2が所定の基準位置(ホームポジション)から移動したとすると、センサ21、22、23は、除振台2の基準位置に対する位置ずれを検出し、比較器34により、センサ21、22、23の出力の目標位置(原点=0)からの差を取って、アクチュエータK、Q、R、Sに対する制御量を演算する。さらに、空圧弁38にその制御量がフィードバックされ、アクチュエータK、Q、R、Sによって、除振台2が目標位置に定位する(振動を0に収束する)ように水平位置制御が行われる。上記したセンサ21、22、23から出力される信号は、制御座標に変換して用いられる。
次に、本実施形態の除振装置1による参照バイアスが入力されてから除振台2が平衡状態に移行しセットアップ動作が完了するまでの作用について図4に加え、図5a〜図5c及び図6a〜図6cに基づきその説明を行う。ここで、図5aは、除振装置1の参照バイアス入力時に除振台2に与えられる作用を模式的に示す平面図、図5bは、図5aに示した状態から回転方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に加わる作用を模式的に示す平面図、図5cは、図5bに示した状態から並進方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に加わる作用を模式的に示す平面図である。また、図6aは、図5aに示した方式の比較対象となる他の方式の参照バイアス入力時に除振台2に与えられる作用を模式的に示す平面図、図6bは、図6aに示した状態から回転方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台2に加わる作用を模式的に示す平面図、図6cは、図6bに示した状態から並進方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に加わる作用を模式的に示す平面図である。
ここで、アクチュエータK、Q、R、Sは、図5(a)に例示するように、重心Gを基準として±x方向及び±y方向において、ピッチLを空けて配置されている。つまり、アクチュエータQ、Sは、重心Gを基準に点対称の位置に各々配置され、同様にアクチュエータK、Rも、重心Gを基準に点対称の位置に各々配置されている。また、制御装置36は、重心Gを基準として、除振台2に対し+θ方向のモーメントが働くようにアクチュエータK、Rを駆動制御することが可能である。さらに、制御装置36は、重心Gを基準として、除振台2に対し−θ方向のモーメントが働くようにアクチュエータQ、Sを駆動制御することが可能である。
このような除振装置1では、そのセットアップ時において、図5aに示すように、制御装置36は、互いに点対称の位置にある一方の組のアクチュエータK、Rを制御し、互いの絶対量が等しく且つ相対する方向(±x方向)に一対の駆動力(基本単位の駆動力を1×Pとして2×Pの駆動力)を発生させ、除振台2に対し+θ方向に働くモーメントを参照バイアス(初期入力値)として付与する。詳細には、制御装置36は、重心Gを基準として、除振台2に+θ方向のモーメントが生ずるように、アクチュエータKを−x方向へ駆動力2Pで駆動させるとともに、アクチュエータRを+x方向へ駆動力2Pで駆動させる。
この結果、図5bに示すように、制御装置36により除振台2に回転方向(±θ方向)のフィードバック制御が機能した場合、センサ21、22、23による除振台2の変位の検出結果、つまり、除振台2に加わるモーメントの演算結果に基づいて、全てのアクチュエータK、Q、R、Sが個別に制御され、除振台2に対し+θ方向に働くモーメントと相対する−θ方向に働くモーメントが付与される。詳細には、セットアップの過渡期において、制御装置36は、図5bに示すように、−θ方向に働くモーメントを除振台2に付与するために、アクチュエータQ、Sから駆動力P(0+1P)を発生させ、一方、+θ方向に働くモーメントを除振台2に付与するために、アクチュエータK、Rから駆動力P(2P−1P)を発生させる。ここで、本実施形態の除振装置1では、回転方向のフィードバック制御が機能した時点で既に、除振台2が平衡状態でバランスしようとする作用が生じる。したがって、図5cに示すように、除振台2に並進方向(±x方向及び±y方向)のフィードバック制御をほとんど機能させることなく、アクチュエータK、Q、R、Sからそれぞれ均一の駆動力Pが加わった平衡状態で除振台2がバランスすることになる。これにより、本実施形態の除振装置1によれば、除振台2が初期の平衡状態へ移行する際の時間が短縮され、セットアップ動作を迅速に完了させることができる。
さらに、ここで、本実施形態の除振装置1による除振台2の制振方法を数式を用いて説明する。
すなわち、図4に示すように、除振台2の重心Gを座標の原点とする直交座標系で与えたアクチュエータK、Q、R、Sの座標位置を、(x1,y1)(x2,y2)(x3,y3)(x4,y4)とすると、アクチュエータK、Q、R、Sのローカル的な操作力(軸力)u1、u2、u3、u4と、除振台2に加わる直交座標系での操作力ux、uy、uθとの関係は、下記の数式1で与えられる。
Figure 0004185485
上述したように、除振台2は、制御装置36によるフィードバック制御によって重心Gの位置が変位0となるように位置制御される。したがって、除振台2に付与される直交座標系のx方向の操作力ux、y方向の操作力uy、モーメントuθは、外乱のない状態で0に収束されることになる。
ここで、除振台2の回転方向(±θ方向)の力の釣り合いは、
θ=y1*u1+x2*u2−y3*u3−x4*u4…数式(2)
で表すことができる。
図5aに示すように、アクチュエータK、Rを制御して、除振台2に対してu1+u3=aの駆動力(図5aでは駆動力2P+2P)を参照バイアスとして付与する。除振台2に回転を生じさせないためには、uθが0になる必要があるから、数式(2)は、
1*u1−y3*u3=−x2*u2+x4*u4…数式(3)
となる。
ここで、除振台2の重心Gは、図4に示すように、アクチュエータKの位置とアクチュエータRの位置との中心にあることから、
2=−x4、y3=−y1…数式(4)
が成り立ち、
数式(4)を数式(3)に代入すると、
1*(u1+u3)=x4*(u2+u4)…数式(5)
となる。
アクチュエータK、Rからの参照バイアス入力後、除振台2に対し回転方向のフィードバック制御が機能すると、アクチュエータQ、Sが制御され、
2+u4=b…数式(6)
の駆動力(2P+2P)が生じることになる。
この数式(6)とa(=u1+u3)とを数式(5)に代入すると、
b=a*(y1/x4)…数式(7)
で表すことができる。
したがって、数式(7)から明らかなように、除振装置1によれば、参照バイアスの入力の際に、除振台2には、軸力方向(並進方向)に応力が作用することなく(直行座標系の操作力を拘束することなく)、回転方向に力を伝えるモーメントのみが作用することになるので、所定の加重が加わった状態でバランスする除振台の初期の平衡状態への移行時間が短縮され、セットアップ動作を迅速に完了させることができる。
次に、本実施形態の図5a〜図5cに示した方式と、上記図6a〜図6cで例示した方式との違いについて考察してみる。
図6a〜図6cに例示した方式では、制御装置36は、アクチュエータQのみを+x方向へ駆動力4Pで駆動させるように参照バイアス(初期入力値)を付与する(図6a参照)。この瞬間において、除振台2が−x方向に移動する軸力(並進力)が生じることになる。この後、図6bに示すように、除振台2に回転方向(±θ方向)のフィードバック制御が制御装置36を通じて与えられる場合、除振台2を+θ方向に回転させる回転モーメントの他にも、除振台2を並進方向(−x方向)に変位させる応力が作用している。なお、この際、除振台2に作用している+θ方向のモーメントを打ち消すために、アクチュエータRは、−x方向に駆動力1Pを発生させることが望ましいものの、+x方向にのみ駆動力を発生させる仕様となっているため、実際には、アクチュエータRの動作は、停止状態(駆動力0P)となる。さらに、図6cに示すように、除振台2に並進方向(±x方向及び±y方向)のフィードバック制御が制御装置36を通じて与えられ、除振台2が最終的に平衡状態でバランスするまでに、比較的多くの時間を要することになる。詳述すると、参照バイアス入力後、除振台2に回転と並進が同時に生じ、その結果、回転方向と並進方向の両方の制御を用いて、ようやく系全体がバランスすることになる。また、このような方式をとる除振装置の場合、結果的にアクチュエータQ、R、Sにとって必要な駆動力(1P)の4倍の大きさの駆動力(4P)を、発生させ得る高スペックなアクチュエータ(図6aなどに例示されるアクチュエータK)が必要となる。
このような考察結果から明らかなように、図5a〜図5cにて詳細に示した本実施形態の除振装置1によれば、除振開始前の参照バイアスの入力に際して、アクチュエータK、Q、R、Sに支持された除振台2には、軸力方向の応力がほとんど作用することなく、モーメントのみが作用することになるので、参照バイアスを入力されてから除振台2が平衡状態に移行するまでの時間が短縮され、セットアップ動作を迅速に完了させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図7a及び図7bに基づき説明する。ここで、本実施形態の除振装置は、第1の実施形態で説明した除振装置1と同様のハードウェア構成を有し、第1の実施形態とは参照バイアスの入力方式のみが異なる。ここで、図7aは、第2の実施形態に係る除振装置の参照バイアス入力時に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図、図7bは、図7aに示した状態からフィードバック制御が機能した場合に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図、図7cは、図7bに示したフィードバック制御後、除振台が平衡状態でバランスしている態様を示す平面図である。
本実施形態では、一方の組のアクチュエータK、R、及び他方の組のアクチュエータQ、Sの4つのアクチュエータ全てが、除振装置1本体のセットアップ動作を開始させるための始動機能付(参照バイアス入力機能付)アクチュエータである。
すなわち、除振装置1本体のセットアップ時には、図7aに示すように、二組配置されたうちの一方の組のアクチュエータK、Rを制御し、互いの絶対量が等しく且つ相対する±x方向に一対の駆動力(基本単位の駆動力1×P)を発生させ、除振台2に+θ方向に働くモーメントを付与すると同時に、他方の組のアクチュエータQ、Sを制御し、互いの絶対量(1P)が等しく且つ相対する±y方向に一対の駆動力を発生させ、+θ方向に働くモーメントと絶対量(1P)が等しく且つ方向が相対する−θ方向に働くモーメントをこの除振台2に付与するようにして、参照バイアス(初期入力値)が入力される。
つまり、本実施形態では、図7bに示すように、各アクチュエータK、Q、R、Sが駆動力Pを発生させて系全体が最終的にバランスする状態と最初から同じ作用が除振台2に与えられるように参照バイアスが付与される。さらに、制御装置36を通じてフィードバック制御が与えられても、除振台2には、ほとんど並進も回転も作用しないことになる。詳細には、図7bに示すように、Δで表される制御量(Δmは±θ方向の除振台2の変位制御量、Δx及びΔyは、±x方向及び±y方向の除振台2の変位制御量)は0に近い小さい値になる。
したがって、本実施形態によれば、参照バイアスの入力に際して、除振台2に作用し得る軸力及び回転モーメントが系全体で(除振台2上で)バランス良く相殺されるため(図7c参照)、除振を実際に開始させるまでのセッティング時間を短縮させることができる。
以上、本発明を各実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した実施形態では、アクチュエータが空気バネを用いて構成されていたが、これに代えて、油圧装置や圧電素子などを用いてアクチュエータを構成してもよい。また、本実施形態では、例えば水平方向に移動制御を行うアクチュエータが2組だけ設けられていたが、勿論3組以上のアクチュエータを備える除振装置を本発明として適用してもよい。
本発明の第1の実施形態に係る除振装置を示す斜視図。 図1の除振装置が複数備えるアクチュエータとセンサとがユニット化された制振機構を示す断面図。 図1の除振装置の主要部の構成を機能的に示す図。 図1の除振装置の除振台に加わる作用を説明するための平面図。 図1の除振装置の参照バイアス入力時に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図5aに示した状態から回転方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図5bに示した状態から並進方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図5aに示した方式の比較対象となる他の方式の参照バイアス入力時に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図6aに示した状態から回転方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図6bに示した状態から並進方向のフィードバック制御が機能した場合に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 本発明の第2の実施形態に係る除振装置の参照バイアス入力時に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図7aに示した状態からフィードバック制御が機能した場合に除振台に与えられる作用を模式的に示す平面図。 図7bに示したフィードバック制御後、除振台が平衡状態でバランスしている態様を示す平面図。
符号の説明
1…除振装置、2…除振台、3…支持台、36…制御装置、K,Q,R,S,11,12,13,14…アクチュエータ、21,22,23,25,26,27,28…センサ、34…比較器、36…制御装置、37…中空ゴム体、38…空圧弁。

Claims (1)

  1. 鉛直方向からみて矩形状に形成された除振台と、
    前記除振台を水平方向に移動させるための駆動力を発生させることが可能であって、かつ除振装置本体のセットアップ時に前記駆動力を、前記除振台を平衡状態へ移行させるための誘発力として発生させる始動機能を有する二つで一組の第1のアクチュエータと、
    前記除振台を水平方向に移動させるための駆動力を発生させることが可能であって、かつ前記始動機能を持たない二つで一組の第2のアクチュエータと、
    前記セットアップ時に前記一組の第1のアクチュエータを制御し、互いの絶対量が等しく且つ相対する方向に対の駆動力を発生させ、前記被除振部材に第1の方向に働くモーメントを付与する第1の制御手段と、
    前記第1の制御手段により制御される前記一組の第1のアクチュエータを通じて駆動された前記被除振部材の変位を検出するセンサと、
    前記センサによる検出結果に基づいて前記第1及び第2の全てのアクチュエータを個別に制御して、前記第1の方向に働くモーメントと相対する第2の方向に働くモーメントを前記被除振部材に付与し、この被除振部材を平衡状態でバランスさせる第2の制御手段と、を備え、
    前記一組の第1のアクチュエータは、鉛直方向からみて、前記除振台の一方の対角線上の位置で、かつ前記除振台の重心に対して互いに点対称の位置でそれぞれ駆動力を発生させ、
    前記一組の第2のアクチュエータは、鉛直方向からみて、前記除振台の他方の対角線上の位置で、かつ前記除振台の重心に対して互いに点対称の位置でそれぞれ駆動力を発生させる、
    ことを特徴とする除振装置。
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