JP2001241485A - 位置依存式油圧緩衝器 - Google Patents

位置依存式油圧緩衝器

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JP2001241485A
JP2001241485A JP2000041427A JP2000041427A JP2001241485A JP 2001241485 A JP2001241485 A JP 2001241485A JP 2000041427 A JP2000041427 A JP 2000041427A JP 2000041427 A JP2000041427 A JP 2000041427A JP 2001241485 A JP2001241485 A JP 2001241485A
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valve
piston
soft
damping force
stroke
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JP2000041427A
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Tatsuya Masamura
辰也 政村
Toshihiko Hidaka
俊彦 日高
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストロークの上方域Su,通常域Sn,下方
域Sdにおける減衰力を独立して設定することのできる
位置依存式油圧緩衝器を提供すること。 【解決手段】 ピストン107の上方には、外周側にリ
バウンドスプリング119を保持し内周側をリーフスプ
リング116で支持されてピストンロッド101の外面
に上下動自在に嵌挿されたシャッタ118を介装し、ス
トロークの上方域Suでは、リバウンドスプリングがシ
ャッタを押し下げ、ソフトバルブSVへの連通路101
Bを遮断して高いハード減衰力を発生させ、ストローク
の通常域Snでは、シャッタをリーフスプリングで押し
戻し連通路を開放して低いソフト減衰力を発生させる一
方、下部室B側のガイド133の上方には、上端にシー
ト部材131を嵌着したバンプスプリング132を載置
し、ストロークの下方域Sdでは、シート部材がソフト
バルブの下部室への開口部Zに当接し、ソフトバルブを
下部室から遮断して高いハード減衰力を発生させ、スト
ロークの通常域では、ソフトバルブが下部室に連通して
低いソフト減衰力を発生させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の車体と
車輪の間に取り付けられ、車体の振動を抑制する油圧緩
衝器に係わり、詳しくはストローク域によって減衰力を
変化させることのできる位置依存式油圧緩衝器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に車体と車輪との間に結合部材を介
して取付けられる位置依存式油圧緩衝器は、図5の縦断
面図に示すように、ピストンロッド1にピストン6を結
合し、当該ピストン6に逆止弁CVと伸側減衰弁PVを
配設してシリンダ2内に摺動自在に収容するとともに、
上端部にロッドガイド5と下端部に圧側減衰弁BVを配
設したバルブケース7とを嵌着したシリンダ2を外筒3
に収容し、外気を遮断するオイルシール4Aを組み付け
たパッキンケース4を外筒3の上部から嵌挿した後、外
筒3の上端部を溶接等により密封して形成されている。
そして、シリンダ2と外筒3の間にはタンク室Dが形成
される。
【0003】図5に示すように、ストロークの上方域S
uと下方域Sd間のシリンダ2の内面には、深さH,図
示を省略した巾Wの溝2A(通路面積=H×W)が設け
られ、ストロークの通常域Snが設定されている。車輌
が軽積載状態で舗装路等を走行する場合は、懸架ばねの
撓みが小さく車高が高くなるので、ピストンはストロー
クの上方域Su近傍で作動する。この軽積載状態で悪路
を走行すると、路面からの大きい衝撃入力で油圧緩衝器
が大振幅で作動するので、ピストン6はストロークの上
方域Suに侵入する。
【0004】ストロークの上方域Suでは、前記溝2A
がピストン6の外周側に嵌着されたシールバンド6Cを
跨がないので、ピストンロッド1が伸長する所謂伸側行
程では、上部室Aの作動油はピストン6の内周ポート6
Aを通り伸側減衰弁PVを押し開いて下部室Bに開放さ
れ、この際の通路抵抗により図4(B)の実線で示すよ
うな高い伸側ハード減衰力を発生する。ピストンロッド
1の上昇によって不足するピストンロッド退出体積分の
作動油は、前記シリンダ2の下端部に嵌着されたバルブ
ケース7に配設された吸い込み弁DVにより、外周ポー
ト7Bを介してタンク室Dに連なる底部室Cより補充さ
れる。
【0005】逆に、車輌が重積載状態で舗装路等を走行
する場合は、懸架ばねの撓みが大きく車高が低くなるの
で、ピストンはストロークの下方域Sd近傍で作動す
る。この重積載状態で悪路を走行すると、路面からの大
きい衝撃入力で油圧緩衝器が大振幅で作動するので、ピ
ストン6はストロークの下方域Sdに侵入する。
【0006】ストロークの下方域Sdにおいては、前記
ストロークの上方域Suと同様に、前記溝2Aがピスト
ン6の外周側に嵌着されたシールバンド6Cを跨がない
ので、ピストンロッド1が伸長する所謂伸側行程では、
上部室Aの作動油はピストン6の内周ポート6Aを通り
伸側減衰弁PVを押し開いて下部室Bに開放され、この
際の通路抵抗により図4(B)の実線で示すような高い
伸側ハード減衰力を発生する。
【0007】一方、ピストン6がストロークの上方域S
u又は下方域Sdを下降する所謂圧側行程においては、
密閉された下部室Bの作動油は、まず外周ポート6Bを
通りピストン6の上部に配設された逆止弁CVを押し開
いて上部室Aに補充され、この際の通路抵抗により高い
背面ハード減衰力を発生する。この分を除く下部室Bの
作動油は、バルブケース7の内周ポート7Aを通り圧側
減衰弁BVを介して底部室Cに流出し、この際の通路抵
抗により圧側ベース減衰力を発生する。当該圧側ベース
減衰力と上記背面ハード減衰力とを合成した値が、図4
(B)の実線で示すようなストロークの上方域Su又は
下方域Sdの高い圧側ハード減衰力となる。前記吸い込
み弁DVと上記圧側減衰弁BVは、ガイド8によりとも
にバルブケース7に開閉自在に組み付けられベースバル
ブを構成する。
【0008】また、車輌が中積載状態で舗装路等を走行
する場合は、懸架ばねの撓みは軽積載状態と重積載状態
の中間になり車高も両者の中間になるので、ピストン6
はストロークの通常域Snで作動する。この状態では、
前記シリンダの溝2Aがピストン6の外周側に嵌着され
たシールバンド6Cを跨いで上部室Aと下部室Bを連通
するので、伸側行程における上部室Aの作動油は、当該
溝2Aと伸側減衰弁PVとを分流して下部室Bに開放さ
れる。この結果、伸側減衰弁PVを通過する流量は、溝
2Aでバイパスする分だけ減少するので、図4(B)の
点線で示すように、同じピストン速度でもストロークの
上方域Su及び下方域Sdよりも低い伸側ソフト減衰力
となる。
【0009】この中積載状態でピストン6が下降する所
謂圧側行程において、前記溝2Aがピストン6の外周側
に嵌着されたシールバンド6Cを跨いで上部室Aと下部
室Bを連通している状態では、下部室Bの作動油は、当
該溝2Aと逆止弁CVとを分流して上部室Aに補充され
る。この結果、逆止弁CVを通過する流量は、溝2Aで
バイパスする分だけ減少するので、同じピストン速度で
もストロークの上方域Suよりも低い圧側ソフト背面減
衰力となる。当該圧側ソフト背面減衰力と前記圧側ベー
ス減衰力とを合成した値が、図4(B)の点線で示すよ
うにストロークの上方域Suよりも低い圧側ソフト減衰
力となる。
【0010】ピストン6がストロークの上方域Su又は
下方域Sdに侵入して作動する場合には、ピストン6の
伸縮速度は高いハード減衰力により減速されるので、油
圧緩衝器が最伸長する所謂伸び切り又は最圧縮する所謂
底突きが防止されるため、車体への衝撃が低下して車輌
の乗り心地が改善される。一方ストロークの通常域Sn
では、中積載状態にマッチした低いソフト減衰力となっ
ているので、車体への衝撃が緩和され車輌の乗り心地が
快適に維持される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に、シリンダ
2の内面に溝2Aを設け、シリンダ2内を摺動するピス
トン6が、当該溝2Aを介して上部室Aと下部室Bとを
連通するか否かにより、発生する減衰力を切り換えるこ
とができる。しかし溝2Aは所謂オリフィス通路であ
り、溝2Aを分流して発生する減衰力はピストン速度の
2乗に比例する。このためピストン速度の低速域におい
ては、発生する減衰力の差を大きくすることができる。
しかし、ピストン速度の中速域以上においては、上部室
Aと下部室B間の流量が増えると、溝2Aの通路抵抗が
増すため分流する流量は抑制され、伸側行程では伸側減
衰弁PV(圧側行程では逆止弁CV)を通る流量が大部
分となるため、図4(B)に示すように、ハードとソフ
トの減衰力の差は徐々に小さくなる。このため、ピスト
ン速度の高速域の減衰力の差を大きくしようとしても、
ストロークの上方域Su及び下方域Sdとストロークの
通常域Snにおける減衰力を独立して設定することがで
きないので、減衰力の最適化を図ることが困難である。
【0012】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ストロークの
上方域Su,通常域Sn,下方域Sdにおける減衰力を
独立して設定することのできる位置依存式油圧緩衝器を
提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、「外筒に収容
されたシリンダ内を上部室と下部室とに区画する一方、
シリンダ内に摺動自在に案内されるピストンをピストン
ナットによりピストンロッドの下端部に結合して、当該
ピストンに高い開弁圧力を備えたハード逆止弁とハード
減衰弁からなるハードバルブを配設する一方、上記ハー
ドバルブを迂回して並列に設けられた低い開弁圧力を備
えたソフト逆止弁とソフト減衰弁からなるソフトバルブ
をピストンナット内に配設して、当該ソフトバルブをス
トローク位置により連通又は遮断することにより、ピス
トンロッドが伸縮する際の減衰力をハード又はソフトに
切り換えるとともに、シリンダ内の下部室とタンク室に
連通する底部室とを区画し外筒底部に着座するバルブケ
ースをシリンダ下端部に嵌着して、当該バルブケースに
配設されたベースバルブによりピストンロッドが収縮す
る際の圧側ベース減衰力を制御する位置依存式油圧緩衝
器」を前提とするものである。
【0014】上記の課題を解決するために本発明の採っ
た手段は、「上記ピストンの上方には、外周側にリバウ
ンドスプリングを保持し内周側をリーフスプリングで支
持されてピストンロッド外面に上下動自在に嵌挿された
シャッタを介装し、ピストンがストロークの上方域を作
動する際には、リバウンドスプリングの上端がロッドガ
イドに当接する際の圧縮荷重を利用してシャッタを押し
下げ、シャッタの下端部をバルブストッパに当接させる
ことにより、ピストンロッドに設けられた上部室とソフ
トバルブ間の連通路を遮断して高いハード減衰力を発生
させるとともに、リバウンドスプリングの上端がロッド
ガイドから離れピストンがストロークの通常域を作動す
る際には、上記シャッタをリーフスプリングで押し戻し
上部室とソフトバルブ間の連通路を開放して低いソフト
減衰力を発生させる一方、上記ベースバルブの上方には
上端にシート部材を嵌着したバンプスプリングを載置
し、上記シート部材をシリンダに上下動自在に収容する
とともに、ピストンがストロークの下方域を作動する際
には、上記シート部材がソフトバルブの下部室への開口
部に当接し、ソフトバルブを下部室から遮断して高いハ
ード減衰力を発生させるとともに、ピストンがストロー
クの通常域を作動する際には、ピストンナットの下端部
がシート部材から離れ、ソフトバルブが下部室に連通し
て低いソフト減衰力を発生させること」である。上記シ
ャッタのピストンロッドとの嵌合部には、例えば下端部
をテーパ状にしたブッシュが繋止され、上部室とソフト
バルブ間の連通路の入り口を緩やかに連通又は遮断する
ことが望ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第1実施形態に係
る位置依存式油圧緩衝器のバルブ構造を図1に基づいて
説明する。ショックアブソーバ全体の構成は従来技術と
同様であるため、図1においては従来技術と異なるピス
トン近傍を主に表示している。図5に示す従来の技術と
同一部分には同一の符号を用い、特に必要のない部分に
ついては説明を省略する。
【0016】ピストンロッド101の下端インロー部1
01Aには、ストローク上方域Suの高い減衰力を発生
するハードバルブHVが組み付けられている。当該ハー
ドバルブHVは、ハード逆止弁106の撓みを規制する
バルブストッパ104,外径がハード逆止弁106の撓
みの支持径となる間座105,ピストン107の上面開
口窓107Eに着座する高い撓み剛性のハード逆止弁1
06,外周側にピストンバンド107Cを嵌着したピス
トン107,ピストン107の下面開口窓107Dに対
向する高い撓み剛性のハード減衰弁108,スプリング
シート109,外径がハード減衰弁108の撓みの支持
径となる間座110の順に組み込まれ、これらの部品が
スプリングシート109を外周側に上下動自在に嵌挿し
たピストンナット111で締結して構成されている。ピ
ストンナット111の下端フランジ部にはバルブスプリ
ング112が着座し、当該バルブスプリング112の上
端はスプリングシート109を介してハード減衰弁10
8を背面から付勢している。
【0017】ピストン107は、シリンダ102内を上
部室Aと下部室Bとに区画するとともに、下面には高い
撓み剛性のハード減衰弁108が対向する下面開口窓1
07D,背面には高い撓み剛性のハード逆止弁106が
対向する背面開口窓107Eが設けられている。背面開
口窓107Eは外周ポート107Bを介して下部室Bに
連通し、上部室Aは内周ポート107Aを介して下面開
口窓107Dに連通している。
【0018】ピストンロッド101の下部には中空孔1
01Cが穿設されるとともに、その下端開口部はピスト
ンナット111内の圧力室Eに連通される一方、当該中
空孔101Cの上部は横孔101Bを介して上部室Aに
開口している。横孔101Bの外方には基端部をヒトデ
状の開放部を備えたリーフスプリング116に支持され
内径側にブッシュ118Aが圧入等により繋止されたシ
ャッタ118が、外面にリバウンドスプリング119の
基端部を保持して、ピストンロッド101の外面に上下
動自在に嵌挿されている。
【0019】ストロークの通常域Snの低い減衰力を制
御するソフトバルブSVは、ガイド121の軸部に、ソ
フト逆止弁125の撓みを規制するバルブストッパ12
2,ソフト逆止弁125を背面から付勢するリーフスプ
リング123,外径がソフト逆止弁125の撓みの支持
径となる間座124,ディスク126の上面開口窓12
6Eに着座する低い撓み剛性のソフト逆止弁125,デ
ィスク126,当該ディスク126の下面開口窓126
Dに対向する低い撓み剛性のソフト減衰弁127,外径
がソフト減衰弁127の撓みの支持径となる間座12
8,ソフト減衰弁127の撓みを規制するバルブストッ
パ129の順に組み込まれ、これらの部品をガイド12
1の軸部下端を加締めて締結することことにより構成さ
れている。つぎに、上記ソフトバルブSVのディスク1
26をピストンナット111の支持孔に収容し、その下
端部を可締めることによりソフトバルブSVをピストン
ナットに結合する。
【0020】続いて、伸長行程における作動について説
明する。車輌が軽積載状態で舗装路を走行する等、ピス
トン107がストロークの通常域Snを上昇する所謂伸
側行程においては、シャッタ118の下端面とバルブス
トッパ104の上面との間は、図1に示すように開放さ
れている。このため、上部室Aの圧油は高い開弁圧力の
ハードバルブHVを迂回して、ピストンロッドの横孔1
01B,中空孔101Cからなる連通路を通りピストン
ナット111内の圧力室Eに導かれる。
【0021】圧力室Eに導かれた圧油は、ソフト逆止弁
125の通孔125A,ディスク126の内周ポート1
26Aを通って下面開口窓126Dに導かれ、当該下面
開口窓126Dに対向する低い撓み剛性のソフト減衰弁
127を押し開いて下部室Bへ流れ、この際の通路抵抗
により図4(A)の点線で示すようなストロークの通常
域の低い伸側ソフト減衰力を発生する。
【0022】この状態でピストンロッド101が下降す
る所謂圧側行程においては、下部室Bの圧油はディスク
の外周ポート126Bを通り、撓み剛性の小さいソフト
逆止弁125を押し開いて負圧となる上部室Aに補充さ
れ、この際の通路抵抗により低い圧側ソフトの背面減衰
力を発生する。この分を除いた下部室Bのピストンロッ
ド進入体積分に相当する圧油は、圧側減衰弁BVを介し
て底部室Cに流出し、この際の通路抵抗により圧側ベー
ス減衰力を発生する。当該圧側ベース減衰力と上記圧側
ソフトの背面減衰力を合成した値が図4(A)の点線で
示すような低い圧側ソフト減衰力となる。
【0023】車輌が軽積載状態で悪路を走行する等、ピ
ストン107がストロークの上方域Suに侵入して作動
する際には、リバウンドスプリング119の上端がロッ
ドガイド5に当接し、当該リバウンドスプリング119
の圧縮荷重によりシャッタ118がリーフスプリング1
16の撓み剛性に打ち勝って押し下げられる。この結
果、シャッタ118の下端面とバルブストッパ104の
上面が当接して、ピストンロッドの横孔101B,中空
孔101CからなるソフトバルブSVへの連通路が遮断
される。
【0024】上記の状態で、ピストンロッド101が上
昇する伸長行程においては、上部室Aの圧油はピストン
の内周ポート107Aを通り、撓み剛性の大きい伸側減
衰弁108を押し開いて下部室Bに流出し、この際の通
路抵抗により図4(A)の実線で示すような高い伸側ハ
ード減衰力を発生する。この結果、ストロークの上方域
Suでは、走行時の車輌への大きな衝撃入力に対する油
圧緩衝器のストロークが抑制され、伸びきり頻度が少な
くなるので、乗り心地が改善されるとともに、車輌の悪
路走破性が向上する。
【0025】一方、ピストンロッド101が下降する所
謂圧縮行程において、ストロークの上方域Suではソフ
トバルブSVは下部室Bから遮断されているため、下部
室Bの圧油はピストンの外周ポート107Bを通り、撓
み剛性の大きいハード逆止弁106を押し開いて負圧と
なる上部室Aに補充され、この際の通路抵抗により高い
圧側ハードの背面減衰力を発生する。この分を除いた下
部室Bのピストンロッド進入体積分に相当する作動油
は、圧側減衰弁BVを介して底部室Cに流出し、この際
の通路抵抗により圧側ベース減衰力を発生する。当該圧
側ベース減衰力と上記圧側ハードの背面減衰力を合成し
た値が図4(A)の実線で示すような高い圧側ハード減
衰力となる。
【0026】この状態でのピストンロッドの伸縮に対し
ては、ソフトバルブSVへの通路が遮断されたまま、リ
バウンドスプリング119のみが撓むことになる。ピス
トンロッド101が退出した分の作動油は、タンク室D
に連なる底部室Cから吸い込み弁DVを介して下部室B
に吸入される。
【0027】このように、車輌が軽積載状態で舗装路を
走行する等、ピストン107がストロークの通常域Sn
で小振幅で作動する際には、低いソフトの減衰力を発生
させる一方、車輌が軽積載状態で悪路を走行する等、ピ
ストン107がストロークの上方域Suに侵入する大振
幅で作動する際には、ストロークの上方域Suで高いハ
ードの減衰力を発生させることができるので、油圧緩衝
器の伸び切りが防止され良路,悪路両方の車輌の走破性
を向上させることができる。
【0028】更に、ソフトバルブSVへの通路を開閉す
る際に、ピストンロッドの横孔を徐々に絞るようにすれ
ば、上記ソフトバルブSVへの連通路が緩やかに開閉さ
れるため、減衰力の急激な変化が抑制され車体への衝撃
を緩和することができる。
【0029】図2に示す本発明の第2実施形態はこの考
えを適用したもので、シャッタ218の内周側に繋止さ
れピストンロッド201の外面に上下動自在に嵌挿され
るブッシュ218Aの下端部を例えばテーパ状にして、
シャッタ218がバルブストッパ104に当接してソフ
トバルブSVへの連通路201B,201Cを閉じる過
程で、ブッシュ218Aの下端部が横穴201Bを徐々
に絞るように工夫したものである。逆に、シャッタ21
8がバルブストッパ104から離れて連通路201B,
201Cを開く場合は、ブッシュ218Aの下端部が横
穴201Bを徐々に開口する。
【0030】前記第1実施形態は、積載容量に制限のあ
る例えばバン型車輌等の油圧緩衝器の伸びきりを防止し
て車体への衝撃を緩和するのであるが、重積載となるこ
とが多い例えばトラック型車輌等においては、油圧緩衝
器が最圧縮される所謂底突きも車輌の乗り心地を悪化さ
せる。すなわち、重積載状態の車輌が悪路を走行する
等、ピストン107がストロークの下方域Sdに侵入す
る大振幅で作動する際には、ストロークの下方域Sdで
高いハード減衰力を発生させ、油圧緩衝器の底突きを防
止して良路,悪路両方の車輌の走破性を向上させること
が望ましい。
【0031】図3に示す第3実施形態は、上記底突きを
防止できるようにしたものである。前記第1実施形態と
の相違点は、圧側減衰弁BVをバルブケース7に締結す
るガイド133の鍔133Aの上側にバンプスプリング
132を載置するとともに、外周側に通路面積の大きい
切欠き通路131Bを設けた皿状のシート部材131を
上記バンプスプリング132の上端に嵌着し、当該シー
ト部材131をシリンダ102内に上下動自在に収容し
たものである。
【0032】ピストンロッド101が下降する圧側行程
において、ピストン107がストロークの下方域Sdに
侵入すると、ピストンナット111の可締め部111A
の下端面が上記シート部材の鍔部上面131Aに当接し
て、シート部材131が上記可締め部111Aとバルブ
ストッパ129間に形成されるソフトバルブの下部室へ
の開口部Zを閉塞し、ソフトバルブSVを下部室Bから
遮断する。この状態でピストンロッド101が更に下降
すると、シート部材131がバンプスプリング132を
圧縮しながら下降する。
【0033】上記シート部材131は、例えば金属板か
らのプレス成形品の外面にリン酸被膜等の潤滑性改善処
理を付加することにより、シリンダ内での摺動性が改善
され傷付きを防止することができる。また、上記プレス
成形品にウレタン或いはナイロン等の樹脂コーティング
処理をすれば、シリンダ内での摺動性が改善されるのに
加え、ピストンナットの可締め部下端面がシート部材の
鍔部上面に当接する際の衝撃が緩和されるため衝突音が
発生にくくなるとともに、当接部からの作動油の漏出を
減少させることができる。
【0034】ソフトバルブSVは下部室Bから遮断され
ているので、下部室Bの作動油はハードバルブHV側の
高い撓み剛性のハード逆止弁106を押し開いて負圧と
なる上部室Aに補充され、この際の通路抵抗により高い
圧側ハードの背面減衰力を発生する。この分を除いた下
部室Bのピストンロッド進入体積分に相当する作動油
は、シート部材の切欠き通路131Bを通り圧側減衰弁
BVを介して底部室Cに流出し、この際の通路抵抗によ
り圧側ベース減衰力を発生する。当該圧側ハードの背面
減衰力と前記圧側ベース減衰力を合成した値が図4
(A)の実線で示すような高い圧側ハード減衰力とな
る。
【0035】ストロークの下方域Sdからピストンロッ
ド101が上昇する伸長行程において、ソフトバルブS
Vの下部室Bへの開口部Zが、バンプスプリング132
の反発力によりシート部材131で閉塞されている間
は、作動油はピストンの内周ポート107Aを通り、撓
み剛性の大きい伸側減衰弁108を押し開いて下部室B
に流出し、この際の通路抵抗により高い伸側ハード減衰
力を発生する。
【0036】このように、車輌が中積載状態で舗装路を
走行する等、ピストン107がストロークの通常域Sn
で小振幅で作動する際には、低いソフトの減衰力を発生
させる一方、車輌が軽積載又は重積載状態で悪路を走行
する等、ピストン107がストロークの上方域Su又は
下方域Sdに侵入する大振幅で作動する際には、ストロ
ークの上方域Su又は下方域Sdで高いハードの減衰力
を発生させることができるので、油圧緩衝器の伸び切り
又は底突きが防止され良路,悪路両方の車輌の走破性を
向上させることができる。
【0037】
【発明の効果】以上、詳述した通り本発明においては、
車輌が中積載状態で舗装路を走行する等、ピストンがス
トロークの通常域で小振幅で作動する際には、低いソフ
トの減衰力を発生させる一方、車輌が軽積載又は重積載
状態で悪路を走行する等、ピストンがストロークの上方
域又は下方域に侵入する大振幅で作動する際には、高い
ハードの減衰力を発生させることができるので、良路,
悪路両方の車輌の走破性を向上させることができる。ま
た、軽積載状態でソフトバルブへの連通路を開閉する際
に、シャッタの内周側に繋止されるブッシュの下端部を
テーパ状にする等、ピストンロッドの横孔を徐々に絞る
ようにすれば、上記ソフトバルブへの連通路が緩やかに
開閉されるため、減衰力の急激な変化が抑制され車体へ
の衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係わる油圧緩衝器の
断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係わる油圧緩衝器の
断面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態に係わる油圧緩衝器の
断面図である。
【図4】(A) 本発明に係わる油圧緩衝器の減衰力特
性である。 (B) 従来技術に係わる油圧緩衝器の減衰力特性であ
る。
【図5】 従来技術に係わる油圧緩衝器の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 C 底部室 D タンク室 Z ソフトバルブの下部室への開口部 BV 圧側減衰弁 HV ハードバルブ SV ソフトバルブ Su ストロークの上方域 Sn ストロークの通常域 Sd ストロークの下方域 5 ロッドガイド 7 バルブケース 101,201 ピストンロッド(第1実施形態,第2
実施形態) 102 シリンダ 103 外筒 103A 外筒底部 104 バルブストッパ 106 ハード逆止弁 107 ピストン 108 ハード減衰弁 111 ピストンナット 116 リーフスプリング 118,218 シャッタ(第1実施形態,第2実施形
態) 119 リバウンドスプリング 125 ソフト逆止弁 127 ソフト減衰弁 131 シート部材 132 バンプスプリング 101B,201B 連通路の入り口(横孔) 101B,101C 連通路(第1実施形態) 201B,201C 連通路(第2実施形態) 118A,218A ブッシュ(第1実施形態,第2実
施形態)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外筒に収容されたシリンダ内を上部室と下
    部室とに区画する一方、シリンダ内に摺動自在に案内さ
    れるピストンをピストンナットによりピストンロッドの
    下端部に結合して、当該ピストンに高い開弁圧力を備え
    たハード逆止弁とハード減衰弁からなるハードバルブを
    配設する一方、上記ハードバルブを迂回して並列に設け
    られた低い開弁圧力を備えたソフト逆止弁とソフト減衰
    弁からなるソフトバルブをピストンナット内に配設し
    て、当該ソフトバルブをストローク位置により連通又は
    遮断することにより、ピストンロッドが伸縮する際の減
    衰力をハード又はソフトに切り換えるとともに、シリン
    ダ内の下部室とタンク室に連通する底部室とを区画し外
    筒底部に着座するバルブケースをシリンダ下端部に嵌着
    して、当該バルブケースに配設されたベースバルブによ
    りピストンロッドが収縮する際の圧側ベース減衰力を制
    御する位置依存式油圧緩衝器において、 上記ピストンの上方には、外周側にリバウンドスプリン
    グを保持し内周側をリーフスプリングで支持されてピス
    トンロッド外面に上下動自在に嵌挿されたシャッタを介
    装し、ピストンがストロークの上方域を作動する際に
    は、リバウンドスプリングの上端がロッドガイドに当接
    する際の圧縮荷重を利用してシャッタを押し下げ、シャ
    ッタの下端部をバルブストッパに当接させることによ
    り、ピストンロッドに設けられた上部室とソフトバルブ
    間の連通路を遮断して高いハード減衰力を発生させると
    ともに、リバウンドスプリングの上端がロッドガイドか
    ら離れピストンがストロークの通常域を作動する際に
    は、上記シャッタをリーフスプリングで押し戻し上部室
    とソフトバルブ間の連通路を開放して低いソフト減衰力
    を発生させる一方、上記ベースバルブの上方には上端に
    シート部材を嵌着したバンプスプリングを載置し、上記
    シート部材をシリンダに上下動自在に収容するととも
    に、ピストンがストロークの下方域を作動する際には、
    上記シート部材がソフトバルブの下部室への開口部に当
    接し、ソフトバルブを下部室から遮断して高いハード減
    衰力を発生させるとともに、ピストンがストロークの通
    常域を作動する際には、ピストンナットの下端部がシー
    ト部材から離れ、ソフトバルブが下部室に連通して低い
    ソフト減衰力を発生させることを特徴とする位置依存式
    油圧緩衝器。
  2. 【請求項2】上記シャッタのピストンロッドとの嵌合部
    には下端部をテーパ状にしたブッシュが繋止され、上部
    室とソフトバルブ間の連通路の入り口を緩やかに連通又
    は遮断することを特徴とする請求項1に記載の位置依存
    式油圧緩衝器。
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