JP2001241487A - 油圧緩衝器の減衰力発生構造 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰力発生構造

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JP2001241487A
JP2001241487A JP2000052972A JP2000052972A JP2001241487A JP 2001241487 A JP2001241487 A JP 2001241487A JP 2000052972 A JP2000052972 A JP 2000052972A JP 2000052972 A JP2000052972 A JP 2000052972A JP 2001241487 A JP2001241487 A JP 2001241487A
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chamber
piston
damping force
spring
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Koichi Uda
幸一 宇田
Toshihiko Hidaka
俊彦 日高
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器のピストンバルブPVの下端がス
トロークの下方域Sdに侵入したときの圧側減衰力を、
ストロークの通常域Snよりも高くすること。 【解決手段】 油圧緩衝器の下部室B内には、シリンダ
2の内周に摺接するシート部材101を上下動自在に挿
入し、当該シート部材はベースバルブBVの上部に起立
する検知スプリング102で支持されるとともにベース
バルブとの間にばね室Mを隔成し、ばね室はシート部材
の中央部に形成した通路面積の大きい連通孔101Bと
端部近傍に形成した背面オリフィス101Cを介して下
部室に連通し、ピストンロッド1が下降する圧側行程に
おいて、ピストンバルブがストロークの下方域に侵入す
る際に、ピストンバルブPVの下端がシート部材の上面
101Aに当接したとき連通孔を覆蓋して、ばね室を背
面オリフィスを介してのみ下部室に連通させ、当該ばね
室から上記背面オリフィスを介して上部室に還流する作
動油の通路抵抗により、高い圧側背面減衰力を発生させ
ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の懸架装置な
ど車体の振動を抑制する油圧緩衝器の減衰力発生構造に
関し、特にピストンバルブの下端構成部材がストローク
の下方域に侵入したときの圧側減衰力を増加させる構造
に関するものである。
【0001】
【従来の技術】この種の油圧緩衝器としては、例えば図
6に示すようなものが知られている。まず構造の概要を
図面に基づいて説明する。
【0002】車体と車輪との間に結合部材を介して取付
けられる油圧緩衝器は、ピストンロッド1にピストン1
2とピストンバルブPVを組み付け、それを摺動自在に
収容するとともに、下端部にベースバルブBVを装着し
たシリンダ2を外筒3に収容し、外気を遮断するシール
4とロッドガイド5とを収容したパッキンケース6を外
筒3の上部から嵌挿した後、外筒3の上端部を全周溶接
等により密封して形成されている。そして、シリンダ2
と外筒3の間にはタンク室Dが形成される。
【0003】作動油の充満したシリンダ2内をピストン
ロッド1が上昇する際には、密閉された上部室Aの作動
油は、ピストンバルブPVを介して下部室Bに流出し、
この際の通路抵抗が伸側減衰力となる。ピストンロッド
1の上昇によって不足するピストンロッド退出体積分の
作動油は、前記シリンダ2の下端部に配設されたベース
バルブBVを介してタンク室Dに連なる底部室Cより補
充される。
【0004】つぎに、この油圧緩衝器のピストンバルブ
PVについて説明する。
【0005】ピストンロッド1の下端部には上部よりも
小径のインロー部1Aが設けられ、ここに、シリンダ内
を摺接するピストンバンド13を外面に装着したピスト
ン12,当該ピストン12の背面に外環部に切欠き11
Aを備えた切欠きリーフバルブ11及びこれに重畳した
穴あきリーフバルブ10からなる逆止弁,外周が当該逆
止弁の撓みの支持径となる環座9,前記逆止弁を背面か
ら付勢するリーフスプリング8,前記逆止弁の最大撓み
を規制するバルブストッパ7を重畳して嵌挿する。
【0006】続いて、内周側が固定される座金状のリー
フバルブ14,外周が当該リーフバルブ14の撓みの支
持径となる環座15を嵌挿し,更に、当該リーフバルブ
14の外周側に当接するスプリングシート16及び当該
スプリングシート16を背面から付勢するスプリング1
7を上下動自在に案内するピストンナット18を螺着す
る。最後に、ピストンナット18を規定の締め付けトル
クでインロー部1Aに締結することにより、ピストンバ
ルブPVが構成される。
【0007】シリンダ2内を上部室Aと下部室Bに区画
するピストン12には、下部室Bに連通する外周ポート
12A及び上部室Aに連通する内周ポート12Bが穿設
されている。外周ポート12Aの上方には、外側シート
面12C及び中間シート面12Dにより形成される円環
状の開口窓12Fが設けられ、内周ポート12Bの上方
には、中間シート面12D及び内側円筒部12Eにより
形成される円環状の開口窓12Gが設けられている。当
該開口窓12F及び12Gには、切欠き11Aを備えた
切欠きリーフバルブ11及びこれに重畳した穴あきリー
フバルブ10からなる逆止弁が着座して、上部室Aと下
部室Bとを連通する切欠きからなるオリフィス通路11
Aが形成される。
【0008】ピストン速度が小さく上部室Aと下部室B
間の圧力差が小さい所謂微低速〜低速域においては、ス
プリング17に付勢されているリーフバルブ14の外周
は、ピストン下面の開口窓12Hを覆窓している。この
ため、上部室Aの圧油は、前記オリフィス通路11Aを
介して下部室Bに開放され、この際の通路抵抗により微
低速〜低速域の減衰力を発生する。
【0009】ピストン速度が増大するに伴いオリフィス
通路11Aを通過する流量も増え、オリフィス通路前後
の圧力差も増大する。ピストン速度が中速域に近づくに
つれ、上部室Aと下部室Bの圧力差が大きくなるので、
スプリング17に付勢されているリーフバルブ14の外
周が、スプリング17の付勢力とリーフバルブ14から
なる伸側減衰弁の合成された撓み剛性に打ち勝って、ピ
ストン下面の開口窓12Hから押し開かれ、作動油が下
部室Bに流出し、この際の通路抵抗により図5の実線で
示すような伸側減衰力を発生する。
【0010】以上の説明は作動油の充満したシリンダ2
内をピストンロッド1が上昇する伸長側についてである
が、逆にピストンロッド1が下降する際には、密閉され
た下部室Bの作動油は、ピストン12の外周ポート12
Aを通り、リーフスプリング8によって付勢された逆止
弁10,11を押し開き、負圧となる上部室Aに補充さ
れる。この分を除いた下部室Bの作動油は、下部室Bよ
りシリンダ2の下端部に装着されたベースバルブBVを
介して、タンク室Dに連なる底部室Cに流出し、この際
の通路抵抗が圧側減衰力となる。
【0011】油圧緩衝器の液圧室を形成するシリンダ2
の下端部には、バルブケース27が嵌着されている。こ
のバルブケースには、底部室Cに連通する外周ポート2
7A及び下部室Bに連通する内周ポート27Bが形成さ
れている。当該外周ポート27Aの上方には外側シート
面27C及び中間シート面27Dにより形成される円環
状の開口窓27Fが設けられ、内周ポート27Bの上方
には、中間シート面27D及び内側円筒部27Eにより
形成される円環状の開口窓27Gが設けられている。当
該開口窓27F及び27Gには、切欠き26Aを備えた
切欠きリーフバルブ26及びこれに重なる穴あきリーフ
バルブ25からなる吸い込み弁が着座して、下部室Bと
底部室Cを連通する切欠きからなるオリフィス通路26
Aが形成される。
【0012】つぎにベースバルブBVの構成を説明す
る。まず、ガイド21の軸部21Aに、シリンダ2の下
端部に嵌着されるバルブケース27,当該バルブケース
27の背面に外環部に切欠き26Aを備えた切欠きリー
フバルブ26及びこれに重畳した穴あきリーフバルブ2
5からなる吸い込み弁,外周が当該吸い込み弁の撓みの
支持径となる環座24,前記吸い込み弁を背面から付勢
するリーフスプリング23,前記吸い込み弁の最大撓み
を規制するバルブストッパ22を重畳して嵌挿する。
【0013】続いて、バルブケース27の下面開口窓2
7Hに対向する座金状のリーフバルブ28,当該リーフ
バルブ28の下面に重畳され外周部がリーフバルブ28
の撓みの支持径となる環座29,リーフバルブ28の最
大撓み量を規制するバルブストッパ30を順次嵌挿し、
ナット31を螺着する。
【0014】最後に、ナット31を規定の締め付けトル
クでガイド21の下端部に締結することにより、ベース
バルブBVが構成される。
【0015】ピストンロッド1が下降するピストン速度
の低速域においては、前記開口窓27Fに対向する切欠
きリーフバルブの切欠きからなるオリフィス通路26A
を通り、またピストン速度の増大する中速域以上におい
ては、ベースバルブケースの内周ポート27Bを通り下
面開口窓27Hに流入した作動油が、内周側が固定され
たリーフバルブ28からなる圧側減衰弁の外周側を押し
開いて、ピストンロッド1の進入体積分の作動油を下部
室Bからタンク室Dに連なる底部室Cに排出し、その際
の通路抵抗により図5の実線で示すような圧側減衰力を
発生させる。
【0016】逆に、ピストンロッド1の上昇時には、ベ
ースバルブケースの外周ポート27Aを通り、ノンリタ
ンスプリング23に付勢された吸い込み弁25,26を
押し開いて、ピストンロッド1の退出体積分の作動油を
底部室Cから下部室Bに補充する。
【0017】以上、詳述したように、ピストンバルブP
Vがピストンロッド下端部に、ベースバルブBVがシリ
ンダ下端部に装着され、装着部の軸径が前者がピストン
ロッドインロー部,後者がガイドの軸部で太さが異なる
くらいで、オリフィス通路,逆止弁(圧側:吸い込み
弁)及び減衰弁の作用・効果は、ピストンバルブPV,
ベースバルブBVとも同じである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記の様にピストン速
度の低速域においては、上流側の作動油は外周側の一部
を切り欠いた切欠きリーフバルブの切欠きを通り、また
中速域以降ににおいてはこの通路に加え、切欠きリーフ
バルブ及びこれに重畳されたリーフバルブの内周側を押
し開いて下流側に流出し、この際の通路抵抗で減衰力を
発生する。
【0019】そしてこの減衰力は、図5の実線で示すよ
うに全ストローク域に亘りほぼ一定である。車両の乗り
心地をよくするために圧側減衰力を低くすると、道路の
うねり等を通過する際の大振幅の上下振動の減衰が不十
分であるため、ピストンバルブの下端構成部材がストロ
ークの下方域に侵入して所謂底突きが発生し、車両の乗
り心地を逆に悪化させてしまう。
【0020】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ピストンバル
ブの下端構成部材がストロークの下方域に侵入したとき
の圧側減衰力を、ストロークの通常域よりも高くするこ
とのできる油圧緩衝器を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリンダ内を
上部室と下部室とに区画する一方、シリンダ内に摺動自
在に案内されるピストンをピストンロッドの下端部に結
合して、当該ピストンに配設されたピストンバルブによ
りピストンロッドが伸長する際の伸側減衰力を制御する
とともに、シリンダ内を下部室とタンク室に連通する底
部室とに区画するバルブケースをシリンダ下端部に嵌着
して、当該バルブケースに配設されたベースバルブによ
りピストンロッドが下降する際の圧側減衰力を制御する
油圧緩衝器を前提とするものである。
【0022】課題を解決するため本発明の採った手段
は、上記下部室内には、シリンダの内周に摺接するシー
ト部材を上下動自在に挿入し、当該シート部材はベース
バルブの上部に起立する検知スプリングで支持されると
ともにベースバルブとの間にばね室を隔成し、ばね室は
シート部材の中央部に形成した通路面積の大きい連通孔
と端部近傍に形成した背面オリフィスを介して下部室に
連通し、ピストンロッドが下降する圧側行程において、
ピストンバルブの下端が上記シート部材の上面に当接し
たとき上記連通孔を覆蓋して、上記ばね室を上記背面オ
リフィスを介してのみ下部室に連通させ、当該ばね室か
ら上記背面オリフィスを介して上部室に還流する作動油
の通路抵抗により、高い圧側背面減衰力を発生させるこ
とである。
【0023】ピストンバルブの下端構成部材は、ピスト
ンバルブをピストンロッドの下端部に結合する締結方法
或いはピストンバルブの構造により、ピストンナット或
いはバルブストッパ等いずれでもよく、また、ベースバ
ルブの上端構成部材は、ベースバルブの構造により、バ
ルブストッパ或いはキャップ等いずれでもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明に係わる油圧緩衝器は、図
6に示す従来技術と同じ基本構造を備え、ピストンロッ
ドがその下端部に装着されたピストンを介して、シリン
ダ内に移動自在に挿入されるとともに、上部室Aと下部
室Bを区画する。また、シリンダの下端部にはバルブケ
ースが嵌着され、同じく下部室Bと底部室Cを区画して
いる。
【0025】重積載となることが多い例えばトラック等
においては、油圧緩衝器が最圧縮される所謂底突きが車
輌の乗り心地を悪化させる。そこで、重積載状態の車輌
が悪路を走行する等、ピストンがストロークの下方域に
侵入する大振幅で作動する際には、ストロークの下方域
で高い圧側減衰力を発生させ、油圧緩衝器の底突きを防
止して良路,悪路両方の車輌の走破性を向上させること
が望ましい。
【0026】まず、本発明に係わる油圧緩衝器の第1実
施形態を図1に基づいて説明する。従来技術と同一部分
には同一の符号を用い、特に必要のない部分については
説明を省略する。
【0027】図1に示す本発明の第1実施形態は、上記
底突きを防止できるようにしたものである。従来技術と
の相違点は、ベースバルブBVの上端構成部材であるバ
ルブストッパ22の上側に検知スプリング102を載置
するとともに、中央の凸部に通路面積の大きい連通孔1
01Bとばね受け部に背面オリフィス101Cとを設け
た皿状のシート部材101を、検知スプリング102の
上端に嵌着し、シート部材101をシリンダ2内に上下
動自在に収容して下部室Bとばね室Mを区画したことで
ある。
【0028】図2に示す本発明の第2実施形態は、上記
第1実施形態のスプリングシート16及びスプリング1
7を無くする替わりに、リーフバルブ14の枚数と板厚
とにより撓み剛性を調整して減衰力を制御し、ピストン
バルブPVの下端構成部材で且つリーフバルブ14の最
大撓みを規制するバルブストッパ212を、ピストンナ
ット213によりピストンロッド211に結合するバル
ブ構造に適用したものである。
【0029】第1実施形態と同様に、ベースバルブBV
の上端構成部材であるバルブストッパ22の上側に検知
スプリング102を載置するとともに、中央の凸部にピ
ストンロッドのねじ211Aの外径より大きく通路面積
の大きい連通孔101Bとばね受け部に背面オリフィス
101Cとを設けた皿状のシート部材101を、検知ス
プリング102の上端に嵌着し、シート部材101をシ
リンダ2内に上下動自在に収容して下部室Bとばね室M
を区画する。
【0030】つぎに、図3に示す本発明の第3実施形態
の構成の概要を、ピストンバルブPV(ベースバルブB
V)の形式で一緒に説明する。この実施形態では、背面
からスプリング302(312)により付勢されたディ
スク303(313)の下面開口窓303A(313
A)に、外周側をピストン305(バルブケース31
5)のシート面305A(315A)に支持されたリー
フバルブ304(314)が対向し、その枚数と板厚と
により撓み剛性を調整して減衰力を制御する。
【0031】ベースバルブBVの上端構成部材であるキ
ャップ311の上側に検知スプリング102を載置する
とともに、中央の凸部にピストンロッドのねじ301A
の外径より大きく通路面積の大きい連通孔101Bとば
ね受け部に背面オリフィス101Cとを設けた皿状のシ
ート部材101を、検知スプリング102の上端に嵌着
し、シート部材301をシリンダ2内に上下動自在に収
容して下部室Bとばね室Mを区画する。
【0032】図4に示す本発明の第4実施形態は、上記
第2実施形態のピストンナット213を無くして、ピス
トンバルブPVの下端構成部材となるバルブストッパ2
12を、ピストンロッド401の下端部を401Aの如
く可締めてピストンロッド401に結合するバルブ構造
に適用したものである。第2実施形態と同様に、ベース
バルブBVの上端構成部材であるバルブストッパ22の
上側に検知スプリング102を載置するとともに、中央
の凸部にピストンロッドの可締め部401Aの外径より
大きく通路面積の大きい連通孔201Bとばね受け部に
背面オリフィス201Cとを設けた皿状のシート部材2
01を、検知スプリング102の上端に嵌着し、シート
部材201をシリンダ2内に上下動自在に収容して下部
室Bとばね室Mを区画する。
【0033】上記第1〜第4のいずれの実施形態におい
ても、検知スプリング102の上端に嵌着したシート部
材の上面を境にして、ストロークの通常域Snとストロ
ークの下方域Sdが区分される。
【0034】以下、第1〜第4実施形態に共通する作動
説明を第1,第2,第3(第4)実施形態の形式で説明
する。ピストンロッドが下降する圧側行程において、ピ
ストンバルブを構成するピストン12,305がストロ
ークの通常域Snを上下動する場合は、シート部材の通
路面積の大きい連通孔101B(201B)を介して下
部室Bとばね室Mが連通しているので、油圧緩衝器は図
5の実線で示すような低い通常の減衰力を発生する。
【0035】ピストンナット18,213,306(バ
ルブストッパ212)がストロークの下方域Sdに侵入
すると、ピストンナットの下端面18A,213A,3
06A(バルブストッパの下端面212A)がシート部
材の上面101A(201A)に当接して、通路面積の
大きい連通孔101B(201B)が覆蓋され、下部室
Bは、シート部材の背面オリフィス101C(201
C)を介してのみばね室Mと連通する。この状態でピス
トンロッドが更に下降すると、シート部材101(20
1)が検知スプリング102を圧縮しながら下降する。
【0036】圧力が増大するばね室Mの作動油は、まず
シート部材の背面オリフィス101C(201C)を通
り、下部室Bを経由して負圧となる上部室Aに補充さ
れ、この際の通路抵抗により高い圧側背面減衰力を発生
する。
【0037】この分を除いたばね室Mの作動油は、シリ
ンダ2の下端部に装着されたベースバルブBVを介して
ばね室Mより底部室Cに流出し、この際の通路抵抗によ
り圧側ベース減衰力を発生する。当該圧側ベース減衰力
と前記圧側背面減衰力を合成した値が、図5の点線で示
すようなストロークの下方域Sdにおける高い圧側減衰
力となる。
【0038】第1〜第4実施形態で説明したシート部材
101,201は、例えば金属板からのプレス成形品の
外面にリン酸被膜等の潤滑性改善処理を追加することに
より、シリンダ内での摺動性が改善され傷付きを防止す
ることができる。また、上記プレス成形品にウレタン或
いはナイロン等の樹脂コーティング処理をすれば、シリ
ンダ内での摺動性が改善されるのに加え、ピストンナッ
ト(バルブストッパ)の下端面がシート部材の上面に当
接する際の衝撃が緩和されるため衝突音が発生にくくな
るとともに、当接部からの作動油の漏出を減少させるこ
とができる。
【0039】以上、第1〜第4いずれの実施形態におい
ても、ベースバルブの上側に検知スプリングを載置する
とともに、当該検知スプリングの上端にシート部材を嵌
着し、当該シート部材をシリンダに上下動自在に収容す
る。ストロークの下方域Sdで上記シート部材がピスト
ンバルブ側の下端構成部材に当接して、通路面積の大き
い連通孔が覆蓋され、下部室Bはシート部材の背面オリ
フィスを介してのみばね室Mと連通し、この際の通路抵
抗により圧側ハードの背面減衰力を発生する。
【0040】すなわち、ベースバルブ側の上端構成部材
の上側に検知スプリングが載置され、ストロークの下方
域Sdにおいて、当該検知スプリングの上端に嵌着した
シート部材が通路面積の大きい連通孔を覆蓋し、下部室
Bがシート部材の背面オリフィスを介してばね室Mと連
通しさえすればよいので、ピストンバルブ側の下端構成
部材は、第1〜第3実施形態で説明したピストンナット
に限らず、第4実施形態で説明したバルブストッパでも
よい。また、検知スプリングの基端部を支持するベース
バルブ側の上端構成部材は、第1,第2,第4実施形態
で説明したバルブストッパに限らず、第3実施形態で説
明したキャップでもよい。上記のように、本発明は、ピ
ストンバルブ及びベースバルブの構造に関係なく、あら
ゆるバルブ構造に適用することができる。
【0041】このように、車輌が軽積載状態で舗装路を
走行する等、ピストンがストロークの通常域Snで作動
する際には、低い通常の減衰力を発生させる一方、車輌
が重積載状態で悪路を走行する等、ピストンバルブの下
端構成部材がストロークの下方域Sdに侵入して作動す
る際には、ストロークの下方域Sdで高い減衰力を発生
させることができるので、油圧緩衝器の底突きが防止さ
れ良路,悪路両方の走破性を向上させることができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した通り本発明によれば、車輌
が軽積載状態で舗装路を走行する等、ピストンがストロ
ークの通常域で作動する際には、低い通常の減衰力を発
生させる一方、車輌が重積載状態で悪路を走行する等、
ピストンがストロークの下方域に侵入して作動する際に
は、ストロークの下方域で高い減衰力を発生させること
ができるため、ストロークの下方域にまで下降したピス
トンロッドの下降速度が速やかに減速し、油圧緩衝器の
底突きが防止されるとともに、良路,悪路両方の走破性
を向上させることができる。
【0043】また本発明においては、ベースバルブ側の
上端構成部材の上側に検知スプリングが載置され、当該
検知スプリングの上端に嵌着したシート部材が、ストロ
ークの下方域においてピストンバルブ側の下端構成部材
に当接して、通路面積の大きい連通孔を覆蓋し、下部室
がシート部材の背面オリフィスを介してばね室と連通し
さえすればよいので、ピストンバルブ及びベースバルブ
の構造に関係なく、あらゆるバルブ構造に適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる油圧緩衝器の要
部断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係わる油圧緩衝器の要
部断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係わる油圧緩衝器の要
部断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係わる油圧緩衝器の要
部断面図である。
【図5】本発明に係わる油圧緩衝器の通常域及び下方域
の減衰力特性である。
【図6】(A)従来技術に係る油圧緩衝器の縦断面図で
ある。 (B)従来技術に係る穴あきリーフバルブの平面図であ
る。 (C)従来技術に係る切欠きリーフバルブの平面図であ
る。
【符号の説明】
A 上部室 B 下部室 C 底部室 D タンク室 M ばね室 PV ピストンバルブ BV ベースバルブ Sd ストロークの下方域 Sn ストロークの通常域 1,211,301,401 ピストンロッド 2 シリンダ 12,305 ピストン 18,213,306 下端構成部材(ピストンナッ
ト) 22 上端構成部材(バルブストッパ) 27,315 バルブケース 101,201 シート部材 101A,201A シート部材の上面 101B,201B 連通路 101C,201C 背面オリフィス 102 検知スプリング 212 下端構成部材(バルブストッパ) 311 上端構成部材(キャップ)
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月6日(2000.7.6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を上部室と下部室とに区画す
    る一方、シリンダ内に摺動自在に案内されるピストンを
    ピストンロッドの下端部に結合して、当該ピストンに配
    設されたピストンバルブによりピストンロッドが伸長す
    る際の伸側減衰力を制御するとともに、シリンダ内を下
    部室とタンク室に連通する底部室とに区画するバルブケ
    ースをシリンダ下端部に嵌着して、当該バルブケースに
    配設されたベースバルブによりピストンロッドが下降す
    る際の圧側減衰力を制御する油圧緩衝器において、上記
    下部室内には、シリンダの内周に摺接するシート部材を
    上下動自在に挿入し、当該シート部材はベースバルブの
    上部に起立する検知スプリングで支持されるとともにベ
    ースバルブとの間にばね室を隔成し、ばね室はシート部
    材の中央部に形成した通路面積の大きい連通孔と端部近
    傍に形成した背面オリフィスを介して下部室に連通し、
    ピストンロッドが下降する圧側行程において、ピストン
    バルブの下端が上記シート部材の上面に当接したとき上
    記連通孔を覆蓋して、上記ばね室を上記背面オリフィス
    を介してのみ下部室に連通させ、当該ばね室から上記背
    面オリフィスを介して上部室に還流する作動油の通路抵
    抗により、高い圧側背面減衰力を発生させることを特徴
    とする油圧緩衝器の減衰力発生構造。
  2. 【請求項2】 ピストンバルブの下端構成部材は、ピス
    トンバルブをピストンロッドの下端部に結合するピスト
    ンナット或いはバルブストッパであることを特徴とする
    請求項1に記載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。
  3. 【請求項3】 ベースバルブの上端構成部材は、バルブ
    ストッパ或いはキャップであることを特徴とする請求項
    1に記載の油圧緩衝器の減衰力発生構造。
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