JP3823687B2 - ピアノハンドル式スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピアノハンドルの押操作によって接点部の接点切換を行うピアノハンドル式スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、押操作可能な押釦ハンドルを有する押釦スイッチよりなるスイッチ本体の前面側に、スイッチ本体に一端部が枢着され後面が押釦ハンドルに当接する形でピアノハンドルを配置したピアノハンドル式スイッチが提供されている。ピアノハンドルはピアノの鍵盤と同様に一端部を支点として他端部を押し込むことができる構成になっている。また、ピアノハンドルは押釦ハンドルよりも操作面が大型であって、指以外の部位を用いて押操作することも可能になっている。
【0003】
この種のピアノハンドル式スイッチとして図147に示す構成ものが知られている(例えば、特開平10−326539公報参照)。特開平10−326539公報には、押釦ハンドル32の押圧操作により接点部の接点切換が行われるスイッチ本体1と、このスイッチ本体1の前面に一端部が回動自在に枢支され他端部を押圧して押釦ハンドル32を押圧操作するピアノハンドル43とを備えたピアノハンドル式スイッチにおいて、成形時に成形金型へデザイン用のインク層が裏面に形成されたフィルムを入れることでデザイン用のインク層が表面にインモールド転写されたネームカバー253’を用いることが開示されている。このピアノハンドル式スイッチにおいては、ピアノハンドル43の前面側に取着されるネームカバー253’の前面に複数の化粧ライン115’がストライプ状に形成されている。ここに、ネームカバー253’は、後面側に配設されるネームカード250の表記が外部から見えるように中央部253a’が透明材料により形成されており、中央部253a’を除いた部位に上記化粧ライン115’が形成されている。
【0004】
ところで、上述のスイッチ本体1は、埋込型の配線器具の施工時に用いる取付枠(図示せず)に3個まで取着可能な寸法に形成されており、1つの取付枠に3個取り付けた場合には図148に示すようなピアノハンドル43が用いられ、2個取り付けた場合には図149に示すようなピアノハンドル43が用いられ、1個取り付けた場合には図150に示すようなピアノハンドル43が用いられている。すなわち、上記取付枠に取り付けるスイッチ本体1の数に応じて異なる大きさのピアノハンドル43が用いられている。ここに、図148ないし図150における130は上記取付枠の前面側に取り付けられるプレートの一部である化粧プレートを示し、130aは化粧プレート130の開口窓を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のピアノハンドル式スイッチでは、インモールド転写によってネームカバー253’の中央部253a’を除いた部位に化粧ライン115’のような飾色部を形成しているが、インモールド転写は転写用フィルムのコストが高いとともに成形コストが高く、しかもピアノハンドル43の前面へ転写される化粧ライン115’の位置精度があまりよくないので、製造コストが高くなってしまうという不具合があった。
【0006】
また、図148ないし図150に示すようにピアノハンドル43は大きさが3種類あり、仮にピアノハンドル43のベース色が2種類(例えば、ホワイト、利休色)あるとすると、6品種のネームカバー253’を用意しておく必要があり、製造コストや管理コストなどのコストが高くなってしまうという不具合があった。また、ネームカバー253’の前面が頻繁に手で触る場所であるにもかかわらずネームカバー253’の前面に化粧ライン115’が転写されているので、化粧ライン115’の耐久性が十分でないという不具合もあった。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コスト化が可能なピアノハンドル式スイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、押釦ハンドルが押し込まれたときに、この押釦ハンドルの押し込み動作にともなって反転ハンドルを反転回動させ、この反転ハンドルの反転回動に応じて接点部の切り換えを行うようにした押釦スイッチと、該押釦スイッチの前面側に軸支部により回動自在に取り付けられて前記押釦ハンドルをピアノタッチ操作で押圧するピアノハンドルとを備え、前記ピアノハンドルは、レーザビームを照射することにより発色させた飾色部が前面に設けられてなることを特徴とするものであり、ピアノハンドルの前面にレーザビームを照射することにより発色させた飾色部が設けられているので、従来のようにインモールド転写によりピアノハンドルの前面に飾色部を形成する必要がなく、転写用フィルムが不要になるとともに成形に伴うコストの削減を図ることができ、また、レーザビームを照射することにより発色させて形成される飾色部は、インモールド転写により形成される飾色部の位置精度に比べて精度が高いので良品率が高くなるから、製造コストを低減でき、低コスト化を図ることができる。しかも、飾色部をネームカバーと独立してピアノハンドルの前面に設けることができるから、従来のようにネームカバーに飾色部を設ける必要がなく、ピアノハンドルの大きさやベース色などにより区別されるピアノハンドルの品種に関わらず共通のネームカバーを使用可能となるので、ネームカバーの共通化が図れコストを低減できる。また、飾色部がインモールド転写により形成されている場合に比べて、飾色部の耐久性が高くなる。
また、請求項1の発明は、前記ピアノハンドルの前面に設けられ透明性材料からなるネームカバーと、前記ピアノハンドルの後面側に開閉自在に設けられて前記ネームカバーとの間でネームカードを保持する裏蓋とを備えるので、ネームカバーおよび裏蓋を前記ピアノハンドルの後面側から取り付けることが可能となり、組立作業を簡素化することができる。
また、請求項1の発明は、前記ネームカバーは、前記ピアノハンドルに貫設された窓孔に嵌入されるネームカバー本体と、前記ピアノハンドルの後面側で前記窓孔の開口周部に超音波溶着される固定部とを備えるので、ピアノハンドルへのネームカバーの接合強度を高めることができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記飾色部は、レーザービームを照射することにより炭化反応させることで発色させてあるので、前記飾色部に起因したピアノハンドルの面粗さを小さくすることができ、操作感触を良好にすることができる。また、前記飾色部の所望の色品質を実現することが可能となる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記飾色部はピアノハンドルの前面においてストライプ状に形成された複数の化粧ラインであって、各化粧ラインそれぞれは、レーザビームを照射することにより形成された複数本の平行なラインにより構成されているので、1つの化粧ラインを1本のラインで構成する場合に比べてレーザビームのパワーを低減させることが可能で、ピアノハンドルの前面の化粧ラインに起因した面粗さを小さくすることが可能になり、ピアノハンドルの操作感触を良好にすることができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記ネームカバーと前記裏蓋と前記ネームカードとを1ブロック化してなるので、組立作業を簡素化することが可能になる。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記ネームカバーは、前記ネームカードが当接する面に曲率が設けられてなるので、静電気によりネームカードがネームカバーに付着するのを防ぐことができ、ネームカードの取り替えが容易になる。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記ネームカバーは、前記ネームカードが当接する面にネームカードの密着を防ぐ密着防止突起が突設されてなるので、静電気によりネームカードがネームカバーに付着するのを防ぐことができ、ネームカードの取り替えが容易になる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記ピアノハンドルは、当該ピアノハンドルの操作にともなって前記押釦ハンドルを押操作するスイッチ操作リブが一体に突設されてなるので、ピアノハンドルを押操作すればピアノハンドルから一体に突設されたスイッチ操作リブによって押釦ハンドルが押し込まれるから、スイッチ操作リブを別部材に設けて当該別部材をピアノハンドルに組み付ける場合に比べて、ピアノハンドルに対するスイッチ操作リブの位置精度が高くなるとともに、組立誤差が抑えられる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7の発明において、前記ピアノハンドルは、前面において前記軸支部とは反対側に当該ピアノハンドルの操作側を示す指示突起が突設されてなるので、ピアノハンドルに押力を作用させるべき端部が指示突起側であることが明確に示され、また、手触りでも分かるようになる。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向に3個並べて取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記3個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに各押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓を長手方向に略3等分した寸法としたので、押釦スイッチを3個用いる場合にも押釦スイッチを1個または2個用いる場合と共通仕様の取付窓を有する取付枠、プレートが使用できて部品の共通化が図れる。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向に2個並べて取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記2個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに各押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓を長手方向に略2等分した寸法としたので、押釦スイッチを2個用いる場合にも押釦スイッチを1個または3個用いる場合と共通仕様の取付窓を有する取付枠、プレートが使用できて部品の共通化が図れる。
【0020】
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向における略中央に1個取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記1個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓の長手方向の寸法に略等しい寸法としたので、押釦スイッチを1個用いる場合にも押釦スイッチを2個または3個用いる場合と共通仕様の取付窓を有する取付枠、プレートが使用できて部品の共通化が図れる。
【0021】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11の発明において、前記押釦スイッチに前記接点部の状態に応じて発光する発光手段を具備し、前記ピアノハンドルに取り付けられて前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ導く導光部材を備え、該導光部材には、前記光を拡散させるシボ加工が施されてなるので、前記ピアノハンドルの前面側で導光部材の前面を均一に光らせることができ、発光手段の発光の有無に関する視認角度が向上する。
【0022】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、前記押釦スイッチに前記接点部の状態に応じて発光する発光手段を具備し、前記ピアノハンドルに取り付けられて前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ導くプリズムと、前記プリズムの前面側に配設され表示を行う発光表示部とを備え、該プリズムは、前記ピアノハンドルの後面側で発光表示部の一部を挟み込んだ形で前記ピアノハンドルの後面側に超音波溶着されてなるので、発光手段と発光表示部との位置がずれていても前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ確実に導くことができ、また、前記ピアノハンドルへの前記プリズムの接合強度を高めることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の特徴であって後述の各実施形態に共通する点について説明する。
【0027】
図1および図2は本発明のピアノハンドル式スイッチに用いるピアノハンドル43を示し、図1のピアノハンドル43の前面(操作面)には、ピアノハンドル43の前後方向に貫設された窓孔252に配設されたネームカバー253とは別に、複数本の化粧ライン115がストライプ状に形成されている。また、図2のピアノハンドル43は、窓孔252およびネームカバー253が設けられていない点が図1のピアノハンドル43と相違する。
【0028】
ここにおいて、図1および図2に示すピアノハンドル43は、着色材を含有した合成樹脂成形品(例えば、ABS樹脂成形品)により構成されており、前面(操作面)にレーザビームを照射することによりストライプ状に形成された複数本の化粧ライン115を有している。化粧ライン115は、ピアノハンドル43の操作面にレーザビームを照射することにより炭化反応させて発色させた飾色部により構成されている。
【0029】
しかして、ピアノハンドル43の前面にレーザビームを照射することにより炭化反応させて発色させた化粧ライン115が設けられているので、従来のようにインモールド転写によりピアノハンドル43の前面に化粧ライン115’を形成する必要がなく、転写用フィルムが不要になるとともに成形に伴うコストの削減を図ることができ、また、レーザビームを照射することにより炭化反応させて発色させて形成される化粧ライン115は、インモールド転写により形成される化粧ライン115’の位置精度に比べて精度が高いので良品率が高くなるから、製造コストを低減でき、低コスト化を図ることができる。しかも、化粧ライン115をネームカバー253と独立してピアノハンドル43の前面に設けることができるから、従来のようにネームカバー253’に化粧ライン115’を設ける必要がなく、ピアノハンドル43の大きさやベース色などにより区別されるピアノハンドル43の品種に関わらず共通のネームカバー253を使用可能となるので、ネームカバー253の共通化が図れコストを低減できる。また、インモールド転写により形成された化粧ライン115’に比べて、化粧ライン115の耐久性が高くなる。
【0030】
化粧ライン115を形成するにあたっては、レーザビームをピアノハンドル43の前面に照射して樹脂を炭化作用させることによりマーキングを実施するレーザマーキング装置(図示せず)を用いた。ここにおいて、レーザマーキング装置としては、例えば、レーザ発振器のビームの発振波形がいわゆるQスイッチパルスであり、レーザの波長がYAGレーザの波長である1.06μmであるものを用いることができる。
【0031】
ところで、上述のレーザ装置を2台用いることにより、図1における上下方向においてネームカバー253を挟んで上側の領域と下側の領域とで同時に化粧ライン115を形成することができるので、1つのピアノハンドル43に所定数の化粧ライン115を形成する処理の高速化を図ることができる。
【0032】
また、図3中に右向きの矢印で示すようにレーザービームを単方向(図3における右向き)へスキャンニングすることにより、つまり、化粧ライン115の左端である始点から右端である終点までスキャンニングする度に次の化粧ライン115の左端である始点に戻って始点から右端の終点までスキャンニングすることにより、図3における各化粧ライン115の左端、右端それぞれの位置を高精度に揃えることができるから、化粧ライン115の両端をそれぞれ図3における上下方向に沿った1直線上に揃えることができ、見栄えがよくなる。
【0033】
また、図4中に右向き、左向きの矢印で示すようにレーザビームを双方向にスキャンニングすることにより、単方向にスキャンニングする場合に比べて、1つのピアノハンドル43に所定数の化粧ライン115を形成する処理の高速化を図ることができる。
【0034】
ところで、各化粧ライン115を、図5または図6に示すように、レーザビームを照射することにより形成された複数本の平行なライン115aにより構成すれば、1つの化粧ライン115を1本のラインで構成する場合に比べてレーザビームのパワーを低減させることが可能で、ピアノハンドル43の前面の化粧ライン115に起因した面粗さを小さくすることが可能になり、ピアノハンドル115の操作感触を良好にすることができる。ここに、図5は、1つの化粧ライン115を3本のライン115aで構成した例、図6は、1つの化粧ライン115を4本のラインで構成した例である。なお、後述する各実施形態における各化粧ライン115は、例えば、幅(図1の上下方向における幅)を0.37mm、長さ(図1の左右方向の寸法)を23.5mmに設定してある。
【0035】
なお、化粧ライン115が形成されていない部分の表面の面粗さ(RpあるいはRm)は0.5μm以下、化粧ライン115と化粧ライン115の周辺部分とを含めた部分の表面の面粗さ(RpまたはRm)は10μm以下(つまり、0〜10μm)としてある。また、化粧ライン115は周辺部分よりも色が濃くて該周辺部分との色差ΔEを3以上としてある。ここに、色差ΔEは、化粧ライン115の色品質の目安となるものであり、化粧ライン115を人間の目で明瞭に視認できる程度の色差ΔEの下限値として3を設定した。また、化粧ライン115とその周辺部分とを含めた面の面粗さ(RpあるいはRm)は、手で触ってざらつきを感じず且つ良好な光沢感を有する程度の面粗さとして0〜10μmを設定した。なお、上述の色差ΔE、面粗さの数値は適宜設定すればよい。
【0036】
上述のように、1つの化粧ライン115を複数本のライン115aで構成する場合は、レーザビームのピアノハンドル43表面でのスポット径、バイトサイズ(バイトサイズは、スキャンニング速度とQスイッチパルス周波数とから算出される)、レーザパワーの条件設定により、1つの化粧ライン115当たりのライン115aの本数に関わらず同等の色品質を確保することができる。また、これらの条件設定は、ピアノハンドル43のベース色に応じて適宜設定すればよい。
【0037】
(実施形態1)
本実施形態のピアノハンドル式スイッチは、図22に示すように、押釦ハンドル32を備え押操作毎に接点部100(図13参照)を反転させる押釦スイッチよりなるスイッチ本体1と、スイッチ本体1の前面(図22の上面)に対向する形で配設され一端部がスイッチ本体1に枢着されるとともに押釦ハンドル32を押し込み可能なピアノハンドル43とを備える。スイッチ本体1の器体5は矩形枠状であって器具取付用の窓孔(取付窓)2aを有した取付枠2に保持される。また、取付枠2の前面側には取付枠2の窓孔2aよりも長寸かつ広幅の開口窓120a,130aを備えるプレート(プレート枠120および化粧プレート130)が重ね合わせて配置される。取付枠2は器具取付手段としての器具取付孔2bを長手方向において3組備える。
【0038】
以下では、まずスイッチ本体1について図7ないし図15を用いて説明する。スイッチ本体1の器体5は直方体状であって、ともに合成樹脂成形品である前面開口したボディ5bと、ボディ5bの前面側に結合される後面開口したカバー5aとにより形成される。すなわち、カバー5aの短手方向の両側壁の後縁からは後方に向かって組立片3が延設され、組立片3に設けた組立孔4がボディ5bの短手方向の両側面に形成してある組立突起6に係合することによりボディ5bとカバー5aとが結合される。組立突起6にはボディ5bからの突出寸法をカバー5aに近い側ほど小さくする傾斜面6aが形成され、カバー5aをボディ5bに近付けるように力を作用させるだけで組立片3が組立突起6に簡単に結合されるようにしてある。
【0039】
器体5の短手方向の寸法は、大角連用形(JIS C8304参照)と称する埋込型の配線器具の施工時に用いる取付枠に3個まで取着可能な寸法に形成してある。つまり、上述した取付枠2の窓孔2aの長手方向の寸法は埋込型の配線器具の施工時に用いる取付枠の窓孔の長手方向の寸法と等しく設定してあり、したがって、本実施形態に示すスイッチ本体1の器体5の短手方向の寸法は取付枠2の窓孔2aの長手方向の寸法の略3分の1の寸法になる。この寸法を大角連用形の配線器具と同様に、「1個モジュール寸法」と呼ぶ。
【0040】
一方、器体5の長手方向の寸法は窓孔2aの短手方向の寸法に略等しく、器体5の前部を形成するカバー5aの長手方向の各側面には、取付枠2の窓孔2aを囲む部位に設けた上記器具取付孔2bに係合可能な取付爪11a,11bがそれぞれ一対ずつ突設してあり、取付爪11a,11bが器具取付孔2bに係合することによって器体5が取付枠2に保持されるようにしてある。カバー5aの長手方向の一方の側壁には後端が開放された前後方向の2本の切り込み溝11cが形成され、両切り込み溝11cの間の部位は厚み方向に可撓性を有する撓み片11dを形成している。カバー5a内において撓み片11dの裏面側には空所12が形成され、撓み片11dをカバー5aの内側に撓ませることによって取付爪11aをカバー5aの側面から弾性的に後退させることが可能になっている。
【0041】
したがって、カバー5aの長手方向の一方の側面に設けた取付爪11bを取付枠2の器具取付孔2bに挿入するとともに、取付爪11aをカバー5aの側面から後退させるようにして取付枠2の窓孔2aに器体5を挿入すれば、器具取付孔2bに取付爪11aが挿入されて器体5が取付枠2に保持される。また、撓み片11dをカバー5aに押し込むようにすれば、取付爪11aが器具取付孔2bから抜け、取付枠2から器体5を取り外すことができる。撓み片11dの後端部外側面には撓み片11dの押し込みを容易にするために押突起11eが突設されている。取付枠2は後述するように埋込型の配線器具と同様に壁面などの施工面に取り付けられ、器体5の後部は施工面に埋設される。
【0042】
ところで、ボディ5bの内部空間は長手方向において3室に区画され、両側の区画は端子が収納される端子収納室13,14となり、中央部はスイッチ機構部が収納される中央収納室23を形成している。端子収納室13には端子板15と2個の鎖錠ばね16と解除釦17とからなる端子が収納され、端子収納室14には端子板18と2個の鎖錠ばね19と解除釦21とからなる端子が収納される。また、端子収納室13,14に対応するボディ5bの後壁には、図11、図13に示すように、各一対の電線挿入口13a,14aが貫設され、各一対の電線挿入口13a,14aの近傍にはそれぞれ1個ずつの解除孔13b,14bが貫設される。
【0043】
鎖錠ばね16,19は、弾性を有する導電性金属の帯板の両端部をそれぞれ曲成することにより、中央片16c,19cの両端部に鎖錠片16a,19aと接触片16b,19bとをそれぞれ形成したものである。鎖錠片16a,19aはJ字状に曲成され、中央片16c,19cとの連結部位から先端に向かって中央片16c,19cとの距離を広げるように傾斜する。また、接触片16b,19bはS字状に曲成され、中央片16c,19cの厚み方向に弾性を有している。
【0044】
一方、各端子板15,18は全体形状としては後方に開放されたコ字状であって、前片15a,18aおよび前片15a,18aの後方に位置して互いに対向する押さえ片15b,18bおよび当接片15c,18cを備える。鎖錠ばね16,19の中央片16c,19cは平板状であり、端子板15,18の当接片15c,18cに当接し、鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bを押さえ片15b,18bに対向させる。端子板15,18および鎖錠ばね16,19と電線挿入口13a,14aとの位置関係は、上述した電線挿入口13a,14aから器体5に導入される電線が鎖錠ばね16,19の鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bと端子板15,18の押さえ片15b,18bとの間に挿入されるように設定されている。したがって、器体5に電線が挿入されると、鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bと端子板15,18の押さえ片15b,18bとの間で電線が挟持され、鎖錠片16a,19aの先端が電線の芯線に食い込んで抜止がなされるとともに、鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bによって電線の芯線と端子板15,18との電気的接続がなされる。鎖錠ばね16,19のばね力を利用して端子ねじを用いることなく電線を接続することができるこの種の構造の端子は速結端子と呼ばれている。速結端子において電線の機械的接続状態および電気的接続状態として所要の性能を得るには、電線挿入口13a,14aへの電線の挿入量を一定にする必要がある。そこで、電線の絶縁被覆を剥く量が一定であるか否かを簡単に確認することができるように、ボディ5bの後面にはゲージ溝22が形成されている。絶縁被覆を剥くときには電線の端部をゲージ溝22に合わせて絶縁被覆を剥く量を確認すればよい。
【0045】
解除釦17,21はユリア樹脂のような熱硬化性樹脂を用いて形成され、後部を解除孔13b,14bに臨ませる形でボディ5bの各端子収納室13,14にそれぞれ収納される。解除釦17,21の一部は鎖錠ばね16,19の鎖錠片16a,19aに接触可能であって、解除孔13b,14bを通してマイナスドライバのような工具の先端部で解除釦17,21を押操作すれば、鎖錠片16a,19aを端子板15,18の押さえ片15b,18bから引き離して電線の保持力を弱め、この状態で電線を引き抜くことができる。ここに、各解除釦17,21は各端子板15,18に対応する各一対の鎖錠ばね16,19にそれぞれ跨るように配置され、各端子板15,18に対応する2個ずつの鎖錠ばね16,19の鎖錠片16a,19aを同時に押すことができるようになっている。
【0046】
端子収納室14に収納される端子板18には、中央収納室23に挿入される接点保持片18dが一体に形成してあり、接点保持片18dの先端部には中央収納室23内で固定接点25が設けられる。また、端子収納室13に収納される端子板15には、中央収納室23まで延長される連絡片15dが延出してあり、連絡片15dの先端部には中央収納室23の後壁内周面に沿って配置される支持片15eが形成されている。連絡片15dは当接片15cよりも押さえ片15bよりに位置するように形成され、中央収納室23内に配置される接点保持片18dとの絶縁距離を比較的大きくとってある。支持片15eには平板状の導電板からなる開閉子24の後端縁が当接する。開閉子24の後部両側縁には突部28が突設され、突部28は中央収納室23内で設けた前端側が広いV字状の位置規制凹部27に挿入される。したがって、開閉子24は支持片15eに後端縁が接触した状態で後縁を中心として位置規制凹部27の範囲内で回動可能になる。開閉子24は接点保持片18dに対向するように配置され、接点保持片18dに設けた固定接点25との対向部位には固定接点25とともに接点部100を構成する可動接点29を設けてある。つまり、開閉子24が回動することにより、可動接点29が固定接点25に接離し、端子板15と端子板18とを電気的に接続する状態と分離する状態とが選択される。
【0047】
上述のように、端子収納室13,14に収納された各一対の鎖錠ばね16,19はそれぞれ1つの端子板15,18に対応して配置されているから、各一対の鎖錠ばね16,19はそれぞれ電気的に接続されている。つまり、接点部100の開閉によって端子収納室13に収納された端子板15に対応する2個の鎖錠ばね16と端子収納室14に収納された端子板18に対応する2個の鎖錠ばね19との導通、非導通が同時に切り換えられるから、2個ずつ設けられている鎖錠ばね16,19の一方を送り配線用の端子として用いることができる。
【0048】
ここにおいて、本実施形態ではボディ5bの前端の開口面よりも端子板15,18の前片15a,18aのほうが前方に突出するように端子板15,18を配置してあり、端子板15,18がカバー5a側に浮き上がらないようにするために、カバー5aの内周面には端子板15,18の前片15a,18aに当接する押さえ用ボス53が形成されている。なお、本実施形態においては、ボディ5bの前面開口から端子板15,18を突出させる寸法は、ボディ5bの後面が略一平面になる程度に設定される。
【0049】
ところで、両端子板15,18の間にはネオンランプからなる位置表示灯L1と限流用の抵抗R1とを備えた表示ブロックB1が接続される。表示ブロックB1は、3枚の導電板61〜63を同時一体に成形した合成樹脂成形品であるブロック本体60を備える。ブロック本体60は前方から見てコ字状に形成され、導電板61の一端部をへ字状に折曲して形成した接触子61aをブロック本体60の一方の脚片の先端から突出させ、導電板61の他端部を断面U字状に曲成したかしめ部61bを上記一方の脚片の基部に突出させてある。また、導電板62の一端部をへ字状に折曲して形成した接触子62aをブロック本体60の中央片から突出させ、導電板62の他端部を断面U字状に曲成したかしめ部62bをブロック本体60の一側面から突出させてある。ブロック本体60の同じ側面には導電板63の一端部を断面U字状に曲成したかしめ部63bも突出する。導電板63は他端部にも断面U字状に曲成したかしめ部63aを備え、かしめ部63aはブロック本体60の他方の脚片の基部に突出させてある。抵抗R1はかしめ部61bとかしめ部63aとにかしめて接続され、位置表示灯L1はかしめ部62bとかしめ部63bとにかしめて接続される。
【0050】
ブロック本体60は端子収納室14に対応する部位でカバー5aに収納され、ブロック本体60から突出する2本の接触子61a,62aは端子板15,18の前片15a,18aにそれぞれ接触するように配置される。すなわち、カバー5aの長手方向の一端部には後面開口した収納凹所55が形成され、収納凹所55にブロック本体60が収納される。収納凹所55の一方の壁面である仕切壁55aには収納凹所55側に突出する一対の突条部55b(図15参照)が設けてあり、突条部55bはブロック本体60を収納凹所55に収納するとブロック本体60の脚片の先端に圧接するように形成されている。したがって、収納凹所55にブロック本体60を収納すれば、ブロック本体60はカバー5aに仮保持され、カバー5aをボディ5bに結合する際にブロック本体60を押さえる必要がなく結合作業を容易に行うことができる。
【0051】
ブロック本体60をカバー5aに仮保持させた状態でカバー5aをボディ5bに結合すれば、接触子61aの先端部が端子板15の前片15aに弾接し、接触子62aの先端部が端子板18の前片18aに弾接する。つまり、抵抗R1と位置表示灯L1との直列回路が両端子板15,18の間に挿入されることになる。したがって、スイッチ本体1の内部回路を図示すれば図16のようになる。本実施形態では固定接点25と可動接点29とを1個ずつ備えた単極単投(いわゆる片切)の接点部100を構成しており、抵抗R1と位置表示灯L1との直列回路が接点部100に並列接続されるのである。この構成では、接点部100を電源と負荷との間に挿入して負荷への電源を入切する片切のスイッチとして用いるとすれば、負荷に電源を供給していないときに位置表示灯L1が点灯することになる。つまり、負荷として照明負荷を用いるとすれば、照明負荷が消灯しているときには位置表示灯L1が点灯することによって、暗がりでもスイッチの位置を容易に確認することができる。
【0052】
カバー5aにおいて収納凹所55に対応する部位の前壁には、軸部192の間の部位に収納凹所55に連通する透孔窓40が形成され、透孔窓40には透光性を有したランプカバー41が取り付けられる。したがって、位置表示灯L1の点灯・消灯の状態はランプカバー41を通して視認することができる。
【0053】
ボディ5bの後面や側面の適宜部位には接点部100の構成、型式を示す記号、定格容量などを示す表記56が設けられている。この表記56はボディ5bを形成する材料に珪素含有無機化合物または珪素を含有するピグメントを混入しておき、表記56のパターンが得られるようにレーザビームを照射することで発色させてある。このような表記56を形成する際には、適切に選択したピグメントにより着色した材料を用いることで、比較的低強度のレーザビームを用いながらも明確なコントラストを与えることができる。
【0054】
ところで、接点部100は開閉子24を回動させるために設けた反転ばね30、反転ハンドル31、押釦ハンドル32、スライドカム33、復帰ばね37とともにスイッチ機構部を構成する。反転ばね30はコイルスプリングであり、反転ばね30の後端部には開閉子24の前縁に突設されたばね座片24aが挿入され、前端部は反転ハンドル31に設けた後面開口した筒部31a内に収められる。反転ハンドル31はカバー5aの前面に設けた凹部51の底壁に貫設された貫通孔52を通して前端部がカバー5aの前面側に露出する。また、反転ハンドル31の中間部の両側面には前端部が先細りとなる三角形状の支点突起31bが突設され、貫通孔52の両側縁に形成され後方に開放された軸受部50に支点突起31bが枢支されることで、反転ハンドル31はカバー5aに対して揺動自在に取り付けられる。つまり、反転ハンドル31の前端部をカバー5aの貫通孔52に後方から挿入するとともに、支点突起31bを軸受部50に挿入することで、カバー5aに対して反転ハンドル31が揺動自在になる。上述のように反転ハンドル31は反転ばね30を介して開閉子24に連結されており、反転ハンドル31が揺動すると揺動範囲の中間で反転ばね30がもっとも圧縮される位置を通過する。この位置の前後において反転ばね30から開閉子24に作用するばね力の向きが反転し、反転ばね30のばね力により開閉子24が急速に移動するのである。
【0055】
ところで、反転ハンドル31において貫通孔52を通してカバー5aの前面側に露出する部位の両側部には前方に突出してスライドカム33に掛合する一対の掛合突起34を突設してある。スライドカム33はカバー5aに設けた押釦ハンドル32の押操作時に反転ハンドル31の位置関係に応じて反転ハンドル31の揺動方向を含む面内において押釦ハンドル32の裏面に沿ってスライドするように構成されている。スライドカム33の構成については後述する。
【0056】
ところで、押釦ハンドル32は、長手方向の両外側面の後端部に突出するガイド突起36を備え、カバー5aの凹部51の両側内周面の後部に前後方向(図13の上下方向)に沿って形成された案内溝35にガイド突起36が挿入されることによって、前後方向に移動自在かつ前方への抜止がなされている。
【0057】
押釦ハンドル32の後面には突起32dが突設され、板ばねからなる復帰ばね37の平片37bに穿孔した孔37dに突起32dを挿入することにより、復帰ばね37が押釦ハンドル32の後面に取り付けられる。復帰ばね37は平片37bから後方に向かって開拡した2つの復帰ばね片37aを一体に延設して形成され、復帰ばね37のばね片37aの先端が凹部51の底面に弾接されることにより押釦ハンドル32が前方に向かって付勢される。
【0058】
スライドカム33はポリアセタールのような弾性に富む熱可塑性樹脂によりロ字状に成形してあり、対向する側辺部の後面に反転ハンドル31の掛合突起34に対応する掛合カム体38が突設され、さらに別の側辺部の中央部に一対のばね片33aがハ字状となるように一体に突設された形状を有している。図18のように押釦ハンドル32の後面に突設された突起32aが上記両ばね片33aの間に挿入されることによって、押釦ハンドル32の後面においてスライドカム33が摺動自在に装着され、かつばね片33aの弾性によってスライドカム33に復帰力が与えられる。
【0059】
スイッチ本体1の器体のカバー5aの表面側端部には、ピアノハンドル43を枢着するために、斜め前方に突出する一対の軸部192が一体に突設してある。軸部192の前端部はカバー5aの短手方向に沿った円柱状に形成される。ピアノハンドル43の背面の一端部には、図17に示すように、板ばねにより形成された金属製の軸受用ばね191bをはめ込み用穴191aに装着した軸受部191が設けてある。はめ込み用穴191aは内周面の片側に係止穴190を備え、はめ込み用穴191aに収納される軸受用ばね191bの抜け止め爪191cを係止して軸受用ばね体191bを固持している。軸受用ばね体191bは先端をはめ込み用穴191a内へ突出させるように曲げ形成され、突出部191dとはめ込み用穴191aとで軸部192を保持する。
【0060】
はめ込み用穴191aの開口付近には軸受用ばね191bの突出部191dが設けてあるから、はめ込み用穴191aの内部よりも開口幅が狭く、スイッチ本体1に設けた軸部192を軸受用ばね191bのばね力に抗してはめ込み用穴191aに弾性的にはめ込むと、軸部192と軸受部191とが枢着され、容易には外れないようにしてある。このように軸部192を軸受部191に回動自在に嵌め込むことでピアノハンドル43を回動自在に枢着することができる。なお、ピアノハンドル43の他端部には後方に向かって抜け止め用の抜止片43aを突設してある。抜止片43aはカバー5aの前壁に形成した挿入孔54を通して空所12内に挿入され、抜止片43aの先端部に設けた係止爪43bが挿入孔54の周縁に係止されることによって、ピアノハンドル43の回動範囲が規制される。挿入孔54は図9のように3個並んで設けられている。また、挿入孔54に近接して設けられている端子板15には、押さえ片15bから前方に案内片15fが延設され、端子板15に接続される電線が挿入孔54側に突出することによって抜止片43aに干渉するのが防止されている。
【0061】
上記のようにピアノハンドル43がスイッチ本体1に取り付けられることにより、ピアノハンドル43の上記他端部を押操作すると、軸受部191と軸部192と枢着部を中心にしてピアノハンドル43が回動する。ピアノハンドル43の後面には一対の操作用リブ43cが突設されており、ピアノハンドル43を押操作すれば上記操作用リブ43cによってスイッチ本体1に設けた押釦ハンドル32が器体5に押し込まれるのである。
【0062】
以下に、上記スイッチ本体1の動作を簡単に説明する。図18は可動接点29が固定接点25に接触している状態、すなわち接点部100が閉成された状態を示しており、反転ハンドル31は図の右側に倒れている。このときスライドカム33はばね片33aにより移動範囲の中央位置に位置している。この状態からピアノハンドル43(図18では図示を省略している)に押力を作用させると、押釦ハンドル32が復帰ばね37に抗して器体5に押し込まれ、押釦ハンドル32とともにスライドカム33が図18の下向きに移動する。このときスライドカム33の図中左側の掛合カム体38が反転ハンドル31の左側の掛合突起34に当接して反転ハンドル31の左端部を押すから、反転ハンドル31が支点突起31bの前端を中心として左回りに回転する。スライドカム33の左側の掛合カム体38は反転ハンドル31の左側の掛合突起34よりも左側に位置しており、反転ハンドル31が回転するのに伴ってスライドカム33が左方に押されて図19に示すようにスライドカム33が図中の左側にスライドする。こうして図20のように反転ハンドル31が図の左側に倒れるようになり、反転ばね30が反転して開閉子24が反転し、可動接点29が固定接点25から切り離された状態、すなわち接点部100が開放状態に反転する。その後、ピアノハンドル43に作用させた押力を解除すると、図21のように復帰ばね37のばね力により押釦ハンドル32が押し戻され、押釦ハンドル32に当接しているピアノハンドル43も元の位置に復帰する。また同時に、スライドカム33もばね片33aのばね力でスライドして中央位置に復帰する。
【0063】
こうして、接点部100が開放状態となっているときにピアノハンドル43に再び押力を作用させると、上述の動作と同様にして反転ハンドル31を回転させることができる。ただし、接点部100が開放状態であるときには、反転ハンドル31の右側の掛合突起34がスライドカム33の右側の掛合カム体38に当接するから、反転ハンドル31は右回りに回転し、反転ばね30を介して可動接点29に固定接点25を接触させることになる。こうして接点部100を反転させた後にピアノハンドル43から押力を解除すれば、図18に示す状態に戻る。要するに、本実施形態ではピアノハンドル43の押操作毎に接点部100が開閉されるのである。すなわち、スライドカム33と反転ハンドル31の掛合突起34と復帰ばね37とによって、押釦ハンドル32の押操作を反転ハンドル31の揺動に変換する変換機構部が構成される。
【0064】
ところで、上述した取付枠2は1個モジュール寸法のスイッチ本体1を3個取り付けることができるものであるから、3個用の取付枠2と呼ぶことにする。すなわち、取付枠2の窓孔2aの両側の側片には、スイッチ本体1の取付爪11a,11bが係止される2個1組の器具取付孔2b,2bが3組ずつ設けてあり、窓孔2a内でスイッチ本体1の取付位置を3箇所選択できるようになっている。ここで、窓孔2aの長手方向にスイッチ本体1の短手方向を一致させてスイッチ本体1を取付枠2に取り付ける場合の3つの取付位置を、それぞれ上端位置、中央位置、下端位置と呼ぶことにする。また、取付枠2に1個モジュール寸法のスイッチ本体1を1個取り付ける際に用いるピアノハンドル43であって、図22に示すようにプレート(プレート枠120および化粧プレート130)の開口窓120a,130aを1個で覆う程度の寸法を有したピアノハンドル43を1個用のピアノハンドル43と呼ぶことにする。同様に、3個用の取付枠2に1個モジュール寸法のスイッチ本体1を2個取り付ける際に用いるピアノハンドル43であって、図43に示すように各スイッチ本体1にそれぞれ取り付けられプレートの開口窓120a,130aを2個で覆う程度の寸法を有したピアノハンドル43を2個用のピアノハンドル43と呼ぶことにし、さらに、3個用の取付枠2に1個モジュール寸法のスイッチ本体1を2個取り付ける際に用いるピアノハンドル43であって、図57に示すように各スイッチ本体1にそれぞれ取り付けられプレートの開口窓120a,130aを3個で覆う程度の寸法を有したピアノハンドル43を3個用のピアノハンドル43と呼ぶことにする。
【0065】
上述した3種類のピアノハンドル43の上下方向(スイッチ本体1の短手方向)の寸法の関係は、(1個用のピアノハンドル43の上下寸法)≒(2個用のピアノハンドル43の上下寸法)×2≒(3個用のピアノハンドル43の上下寸法)×3になる。また、上述したようにプレートの開口窓120a,130aは取付枠2の窓孔2aよりも長寸かつ広幅であり、この窓孔2aにスイッチ本体1を挿入して取り付けるから、3個用のピアノハンドル43の上下寸法はスイッチ本体1の上下寸法よりも大きくなっている。つまり、いずれのピアノハンドル43も押釦ハンドル32よりも操作面の面積が大きく、したがって押釦ハンドル32を押操作するよりもピアノハンドル43を押操作するほうが操作が容易になっている。
【0066】
取付枠2の窓孔2aにスイッチ本体1を1個だけ取り付ける場合を図22ないし図30に示し、1個用のピアノハンドル43を図31ないし図38に示す。上述したように、ピアノハンドル43の背面の一端部に設けられる軸受部191(図17参照)は、スイッチ本体1に設けた一対の軸部192に対応するように上下方向の中央部付近に2つ設けられている。ただし、ピアノハンドル43の各軸受部191に取り付けられる軸受用ばね191bは連続した1部材で形成される。ピアノハンドル43は、ピアノハンドル43の2つの軸受部191にスイッチ本体1の2つの軸部192を嵌め込むことにより、スイッチ本体1の上下方向の中心と1個用のピアノハンドル43の上下方向の中心とが一致するように取り付けられる。また、1個用のピアノハンドル43の背面の他端部には上下方向の中央部付近に2本の抜止片43aが突設され、各抜止片43aはスイッチ本体1の上下の挿入孔54に挿入される。
【0067】
ところで、図34に示すようにピアノハンドル43において軸受部191を設けている一端部において上下方向の中央部には、ピアノハンドル43をスイッチ本体1に上述のように取り付けたときにスイッチ本体1のランプカバー41に対応する部位で表示窓112が設けてあり、この表示窓112には導光部材たるレンズ113の先端部分がピアノハンドル43の後面側から嵌合している。このレンズ113は透光性を有する合成樹脂製であって、先端部分が表示窓112に嵌合する矩形平板状の主体113aと、主体113aの端部側両側面より側方へ突設された側片113bとが一体に形成されている。
【0068】
一方、ピアノハンドル43裏面の表示窓112の周縁には、図36に示すように先端部分が三つ又に形成されレンズ113の側片113bに設けた長孔状の固定孔113cに圧入される圧入リブ112aが突設されている。つまり、主体113aの先端部分をピアノハンドル43の裏面側から表示窓112に嵌合し、圧入リブ112aを側片113bの固定孔113cに圧入することで、図35および図38に示すようにレンズ113がピアノハンドル43に固定される。そして、スイッチ本体1にピアノハンドル43を取り付ければ、図29および図30に示すようにレンズ113の主体113aの後端面がスイッチ本体1のランプカバー41に対向配置され、ランプカバー41から出射された位置表示灯L1の光が主体113aの後端面から入射し表示窓112に嵌合させた主体113aの先端面から外部へ照射されることになる。なお、レンズ113の主体113aの後端面にはシボ加工が施してあり、入射した光を拡散させて上方向への視野角を拡げているので、位置表示灯L1の点灯の有無を視認できる角度が広くなっている。
【0069】
また、図34に示すようにピアノハンドル43の上下方向の中央部であって表示窓112よりも上記他端部側には窓孔252がピアノハンドル43の表裏に貫設され、この窓孔252にアクリル樹脂のような透明材料製のネームカバー253がピアノハンドル43の裏面側から嵌入される。図34および図39および図40に示すように、ネームカバー253は矩形平板状であって裏面側にネームカード250が収納される収納凹所253bを有した主部253aと、主部253aの前面側に主部253aよりも一回り小さい寸法で突設されて窓孔252に嵌入されるネームカバー本体253cと、主部253aの長手方向に沿った両側面より側方へ突設された薄板状の固定部253dと、固定部253dと連続一体に主部253aの長手方向一端側より側方へ突設された枢支部253eとが一体成形されている。
【0070】
ネームカバー253の枢支部253eには裏蓋たる扉254が開閉自在に枢支される。この扉254は、図34および図39に示すように矩形平板状の主片254aと、主片254aの一端側両端縁より突設された一対の脚片254bと、各脚片254bの先端部側面より突設された軸体254cと、主片254aの他端側で一対の切欠254dにより分割形成された操作片254e及び一対の腕片254fと、各腕片254fの先端部側面に側方へ向けて突設された突起254gとを具備する。そして、各脚片254bの軸体254cをネームカバー253の枢支部253eの内側面に開口した軸受部253fに回動自在に嵌め込んで軸体254cを中心にネームカバー253の収納凹所253bを開閉できるようになっている。そして、扉254の両腕片254fに設けられた突起254gを、ネームカバー253の主部253aの裏面側において長手方向に沿った内側面端部の両側に形成した係合部253gに圧入係合して閉じた状態を保持するようになっている。
【0071】
一方、ピアノハンドル43裏面の窓孔252の周縁には、図36に示すように扉254が回動自在に取着されたネームカバー253を嵌め込む嵌込凹部255が形成されている。この嵌込凹部255におけるネームカバー253の固定部253dと対向する部位には、窓孔252の長手方向に沿った突条256が突設されている。また、嵌込凹部255の抜止片43aが形成されている端部側面に係止溝257が設けてあり、この係止溝257に、図38に示すようにネームカバー253の主部253aの端部から突設されているリブ253hの先端が係止される。つまり、リブ253hを係止溝257に係止してネームカバー253を嵌込凹部255に嵌め込めばネームカバー253の仮止めすることができ、この仮止め状態で突条256を超音波で溶解することによりネームカバー253の固定部253dをピアノハンドル43に超音波溶着している。したがって、ピアノハンドル43へのネームカバー253の接合強度を高めることができる。
【0072】
しかして、ネームカード250を収納する場合には操作片254eを引き起こすようにして扉254をネームカバー253の裏面側から開いて、ネームカード250をネームカバー253の収納凹所253bに収納し、この状態で扉254を閉じれば扉254とネームカバー253との間にネームカード250が挟持され、ピアノハンドル43の窓孔252に嵌入された嵌入部253c並びに主部253aを通して表側からネームカード250の文字、数字、記号が視認できることとなる。ここで、本実施形態においては、主部253aの収納凹所253bの底面に曲率を設けてあり、また、主部253aの収納凹所253b底面側端部には一対の密着防止突起たるリブ253jが突設されており、図38および図40に示すように収納凹所253bに収納されたネームカード250をリブ253jによって収納凹所253bの底面から浮かせている。すなわち、ネームカード250と収納凹所253bの底面との接触面積が大きいと静電気によってネームカード250の取り外しが行い難くなるため、主部253aの収納凹所253bの底面に曲率を設け、さらにリブ253jによりネームカード250を浮かせることで接触面積を減らし、ネームカード250の取り外しを容易にしているものである。なお、嵌込凹部255の窓孔252を挟んで対向する両側部にはスイッチ本体1の押釦ハンドル32を押圧操作する一対のスイッチ操作リブ43cが一体に突設されており、ネームカバー253の主部253aにはスイッチ操作リブ43cが挿通されるリブ挿通孔253iが設けてあるから、ネームカバー253を取着してもスイッチ操作リブ43cによる押釦ハンドル32の押圧操作が邪魔されることはない。また、スイッチ操作リブ43cをピアノハンドル43とは別部材に設け当該別部材をピアノハンドル43に組み付ける場合に比べて、ピアノハンドル43に対するスイッチ操作リブ43cの位置精度が高くなるとともに、組立誤差が抑えられる。
【0073】
本実施形態では、上述のように扉254を回動自在に取着してユニット化(ブロック化)したネームカバー253をピアノハンドル43の裏面側に固定するようにしたので、従来例のようにネームカバー253をピアノハンドル43の表面に取着するとともに扉254をピアノハンドル43の裏面に取着する構造に比較して、ピアノハンドル43にネームカバー253及び扉254を組み立てる組立作業を極めて簡素化することができる。
【0074】
ピアノハンドル43の前面における上記他端部には、上下方向の中央位置に置指示突起114が突設され、ピアノハンドル43に押力を作用させるべき端部が指示突起114側であることが示されている。また、ピアノハンドル43の前面においてネームカバー253の上下両側には、複数本の化粧ライン115がストライプ状に形成してある。化粧ライン115は、ピアノハンドル43を形成する合成樹脂成形品にレーザビームの照射して炭化反応させ、他の部分と色差が生じるように発色させることによって形成される。したがって、化粧ライン115とネームカバー253とは独立しているので、ネームカバー253を特に必要としない品種では図41および図42に示すようなピアノハンドル43を採用してもよい。
【0075】
ところで、取付枠2の窓孔2aに2個のスイッチ本体1を取り付ける場合には、図43ないし図50に示すように、上端位置と下端位置とにそれぞれスイッチ本体1を取り付けることになる。各スイッチ本体1には図51ないし図54に示す2個用のピアノハンドル43がそれぞれ取り付けられる。2個用のピアノハンドル43は3個用のピアノハンドル43と同様に、上下方向の中央部に2つの軸受部191を備え、取付枠2に対して上端位置および下端位置に取り付けた各スイッチ本体1の上下方向の中心位置と、各ピアノハンドル2の上下方向の中心位置とが一致するように取り付けられる。その結果、2個用のピアノハンドル43においても上端位置用と下端位置用とを区別することなく共通して同じものを使用できる。2個用のピアノハンドル43は上下寸法が1個用のピアノハンドル43と異なるが他の構成は1個用のピアノハンドル43と同様である。したがって、化粧ライン115とネームカバー253とは独立しているので、ネームカバー253を特に必要としない品種では図55および図56に示すようなピアノハンドル43を採用してもよい。
【0076】
取付枠2の窓孔2aに3個のスイッチ本体1を取り付ける場合には、図57ないし図65に示すように、上端位置と中央位置と下端位置とにそれぞれスイッチ本体1を取り付け、各スイッチ本体1にそれぞれ図66ないし図72に示す3個用のピアノハンドル43を取り付ける。3個用のピアノハンドル43の背面の一端部には4個の軸受部191がスイッチ本体1の軸部192に対応する一定間隔で設けられる。また、上2個の軸受部191と下2個の軸受部191とに対応する軸受用ばね体191bはそれぞれ一体に形成されている。つまり、4個の軸受部191に対して軸受用ばね体191bを2部材で実現してある。また、3個用のピアノハンドル43では抜止片43aはピアノハンドル43の上下方向の中央付近に1個ずつ設けられる。
【0077】
取付枠2に3個のスイッチ本体1を並設した場合、中央位置のスイッチ本体1に取り付けるピアノハンドル43は、中央の2個の軸受部191にスイッチ本体1の軸部192をはめ込んで取り付ける。つまり、中央位置のスイッチ本体1についてはスイッチ本体1の上下方向の中心とピアノハンドル43の上下方向の中心とが一致する。また、ピアノハンドル43の抜止片43aはスイッチ本体1の中央の挿入孔54に挿入される。一方、上端位置のスイッチ本体1に取り付けられるピアノハンドル43は、下側の2個の軸受部191にスイッチ本体1の軸部192をはめ込んで取り付ける。つまり、上端位置についてはスイッチ本体1の上下方向の中心よりもピアノハンドル43の上下方向の中心が上にずれて位置することになり、ピアノハンドル43の抜止片43aはスイッチ本体1の上の挿入孔54に挿入される。また、下端位置のスイッチ本体1に取り付けられるピアノハンドル43は、上側の2個の軸受部191にスイッチ本体1の軸部192をはめ込んで取り付ける。つまり、下端位置についてはスイッチ本体1の上下方向の中心よりもピアノハンドル43の上下方向の中心が下にずれて位置することになり、ピアノハンドル43の抜止片43aはスイッチ本体1の下の挿入孔54に挿入される。なお、ネームカバー253を特に必要としない品種では図73および図74に示すようなピアノハンドル43を採用してもよい。
【0078】
以上の説明からわかるように、取付枠2に3個のスイッチ本体1を取り付ける場合には、上端位置と下端位置とにおいて、スイッチ本体1の上下方向の中心がピアノハンドル43の上下方向の中心に一致しない。そこで、3個用のピアノハンドル43では、図65および図71および図72のように、1個用や2個用のピアノハンドル43で用いたレンズ113の代わりに透光材料よりなる表示部140を用いて、表示部140の背面側に光学的に結合されるプリズム200を設けてある。
【0079】
プリズム200は、図69および図72に示すようにピアノハンドル43の背面側で表示窓112よりも上下方向に広がる形状に形成され、出射面201が三角波状をした凹凸形状となっている。凹凸形状となった出射面201の背方側から上下両側方に向けて側方突出プリズム部207が設けてあり、この側方突出プリズム部207は背面部に取付枠2の上端位置に取り付けられたスイッチ本体1又は下端位置に取り付けられたスイッチ本体1からの光を入射する入射面203を設け、入射面203から内部に入った光を側方突出プリズム部207内の第1の反射面204と、第2の反射面205で反射させて出射面201から出射させようになっている。また凹凸形状の出射面201の背方には取付枠2の中央位置に取り付けられたスイッチ本体1からの光が入射する凹部からなる入射面202を設けてあり、この入射面202の凹部の両側内壁面が傾斜して出射面201の背方に一端が至って非対称となっており、その傾斜面がプリズム200内に導光された光の第2の反射面205となっている。
【0080】
上記の構成のプリズム200は3個用のピアノハンドル43の背面側に出射面201が、3個用のピアノハンドル43に設けた表示部140に対向するように超音波溶着により取り付けてある。ここで、本実施形態の表示部140は光透過性樹脂により形成され、ピアノハンドル43の表示窓112にピアノハンドル43の裏面側から被着されているもので、ピアノハンドル43の表示窓112に嵌合する嵌合部140aと、その嵌合部140aの裏面側両端部から突設され下向きの傾斜面を有する側部140bとを備え、図72に示すように側部140bの先端部分が窓孔252の裏面側周縁に係止され、ピアノハンドル43とプリズム200によって挟持固定される。すなわち、表示部140とプリズム200は何れもピアノハンドル43の裏面側から取り付けることができるから、組立作業が簡素化できるものである。なお、表示部140の側部140bに形成された下向き傾斜面によりプリズム200の非対称の第2の反射面203と併せて上向き方向の視野角を上げて見や易くしてある。
【0081】
しかして、取付枠2の中央位置のスイッチ本体1に取り付けた3個用のピアノハンドル43においては、入射面202が当該スイッチ本体1の透光窓40に対向し、また、上端位置のスイッチ本体1に取り付けられた3個用のピアノハンドル43においては下側の側方突出プリズム部207の入射面203が当該スイッチ本体1の透光窓40に対向し、また、下端位置のスイッチ本体1に取り付けられた3個用のピアノハンドル43においては上側の側方突出プリズム部207の入射面203が当該スイッチ本体1の透光窓40に対向するものである。
【0082】
そして、上端位置あるいは下端位置のスイッチ本体1の透光窓40から出射された位置表示灯L1の光は、入射面203から側方プリズム部207に入射し、側方突出プリズム部207内で反射して凹凸形状の出射面201から表示部140に向けて出射するのである。また、中央位置のスイッチ本体1の透光窓40から出射された光は入射面202から入射し、凹凸形状の出射面201から表示部140に向けて出射するのである。この場合、出射面201を三角波状の凹凸形状とすることで、出射面201から出射する光の出射を偏りを無くしてほぼ同じ方向にすることができる。そして下端位置のスイッチ本体1の透光窓40から出た光は対応するプリズム200の非対称の第2の反射面203と、表示部140の入射面である側部140bの下向き傾斜面とで上向き方向の視野角が上げられ上方向からの視認性が良くなっているため、良く見えることになる。
【0083】
ところで、上述した取付枠2(図22参照)は壁面のような施工面に対して3種類の取付方法が選択可能となるように構成してある。図75および図76に示す例は、コンクリート壁などに施工する場合であって、壁Wに埋込配設された埋込ボックス150に取り付ける例を示している。取付枠2の上片および下片にはそれぞれ埋込ボックス150の開口側に設けた取付舌片151に螺合するボックスねじを挿通するための長孔2cが形成されている。また、施工面が木質壁などの場合には施工面に螺入するねじを用いて取付枠2を直付けする場合があるから、直付け用のねじを挿通するためのねじ挿通孔2dも上片と下片とに形成されている。さらに、上片および下片には、施工面が石膏ボードのようなパネル材であるときに使用するはさみ金具(図示せず)の一端部を係止するはさみ金具取付孔2eと、プレート枠120を取り付ける取付ねじ123を螺合させる取付ねじ孔2fとが設けてある。
【0084】
取付枠2の前面側に取付ねじ123によって取り付けられるプレート枠120は、図81ないし図84に示すように、ABS樹脂のような合成樹脂によって矩形枠状に形成された成形品であって、上片と下片とにそれぞれ取付ねじ123が挿通されるねじ挿通孔121が設けてある。また、プレート枠120の左片および右片にはそれぞれ化粧プレート130の係止片131が挿入係止される係止孔122がそれぞれ3個ずつ設けてある。さらに、プレート枠120の四隅には金属製の簡易耐火プレート(図示せず)を取り付けるためのプレート保持孔125も設けられている。プレート枠120の周部には全周に亘って段部124が形成される。
【0085】
プレート枠120に結合される化粧プレート130は、図85ないし図88に示すように、プレート枠120と同様にABS樹脂のような合成樹脂によって矩形枠状に形成される。また、化粧プレート130の裏面にはプレート枠120に結合するための係止片131が6本突設されている。化粧プレート130は前壁の外周縁から後方に向かって延設された周壁132を備え、図77ないし図80に示すように、プレート枠120に化粧プレート130を重ね合わせたときに周壁132の後縁がプレート枠120の段部124の前面に載るようにしてある。なお、プレート枠120および化粧プレート130はともに角部に丸みがほとんどなく、アール部分を形成する場合に比較すると金型の製造が容易になっている。
【0086】
スイッチ本体1を取り付けた取付枠2に取付ねじ123によってプレート枠120を取り付け、さらに化粧プレート130をプレート枠120に結合するとともに、スイッチ本体1にピアノハンドル43を取り付けると、プレート枠120および化粧プレート130の中央部の開口窓120a,130aを通してピアノハンドル43の一部をプレートの前方に突出させることができ、この状態でピアノハンドル43を押操作することができることになる。また、化粧プレート130はプレート枠120に対して係止片131によって係合しているだけであるから、プレート枠120の下端部に設けた外し溝126にマイナスドライバのような工具の先端部を挿入し、プレート枠120から化粧プレート130を引き離すように力を作用させれば、化粧プレート130をプレート枠120から外すことができる。したがって、化粧プレート130を取り付けた状態では表面に取付ねじ123が露出しないようにして優れた外観に仕上げながらも、メンテナンス時には化粧プレート130を比較的容易に取り外すことができる。
【0087】
(実施形態2)
実施形態1では、位置表示灯L1を設けていたが、用途によっては位置表示灯L1は必ずしも設けなくてもよい。つまり、位置表示灯L1が不要な場合には、表示ブロックB1、透孔窓40、ランプカバー41を省略したスイッチ本体1を採用し、またピアノハンドル43においても表示窓112およびレンズ113、プリズム200、表示部140などを省略するのである。このように、位置表示灯L1に関連する部材を実施形態1から省略すれば、部品点数が少なくなり、第1の実施の形態よりも低コストで提供することができる。要するに、用途によっては低価格のスイッチを利用することができる。
【0088】
この構成のスイッチ本体1を図89ないし図97に示す。スイッチ本体1については、実施形態1に示した構成から表示ブロックB1、透孔窓40、ランプカバー41を省略したものであって、カバー5aのみ異なる部材を用いれば、他の部材は実施形態1と共通の部材を用いることができる。
【0089】
しかして、本実施形態では、図98および図99に示すような1個用のピアノハンドル43、図100および図101に示すような2個用のピアノハンドル43、図102および図103に示すような3個用のピアノハンドル43を採用することができる。また、本実施形態においてもピアノハンドル43の化粧ライン115を実施形態1と同様にレーザビームの照射により形成しているので、ネームカバー253が不要な品種については、図104および図105に示すような1個用のピアノハンドル43、図106および図107に示すような2個用のピアノハンドル43、図108および図109に示すような3個用のピアノハンドル43を採用することができる。他の構成および動作は実施形態1と同様であるから説明を省略する。 (実施形態3)
本実施形態は、実施形態1とはスイッチ本体1における接点部100の構成が異なる。
【0090】
以下では、まずスイッチ本体1について図110ないし図118を用いて説明するが、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0091】
本実施形態では、ボディ5bの内部空間は長手方向において3室に区画され、両側の区画は端子が収納される端子収納室13,14となり、中央の区画は端子収納室13,14よりも深く形成されスイッチ機構部が収納される中央収納室23となる。端子収納室13には端子板15と2個の鎖錠ばね16と解除釦17とからなる端子が収納され、端子収納室14には2個の端子板18,20と各端子板18,20ごとに設けた2個の鎖錠ばね19と解除釦21とからなる2個の端子が収納される。また、端子収納室13,14に対応するボディ5bの後壁には、図114、図116に示すように、各一対の電線挿入口13a,14aが貫設され、各一対の電線挿入口13a,14aの近傍にはそれぞれ1個ずつの解除孔13b,14bが貫設される。
【0092】
鎖錠ばね16,19は、弾性を有する導電性金属の帯板の両端部をそれぞれ曲成することにより、中央片16c,19cの両端部に鎖錠片16a,19aと接触片16b,19bとをそれぞれ形成したものである。鎖錠片16a,19aはJ字状に曲成され、中央片16c,19cとの連結部位から先端に向かって中央片16c,19cとの距離を広げるように傾斜する。また、接触片16b,19bはS字状に曲成され、中央片16c,19cの厚み方向に弾性を有している。
【0093】
一方、各端子板15,18,20は、それぞれ前片15a,18a,20aと、前片15a,18a,20aの後方に位置して互いに対向する押さえ片15b,18b,20bおよび当接片15c,18c,20cとを備える。鎖錠ばね16,19の中央片16c,19cは平板状であり、端子板15,18,20の当接片15c,18c,20cにそれぞれ当接し、鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bを押さえ片15b,18b,20bにそれぞれ対向させる。端子板15,18,20および鎖錠ばね16,19と電線挿入口13a,14aとの位置関係は、上述した電線挿入口13a,14aから器体5に導入される電線が鎖錠ばね16,19の鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bと端子板15,18,20の押さえ片15b,18b,20bとの間にそれぞれ挿入されるように設定されている。したがって、器体5に電線が挿入されると、鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bと端子板15,18,20の押さえ片15b,18b,20bとの間で電線が挟持され、鎖錠片16a,19aの先端が電線の芯線に食い込んで抜止がなされるとともに、鎖錠片16a,19aおよび接触片16b,19bによって電線の芯線と端子板15,18,20との電気的接続がなされる。鎖錠ばね16,19のばね力を利用して端子ねじを用いることなく電線を接続することができるこの種の構造の端子は速結端子と呼ばれている。速結端子において電線の機械的接続状態および電気的接続状態として所要の性能を得るには、電線挿入口13a,14aへの電線の挿入量を一定にする必要がある。そこで、電線の絶縁被覆を剥く量が一定であるか否かを簡単に確認することができるように、ボディ5bの後面にはゲージ溝22が形成されている。絶縁被覆を剥くときには電線の端部をゲージ溝22に合わせて絶縁被覆を剥く量を確認すればよい。
【0094】
解除釦17,21はユリア樹脂のような熱硬化性樹脂を用いて形成され、後部を解除孔13b,14bに臨ませる形でボディ5bの各端子収納室13,14にそれぞれ収納される。解除釦17,21の一部は鎖錠ばね16,19の鎖錠片16a,19aに接触可能であって、解除孔13b,14bを通してマイナスドライバのような工具の先端部で解除釦17,21を押操作すれば、鎖錠片16a,19aを端子板15,18,20の押さえ片15b,18b,20bから引き離して電線の保持力を弱め、この状態で電線を引き抜くことができる。ここに、解除釦17は端子板15に対応する一対の鎖錠ばね16に跨るように配置され、解除釦21は端子板18に対応する鎖錠ばね19と端子板20に対応する鎖錠ばね19とに跨るように配置される。つまり、各解除釦21は2個ずつの鎖錠ばね16,19の鎖錠片16a,19aを同時に押すことができるようになっている。
【0095】
端子収納室14に収納される一方の端子板18には、中央収納室23に挿入される接点保持片18dが一体に形成してあり、接点保持片18dの先端部には中央収納室23内で固定接点25aが設けられる。また、端子収納室14に収納される他方の端子板20には、端子板18に設けた接点保持片18dに対向する部位まで延長されたL字状の接点保持片20dを備え、接点保持片20dにおいて中央収納室23に挿入されている部位には、端子板18に設けた固定接点25aに対向する固定接点25bが設けられている。
【0096】
中央収納室23の底部には図示しないリブが形成され、リブ上には合成樹脂成形品の中枠57が載置される。この中枠57によって中央収納室23は前後に仕切られる。中央収納室23において中枠57の後部側には電流トランスCT1が収納され、電流トランスCT1からは1次側および2次側のリード線S1〜S4が引き出されている。リード線S1〜S4には絶縁材料よりなる可撓性を有した保護チューブTが装着され、中枠57に設けた隙間57aを通してリード線S1〜S4が中枠57の前方に引き出される。中枠57の前面には支持板15eが載置される。支持板15eには電流トランスCT1の1次側の一方のリード線S1が接続され、1次側の他方のリード線S2は端子板15に接続される。電流トランスCT1の2次側のリード線S3,S4は表示ブロックB6に接続される。
【0097】
表示ブロックB6はT字状に形成されたプリント基板66を備える。プリント基板66には、ネオンランプからなる位置表示灯L1と、発光ダイオードからなるパイロット灯L3と、パイロット灯L3とは逆並列に接続されるダイオードD1と、位置表示灯L1に直列接続されるチップ抵抗である抵抗R2と、位置表示灯L1と抵抗R2との直列回路に並列接続したチップ抵抗である抵抗R3とが実装される。また、プリント基板66の後面には導電板からなる一対の接触子67a,67bも半田接続される。電流トランスCT1の2次側のリード線S3,S4の間にはパイロット灯L3とダイオードD1との並列回路が接続される。また、接触子67a,67bは端子板18,20の前片18a,20aにそれぞれ接触するように配置される。
【0098】
ところで、中枠57に載置された支持板15eには平板状の導電板からなる開閉子24の後端縁が当接する。開閉子24は中枠57に設けた支持台57bとボディ5bの内周面との間に配置され、支持台57bとボディ5bとの対向面に設けた前端側が広いV字状の位置規制凹部27に、開閉子24の後部両側縁に突設された一対の突部28がそれぞれ挿入される。したがって、開閉子24は支持板15eに後端縁が接触した状態で後縁を中心として位置規制凹部27の範囲内で回動可能になる。また、開閉子24は両接点保持片18d,20dの間に配置され、開閉子24の両面には接点保持片18dに設けた固定接点25aおよび接点保持片20dに設けた固定接点25bとともに接点部100を構成する可動接点29がそれぞれ設けられる。つまり、開閉子24が回動することにより、可動接点29が両固定接点25a,25bの一方に選択的に接触し、端子板15を端子板18に電気的に接続する状態と、端子板15を端子板20に電気的に接続する状態とが選択される。
【0099】
上述のように、端子収納室13に収納された一対の鎖錠ばね16は1つの端子板15に対応して配置されているから、端子板15に接続される一対の電線は端子板15を介して互いに電気的に接続される。つまり、接点部100の開閉によって端子収納室13に収納された端子板15に対応する2個の鎖錠ばね16の一方を送り配線用の端子として用いることができる。
【0100】
ここにおいて、本実施形態ではボディ5bの前端の開口面よりも端子板15,18,20の前片15a,18a,20aのほうが前方に突出するように端子板15,18,20を配置してあり、端子板15,18,20への電線の挿入量は従来構成と同寸法を確保しながらも、ボディ5bの前後方向の寸法を従来構成よりも小さくしている。また、カバー5aについては前後方向の寸法を従来構成と同程度としているが、端子板15,18,20がカバー5a側に浮き上がらないようにするために、カバー5aの内周面には端子板15,18,20の前片15a,18a,20aに当接する押さえ用ボス53が形成されている。このような構成によって、電線挿入口13a,14aの近傍における器体5の前後方向の寸法は従来構成よりも小さくなる。ただし、ボディ5bの後面の中央部は電線挿入口13a,14aを設けている両端部よりも後方に突出する突出部7を形成している。
【0101】
上述した表示ブロックB6は、カバー5aの長手方向の一端部に形成した後面開口する収納凹所55に収納される。表示ブロックB6が収納凹所55に収納されるようにしてカバー5aをボディ5bに結合すれば、接触子67aの先端部が端子板18の前片18aに弾接し、接触子67bの先端部が端子板20の前片20aに弾接する。つまり、抵抗R2と位置表示灯L1との直列回路に抵抗R3を並列接続した回路が両端子板15,18の間に挿入されることになる。したがって、スイッチ本体1の内部回路を図示すれば図119のようになる。本実施形態では上述のように、可動接点29を2つの固定接点25a,25bに選択的に接触させる3路スイッチとなる接点部100を構成し、可動接点29と端子板15との間に電流トランスCT1の1次側が挿入され、2つの固定接点25a,25bの間に位置表示灯L1を含む回路が挿入されることになる。したがって、3路スイッチである接点部100の状態に応じて負荷への電源を入切するとすれば、負荷がオフであるときに2つの固定接点25a,25bの間に電圧が印加されて位置表示灯L1が点灯し、負荷として照明負荷を用いるとすれば、照明負荷が消灯しているときには位置表示灯L1が点灯することによって、暗がりでもスイッチの位置を容易に確認することができる。また、負荷がオンであるときには電流トランスCT1の1次側に電流が流れるからパイロット灯L3が点灯して負荷がオンであることを示すことになる。
【0102】
カバー5aにおいて収納凹所55に対応する部位の前壁には、収納凹所55に連通する透孔窓40が形成され、透孔窓40には透光性を有したランプカバー41が取り付けられる。したがって、位置表示灯L1およびパイロット灯L3の点灯・消灯の状態はランプカバー41を通して視認することができる。
【0103】
ボディ5bの後面や側面の適宜部位には接点部100の構成、型式を示す記号、定格容量などを示す表記56が設けられている。この表記56はボディ5bを形成する材料に珪素含有無機化合物または珪素を含有するピグメントを混入しておき、表記56のパターンが得られるようにレーザビームを照射することで発色させてある。このような表記56を形成する際には、適切に選択したピグメントにより着色した材料を用いることで、比較的低強度のレーザビームを用いながらも明確なコントラストを与えることができる。
【0104】
ところで、接点部100は開閉子24を回動させるために設けた反転ばね30、反転ハンドル31、押釦ハンドル32、スライドカム33、復帰ばね37とともにスイッチ機構部を構成する。
【0105】
以下に、上記スイッチ本体1の動作を簡単に説明する。図120は可動接点29が固定接点25aに接触している状態を示しており、反転ハンドル31は図の右側に倒れている。このときスライドカム33はばね片33aにより移動範囲の中央位置に位置している。この状態からピアノハンドル43(図120では図示を省略している)に押力を作用させると、押釦ハンドル32が復帰ばね37に抗して器体5に押し込まれ、押釦ハンドル32とともにスライドカム33が図120の下向きに移動する。このときスライドカム33の図中左側の掛合カム体38が反転ハンドル31の左側の掛合突起34に当接して反転ハンドル31の左端部を押すから、反転ハンドル31が支点突起31bの前端を中心として左回りに回転する。スライドカム33の左側の掛合カム体38は反転ハンドル31の左側の掛合突起34よりも左側に位置しており、反転ハンドル31が回転するのに伴ってスライドカム33が左方に押されて図121に示すようにスライドカム33が図中の左側にスライドする。こうして図122のように反転ハンドル31が図の左側に倒れるようになり、反転ばね30が反転して開閉子24が反転し、可動接点29が固定接点25aから切り離され固定接点25bに接触する状態に反転する。その後、ピアノハンドル43に作用させた押力を解除すると、図123のように復帰ばね37のばね力により押釦ハンドル32が押し戻され、押釦ハンドル32に当接しているピアノハンドル43も元の位置に復帰する。また同時に、スライドカム33もばね片33aのばね力でスライドして中央位置に復帰する。
【0106】
こうして、可動接点29が固定接点25bに接触した状態となっているときにピアノハンドル43に再び押力を作用させると、上述の動作と同様にして反転ハンドル31を回転させることができる。ただし、可動接点29が固定接点25bに接触している状態では、反転ハンドル31の右側の掛合突起34がスライドカム33の右側の掛合カム体38に当接するから、反転ハンドル31は右回りに回転し、反転ばね30を介して可動接点29を固定接点25bから引き離すことになる。こうして接点部100を反転させた後にピアノハンドル43から押力を解除すれば、図120に示す状態に戻る。要するに、本実施形態ではピアノハンドル43の押操作毎に接点部100が開閉されるのである。すなわち、スライドカム33と反転ハンドル31の掛合突起34と復帰ばね37とによって、押釦ハンドル32の押操作を反転ハンドル31の揺動に変換する変換機構部が構成される。
【0107】
取付枠2の窓孔2aにスイッチ本体1を1個だけ取り付ける場合の状態を図124ないし図131に示す。なお、図124ないし図131におけるスイッチ本体1には、実施形態1で説明した1個用のピアノハンドル43が取りつけられている。
【0108】
また、取付枠2の窓孔2aに2個のスイッチ本体1を取り付ける場合には、図132ないし図138に示すように、上端位置と下端位置とにそれぞれスイッチ本体1を取り付け、各スイッチ本体1に実施形態1で説明した2個用のピアノハンドル43をそれぞれ取り付ける。
【0109】
取付枠2の窓孔2aに3個のスイッチ本体1を取り付ける場合には、図139ないし図146に示すように、上端位置と中央位置と下端位置とにそれぞれスイッチ本体1を取り付け、各スイッチ本体1に実施形態1で説明した3個用のピアノハンドル43をそれぞれ取り付ける。
【0110】
【発明の効果】
請求項1の発明は、押釦ハンドルが押し込まれたときに、この押釦ハンドルの押し込み動作にともなって反転ハンドルを反転回動させ、この反転ハンドルの反転回動に応じて接点部の切り換えを行うようにした押釦スイッチと、該押釦スイッチの前面側に軸支部により回動自在に取り付けられて前記押釦ハンドルをピアノタッチ操作で押圧するピアノハンドルとを備え、前記ピアノハンドルは、レーザビームを照射することにより発色させた飾色部が前面に設けられてなるものであり、ピアノハンドルの前面にレーザビームを照射することにより発色させた飾色部が設けられているので、従来のようにインモールド転写によりピアノハンドルの前面に飾色部を形成する必要がなく、転写用フィルムが不要になるとともに成形に伴うコストの削減を図ることができ、また、レーザビームを照射することにより発色させて形成される飾色部は、インモールド転写により形成される飾色部の位置精度に比べて精度が高いので良品率が高くなるから、製造コストを低減でき、低コスト化を図ることができるという効果がある。しかも、飾色部をネームカバーと独立してピアノハンドルの前面に設けることができるから、従来のようにネームカバーに飾色部を設ける必要がなく、ピアノハンドルの大きさやベース色などにより区別されるピアノハンドルの品種に関わらず共通のネームカバーを使用可能となるので、ネームカバーの共通化が図れコストを低減できるという効果がある。また、飾色部がインモールド転写により形成されている場合に比べて、飾色部の耐久性が高くなるという効果がある。
また、請求項1の発明は、前記ピアノハンドルの前面に設けられ透明性材料からなるネームカバーと、前記ピアノハンドルの後面側に開閉自在に設けられて前記ネームカバーとの間でネームカードを保持する裏蓋とを備えるので、ネームカバーおよび裏蓋を前記ピアノハンドルの後面側から取り付けることが可能となり、組立作業を簡素化することができるという効果がある。
また、請求項1の発明は、前記ネームカバーは、前記ピアノハンドルに貫設された窓孔に嵌入されるネームカバー本体と、前記ピアノハンドルの後面側で前記窓孔の開口周部に超音波溶着される固定部とを備えるので、ピアノハンドルへのネームカバーの接合強度を高めることができるという効果がある。
【0111】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記飾色部は、レーザービームを照射することにより炭化反応させることで発色させてあるので、前記飾色部に起因したピアノハンドルの面粗さを小さくすることができ、操作感触を良好にすることができるという効果がある。また、前記飾色部の所望の色品質を実現することが可能となるという効果がある。
【0112】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記飾色部はピアノハンドルの前面においてストライプ状に形成された複数の化粧ラインであって、各化粧ラインそれぞれは、レーザビームを照射することにより形成された複数本の平行なラインにより構成されているので、1つの化粧ラインを1本のラインで構成する場合に比べてレーザビームのパワーを低減させることが可能で、ピアノハンドルの前面の化粧ラインに起因した面粗さを小さくすることが可能になり、ピアノハンドルの操作感触を良好にすることができるという効果がある。
【0114】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記ネームカバーと前記裏蓋と前記ネームカードとを1ブロック化してなるので、組立作業を簡素化することが可能になるという効果がある。
【0115】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記ネームカバーは、前記ネームカードが当接する面に曲率が設けられてなるので、静電気によりネームカードがネームカバーに付着するのを防ぐことができ、ネームカードの取り替えが容易になるという効果がある。
【0116】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記ネームカバーは、前記ネームカードが当接する面にネームカードの密着を防ぐ密着防止突起が突設されてなるので、静電気によりネームカードがネームカバーに付着するのを防ぐことができ、ネームカードの取り替えが容易になるという効果がある。
【0118】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記ピアノハンドルは、当該ピアノハンドルの操作にともなって前記押釦ハンドルを押操作するスイッチ操作リブが一体に突設されてなるので、ピアノハンドルを押操作すればピアノハンドルから一体に突設されたスイッチ操作リブによって押釦ハンドルが押し込まれるから、スイッチ操作リブを別部材に設けて当該別部材をピアノハンドルに組み付ける場合に比べて、ピアノハンドルに対する操作用リブの位置精度が高くなるとともに、組立誤差が抑えられるという効果がある。
【0119】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7の発明において、前記ピアノハンドルは、前面において前記軸支部とは反対側に当該ピアノハンドルの操作側を示す指示突起が突設されてなるので、ピアノハンドルに押力を作用させるべき端部が指示突起側であることが明確に示され、また、手触りでも分かるようになる。
【0120】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向に3個並べて取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記3個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに各押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓を長手方向に略3等分した寸法としたので、押釦スイッチを3個用いる場合にも押釦スイッチを1個または2個用いる場合と共通仕様の取付窓を有する取付枠、プレートが使用できて部品の共通化が図れるという効果がある。
【0121】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向に2個並べて取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記2個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに各押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓を長手方向に略2等分した寸法としたので、押釦スイッチを2個用いる場合にも押釦スイッチを1個または3個用いる場合と共通仕様の取付窓を有する取付枠、プレートが使用できて部品の共通化が図れるという効果がある。
【0122】
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向における略中央に1個取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記1個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓の長手方向の寸法に略等しい寸法としたので、押釦スイッチを1個用いる場合にも押釦スイッチを2個または3個用いる場合と共通仕様の取付窓を有する取付枠、プレートが使用できて部品の共通化が図れるという効果がある。
【0123】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11の発明において、前記押釦スイッチに前記接点部の状態に応じて発光する発光手段を具備し、前記ピアノハンドルに取り付けられて前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ導く導光部材を備え、該導光部材には、前記光を拡散させるシボ加工が施されてなるので、前記ピアノハンドルの前面側で導光部材の前面を均一に光らせることができ、発光手段の発光の有無に関する視認角度が向上するという効果がある。
【0124】
請求項13の発明は、請求項9の発明において、前記押釦スイッチに前記接点部の状態に応じて発光する発光手段を具備し、前記ピアノハンドルに取り付けられて前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ導くプリズムと、前記プリズムの前面側に配設され表示を行う発光表示部とを備え、該プリズムは、前記ピアノハンドルの後面側で発光表示部の一部を挟み込んだ形で前記ピアノハンドルの後面側に超音波溶着されてなるので、発光手段と発光表示部との位置がずれていても前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ確実に導くことができ、また、ピアノハンドルへの前記プリズムの接合強度を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピアノハンドルの概略正面図である。
【図2】同上の他のピアノハンドルの概略正面図である。
【図3】同上の製造方法の説明図である。
【図4】同上の製造方法の説明図である。
【図5】同上の化粧ラインの構成例の説明図である。
【図6】同上の化粧ラインの他の構成例の説明図である。
【図7】本発明の実施形態1を示すスイッチ本体の分解斜視図である。
【図8】同上のスイッチ本体を示す斜視図である。
【図9】同上のスイッチ本体を示す正面図である。
【図10】同上のスイッチ本体を示す下面図である。
【図11】同上のスイッチ本体を示す背面図である。
【図12】同上のスイッチ本体を示す側面図である。
【図13】同上のスイッチ本体を示す断面図である。
【図14】同上のスイッチ本体においてカバーを外した状態の正面図である。
【図15】同上のスイッチ本体においてボディを外した状態の背面図である。
【図16】同上の内部回路を示す回路図である。
【図17】同上の軸部近傍を示し、(a)はピアノハンドル取付前の断面図、(b)はピアノハンドル取付後の断面図である。
【図18】同上の動作説明図である。
【図19】同上の動作説明図である。
【図20】同上の動作説明図である。
【図21】同上の動作説明図である。
【図22】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での分解斜視図である。
【図23】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での正面図である。
【図24】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での左側面図である。
【図25】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での右側面図である。
【図26】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での背面図である。
【図27】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での上面図である。
【図28】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での下面図である。
【図29】図23におけるA−A線断面図である。
【図30】図23におけるB−B線断面図である。
【図31】同上に用いるピアノハンドルを示す正面図である。
【図32】図31におけるC−C線断面図である。
【図33】同上に用いる1個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図34】同上に用いる1個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図35】同上に用いる1個用のピアノハンドルの背面側から見た斜視図である。
【図36】同上に用いる1個用のピアノハンドルの背面側から見た分解斜視図である。
【図37】同上に用いる1個用のピアノハンドルの背面側から見た斜視図である。
【図38】同上に用いる1個用のピアノハンドルの断面図である。
【図39】同上におけるネームカバー、扉、ネームカードの分解斜視図である。
【図40】同上におけるネームカバーを示し、(a)は背面図、(b)は断面図である。
【図41】同上に用いる1個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図42】同上に用いる1個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図43】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での分解斜視図である。
【図44】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での正面図である。
【図45】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での左側面図である。
【図46】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での右側面図である。
【図47】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での背面図である。
【図48】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での上面図である。
【図49】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での下面図である。
【図50】図44におけるB−B線断面図である。
【図51】同上に用いる2個用のピアノハンドルを示す正面図である。
【図52】図51におけるC−C線断面図である。
【図53】同上に用いる2個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図54】同上に用いる2個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図55】同上に用いる2個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図56】同上に用いる2個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図57】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での分解斜視図である。
【図58】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での正面図である。
【図59】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での左側面図である。
【図60】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での右側面図である。
【図61】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での背面図である。
【図62】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での上面図である。
【図63】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での下面図である。
【図64】図58におけるA−A線断面図である。
【図65】図58におけるB−B線断面図である。
【図66】同上に用いる3個用のピアノハンドルを示す正面図である。
【図67】図66におけるC−C線断面図である。
【図68】同上に用いる3個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図69】同上に用いる3個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図70】同上に用いる3個用のピアノハンドルの背面側から見た斜視図である。
【図71】同上に用いる3個用のピアノハンドルの断面図である。
【図72】同上に用いる3個用のピアノハンドルの縦断面図である。
【図73】同上に用いる3個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図74】同上に用いる3個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図75】同上の施工例を示す縦断面図である。
【図76】同上の施工例を示す横断面図である。
【図77】同上の施工に用いるプレートの正面図である。
【図78】同上の施工に用いるプレートの一部切欠した側面図である。
【図79】同上の施工に用いるプレートの背面図である。
【図80】同上の施工に用いるプレートの下面図である。
【図81】同上の施工に用いるプレート枠の正面図である。
【図82】同上の施工に用いるプレート枠の一部切欠した側面図である。
【図83】同上の施工に用いるプレート枠の背面図である。
【図84】同上の施工に用いるプレート枠の一部切欠した下面図である。
【図85】同上の施工に用いる化粧プレートの背面図である。
【図86】同上の施工に用いる化粧プレートの一部切欠した側面図である。
【図87】同上の施工に用いる化粧プレートの正面図である。
【図88】同上の施工に用いる化粧プレートの一部切欠した上面図である。
【図89】本発明の実施形態2を示すスイッチ本体の分解斜視図である。
【図90】同上のスイッチ本体を示す斜視図である。
【図91】同上のスイッチ本体を示す正面図である。
【図92】同上のスイッチ本体を示す下面図である。
【図93】同上のスイッチ本体を示す背面図である。
【図94】同上のスイッチ本体を示す側面図である。
【図95】同上のスイッチ本体を示す断面図である。
【図96】同上のスイッチ本体においてカバーを外した状態の正面図である。
【図97】同上のスイッチ本体においてボディを外した状態の背面図である。
【図98】同上に用いる1個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図99】同上に用いる1個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図100】同上に用いる2個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図101】同上に用いる2個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図102】同上に用いる3個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図103】同上に用いる3個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図104】同上に用いる1個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図105】同上に用いる1個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図106】同上に用いる2個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図107】同上に用いる2個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図108】同上に用いる3個用のピアノハンドルの斜視図である。
【図109】同上に用いる3個用のピアノハンドルの分解斜視図である。
【図110】本発明の実施形態3を示すスイッチ本体の分解斜視図である。
【図111】同上のスイッチ本体を示す斜視図である。
【図112】同上のスイッチ本体を示す正面図である。
【図113】同上のスイッチ本体を示す下面図である。
【図114】同上のスイッチ本体を示す背面図である。
【図115】同上のスイッチ本体を示す側面図である。
【図116】同上のスイッチ本体を示す断面図である。
【図117】同上のスイッチ本体においてカバーを外した状態の正面図である。
【図118】同上のスイッチ本体においてボディを外した状態の背面図である。
【図119】同上の内部回路を示す回路図である。
【図120】同上の動作説明図である。
【図121】同上の動作説明図である。
【図122】同上の動作説明図である。
【図123】同上の動作説明図である。
【図124】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での正面図である。
【図125】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での左側面図である。
【図126】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での右側面図である。
【図127】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での背面図である。
【図128】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での上面図である。
【図129】同上で1個用のピアノハンドルを用いる使用形態での下面図である。
【図130】図124におけるA−A線断面図である。
【図131】図124におけるB−B線断面図である。
【図132】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での正面図である。
【図133】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での左側面図である。
【図134】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での右側面図である。
【図135】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での背面図である。
【図136】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での上面図である。
【図137】同上で2個用のピアノハンドルを用いる使用形態での下面図である。
【図138】図132におけるB−B線断面図である。
【図139】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での正面図である。
【図140】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での左側面図である。
【図141】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での右側面図である。
【図142】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での背面図である。
【図143】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での上面図である。
【図144】同上で3個用のピアノハンドルを用いる使用形態での下面図である。
【図145】図139におけるA−A線断面図である。
【図146】図139におけるB−B線断面図である。
【図147】従来例を示す分解斜視図である。
【図148】同上の使用形態での正面図である。
【図149】同上の使用形態での正面図である。
【図150】同上の使用形態での正面図である。
【符号の説明】
43 ピアノハンドル
115 化粧ライン
252 窓孔
253 ネームカバー
Claims (13)
- 押釦ハンドルが押し込まれたときに、この押釦ハンドルの押し込み動作にともなって反転ハンドルを反転回動させ、この反転ハンドルの反転回動に応じて接点部の切り換えを行うようにした押釦スイッチと、該押釦スイッチの前面側に軸支部により回動自在に取り付けられて前記押釦ハンドルをピアノタッチ操作で押圧するピアノハンドルとを備え、前記ピアノハンドルの前面に設けられ透明性材料からなるネームカバーと、前記ピアノハンドルの後面側に開閉自在に設けられて前記ネームカバーとの間でネームカードを保持する裏蓋とを備え、前記ネームカバーは、前記ピアノハンドルに貫設された窓孔に嵌入されるネームカバー本体と、前記ピアノハンドルの後面側で前記窓孔の開口周部に超音波溶着される固定部とを備え、前記ピアノハンドルは、レーザビームを照射することにより発色させた飾色部が前面に設けられてなることを特徴とするピアノハンドル式スイッチ。
- 前記飾色部は、レーザービームを照射することにより炭化反応させることで発色させてあることを特徴とする請求項1記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記飾色部はピアノハンドルの前面においてストライプ状に形成された複数の化粧ラインであって、各化粧ラインそれぞれは、レーザビームを照射することにより形成された複数本の平行なラインにより構成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記ネームカバーと前記裏蓋と前記ネームカードとを1ブロック化してなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記ネームカバーは、前記ネームカードが当接する面に曲率が設けられてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記ネームカバーは、前記ネームカードが当接する面にネームカードの密着を防ぐ密着防止突起が突設されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記ピアノハンドルは、当該ピアノハンドルの操作にともなって前記押釦ハンドルを押操作するスイッチ操作リブが一体に突設されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記ピアノハンドルは、前面において前記軸支部とは反対側に当該ピアノハンドルの操作側を示す指示突起が突設されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向に3個並べて取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記3個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに各押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓を長手方向に略3等分した寸法としたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向に2個並べて取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記2個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに各押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓を長手方向に略2等分した寸法としたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 規格化された埋込型の配線器具の1個モジュール寸法に形成された前記押釦スイッチを一方向に3個並べて取り付けることのできる取付窓を有した3個モジュール寸法の取付枠に当該1個モジュール寸法の押釦スイッチを上記一方向における略中 央に1個取り付け、前記取付窓よりも大きく且つ前記1個の押釦スイッチの前面を露出する開口窓を有したプレートを前記取付枠の前面に取着したときに押釦スイッチに取り付けられる前記ピアノハンドルの寸法を前記開口窓の長手方向の寸法に略等しい寸法としたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記押釦スイッチに前記接点部の状態に応じて発光する発光手段を具備し、前記ピアノハンドルに取り付けられて前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ導く導光部材を備え、該導光部材には、前記光を拡散させるシボ加工が施されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のピアノハンドル式スイッチ。
- 前記押釦スイッチに前記接点部の状態に応じて発光する発光手段を具備し、前記ピアノハンドルに取り付けられて前記発光手段の光を前記ピアノハンドルの前面側へ導くプリズムと、前記プリズムの前面側に配設され表示を行う発光表示部とを備え、該プリズムは、前記ピアノハンドルの後面側で発光表示部の一部を挟み込んだ形で前記ピアノハンドルの後面側に超音波溶着されてなることを特徴とする請求項9記載のピアノハンドル式スイッチ。
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